認可外保育園の求人はどこで探すのか|募集の出方と、応募前に確かめること


この記事のポイント
- ✓認可外保育園の求人がどこに出るのかを
- ✓施設の種類ごとの募集の出方から整理しました
- ✓ベビーホテルでの働き方の違い
認可外保育園の求人を探していると、「どこに求人が出ているのか分からない」「見つけても、どんな施設なのか判断がつかない」という壁にぶつかります。
結論から言うと、認可外保育園の求人は、認可保育園よりも出る場所がばらばらです。保育士専門の転職サイトに載らない求人が多く、ハローワーク、無料の求人検索サイト、施設の自社サイトやSNSに分かれて出ています。そして応募前に確かめるべきことは、給与や休日より先に「その施設が、自治体にきちんと届け出て、指導を受けているか」です。
これ、知らない人が本当に多いんです。認可外保育施設は、開設したら自治体に届け出る義務があり、自治体は立入調査の結果を公表しています。つまり、応募前に施設の「通信簿」を自分で見ることができます。
この記事では、認可外保育園の種類ごとに求人の出方がどう違うか、施設の中で何が起きているか、応募前にどの書類と情報を確認すればよいかを、順番に整理します。
「認可外保育園」とひとまとめにされる施設の中身
まず、言葉の整理から始めます。
「認可外保育園」は、正式には「認可外保育施設」と呼ばれます。児童福祉法にもとづいて都道府県知事や市区町村長の認可を受けた保育所(認可保育所)以外で、乳幼児を預かる施設の総称です。
つまり、「認可外」というのは、特定の種類の施設を指す言葉ではありません。「認可保育所ではない」という、外側からの区分です。この中には、性格がまったく違う施設が含まれています。
企業主導型保育施設
企業が従業員の子どもを預かるために設置し、国の助成を受けて運営する施設です。地域の子どもを受け入れる「地域枠」を持つ施設も多くあります。制度上は認可外保育施設ですが、国の基準にもとづく審査と監査を受けています。
事業所内保育施設(院内保育を含む)
病院や企業が、職員の子どもを預かるために設置する施設です。病院の院内保育は、看護師の勤務に合わせて夜間や休日も開いていることが多いのが特徴です。
自治体独自の基準で運営する施設
東京都の認証保育所のように、自治体が独自の基準を定めて補助を出している施設です。国の区分では認可外ですが、自治体の基準を満たし、補助を受けて運営しています。
ベビーホテル
夜8時以降の保育、宿泊を伴う保育、一時預かりのいずれかを常に行っている施設です。夜間に働く保護者の子どもを預かるなど、認可保育所では対応しにくい需要を担っています。
一般の認可外保育施設
上のどれにも当たらない施設です。駅前の小さな保育室、英語教育や幼児教育に力を入れたプリスクール、スポーツや音楽を取り入れた施設など、運営方針はさまざまです。
居宅訪問型(ベビーシッター)
保護者の自宅で子どもを預かる形です。2016年から、1日に保育する子どもの人数にかかわらず、事業として行う場合は届出の対象になりました。
同じ「認可外保育園の求人」でも、どの種類の施設かによって、開所時間、子どもの年齢、職員の人数、雇用の安定性がまったく違います。求人票を見たら、まず「この施設はどの種類か」を確認することが第一歩です。
施設の種類によって、求人の出る場所が違う
認可外保育園の求人が見つけにくいのは、施設の種類によって、採用の仕方が違うからです。
企業主導型保育施設と事業所内保育施設
複数の施設を運営する会社が受託していることが多く、その会社の採用ページや、保育士専門の転職サイトに求人が出ます。院内保育の場合、病院が直接雇うケースと、保育運営会社に委託しているケースがあり、委託の場合は求人票の雇用主が病院ではなく運営会社になっています。
自治体独自の基準で運営する施設
株式会社が複数の園を運営していることが多く、認可保育園と同じように、保育士専門の転職サイトや求人検索サイトに出ます。認可保育園と並べて掲載されていることもあります。
ベビーホテル、一般の認可外保育施設
小規模で、1つの施設だけを運営している事業者が多い種類です。採用にかけられる予算が限られるため、有料の転職サイトではなく、ハローワークや無料で掲載できる求人検索サイト、施設のホームページ、InstagramなどのSNSで募集することが多くなります。知人の紹介や、保護者からの紹介で採用が決まることもあります。
ベビーシッター
ベビーシッターのマッチングサービスや、シッター派遣会社の登録ページが入口になります。ここで注意したいのは、雇用ではなく業務委託の形が多い点です。これについては後で詳しくお話しします。
求人検索サイトを使うときは、表示される件数の見方にも注意が必要です。求人ボックスの検索結果ページには、次のような説明が書かれています。
求人ボックスでは、類似する求人が複数ヒットした際に求人を探しやすくなるよう自動で非表示にしています。そのため、記載されたヒット件数と実際に検索結果に表示されている求人の数が異なる場合がございます。 出典: 求人ボックス
つまり、同じ運営会社が複数の施設で似た求人を出していると、一覧には一部しか表示されないことがあります。気になる運営会社を見つけたら、その会社名で検索し直すと、別の施設の求人が見つかることがあります。
探す場所を整理すると、次の順番で当たるのが効率的です。
・無料の求人検索サイトで「認可外保育」「企業主導型」「院内保育」「託児所」など、言葉を変えて検索する ・ハローワークインターネットサービスで、地域と「保育」で検索する ・自治体が公表している「認可外保育施設一覧」から、通える範囲の施設を拾い、各施設のホームページで採用情報を見る ・都道府県の保育士・保育所支援センターに相談する
3つ目の方法は、あまり知られていません。求人を出していない施設でも、問い合わせると採用を検討してくれることがあります。
施設の中の1日と人員体制は、種類ごとにこう違う
求人を選ぶうえで大切なのは、その施設の中で1日がどう動いているかを想像できることです。代表的な3つの種類で比べます。
企業主導型保育施設(定員19人程度)
朝7時30分ごろから、企業で働く保護者の出勤に合わせて登園が始まります。0歳から2歳までの子どもが中心の施設が多く、小規模保育園に近い雰囲気です。午前の遊び、給食、午睡、おやつ、夕方の自由遊びと、流れは認可保育園とほぼ同じです。18時から19時ごろにお迎えが集中します。
企業主導型では、保育に従事する職員のうち保育士の割合が一定以上であることが求められ、50%以上、75%以上、100%の区分で助成の額が変わります。このため、保育士資格のない「子育て支援員」の研修修了者なども働いています。
院内保育(24時間型)
看護師の日勤、夜勤に合わせて、朝7時台から翌朝まで開いている施設があります。日中は0歳から就学前までの子どもを預かり、夜は夜勤の看護師の子どもが数人泊まります。保育士の勤務は、日勤、遅番、夜勤のシフト制になります。夜間は子どもの人数が少ない一方、職員も1人から2人になり、寝かしつけ、夜中の授乳やおむつ替え、体調の急変への対応を少人数で担います。
一般の認可外保育施設(小規模・長時間型)
駅前などにあり、朝早くから夜遅くまで開いている施設です。月極めの子どもと、一時預かりの子どもが混在しているのが特徴です。一時預かりの子どもは日によって顔ぶれが変わり、初めて預けられて泣き続ける子どもへの対応が多くなります。職員は数人の少人数で、保育のほか、保護者からの電話受付、予約管理、清掃、簡単な調理まで、1人が幅広く担当することがよくあります。
英語・幼児教育型のプリスクール
認可外保育施設の中には、英語での保育や、独自の教育プログラムを売りにする施設もあります。朝9時ごろから午後2時ごろまでを「スクール時間」として英語のカリキュラムを進め、その前後を延長保育として預かる形が多く見られます。
この種類の施設では、外国人講師と日本人の保育士が組んで1つのクラスを担当することがよくあります。講師がレッスンを進め、保育士は子どもの生活面、つまり着替え、トイレ、食事、午睡、けがや体調不良への対応、保護者への連絡を受け持ちます。英語力が採用の条件になっている場合もありますが、「日常会話程度」「講師との業務連絡ができる程度」でよいとする求人も少なくありません。
注意したいのは、保育料が高く、保護者からの期待も高い点です。毎日の活動報告、写真の共有、発表会など、保護者に見せる仕事の比重が大きくなります。求人票の業務内容に「保護者向けレポート作成」「イベント企画」などが書かれていたら、事務作業の時間が一定程度あると考えてください。
人員の基準について押さえておきます。認可外保育施設には、国が定めた「認可外保育施設指導監督基準」があります。この基準では、子どもの年齢ごとに必要な職員の数が定められているほか、常に2人以上の職員を配置すること、保育に従事する職員のおおむね3分の1以上は保育士または看護師の資格を持つことが求められています。
つまり、認可保育所と比べて、資格を持たない職員が保育に入る割合が高くなりえる、ということです。有資格者として入職すると、無資格の職員への指示や指導、保育内容の組み立てを任される場面が多くなります。同じ保育士資格でも、認可保育園より早い段階で、責任のある立場を任されやすい職場だと考えてください。
自治体の公表情報で、施設の実態を確かめる
ここからが、この記事で一番お伝えしたいことです。
認可外保育施設は、事業を開始した日から1か月以内に、都道府県知事(政令指定都市や中核市ではその市長)に届け出ることが、児童福祉法で義務づけられています。そして、自治体は届出のあった施設に対して、原則として年1回以上の立入調査を行い、指導監督基準を満たしているかを確認しています。
多くの自治体は、この情報をホームページで公表しています。確認できる主な項目は次のとおりです。
・施設名、所在地、設置者 ・開所時間、対象年齢、定員 ・届出の有無 ・立入調査の実施日と、指摘事項の有無 ・指導監督基準を満たす旨の「証明書」の交付の有無
証明書の有無は、特に重要です。
自治体は、立入調査で指導監督基準を満たしていると確認した施設に、その旨の証明書を交付します。この証明書を持っている施設は、職員配置、設備、保育内容、健康管理、安全対策といった基準を満たしていると、行政が確認したことになります。
幼児教育・保育の無償化では、認可外保育施設の利用料も一定額まで無償化の対象になりました。当初は基準を満たさない施設にも経過措置が設けられていましたが、その期間は2024年9月末で終わっています(自治体によって独自の扱いがあります)。つまり、基準を満たしていない施設は、保護者にとって利用料の補助が受けにくくなり、経営が不安定になりやすいということです。働く側から見ても、証明書の有無は、職場の安定性を測る目安になります。
指摘事項がある場合の読み方
立入調査で指摘事項があった施設は、すぐに危険な職場というわけではありません。書類の保管方法や、避難訓練の記録の不備など、軽い指摘も含まれます。確認したいのは、どの項目で指摘を受けたかと、改善されたかどうかです。職員数の不足や、保育士の割合の不足、安全面の指摘が複数年続いている場合は、慎重に考えたほうがよいでしょう。
※公表の方法や項目は自治体によって違います。ホームページで見つからない場合は、自治体の保育課や子ども家庭課に電話で問い合わせると、教えてもらえることがあります。
以前、認可外保育施設で働いていた保育士さんから相談を受けたことがあります。「園長から、立入調査の日だけ別の施設の保育士が応援に来ると言われた。これは普通なのか」という内容でした。つまり、調査の日だけ職員数や資格者の割合を実態より多く見せていた可能性がある、ということです。これは、子どもの安全に関わる問題であり、そこで働く保育士さん自身も責任を問われかねない状況です。その方には、記録を残したうえで自治体に相談する方法をお伝えしました。応募前に公表情報を確認しておけば、こうした職場に入るリスクを下げることができます。
求人票と雇用契約書で、必ず確認する条件
施設の実態を確認したら、次は働く条件です。認可外保育施設の求人票は、書き方の自由度が高い分、確認すべき点が多くなります。
たとえば、求人検索サイトには、こんな求人が掲載されていました。
【仕事内容】<施設名>: 保育所ちびっこランド糸引園<施設形態>:認可外保育園<募集職種>: 保育士<業務内容>:<保育士>保育施設における保育業務および付帯する業務・クラス担任・連絡帳記入・登園、降園の対応・清掃等の付帯業務 等 【給与】月給205000円~<正社員>月給205,000円~250,000円[その他手当]・通勤手当…実費支給(事業所規定による)... 出典: 求人ボックス
この求人では、施設形態が「認可外保育園」と明記され、業務内容にクラス担任、連絡帳記入、清掃などの付帯業務が含まれていることが分かります。こうした書き方をしている求人は、比較的読みやすい部類です。書かれていない場合は、次の点を面接や書面で確認してください。
雇用か、業務委託か
これ、本当に大事です。ベビーシッターや一部の小規模施設では、「業務委託」の形で人を集めていることがあります。業務委託は雇用ではないので、労働基準法の最低賃金や残業代、有給休暇、社会保険の適用がありません。一方で、2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法によって、発注者には取引条件を書面などで明示する義務があります。つまり、どちらの形でも「条件を書面で受け取る権利」はあなたにあるということです。
労働条件通知書の中身
雇用の場合、会社は労働条件を書面で明示しなければなりません。2024年4月からは、就業場所と業務の「変更の範囲」も明示が必要になりました。つまり、「将来、別の施設に異動する可能性があるか」「保育以外の業務を担当する可能性があるか」が書面に書かれるということです。複数の施設を運営する会社の場合、この欄は必ず確認してください。
夜勤と宿直の扱い
24時間型の施設では、夜勤の時間帯、休憩時間、仮眠の扱い、夜勤手当の額を確認します。夜勤中に仮眠を取れる時間があっても、子どもに何かあればすぐに対応しなければならない状態であれば、その時間は労働時間として扱われる可能性があります。※実際の判断は個別の事情によるため、疑問がある場合は労働基準監督署や社会保険労務士に相談してください。
固定残業代と試用期間
月給に「固定残業代を含む」と書かれている場合は、何時間分がいくら含まれているか、超えた分は支払われるかを確認します。試用期間中に給与や雇用形態が変わる場合も、その内容を書面で確認しておきましょう。
保険と事故時の対応
施設が賠償責任保険や傷害保険に加入しているかは、面接で聞いてかまいません。保育中の事故で、職員個人が責任を問われる事態を避けるために大切な確認です。
給与水準の比較
認可外保育施設の給与は、施設の種類によって幅があります。認可保育園と比べる際には、処遇改善の加算がどう反映されているかも違うため、月給だけでなく、賞与や手当を含めた年収で比べることが大切です。保育士全体の年収や時給の水準を確認したい方は、保育士の年収・単価相場に職種の平均的な年収や時給の幅がまとまっています。応募先の条件が、地域の相場と比べてどの位置にあるかを判断する目安になります。
見学と面接で、施設の実態を確かめる質問
公表情報と求人票で候補を絞ったら、必ず見学を申し込んでください。認可外保育施設の多くは、応募前の見学を受け入れています。見学を断る、または日時を極端に限定する施設は、それ自体が1つの判断材料になります。
見学では、次の点を目で確認します。
職員の人数と、子どもの人数
見学した時間帯に、部屋に何人の子どもがいて、何人の職員がいるかを数えてください。0歳児が3人以上いる部屋に職員が1人しかいない、職員が電話や事務作業で部屋を離れている時間が長い、といった様子があれば、日常的に人手が足りていない可能性があります。
午睡中の見守り
昼寝の時間に見学できる場合は、職員がどう見守っているかを見ます。乳児の午睡中は、呼吸や体の向きを一定の間隔で確認し、記録するのが基本です。確認の記録表が置かれているか、職員が部屋を空けていないかは、安全への意識を映す鏡です。
掲示物と書類
施設の入り口や事務室には、届出や証明書の写し、避難経路図、アレルギーのある子どもの一覧(保護者から見えない場所に)などが置かれているはずです。避難訓練の記録や、事故・ヒヤリハットの記録を付けているかを聞いてみるのもよいでしょう。
面接では、次のような質問をしてかまいません。聞き方を工夫すれば、失礼にはなりません。
・「保育士資格を持つ職員は、現在何名いらっしゃいますか」 ・「職員の方が急にお休みになったとき、どのように人員を補っていますか」 ・「前年度の立入調査で、指摘された点と改善の内容を教えていただけますか」 ・「保育以外の業務(電話対応、清掃、調理など)は、1日のうちどのくらいの時間になりますか」 ・「この1年で退職された職員の方は、何名くらいいらっしゃいますか」
つまり、聞きたいのは「数字」と「実際の運用」です。「アットホームな職場です」「みんな仲がいいです」という答えは、雰囲気を伝えてはくれますが、働く条件の判断材料にはなりません。具体的な数字で答えてくれる施設は、運営の状況をきちんと把握している施設です。
これ、知らない人が本当に多いんですが、面接はあなたが選ばれる場であると同時に、あなたが施設を選ぶ場でもあります。特に保育士不足が続く中で、有資格者は施設にとって必要な人材です。遠慮せず、確認したいことは確認してください。
もう1つ、面接の最後に「労働条件通知書(または雇用契約書)は、内定の前にいただけますか」と聞いておくことをお勧めします。書面を渡すのをためらう施設、口頭の説明だけで入職を急がせる施設は、入職後に条件が変わるトラブルが起きやすい傾向があります。
働き始めてから困ったときの相談先
十分に確認して入職しても、実際に働き始めてから問題に気づくことはあります。そのとき、1人で抱え込まないために、相談先を知っておいてください。
保育の安全や、施設の運営に関すること
職員の人数が基準より少ない日が続く、子どもの安全に関わる設備の不備が放置されている、事故が起きたのに報告されていない。こうした問題は、施設を所管する自治体の保育担当課に相談できます。認可外保育施設で、子どもが死亡したり、治療に長い期間を要するけがをしたりする重大な事故が起きた場合、施設は自治体に報告することが求められています。
相談するときは、いつ、どこで、何があったかを記録しておくと、自治体も状況を把握しやすくなります。つまり、「なんとなく人が足りない」ではなく、「何月何日の何時から何時まで、0歳児4人を職員1人で見ていた」という形で残しておくということです。
給与、残業、休みなど労働条件に関すること
雇用契約で働いている場合、残業代が支払われない、約束した休みが取れない、一方的に給与を下げられた、といった問題は、労働基準監督署や、都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーに相談できます。相談は無料で、匿名での相談にも応じてもらえます。
※未払い賃金の請求など、具体的な権利を主張したい場合は、弁護士や社会保険労務士に相談してください。
業務委託で働いている場合
ベビーシッターなど業務委託で働いている場合は、労働基準監督署ではなく、フリーランスの取引に関する相談窓口が入口になります。国が設けている「フリーランス・トラブル110番」では、報酬の未払い、一方的な契約の変更、ハラスメントなどについて、弁護士に無料で相談できます。
心身の不調を感じたとき
少人数の職場では、人間関係の悩みや、責任の重さによる疲れを誰にも話せないまま抱え込みがちです。保育士・保育所支援センターなど、保育士の就労を支える窓口に相談することもできますし、転職や職場の悩みそのものについて専門家に話を聞いてもらう方法もあります。働く人の進路や職場の悩みに向き合う相談の仕事がどんなものかは、職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介されています。どんな窓口で、どんな専門家が相談に乗っているのかを知っておくと、いざというときに頼る先が見つけやすくなります。
問題に気づいたときに、辞めるか、我慢するかの2つしか選択肢がないと思ってしまう方が多いのですが、そうではありません。記録を残し、相談し、改善を求める。その過程で、あなた自身も、預けられている子どもたちも守られます。
認可外保育施設で働くことの、よい点と注意点
最後に、認可外保育施設で働くことのよい点と注意点を、職場の構造から整理します。
よい点
・施設の方針がはっきりしていることが多い。英語、モンテッソーリ教育、自然体験など、自分のやりたい保育と合う施設を選べる ・少人数で、子ども1人ひとりと関わる時間を取りやすい ・勤務時間や勤務日数の相談に応じてもらいやすい施設がある ・早い段階から、保育の組み立てや保護者対応を任される ・院内保育や企業主導型では、保護者の職場と近い距離で、働く家族を支える実感がある
注意点
・職員数が少ないため、1人が休むと他の職員の負担が大きくなる ・運営会社や施設によって、職員配置や安全管理の水準に差がある ・保育以外の業務(電話対応、予約管理、清掃、調理)の割合が高い施設がある ・小規模な事業者の場合、経営状況の変化で閉園する可能性がある ・保育士の割合が低い施設では、資格者として重い責任を担うことになる
注意点の多くは、応募前の確認で見極めることができます。自治体の公表情報、求人票、雇用契約書、そして見学。この4つを組み合わせれば、入職後に「こんなはずではなかった」と感じるリスクはかなり下げられます。
看護師の方へ
認可外保育施設の指導監督基準では、看護師も保育士と同じく有資格者として数えられます。院内保育や、医療的な配慮が必要な子どもを受け入れる施設では、看護師の採用ニーズがあります。病院勤務と比べた給与水準を確かめたい場合は、看護師の年収・単価相場で職種全体の平均的な年収や時給の幅を確認しておくと、条件を比べやすくなります。
運営者の視点から
人と仕事をつなぐ市場を長く運営してきた立場から見ると、条件を書面で丁寧に示す事業者ほど、働く人とのトラブルが少なく、人が長く定着する傾向があります。求人票の書き方が具体的で、質問にすぐ書面で答えてくれる施設は、それだけで信頼の手がかりになります。反対に、「詳しくは面接で」「入ってから説明する」が多い施設は、慎重に確認を重ねてください。
認可外保育施設は、保護者の多様な働き方を支える大切な受け皿です。そこで働く保育士や看護師が安心して力を発揮できることは、子どもの安全にも直結します。自分を守るための確認は、遠慮する必要のない、当然の権利です。法律はあなたの味方です。
よくある質問
Q. 認可外保育園の求人は、どこで探すのが効率的ですか?
無料の求人検索サイトで「認可外保育」「企業主導型」「院内保育」「託児所」など言葉を変えて検索し、ハローワークでも地域と保育で探すのが基本です。小規模な施設は有料の転職サイトに載らないことが多いため、自治体が公表する認可外保育施設一覧から通える施設を拾い、各施設のホームページで採用情報を確認する方法も有効です。
Q. 応募前に施設が安全かどうかを確認する方法はありますか?
あります。認可外保育施設は開設から1か月以内に自治体への届出が義務づけられ、自治体は原則年1回以上の立入調査を行っています。多くの自治体がホームページで届出の有無、立入調査の結果、指導監督基準を満たす旨の証明書の交付状況を公表しています。見つからない場合は自治体の保育担当課に問い合わせてください。
Q. 認可外保育園では保育士資格がなくても働けますか?
働ける場合があります。指導監督基準では、保育に従事する職員のおおむね3分の1以上が保育士または看護師であればよいとされており、無資格の職員も保育に入れます。企業主導型では保育士の割合によって助成区分が分かれます。資格を持って入職すると、無資格の職員への指示や保育の組み立てを任されやすくなります。
Q. 業務委託の求人に応募するときは何に注意すればよいですか?
業務委託は雇用ではないため、最低賃金や残業代、有給休暇、社会保険の適用がありません。報酬額、支払期日、業務の範囲、事故が起きたときの責任と保険の扱いを必ず書面で確認してください。2024年11月施行のフリーランス・事業者間取引適正化等法により、発注者には取引条件を明示する義務があります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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