不登校の子どもの学習支援の求人の探し方と、応募できる条件

西田 航
西田 航
不登校の子どもの学習支援の求人の探し方と、応募できる条件

この記事のポイント

  • ✓不登校学習支援の求人を探している人に向けて
  • ✓放課後等デイサービスなど働く場所ごとの仕事内容と応募できる条件を整理します
  • ✓資格が必要な職種と未経験で応募しやすい職種の違い

不登校の子どもの学習を支える仕事をしてみたい。教員の経験を生かしたい、子育てが一段落して地域の子どもに関わりたい、大学で心理学や教育学を学んでいる。理由はさまざまですが、「不登校 学習支援 求人」と検索すると、学校の支援員、フリースクールのスタッフ、塾の講師、放課後等デイサービスの指導員と、まったく違う仕事が並んでいて、自分がどれに応募できるのか分かりにくいものです。

不登校の学習支援の仕事は、働く場所によって、雇い主も、求められる資格も、子どもとの関わり方も大きく違います。この記事では、仕事を働く場所ごとに整理し、それぞれの応募できる条件と、求人の探し方を説明します。読み終えたときに、自分の経験や資格で応募できる求人がどれかを見分けられる状態を目指します。

不登校の子どもは35万人を超え、支援の担い手が求められている

まず、この仕事を取り巻く状況です。文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小学校と中学校の不登校の子どもは合わせて353,970人で、過去最多になりました。内訳は小学校137,704人、中学校216,266人です。高校でも67,782人が不登校の状態にあります。

一方で、増え方は落ち着いてきています。同じ調査では、小中学校全体の増加率は2.2%で、前年度の15.9%から大きく下がりました。文部科学省は、増加率が下がった背景の1つとして、学校の内外での学びの場や相談の体制が整ってきたことを挙げています。

チーム学校による丁寧なアセスメントや個々の児童生徒に応じた学習支援の充実、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門的な知見を有する人材の活用、校内外の教育支援センターの設置をはじめとした多様な学びの場や保護者への相談支援や情報提供の充実 出典: mext.go.jp

つまり、不登校の子どもの学びを支える場は、学校の中にも外にも広がっていて、そこで働く人が必要とされているということです。文部科学省は不登校対策の計画(COCOLOプラン)に基づいて、校内教育支援センターの支援員の配置や、教育支援センターの機能の強化、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を進めています。

同じ調査では、学校外の機関で相談や指導を受けて出席扱いになった子どもが42,978人、自宅でICTなどを使った学習が出席扱いになった子どもが13,261人いました。オンラインでの学習支援も、不登校の子どもの学びの選択肢として定着しつつあります。

学習支援の仕事は、働く場所で大きく6つに分かれる

不登校の子どもの学習支援に関わる仕事を、働く場所で整理すると次のようになります。

働く場所 主な雇い主 代表的な職名 資格の要否
学校の中(校内教育支援センターなど) 市区町村の教育委員会 校内教育支援センター支援員、学習支援員 自治体ごとに違う。教員免許が歓迎されることが多い
教育支援センター 市区町村の教育委員会 指導員、相談員 自治体ごとに違う
学校の相談室 都道府県・指定都市などの教育委員会 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー 原則として資格が必要
フリースクール・通信制サポート校など NPO法人、民間企業 教室スタッフ、学習支援スタッフ 不問の求人が多い
不登校専門の塾・家庭教師・オンライン 民間企業 講師、学習コーチ 不問の求人が多い
放課後等デイサービスなど 社会福祉法人、民間企業 児童指導員、指導員 職名によって要件がある

このほかに、NPOや自治体が行う子どもの学習支援事業でのボランティアや有償スタッフという関わり方もあります。

大事なのは、同じ「不登校の学習支援」でも、公務員に近い立場で働くのか、民間の事業所で働くのか、福祉の制度の中で働くのかで、応募の条件も働き方も変わるという点です。次の節から、働く場所ごとに見ていきます。

学校の中で働く:校内教育支援センターの支援員

校内教育支援センターとは、学校の中に設けられた、教室に入りにくい子どもが落ち着いて過ごしたり学んだりできる部屋のことです。「スペシャルサポートルーム」などの名前で呼ばれていることもあります。文部科学省は、このセンターの設置を進めるため、支援員の配置に係る支援を予算に盛り込んでいます。

支援員の仕事は、部屋に来た子どもの学習を見守る、プリントやタブレットでの学習を手伝う、話し相手になる、担任やスクールカウンセラーと子どもの様子を共有する、といったものです。教科を一斉に教えるのではなく、一人ひとりのペースに合わせて寄り添うことが中心になります。

雇い主は市区町村の教育委員会で、多くは会計年度任用職員として採用されます。会計年度任用職員とは、地方公務員のうち、4月から翌年3月までの1会計年度ごとに任用される職員のことで、短時間勤務のパートタイムの形が多く見られます。任期は原則として年度末までで、勤務の実績などによって翌年度も再度任用されることがあります。

応募の条件は自治体ごとに違います。教員免許を必須にしている自治体もあれば、「教員免許があれば望ましい」「子どもに関わる仕事の経験があること」としている自治体もあります。大学で教育学や心理学を学んでいる学生を対象に募集している自治体もあります。

求人は、市区町村の公式サイトの「会計年度任用職員の募集」や「教育委員会の職員募集」のページに掲載されることが多く、ハローワークに出されることもあります。新年度に向けた募集が年度末に出されることがある一方、欠員が出たときに年度の途中で募集されることもあります。住んでいる市区町村だけでなく、通える範囲の近隣の自治体のページも確かめると、見つかる求人が増えます。

教育委員会の教育支援センターで働く

教育支援センターとは、市区町村の教育委員会が学校の外に設けている、不登校の子どものための通いの場のことです。以前は「適応指導教室」と呼ばれていたため、今もその名前で呼んでいる自治体があります。

ここでは、子どもが学校に戻ることだけを目標にするのではなく、学習の支援、集団での活動、体験活動、相談などを通じて、子どもが社会とつながり続けることを支えます。教育支援センターで相談や指導を受けた日は、条件を満たせば在籍する学校で出席扱いになることがあります。

働く人の職名は、指導員、相談員、学習支援員などさまざまです。退職した教員が多く働いている一方で、心理や福祉の専門職、教員を目指す若い世代が加わっているセンターもあります。文部科学省は、教育支援センターについて、アウトリーチ(家庭訪問などで子どものもとに出向く支援)や保護者支援の体制の強化も進めており、家庭への訪問や保護者の相談に関わる求人も出ています。

雇用の形は、校内教育支援センターと同じく会計年度任用職員が中心です。勤務は子どもが通う平日の日中が中心です。勤務日数や1日の勤務時間、報酬は自治体の募集要項に書かれているので、必ず確かめてください。

教育支援センターの仕事は、学習を教える力に加えて、子どもとの信頼関係を時間をかけて築く力が求められます。すぐに成果が見えなくても焦らず関わり続けられる人に向いています。

スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカー

学校で不登校の子どもを支える専門職の代表が、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーです。学習を直接教える仕事ではありませんが、不登校の支援の求人を探すと必ず出てくるので、応募の条件を整理しておきます。

スクールカウンセラーは、子どもの心理面の相談に応じ、保護者や教員に助言する専門職です。文部科学省の「スクールカウンセラー等活用事業実施要領」では、スクールカウンセラーは次のいずれかにあたる人から選考するとしています。

スクールカウンセラーの選考の対象
公認心理師
臨床心理士(日本臨床心理士資格認定協会の認定)
精神科医
児童生徒の心理に関して高度に専門的な知識と経験があり、大学の教授、准教授、講師などの職にある人またはあった人
都道府県または指定都市が、上記と同等以上の知識と経験があると認めた人

このほかに「スクールカウンセラーに準ずる者」という枠もあり、大学院の修士課程を修了して心理業務や子どもの相談業務を1年以上経験した人、大学や短大を卒業して同じ業務を5年以上経験した人なども選考の対象になります。ただし、この枠は地域や学校の事情で合理的と認められる場合に使うものとされています。

スクールソーシャルワーカーは、子どもを取り巻く家庭や地域の環境に働きかけ、福祉や医療の機関とつなぐ専門職です。社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つ人が中心に採用されています。

どちらも、文部科学省の事業の実施主体は都道府県と指定都市で、配置の形は自治体ごとに違います。学校ごとに決まった曜日に勤務する形や、複数の学校を担当する形があり、市区町村が独自に採用している場合もあります。

フリースクール・通信制サポート校・学びの多様化学校

学校の外で不登校の子どもを受け入れている民間の場も、学習支援の求人が多い分野です。

フリースクールとは、NPO法人や民間企業などが運営する、不登校の子どもが通える学びや居場所の場のことです。運営の方針は施設ごとに大きく違い、学習に力を入れるところ、体験活動や自由な過ごし方を大切にするところ、オンラインで全国の子どもを受け入れるところがあります。スタッフの仕事は、学習の支援、子どもとの対話、イベントの企画、保護者との連絡など幅広く、資格を問わない求人が多いのが特徴です。

通信制サポート校とは、通信制高校に在籍する生徒が、レポートの作成や単位の取得、進路の準備を進められるように支える民間の教育施設のことです。中学生の時期に不登校だった生徒が多く在籍しており、学習のサポートに加えて、生活面や進路の相談も仕事に含まれます。キャンパス長や教務スタッフ、学習コーチなどの職名で正社員の求人も出ています。

学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)は、不登校の子どもに合わせた特別な教育課程を組むことが認められた学校です。公立校であれば教員の採用は教員採用試験などを通じて行われ、私立校であれば学校ごとに採用しています。教員として働くには教員免許が必要ですが、学習支援員などの補助的な職で募集されることもあります。

民間の施設で働く場合は、運営する団体の方針や雰囲気が自分に合うかどうかがとても大切です。見学やボランティアを受け入れている施設も多いので、応募の前に一度訪ねてみると、求人票だけでは分からない様子がつかめます。

不登校専門の塾・家庭教師・オンラインの学習支援

不登校の子どもに特化した個別指導塾や家庭教師、オンラインの学習支援も、求人が多い分野です。

不登校専門の塾では、学年をさかのぼって学び直す指導や、子どもの体調や気持ちに合わせた時間割を組む指導が行われます。家庭教師は子どもの自宅に出向いて指導し、オンラインの学習支援は自宅からビデオ通話などで子どもとつながります。

この分野の求人は、資格を問わず、大学生を歓迎するものが多いのが特徴です。時給制や1コマいくらという報酬の決め方が一般的で、週1日や1日2時間から働ける求人もあります。授業の時間が子どもの放課後や夕方以降に集中しやすいため、日中に別の仕事や学業がある人でも両立しやすい働き方です。

オンラインの学習支援は、在宅で働ける点が魅力です。ただし、子どもの表情や様子を画面越しに読み取る必要があり、対面以上に丁寧な声かけが求められます。通信環境やカメラ、マイクなどの機材を自分で用意する必要があるかどうかも、求人票で確かめてください。

注意したいのは、業務委託の形で契約する求人があることです。業務委託の場合は、雇用契約ではないため、最低賃金や労働時間のルール、労災保険などの労働者向けの保護が原則として及びません。報酬の決まり方や、授業の準備や報告書の作成に報酬が出るのかを、契約の前に確かめておくことが大切です。

放課後等デイサービスで働く場合の条件

不登校の支援の求人を探すと、放課後等デイサービスの求人もよく出てきます。放課後等デイサービスとは、障害のある子どもや発達に特性のある子どもが、学校の授業の後や休日に通う福祉のサービスのことです。不登校の状態にある子どもが通っていることもあり、学習の支援を取り入れている事業所もあります。

ここで働く場合、職名によって満たす必要のある条件があります。たとえば児童指導員として配置されるには、国の基準(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準)で決められた要件のいずれかを満たす必要があります。

児童指導員になれる主な要件(国の基準の一部)
社会福祉士、精神保健福祉士、こども家庭ソーシャルワーカーの資格がある
大学で社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専修する学科などを修めて卒業した
幼稚園、小学校、中学校、高校などの教諭の免許状があり、都道府県知事が適当と認めた
高校などを卒業し、2年以上児童福祉事業に従事した
3年以上児童福祉事業に従事し、都道府県知事が適当と認めた

教員免許を持っている人や、大学で教育学や心理学を学んだ人は、この要件にあてはまる可能性があります。資格や学歴の要件を満たさない人は、「指導員」などの職名で採用され、経験を積んでから児童指導員の要件を満たす道もあります。

放課後等デイサービスは福祉のサービスなので、学習の支援だけでなく、生活の支援や集団での活動の支援も仕事に含まれます。学習を教えることだけをしたい人には、仕事の範囲が広く感じられるかもしれません。求人票の仕事内容をよく読み、自分が何をしたいのかと照らし合わせてください。

高校生年代の不登校と、通信制高校まわりの学習支援

不登校の支援というと小学生や中学生を思い浮かべる人が多いのですが、高校生年代の支援も大きな分野です。文部科学省の同じ調査では、高校の不登校の生徒は67,782人で、前年度から988人減りました。小中学校と違って高校は義務教育ではないため、不登校が続くと単位が取れずに留年や中退につながりやすく、学び直しの支援が求められます。

中学校で不登校を経験した生徒の進学先として、通信制高校を選ぶ人も増えています。通信制高校は、レポートの提出とスクーリング(登校しての授業)、試験で単位を取る仕組みで、毎日通学しなくても高校卒業の資格を目指せます。ただし、自分でレポートを進める力が必要なため、学習の習慣が途切れていた生徒にとっては、一人で続けるのが難しいこともあります。

そこで、通信制サポート校や、通信制高校の学習センターで、レポートの書き方を教えたり、学習の計画を一緒に立てたりする仕事が生まれています。高校の範囲を教えられる人、大学受験の指導ができる人、進路相談に乗れる人が求められやすい分野です。

文部科学省も、全日制や定時制の高校で不登校の傾向にある生徒が学びを続けられるよう、オンラインなどを活用した学習のあり方の調査研究を進めるとしています。高校生年代の学習支援は、今後もオンラインとの組み合わせが広がっていくと考えられます。

高校生の支援では、勉強を教えることに加えて、アルバイトや進学、就職といった、学校を出た後の生活を一緒に考える場面が多くなります。社会人としての経験を持つ人が、自分の働いてきた経験を話すことが、生徒にとって大きな支えになることもあります。教える教科の知識に自信がなくても、進路の相談相手として力を発揮できる場面がある分野です。

NPOや自治体の学習支援事業、ボランティアから始める道

いきなり仕事として応募するのが不安な人は、ボランティアから関わる道もあります。

生活に困っている家庭の子どもを対象にした学習支援は、生活困窮者自立支援制度の「子どもの学習・生活支援事業」として、多くの自治体で行われています。自治体が直接運営するほか、NPO法人などに委託して運営しているところもあり、大学生や地域の人が学習支援のボランティアや有償スタッフとして参加しています。不登校の子どもが参加していることも少なくありません。

フリースクールの中にも、ボランティアのスタッフを受け入れているところがあります。ボランティアとして関わることで、不登校の子どもとの接し方を実際に学べるうえ、そのまま有償のスタッフとして採用されることもあります。

ボランティアの募集は、NPOの求人情報をまとめたサイト、自治体の社会福祉協議会のボランティアセンター、大学のボランティアセンターなどで見つけられます。交通費が支給されるかどうか、活動中のけがに備えたボランティア保険に入る必要があるかどうかも、参加の前に確かめておきましょう。

働く場所ごとの1日の流れの例

求人票だけでは、実際にどんな1日を過ごすのかが想像しにくいものです。ここでは、働く場所ごとの典型的な1日の流れを例として紹介します。実際の流れは施設や自治体によって違うので、あくまで目安として読んでください。

校内教育支援センターの支援員の場合、朝は子どもが登校してくる時間に合わせて部屋を開け、その日に来た子どもの様子を確かめます。午前中は、子どもが自分で選んだプリントやタブレットの学習を見守り、分からないところがあれば隣で一緒に考えます。休み時間には、会話やちょっとした遊びを通じて子どもとの関係を深めます。午後は、担任やスクールカウンセラーと子どもの様子を共有し、その日の記録をつけて勤務を終えます。

フリースクールのスタッフの場合、午前中は個別の学習の時間、午後は料理や工作、外出などの体験活動の時間という組み立てが多く見られます。子どもが来ない日や時間には、活動の企画、保護者への連絡、見学の対応などの業務があります。少人数のスタッフで運営している施設では、学習の支援だけでなく、事務や広報まで担当することもあります。

オンラインの学習支援の講師の場合、夕方から夜にかけて、子ども一人ひとりと決めた時間にビデオ通話でつながります。授業の前には、前回の様子や今回進める範囲を確かめ、授業の後には、学習の記録や保護者への報告を書きます。1回の授業は30分から1時間程度で設定されていることが多く、子どもの集中が続く長さに合わせて柔軟に区切ります。

どの働き方にも共通しているのは、子どもと向き合う時間と同じくらい、記録や連絡の時間があることです。不登校の支援では、学校、保護者、専門職と情報を共有しながら進めることが欠かせません。子どもとの関わりだけを想像して応募すると、思っていたより事務の仕事が多いと感じるかもしれません。

向いている人と、続けるうえで気をつけたいこと

不登校の子どもの学習支援に向いているのは、教えることが上手な人というより、待つことができる人です。不登校の子どもの中には、人と話すことや勉強に向かうことに強い不安を抱えている子もいます。今日は何もできなかった、という日が続くこともありますが、そこで焦らず、子どもが自分から動き出すのを待てる人が、信頼を得やすくなります。

一方で、この仕事を続けるうえで気をつけたいこともあります。1つは、一人で抱え込まないことです。子どもや家庭の深い事情を知ると、自分が何とかしなければと思いがちです。しかし、子どもの心の問題や家庭の問題は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、福祉や医療の専門職と分担して支えるものです。気になることがあれば、職場の上司や専門職に共有し、組織として対応してください。

もう1つは、子どもとの距離の取り方です。個人的な連絡先を交換する、勤務時間外に会うといった関わり方は、多くの職場で禁止されています。子どもを守るためのルールでもあり、支援者自身を守るためのルールでもあります。

そして、自分自身の心と体の健康を保つことです。子どもの気持ちに寄り添う仕事は、思った以上にエネルギーを使います。休みをきちんと取り、仕事以外の時間を大切にすることが、長く続けるための土台になります。研修や職場の振り返りの機会を活用し、困ったときに相談できる相手を職場の中に持っておくことをおすすめします。

求人の探し方

不登校の学習支援の求人は、働く場所によって掲載されている場所が違います。

探したい仕事 主な探し方
校内教育支援センター支援員・教育支援センター指導員 市区町村の公式サイトの会計年度任用職員の募集ページ、ハローワーク
スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー 都道府県・指定都市・市区町村の教育委員会の公式サイト
フリースクール・通信制サポート校 一般の求人サイト、NPO向けの求人サイト、施設の公式サイト
不登校専門の塾・家庭教師・オンライン 一般の求人サイト、塾や家庭教師会社の公式サイト
放課後等デイサービス 一般の求人サイト、福祉系の求人サイト、ハローワーク

求人サイトで探すときは、「不登校」だけで検索するより、「校内教育支援センター」「教育支援センター」「フリースクール」「学習支援員」など、働く場所や職名で検索したほうが、目的の求人にたどり着きやすくなります。「不登校」で検索すると、放課後等デイサービスや介護の求人が混ざって表示されることがあるためです。

自治体の求人は、一般の求人サイトには出ないことが多いのが特徴です。住んでいる市区町村と近隣の自治体の公式サイトを、定期的に確かめる習慣をつけておくと見逃しにくくなります。

応募の前に確かめたい条件と、求人票の読み方

求人票を読むときに、特に確かめておきたい点を整理します。

1つ目は雇用の形です。会計年度任用職員、パート・アルバイト、契約社員、正社員、業務委託のどれかによって、社会保険の加入や有給休暇、契約の更新の扱いが変わります。会計年度任用職員は1年度ごとの任用なので、翌年度も続けられるかどうかは確約されていません。

2つ目は勤務の時間帯です。学校の中の仕事は平日の日中、塾や家庭教師は夕方以降、フリースクールは平日の日中が中心と、働く場所で時間帯がはっきり分かれます。今の生活の中で無理なく続けられる時間帯かを確かめてください。

3つ目は研修の有無です。不登校の子どもとの関わり方には、専門的な知識が必要な場面があります。採用後の研修や、困ったときに相談できる先輩や専門職がいるかどうかは、長く続けるうえで大事な点です。

4つ目は、授業以外の業務に報酬が出るかどうかです。学習支援の仕事では、教材の準備、活動の記録、保護者や学校への報告など、子どもと向き合う時間以外の業務が意外に多くあります。これらが勤務時間に含まれるのか、報酬の対象になるのかを確かめておくと、思ったより時給が低かったということを防げます。

5つ目は、守秘義務と個人情報の扱いです。不登校の子どもの家庭の事情や心の状態を知る立場になるため、知り得た情報を外に漏らさない義務があります。SNSへの投稿のルールなども、事前に確認しておきましょう。

未経験から応募するときに伝えたいこと

資格や教える経験がなくても応募できる求人は多くあります。そのときに採用する側が見ているのは、教える技術よりも、子どもとの向き合い方です。

応募書類や面接では、なぜ不登校の子どもの支援に関わりたいのか、どんな関わり方を大切にしたいのかを、自分の言葉で伝えることが大切です。子育ての経験、ボランティアの経験、自分自身や家族が学校に行きづらかった経験など、子どもの気持ちに寄り添える理由があれば、それは立派な強みになります。

一方で、「学校に戻すことが正しい」という考えを強く押し出すのは避けたほうがよいでしょう。国の考え方も、学校に戻ることだけを目標にするのではなく、子どもが自分に合った場所で学び、社会とつながり続けることを大切にする方向に変わってきています。子どものペースを尊重できる人だと伝わることが、採用につながります。

教える経験を積みたい人は、まずボランティアや塾の講師から始め、その後に学校の支援員やフリースクールのスタッフに応募するという順番も考えられます。教員免許を持っていて、教員として働くことにためらいがある人にとっても、学校の外の学習支援は経験を生かせる選択肢です。

学習支援の経験を広げる視点と、運営者から見た傾向

最後に、在宅ワークや副業の市場を長く見てきた運営者の立場から、学習支援の仕事に関わる人に見られる傾向を整理します。

運営者として見てきた限りでは、学習支援の仕事を長く続けている人ほど、子どもと向き合う時間とは別に、教材を作る力や記録を書く力を磨いています。一人ひとりの理解の度合いに合わせたプリントを作る、子どもの様子を学校や保護者に正確に伝える記録を書く。こうした文章の力は、学習支援の現場で高く評価されるうえ、在宅でできる教材作成や教育系の執筆の仕事にもつながります。

教材作成や教育系の記事の執筆を仕事の柱の1つにしたい人は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、文章の仕事の年収と単価の傾向を確かめておくと、学習支援の仕事との組み合わせ方を考えやすくなります。保護者や学校への報告文書を正確に書く力を示したい人には、ビジネス文書検定も、記録や報告の書き方を体系的に学ぶ材料になります。

もう1つ、長く見てきて感じるのは、仲介の手数料が重い働き方ほど、教える側の手取りが薄くなるということです。家庭教師やオンラインの学習支援では、間に入る会社の取り分によって、同じ授業料でも講師に届く報酬が大きく変わります。依頼する家庭と直接つながる取引なら、家庭は同じ予算で多く頼め、教える側の手取りも厚くなります。手数料0%の直接取引が、学習支援の仕事にも意味を持つのはこのためです。

不登校の子どもの学習支援は、子ども一人ひとりのペースに合わせて、学びと社会とのつながりを支える仕事です。働く場所ごとの条件を知ったうえで、自分の経験や資格、生活の時間帯に合う求人から応募してみてください。

よくある質問

Q. 資格がなくても不登校の学習支援の仕事に応募できますか?

応募できる求人は多くあります。フリースクールのスタッフ、不登校専門の塾や家庭教師、オンラインの学習支援は、資格を問わない求人が中心です。校内教育支援センターの支援員は自治体によって条件が違い、教員免許を必須にするところも歓迎にとどめるところもあります。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは、原則として資格が必要です。

Q. 学校の中で働く支援員の求人は、どこで探せばよいですか?

校内教育支援センターの支援員や教育支援センターの指導員は、市区町村の教育委員会が会計年度任用職員として募集することが多く、市区町村の公式サイトの職員募集のページに掲載されます。ハローワークに出されることもあります。一般の求人サイトには出ないことが多いので、住んでいる市区町村と通える範囲の近隣の自治体のページを定期的に確かめてください。

Q. 放課後等デイサービスの児童指導員になるには、どんな条件がありますか?

国の基準で決められた要件のいずれかを満たす必要があります。社会福祉士や精神保健福祉士の資格があること、大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専修する学科などを卒業したこと、教諭の免許状があり都道府県知事が適当と認めたこと、高校などを卒業して2年以上児童福祉事業に従事したことなどです。要件を満たさない場合は別の職名で採用されることがあります。

Q. 業務委託の学習支援の求人に応募するときの注意点は何ですか?

業務委託は雇用契約ではないため、最低賃金や労働時間のルール、労災保険などの労働者向けの保護が原則として及びません。報酬が1コマごとか1時間ごとか、教材の準備や報告書の作成に報酬が出るか、交通費や通信機器の費用は誰が負担するかを、契約の前に書面で確かめてください。条件が分からないまま始めると、実際の時給が想定より低くなることがあります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月14日最終更新:2026年10月5日
西田 航

この記事を書いた人

西田 航@SOHO編集部

フリーランスフルスタックエンジニア

Next.js・React・TypeScriptを主力に、SaaS企業の開発案件を手がけるフリーランスエンジニア。Web開発・SaaS系の技術記事を執筆しています。

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