情報セキュリティマネジメントの報酬の相場


この記事のポイント
- ✓情報セキュリティマネジメント(SG)を活かした在宅案件の報酬が
- ✓どう決まるのかを整理しました
- ✓監修料の3つの考え方と
情報セキュリティマネジメント試験に合格したあと、いざ在宅の依頼を受けようとして、いくらで受ければいいのか分からなくて手が止まる。こういうご相談、本当に多いんです。検索して出てくる金額は月額80万円のような大きな数字ばかりで、自分がこれから受けようとしている小さな依頼とは、どうも話が合わない。そう感じるのは自然なことです。
先に結論をお伝えします。この分野の報酬には、性質のまったく違う3つの決め方が同居しています。時間で決めるもの、成果物の数で決めるもの、そして名前と判断に対して払われるもの。この3つを混ぜて考えると、必ず金額の感覚が狂います。逆に分けて考えられるようになると、見積もりで迷う時間がぐっと減ります。大丈夫です。ひとつずつ整理していきましょう。
世に出ている相場の数字は、どの市場の数字なのか
まず、よく目にする金額がどこの数字なのかを押さえます。ここを飛ばすと、自分の状況に当てはまらない数字を基準にしてしまいます。
案件紹介のサービスが公表している水準は、こう説明されています。
フリーランスの求人・案件を探す フリーランス × 情報セキュリティの案件一覧 案件特徴から求人・案件を探す 副業・複業の案件一覧 その他の求人・案件を探す 情報セキュリティ案件のよくある質問 情報セキュリティ案件の月額単価相場はいくらぐらいですか? 情報セキュリティの平均月単価は89万円です。ただし、この金額はあくまで目安であり、個々人のご経験やスキルなどでも変わってきます。 出典: freelance.levtech.jp
別のサービスも、近い水準を示しています。
2025年1月時点のフリーランスHubの案件情報によると、セキュリティエンジニアの報酬単価の相場は比較的高めです。月額70万~80万円の案件や月額60万~70万円の案件が数多くあります。 毎月途切れずに案件を受けられれば、年収720万円~960万円の収入を得られる見込みがあります。 出典: freelance-hub.jp
この数字は、週5日に近い稼働を前提にした、専業向けの水準です。実務経験を数年積んだ人が、企業の中に入って継続的に手を動かす形の金額と考えてください。
在宅で、週末と平日の夜だけ動く人が受ける依頼は、これとは別の市場にあります。1件あたり数万円の単発が中心です。同じ「情報セキュリティの仕事」という言葉で括られていても、値付けの構造がまったく違います。
ここを取り違えたまま見積もりを出すと、相手が黙ってしまいます。逆に、自分が入る市場を正しく見ていれば、小さく始めて積み上げる道筋が見えてきます。分野は違いますが、単発の依頼を積み上げる形の収入がどう作られるかはドローン副業の始め方|資格・収入・案件の種類をまとめて解説にも同じ構造で書かれています。
決め方1 時間で決める
時間単価は、作業量が読めない依頼で使います。相談への同席、既存文書の読み込み、社内の状況の聞き取りなど、終わりが見えにくい仕事です。
在宅で受ける場合、3,000円から8,000円ほどの幅で提示されているのをよく見かけます。この幅がどこで決まるかというと、資格の有無ではありません。相手の質問にその場で答えられるかどうかです。持ち帰って調べます、が続く人は、時間単価では受けにくくなります。
時間単価が向いているのは、相手の状況がまだ整理できていない段階の依頼です。何が必要かを一緒に決めるところから入ると、後から成果物の依頼につながることがあります。最初の1時間で状況を聞き、その場で「まず必要なのはこの2本です」と示せると、そのまま次の見積もりの話になります。時間で受ける仕事を、入口として使うという考え方です。
時間で受けるときの注意点を3つだけ。
ひとつ、移動時間や準備時間を含めるかどうかを先に決めてください。オンラインなら移動はありませんが、資料を読む時間は必ず発生します。「打ち合わせ1時間+事前の資料確認1時間」で見積もるのが自然です。
ふたつ、最低時間を決めてください。30分の相談のために資料を読むと、実際には2時間かかります。1時間からの受付、という形にしておくと消耗しません。
みっつ、上限を決めてください。時間で受ける仕事は、相手も終わりが見えないので、際限なく相談が伸びます。「今回は5時間まで」と枠を切っておくと、お互いに安心して進められます。
決め方2 成果物の数で決める
在宅の副業で最も多いのが、この形です。作るものが決まっているので、見積もりも管理もしやすくなります。目安として提示されている金額を並べます。
| 成果物 | よく見る提示額 | 見込みの作業時間 |
|---|---|---|
| 情報セキュリティ基本方針 1本 | 2万円から4万円 | 6時間前後 |
| テレワーク規程 1本 | 3万円から6万円 | 10時間前後 |
| 取引先向け調査票の回答支援(設問30問) | 2万円から5万円 | 8時間前後 |
| 社内教育の資料 1式(スライド20枚+実施要領) | 4万円から8万円 | 14時間前後 |
| 標的型メール訓練の設計と解説資料 | 3万円から7万円 | 12時間前後 |
| 記事の執筆(3,000字程度・専門分野) | 1.5万円から4万円 | 5時間前後 |
この表を見て、思ったより低いと感じた方もいるかもしれません。でも、時間で割ってみてください。テレワーク規程1本を4万円、10時間で仕上げれば、時間あたり4,000円です。慣れてくると同じものが6時間で書けるようになり、時間あたりの実入りは自然に上がっていきます。成果物で受けるということは、速くなった分がそのまま自分の取り分になるということです。
書く作業が中心になるなら、文章そのものの報酬水準も知っておくと物差しが増えます。当サイトの著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、書き手の報酬がどのあたりに分布しているかがまとまっています。
決め方3 監修料として受け取る
3つ目は、自分で手を動かさず、他の人が作ったものを確認して意見を出す形です。記事の内容確認、社内で作った規程のレビュー、教材のチェックなどが該当します。
この形の報酬は、作業時間ではなく、判断と責任に対して払われます。3,000字程度の記事の内容確認で1万円から3万円、規程1本のレビューで1.5万円から4万円あたりが目安になります。
金額が動く一番大きな要因は、名前を出すかどうかです。実名と肩書きを媒体に掲載する形なら、報酬は上がります。ただし同時に、内容に誤りがあったときの責任も自分に来ます。名前を出す条件で受けるなら、修正指示に従ってもらえるのか、それとも意見として扱われるだけなのかを、契約前に必ず確認してください。指摘した箇所が直らないまま自分の名前だけが載るのは、いちばん避けたい形です。
監修の依頼は、実績が増えるほど自然に増えていきます。1年目から狙う必要はありません。
もうひとつ、監修で気をつけたいのが分量の扱いです。「記事1本の確認」と言われても、送られてくる原稿が3,000字なのか12,000字なのかで、かかる時間はまったく違います。文字数の上限を決めて受けてください。上限を超えた分は追加、という形にしておけば、後で気まずくなりません。
指摘の出し方も、先に合意しておくと楽になります。文書に直接書き込む形なのか、別の一覧にまとめる形なのか。修正後の再確認が1回含まれるのかどうか。この2点を決めておくだけで、往復が減ります。
金額を動かす条件を、6つに分けて見る
同じ依頼でも、条件によって金額は倍近く動きます。何が効いているのかを分けて見ておきましょう。
| 条件 | 金額が上がる側 | 金額が下がる側 |
|---|---|---|
| 期限 | 1週間以内などの短納期 | 1か月以上の余裕がある |
| 相手の準備 | 既存文書がなくゼロから作る | 雛形や前年版が揃っている |
| 責任の重さ | 監査や取引先へ提出する前提 | 社内の下書きとして使う |
| 打ち合わせ | 複数回の同席が必要 | メールと文書のやり取りだけ |
| 修正回数 | 無制限に近い | 2回まで |
| 継続性 | 単発で終わる | 年間で複数件が決まっている |
見積もりを出すときは、この表を頭に置いて「今回は短納期で、提出先が取引先ですので」と理由を添えます。理由のある金額は、相手も社内で通しやすくなります。
理由なく高い金額だけを出すと、値切られます。理由を添えると、値切りではなく条件の相談になります。これは分野を問わず同じで、楽譜作成・作詞の副業|音楽知識をオンラインで収入に変えるのような制作系の仕事でも、値付けの説明の仕方は共通しています。
見積書は、金額より内訳で決まる
在宅の依頼で断られる理由の多くは、金額の高さではなく、内訳が見えないことです。
「情報セキュリティ規程作成一式 5万円」とだけ書かれた見積もりは、社内で承認が取れません。決裁する人は中身を知らないからです。
こう分けて書いてください。
・現状の確認(既存文書の読み込みと聞き取り 2時間) ・基本方針の作成(1本) ・テレワーク規程の作成(1本、想定6ページ) ・社内説明用の要点メモ(1枚) ・修正対応(2回まで) ・初稿の提出日と、最終納品日
範囲外になるものも、あわせて1行書いておきます。「他社の雛形の適法性の判断は含みません」「官公庁への提出書類の作成は含みません」といった形です。これがあるだけで、後から追加を頼まれたときに気まずくなりません。
相手の予算が、どこから出ているかを知る
金額の交渉が苦手な方に、ひとつお伝えしたいことがあります。相手の予算には、必ず出どころがあります。それを知ると、交渉が「お願い」ではなく「相談」に変わります。
在宅で受ける情報セキュリティ関連の依頼で、予算の出どころは主に4つに分かれます。
ひとつ目は、取引先から求められて動くお金です。大手の取引先から調査票が届き、期限内に返さないと取引が止まる。この場合、予算は「取引を続けるための費用」なので、比較的通りやすくなります。期限が迫っているほど、金額よりも間に合うことが優先されます。
ふたつ目は、認証の取得や更新に紐づくお金です。ISMSやプライバシーマークの取得を決めた会社は、審査費用やコンサルティング費用をあらかじめ予算に組んでいます。その一部が文書整備に回ってきます。この場合は年度の予算として確保されているので、金額の相談がしやすい形です。
みっつ目は、事故が起きたあとのお金です。実際に情報が漏れた、あるいは漏れかけた会社が、再発を防ぐために動きます。急ぎではありますが、慎重さも求められます。この状況の依頼を受けるときは、自分が対応できる範囲を最初にはっきり線引きしてください。
よっつ目は、社内の教育予算です。これは金額が決まっていることが多く、上振れしにくい代わりに、毎年繰り返されます。
自分に来た依頼がどれなのかが分かると、押していいところと、引くべきところが見えてきます。期限で困っている相手に「もう少し安く」と言われても、納期を守れるのが自分だけなら、金額を下げる理由はありません。
報酬が発生しない時間を、どう見ておくか
見落とされがちなのが、お金にならない時間です。ここを勘定に入れずに単価を決めると、実際の手取りが思ったより低くなります。
在宅の依頼では、次のような時間が必ず発生します。
・依頼文を読んで、提案文を書く時間(1件あたり20分から40分) ・受注前の打ち合わせ(30分から1時間) ・条文や制度の確認、最新の情報の調べもの ・請求書の作成と、入金の確認 ・提案したが受注に至らなかった分の時間
提案が通る割合は、始めたばかりのころは1割ほどです。10件提案して1件決まる計算になります。つまり1件の受注の裏に、提案だけで4時間前後が使われていることになります。
だから、成果物の単価を決めるときは、作業時間に3割ほど上乗せして考えてください。10時間で作れるものなら、13時間分として値付けする。これは相手をだますことではなく、実際に発生している時間を正しく数えているだけです。
慣れてくると、提案文の型が固まり、通る割合も上がります。同じ種類の依頼を続けて受けると、この見えない時間が減っていきます。単価が同じでも手取りが増えるのは、ここが縮むからです。
年間でいくらになるかを、3つの形で試算する
月ごとの数字より、年間で見たほうが現実に近くなります。よくある3つの形で並べてみます。
| 進め方 | 受ける依頼 | 月あたりの時間 | 年間の目安 |
|---|---|---|---|
| 無理をしない形 | 成果物の依頼を月1件 | 12時間 | 40万円前後 |
| 本業と両立する形 | 成果物を月2件+相談対応 | 28時間 | 100万円前後 |
| 継続契約を持つ形 | 年間契約2社+単発 | 45時間 | 180万円前後 |
上の2つは、会社員として働きながらでも届く範囲です。3つ目は、平日の夜と週末をかなり使う形になるので、生活の他の部分と相談が必要になります。
大切なのは、金額そのものより、その金額のために自分の時間をどれだけ差し出すかです。年180万円のために睡眠時間を削り続けると、体のほうが先に止まります。数字を出したら、そのために毎週何時間使うのかを必ず並べて見てください。無理のない形から始めて、生活が回ると確かめてから増やす。この順番が、いちばん遠くまで行けます。
手元に残る金額で考える
提示額と、手元に残る金額は違います。ここも先に整理しておくと、値付けの基準がはっきりします。
仲介するサービスを通す場合、手数料が引かれます。サービスによって10%から20%ほどの幅があり、5万円の依頼なら1万円近くが差し引かれる計算になります。年間で見ると、この差は小さくありません。手数料のかからない経路を持っておくと、同じ働き方でも残る金額が変わります。
税金の面では、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になるのが原則です。判断の要件は状況によって変わりますので、国税庁の案内でご自身の場合を確認してください。書籍代や通信費など、仕事のために使った費用は経費として整理できることがあります。領収書は最初から分けて保管しておくと、後で慌てません。
支払いの時期も確認しておきましょう。業務委託で受ける場合、発注者は受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に報酬を支払う義務があると、フリーランスの取引に関する法律で定められています。納品から入金までの間隔は、生活の見通しに直結します。契約時に確かめておいてください。
相手は誰と比べているのか
自分の金額が高いのか安いのか分からなくなったときは、相手が何と比べているかを考えてみてください。
依頼者が比べる相手は、たいてい3つあります。専門のコンサルティング会社に頼んだ場合、社内の人が自分でやった場合、そして何もしない場合です。
コンサルティング会社に規程の整備を頼むと、数十万円からになります。認証取得の支援まで含めると、さらに上がります。個人に依頼が来るのは、そこまでの予算が出ないからです。つまり、比較の相手が数十万円である以上、数万円の提示が高すぎると言われることは、実はあまりありません。断られるときは、金額ではなく、任せられるかどうかで判断されています。
社内でやる場合と比べられているときは、時間の話をします。総務の担当者が本業の合間に調査票を調べながら埋めると、3週間かかることも珍しくありません。その3週間のあいだ、その人の本来の仕事が止まります。外に出せば1週間で戻ってくる。この比較を提案文に1行入れておくと、金額の話が通りやすくなります。
何もしない場合と比べられているときは、正直なところ受注は難しくなります。困っている度合いが低いからです。この場合は無理に押さず、「必要になったときにお声がけください」と伝えて引きます。半年後に連絡が来ることがあります。
請求と入金まわりを整えておく
金額を決めるのと同じくらい、受け取り方を整えておくことが大切です。ここが雑だと、決まった仕事でも気持ちが削られます。
請求書には、依頼の名称、期間、内訳、金額、振込先、支払期日を書きます。番号を振っておくと、後から探しやすくなります。消費税の扱いや、源泉徴収の対象になるかどうかは、依頼の内容と相手によって変わります。原稿の執筆や講演にあたる仕事では源泉徴収されることがありますので、請求書を出す前に相手の経理の方に確認しておくと行き違いがありません。
高額な依頼や、期間が長い依頼では、着手金と納品時の分割にする方法もあります。半分を着手時、残りを納品時、という形です。相手にとっても、途中で止まったときの損失が小さくなるので、断られにくい提案です。
入金の予定は、自分の記録に残しておいてください。納品してから振り込まれるまでには時間があります。案件が増えてくると、どれが入金済みなのか分からなくなります。表を1枚作って、納品日、請求日、入金予定日、入金確認日を並べるだけで、気持ちがずいぶん楽になります。
もし支払期日を過ぎても入金がなかったら、まず事務的に確認の連絡を入れます。多くは、請求書が経理に回っていないだけです。感情的にならずに、事実だけを短く書いて送ってください。それでも動かないときのために、業務委託の取引には支払いの期限を定めた法律があることを知っておくと、落ち着いて対応できます。
安く受けてはいけない依頼を見分ける
金額の話でいちばん大切なのは、実は上げ方ではなく、受けない判断です。
次のような依頼は、金額が相場どおりでも、実際には大きく持ち出しになります。
・預かる情報の範囲が決まっていない(顧客名簿がまるごと送られてくることがあります) ・決裁者が打ち合わせに出てこない(作ったものが何度も差し戻されます) ・「とりあえず作って、あとで直す」と言われる(修正回数が決まりません) ・成果物の使い道が説明されない(監査に出すのか社内用かで、必要な精度が違います) ・過去に他の人が途中で降りている(理由を必ず聞いてください)
こうした依頼を断るのは、冷たいことではありません。無理に受けて途中で止まるほうが、相手にとっても損失になります。「今回は範囲が固まってからのほうが、良いものをお出しできます」と伝えれば、たいていは分かってもらえます。
そして、実務の経験が浅いうちに難しい依頼を取りにいかないことも、長く続けるうえで大切です。
座学で身につけた知識だけではできる業務が限られてしまい、なかなか収入に結びつかない可能性があります。実務経験が浅いときは、先に本業で経験を積み、臨機応変に対応できるスキルを身につけてから副業を始めることがおすすめです。 出典: freelance-hub.jp
焦らなくて大丈夫です。まず本業で触れている領域の依頼から受けて、そこで得た手ごたえを次の値付けに反映していけば十分です。
値上げは、次の依頼から
一度決めた金額を、同じ相手の同じ依頼で上げるのは気が重いものです。だから、値上げは次の相手から始めます。
目安として、同じ種類の成果物を3件納品したら、次の見積もりから2割上げます。3件こなすと、作業時間が読めるようになり、相手の質問にも即答できるようになっているはずです。それは値段に反映してよい変化です。
継続している相手に上げるときは、更新の時期に合わせます。「来年度から料金表を改定します」と、契約更新の2か月前に伝えるのが穏やかな形です。理由は、値上げしたいからではなく、対応範囲が広がったからと説明します。
なお、資格そのものを増やすことで単価が跳ねるかというと、この分野ではそう単純ではありません。名称を使うことに制限がある資格もあり、たとえば行政書士のような法律に基づく資格は、名乗り方も業務の範囲も法令で定められています。自分が持っている試験の合格が、どこまでの名乗りを許すものなのかは、制度の一次情報で確認してください。曖昧なまま高い金額を提示すると、信用のほうを失います。
当サイトのデータから見える報酬の形
当サイトに出ている在宅の依頼を見ていると、この分野の報酬には特徴があります。
ひとつは、初回が小さく、二回目以降が大きくなること。最初は2万円ほどの単発から始まり、信頼ができると年間の相談枠として契約が変わる例が見られます。最初の金額だけで判断しないほうがよい分野です。
もうひとつは、作業の中身より提出先で金額が決まること。同じ規程1本でも、社内用と取引先提出用では、求められる精度が違います。依頼文に提出先が書かれていない場合は、必ず確認してください。
どんな依頼が実際に出ているのかは、当サイトのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとまっています。相談を受ける形の仕事の報酬の考え方はキャリア・副業・人生相談のお仕事が参考になりますし、開発寄りの案件も並行して受けるならソフトウェア作成者の年収・単価相場で近い職種の水準を確かめておくと、値付けの物差しが増えます。
在宅の仕事全般の入り口として、報酬の階段の上がり方を知りたいときはゲームテスターの副業ガイド|未経験から始める方法と収入の実態のように、別分野の実態をまとめた記事も参考になります。最初の1件が小さいのは、どの分野でも同じです。
最後にひとつだけ。金額に迷ったときは、相手に聞いてしまってかまいません。「ご予算の目安はありますか」と尋ねるのは、失礼ではなく実務です。予算を聞いてから範囲を組み立てるほうが、お互いに気持ちよく進みます。あなたの時間には値段がついていて、それを決めるのはあなた自身です。
よくある質問
Q. 情報セキュリティの月単価80万円という数字は、副業でも当てはまりますか?
当てはまりません。その水準は週5日に近い稼働を前提にした専業向けの金額で、実務経験を数年積んだ人が企業に入って継続的に作業する形の報酬です。在宅で週末と夜だけ動く場合は、1件あたり数万円の単発が中心になります。同じ分野でも市場が別だと考えてください。
Q. 成果物ごとの単価は、どのくらいで提示すればよいですか?
テレワーク規程1本で3万円から6万円、取引先向け調査票の回答支援で2万円から5万円、社内教育の資料1式で4万円から8万円あたりの提示をよく見かけます。時間で割ると4,000円前後になる水準です。慣れて作業が速くなった分は、そのまま自分の取り分になります。
Q. 監修だけを引き受ける場合、報酬はどう決めますか?
作業時間ではなく、判断と責任に対して払われる形になります。3,000字程度の記事の内容確認で1万円から3万円が目安です。名前を出す条件なら報酬は上がりますが、責任も伴います。指摘した箇所が修正されるのか、意見として扱われるだけなのかを契約前に必ず確認してください。
Q. 見積もりで断られないようにするには、何を書けばよいですか?
金額そのものより内訳です。一式いくらではなく、確認作業の時間、作る文書の本数と想定ページ数、修正回数の上限、初稿と最終納品の日付を分けて書きます。あわせて範囲外になるものを1行添えておくと、後から追加を頼まれたときの行き違いを防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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