公務員wワークは懲戒対象?不動産投資や執筆など許可される範囲を徹底調査

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
公務員wワークは懲戒対象?不動産投資や執筆など許可される範囲を徹底調査

この記事のポイント

  • 公務員のwワーク(副業)は原則禁止ですが
  • 不動産投資や執筆など許可される範囲も存在します
  • 国家公務員法・地方公務員法の条文と人事院Q&Aを根拠に

「公務員 w ワーク」と検索しているあなたは、おそらく今こんな状況ではないでしょうか。安定した職場ではあるものの、給与の伸びは緩やかで、物価上昇に追いつかない。家族のため、あるいは将来のために収入源をもう一つ持ちたい。でも、公務員は副業禁止と聞くし、バレたら懲戒処分になるかもしれない…。

結論から言います。公務員のwワークは原則禁止ですが、「許可制」で認められる範囲が明確に存在します。 不動産投資(一定規模以下)、執筆活動、講演、家業の手伝い、小規模農業などは、所属長の承認を得ることで合法的に取り組めます。ただし、無許可で営利活動を行えば、減給・停職・最悪の場合は免職という懲戒処分が待っています。

本記事では、国家公務員法第103〜104条、地方公務員法第38条、そして人事院が公開しているQ&A集を一次情報として参照しながら、公務員wワークの「合法ライン」と「懲戒リスク」を客観的に整理します。情報商材的な「公務員でも月◯万円稼げる!」といった煽りは一切なし。あくまで法令と公式見解に基づいた、冷静な調査記事として読んでください。

公務員のwワーク事情:なぜ原則禁止なのか

公務員の副業(wワーク)が原則禁止である根拠は、法律に明記されています。国家公務員と地方公務員で根拠条文は異なりますが、本質は同じです。

国家公務員については、国家公務員法第103条(私企業からの隔離)と第104条(他の事業又は事務の関与制限)に規定があります。地方公務員については、地方公務員法第38条(営利企業への従事等の制限)が該当します。これらの条文は、戦後の公務員制度設計時から続く伝統的な縛りで、80年近く運用されてきました。

なぜ禁止されているのか。理由は3つに集約されます。

第一に、信用失墜行為の禁止です。公務員は全体の奉仕者であり、特定の私企業のために働くことは、職務の公正性に対する国民の信頼を損ねるおそれがあります。第二に、守秘義務です。職務上知り得た情報を私企業の利益のために流用するリスクを、構造的に排除する必要があります。第三に、職務専念義務です。本業に集中すべき時間と労力が、副業によって削られることを防ぐ趣旨です。

公務員は副業が禁止されていますが、投資は可能です。投資には投資信託や株式投資などさまざまな種類があり、貯蓄とは異なり元本割れのリスクも伴います。実際にお金を…

ただし、「原則禁止」というのは「例外なく全て禁止」という意味ではありません。所属長や任命権者の承認を得れば、一定範囲のwワークは認められます。この「許可制」の運用が、実は公務員wワークの最大のポイントです。

公務員の給与水準とwワーク需要のマクロ視点

公務員がwワークを検討する背景には、給与水準の現実があります。客観的なデータで見てみましょう。

人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査」によれば、行政職俸給(一)適用職員の平均給与月額は40万4,015円でした。一方、総務省の「令和4年地方公務員給与実態調査」によると、地方公務員(一般行政職)の平均給与月額は40万1,372円です。

人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」によると、国家公務員の行政職俸給(一)適用職員(一般行政事務職員など)の平均給与月額は40万4,015円です。

数字だけ見れば民間平均より高水準ですが、ここには年齢構成のバイアスがあります。公務員の平均年齢は42〜43歳と高めで、若手の手取りは想像以上に厳しいのが実態です。20代後半の地方公務員(一般行政職)の手取りは、住居手当を含めても20万円台前半というケースが少なくありません。

加えて、近年の物価上昇は給与の実質購買力を下げています。総務省の消費者物価指数(CPI)によれば、2022年以降の累積物価上昇率は無視できない水準に達しており、ベースアップが追いついていない自治体も多数あります。これが「公務員 w ワーク」というキーワードの検索ボリュームを押し上げている根本要因です。

社会的な側面も見逃せません。2017年に神戸市が「地域貢献応援制度」を創設し、職員が地域団体やNPO法人で報酬を得て活動できる仕組みを導入しました。生駒市・奈良市・福井県など追随する自治体も増えており、自治体側も「優秀な人材を確保するために副業の自由度を高める」方向へ舵を切り始めています。国家公務員についても、人事院が兼業に関するガイドラインを段階的に整備してきました。

公務員のwワークで懲戒処分になるケース

懲戒処分は「軽い順に、戒告 → 減給 → 停職 → 免職」の4段階です。無許可副業がどの処分に該当するかは、副業の規模・期間・本業への影響度・社会的影響などを総合的に判断されます。

1. 副業がバレる典型的な経路

「副業はバレなきゃ大丈夫」という発想は危険です。実際の発覚経路を整理すると次のようになります。

第一の経路は住民税通知です。副業で年間20万円超の所得があると確定申告が必要になり、住民税の通知が勤務先(自治体・官公庁)に届きます。本業の給与から想定される住民税額より明らかに多い金額が天引き対象になっていると、給与担当者が気付きます。「住民税を普通徴収(自分で納付)にすれば回避できる」と言われることもありますが、自治体によっては副業分も特別徴収(給与天引き)に強制される運用があり、確実な回避策ではありません。

第二の経路はSNSや知人からの通報です。インボイス制度開始後、フリーランス側で公開される事業者名簿(適格請求書発行事業者公表サイト)から、本名と勤務状況の整合性を疑われるケースが増えています。匿名アカウントで活動していても、文章の癖や写真の背景から特定されるリスクは消えません。

第三の経路は確定申告ミス・税務調査です。副業の経費計上が雑だと、税務署から問い合わせが来ます。税務署と勤務先は基本的に独立していますが、調査の過程で勤務先に裏取りが入ることもあり得ます。

2. 過去の懲戒事例

実際に懲戒処分が下された事例として、地方公務員が副業でアパート経営を行い、「独立家屋5棟以上」「年間賃貸収入500万円以上」という人事院規則上の基準を超えていたために減給処分を受けたケース、勤務時間中にネットオークション転売を行っていた職員が停職処分になったケース、無許可でYouTube動画配信を行い広告収入を得ていた職員が戒告処分を受けたケース、などが報告されています。

特に厳しいのは、本業の勤務時間中に副業活動をしていた場合です。これは職務専念義務違反にあたり、副業の収入額に関係なく重い処分が下されます。

3. 「親族名義なら大丈夫」は通用しない

「自分名義ではなく配偶者や親の名義で事業をやれば回避できる」という相談をネット上でよく見かけますが、実態として職員本人が経営判断や日常業務に関与していれば、人事院・自治体側は「実質的な兼業」と判断します。名義貸しは脱法行為とみなされる可能性が高く、推奨できません。

私が編集者として公務員系メディアの取材に同席した際、人事担当の方から「形式的な名義より、実質的な業務関与をチェックする」とはっきり言われました。グレーゾーンを攻めようとする発想自体が、結果的に大きな処分につながるという点は強調しておきたいです。

許可されるwワーク:不動産投資の合法ライン

公務員wワークの中で最もメジャーなのが不動産投資です。これは人事院規則14-8によって明確な基準が定められています。

**「5棟10室500万円ルール」**と呼ばれる基準を覚えておいてください。

具体的には、独立家屋(戸建て)の貸付けは5棟未満、独立家屋以外(アパート・マンション等)の貸付けは10室未満、土地の貸付けは10件未満、賃貸収入は年額500万円未満、これらすべてを満たしていれば「自営業」に該当せず、許可なしでも不動産投資が可能とされています。

ただし、これらの基準を超える場合や、基準内であっても以下の条件に該当する場合は事前承認が必要です。

賃貸物件の管理業務を自分で行うのではなく、賃貸管理会社に委託することが条件になります。職員自身が入居者対応や物件管理を行うと、「業として行っている」とみなされて職務専念義務違反の対象になり得ます。また、駐車場経営の場合、管理人を置く・機械装置を設置する・建物を建てる、いずれかに該当すると「不動産業」と判断されるケースがあります。

不動産投資に向いている理由として、公務員は信用力が高く、住宅ローン金利・期間の両面で民間サラリーマンより有利な条件で融資を受けやすい点が挙げられます。とはいえ、空室リスク・修繕費・金利上昇リスクなどは民間と同じ。安易な「サラリーマン大家ブーム」に乗って失敗した公務員の事例も多数あるため、慎重な事業計画が必要です。

許可されるwワーク:執筆・講演・家業など

不動産投資以外で公務員に許可されやすいwワークを整理します。これらは人事院Q&A集および各自治体の運用基準に基づいています。

1. 執筆活動・講演

書籍・雑誌記事の執筆、新聞へのコラム寄稿、講演会での講話などは、職務に関連する内容であっても、所属長の承認を得れば認められるケースが多いジャンルです。原稿料・講演料の受領も問題ありません。ただし、職務上の機密情報を含めない、所属組織の見解を装わない、本業に支障が出ないペースで行う、といった条件は必須です。

近年では、職員が自身の専門分野(法律・税務・教育・福祉など)について個人ブログやnoteで発信する事例も増えています。広告収入や有料記事の販売は「営利を目的とする継続的な事業」とみなされる可能性があるため、収益化する場合は事前に所属長へ相談すべきです。

ライターや編集者の働き方に関心がある方は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で民間の相場感を把握しておくと、退職後のキャリアプランニングにも役立ちます。

2. 講師業・指導員

地域の文化教室・スポーツ指導・各種資格講座の講師は、社会貢献性が高い活動として承認されやすい分野です。職務に関連する分野(例:法律職員が法律系資格講座の講師をする)の場合、利益相反のチェックが厳しめになります。

3. 小規模農業・家業の手伝い

実家が農家・小売店・建設業などを営んでいる場合、その手伝いは家族扶助の範疇として認められる場合があります。ただし、職員が経営の中心となる場合は「自営業」に該当し許可が必要です。

4. 株式投資・投資信託・FX

これらは「資産運用」であり、原則として副業には該当しません。許可不要です。ただし、業務時間中に売買を行う、職務上知り得たインサイダー情報を利用する、といった行為は別の法令違反となります。仮想通貨取引やNFT売買についても、現状は資産運用の範疇で認められる流れですが、頻繁な売買で「事業」と判断される可能性はゼロではありません。

5. 地域貢献活動(自治体の制度)

冒頭で触れた神戸市の「地域貢献応援制度」のように、自治体独自の副業制度を活用する方法もあります。NPO法人での活動、地域団体の運営支援などが対象で、報酬を得ても職務専念義務違反にならない仕組みが整備されています。所属自治体の制度を必ず確認してください。

許可申請の実務フロー

「許可されるwワークがあるなら、申請してみたい」という方のために、実務フローを整理します。

申請書のフォーマットは所属組織によって異なりますが、共通して記載が求められる項目は次の通りです。従事しようとする事業の内容従事する期間・時間帯報酬の額または計算方法本業との関連性の有無職務専念義務・守秘義務・信用失墜防止への配慮緊急時の対応可否、これらを文書で説明する必要があります。

申請から承認までの期間は、組織や案件の内容によって幅がありますが、おおむね2週間〜1ヶ月程度を見ておくと現実的です。所属長の判断で承認・不承認が決まるため、上司との日頃のコミュニケーションが意外と重要になります。

私が以前、官公庁系のメディアで編集を担当していたとき、現役職員に「申請書を書く前に、まず上司と非公式に相談するのが鉄則」と教わりました。いきなり書面で出すと組織として慎重にならざるを得ませんが、口頭で相談しておけば、許可されやすい範囲・条件をアドバイスしてくれることが多いそうです。

不承認になるケースとしては、職務との利益相反が疑われる場合、本業に明らかに支障が出ると判断される場合、社会的な信用を損ねるおそれがある業種(消費者金融・風俗関連など)が多いようです。承認後も、年に1度の更新申請が必要な自治体・組織もあるため、運用ルールは必ず確認してください。

退職後を見据えたスキル蓄積という選択肢

ここまでは「在職中のwワーク」に焦点を当てましたが、もう一つ重要な視点があります。退職後・早期退職後を見据えたスキル蓄積です。

公務員の身分のままでは厳しい制約がありますが、退職して民間に出れば一気に自由度が広がります。重要なのは、在職中から「退職後に活かせる専門性」を計画的に積み上げることです。

たとえば、デジタル分野で需要が高まっているのがAIコンサル・業務活用支援のお仕事です。生成AIの業務活用支援は、行政分野でもニーズが拡大しており、行政経験を持つ人材の希少価値が高まっています。同様にAI・マーケティング・セキュリティのお仕事アプリケーション開発のお仕事も、退職後のキャリアパスとして十分検討価値があります。

資格面では、IT系のCCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワーク基礎資格、ビジネス文書の正確性を証明するビジネス文書検定などが、行政経験との組み合わせで強みになります。

エンジニア職を目指すなら、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で市場価値を確認しておくと、スキル投資のリターンを冷静に判断できます。

在職中にできる準備として、業務時間外の学習、資格取得、ブログでの情報発信(広告収入を得ない範囲)などは、いずれも許可不要で進められます。退職を急ぐ必要はありませんが、「いざとなれば民間でやっていける」という選択肢を持っておくこと自体が、本業の精神的余裕にもつながります。

在宅ワーク化の動きと公務員の親和性

退職後・転職後の働き方として、近年は在宅ワーク・リモートワークの選択肢が急速に広がっています。これは公務員出身者にとって相性の良い働き方です。

理由は3つあります。第一に、公務員は文書作成能力が高い職種が多く、ライティング・編集・行政書士補助などの在宅業務に適性があります。第二に、ITリテラシーは在職中に底上げ可能で、リモート開発・データ分析・オンライン講師などへの転身ハードルは下がっています。第三に、公務員時代の人脈と専門知識(法律・福祉・教育など)は、コンサルタント業として独立する際の差別化要素になります。

在宅ワーク移行を考えている方には、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるで具体的な資格の選び方を確認することをおすすめします。仕事の進め方については、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックが役立ちます。デスクワーク中心の生活が続くと健康面が心配になりますが、その点は在宅ワークの運動不足解消法|デスクワーカーの健康管理ガイドを参考にしてください。

総務省の「令和の通信利用動向調査」でも、テレワーク導入企業の割合は年々拡大傾向にあり、公務員の経験を活かせる業務発注は確実に増えています。

第一に、文書作成系の業務で高評価を得るケースが多い点です。行政文書のロジカルな構成力、誤字脱字の少なさ、納期遵守の徹底、これらは公務員時代の習慣がそのまま強みになります。クライアント評価の中央値は他職種出身者より明確に高い水準にあります。

第二に、専門分野×ライティングの組み合わせが強力であるという傾向です。教員出身者の教育系記事、福祉職出身者の介護・福祉系記事、税務職員出身者の税務関連記事などは、専門性と読みやすさの両立が評価されます。

第四に、フリーランス市場全体のトレンドです。経済産業省の「フリーランス実態調査」によれば、フリーランス人口は継続的に増加傾向にあり、特に40代以降の「セカンドキャリア」層の参入が目立ちます。公務員からの転身も、社会的に珍しい選択ではなくなりつつあります。

最後に、これは個人的な観察ですが、公務員出身者ほど「副業の合法性」に過剰に慎重になる傾向があります。これ自体は良い習慣なのですが、退職後のフリーランス活動においても「クライアント先の規程」「インボイス制度」「青色申告」などのルール理解が異常に丁寧で、結果的にトラブルが少ないという好循環につながっています。退職後の活動はもちろん合法ですが、契約書・税務処理・著作権の扱いを在職中から学んでおくと、退職後のスタートダッシュが大きく変わります。

国税庁の確定申告関連情報(www.nta.go.jp)や、e-Taxの操作ガイド(www.e-tax.nta.go.jp)は、副業・フリーランス活動を始める際に最初に確認すべき公式リソースです。在職中にwワークの許可申請を行う場合も、税務処理の知識は必須になるため、早めに目を通しておくことをおすすめします。

よくある質問

Q. 副業として大家業を始める場合、会社に知られるリスクはありますか?

住民税の徴収方法を「普通徴収(自分自身で納付)」に切り替えることで、会社に副業所得を知られる可能性を低くできます。ただし、不動産所得が赤字になり本業の給与所得と損益通算を行う場合は、税額の変化から副業の存在を推測される可能性があるため注意が必要です。

Q. 会社にバレずにダブルワークをすることは可能ですか?

確定申告時に住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に選択することで、会社に通知が行くリスクを軽減できます。ただし、SNSでの発信や同僚からの漏洩など、税金以外で露呈するケースも多いため、2026年現在の一般的なリスク管理としては、まずは勤務先の就業規則を正しく理解することが最優先です。

Q. 会社に副業としてバレるリスクはありますか?

本名や顔出しで活動すれば、会社の同僚が講座を見つけた際にバレる可能性は当然あります。ペンネーム(ビジネスネーム)の使用や、顔を出さずにスライド資料と音声のみで進行するスタイルを採用することで、身バレのリスクを最小限に抑えることは可能です。

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朝比奈 蒼

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朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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