シニア 個人事業主 開業届|60歳以上が開業届を出すメリット5つ

中西 直美
中西 直美
シニア 個人事業主 開業届|60歳以上が開業届を出すメリット5つ

この記事のポイント

  • シニア(60代以上)が個人事業主として開業届を出すメリット5つを
  • 税務・年金・社会保険の観点から具体的に解説
  • 定年後の働き方を考えるシニア世代が知っておくべき情報をわかりやすくまとめました

「定年退職してから、なんとなく仕事を続けてきたけれど、そろそろ開業届を出した方がいいのかな…」

このご相談、最近とても多いんです。会社員時代は経理も総務も会社がやってくれていたから、「税務署に書類を出す」という言葉だけで、なんだか身構えてしまう。「もう65歳だし、いまさら個人事業主なんて大げさじゃないか」と迷っている方も多いと思います。

大丈夫ですよ。開業届の提出そのものは、A4一枚の紙を税務署に出すだけ。費用も0円、所要時間は実質10分程度です。それなのに、出した瞬間から青色申告の特別控除、屋号付き銀行口座、小規模企業共済への加入権など、シニア世代が安心して仕事を続けるための「土台」が一気に整います。

この記事では、「シニア 個人事業主 開業届」と検索したあなたが本当に知りたいこと、つまり60歳以上のシニア世代が開業届を出すことで得られる5つの具体的メリットと、見落としがちな年金・健康保険への影響、提出時に注意すべきポイントを、税理士監修の公的データをもとに整理してお伝えします。読み終わるころには、「あ、自分の場合はこうすればいいんだ」という結論まで持ち帰っていただけるはずです。

シニアの個人事業主、いま増えている──マクロデータで見る現状

まず、ご自身が今考えていることが「特別なこと」ではないと知っていただくために、最新の市場データを共有します。

総務省「労働力調査」(2024年平均)によれば、65歳以上の就業者数は914万人を超え、就業者全体に占めるシニアの割合は13.5%と過去最高を更新しました。10年前(2014年)と比べると約277万人の増加です。そして、そのうち「自営業主・家族従業者(=個人事業主)」として働くシニアは年々増加傾向にあり、定年後のキャリアの選択肢として完全に定着しています。

会計ソフトのfreeeが2019年9月に実施した調査によると、シニア層の4人に1人が「起業に関心あり」と回答。起業に関心がある人に絞り「具体的にいつぐらいに実現したいですか」と聞くと、シニア層では32.1%が「3年以内に実現したい」と回答しました。

「4人に1人が起業に関心あり」というのは、私がカウンセリングの現場で受ける肌感覚とも完全に一致します。退職後のセカンドキャリアとして、雇われるのではなく自分のペースで働きたい、と望むシニアが本当に増えました。

ここで重要なのは、「個人で仕事を始める=開業届が必要」という認識が、まだまだ薄いという点です。実は、年間所得が48万円(基礎控除額)を超える事業所得があれば、税法上は確定申告が必要になります。にもかかわらず、「会社員時代の延長で、なんとなく業務委託を受けているだけ」と曖昧にしている方が非常に多い。これは後々、税務調査や年金との兼ね合いで思わぬトラブルになることがあります。

逆に言えば、開業届を出してきちんと事業所得として整理することで、次にお話しする5つのメリットを丸ごと手にできるのです。

開業届とは何か──60秒でわかる基本のキ

専門用語が出てくると一気に億劫になりますよね。ここはサラッと押さえておきましょう。

「開業届」の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」。所得税法第229条で定められた書類で、新たに事業を開始した個人が、事業開始から1か月以内に納税地(基本は自宅住所地)の税務署へ提出することになっています。提出は無料、ペナルティ規定もありません。フォーマットは国税庁のホームページからダウンロードできます。

提出方法は3つ。

・税務署の窓口に直接持参(控えにその場で受領印をもらえる) ・郵送(控えに返信用封筒を同封して受領印をもらう) ・e-Taxでオンライン提出(マイナンバーカードが必要)

開業届と同時に出しておきたい書類が「所得税の青色申告承認申請書」。これを出さないと、後述する最大65万円の青色申告特別控除が受けられません。開業届と青色申告承認申請書はワンセット、と覚えておいてください。

ちなみに、開業届に書く「屋号」(お店の名前のようなもの)は空欄でもかまいません。本名で活動する士業・コンサル・ライターの方は空欄でOK。後から屋号付き銀行口座を開設したいときは、その時点で屋号を決めて記入すればよく、変更も自由です。

シニアが開業届を出す5つのメリット

ここからが本題です。60歳以上のシニア世代が、特に享受しやすいメリットを5つに整理しました。私がカウンセリングの場で実際にお伝えしている内容を、優先度の高い順に並べています。

1. 青色申告で最大65万円の特別控除が受けられる

最大にして最強のメリットがこれです。

開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を出しておくと、確定申告時に最大65万円の特別控除を受けられます。65万円というのは、所得から差し引ける金額です。仮に課税所得が300万円の方なら、所得税率10%+住民税10%として、65万円×20%=約13万円の節税効果が毎年得られる計算になります。

65万円控除を受けるには、(1)複式簿記による帳簿付け、(2)貸借対照表と損益計算書の提出、(3)e-Taxによる電子申告(または電子帳簿保存)の3条件を満たす必要があります。「複式簿記なんて無理…」と諦めかける方もいますが、いまはfreeeマネーフォワードといった会計ソフトが、銀行口座やクレジットカードを連携するだけで自動で複式簿記の帳簿を作ってくれます。月額1,000円〜2,000円程度のコストで、年間13万円の節税が手に入るなら、十分元が取れます。

電子申告が難しい方は、控除額が55万円になりますが、それでも十分大きな節税効果です。

2. 経費計上で課税所得をぐっと下げられる

会社員時代は、給与から「給与所得控除」が自動で差し引かれていました。これに対し、個人事業主は「事業に関連した支出」を全部、経費として所得から差し引けます。

シニア個人事業主によくある経費の例を挙げますね。

・自宅兼事務所の家賃・住宅ローン金利の事業使用按分 ・自宅の電気・水道・通信費の事業使用按分 ・パソコン、プリンター、デスク、椅子などの備品 ・仕事関連の書籍、新聞、有料サイト購読料 ・取引先との打ち合わせの飲食代 ・取引先訪問の交通費・出張費 ・スキルアップのための研修・セミナー費用 ・健康診断(事業主本人は不可、従業員のみ)

個人事業主になれば様々な節税制度を利用できます。そのひとつが「少額減価償却資産の特例」です。 取得価額が30万円未満の減価償却資産を少額減価償却資産といい、取得価額すべてを経費計上することが可能です。 青色申告を行っている必要があるため、開業届を提出する際に一緒に税務署に提出してください。

ここは大事なポイントです。30万円未満の備品は、買った年に全額経費計上できる。たとえばノートパソコンを25万円で買ったら、その年の所得から25万円まるごと差し引けます。会社員ではこうはいきません。

「私のような小規模な仕事でも、経費って認められるんですか?」とよく聞かれます。答えはイエス。事業のために必要だったと合理的に説明できる支出は、規模に関係なく経費になります。怖がらず、領収書はきちんと保管しておきましょう。

3. 屋号付き銀行口座が開設でき、事業と家計が分離できる

開業届の控え(受領印付き)を持っていくと、銀行で「屋号付き口座」を開設できます。「○○商店 山田太郎」のような名義の口座です。

これ、地味ですが本当に便利。事業の入金・出金がすべてその口座に集約されるので、家計の口座と完全に分離できます。確定申告のときに「これは事業の支出だっけ、家計の支出だっけ」と1年分の通帳を遡る作業が、ほぼゼロになります。

特にシニア世代の場合、配偶者と家計を共有している方が多いですよね。「あなた、この引き落としは何?」というご家庭内の会話のストレスが、屋号口座一つで消えます。私がカウンセリングしていた方も、開業届を出して屋号口座を作っただけで「夫婦喧嘩が減りました」と笑っていらっしゃいました。

加えて、屋号付き口座は対外的な信用にも効きます。取引先からの振込先として「個人名義」より「屋号付き」の方が、相手に与える印象がずっと事業者らしくなります。

4. 小規模企業共済・経営セーフティ共済に加入できる

これはシニア世代に特に強くおすすめしたいメリットです。

中小機構が運営する「小規模企業共済」は、個人事業主や小規模法人の経営者のための退職金制度。掛金は月額1,000円〜7万円で自由に設定でき、しかも掛金は全額が所得控除になります。年間最大84万円の所得控除ですから、所得税率20%の方なら年間約17万円の節税です。

「もうシニアだし、退職金制度なんて意味あるの?」と思うかもしれませんが、共済金は廃業時に一括または分割で受け取れます。受け取り方によって退職所得控除や公的年金等控除が使えるので、税金面でも非常に有利。65歳になっても加入でき、15年掛けてから受け取る、というような長期視点の設計もできます。

また「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、取引先が倒産したときの貸付制度。掛金(月最大20万円、累計800万円まで)も全額経費になります。利益が多く出た年に掛金を増やして節税し、不要になったら解約して資金を戻す、という使い方もできます(ただし2024年税制改正で解約時の取り扱いが一部変わったので、加入前に最新ルールを確認してください)。

5. 「事業をしている」という対外的・心理的なポジショニングが得られる

最後のメリットは、数字には表れにくいけれど、シニアの方には実はいちばん大事だと私が感じている点です。

開業届を出した瞬間、あなたは「定年退職した元会社員」ではなく「事業を営む個人事業主」になります。役所の書類でも、銀行の窓口でも、取引先との会話でも、肩書きが明確になる。これは思っている以上に、ご本人の自己肯定感と社会的なつながりの維持に効きます。

私のカウンセリングのご相談で、「退職してから自分の存在価値がわからなくなった」というお声を本当に多く聞きます。会社員時代の名刺と社名が、自分のアイデンティティと結びついていたんですね。開業届を出して屋号を作ると、新しい「自分の肩書き」が生まれます。「○○コンサルティング 代表」「△△工房 主宰」、この一行が、退職後の人生に「現役感」と「責任感」を取り戻してくれます。

加えて、開業届はフリーランスとして契約する際の信用にも直結します。取引先によっては「個人事業主の控えを提出してください」と求められることがあり、控えがないと契約自体ができないケースもあります。

デメリットと注意点、年金・健康保険への影響を必ず確認する

メリットばかりお伝えしてきましたが、シニアならではのデメリット・注意点もあります。ここを知らずに走り出すと、思わぬ落とし穴に落ちます。

在職老齢年金との関係──個人事業の所得は減額対象外

まず、よく誤解されているところを整理します。

「年金をもらいながら個人事業主として働くと、年金が減額されますか?」というご質問。結論から言うと、個人事業の収入は在職老齢年金の減額対象になりません。在職老齢年金は厚生年金保険に加入している(=会社員として給与をもらっている)人が対象です。個人事業主は厚生年金に加入できませんから、事業所得がいくら増えても老齢厚生年金はカットされません。

これは、定年後再雇用で給与所得+年金で働く道と、個人事業主として独立する道を比較する際、非常に大きなポイントになります。年収500万円程度までの規模で働きたいシニアにとっては、個人事業主のほうが手取りが多くなるケースがしばしばあります。

国民健康保険料は所得連動で上がる

会社員時代の健康保険(協会けんぽ・健保組合)は、退職後最長2年間は任意継続できます。それ以降、または個人事業主として安定的に働く方は、国民健康保険(国保)に加入することになります。

国保は前年の所得に応じて保険料が決まるため、事業所得が増えると翌年の保険料が上がります。自治体によって計算式が違いますが、所得300万円クラスで年間35万〜45万円程度を見込んでおくと安心です。これは経費計上で課税所得を下げることで、ある程度コントロールできます。

なお、75歳以降は後期高齢者医療制度に自動的に切り替わります。

配偶者の扶養から外れる可能性

夫または妻の社会保険の扶養に入っているシニアの方が個人事業主になると、所得(売上ではなく所得=売上から経費を引いたもの)が130万円を超えると扶養から外れます。健保組合によっては「自営業者は所得に関係なく扶養対象外」とする規定もあるので、ご自身が加入している健保組合の規約を必ず確認してください。

確定申告の事務負担

最後に、開業届を出すと毎年2〜3月に確定申告が必要になります(年所得48万円以下なら申告不要ですが、源泉徴収された税金の還付を受けたいなら申告したほうが得)。

事務負担は会計ソフトでかなり軽減できますが、それでも年に一度はまとまった作業時間が必要です。「私はパソコンが苦手で…」という方は、税理士に依頼する選択肢もあります。シニアの場合、月額1万〜2万円の顧問料+決算料10万〜15万円あたりが相場感です。

法人は個人事業主とくらべて起業するのに手間がかかるほか、支払う税金の種類や社会的信用、節税できる範囲など、さまざまな違いがあります。 税理士としての経験上、個人事業主としての年間の所得が500万円を超えたあたりから法人に切り替えることで、トータルで支払う税金などのコストが安くなる可能性があります。

この引用にあるとおり、所得500万円を超える規模になってきたら、法人化(マイクロ法人)の検討も視野に入れます。ただ多くのシニア個人事業主は、所得200〜400万円程度のレンジで活動しているため、まずは個人事業主としてスタートするのが現実的です。

開業届の書き方、シニアがつまずきやすい欄を解説

実際の用紙を見ながら、シニアの方がよく迷うところを解説します。

納税地

通常は「住所地」を選びます。自宅とは別に事務所を借りている場合のみ「事業所等」を選択。

職業

「コンサルタント」「Webライター」「翻訳業」「カウンセラー」など、ご自身の業務内容を端的に書きます。総務省の日本標準職業分類を参考にすると無難。ここに書いた職業によって、後で「個人事業税」の課税対象になる業種か否かが決まります(業種により3〜5%)。

屋号

ない場合は空欄でOK。屋号付き銀行口座を作りたい方だけ記入。後から自由に変更・追加できます。

開業日

「いつから事業を始めたか」をご自身で決めて記入します。実際に売上が立った日でも、開業準備を始めた日でもOK。ただし、青色申告を初年度から適用したい場合は、開業日から2か月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があるため、現実的な日付にすること。

給与等の支払の状況

家族を従業員として雇い、給与を払う場合のみ記入。一人でやる方は空欄でOK。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

従業員を雇う場合、源泉徴収した所得税を毎月納付するのが原則ですが、この申請書を出すと半年ごと(年2回)の納付にできます。一人事業主には関係ありません。

書き終わったら、マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類のコピーを添付して提出。控えにも必ず受領印をもらってください。控えは銀行口座開設や補助金申請で必要になります。

シニア個人事業主が利用しやすい支援制度

開業届を出した後、シニアが活用できる公的支援制度をいくつかご紹介します。

日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫には「新規開業資金」や「シニア起業家支援資金」があり、55歳以上で新たに事業を始める方には金利優遇制度があります。無担保・無保証で最大3,000万円の融資枠が用意されています。

中小機構の創業支援

中小企業基盤整備機構では創業塾、専門家派遣、IT導入支援など、無料または低額の支援メニューが揃っています。各都道府県の「よろず支援拠点」も無料で何度でも相談できます。

補助金・助成金

中小企業庁が所管する「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」などは個人事業主も対象。年齢制限はありません。要件を満たせば最大数百万円の補助が受けられます。

知識・経験を活かせる「コンサル・アドバイザー」系

特に伸びているのが、AI関連の業務活用コンサルです。生成AIをどう仕事に組み込むかの相談に乗るAIコンサル・業務活用支援のお仕事は、技術そのものを書くより、業務知識を持つ人が圧倒的に有利な領域。長年の業務経験を持つシニアの「業務理解」が大きな強みになります。

同じ流れで、マーケティング企画やセキュリティ運用も含めたAI・マーケティング・セキュリティのお仕事は、シニア層の上席経験者にニーズが集まりやすい領域です。経営企画や情報システムの経験を持つ方は、コンサル・アドバイザリー契約として月単価10万〜30万円程度の継続案件を取りやすい傾向にあります。

技術系の継続案件

ライティング・編集系

退職後にライターとして活動する方も増えています。著述家,記者,編集者の年収・単価相場データから見ると、専門分野(医療、法律、IT、金融など)を持つシニアライターは、一般ライターより2〜3倍の単価で取引されることも珍しくありません。

具体的な始め方はシニア・シルバー世代のWebライターデビュー|経験を文字にする【2026年版】に詳しくまとめています。「これまでの仕事の経験を文章にする」というアプローチは、シニアならではの強みを活かせる王道パターンです。

教える・伝える領域

長年培った知識を「教える」かたちで提供するのも、シニアに適したスタイルです。シニアのオンライン講座開業|Udemyやストアカで教える方法では、自分の専門分野の講座を作って継続的な収入を得る方法を解説しています。一度作った講座が長期間収入を生み続けるストック型のビジネスは、シニア世代の働き方ともマッチします。

比較的軽めにスタートしたい方

「いきなり大きな案件は不安。まずは小さく始めたい」という方には、シニアのクラウドソーシング入門|60代から始めるオンライン副業で紹介している小規模案件からの段階的なスタートがおすすめです。データ入力、文章校正、簡単な事務代行など、PCが使えれば始められる仕事も豊富にあります。

資格と相性のよい組み合わせ

シニアの個人事業主が信頼を獲得するうえで、資格保有は強い武器になります。文書作成・編集のキャリアを持つ方にはビジネス文書検定、ネットワーク・インフラ系のキャリアを持つ方にはCCNA(シスコ技術者認定)など、専門性を客観的に証明する資格を保有していると、案件獲得時の説得力が大きく増します。

仮に月30万円の取引を行うシニアフリーランスの場合、手数料20%のサービスを使えば年間で72万円が手数料で消えます。一方、手数料0%のプラットフォームで同じ取引をすれば、その72万円が丸ごと手元に残ります。先ほどお話しした青色申告の控除メリットと組み合わせれば、手取りベースでの差はさらに広がります。

「もう年金もあるし、無理して稼がなくていい」という方ほど、手数料コストを抑えて自分のペースで仕事を選べる環境が向いています。週2〜3日、月10万〜20万円の規模で長く続けたい方には、特に相性の良いプラットフォームです。

最後に、現場での気づきを一つ。

ただ、青色申告の65万円控除を初年度から受けたい場合は、年内に開業届+青色申告承認申請書を出しておく必要があります。年明けに出すと、その年の所得は白色申告(控除なし)になってしまうので、ここだけは注意してください。

シニアの個人事業主として開業届を出すことは、節税・退職金制度・信用力・心理的なポジショニングのすべてを一気に整える、コスト0円の最強の一手です。「定年後も自分らしく働きたい」という思いを、ぜひ書類一枚から形にしていきましょう。

よくある質問

Q. 開業届を提出するのに費用はかかりますか?

税務署への書類提出自体に費用(手数料)は一切かかりません。郵送する場合の切手代 や、オンライン申請(e-Tax)を利用する際のマイナンバーカード読み取り用スマホ、 またはカードリーダーなどの準備費用を除けば、完全に無料で手続きが完了します。

Q. 屋号(店名)が決まっていないのですが、空欄のまま提出しても良いですか?

はい、問題ありません。屋号は必須項目ではないため、決まっていない場合は空欄のま ま提出し、後から決まったタイミングで確定申告書に記載することで使用を開始できま す。まずは提出期限を優先し、手続きを済ませてしまいましょう。

Q. 開業日はいつに設定すればいいですか?

明確な法的基準はありません。初めてクライアントから案件を受注した日、店舗をオープンした日、仕事用のパソコンを購入した日など、ご自身が「事業を本格的にスタートした」と認識する日で問題ありません。

Q. 副業で個人事業主の登録をするメリットは?

副業であっても、事業として継続的に行う意思があれば登録可能です。最大のメリットは青色申告による最大65万円の控除が受けられる点や、副業による赤字を本業の給与所得と相殺(損益通算)して所得税の還付を受けられる可能性がある点です。

Q. 会社員でも開業届を出して個人事業主になれますか?

はい、可能です。副業として事業を行っている場合でも、開業届を提出して個人事業主になることができます。ただし、勤務先の副業規定を確認しておく必要があります。また、失業手当の受給条件に影響が出る場合があるため、退職前後で開業届を出すタイミングには注意が必要です。

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中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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