オフィスソフトの検定の選び方|事務の在宅ワークで求められる操作の証明


この記事のポイント
- ✓オフィスソフトの検定はMOS
- ✓サーティファイの認定試験が代表的です
- ✓受け方の違いを公式情報で比べ
オフィスソフトの検定を受けて、事務の在宅ワークに応募したい。そう考えたときに最初に迷うのが、検定の数の多さです。WordやExcelの操作を証明する検定は、主なものだけでも3つの団体が実施していて、それぞれに級やレベル、受け方の違いがあります。結論から言うと、まず取るべきは、累計の受験者数が540万人を超えていて発注者にも名前が通じやすいMOSのExcelです。そのうえで、文書作成の正確さを示したい人は日商PC検定、在宅で受験したい人はサーティファイの試験を組み合わせると、目的に合った証明になります。この記事では、各検定の受験料や試験時間、合格基準を公式の情報で確かめ、事務の在宅ワークでどう生かすかまでを順番に説明します。
オフィスソフトの検定が事務の在宅ワークで見られる理由
在宅の事務の仕事では、発注者が受け手の働く様子を直接見ることができません。データ入力、表の集計、書類の作成、資料の体裁を整える作業など、仕事の多くはWordやExcelで行いますが、応募の段階では「どの程度使えるのか」を確かめる手段が限られています。
そこで、発注者が判断材料にするのが検定の合格歴です。検定に合格していれば、少なくとも決められた範囲の操作を、制限時間の中で正確にこなせることが分かります。特に、初めて仕事を頼む相手を選ぶ場面では、この目印があるかどうかで書類選考の通りやすさが変わります。
ここで注意したいのは、検定によって証明できることが違う点です。ソフトの機能を幅広く使えることを示す検定もあれば、ビジネス文書のルールに沿った書類を作れることを示す検定もあります。どの検定を選ぶかは、受けたい仕事の中身で決めるのが合理的です。
インフラの仕事を長く続けてきた中で痛感したのは、Excelの手順書の怖さです。駆け出しの頃、表の並べ替えの範囲を間違えたまま作業手順を配り、サーバーの名前と設定値の対応がずれた状態で作業が進みかけたことがあります。幸い、別の担当者が数字の違和感に気づいて止めてくれましたが、冷や汗が止まりませんでした。オフィスソフトの操作は、地味に見えて仕事の正確さそのものを左右します。検定の勉強で基本の操作を正しく身につけておく意味は、思っている以上に大きいのです。
主なオフィスソフトの検定は3つの系統
オフィスソフトの操作を証明する検定は、大きく分けて次の3つの系統があります。
| 検定 | 実施団体 | 特徴 |
|---|---|---|
| マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS) | オデッセイコミュニケーションズ | Microsoftが認定する国際資格。ソフトの機能を幅広く使えることを証明 |
| 日商PC検定 | 日本商工会議所と各地の商工会議所 | ビジネス文書の作成やデータの活用など、実務の成果物を作る力を証明 |
| Excel表計算処理技能認定試験など | サーティファイ | 素材のデータから完成物を作る実技が中心。在宅でのWeb受験の日程もある |
どれも、パソコンの画面で実際にソフトを操作して答える実技の試験です。紙の筆記試験ではないので、テキストを読むだけでは合格できず、実際にソフトを触りながら練習する必要があります。
それぞれの検定の中身を、順番に詳しく見ていきます。
MOSの科目とレベル、受験料
MOSとは、マイクロソフト オフィス スペシャリストの略で、WordやExcelなどの利用技能を証明する資格のことです。日本ではオデッセイコミュニケーションズが運営しています。公式サイトによると、累計の受験者数は2026年3月31日時点で5,401,484名で、オフィスソフトの検定の中で最も広く知られています。
MOSは、Officeのバージョンごとに試験が用意されています。現在の公式サイトで案内されている科目は次のとおりです。
| ソフト | 一般レベル | 上級レベル(エキスパート) |
|---|---|---|
| Word | Word 365、Word 2019 | Word 365 エキスパート、Word 2019 エキスパート |
| Excel | Excel 365、Excel 2019 | Excel 365 エキスパート、Excel 2019 エキスパート |
| PowerPoint | PowerPoint 365、PowerPoint 2019 | なし |
| Access | なし | Access 2019 エキスパート |
| Outlook | Outlook 2019 | なし |
一般レベルのExcelは、セル範囲への書式設定、数式や関数の作成、テーブル機能、グラフの作成と編集など、基本的な操作を理解している人を対象にしています。上級レベルのExcelは、データの入力規則、条件付き書式、検索関数、ピボットテーブルを使ったデータ分析など、さまざまなデータ処理を行える人が対象です。ピボットテーブルとは、大量のデータを項目ごとに自動で集計して表にまとめる機能のことです。
試験はコンピュータを使った実技試験で、試験時間は50分です。Excel 365の受験料は、一般レベルも上級レベルも、一般価格12,980円(税込)、学割価格9,680円(税込)です。
公式サイトでは、試験科目はそれぞれ独立しているので、最初から上級レベルを受けることもできると案内されています。また、資格のバージョンアップや更新の制度はないので、新しいバージョンの資格がほしい場合は、改めて受験する必要があります。
MOSは365と2019のどちらを受けるか
MOSを受けると決めたら、次に迷うのがバージョンです。現在の公式サイトでは、WordとExcelとPowerPointに365と2019の2つのバージョンの試験が用意されています。
選ぶ基準は、自分が普段使っているOfficeと、これから受けたい仕事で使われるOfficeです。Microsoft 365とは、月ごとや年ごとの契約で使うOfficeのことで、新しい機能が順次追加されていきます。2019は、買い切りで使う形のOfficeの版の1つです。
自分のパソコンに入っているOfficeで練習するなら、そのバージョンに近い試験を選ぶと、画面の違いに戸惑わずに済みます。公式サイトにも「自分の使っているOfficeバージョンと、どの試験が対応しているのかよくわからない」人に向けた案内のページが用意されています。
在宅の仕事では、発注者の会社がMicrosoft 365を使っていることが多くなっています。共有のファイルを同時に編集したり、Teamsで連絡を取りながら作業したりする仕事では、365の環境に慣れていると話が早く進みます。これから新しく受けるなら、365の試験を選んでおくと、仕事の環境と勉強の環境をそろえやすくなります。
なお、日商PC検定は、対応しているOfficeを2021と2024としています。日商PC検定を受ける人は、練習に使うOfficeが対応の範囲に入っているかを、申し込みの前に確かめておきましょう。公式サイトでは、Office 2021の扱いに関する方針の変更が案内されているので、受験の時期によっては最新の告知を読んでおく必要があります。
MOSの称号と、全国一斉試験の終了
MOSには、複数の科目に合格すると受けられる称号があります。365と2019のバージョンでは、一般レベルのExcel、Word、PowerPoint、Outlookの4科目のうち3科目に合格すると「MOS Associate」に認定されます。そのうえで上級レベルの3科目のうち2科目に合格すると「MOS Expert」に認定されます。
公式サイトのデータでは、2025年12月31日時点の累計認定者数は、MOS Associateが41,388名、MOS Expertが7,547名です。単独の科目の合格者に比べると数が少ないので、称号まで取っていると、Officeを幅広く使えることを示す材料になります。
受験の方法についても、大きな変更があります。オデッセイコミュニケーションズは、毎月開催していたMOSの全国一斉試験を2026年12月で終えると発表しています。
弊社 株式会社オデッセイコミュニケーションズは2026年12月、毎月開催のMOS全国一斉試験を終了することにしました。引き続き、全国に試験会場があり、ほぼ毎日試験を実施する「 随時試験 」をご利用ください。 出典: mos.odyssey-com.co.jp
最後の全国一斉試験は2026年12月13日で、申し込みの受付は10月13日から11月16日までとされています。全国一斉試験とは、全国の会場で同じ日に一斉に行う試験のことで、随時試験とは、各地の試験会場が決めた日程の中から好きな日を選んで受ける試験のことです。2027年以降に受験する人は、随時試験の会場を探して申し込むことになります。
日商PC検定の分野と級、受験料
日商PC検定とは、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施している、パソコンを使った実務の能力を問う検定のことです。公式サイトによると、2006年4月から実施されていて、前身の2つの検定と合わせて延べ380万人の受験実績があります。
日商PC検定は、次の3つの分野に分かれていて、それぞれが独立した試験です。
- 文書作成:Wordを使い、正しいビジネス文書を作成できるかを問う
- データ活用:Excelを使い、表やグラフの作成、業務データの処理と分析ができるかを問う
- プレゼン資料作成:PowerPointを使い、目的に合った分かりやすい資料を作成できるかを問う
級は1級、2級、3級と、入門のBasicがあります。文書作成の3級を例にとると、知識の科目が15分の択一式、実技の科目が30分で、知識と実技の2科目ともに70%以上で合格です。受験料は5,500円(税込)で、データ活用の3級も同じ受験料です。対応しているOfficeは2021と2024とされています。
日商PC検定の特徴は、ソフトの操作だけでなく、ビジネス文書の種類やひな形、ビジネスマナー、文書の送り方や受け取り方といった、仕事の進め方の知識も問われることです。ひな形とは、決まった形式の文書の見本のことです。社外向けの案内文や社内の報告書を、決まった形式に沿って正確に作れることを示せるので、書類の作成を任される事務の仕事と相性が良い検定です。
試験は、商工会議所が認定した会場のパソコンで、インターネットを通じて行うネット試験です。試験が終わるとすぐに採点され、その場で合否が分かります。試験日は会場が決めるので、受験を希望する人は近くの会場に問い合わせて申し込みます。
サーティファイの認定試験という選択肢
3つ目の系統が、サーティファイという団体が実施している認定試験です。Excelの「Excel表計算処理技能認定試験」、Wordの「Word文書処理技能認定試験」、PowerPointの「PowerPointプレゼンテーション技能認定試験」などがあります。
公式サイトによると、Excel表計算処理技能認定試験の実技は、素材のデータから分析表などの完成物を作る出題形式です。1級と2級には、実技に加えて知識の問題もあります。1つの成果物を一から作り上げる形式なので、実際の仕事に近い練習ができるのが特徴です。
受け方は2通りあります。1つは、サーティファイが決めた日程で、自宅や職場からWebで受験する公開試験です。もう1つは、サーティファイが認定した試験会場で、会場が決めた日に受ける随時試験です。在宅で仕事をしたい人にとって、自宅で受験できる日程があるのは大きな利点です。
受験料は、2026年4月に改定されたと公式サイトで告知されています。受験を考える人は、申し込みの前に公式サイトで最新の受験料と日程を確かめてください。
3つの検定を比べて、目的で選ぶ
ここまでの内容を、選び方の視点で整理します。
| 比べる点 | MOS | 日商PC検定 | サーティファイの認定試験 |
|---|---|---|---|
| 証明できること | ソフトの機能を幅広く使える | ビジネス文書や資料を実務の形式で作れる | 素材から完成物を一から作れる |
| 受験料の例(税込) | Excel 365で一般12,980円 | 文書作成3級で5,500円 | 公式サイトで最新を確認 |
| 試験時間の例 | 50分 | 3級で知識15分と実技30分 | 級と科目による |
| 受け方 | 試験会場の随時試験(全国一斉試験は2026年12月で終了) | 商工会議所が認定した会場のネット試験 | 自宅からのWeb受験の日程、または試験会場 |
| 向いている人 | 名前の通じやすさを重視する人 | 書類の作成を中心に受けたい人 | 自宅で受験したい人 |
3つの中で累計の受験者数が最も多く、名前が広く知られているのはMOSです。そのため、在宅の事務の仕事に初めて応募する人は、MOSのExcelの一般レベルから始めるのが分かりやすい選択です。そのあと、書類の作成の仕事を増やしたい人は日商PC検定の文書作成、Excelでの集計や分析の仕事を増やしたい人はMOSのExcelの上級レベルへ進む、という順番がおすすめです。
受験料をできるだけ抑えたい人は、日商PC検定の3級から始める方法もあります。受験料が比較的安く、知識の科目でビジネス文書の基本も学べるからです。
上級レベルや上の級を目指す価値はあるか
一般レベルや3級に合格したあと、上を目指すべきかで迷う人もいるはずです。判断の基準は、受けたい仕事でその操作を使うかどうかです。
MOSのExcelの上級レベルでは、条件付き書式、入力規則、検索関数、ピボットテーブル、マクロの作成と編集など、データを扱う仕事で効く操作が出題されます。売上や在庫のデータを集計して報告書にする仕事や、名簿を整理して重複を見つける仕事を受けたい人には、上級レベルの勉強がそのまま仕事の練習になります。
一方、データ入力や簡単な書類の作成が中心の仕事なら、一般レベルの操作でほとんど足ります。その場合は、上級レベルに進むよりも、日商PC検定の文書作成でビジネス文書の形式を身につけたり、タイピングの速さと正確さを上げたりするほうが、仕事の評価につながりやすくなります。
日商PC検定の2級は、部門の責任者やその補佐として、業務の効率化や業績の向上に役立てられる水準とされています。1級は、企業の責任者やその補佐として、経営の判断に活用できる水準です。事務の在宅ワークを入口にして、将来は業務の改善の提案まで受けたい人にとっては、上の級を目指す意味があります。
大切なのは、資格の級を上げること自体を目的にしないことです。受けたい仕事を先に決め、その仕事に必要な操作から逆算して、次に受ける検定を選びましょう。
在宅の事務の仕事で求められる操作
検定の勉強を始める前に、在宅の事務の仕事で実際にどんな操作が求められるかを知っておくと、勉強の優先順位をつけやすくなります。
在宅で受けやすい事務の仕事と、そこで使う操作を整理すると次のようになります。
- データ入力:Excelへの正確な入力、入力規則の扱い、表の並べ替えとフィルター
- 集計と表の作成:SUMやCOUNTIFなどの関数、ピボットテーブル、グラフ
- 書類の作成:Wordでの見出しやスタイルの設定、表の挿入、差し込み印刷
- 資料の体裁の調整:PowerPointでのスライドのデザインの統一、図の配置
- 名簿や顧客リストの整理:重複の削除、文字の表記のそろえ方、関数での抽出
この中で、どの仕事でも必ず求められるのは、Excelの正確な入力と、表の並べ替えやフィルターです。MOSのExcelの一般レベルの出題範囲は、これらの操作をほぼ網羅しています。
差し込み印刷とは、Wordの文書の決まった場所に、Excelの名簿の名前や住所を1件ずつ自動で入れて、宛名ごとに文書を作る機能のことです。お知らせや案内状を大量に作る仕事でよく使われます。この機能は検定の勉強で初めて知る人も多いのですが、使えると作業時間が大きく変わります。
勉強の進め方と合格までの道筋
オフィスソフトの検定は、実技の試験です。勉強の進め方を、最低限の順番で示します。
- 受ける検定と科目、バージョンを決める。自分のパソコンに入っているOfficeのバージョンと合わせると練習しやすい
- 公式の出題範囲を確かめる。MOSも日商PC検定も、公式サイトで出題範囲を公開している
- 対策教材を1冊選び、最初から最後まで実際にソフトを操作しながら進める
- 模擬試験を時間を計って解き、時間内に解き終える練習をする
- 間違えた問題だけを繰り返し、操作の手順を体で覚える
MOSの試験問題は公開されていません。この点について、人材派遣会社の解説では次のように注意を促しています。
過去問は公開されていないので解くことはできませんが、限りなく実際の問題に近い予想問題などが収録されている対策教材も多く存在します。見切り発車で勉強をはじめ、何が出るかも分からないまま試験に臨むことにならないように注意しましょう。 出典: manpowerjobnet.com
一方、日商PC検定は、公式サイトにサンプル問題や過去問題のページが用意されています。どちらの検定でも、出題の形式を先に見てから勉強を始めると、無駄が少なくなります。
勉強で一番大事なのは、テキストを読んで分かった気にならないことです。実技の試験では、どのメニューのどこに機能があるかを知っていて、迷わずに操作できるかが問われます。1日30分でもよいので、毎日実際にソフトを操作する時間を作るのが、合格への近道です。
あわせて、キーボードの入力の速さと正確さも見直しておきましょう。検定の試験時間は限られているので、文字の入力に時間がかかると、操作の問題に使える時間が減ります。在宅の事務の仕事でも、入力の速さは作業時間に直結し、時間あたりの報酬に大きく影響します。キーボードを見ずに入力できるようになるまで練習しておくと、検定にも仕事にも効いてきます。よく使うショートカットキー、たとえばコピーや貼り付け、元に戻す操作をキーボードで行う癖をつけるだけでも、作業の速さは目に見えて変わります。
試験の当日に気をつけること
実技の試験は、普段使っているパソコンとは違う環境で受けます。当日に戸惑わないために、次の点を押さえておきましょう。
まず、試験の画面は初期設定のままです。普段の自分のパソコンで、ツールバーの配置を変えていたり、独自のショートカットを使っていたりする人は、初期設定の画面で練習しておく必要があります。
次に、問題文は最後まで読んでから操作します。実技の試験では、指示どおりの結果になっているかが採点されます。たとえば「表の2行目から10行目を対象に」と書かれているのに、全体を選んで操作すると、見た目が近くても正解になりません。
そして、時間の配分です。MOSの試験時間は50分、日商PC検定の3級の実技は30分です。分からない問題に時間をかけすぎず、先に進んで、最後に戻る習慣をつけておきましょう。
インフラの作業でも、手順書を最後まで読まずに手を動かして事故になる例は後を絶ちません。指示を最後まで読む、範囲を確かめてから実行する、という基本は、試験でも仕事でも同じです。
受験までの費用と期間を見積もる
検定を受けると決めたら、費用と期間を先に見積もっておくと、途中で計画が崩れにくくなります。
費用は、受験料、対策教材、練習用のソフトの3つです。受験料は、MOSのExcel 365で一般価格12,980円(税込)、日商PC検定の3級で5,500円(税込)です。不合格で受け直すと、そのたびに受験料がかかります。対策教材は、1科目につき1冊から2冊を用意する人が多いはずです。練習用のソフトは、すでにOfficeが入っているパソコンを持っていれば追加の費用はかかりません。
期間は、普段どれだけソフトを使っているかで大きく変わります。仕事で毎日Excelを使っている人と、ほとんど触ったことがない人では、同じ一般レベルでも準備にかかる時間がまったく違います。目安としては、教材を1周する、模擬試験を時間内に解ける、間違えた問題を解き直す、の3段階を終えたら受験の時期です。
在宅の仕事を始める時期から逆算して、受験の日を先に決めてしまうのも1つの方法です。随時試験なら、試験会場が決めた日程の中から日を選べるので、勉強の進み具合を見ながら申し込めます。試験の日が決まると、毎日の練習の時間を確保しやすくなります。
検定の勉強は、在宅の仕事を始めるための準備でもあります。合格したあとにどの仕事に応募するかを、勉強の途中で調べておくと、合格してすぐに動き出せます。
在宅の事務の仕事で気をつけたい環境と情報の扱い
検定に合格して在宅の事務の仕事を始めると、発注者から顧客の名簿や売上のデータなど、外に出してはいけない情報を預かることがあります。操作の技能と同じくらい、この情報の扱いが信頼を左右します。
最低限、次のことは守ってください。
- 仕事に使うパソコンは家族と共用しない。共用する場合は、利用者ごとにアカウントを分ける
- 預かったファイルは、発注者が指定した場所に保存し、私用のクラウドに勝手にコピーしない
- 作業が終わったファイルの扱いを、最初に発注者と決めておく
- メールでファイルを送るときは、宛先を送信前に必ず確かめる
- パソコンには画面ロックをかけ、席を離れるときは必ずロックする
インフラの仕事でも、大きな事故の多くは、高度な攻撃ではなく、宛先の間違いや共有の設定の誤りといった基本の部分で起きています。在宅の事務の仕事でも同じです。最低限これだけ守れば、情報の扱いで大きな事故を起こす可能性はかなり下げられます。
また、発注者によっては、作業の前に秘密を守る約束の書面を交わすことがあります。NDAとは、仕事で知った情報を外に漏らさないことを約束する契約のことです。内容をよく読み、分からないことがあれば署名の前に質問しましょう。
合格したあと、応募でどう示すか
検定に合格したら、在宅の仕事を探すときのプロフィールや応募文に書きます。書き方のポイントは3つです。
1つ目は、正式な名前とバージョン、レベルを書くことです。「MOS Excel 365(一般レベル)合格」のように、どのバージョンのどのレベルかが分かるように書きます。
2つ目は、何ができるかを1行で添えることです。「ピボットテーブルで月別と担当者別の集計表を作成できます」「差し込み印刷で宛名ごとの案内状を作成できます」のように、発注者が仕事を想像できる言葉にします。
3つ目は、作業の正確さを示す工夫を書くことです。「入力後に関数で件数と合計を照合してから納品します」のように、ミスを防ぐ手順を書いておくと、在宅の事務の仕事では特に評価されます。
応募の文章そのものを分かりやすく書く力も大切です。ビジネス文書の書き方を体系的に学びたい人は、ビジネス文書検定で試験の内容と学び方を確認できます。オフィスソフトの検定と組み合わせると、書類の作成の仕事で強みになります。
在宅の仕事の応募では、自分の作業の見本を見せられると、さらに説得力が増します。作品や実績の見せ方については、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、見せ方の型を解説しています。ライター向けの記事ですが、架空のデータで作った集計表や書類の見本を、目的と工夫を添えて見せる考え方は、事務の仕事にもそのまま使えます。
検定の先に広がる仕事
オフィスソフトの操作は、事務の仕事の土台です。ここから技能を広げると、受けられる仕事の幅が変わってきます。
Excelの上級レベルの操作に慣れてきたら、マクロや、業務の自動化に進む道があります。マクロとは、Excelで繰り返し行う操作を記録して、ボタン1つで自動で実行できるようにする仕組みのことです。さらに進んで、生成AIや自動化の道具を使って、会社の事務作業を効率化する提案や手伝いをする仕事もあります。こうした仕事の中身と求められる力は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
また、Excelでの集計や分析に強くなると、マーケティングのデータを扱う仕事にも手が届きます。広告やSNSの数字を集計して報告書にまとめる作業は、在宅で受けやすい仕事の1つです。周辺の仕事の種類については、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で整理しています。
インフラやネットワークの仕事に興味が出てきた人もいるかもしれません。その場合の入口となる資格は、CCNA(シスコ技術者認定)で試験の範囲と学び方を解説しています。オフィスソフトの操作から始めて、ITの仕事へ進む人も実際にいます。
運営者の視点から見た、事務の在宅ワークで続く人
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から言えば、事務の在宅ワークで長く依頼が続く人は、操作の速さよりも、確認の丁寧さで評価されている人です。入力した件数と元の資料の件数を照合する、合計の数字を関数で検算する、ファイル名の付け方を発注者に合わせる。こうした小さな手間を惜しまない人に、発注者は安心して次の仕事を任せます。
オフィスソフトの検定は、その丁寧さの入口になります。検定の勉強では、指示どおりの範囲で、指示どおりの結果を出すことが求められます。これは、在宅の事務の仕事で求められることとほとんど同じです。
依頼者と受け手が直接やり取りする仕組みでは、仲介の手数料が引かれない分、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなります。依頼者はその分を作業の確認や品質に回せるので、丁寧な仕事をする人ほど、双方にとって得になる関係を作りやすくなります。在宅の事務の仕事は単価の幅が広いので、まずは検定で基礎を固め、確認の丁寧さで信頼を積み重ねていくのが、長く続けるための現実的な道筋です。最初の一歩として、MOSのExcelの一般レベルの出題範囲を公式サイトで確かめるところから始めてみてください。
よくある質問
Q. オフィスソフトの検定はどれから受けるのがよいですか?
在宅の事務の仕事に初めて応募する人は、累計の受験者数が540万人を超えていて名前が通じやすいMOSのExcelの一般レベルから始めるのが分かりやすい選択です。書類の作成の仕事を中心にしたい人は日商PC検定の文書作成、自宅で受験したい人はサーティファイのWeb受験の日程がある試験も選択肢になります。
Q. MOSの受験料はいくらですか?
公式サイトによると、Excel 365の受験料は一般レベルも上級レベルも、一般価格12,980円(税込)、学割価格9,680円(税込)です。学割価格を使う場合は、受験当日に学生証を持参する必要があります。受験料は科目によって異なることがあるので、申し込みの前に公式サイトで確認してください。
Q. MOSの全国一斉試験は今後も受けられますか?
オデッセイコミュニケーションズは、毎月開催していたMOSの全国一斉試験を2026年12月で終えると発表しています。最終回は2026年12月13日の予定です。それ以降は、全国の試験会場でほぼ毎日実施されている随時試験を利用することになります。
Q. 日商PC検定の3級の合格基準は何ですか?
文書作成の3級の場合、知識の科目が15分の択一式、実技の科目が30分で、知識と実技の2科目ともに70%以上で合格です。受験料は5,500円(税込)で、商工会議所が認定した会場でネット試験として受験し、試験が終わるとすぐに合否が分かります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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