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国家検定とは|技能検定と国家資格の違い

@SOHO編集部
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国家検定とは|技能検定と国家資格の違い

この記事のポイント

  • ✓国家検定の中心である技能検定の133職種を分野別に一覧にし
  • ✓国家資格や厚生労働省認定の団体等検定との違いを整理しました
  • ✓技能士の特典を厚生労働省の公式ページで確かめ

国家検定の一覧を探していると、国家資格の一覧と混ざって出てきて、どれが検定でどれが資格なのかが分かりにくくなります。結論から書くと、国家検定の中心は厚生労働省の技能検定で、2026年3月時点で133の職種があります。技能検定は、合格すると「技能士」と名乗れる国の検定で、資格がないとその仕事ができない国家資格とは性格が違います。

この記事では、技能検定の133職種を分野ごとに一覧にし、国家資格や厚生労働省が認定する団体等検定との違いを、厚生労働省の公式ページで2026年10月時点の記載を確かめて整理します。そのうえで、等級と受検資格、受検手数料、合格ライン、合格したときの特典、選び方と申し込みの流れまで順に見ていきます。

国家検定とは何か

国家検定とは、国が定めた基準で、仕事に使う技能や知識の水準を評価する検定のことです。その代表が、職業能力開発促進法という法律にもとづく技能検定です。厚生労働省は技能検定を次のように説明しています。

技能検定とは、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、機械加工、建築大工やファイナンシャル・プランニングなど全部で133職種(※)の試験があります。試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。 出典: 厚生労働省 技能検定制度について

この説明の注記にあるとおり、133職種は令和8年3月3日時点の数で、そのうち111職種を都道府県が、22職種を国から指定を受けた民間の試験機関が実施しています。都道府県の職種は、各都道府県の職業能力開発協会という団体が試験の実務を担っています。

技能検定の大きな特徴は、合格すると「技能士」と名乗れることです。厚生労働省は、技能士は名称独占であり、技能検定に合格した人以外は技能士と名乗れないと説明しています。名称独占とは、資格を持つ人だけがその名前を使えるという意味です。たとえば「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「1級建築大工技能士」のように、職種と等級を付けて名乗ります。

一方で、技能検定に合格していなくても、その職種の仕事をすること自体は禁止されていません。建築大工技能士でなくても大工の仕事はできますし、ファイナンシャル・プランニング技能士でなくても家計の相談には乗れます。技能検定は、仕事をする許可ではなく、技能の水準を国の物差しで示すための検定です。

国家検定と国家資格の違い

国家検定と国家資格は、どちらも国の法律にもとづくものですが、役割が違います。違いを整理すると次のとおりです。

種類 役割 資格がない人ができないこと 例
国家検定(技能検定) 技能の水準を評価する 技能士と名乗ること ファイナンシャル・プランニング技能士、建築大工技能士
業務独占の国家資格 決められた仕事を資格者に限る その仕事をすること 医師、弁護士、税理士、電気工事士
名称独占の国家資格 資格者だけが名乗れる その名称を名乗ること 保育士、介護福祉士、公認心理師
必置の国家資格 事業所に置くことを義務づける 事業所を開くこと(資格者がいない場合) 衛生管理者、貸金業務取扱主任者

業務独占の国家資格は、資格を持つ人しかその仕事をしてはいけないと法律で決まっている資格です。資格がない人が仕事をすると法律違反になります。名称独占の国家資格は、仕事そのものは資格がなくてもできる場合がありますが、資格の名前を名乗れるのは資格者だけです。必置の国家資格は、会社が事業所を開くときに、資格を持つ人を置くことが義務になっている資格です。

技能検定は、名前を名乗れるのが合格者だけという点では名称独占の国家資格に近い性格を持っています。ただし、国家資格の多くが「合格したあとに国や都道府県に登録して資格者になる」仕組みなのに対し、技能検定は合格証書が交付された時点で技能士になれます。登録や更新の手続きがないのも技能検定の特徴です。

国家資格の一覧を見るときは、それぞれがどの種類にあたるかを意識すると、取ったあとに何ができるようになるかが見えてきます。仕事に就くために必ず要る資格なのか、技能を示すための検定なのかで、取る意味が大きく変わるからです。

技能検定の133職種を分野別に一覧にする

厚生労働省が公表している技能検定職種一覧表をもとに、133職種を分野ごとに並べます。表の最後にある「その他」の分野に、指定試験機関が実施する職種の多くが含まれています。

分野 主な職種
建設関係 造園、建築板金、冷凍空気調和機器施工、建築大工、とび、左官、配管、型枠施工、鉄筋施工、防水施工、内装仕上げ施工、塗装、広告美術仕上げ など33職種
金属加工関係 鋳造、鍛造、金属熱処理、機械加工、金型製作、金属プレス加工、工場板金、めっき、仕上げ、ダイカスト など19職種
一般機械器具関係 機械検査、機械保全、産業車両整備、鉄道車両製造・整備、建設機械整備、農業機械整備、テクニカルイラストレーション、機械・プラント製図 など
電気・精密機械器具関係 電子回路接続、電子機器組立て、電気機器組立て、シーケンス制御、半導体製品製造、プリント配線板製造、光学機器製造、電気製図 など
食料品関係 パン製造、菓子製造、製麺、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、水産練り製品製造、みそ製造、酒造
衣服・繊維製品関係 染色、ニット製品製造、婦人子供服製造、紳士服製造、和裁、寝具製作、帆布製品製造、布はく縫製
木材・木製品・紙加工品関係 機械木工、家具製作、建具製作、紙器・段ボール箱製造、畳製作、表装
プラスチック製品関係 プラスチック成形、強化プラスチック成形
貴金属・装身具関係 時計修理、貴金属装身具製作
印刷製本関係 プリプレス、印刷、製本
その他 ウェブデザイン、キャリアコンサルティング、ファイナンシャル・プランニング、知的財産管理、金融窓口サービス、接客販売、着付け、調理、ビルクリーニング、ハウスクリーニング、フラワー装飾、写真 など

ものづくりや建設の職種が多い一方で、「その他」の分野には、事務やサービスの仕事に関わる職種が並んでいます。ウェブデザイン、ファイナンシャル・プランニング、知的財産管理、キャリアコンサルティングなどは、会社員の学び直しや在宅の仕事と結びつきやすい職種です。

この一覧から自分に合う職種を探すときは、いまの仕事の名前ではなく、仕事の中で使っている作業から探すのがこつです。たとえば、店舗で商品の説明と販売をしている人は接客販売、ビルの設備の点検をしている人はビル設備管理、工場で機械の点検や修理をしている人は機械保全が近い職種になります。1つの職種の中に複数の作業が分かれていることも多く、厚生労働省の試験基準で作業の名前まで見ると、自分の仕事に合うものが見つけやすくなります。

指定試験機関が実施する22職種は、次のとおりです。ウェブデザイン、キャリアコンサルティング、ピアノ調律、ファイナンシャル・プランニング、眼鏡作製、知的財産管理、金融窓口サービス、ブライダルコーディネート、接客販売、着付け、ホテル・マネジメント、レストランサービス、フィットネスクラブ・マネジメント、ビル設備管理、林業、機械保全、シャッター施工、情報配線施工、ガラス用フィルム施工、調理、ビルクリーニング、ハウスクリーニングです。これらの職種は、試験の時期や受検資格、手数料を試験機関ごとに定めています。

等級と受検資格の仕組み

技能検定は、職種ごとに等級が分かれています。厚生労働省の説明では、試験の難しさによって1級、2級、3級に分かれ、職種によっては等級を分けない単一等級や、管理者や監督者向けの特級があります。

都道府県が実施する職種では、受検できる等級が、その職種での実務の経験年数で決まります。

等級 必要な実務経験の目安
特級 1級に合格してから5年以上
1級 7年以上
2級 2年以上
3級 検定職種に関し実務の経験を有する者
単一等級 3年以上

実務経験の年数は、学歴や職業訓練を受けた経歴によって短くなります。たとえば、その職種に関わる学科の高校や専門学校を出た人、職業訓練を修了した人は、必要な年数が短縮されます。厚生労働省は受検資格の一覧表を公開しており、自分がどの等級から受けられるかを技能検定の等級と受検資格のページで確かめられます。

3級の受検資格は、平成30年度から緩和されています。検定職種に関わる実務の経験がある人が対象で、厚生労働省は3級の受検資格を付けるために使う確認書のひな形も公開しています。未経験からその職種を目指す人にとって、3級は最初の目標にしやすい等級です。

指定試験機関が実施する職種では、受検資格の決め方が違います。たとえばファイナンシャル・プランニングの3級は、FP業務に従事している人か、従事しようとしている人が対象で、実質的に誰でも受けられます。民間の試験機関が実施する職種の受検資格は、それぞれの試験機関のページで確かめる必要があります。

受検手数料と合格ライン

都道府県が実施する職種の受検手数料の目安は、厚生労働省のページで次のように示されています。

  • 学科試験 3,100円
  • 実技試験 18,200円

厚生労働省は、これは目安で都道府県によって違う場合があること、若い人は実技試験の手数料が減額される場合があることを書き添えています。実技試験は材料や設備を使うため、学科試験より手数料が高く設定されています。

指定試験機関が実施する職種は、職種と等級ごとに試験機関が手数料を決めています。厚生労働省の指定試験機関一覧に載っている例をいくつか挙げます。

職種 等級 学科試験 実技試験
ウェブデザイン 3級 6,000円 9,000円
キャリアコンサルティング 2級 11,200円 29,900円
知的財産管理 3級 6,100円 6,100円
金融窓口サービス 3級 5,000円 5,500円
接客販売 3級 8,000円 8,000円
調理 単一等級 8,900円 28,900円

ウェブデザインの3級には、23歳未満で在職中の人の実技試験を4,500円とする減額もあります。同じ職種でも年齢や在職の状況で金額が変わることがあるので、申し込む前に試験機関の案内で確かめてください。

合格の基準は、都道府県が実施する職種では、100点満点で原則として実技試験が60点以上、学科試験が65点以上です。学科と実技の両方に合格すると、その等級の技能士になります。指定試験機関が実施する職種の合格基準は、試験機関ごとに定められています。

国家検定と並ぶ「厚生労働省認定」の検定

国家検定の一覧を調べていると、「厚生労働省認定」と書かれた検定にも出会います。これは技能検定とは別の仕組みで、団体等検定制度と社内検定認定制度と呼ばれています。

厚生労働省の説明では、団体等検定制度は、団体や企業が行う検定のうち一定の基準を満たすものを厚生労働大臣が認定する制度です。認定を受けると「厚生労働省認定」の検定であることを表記でき、専用のロゴマークを使えます。社内検定認定制度は、企業や団体が自分の従業員を対象に行う検定を認定する制度で、同じように厚生労働省認定と表記できます。

たとえば、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が行う産業カウンセラー試験は、2026年3月31日付で職業能力開発促進法にもとづく団体検定の認定を受けたと協会が発表しています。こうした検定は、国が基準に照らして認めたものですが、技能検定とは違い、合格しても技能士とは名乗れません。

整理すると、国の関わり方で検定は次の3つに分かれます。

  1. 技能検定 … 国が試験の基準を定め、都道府県か国が指定した試験機関が実施する。合格者は技能士と名乗れる
  2. 団体等検定・社内検定 … 団体や企業が実施し、国が基準に合うと認定したもの。厚生労働省認定と表記できる
  3. 民間の検定 … 団体や企業が独自の基準で実施するもの。国の認定は受けていない

3つ目の民間の検定にも、仕事で広く評価されているものが数多くあります。ビジネス文書の書き方を測るビジネス文書検定はその一例で、資格ガイドでは級ごとの内容を紹介しています。国の関わり方と、仕事の現場での評価は別の物差しなので、両方を見て選ぶことが大切です。

目的別に国家検定を選ぶ

133の職種の中から何を受けるかは、いまの仕事と、これから目指したい仕事で決まります。目的ごとの考え方を整理します。

1つ目は、いまの仕事の技能を証明したい人です。ものづくりや建設の現場で働いている人は、自分の職種の技能検定を受けるのが基本です。実務経験の年数に応じて2級、1級と段階を上げていくと、技能の水準を客観的に示せます。会社によっては、技能士の資格に手当を付けたり、昇格の条件にしたりしています。

2つ目は、事務やサービスの仕事で知識を形にしたい人です。ファイナンシャル・プランニング、知的財産管理、キャリアコンサルティング、接客販売などの職種は、会社員の学び直しとして選ばれることが多い職種です。3級は受検の条件が軽いものが多く、学び始めの目標にしやすくなっています。

3つ目は、在宅の仕事や副業につなげたい人です。ウェブデザインの技能検定は、Webサイトの制作に関わる知識と技能を問う検定で、制作の仕事を受けるときに技能の裏付けとして示せます。デザインの仕事の収入の幅は、デザイナーの年収・単価相場で職種ごとにまとめています。ファイナンシャル・プランニングや知的財産管理の知識は、お金や権利に関わる記事や資料を書く仕事でも役に立ちます。

4つ目は、ほかの資格につなげたい人です。厚生労働省は、技能検定に合格すると、職種と等級に応じて、ほかの資格試験の受験資格が得られたり、試験の一部が免除されたりすると説明しています。たとえば、職業訓練指導員試験の受験資格、労働安全コンサルタント試験の受験資格、作業環境測定士試験の受験資格などが、決められた職種と等級の合格者に与えられています。

IT分野では、国家検定のほかに、製品を作る会社が独自に行うベンダー資格も広く使われています。ネットワーク機器の知識を問うCCNA(シスコ技術者認定)はその代表です。国家検定のウェブデザインや情報配線施工と、ベンダー資格を組み合わせると、技能の幅を示しやすくなります。

技能士になると得られる特典

技能検定に合格すると、合格証書が交付されるほか、厚生労働大臣から技能士章が交付されると厚生労働省は説明しています。技能士章とは、技能士であることを示すバッジのことです。

そのうえで、職種と等級によっては、次のような特典があります。厚生労働省のページに挙がっている主な例を整理します。

  • 職業訓練指導員試験の受験資格が得られる。決められた等級の合格者は、実技試験の全部や学科試験の一部が免除される
  • 特級の合格者は、労働安全衛生法にもとづく職長等への安全衛生教育の全部を省略できる
  • 機械加工や建築大工など決められた職種の1級と単一等級の合格者は、労働安全コンサルタント試験の受験資格が得られる
  • とびの1級と2級の合格者は、つり上げ荷重1トン以上のクレーンなどの玉掛けの業務に就ける
  • 決められた職種の合格者は、作業環境測定士試験の受験資格が得られる(合格後1年以上の労働衛生の実務経験が必要)

これらの特典は、主に都道府県が実施する職種に関するもので、指定試験機関が実施する職種については各試験機関に問い合わせるよう、厚生労働省は書き添えています。特典の一覧は厚生労働省の技能検定を受検するメリットのページにまとめられています。対象になる職種と等級は細かく決められているので、利用したい特典がある人は、厚生労働省のページの一覧と、特典を受ける資格試験の実施機関の案内の両方で確かめてください。

技能士の資格には有効期限がなく、一度合格すれば更新の手続きは要りません。合格証書をなくしたり、氏名が変わったりしたときは、合格証書を交付した都道府県か指定試験機関で再交付を受けられます。英文の証明書を出してもらえる場合もあるので、海外で働くことを考えている人は問い合わせてみる価値があります。

申し込みから合格までの流れ

技能検定の申し込みの方法は、都道府県が実施する職種と、指定試験機関が実施する職種で違います。

都道府県が実施する職種は、受検する都道府県の職業能力開発協会から受検申請書を取り寄せて申し込みます。マイナポータルからの電子申請もできるようになっています。申請のときには本人確認の書類が必要です。試験は職種ごとに前期と後期に分けて行われ、都道府県によっては実施しない職種もあります。厚生労働省は、令和8年度の後期試験の都道府県別の実施状況を公表しています。

指定試験機関が実施する職種は、試験機関ごとに申し込みの方法と日程が決まっています。ファイナンシャル・プランニングの2級と3級のように、パソコンの画面で答えるCBT方式で、ほぼ毎月受けられる職種もあります。

申し込みから合格までの流れの目安は次のとおりです。

  1. 受けたい職種が、都道府県の実施か指定試験機関の実施かを確かめる
  2. 受検資格の一覧で、自分の実務経験で受けられる等級を確かめる
  3. 都道府県の職業能力開発協会か、指定試験機関の案内で日程と手数料を確かめる
  4. 受検申請書を出すか、電子申請やWebで申し込む
  5. 学科試験と実技試験を受ける
  6. 合格発表のあと、合格証書を受け取る

実技試験は、職種によっては事前に課題が公表され、決められた時間内に作品を作る形で行われます。課題の内容と使う道具は職種ごとに違うので、試験の案内で早めに確かめ、同じ条件で練習しておくことが合格への近道です。

学科試験と実技試験の勉強の進め方

技能検定は、学科試験と実技試験の両方に合格して初めて技能士になれます。2つの試験は性格がまったく違うので、勉強の進め方も分けて考えると効率が上がります。

学科試験は、その職種の仕事に必要な知識を問う試験です。都道府県が実施する職種では、試験の基準と出題範囲が公表されており、厚生労働省のページから都道府県職業能力開発協会が実施する職種の試験基準を確かめられます。出題範囲には、職種そのものの知識のほか、材料、道具、安全衛生、関係する法令などが含まれることが多くあります。過去の試験問題を公開している協会もあるので、まず過去の問題を解いて、どの分野から多く出ているかをつかむのが近道です。

実技試験は、実際に手や道具を使って課題をこなす試験です。職種によっては、試験の前に課題が公表され、決められた時間の中で作品を作る形になります。課題が事前に分かる職種では、本番と同じ材料、同じ道具、同じ時間で繰り返し練習できるかどうかが合否を分けます。職場の設備を使わせてもらえるかを、早めに上司や先輩に相談しておきます。

指定試験機関が実施する職種では、実技試験の形が職種によって大きく違います。ファイナンシャル・プランニングのように、実技試験もパソコンの画面で答える形のものもあれば、調理や着付けのように実際に作業を行うものもあります。ウェブデザインの実技試験は、パソコンを使ってWebページを作る形です。試験機関の案内で、実技試験の形と使える道具を確かめてから練習の計画を立てます。

勉強の時間の配分は、学科と実技のどちらが苦手かで決めます。現場での経験が長い人は実技に自信があっても学科でつまずくことがあり、反対に知識はあっても時間内に作業を終えられない人もいます。過去の問題と課題を一度通して試し、点数が低いほうに時間を多く配分すると、限られた時間で合格に近づけます。

職場で受けるときの支援と費用の考え方

技能検定は、会社が従業員の技能を高めるために受検を勧めることが多い検定です。自分で受ける前に、勤め先の制度を確かめておくと費用の負担を抑えられます。

多くの会社では、業務に関わる技能検定の受検手数料を会社が負担したり、合格したときに報奨金や資格手当を出したりしています。受検のための練習に、勤務時間の一部や職場の設備を使えることもあります。人事の担当者か上司に、受検の補助の制度があるかを聞いてみてください。

会社の側にも、従業員の訓練を支える国の仕組みがあります。従業員に職業訓練を受けさせた事業主が使える人材開発支援助成金はその1つで、介護や福祉の事業所が研修に使う例を福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で紹介しています。助成金の対象になる訓練の条件は細かく決められているので、使えるかどうかは会社の側で労働局やハローワークの案内を確かめることになります。

自分で費用を払って受ける場合は、手数料のほかに、練習の材料費と、試験会場までの交通費を見込んでおきます。実技試験で材料を自分で用意する職種では、練習の回数が増えるほど材料費がかかります。受検の案内に書かれた持ち物と材料の一覧を早めに確かめ、練習の計画と合わせて費用の見通しを立てておくと安心です。

国家検定の一覧を見るときの注意点

国家検定の一覧を調べるときに、気をつけたい点がいくつかあります。

1つ目は、職種の数と名前が変わることです。厚生労働省は、技能検定の職種を見直し、新しい職種を作ったり、使われなくなった職種を廃止したり、名前を変えたりしています。近年でも、林業やシャッター施工などの職種が新しく作られ、放電加工は非接触除去加工に名前が変わりました。古い一覧や書籍に載っている職種名が、いまの名前と違うことがあります。受ける前に、厚生労働省の最新の職種一覧で名前を確かめてください。

2つ目は、都道府県によって実施しない職種があることです。都道府県が実施する職種は、毎年すべての都道府県で行われるわけではありません。住んでいる都道府県で受けたい職種が実施されない年は、ほかの都道府県で受けることも考えます。

3つ目は、「国家検定」という言葉が広い意味で使われていることです。資格の紹介サイトなどでは、技能検定以外の国の試験を国家検定と呼んでいる例もあります。この記事では、職業能力開発促進法にもとづく技能検定を国家検定の中心として扱っています。ほかの試験について調べるときは、その試験がどの法律にもとづいて、誰が実施しているかを、実施機関の公式ページで確かめると混乱しにくくなります。

4つ目は、受検資格の実務経験の数え方です。必要な年数は学歴や職業訓練の経歴で短くなりますが、どの学科や訓練が対象になるかは細かく決められています。自分の経歴で何年に短縮されるかは、受検資格の一覧表を見て、分からないときは都道府県職業能力開発協会に問い合わせて確かめます。

履歴書に技能検定を書くときの表記

技能検定に合格したら、履歴書の資格欄には「等級+職種名+技能士」の形で書くのが基本です。たとえば次のように書きます。

職種 履歴書での書き方の例
ウェブデザイン 2級ウェブデザイン技能士
ファイナンシャル・プランニング 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
知的財産管理 3級知的財産管理技能士
建築大工 1級建築大工技能士
キャリアコンサルティング 2級キャリアコンサルティング技能士

「ウェブデザイン技能検定2級合格」のように検定名で書く例も見かけますが、技能士は名称独占なので、技能士の名前で書くほうが合格者であることがはっきり伝わります。学科試験だけ、実技試験だけに合格している段階では技能士ではないので、技能士とは書きません。

年月は、合格証書に書かれた日付を使います。複数の技能検定に合格している場合や、同じ職種で等級を上げた場合は、上の等級だけを書いても構いませんが、職種が違うものはそれぞれ書きます。等級を上げた経過を示したい場合は、職務経歴書の中で触れると読みやすくなります。

国家検定を在宅の仕事に活かす

ここからは、在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者の立場から、国家検定と在宅の仕事の関わりを見ていきます。

技能検定の多くはものづくりや建設の現場の職種ですが、在宅の仕事と結びつく職種もあります。ウェブデザインはその代表で、Webサイトの制作の仕事では、技能の水準を示す材料として技能士の資格が役に立ちます。アプリケーションの開発に関わる仕事の内容は、アプリケーション開発のお仕事で紹介しています。ファイナンシャル・プランニングや知的財産管理は、お金や権利に関わる記事、契約書のひな形づくり、社内向けの研修資料などの仕事で知識を活かせます。

運営者として見てきた限りでは、在宅の仕事で長く依頼が続く人は、資格を持っていることそのものより、資格で身につけた技能を「何ができるか」の形で示しています。ウェブデザイン技能士であれば、どんなサイトを作れるかを作品で見せ、資格はその裏付けとして添える、という順番です。国家検定は国の物差しで水準を示せる点が強みなので、作品や実績と組み合わせると説得力が増します。

在宅の仕事では、受け手に残るお金の差も大切です。仲介の手数料が大きいサービスでは、同じ金額の依頼でも受け手の手取りが減ります。依頼する側と直接やり取りできる手数料0%の仕組みなら、依頼する側は同じ予算でより多くの仕事を頼め、受け手は手取りが厚くなります。技能の水準を示せる人ほど単価の交渉もしやすくなるので、この差は積み重なると大きくなります。

技能検定は、受検の条件が実務経験と結びついているので、働きながら等級を上げていく検定です。3級から始めて、経験を積むごとに2級、1級と進んでいくと、自分の技能の伸びを国の物差しで確かめられます。まずは自分の仕事に近い職種が一覧の中にあるかを確かめ、受けられる等級を受検資格の一覧で調べるところから始めてください。

よくある質問

Q. 国家検定と国家資格はどう違いますか?

国家検定の代表である技能検定は、技能の水準を国の基準で評価する検定で、合格すると技能士と名乗れます。ただし、技能士でなくてもその職種の仕事をすること自体は禁止されていません。国家資格の中には、医師や税理士のように資格がないとその仕事ができない業務独占の資格や、事業所に置くことが義務になっている必置の資格があります。

Q. 技能検定は全部で何職種ありますか?

厚生労働省によると、令和8年3月3日時点で133職種あります。そのうち111職種を都道府県が、22職種を国から指定を受けた民間の試験機関が実施しています。指定試験機関の職種には、ウェブデザイン、ファイナンシャル・プランニング、知的財産管理、キャリアコンサルティング、接客販売、調理などがあります。

Q. 未経験でも技能検定を受けられますか?

都道府県が実施する職種の3級は、平成30年度から受検資格が緩和され、検定職種に関わる実務の経験がある人が対象になっています。指定試験機関の職種では、ファイナンシャル・プランニングの3級のように実質的に誰でも受けられるものもあります。受検資格は職種ごとに違うので、試験機関の案内で確かめてください。

Q. 「厚生労働省認定」の検定は国家検定ですか?

団体等検定や社内検定のうち、国の基準を満たすと厚生労働大臣が認定したものは「厚生労働省認定」と表記できます。国が認めた検定ではありますが、技能検定とは別の制度で、合格しても技能士とは名乗れません。履歴書には、その検定の正式な名称と級をそのまま書きます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月6日最終更新:2026年10月28日
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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方