プロジェクトのリソース管理とは|人と時間の割り当てを見える形にする方法

@SOHO編集部
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プロジェクトのリソース管理とは|人と時間の割り当てを見える形にする方法

この記事のポイント

  • ✓プロジェクトのリソース管理とは何か
  • ✓人と時間の割り当てをどう見える形にするかを整理しました
  • ✓Excelでの割り当て表の作り方

プロジェクトのリソース管理という言葉を調べている人の多くは、「特定の人にばかり仕事が集まっている」「誰が空いているのか分からないまま新しい仕事を受けてしまう」といった悩みを抱えています。リソース管理とは、人や時間といった限られた資源を、どの仕事にどれだけ割り当てるかを決めて、その状態を見える形にしておくことです。難しい仕組みを入れなくても、割り当ての表を1枚作って週に1回更新するだけで、負荷の偏りの多くは早めに気づけるようになります。この記事では、リソース管理の基本の考え方から、Excelでの割り当て表の作り方、偏りを直す手順、道具を選ぶときの見方までを整理します。人ごとの負荷を横に並べて見られる道具の1つとして、チームのプロジェクト管理ツールのPinatecaにも触れます。

リソース管理とは何か

リソースとは、仕事を進めるために使う資源のことです。企業の経営では「ヒト・モノ・カネ・情報」と言われることが多く、そこに時間を加えて考えることもあります。リソース管理の考え方について、プロジェクト管理の道具を提供する会社は次のように説明しています。

リソース管理とは、企業が保有する「ヒト・モノ・カネ・時間・情報・知的財産」といった経営資源を適切に管理・活用し、プロジェクトの成果を最大化する取り組みです。中でも「ヒト(人的リソース)」は最も重要であり、各メンバーのスキルや経験、得意分野、連携力などを考慮した上で適材適所の業務分配を行うプロセスを指します。 出典: crowdlog.jp

この説明のとおり、プロジェクトの現場でリソース管理と言うときに中心になるのは、人と、その人が使える時間です。設備や予算も資源ですが、小さなチームや少人数の会社で問題になりやすいのは、ほとんどの場合「誰が、いつ、どれだけの時間を、どの仕事に使えるか」です。この記事でも、人と時間の割り当てに絞って説明します。

リソース管理と混同されやすいのが、タスク管理とスケジュール管理です。タスク管理は「何をやるか」を一覧にして、終わったかどうかを追うことです。スケジュール管理は「いつまでにやるか」を決めて、期限に間に合っているかを追うことです。これに対してリソース管理は「誰がやるか、その人に余力はあるか」を追います。

管理の種類 追うもの よくある問い
タスク管理 やることと、その状態 抜けている作業はないか
スケジュール管理 期限と順番 納期に間に合うか
リソース管理 人と時間の割り当て 誰に余力があり、誰が詰まっているか

この3つは別々のものではなく、同じ仕事を違う角度から見たものです。タスクと期限が決まっていても、担当する人の時間が足りなければ計画は崩れます。逆に、人の余力が見えていれば、期限を守れるかどうかを計画の段階で判断できます。

リソース管理が必要になる場面

リソース管理は、大きな会社だけのものではありません。むしろ人数の少ないチームほど、1人の負荷の偏りがプロジェクト全体に響きます。次のような場面に心当たりがあれば、リソース管理を始める時期です。

1つ目は、特定の人にだけ仕事が集まっている場面です。仕事ができる人、断らない人のところに依頼が集まり、その人が休むと仕事が止まります。本人は残業で何とか回していても、外からはそれが見えず、さらに仕事が集まるという悪循環が起きます。

2つ目は、新しい仕事を受けるかどうかを感覚で決めている場面です。営業や窓口の担当が「おそらく大丈夫」と判断して仕事を受け、実際に担当する人の予定はすでに埋まっていた、ということが起きます。受けたあとで調整すると、他の仕事の納期まで崩れます。

3つ目は、複数のプロジェクトを同時に進めている場面です。1つのプロジェクトの中では予定が合っていても、同じ人が別のプロジェクトにも入っていると、全体では時間が足りなくなります。プロジェクトごとに計画を立てていると、この重なりに気づけません。

4つ目は、外部の協力者と一緒に仕事をしている場面です。業務委託やフリーランスの人は、他の取引先の仕事も抱えています。こちらの予定だけで割り当てを決めると、相手の都合と合わずに遅れが出ます。協力者の空き時間もリソースの一部として見ておく必要があります。

どの場面にも共通するのは、問題が起きるまで誰も負荷の状態に気づいていない点です。リソース管理の目的は、問題が起きる前に、人の余力と負荷を誰でも見られる形にしておくことにあります。

管理する対象を決める

リソース管理を始めるときに、最初に決めるのは「何を管理するか」です。最初から細かく管理しようとすると、記録の手間が増えて続きません。小さく始めて、必要に応じて広げるのが基本です。

人ごとに使える時間

まず、メンバーごとに1週間で仕事に使える時間を決めます。所定の勤務時間がそのまま使えるわけではなく、会議、メールの対応、社内の手続きなど、プロジェクトの作業以外に使う時間があります。一般には、勤務時間の7〜8割程度をプロジェクトの作業に使える時間として見込むことが多く、週40時間の勤務なら28〜32時間ほどになります。この割合はチームによって違うので、最初は仮の数字で始め、実際の記録を見ながら直していきます。

短時間勤務の人や、週に数日だけ入る協力者は、その人の実際に使える時間で登録します。全員を同じ時間で見ると、短時間の人に仕事を割り当てすぎることになります。

人ごとの得意な仕事

次に、メンバーごとに担当できる仕事の種類を整理します。デザイン、開発、文章の作成、顧客対応など、仕事の種類ごとに誰が担当できるかを一覧にしておくと、割り当てのときに迷いません。担当できる人が1人しかいない仕事は、その人が休むと止まる仕事です。一覧を作ることで、こうした仕事が見えるようになります。

仕事ごとの見込み時間

最後に、各仕事にどれだけの時間がかかるかの見込みを立てます。見込みは外れるものですが、ないよりはあるほうが割り当ての判断ができます。過去に似た仕事をしたときの時間を記録しておくと、見込みの精度が上がっていきます。

この3つ、つまり「人が使える時間」「人が担当できる仕事」「仕事にかかる見込み時間」がそろえば、リソース管理の基本の材料は整います。

見込み時間の立て方

リソース管理の精度は、仕事ごとの見込み時間の精度で決まります。見込みが甘いと、割り当て表の上では余裕があるのに、実際には誰もが詰まっている、ということが起きます。見込みを立てるときのコツを整理します。

仕事を半日から2日程度の大きさに分ける

「サイトを作る」のような大きな仕事のままでは、かかる時間を見込めません。「トップページのデザイン案を作る」「お問い合わせのフォームを作る」のように、半日から2日程度で終わる大きさまで分けると、見込みが立てやすくなります。分けた仕事の見込みを合計すれば、大きな仕事の見込みになります。

3つの数字で見込む

1つの数字で見込むと、楽観的な数字になりがちです。「順調に進んだときの時間」「いちばんありそうな時間」「問題が起きたときの時間」の3つを出し、真ん中を重く見て平均を取る方法があります。たとえば、順調なら4時間、ふつうは6時間、問題が起きたら12時間という仕事なら、(4+6×4+12)÷6で約6.7時間と見込みます。見込みに幅があることを、計画の段階で意識できるのがこの方法の利点です。

実績を記録して次に生かす

終わった仕事について、実際にかかった時間を記録しておきます。見込みと実績を比べると、「デザインの仕事はいつも見込みの1.5倍かかる」「打ち合わせの準備を見込みに入れ忘れている」といった癖が見えてきます。この癖を次の見込みに反映させることで、見込みの精度は少しずつ上がっていきます。

稼働率で負荷を数字にする

人の負荷を見える形にするときに使う指標が、稼働率です。稼働率とは、その人が使える時間のうち、実際に仕事を割り当てた時間の割合のことです。

稼働率(%)= 割り当てた時間 ÷ 使える時間 × 100

たとえば、1週間に30時間使える人に、合わせて27時間の仕事を割り当てていれば、稼働率は90%です。同じ人に36時間を割り当てていれば120%で、使える時間を超えていることになります。

稼働率 状態 判断の目安
70%未満 余力がある 新しい仕事を割り当てられる
70〜90% ちょうどよい 急な依頼への対応も含めて回せる
90〜100% 余裕がない 新しい仕事は他の人へ回す
100%超 使える時間を超えている 割り当てを見直す

ここで大事なのは、稼働率100%を目標にしないことです。どの仕事にも、見込みより時間がかかる、急な修正が入る、体調を崩すといった予定外のことが起きます。稼働率を常に100%近くにしていると、予定外のことが1つ起きただけで遅れが出ます。多くのチームでは、8割程度を目安にしておき、残りを予定外のことへの備えにしています。

稼働率は、人ごとに週単位で見るのが基本です。月単位でまとめて見ると、月の前半に仕事が集中して後半は空いている、といった偏りが平均されて見えなくなります。

Excelで割り当て表を作る手順

リソース管理は、専用の道具がなくても、Excelやスプレッドシートで始められます。ここでは、人と週を軸にした割り当て表の作り方を手順で説明します。

  1. 1行目に週の見出しを並べます。「10/19週」「10/26週」のように、月曜日の日付で週を表します。先の予定まで見られるよう、8〜12週分ほど並べます。
  2. A列にメンバーの名前を並べ、B列にその人が1週間で使える時間を入れます。
  3. メンバーごとに、その下に担当しているプロジェクトの行を作り、週ごとの見込み時間を入れていきます。
  4. メンバーごとに、プロジェクトの行の合計を出す行を作ります。SUM関数で、その週の割り当て時間の合計を出します。
  5. 合計の行の下に、稼働率の行を作ります。合計の時間をB列の使える時間で割って、割合で表示します。
  6. 稼働率のセルに条件付き書式を設定します。90%以上を黄色、100%を超えたら赤にすると、詰まっている人と週がひと目で分かります。

この表を作ると、たとえば次のような見え方になります。

メンバー 使える時間 10/19週 10/26週 11/2週
担当A(合計) 30時間 32時間 24時間 18時間
担当A(稼働率) 107% 80% 60%
担当B(合計) 20時間 12時間 20時間 22時間
担当B(稼働率) 60% 100% 110%

この例では、担当Aは今週が使える時間を超えていて、担当Bは再来週から詰まり始めることが分かります。今週の担当Aの仕事の一部を担当Bへ回せば、両方の負荷をならせます。表を見る前は「みんな忙しい」としか言えなかった状態が、どこをどう動かせばよいかという具体的な判断に変わります。

表の更新は、週に1回、決まった曜日に行います。更新する人を決めておかないと、表はすぐに古くなります。月曜日の朝の打ち合わせの前に更新し、その場で全員で見る、という流れにすると、更新の習慣が続きやすくなります。

負荷を見える形にする3つの表示

割り当ての状態を見える形にする方法は、表のほかにもあります。目的に合わせて使い分けると、話し合いが進めやすくなります。

人ごとの横棒の表示

人を縦に並べ、時間を横軸にして、それぞれの人が担当する仕事を横棒で表す方法です。ガントチャートを人ごとに並べ替えた形で、同じ人の仕事の棒が重なっている時期が、そのまま負荷の重い時期として見えます。誰がいつ空くのかを、日単位で確かめたいときに向いています。

山積みの表示

週ごとに、割り当てた時間を棒グラフで積み上げ、使える時間の線と比べる方法です。プロジェクト管理では山積み表と呼ばれることがあります。棒が線を超えている週が、時間の足りない週です。Excelなら、割り当て表の合計の行をもとに積み上げ縦棒グラフを作り、使える時間を折れ線で重ねれば作れます。チーム全体の負荷の波を、数週間から数か月の幅で眺めたいときに向いています。

カレンダーの表示

締め切りを月のカレンダーに並べる方法です。締め切りが特定の週に集中していることは、カレンダーに並べて初めて気づくことがよくあります。締め切りの前の週は、仕上げや確認の作業で負荷が高くなるので、締め切りが重なる週は早めに手を打ちます。

この3つは、同じ情報を違う角度から見たものです。日々の割り当ては人ごとの横棒、月の初めの見通しは山積み、締め切りの確認はカレンダー、のように場面で使い分けます。

負荷の偏りを直す手順

割り当て表で偏りが見えたら、次はそれを直します。偏りを直す方法は、大きく4つあります。

仕事を別の人へ回す

もっとも直接的な方法は、詰まっている人の仕事を、余力のある人へ回すことです。このとき、先に作った「人ごとの担当できる仕事」の一覧が役に立ちます。担当できる人が他にいない仕事は回せないので、そうした仕事は詰まっている人に残し、他の人でもできる仕事を回します。

仕事の時期をずらす

期限に余裕のある仕事は、時期をずらして負荷をならします。今週に集中している仕事のうち、来週でも間に合うものを動かすだけで、稼働率が大きく下がることがあります。期限そのものを動かせるかどうかは、依頼した人や取引先との相談になるので、早めに相談するほど選択肢が増えます。

仕事の範囲を見直す

時間が足りないときは、仕事の範囲を見直すことも選択肢です。最初の納品では必須の部分だけを仕上げ、残りは次の段階に回す、といった分け方ができないかを、依頼した人と相談します。

人を補う

どうしても時間が足りないときは、人を補います。社内で他のチームから応援を頼む、外部の協力者に一部を任せる、といった方法です。外部に任せる場合は、引き継ぎの時間も見込んでおく必要があります。

どの方法を選ぶにしても、大事なのは、偏りを見つけた時点ですぐに動くことです。偏りは時間がたつほど大きくなり、直せる選択肢が減っていきます。

割り当て表を見る打ち合わせの進め方

割り当て表は、作るだけでは役に立ちません。全員で見て、その場で割り当てを直す打ち合わせがあって初めて、負荷の偏りが解消されます。週に1回、15〜20分ほどの短い打ち合わせで十分です。進め方の例を示します。

  1. 進める人が、更新した割り当て表を画面に映します。
  2. 稼働率が100%を超えている人と週を、上から順に確かめます。
  3. 該当する人に、今の状況を一言で話してもらいます。表の数字と本人の実感がずれていれば、ここで直します。
  4. 回せる仕事、ずらせる仕事がないかをその場で話し合い、決まったら表を直します。
  5. 新しく入ってきた依頼があれば、誰に割り当てるかを決めます。
  6. 決まったことを、表の横の欄か、チームの連絡の場所に短く書き残します。

この打ち合わせで大事なのは、詰まっている人を責める場にしないことです。仕事が集まっているのは、その人の働き方の問題ではなく、割り当ての問題です。「どうすれば回せるか」を全員で考える場にすると、メンバーは自分の負荷を正直に話せるようになり、表の数字も実態に近づきます。

また、余力のある人が自分から「この仕事なら引き受けられる」と言える雰囲気も大切です。割り当てを決める人だけが調整するより、メンバー同士で仕事を分け合えるチームのほうが、偏りは早く解消されます。

新しい仕事を受けるときの判断

リソース管理のもう1つの役割は、新しい仕事を受けるかどうかを判断する材料になることです。割り当て表があれば、依頼が来たときに次の順番で判断できます。

  1. 依頼された仕事の見込み時間と、必要な期間を出します。
  2. その仕事を担当できる人を、担当できる仕事の一覧から選びます。
  3. 割り当て表で、その人の該当する週の稼働率を確かめます。
  4. 仕事を足しても稼働率が8〜9割に収まるなら、受けられます。超えるなら、他の人へ回せるか、時期をずらせるかを検討します。
  5. どちらも難しければ、納期の相談をするか、受けない判断をします。

この判断を、依頼を受ける窓口の人と、実際に担当する人の両方が同じ表を見ながらできるようにしておくと、「受けてから困る」ことが減ります。依頼した側にとっても、無理に受けて遅れるより、最初に現実的な納期を示してもらえるほうが助かります。

リソース管理でよくある失敗

リソース管理を始めても、うまく続かないことがあります。よくある失敗と、その避け方を整理します。

細かく管理しすぎる

1時間単位で全員の予定を管理しようとすると、記録の手間が大きくなり、誰も更新しなくなります。最初は週単位、プロジェクト単位の大まかな管理で十分です。細かい管理が必要になったら、その部分だけを細かくします。

見込みの時間を見直さない

最初に立てた見込みの時間が、実際とずれていても直さないままにすると、表は現実と離れていきます。週に1回の更新のときに、終わった仕事の実際の時間と見込みを比べ、ずれが大きければ次の見込みに反映させます。

表を管理する人しか見ていない

割り当て表を管理する人だけが見ていると、メンバーは自分の負荷がどう見られているかを知らず、表の数字と実感がずれていても誰も指摘しません。表は全員が見られる場所に保存し、週に1回は全員で見る時間を取ります。

稼働率だけで人を評価する

稼働率は負荷を見るための数字で、人の働きぶりを評価するための数字ではありません。稼働率が低い人を「働いていない」と見ると、メンバーは表に時間を多めに書くようになり、表が役に立たなくなります。稼働率は、仕事を割り当てる側が判断に使う数字だと全員で共有しておきます。

担当できる人を増やして偏りを防ぐ

負荷の偏りを直す方法をいくつ知っていても、ある仕事を担当できる人が1人しかいなければ、その仕事は回せません。リソース管理を続けていくと、偏りの根っこには「その人しかできない仕事」があることが多いと分かってきます。長い目で偏りを防ぐには、担当できる人を増やす取り組みが欠かせません。

まず、担当できる仕事の一覧を見て、担当が1人しかいない仕事に印を付けます。そのうち、頻度が高いもの、止まると影響が大きいものから順に、2人目の担当を育てます。

育て方としては、次の3つを組み合わせます。

  • 作業の手順を文章や画面の記録に残し、誰でも読める場所に保存する
  • 担当している人の作業に、2人目が横で付いて一緒に進める
  • 次に同じ仕事が来たときは、2人目が主に進め、元の担当は確認に回る

この取り組みには、一時的に時間がかかります。そのため、割り当て表の上でも、育てるための時間をきちんと割り当てておきます。育てる時間を割り当てずに「空いた時間でやって」と頼むと、忙しい時期には後回しになり、いつまでも2人目が育ちません。

担当できる人が2人いる仕事が増えるほど、休みや急な依頼に強いチームになります。リソース管理は、今週の負荷をならすだけでなく、こうした長い目の改善の材料にもなります。

人以外のリソースを管理するとき

この記事では人と時間を中心に説明してきましたが、プロジェクトによっては人以外のリソースも管理が必要です。

会議室や撮影の機材、検証用の端末のように、同じ時間に1つの仕事でしか使えない設備は、人と同じように予約の表で管理します。使う仕事と時間帯を表に入れておけば、同じ日に2つの仕事が同じ機材を使おうとする衝突を、事前に見つけられます。

有料のソフトウェアの利用権のように、人数分しか用意していないものも、誰が使っているかを一覧にしておきます。使っていない人の分を他の人へ回せば、追加の費用をかけずに済むことがあります。

予算も、プロジェクトのリソースの1つです。外部の協力者への支払い、道具の利用料など、プロジェクトごとに使える金額の上限を決め、使った金額を記録しておきます。人の時間と同じく、使いすぎに早く気づけることが目的です。

人以外のリソースも、管理の考え方は同じです。何がどれだけあるかを決め、どの仕事にどれだけ割り当てたかを記録し、足りなくなる前に気づけるようにしておきます。

道具を選ぶときの見方

Excelの割り当て表で始めたリソース管理も、人数やプロジェクトの数が増えると、表の更新が負担になってきます。プロジェクト管理の道具を提供する会社も、道具にはいくつかの種類があり、解決したい課題によって合うものが違うと説明しています。

リソース管理ツールにはいくつかのタイプがあり、解決したい課題によって適したものは異なります。 出典: lychee-redmine.jp

道具を選ぶときは、次の点を確かめます。

確かめる点 見るところ
人ごとの負荷が見えるか 担当者を行にして、期間ごとの割り当てを横に並べられるか
タスクと割り当てがつながっているか タスクの担当や期間を変えると、負荷の表示も変わるか
複数のプロジェクトをまたいで見られるか 同じ人が入っている別のプロジェクトの仕事も合わせて見えるか
外部の協力者を招待できるか 社外の人を招いて、必要な範囲だけ見せられるか
料金の数え方 人数で数えるのか、見るだけの人も数えるのか

表計算のまま続けるか、道具に移るかの目安は、更新の手間です。週に1回の更新に30分以上かかるようになった、同じ情報をタスクの一覧と割り当て表の2か所に書いている、という状態になったら、道具に移ることを考える時期です。

人ごとの負荷を横に並べて見たいときの候補

タスクの一覧と人の割り当てを1か所で見たいときの選択肢の1つが、チームのプロジェクト管理ツールのPinatecaです。公式の使い方の案内によると、Pinatecaには8種類のボードがあり、そのうちリソースボードでは、人やチームを行にして、誰がいつ何をしているかを横軸の時間で見られます。割り当てが重なっている人は横棒が重なって表示されるため、詰まっている人がすぐに分かり、棒をドラッグして割り当てを動かすこともできます。

同じカードを、カンバンやガントチャートのボードで見ることもでき、タスクの進み具合と期限、人の割り当てを、それぞれの見え方で確かめられます。5人まで、ボード10個までなら無料で使え、6人目または11個目のボードから有料のスタンダードプランになります。公式の料金ページでは、スタンダードプランは1人あたり月額500円(税抜)、年払いなら1人あたり月額400円(税抜)と案内されています。閲覧だけのゲストは人数に数えない決まりなので、取引先に計画を見せたいときにも使いやすい形です。業務委託の稼働時間を記録して請求の根拠にするための稼働タイムシートは、別料金のオプションとして用意されています。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

道具を入れても、割り当てを決めるのは人です。道具はあくまで、負荷を見える形にする手間を減らすためのものと考え、週に1回全員で見る習慣は、表計算のときと同じように続けます。

小さなチームで始めるときの進め方

最後に、これからリソース管理を始める小さなチームに向けて、最初の1か月の進め方を示します。

1週目は、メンバーごとの使える時間と、担当できる仕事の一覧を作ります。この段階では、正確さより、全員分がそろっていることを優先します。

2週目は、今動いている仕事を全部書き出し、担当と見込み時間を割り当て表に入れます。抜けている仕事がないかを、メンバー全員に確かめてもらいます。

3週目は、割り当て表を全員で見る打ち合わせを始めます。稼働率が100%を超えている人がいれば、その場で仕事を回せないかを話し合います。

4週目は、1か月の記録を振り返り、見込みの時間と実際の時間のずれ、使える時間の設定が現実に合っているかを見直します。ここで決まりを直し、2か月目からは週に1回の更新を続けます。

この流れで1か月続けると、チームの中で「誰が忙しいか」が感覚ではなく表で話せるようになります。それだけでも、特定の人に仕事が集まる状態は、かなり防げるようになります。

外部の協力者と仕事を分けるときに見てきたこと

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、外部の協力者と長く仕事が続くチームほど、協力者の空き時間を最初に聞き、それをもとに仕事を割り当てています。発注する側の都合だけで納期を決めると、協力者は他の取引先の仕事との間で無理をすることになり、品質や連絡の速さに表れます。逆に、空き時間に合わせて仕事を渡せば、協力者は余裕を持って仕上げられ、次の依頼も受けやすくなります。

協力者に空き時間を聞くときは、「来週は何時間くらい使えそうですか」のように、時間の量で聞くと答えやすくなります。「来週は空いていますか」と聞くと、相手は少しでも空いていれば「空いています」と答えがちで、実際に使える時間とずれます。週ごとの使える時間を聞き、それを割り当て表の協力者の行に入れておけば、社内のメンバーと同じように負荷を見られます。

中間の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、発注する側は同じ金額でより多くの作業を頼めます。その形を長く続けるうえでも、相手の時間を自分たちのリソースの一部として大切に扱うことが、結果として双方の負担を減らします。

リソース管理の仕組みを整える仕事は、外部の専門家に頼める仕事でもあります。業務の進め方に道具やAIを取り入れる支援はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、社内の仕組みを作る開発の仕事はアプリケーション開発のお仕事で紹介しています。デザインの仕事を外部に頼むときの相場の感覚はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

よくある質問

Q. リソース管理とタスク管理は何が違いますか?

タスク管理は、やることの一覧と、それが終わったかどうかを追う管理です。リソース管理は、そのタスクを誰が担当し、その人に余力があるかを追う管理です。同じ仕事を違う角度から見たもので、タスクと期限が決まっていても、担当する人の時間が足りなければ計画は崩れるため、両方を合わせて見ることが大切です。

Q. 稼働率は何%を目安にすればよいですか?

多くのチームでは、8割程度を目安にしています。稼働率を100%近くにすると、見込みより時間がかかる、急な修正が入るといった予定外のことが1つ起きただけで遅れが出ます。残りの時間を予定外のことへの備えとして残しておくと、計画が崩れにくくなります。

Q. リソース管理はExcelだけでもできますか?

人と週を軸にした割り当て表を作れば、Excelやスプレッドシートでも十分に始められます。週ごとの割り当て時間の合計と稼働率を出し、条件付き書式で詰まっている人と週に色を付けると、偏りがひと目で分かります。更新に時間がかかるようになったら、道具に移ることを考えます。

Q. 割り当て表はどのくらいの頻度で更新すればよいですか?

週に1回、決まった曜日に更新するのが基本です。更新する人を決め、週の初めの打ち合わせの前に更新して、その場で全員で見る流れにすると続きやすくなります。月に1回の更新では、週ごとの偏りが平均されて見えなくなるため、週単位で見ることをおすすめします。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月20日最終更新:2026年10月19日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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