50代60代からの資料・企画書作成は、社内で作った経験がそのまま値段になる


この記事のポイント
- ✓50代60代から資料・企画書作成を始める方へ
- ✓社内で積んだ書類作成の経験をどう値段に変えるか
- ✓シニア歓迎の求人の読み方
「この歳から新しいことを始めても、需要なんてないですよね」。50代、60代の方からのご相談で、いちばん多く聞く言葉です。
そのたびに、私はこうお伝えしています。資料・企画書作成という仕事に限って言えば、それは逆です。この職種は、年齢が不利にならない数少ない分野のひとつです。理由ははっきりしていて、依頼者が求めているのが「速く作れる人」ではなく「決裁が通る資料を作れる人」だからです。
決裁が通る資料というのは、上司が何を気にするかを知っている人にしか作れません。稟議がどこで止まるか、どの数字を先に出さないと質問されるか、誰の名前を入れておくと話が早いか。こういうことは、教科書には書いてありません。会社のなかで何年も書類を作ってきた人が、体で覚えているものです。
つまり、皆さんが「当たり前にやってきたこと」が、そのまま値段になります。今日は、その経験をどう見えるようにして、どう仕事に変えるかを、順を追ってお話しします。大丈夫ですよ。ゼロから覚え直すという話ではありません。
50代60代がこの職種で不利にならない、3つの構造的な理由
まず、なぜ年齢が不利にならないのかを整理します。ここに納得できないと、次の一歩が踏み出せません。
理由1 成果物で評価される職種だから
資料・企画書作成は、作ったものが評価対象になります。年齢も、勤務時間の長さも、体力も、成果物の良し悪しには直結しません。
これは、若さが有利に働く職種とは構造が違います。反応の速さや流行への感度が問われる分野では、年齢がハンデになる場面があります。しかし、この職種で問われるのは、話を整理する力と、読み手の立場を想像する力です。どちらも、経験を重ねた人のほうが強い。
理由2 依頼者の多くが、社内の作法を求めているから
企業から出る資料作成の依頼は、社外向けの華やかな提案書ばかりではありません。むしろ多いのは、社内で回す資料です。報告書、稟議資料、会議の配布資料、マニュアル。
こういう資料には、その組織の作法があります。どこまで詳しく書くか、どこで結論を出すか、誰に配慮した書き方をするか。会社員として長く過ごした方は、この感覚を持っています。持っていない人が作ると、どこか浮きます。
理由3 求人側が明示的にシニアを歓迎しているから
これは実際の募集を見ると分かります。
【求人の特徴】経験者優遇20代活躍中30代活躍中ミドル(40代~)活躍中エルダー(50代~)活躍中シニア(60代~)歓迎...マニュアル・資料作成 電話応対 報告会への参加 その他付随業務 出典: 求人ボックス
年代を並べて歓迎と書く募集は、実際に幅広い年代を採ってきた実績がある職場に多い。逆に、若手だけを想定している募集では、こういう書き方はしません。
もうひとつ、経験そのものが要件になっている募集もあります。
【仕事内容】発注者側として公共工事が円滑に進むよう、施工管理業務や資料作成業務等ををお任せいたします。...【求人の特徴】経験者優遇新卒・第二新卒歓迎エルダー(50代~)活躍中シニア(60代~)歓迎... 出典: 求人ボックス
発注者側の立場で書類を扱う仕事は、若い人にはなかなか務まりません。相手の立場が読めることが前提だからです。ここは、年齢が明確に強みになる領域です。
社内で作ってきた経験を、値段に変える手順
ここからが本題です。経験があることと、それが値段になることのあいだには、ひと手間あります。その手間を飛ばすと、「経験はあるのに評価されない」という状態になります。
手順1 作ってきた書類を、種類で棚卸しする
まず、これまで何を作ってきたかを書き出します。頭のなかにあるだけでは、相手に伝わりません。
書き出す軸は3つです。何の書類か、誰に向けたものか、どのくらいの頻度で作っていたか。たとえば「月次の営業報告資料を、部長と役員向けに、毎月1回、8年間」といった形です。
こうして並べると、自分でも驚くほど量が出てきます。こういうご相談をよく受けます。「私は事務職でしたから、企画書なんて作ったことがありません」。でも、よく聞くと、社内向けの提案資料も、業務改善の稟議書も、新人向けのマニュアルも作っている。それは全部、この職種の仕事です。
手順2 「作れる」ではなく「こう作れる」に言い換える
棚卸しができたら、次は表現です。ここでつまずく方が非常に多い。
「資料作成ができます」は、相手が判断できません。判断できるのは、行為と条件で書かれた文です。「渡された数字と文章から、社内向けの報告資料を10ページ前後にまとめます。初稿までは3営業日いただきます」。こう書けば、依頼者は自分の案件に当てはめて考えられます。
年齢が高い方ほど、謙遜する傾向があります。「たいしたことはしていません」と。その謙遜が、そのまま評価を下げてしまう。事実を事実として書くことは、自慢ではありません。
手順3 見せられる形を1点だけ用意する
言葉だけでは足りません。作ったものを見せる必要があります。
ただし、在職中に作った資料をそのまま出すことはできません。会社の情報が入っているからです。退職していても、守秘義務は残ります。
方法はひとつ、架空の題材で作り直すことです。構成と見せ方だけを残し、社名も数字も架空に置き換える。「架空の商品を想定して作成した資料です」と1行添えれば、それで通用します。8ページから12ページで十分です。
手順4 値段を、枚数ではなく難易度で決める
報酬の考え方を最後に整理します。ここを間違えると、経験があっても消耗します。
資料・企画書作成の報酬は、ページ数で語られがちですが、実務では比例しません。30枚の資料でも、材料がそろって構成が決まっていれば早く終わります。5枚の資料でも、依頼者の考えが固まっていなければ、整理だけで何日もかかります。
だから見積もりは、「何枚作るか」ではなく「何を決める必要があるか」で出します。決めることが多い案件は、その時間を見積もりに入れる。この説明ができるようになると、値切られにくくなります。
そして、50代60代の方が持っている「何を決めるべきかが分かる力」は、まさにこの部分に効きます。若い受け手は、決めるべきことに気づけません。気づける人は、その分の対価を受け取ってよい。
シニア歓迎の求人を読むときに、見るべきところ
案件や求人を探すとき、どこを見るかで結果が変わります。
「シニア歓迎」の書き方から運用を推測する
年代を並べて歓迎と書く募集は、幅広い年代が実際に働いている職場である可能性が高い。一方、条件欄のいちばん下に小さく「年齢不問」とだけある募集は、形式的な記載であることがあります。
判断に迷ったら、業務内容の書き方も見てください。求められる経験が具体的に書かれている募集は、経験を評価する意思がある職場です。
【求人の特徴】Excel使用, Word使用, 経験者歓迎, シニア歓迎...書類・資料作成┗事務局や検査官の 規定に沿った書類作成 出典: 求人ボックス
「規定に沿った書類作成」という書き方には、正確さが求められていることが表れています。速さより正確さが評価される仕事は、経験を積んだ方に向いています。
稼働時間の条件を先に見る
週に何日、1日何時間という条件は、最初に見てください。年金を受給しながら働く場合、収入によって支給額が調整される仕組みがあります。制度の詳細は日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/)で確認できますし、ご自身の状況に応じた判断は年金事務所に相談するのが確実です。
ここは、なんとなくで進めないでください。あとから知って驚く方が本当に多い領域です。
在宅かどうかを、工程で確認する
資料・企画書作成は、その多くが在宅で完結します。ただし、募集によっては打ち合わせのために出社を求められることがあります。
「完全在宅」「ほぼ完全在宅」「原則在宅」という3つの表現には、それぞれ違う余白があります。「ほぼ」や「原則」がついている募集では、応募前に「出社が発生するのは年に何回で、どういう場面ですか」と確認してください。この質問は失礼ではありません。答えられる募集は、運用が固まっている証拠です。
道具と環境を、無理のない形で整える
50代60代から始めるとき、道具の話は避けて通れません。ただ、身構える必要はありません。
パソコンは、今あるもので始められます
高性能な機種は要りません。文書とスライドを扱うだけなら、数年前の機種でも十分に動きます。買い替えを検討するのは、実際に案件を受けて、動作の遅さが作業時間に響いてからで遅くありません。
最初に投資して、案件が取れずに終わる。これがいちばんもったいない形です。順番を逆にしてください。
画面の大きさは、体への負担に直結します
これは、健康の観点からお伝えしたいことです。ノートパソコンの小さな画面で長時間の資料作成をすると、目の疲れと首や肩の負担が確実に出ます。
外付けのモニターを1台足すだけで、この負担はかなり減ります。画面を目線の高さに合わせ、体を丸めない姿勢が取れるからです。作業効率の話というより、続けられるかどうかの話です。
年齢を重ねると、無理が効かなくなります。それは弱さではなく、体が正直になっただけです。負担を減らす工夫を先に入れておくほうが、結果的に長く働けます。
ソフトは、依頼者の標準に合わせる
PowerPointとWord、Excelが基本です。これは好みの問題ではなく、依頼者側の標準がそこにあるからです。編集可能な形式で納品する案件では、相手が開けなければ意味がありません。
在職中に使っていたバージョンから変わっている部分はありますが、基本的な操作は同じです。新しい機能を全部覚える必要はありません。使う機能は、実は限られています。
通信環境も見ておく
オンライン会議で画面を共有しながら資料を説明する場面が、必ず来ます。映像が止まると、それだけで説明の説得力が落ちます。回線の選び方は在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に整理されているので、据え置きで作業する方とそうでない方の違いを確認しておいてください。
始めてから最初の数か月で、つまずきやすいところ
ここは正直にお伝えします。良いことばかりではありません。
やり取りの速度が、会社員時代と違います
在宅の業務委託では、連絡がチャットで飛んできます。返信が遅いと、それだけで不安に思われます。内容の質ではなく、速度が評価に混ざる。これは、じっくり丁寧に仕事をしてきた方ほど、戸惑う部分です。
対処法はシンプルです。すぐに答えられなくても、受け取ったことだけ先に返す。「承知しました。明日中にご返答します」の一文で足ります。相手が不安なのは、答えが出ていないことではなく、届いたか分からないことです。
修正依頼が、遠慮なく来ます
データで納品する仕事は、何度でも直せてしまいます。相手に悪気はありません。直せると分かっているから言ってくるだけです。
だから、契約の時点で修正の回数と範囲を決めておきます。「初稿提出後の修正は2回まで、構成そのものの変更は別途お見積り」と書いておく。書いてあれば、3回目が来たときに事務連絡として伝えられます。書いていないと、断ることが人間関係の問題になってしまいます。
年齢が上の方ほど、若い依頼者に対して遠慮しがちです。でも、条件を先に決めておくのは、相手のためでもあります。曖昧なまま進めるほうが、最後に気まずくなります。
ひとりの時間が、思ったより長くなります
これは、私がカウンセリングでいちばん多く扱っているテーマです。
会社員のときは、良くも悪くも毎日誰かと会話がありました。それが在宅の仕事になると、朝から晩まで一人になります。気づいたら数日、家族以外の誰とも話していない。これは特別なことではなく、在宅で働き始めた方の多くが通る道です。
対策はあります。ひとつ、オンライン会議を苦にしないこと。文字だけで済ませず、声を使う場面を残しておくと、孤立感がかなり違います。ふたつ、作業時間を区切ること。終わりを決めずに続けると、生活の輪郭がなくなります。みっつ、外に出る用事を意図的に作ること。散歩でも買い物でもかまいません。
大丈夫ですよ。孤独は、性格の問題ではなく環境の問題です。環境は変えられます。
この職種で、経験がそのまま強みになる場面
もう少し具体的に、どういう案件で経験が効くのかを挙げます。
決裁の流れを知っている強み
社内資料の作成では、承認者が何を気にするかを織り込めるかどうかで、資料の価値が変わります。「この数字を出すと必ず根拠を聞かれるから、先に注釈を入れておく」。こういう配慮ができる人は多くありません。
相手の立場を想像する強み
発注者側の資料、社外に出す文書、公的機関に提出する書類。これらはいずれも、読み手の立場を想像しないと作れません。取引先とのやり取りを長年してきた方は、この想像が自然にできます。
型を守る強み
規定に沿った書類作成、指定様式への記入、決まったフォーマットの整備。こうした仕事では、創意工夫よりも正確さが求められます。丁寧に仕上げる習慣がある方に向いています。
幅を広げるなら、こういう方向がある
もう少し領域を広げたい方には、いくつか道があります。契約書まわりの書類も扱うなら契約書・資料・企画書作成のお仕事で全体像がつかめます。営業や販促の資料に寄せたい場合は営業代行・アポ・販促資料作成のお仕事、IT分野やマーケティング領域の企画書に近づきたい場合はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見比べると、必要な前提知識の差がはっきりします。
報酬の水準は、公的統計にもとづく著述家,記者,編集者の年収・単価相場やソフトウェア作成者の年収・単価相場を物差しにしてください。経験があるのに市場より低い額で受けてしまうと、その条件が以後の基準になります。
案件の種類と報酬の考え方は契約書・資料・企画書作成の副業で稼ぐ方法と案件相場に整理があり、PowerPointのスキルを直接収入につなげる流れはMOS PowerPoint取得者の副業事情|資料作成代行で月5万円が具体的です。
資格で裏づけを作りたい方には、書類の型を体系的に学べるビジネス文書検定が素直な入口です。IT分野の企画書で用語の壁を下げたい方には、CCNA(シスコ技術者認定)のような基礎資格が効きます。ただし、資格があるから受注できるわけではありません。資格は、相手に説明する手間を減らす道具だと考えてください。
家族との関係と、お金の見通しについて
もうひとつ、相談の場でよく出てくるのに、記事にはあまり書かれない話をします。
在宅で働き始めると、家族との距離が変わります。ずっと家にいる状態は、家族から見ると「休んでいる」ように映ることがあります。悪気があるわけではなく、働いている姿が見えないだけです。
だから、始めるときに一度だけ話しておいてください。何曜日の何時から何時までは仕事の時間であること、その時間は話しかけないでほしいこと。これを伝えていないと、集中が途切れるたびに小さな不満が積もります。逆に、伝えておけば協力してもらえます。
お金の見通しについても、最初に一度整理しておくことをおすすめします。この職種は、始めてすぐに安定した収入になる仕組みではありません。最初の数か月は、案件を探す時間のほうが長くなります。
そのうえで、月にいくら必要かを先に決めておく。必要額が決まっていれば、受ける案件の数も、断ってよい案件の基準も決まります。決めていないと、来た依頼を全部受けてしまい、結果として時間あたりの報酬が下がっていきます。
確定申告についても触れておきます。副業として一定額を超える所得がある場合、申告が必要になります。要件は収入の形や他の所得との関係で変わるため、国税庁(https://www.nta.go.jp/)の案内で自分の状況にあたる箇所を確認するか、税務署の相談窓口に聞いてください。※税額の判断は個別事情に左右されるため、税理士など専門家への相談が確実です。
こうした準備は、地味です。でも、ここを整えてから始めた方のほうが、明らかに長く続いています。
AIの道具を、どう扱うか
もうひとつ、気になっている方が多い話題に触れておきます。生成AIの登場で、資料作成の仕事はなくなるのではないか、という不安です。
結論を先に言えば、道具として使う側に回れば、経験のある方ほど有利になります。理由は、AIが出した構成が妥当かどうかを判断できるのは、実務を知っている人だけだからです。判断できない人が使うと、もっともらしいけれど決裁が通らない資料ができます。
使いどころは3つです。構成の下書きを複数出させて選ぶ。表現のばらつきを統一する。同じ内容を別の形式に展開する。いずれも、考える部分ではなく、そろえる部分です。
注意点も3つあります。生成された文章に根拠のない数値が混ざることがあるので、資料に載せる数字は必ず自分で確認すること。依頼者から預かった未公開の資料を外部サービスに入力してよいかは、契約内容とツールの規約の両方に依存するので事前に確認すること。そして、構成をまるごと任せると自分で説明できない資料ができるので、判断は手放さないこと。
新しい道具を覚えることに、年齢は関係ありません。使う目的がはっきりしていれば、覚える範囲は限られます。全部を理解しようとするから難しく感じるだけです。
最初の30日で、何をするか
やることが多いように感じた方のために、順番を整理しておきます。全部を同時にやろうとすると、たいてい止まります。
1週目 棚卸しだけをする
作ってきた書類を書き出します。何の書類か、誰に向けたか、どのくらいの頻度か。この3つだけです。この週は、応募も練習作も考えません。
ここを飛ばすと、あとで応募文を書くときに手が止まります。自分が何をしてきたかを言葉にしておくのが、いちばん最初の仕事です。
2週目 環境を最低限そろえる
パソコンの動作確認、必要なソフトが入っているかの確認、外付けモニターの検討。それと、静かに作業できる場所を家のなかに決めておくことです。
場所を決めておくのは、気分の問題ではありません。仕事とそれ以外の境目を作っておかないと、いつまでも仕事が終わらない生活になります。在宅で働く方の相談で、これは本当によく出てくる話です。
3週目と4週目 見せられる資料を1点仕上げる
架空の題材で、8ページから12ページ。前半で構成を決め、後半で見た目を揃えます。見た目を先に整えたくなりますが、順番を守ってください。構成が変われば、整えた見た目は無駄になります。
仕上げたら、家族や友人に見てもらいます。資料の専門家である必要はありません。初見の人が読んで分からない箇所は、依頼者が読んでも分かりません。
30日が過ぎたら、応募を始める
完璧を目指さないでください。1点あれば応募できます。応募しながら直していけばよいのです。
焦る必要もありません。この職種は、いま始めて数年後に価値が下がるものではありません。むしろ、書類を扱う仕事は増えています。急がず、しかし止まらず進んでください。
運営者として市場を見てきた立場からの観察
在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から見ると、年齢を理由に仕事が減っている場面は、実はあまりありません。
減っているように見えるのは、経験が相手に伝わる形になっていない場合です。運営者として見てきた限りでは、長く続いている方ほど、自分が何をどこまでできるかを具体的な言葉で説明できています。年齢ではなく、この説明の有無で差がついている。
もうひとつ、長く続く方は、単発の作業をこなすことより「この人に任せると自分の手間が減る」という関係づくりに時間を使っています。修正依頼が来たときに、言われた箇所だけ直すのではなく、連動して変わる箇所まで直して返す。依頼者はそこまで見ていません。見ていないところを補われると、次も同じ人に頼みたくなります。
そして、取引の形も静かに効いてきます。間に手数料が乗らない直接の取引では、依頼者は同じ予算でより多くを頼めますし、受け手は同じ仕事で手取りが厚くなります。手数料0%という条件は、金額の話に見えて、実は続けやすさの話です。手取りが薄いと本数を増やすことになり、1件ごとの丁寧さが落ちて、体にも負担が来ます。無理なく続けたい年代だからこそ、1件あたりの密度を落とさない構造を選ぶ意味があります。
「この歳から」と思っている皆さんへ。皆さんに足りていないのは経験ではありません。その経験を、相手が判断できる形に変えた1点の資料だけです。それは、今週から作り始められます。
よくある質問
Q. 50代60代から資料・企画書作成を始めても、案件はありますか?
あります。この職種は成果物で評価されるため、年齢が直接不利になりません。むしろ社内資料や発注者側の書類では、決裁の流れや相手の立場を読める経験が強みになります。求人でも年代を並べてシニア歓迎と明示している募集があり、経験を要件に挙げる案件も出ています。
Q. 在職中に作った資料を、そのままサンプルとして見せてよいですか?
使えません。会社の情報が含まれており、退職後も守秘義務は残ります。方法は、構成と見せ方だけを残して社名と数字を架空に置き換えた資料を作り直すことです。8ページから12ページで十分で、「架空の題材で作成した資料です」と1行添えれば問題なく通用します。
Q. パソコンや機材は買い替える必要がありますか?
最初は今あるもので始められます。文書とスライドを扱うだけなら数年前の機種でも動きます。ただし外付けモニターは早めに検討してください。小さな画面での長時間作業は目と首肩の負担が大きく、続けられるかどうかに直結します。本体の買い替えは案件を受けてからで遅くありません。
Q. 年金を受け取りながら働く場合、収入に注意点はありますか?
収入によって年金の支給額が調整される仕組みがあるため、稼働時間と報酬の条件は最初に確認してください。制度の内容は日本年金機構の案内で調べられますが、ご自身の状況に応じた判断は年金事務所への相談が確実です。案件を受ける前に確認しておくと、あとから慌てずに済みます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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