プレスリリース配信代行の費用と選び方|メディア露出を狙う外注先の見極め 2026

長谷川 奈津
長谷川 奈津
プレスリリース配信代行の費用と選び方|メディア露出を狙う外注先の見極め 2026

この記事のポイント

  • プレスリリース配信代行の費用相場を
  • 配信サービス利用型からPR会社への丸ごと外注まで料金の内訳ごとに解説
  • 仲介と直接依頼のコスト差

「新商品を出したので、プレスリリースを打ちたい。でも、配信代行っていくらかかるの?」。先日、飲食店を数店舗経営している方から、まさにこの相談を受けました。ご本人は「1件数千円で配信できるサービスもあれば、月100万円というPR会社もある。同じ『プレスリリース配信代行』なのに、なぜこんなに費用が違うのか分からない」と困っていました。結論から言うと、この価格差は「どこまでを外注するか」で決まります。プレスリリースの「配信」だけを頼むのか、「原稿作成」まで頼むのか、それとも「メディアへの売り込み」まで丸ごと任せるのか。この記事では、プレスリリース配信代行の費用相場を業務範囲ごとに分解し、発注者であるあなたが「いくらで・どこに・どうやって」外注すべきかを判断できるように、実務の目線で整理していきます。

プレスリリースの配信代行を検討している方の多くは、「広報の専任担当者がいない中小企業・スタートアップ・個人事業主」です。本業が忙しく、プレスリリースの書き方も配信先の選び方も分からない。かといって、費用をかけすぎて失敗するのは避けたい。そんな状況で、まず知りたいのは「相場感」と「失敗しない選び方」のはずです。この記事を読み終えるころには、自分の予算とゴールに合った外注先の種類が分かり、見積もりを取る前に「この費用は妥当か」を自分で判断できるようになります。

プレスリリース配信代行とは何か。まず「配信」と「代行」の中身を分解する

プレスリリース配信代行の費用を理解する第一歩は、「配信代行」という言葉が指す業務範囲が、実は一つではないと知ることです。これ、知らない人が本当に多いんです。多くの人が「配信代行=ボタンを押して送るだけ」とイメージしていますが、実際にはもっと幅があります。

プレスリリースにまつわる業務を分解すると、大きく次の4つの工程に分かれます。1つ目は「企画・戦略設計」。何を、どのタイミングで、どのメディアに向けて発信するかを決める工程です。2つ目は「原稿作成」。ニュース価値のある切り口(メディアフックと呼ばれます)を意識して、記者が取り上げたくなる文章を書く工程です。3つ目は「配信」。プレスリリース配信サービスを使って、あるいは自社で作成したメディアリスト宛に、実際に情報を届ける工程です。4つ目は「フォロー・効果測定」。配信後に記者へ個別に連絡を取ったり(プレスコンタクト)、掲載結果を分析したりする工程です。

「配信代行を頼みたい」と言ったとき、この4工程のうちどこからどこまでを外注するかで、費用は大きく変わります。3つ目の「配信」だけを頼むなら費用は安く、1つ目から4つ目まで丸ごと頼むなら高くなる。当たり前のようですが、見積もりを比較するときにこの前提がズレていると、「A社は5万円、B社は50万円、どっちが安いのか」という不毛な比較に陥ります。つまり、費用を比べる前に「自分はどの工程を外注したいのか」を決めることが、賢い外注の出発点になります。

プレスリリースに関する業務を丸ごと代行してくれる「PR会社」は料金も高く、1件あたり10万円~50万円程度の費用がかかります。依頼する業務内容や、サポートによって料金に差があるので、実際に問い合わせて見積もり取りましょう。 出典: crowdworks.jp

この引用が示すように、業務を「丸ごと」任せると費用は跳ね上がります。逆に言えば、自分でできる工程を切り分けて、本当に外注が必要な工程だけを頼めば、費用は大きく抑えられます。この記事では、その切り分けの判断材料を一つずつ提供していきます。

なぜ今、プレスリリース配信のニーズが高まっているのか

背景として、情報発信の主戦場がWebメディアやSNSに移り、企業規模を問わず「自社ニュースを世の中に届ける手段」としてプレスリリースが定着してきたことがあります。かつてプレスリリースは、テレビ・新聞・雑誌といったマスメディアを持つ大企業のものでした。しかし、Webメディアやニュースアグリゲーターが増え、プレスリリース配信プラットフォームが普及したことで、従業員数名のスタートアップでも全国のメディアに情報を届けられるようになりました。

同時に、「発信すればよい」わけではないという難しさも生まれています。1日に配信されるプレスリリースの数が増え、記者やメディア編集者のもとには膨大な情報が届きます。その中で埋もれずに取り上げてもらうには、ニュース価値の設計と、適切な配信先の選定が欠かせません。ここに専門知識が必要になるため、「自社でやるより外注したほうが確実」という判断で配信代行を検討する企業が増えているのです。特に、広報の経験がないスタートアップや、本業に集中したい個人事業主にとって、外注は現実的な選択肢になっています。

プレスリリース配信代行の費用相場。4つの依頼先タイプ別に整理する

ここからが本題です。プレスリリース配信代行の費用は、「どこに頼むか」で相場が大きく変わります。依頼先は大きく4タイプに分けられます。それぞれの費用相場と、向いているケースを見ていきましょう。費用の全体像をつかむために、まず一覧で整理します。

依頼先タイプ別の費用相場は、おおむね次のようになります。1つ目の「配信サービス(プラットフォーム)だけ利用」は、1配信あたり3万円前後、または月額制で数万円から。2つ目の「配信サービス+原稿作成オプション」は、原稿1本あたり3万円10万円程度の追加。3つ目の「フリーランス・個人の広報/ライターへ直接依頼」は、原稿作成込みで1本2万円8万円程度。4つ目の「PR会社へ丸ごと外注」は、1件10万円50万円、または月額30万円100万円以上のリテナー契約が一般的です。

この4タイプは「安いけれど自分の手間が多い」ものから「高いけれど丸投げできる」ものへと並んでいます。つまり、費用と手間はトレードオフの関係にあります。予算だけで選ぶのではなく、「自社にかけられる時間」と「求めるメディア露出のレベル」を掛け合わせて選ぶのが正解です。以下、それぞれを詳しく見ていきます。

タイプ1:配信サービス(プラットフォーム)だけを利用する

最も費用を抑えられるのが、プレスリリース配信プラットフォームを自分で契約して使う方法です。国内には複数の配信サービスがあり、料金体系は「1配信ごとの都度課金」と「月額固定で配信し放題」の2種類が主流です。都度課金型なら1配信あたり3万円前後、月額型なら月7万円前後で複数回配信できるプランが一般的です。中には1配信1万円台の低価格サービスもあります。

この方法のメリットは、なんといっても費用の安さです。原稿を自分で書けるなら、月に何度も発信しても費用は配信料だけで済みます。デメリットは、原稿作成から配信先の選定、効果測定まですべて自社で行う必要があること。プレスリリースの書き方に不慣れだと、そもそもメディアに取り上げてもらえる原稿が書けず、「配信したけれど反応ゼロ」という結果になりがちです。

このタイプが向いているのは、「広報の基礎知識があり、原稿は自分で書ける。とにかく配信の到達手段だけがほしい」という企業です。逆に、原稿の書き方から分からない場合は、配信サービスだけ契約しても効果が出にくいので注意が必要です。※プレスリリースの原稿は一度型を覚えれば自社で書けるようになるので、最初だけ外注して型を学び、2回目以降は自社で書く、という進め方も現実的です。

タイプ2:配信サービスに原稿作成オプションを付ける

多くのプレスリリース配信サービスには、原稿作成の代行オプションが用意されています。基本の配信料に加えて、原稿1本あたり3万円10万円程度のオプション料金を払うと、ヒアリングをもとにプロが原稿を書いてくれます。配信と原稿作成をワンストップで頼めるため、初めてプレスリリースを出す企業に人気の選択肢です。

このタイプのメリットは、原稿作成という最も難しい工程をプロに任せられること。ニュース価値の切り口設計や、記者が読みやすい構成を熟知した書き手が担当するため、自社で書くより採用率が上がる期待が持てます。加えて、「原稿の型」を学べるという副次的な効果もあります。プロが書いた原稿を見れば、次回以降は自社で真似できるようになります。

スタートアップや中小企業の場合は特に、そもそも自社でプレスリリースの配信を経験したことのないところもあるでしょう。プレスリリース代行会社では、原稿の作成からメディアリストの作成、プレスリリースの配信サイトへの入稿までの一通りの流れを依頼できるため、今後自社で運用する際の参考となります。 出典: prtimes.com

つまり、原稿作成オプションは単なる「代筆」ではなく、「今後自社で運用するためのお手本」を手に入れる投資でもあるのです。デメリットは、オプション料金が積み重なると、配信サービス単体より費用が高くなること。それでも、後述するPR会社への丸ごと外注に比べれば、はるかに安く済みます。「配信は自分で管理したいが、原稿だけはプロに書いてほしい」という企業に向いています。

タイプ3:フリーランス・個人の広報/ライターへ直接依頼する

見落とされがちですが、費用対効果を重視するなら有力なのが、フリーランスの広報経験者やライターに直接依頼する方法です。プレスリリースの原稿作成を得意とするフリーランスは多く、原稿1本あたり2万円8万円程度が相場です。広報経験の豊富な人なら、原稿作成だけでなくメディアリストの作成や配信先選定のアドバイスまで一括で対応してくれることもあります。

このタイプの最大のメリットは、コストパフォーマンスの高さです。ここで、費用構造の話をしておきます。PR会社や広告代理店を通すと、担当者の人件費・オフィスの固定費・会社の利益が料金に上乗せされます。一方、フリーランスへ直接依頼すれば、こうした中間コストが乗らないぶん、同じ品質の原稿でも費用を抑えられます。仲介会社を経由すると発生する中間マージンがない、という構造上の優位性です。同じ予算なら、直接依頼のほうがより多くの本数を頼めますし、浮いた予算を配信サービスの利用回数に回すこともできます。

もちろん注意点もあります。フリーランスは個人であるため、実績やスキルにばらつきがあります。過去の制作事例を見せてもらう、最初は小さな案件から始める、といった見極めが欠かせません。信頼できる書き手を見つけられれば、継続的なパートナーとして長く付き合えるのが、このタイプの強みです。フリーランスへの直接依頼を考えるなら、SNS運用代行・SNS広告のお仕事のガイドも、広報まわりの外注相場やスキルの見極め方の参考になります。プレスリリースは配信後のSNS拡散とセットで効果が高まるため、あわせて依頼できる人を探すのも一つの手です。

タイプ4:PR会社・広告代理店へ丸ごと外注する

最も費用が高いのが、PR会社や総合広告代理店に一連の業務を丸ごと任せる方法です。企画立案、原稿作成、メディアリスト構築、配信、プレスコンタクト、効果測定まで、すべてを専門チームが担当します。費用は1件10万円50万円、継続的にPR活動を任せるリテナー契約なら月額30万円100万円以上が一般的な相場です。

プレスリリース代行先には、PR会社や総合広告代理店などが考えられます。また「PR TIMES」などのプレスリリース配信サービスに、原稿作成といったオプションサービスが用意されているケースもあります。代行先の多くは、数々の業界・業種のプレスリリースの配信を経験してきています。前述したメディアフックを意識した書き方はもちろん、プレスリリースの配信先や閲覧者の属性が自社と合うかどうかや、適切なプレスリリースの配信のタイミング、潜在的な顧客層へのアプローチ方法、プレスリリース配信後の効果測定の方法などの幅広い知見を有しているでしょう。 出典: prtimes.com

この引用にあるとおり、PR会社の強みは「幅広い知見」にあります。単に配信するだけでなく、記者との人脈を活かした売り込みや、掲載を勝ち取るための戦略設計まで期待できます。大型の新商品発表や、上場・資金調達といった重要な節目で、確実にメディア露出を取りに行きたい場合には、この費用をかける価値があります。

一方で、費用が高いだけに、小さな企業が日常的なニュース発信のために使うには過剰です。「PR会社に月50万円払っているが、掲載が思うように取れず費用対効果が見えない」という声も現場ではよく聞きます。丸投げできる安心感と引き換えに、コストが重くのしかかるのがこのタイプ。予算に余裕があり、かつメディア露出が事業の成否を左右する局面でこそ、選ぶべき選択肢です。

プレスリリース配信代行に依頼するメリットとデメリット

費用相場を把握したら、次に「そもそも外注する意味があるのか」を冷静に判断しましょう。メリットとデメリットの両面を、発注者の目線で整理します。

外注する4つのメリット

1つ目のメリットは、プロのノウハウで採用率が上がることです。プレスリリースには「記者に読まれる型」があります。ニュース価値のある見出し、リード文の作り方、画像の使い方など、経験のある書き手はこれらを熟知しています。自社で試行錯誤するより、はるかに効率よくメディア露出のチャンスを高められます。

2つ目は、本業に集中できることです。プレスリリースの原稿作成や配信先の選定には、意外と時間がかかります。慣れていないと1本作るのに10時間以上かかることも珍しくありません。この時間を外注で削減できれば、その分を商品開発や営業といった本業に振り向けられます。人手の限られた中小企業にとって、時間の節約は費用以上の価値があります。

3つ目は、メディアリストや配信先の知見を得られることです。どのメディアが自社の業界に強いか、どのタイミングで配信すれば読まれやすいか。こうした情報は経験の蓄積がものを言います。外注先が持つ配信先の知見を借りられるのは、初めて広報に取り組む企業には大きな助けになります。

4つ目は、継続的な運用の土台ができることです。前述のとおり、外注でプロの原稿や進め方を一度見れば、それが自社運用のお手本になります。最初は外注、慣れたら内製化、というステップアップの道筋を作れるのも、外注のメリットです。

外注する3つのデメリット

一方で、デメリットも正直にお伝えします。1つ目は、当然ながら費用がかかること。特にPR会社への丸ごと外注は、中小企業には重い負担になります。費用対効果を測りにくいのも難点で、「お金をかけたのに掲載ゼロ」というリスクは常にあります。

2つ目は、自社の情報が正確に伝わらないリスクです。外注先が自社の商品やサービスを深く理解していないと、的外れな原稿になったり、業界特有のニュアンスが抜け落ちたりします。外注先とのすり合わせを怠ると、「思っていたものと違う」という結果になりがちです。ヒアリングの時間をきちんと取ってくれる外注先を選ぶことが、これを防ぐ鍵になります。

3つ目は、社内にノウハウが蓄積されにくいことです。すべてを丸投げし続けると、いつまでも自社で広報ができるようになりません。外注はあくまで手段と捉え、少しずつ自社の力にしていく意識が大切です。丸投げの安心感に頼りきると、外注費が固定費として永遠にのしかかることになります。

発注前に知っておきたい、契約と支払いをめぐる法律の基礎

ここで、法律に関わる話を一つしておきます。これ、外注する側が意外と知らない点なので、丁寧に説明します。フリーランスや小規模事業者に業務を外注する場合、2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」、通称フリーランス保護新法の対象になることがあります。つまり、あなたが発注者としてフリーランスにプレスリリース作成を依頼するとき、この法律のルールを守る義務が生じるのです。

具体的には、発注時に業務内容・報酬額・支払期日などを書面またはメール等で明示する義務があります。「口約束で頼んだら、後から金額でもめた」というトラブルは、この明示義務を守っていれば防げます。また、報酬の支払期日は、成果物を受け取った日から数えて60日以内に設定しなければなりません。つまり、「掲載されたら払う」「効果が出たら払う」といった曖昧な支払い条件は、原則として認められないということです。

先日、あるフリーランスのライターさんから相談を受けました。「プレスリリースの原稿を納品したのに、発注元が『思ったより掲載されなかったから』と報酬を減額してきた」と。結論から言うと、成果物に問題がないのに一方的に報酬を減額する行為は、フリーランス保護新法で禁止されている「不当な報酬減額」にあたる可能性が高いです。発注者側から見れば、こうした行為は法律違反のリスクを負うということ。だからこそ、発注前に「何を・いくらで・いつまでに」を明確にし、成果物の合格ラインをすり合わせておくことが、双方にとってのトラブル防止になります。※個別の契約で判断に迷うケースでは、行政書士や弁護士など専門家に相談してください。法律はあなたの味方ですが、正しく使ってこそ力を発揮します。

なお、下請けや取引の適正化については、公正取引委員会が制度や相談窓口の情報を公開しています。取引条件に不安がある場合は、公正取引委員会の情報も確認しておくと安心です。

失敗しないプレスリリース配信代行の選び方。5つのチェックポイント

費用とメリット・デメリットを理解したうえで、いよいよ外注先の選び方です。安さだけで選んで後悔しないために、5つのチェックポイントを押さえましょう。

ポイント1:業務範囲が自社のニーズと一致しているか

最初に確認すべきは、その外注先が「自分の頼みたい工程」をカバーしているかです。前述のとおり、配信だけでいいのか、原稿作成も含めたいのか、メディアへの売り込みまで頼みたいのか。ここが曖昧なまま見積もりを取ると、「配信料だけの安い見積もり」と「フルサポートの高い見積もり」を並べて混乱することになります。まず自社のニーズを一言で言えるようにしてから、それに合う業務範囲の外注先に絞り込むのが鉄則です。

ポイント2:料金体系が明確で、追加費用の有無がはっきりしているか

料金表が分かりやすく、何が基本料金に含まれ、何がオプションなのかが明示されている外注先を選びましょう。特に注意したいのが「一式」「応相談」といった曖昧な見積もり。後から「これは別料金です」と追加請求される余地があります。原稿の修正回数、配信先の追加、画像作成などが基本料金に含まれるかどうかを、契約前に必ず確認してください。私自身、初めて広報物を外注したとき、見積もりの「一式」という言葉を鵜呑みにして、後から修正費を追加請求され、当初予算を3万円ほどオーバーした苦い経験があります。見積もりは項目ごとに分解してもらうのが、失敗を防ぐいちばんの近道です。

ポイント3:自社の業界での実績があるか

プレスリリースは業界ごとに「刺さる切り口」が違います。飲食業界と、SaaS業界と、医療業界では、記者が反応するポイントがまったく異なります。過去の制作事例や掲載実績を見せてもらい、自社の業界や近い分野での経験があるかを確認しましょう。実績を出し渋る外注先は、その時点で候補から外して構いません。

ポイント4:ヒアリングの丁寧さと相性

原稿の質は、ヒアリングの質で決まると言っても過言ではありません。問い合わせや初回打ち合わせの段階で、自社の商品・サービスについて的確な質問をしてくれるか、こちらの意図を汲み取ろうとしてくれるかを見極めましょう。レスポンスの速さや、コミュニケーションのしやすさも、継続的に付き合ううえで重要です。安くても連絡が取りにくい相手だと、結局こちらの手間が増えてしまいます。

ポイント5:中間マージンの有無を意識してコストを見極める

最後に、費用の観点で忘れてはいけないのが、依頼経路によるコスト差です。同じ品質の原稿でも、大手の仲介会社や代理店を通すと手数料が上乗せされ、フリーランスへ直接依頼すればその分安くなります。相場を把握したうえで、「この見積もりに中間マージンがどれくらい乗っているか」を意識すると、費用の妥当性を判断しやすくなります。もちろん、丸投げの安心感や実績を優先してPR会社を選ぶのも正しい判断です。要は、「何にお金を払っているのか」を理解したうえで選ぶこと。それが、費用対効果の高い外注につながります。

プレスリリース配信代行に依頼する5ステップの手順

外注先を選んだら、実際の依頼はどう進むのか。初めての方が迷わないよう、標準的な流れを5ステップで示します。

ステップ1は「目的と予算の整理」です。何のためにプレスリリースを出すのか(新商品告知、イベント集客、企業認知の向上など)、いくらまでかけられるのかを、まず社内で固めます。ここが曖昧だと、外注先とのやり取りもぶれてしまいます。

ステップ2は「見積もり取得と比較」です。業務範囲の近い外注先を2〜3社ピックアップし、同じ条件で見積もりを取ります。このとき、料金だけでなく、含まれるサービスの範囲、対応スピード、実績もあわせて比較します。「相見積もりを取る」と伝えること自体は失礼ではありません。むしろ、条件を明確にするためのプロセスとして一般的です。

ステップ3は「発注と契約」です。前述のフリーランス保護新法の話とも関わりますが、業務内容・報酬・納期・支払期日を書面またはメールで明確にします。口約束は避け、後で参照できる形に残しておくことが、双方のトラブル防止になります。

ステップ4は「ヒアリングと原稿作成」です。自社の商品・サービスについて、外注先に丁寧に伝えます。素材(画像、データ、担当者コメントなど)を早めに渡すと、原稿の質が上がります。初稿が上がったら、事実誤認がないか、伝えたいメッセージが入っているかを確認し、修正のやり取りをします。

ステップ5は「配信と効果測定」です。配信のタイミング(曜日や時間帯も影響します)を相談し、実際に配信します。配信後は、どのメディアに掲載されたか、Webでの反応はどうだったかを振り返り、次回に活かします。効果測定まで含めて外注する場合は、レポートの提出形式も事前に確認しておくとよいでしょう。

この5ステップを踏めば、初めての外注でも大きな失敗は避けられます。特にステップ1とステップ2に時間をかけることが、費用の無駄を防ぐ最大のコツです。関連して、業務を外注する際の費用感や進め方は、ほかの分野でも共通する部分が多くあります。たとえば商標登録の代行費用相場|弁理士に依頼するメリットと自分で行う手間を比較や、IT導入補助金申請を代行してくれるコンサルの費用相場2026と選び方では、専門業務を外注するときの「自分でやる手間」と「外注費」の比較の考え方が整理されており、プレスリリース配信の判断にも応用できます。

業務範囲別に見た、賢い費用の抑え方

「できるだけ費用を抑えたいが、効果は出したい」。これが、ほとんどの発注者の本音でしょう。最後に、費用を賢く抑える具体策をまとめます。

第一の策は、「工程を分解して、自分でできる部分は内製する」ことです。たとえば、原稿作成だけをフリーランスに3万円で頼み、配信は自社で配信サービスを契約して行う。こうすれば、PR会社に丸投げして30万円かけるより、はるかに安く同等の発信ができます。全工程を外注するのではなく、「本当に外注が必要な工程」だけに絞るのが、費用を抑える基本です。

第二の策は、「直接取引を活用して中間マージンを削る」ことです。繰り返しになりますが、仲介会社や代理店を通すと手数料が上乗せされます。プレスリリースの原稿作成やメディアリスト作成を得意とするフリーランスを、業務委託マッチングサービスを通じて直接見つければ、中間マージンのないぶん、同じ予算でより多くを依頼できます。年収・単価の相場感をつかんでおくと交渉しやすくなるので、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のデータも参考になります。プレスリリースの書き手は、記者・編集経験者やライターが担うことが多いため、この職種の単価相場が発注価格の目安になります。

第三の策は、「継続を前提に単価を交渉する」ことです。単発で1本だけ頼むより、「月1本、半年間」といった継続案件のほうが、フリーランスも見通しが立てやすく、1本あたりの単価を抑えやすくなります。長く付き合える書き手を見つけて、継続契約でコストを最適化するのは、賢い発注者がよくやる手です。

第四の策は、「配信サービスのプランを見直す」ことです。月に複数回配信するなら、都度課金より月額固定プランのほうが割安になることが多いです。逆に、年に1〜2回しか配信しないなら、都度課金型を選ぶべきです。自社の配信頻度に合わせてプランを選ぶだけで、無駄な固定費を防げます。文書作成の基礎スキルを社内に持っておくと内製化の幅が広がるので、ビジネス文書検定のような資格で書く力を底上げしておくのも、長期的なコスト削減につながります。

運営者の視点。20年、外注の現場を見てきて感じること

在宅ワーク・フリーランスの市場を20年運営してきた立場から、外注の費用について感じていることを、少しだけお話しします。

長く見てきて確信しているのは、「安く済んだ外注」と「費用対効果の高かった外注」は、必ずしも一致しないということです。最も安い見積もりに飛びついた発注者ほど、後から修正のやり取りに疲弊したり、期待した品質と違ってやり直しになったりして、結局トータルで高くつくケースを何度も見てきました。逆に、費用対効果が高いのは、相場を理解したうえで「この人に任せると安心して進められる」という相手を見つけた発注者です。金額の安さそのものより、やり取りのストレスの少なさや、仕上がりの確実さのほうが、最終的な満足度を左右します。

もう一つ、運営者として実感しているのは、中間マージンが乗らない直接取引の本当の価値は、「金額の安さ」よりも「双方が納得して長く続く関係になりやすい」点にあるということです。仲介手数料が抜ける分、発注者は同じ予算でより多くを頼めますし、受け手であるフリーランスは手数料0%で手取りが厚くなる。この「双方が得をする」構造があると、書き手のモチベーションが保たれ、結果として仕上がりの質も安定します。プレスリリースのように「その企業のことを深く理解しているほど良い原稿になる」業務では、単発で安く叩くよりも、少し良い条件で長く付き合える相手を確保するほうが、費用対効果は圧倒的に高くなります。長く続く発注者ほど、単発の作業を安く買うのではなく、「この人に任せれば楽だ」という関係づくりに時間を使っているのです。

まとめに代えて。自社に合った費用感で外注を判断する

プレスリリース配信代行の費用は、「配信サービスだけ」なら1配信3万円前後、「原稿作成込み」ならフリーランス直接依頼で1本2万円8万円、「PR会社への丸投げ」なら1件10万円50万円と、業務範囲によって大きく開きます。大切なのは、この幅の中から「自社が本当に外注したい工程」と「かけられる予算」の交点を見つけることです。

費用を抑えたいなら、工程を分解し、自分でできる部分は内製し、外注が必要な部分だけを直接取引で頼む。確実なメディア露出がほしいなら、実績のあるPR会社に相応の費用をかける。どちらが正しいということはなく、自社の状況に合った選択が正解です。この記事で示した相場感とチェックポイントを手元に置いて、見積もりを取り、納得のいく外注先を見つけてください。外注は、正しく使えば、限られたリソースを何倍にも活かせる強力な手段です。

よくある質問

Q. プレスリリース配信代行の費用相場はいくらですか?

業務範囲で変わります。配信サービスだけなら1配信3万円前後、原稿作成込みでフリーランスへ直接依頼すると1本2万円〜8万円程度、PR会社へ企画から効果測定まで丸ごと外注すると1件10万円〜50万円、リテナー契約なら月額30万円〜100万円以上が目安です。まず外注したい工程を決めると相場を判断しやすくなります。

Q. 費用を抑えて依頼するにはどうすればよいですか?

工程を分解し、自分でできる部分は内製するのが基本です。原稿作成だけをフリーランスに頼み、配信は自社で配信サービスを契約すれば、PR会社への丸投げよりはるかに安く済みます。さらに仲介会社を通さず直接取引にすれば中間マージンが乗らず、同じ予算でより多くを依頼できます。

Q. PR会社とフリーランスへの直接依頼、どちらを選ぶべきですか?

上場や大型発表など確実なメディア露出が事業の成否を左右する局面ではPR会社が有力です。日常的なニュース発信や費用対効果を重視する場合は、中間マージンのないフリーランスへの直接依頼が向いています。自社の目的と予算、かけられる時間を掛け合わせて選ぶのが正解です。

Q. フリーランスに外注するとき、契約で気をつけることは?

2024年施行のフリーランス保護新法により、発注者は業務内容・報酬・納期・支払期日を書面やメールで明示する義務があります。報酬は成果物受領日から60日以内に支払う必要があり、成果物に問題がないのに一方的に減額するのは禁止されています。口約束を避け、合格ラインを事前にすり合わせておきましょう。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月2日最終更新:2026年7月15日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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