未経験から内視鏡室で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

中西 直美
中西 直美
未経験から内視鏡室で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

この記事のポイント

  • ✓内視鏡看護師に未経験から挑戦したい方へ
  • ✓健診センターで仕事の中身がどう違うのか
  • ✓未経験を受け入れている募集の特徴

「内視鏡室の求人に惹かれているんです。でも、スコープに触ったこともないのに応募していいのか分からなくて」。

こういうご相談、本当に多いんです。

病棟や外来で経験を積んできた看護師さんほど、内視鏡看護師に未経験から挑戦することをためらいます。専門の機械、聞いたことのない処置具の名前、医師との息の合った連携。外から見ると、特別な技術を持った人だけの世界に見えますよね。

大丈夫ですよ。内視鏡室は、未経験の看護師を受け入れている職場がちゃんとあります。

ただし、同じ内視鏡の仕事でも、病院の内視鏡室、消化器内科のクリニック、健診センターでは、1日の流れも任される範囲もまったく違います。どこを選ぶかで、慣れるまでの道のりも変わってきます。

この記事では、内視鏡室という職場の中で何が起きているのか、未経験を受け入れている募集にはどんな特徴があるのか、そして入職してから慣れるまでに何を順番に覚えていくのかを、ゆっくりお話ししていきます。

内視鏡看護師が働く3つの職場と、それぞれの特徴

まず、内視鏡看護師がどんな場所で働いているのかを整理しておきます。看護師向けの転職情報サイトでは、次のように説明されています。

内視鏡検査とは、先端に小型カメラやレンズが付いた管を挿入し、食道や胃、十二指腸や大腸を内部から観察・治療するものです。内視鏡看護師は、病院の内視鏡室や内視鏡検査を行うクリニック、検診センターなどで働く看護師を指します。内視鏡看護師になるには、3年ほどの臨床経験が求められる傾向にありますが、内視鏡に関する業務については未経験でも可とされていることも少なくありません。 出典: kango-oshigoto.jp

ここで大切なのは、「臨床経験は求められるけれど、内視鏡の経験は問われないことが多い」という点です。つまり、未経験というのは「看護師として未経験」ではなく、「内視鏡の業務が未経験」という意味で受け入れられている、ということです。

病院の内視鏡室(内視鏡センター) 胃カメラや大腸カメラの検査だけでなく、ポリープの切除、早期がんを内視鏡で切り取る治療、胆管や膵管の検査と治療、消化管からの出血を止める緊急の処置まで、幅広く行います。入院患者さんと外来患者さんの両方が来るので、患者さんの状態もさまざまです。医師、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士など、多くの職種が一緒に働いています。

消化器内科のクリニック 胃カメラと大腸カメラの検査が中心で、ポリープの切除までを日帰りで行うクリニックが増えています。外来の診察と内視鏡を同じ看護師が兼務することが多く、午前は外来、午後は内視鏡という働き方もよくあります。鎮静剤を使って眠っている間に検査をする方針のクリニックでは、検査後の回復を見守る時間が長くなります。

健診センター 人間ドックや健康診断の胃カメラが中心です。受診者さんの多くは健康な方で、治療を行う場面は少なめです。1日の件数は多いですが、検査の流れは決まっていて、覚える内容は3つの中でいちばん絞られています。

どの職場を選ぶかで、慣れるまでに覚えることの量も、緊張する場面の多さも変わります。未経験から始めるなら、まず自分がどの深さまで内視鏡の仕事に関わりたいのかを考えてみると、選びやすくなります。

内視鏡室の1日は、どう動いているのか

内視鏡室の仕事を具体的にイメージするために、午前に胃カメラ、午後に大腸カメラを行う、中規模の病院の内視鏡室を例に1日の流れを見てみます。

8時00分 準備 内視鏡室に入ったら、スコープや洗浄消毒装置の点検をします。吸引や送気が正しく動くか、光源が問題なく点くかを確認し、その日に使う処置具や薬剤をそろえます。

8時30分 検査前の対応 受付を済ませた患者さんの問診をします。持病や飲んでいる薬、特に血をさらさらにする薬を止めているかどうか、アレルギー、過去に鎮静剤で気分が悪くなったことがないかを確認します。同意書がそろっているかも、ここで確かめます。

9時00分から12時00分 胃カメラの検査 のどの麻酔を行い、必要に応じて点滴のルートを確保します。検査が始まったら、患者さんの体の向きを整え、声をかけながら様子を見守ります。医師が組織を採るときには、処置具を渡し、採った組織を正しく容器に入れてラベルを貼ります。1件の検査は10分前後で、午前中に10件から15件ほど行うこともあります。

12時00分 昼休憩 午後に大腸カメラを受ける患者さんは、午前中から腸をきれいにする薬を飲んでいます。休憩の前後に、便の状態を確認して、検査ができる状態になっているかを判断します。

13時30分から16時00分 大腸カメラの検査とポリープの切除 大腸カメラは1件20分から40分ほどかかります。検査中に何度か体の向きを変えるので、その介助をします。ポリープが見つかれば、その場で切除することもあり、処置具の準備と医師との連携が求められます。

16時00分 検査後の観察と説明 鎮静剤を使った患者さんは、リカバリー室で目が覚めるまで様子を見ます。帰る前に、食事を再開してよい時間、出血したときの連絡先、車の運転を控えることなどを説明します。

16時30分 洗浄と片付け 使ったスコープの洗浄と消毒、物品の補充、翌日の準備をします。洗浄は、臨床工学技士や看護助手が担当する職場もあれば、看護師が担当する職場もあります。

こうして見ると、内視鏡室の仕事は「検査中の介助」だけではありません。検査の前、検査の最中、検査の後、そして次の検査のための準備。この4つの流れを、1日に何十回も繰り返していく職場です。

内視鏡室の人員体制と、その中で看護師が担う役割

内視鏡室は、ほかの部署と比べて、いろいろな職種が1つの部屋に集まる職場です。誰が何を担当しているかによって、看護師の仕事の中身が大きく変わります。入職してから戸惑わないように、よくある体制を知っておきましょう。

医師 スコープを操作し、診断と治療を行います。大きな病院では、内視鏡を専門にする医師が複数いて、若手の医師が指導を受けながら検査に入っていることもあります。

看護師 検査の前後の患者さんの対応、鎮静剤を使うときの観察、検査中の介助、処置具の準備を担います。職場によっては、スコープの洗浄や物品の発注まで看護師が担当します。

臨床検査技師 検査中の介助や、採った組織の取り扱いを担当する職場があります。消化器内視鏡技師の資格を持つ臨床検査技師が、介助の中心になっている内視鏡室もあります。

臨床工学技士 スコープや洗浄消毒装置、治療に使う電気の機器の管理を担当します。臨床工学技士がいる職場では、看護師は機械の管理から離れて、患者さんへの看護に集中しやすくなります。

看護助手や医療事務 検査室の片付け、スコープの運搬、受付や予約の管理を担当します。

ここで知っておきたいのは、看護師が「どこまでを担当するか」が職場ごとに違うということです。

臨床検査技師や臨床工学技士がそろっている大きな病院では、看護師は患者さんの安全を守る役割に集中できます。検査中は、介助を検査技師に任せて、看護師は患者さんの頭のそばで呼吸や顔色を見守る、という分担をしている内視鏡室もあります。

一方で、小さなクリニックでは、看護師が2人ほどで、問診から介助、洗浄、片付けまでをすべて担当することがよくあります。覚えることは多いですが、内視鏡室の仕事を最初から最後まで経験できるという面もあります。

未経験から入るときは、「看護師以外にどの職種が何人いるか」を面接で聞いておくと、入職後に自分がどこまで担当するのかを具体的に想像できます。求人票に書かれていないことが多い部分なので、遠慮せずに確認してください。

また、チームの中で長く働いているベテランの看護師や検査技師がいる職場では、教わることが多い一方で、独自の手順や暗黙の決まりがあることもあります。最初は戸惑うかもしれませんが、分からないことをその場で素直に聞く姿勢があれば、たいていは丁寧に教えてもらえます。

未経験を受け入れている募集には、どんな特徴があるか

実際の求人を見ていると、未経験を受け入れている募集には、いくつかの共通する特徴があります。応募先を選ぶときの目安にしてみてください。

1つ目は、外来や病棟との兼務です 「外来と内視鏡室の兼務」「病棟勤務から内視鏡室へのローテーションあり」という形の募集は、未経験者を受け入れていることが多いです。最初は慣れている外来業務を中心にしながら、少しずつ内視鏡の仕事に入っていけるので、いきなり専門の現場に放り込まれる心配が少なくなります。

2つ目は、内視鏡を専門にする医師が指導すると明記されている募集です 求人票に「内視鏡専門医の指導あり」「学会の指導施設」と書かれている場合、教える仕組みが整っていることが多いです。件数が多く、さまざまな検査や治療を見られるので、覚えることは多いですが、学べる環境としては恵まれています。

3つ目は、健診センターの内視鏡の募集です 健診の胃カメラは流れが決まっているため、未経験から入りやすい職場です。パートで午前中だけ、週に数日から、という働き方を選べる募集もよく見られます。

4つ目は、開院したばかりのクリニックです 新しく開院するクリニックでは、全員が同じタイミングでスタートするため、未経験の人も受け入れやすい傾向があります。ただし、教えてくれる先輩がいない場合もあるので、院長や経験者がどこまで指導してくれるのかは、面接でしっかり確認してください。

一方で、「経験者優遇」「即戦力」と書かれた募集は、未経験だと入職後に苦労しやすいです。治療の件数が多い大きな病院の内視鏡センターも、未経験で入るには負担が大きいことがあります。

気をつけたいのは、「未経験可」という言葉だけで判断しないことです。未経験を歓迎していても、実際には教育の担当者がおらず、見て覚えてほしいという職場もあります。このあとの節で、求人票のどこを見ればよいかを詳しくお話しします。

もう1つ、雇用形態によっても入りやすさは変わります。常勤で内視鏡室の専任として入る場合は、早くひととおりの業務を覚えることを期待されます。パートで午前の検査だけに入る場合は、担当する範囲が限られるぶん、覚える内容も絞られます。まずはパートで内視鏡室の仕事に慣れてから、常勤に切り替えたり、件数の多い職場に移ったりする方もいます。家庭との両立を考えている方にとっては、無理のない入り方の1つです。

未経験でも求められる、臨床の基本スキル

内視鏡の経験が問われないとしても、看護師としての基本の力は求められます。転職情報サイトでも、次のように書かれています。

職場にもよりますが、内視鏡看護師は採血・注射・点滴スキルを必要とされる場合がほとんどです。また、病棟業務を兼務するケースも。内視鏡看護師になるには、臨床経験で身に付けた基本的な看護スキルが求められるでしょう。採用に必須の条件ではありませんが、消化器や解剖学の知識を持っていると入職後に役立ちます。 出典: kango-oshigoto.jp

内視鏡室で特に大切になる基本の力を、もう少し具体的に見てみます。

点滴のルート確保 鎮静剤を使う検査では、検査の前に点滴のルートを確保します。1日に何十人もの患者さんに行うので、確実に、手早くできることが求められます。病棟や外来で点滴に慣れていれば、大きな強みになります。

急な変化に気づく観察力 鎮静剤を使うと、呼吸が浅くなったり、血圧が下がったりすることがあります。暗い検査室の中で、モニターの数値と患者さんの顔色、呼吸の様子を同時に見て、変化に早く気づく力が必要です。急性期の病棟で急変に対応した経験がある方は、ここでその経験が活きます。

不安の強い患者さんへの声かけ 内視鏡の検査は、苦しい、怖いというイメージを持っている方が多いです。検査の前に何をするのかを分かりやすく説明し、検査中は「今、半分まで来ましたよ」と声をかけ続ける。こうした関わりで、患者さんの緊張は大きく変わります。

消化器と体のしくみの知識 胃のどの部分か、大腸のどこか、という部位の名前は、医師の指示を正しく受け取るために欠かせません。入職前に、消化器の解剖を一度おさらいしておくと、最初の数週間がずっと楽になります。

「自分には特別なスキルがない」と感じている方も、ここに挙げた力は、これまでの臨床の中で自然に身につけてきたものがほとんどです。未経験というのは、ゼロから始めるという意味ではないんですよ。

もし入職までに少し時間があるなら、準備として2つのことをしておくと安心です。1つは、消化器の解剖の図を見ながら、食道、胃、十二指腸、大腸の部位の名前を声に出して確認しておくこと。もう1つは、鎮静剤を使ったときに起きやすい変化と、その対応をおさらいしておくことです。どちらも、手元にある看護の参考書で十分に確認できます。

入職してから慣れるまで、任される仕事はこう広がっていく

未経験から内視鏡室に入った場合、任される仕事は、段階を追って少しずつ広がっていきます。職場によって違いはありますが、よくある順番をお伝えします。

最初の1か月 検査の前と後を担当する 問診、同意書の確認、前処置の説明、検査後のリカバリー室での観察、帰宅前の説明。まずは、患者さんに直接関わる看護の部分から任されることが多いです。ここはこれまでの看護の経験がそのまま活かせるので、少し安心して始められます。

同時に、検査室の中で先輩の介助を見学します。処置具の名前、医師がどんなタイミングで何を求めるのか、検査の流れを、ひたすら見て覚える時期です。

2か月目から3か月目 胃カメラの介助に入る 比較的流れの決まっている胃カメラの検査から、介助に入ります。組織を採る処置具の受け渡しや、採った組織の取り扱いを覚えます。最初は先輩が隣についてくれる職場が多いです。

4か月目から半年 大腸カメラとポリープの切除に入る 大腸カメラは、体の向きを変える介助や、お腹を押して医師の操作を助ける場面があり、胃カメラより覚えることが増えます。ポリープの切除では、処置具を医師の合図に合わせて操作することもあり、ここで一気に「内視鏡看護師らしい」仕事になっていきます。

半年から1年以降 治療の内視鏡や緊急の対応に入る 病院の内視鏡室では、早期がんの切除や、胆管の治療、出血を止める緊急の処置などに少しずつ関わっていきます。X線を使いながら行う検査では、放射線から身を守る防護具を着けて介助します。

健診センターやクリニックの場合は、治療の段階まで進まないこともあります。そのぶん、半年ほどでひととおりの業務を任されるようになるのが一般的です。

慣れるまでの期間の目安を知っておくと、「まだできない」と焦る気持ちが少し和らぎます。3か月たっても大腸カメラの介助がおぼつかないのは、あなたの力が足りないからではありません。多くの人が通る、自然な途中の段階です。

この段階の進み方は、職場の件数によっても変わります。1日の件数が多い職場では、同じ検査を何度も繰り返すので、早く手が覚えます。件数が少ない職場では、ひとつひとつを丁寧に振り返る時間が取れるぶん、進むペースはゆっくりになります。どちらが良い悪いではありません。自分が学びやすいのはどちらのペースかを考えて、職場を選ぶ材料にしてみてください。

慣れるまでにつまずきやすいことと、乗り越え方

内視鏡室に未経験で入った看護師さんから、よくお聞きするつまずきがあります。先に知っておくと、実際にぶつかったときに「これはみんなが通る道だ」と思えるはずです。

処置具の名前が覚えられない 生検鉗子、スネア、クリップ、局注針。似たような細長い道具がいくつもあり、しかも職場によって呼び方が少しずつ違います。最初の数週間は、医師に言われた道具がすぐに出せず、落ち込むことが多いです。

乗り越え方として効果があるのは、自分用の小さなノートを作ることです。道具の写真を撮らせてもらえるなら撮り、使う場面と一緒に書き留めます。職場の呼び方と正式な名前を並べて書いておくと、覚えやすくなります。

医師のテンポについていけない 内視鏡の検査は、医師の操作と看護師の介助が息を合わせて進みます。最初は、医師が何を求めているのかを先読みできず、ワンテンポ遅れてしまいます。

これは、同じ医師と何度も検査に入るうちに、自然と分かってきます。医師ごとに好みの手順があるので、「この先生はここで必ずこの道具を使う」ということを、少しずつノートに足していきましょう。

暗い部屋での立ち仕事に疲れる 検査室は画面を見やすくするために照明を落としていて、ずっと立ったまま介助します。慣れないうちは、体力的にも気持ちの面でも、思っていた以上に疲れます。

流れ作業のように感じてしまう 件数の多い職場では、患者さんと向き合う時間が短く、「看護をしている実感が薄い」と感じることがあります。そういうときは、検査の前の数分の声かけや、検査後の説明に意識を向けてみてください。短い時間でも、不安な患者さんにとっては大きな支えになります。

患者さんの急な変化が怖い 鎮静剤で呼吸が弱くなる、検査中に血圧が下がる、ポリープを切ったあとに出血する。内視鏡室では、頻度は高くないものの、急な変化が起きる可能性があります。未経験のうちは、そのときに自分が動けるかどうかが不安になります。

この不安を小さくするには、急変時の手順を事前に確認しておくことがいちばんです。救急カートの場所、酸素や吸引の準備、誰に声をかけるのか。職場のマニュアルを読み、分からないところは先輩に聞いておきましょう。「知っている」というだけで、いざというときの動きは大きく変わります。

便の処理や体液に抵抗がある 大腸カメラでは、前処置が十分でない患者さんの便の状態を確認したり、検査中に出てくる体液を処理したりする場面があります。病棟で排泄のケアに慣れている方なら大きな問題にはなりませんが、外来中心で働いてきた方は、最初に少し戸惑うかもしれません。

私自身も、心理の仕事に就いたばかりの頃、専門用語がとにかく覚えられずに苦労しました。周りの人が当たり前のように使う言葉が分からず、話についていけない悔しさで、帰り道に泣いたこともあります。そのとき支えになったのは、分からない言葉を書き留めたノートでした。半年ほどたって見返したとき、最初のページの言葉がすべて分かるようになっていて、少しずつでも前に進んでいたんだと実感できました。

求人票と面接で、実態を確かめておきたいこと

未経験から内視鏡室を目指すなら、応募する前に次の点を確かめておくと、入職してからのギャップを減らせます。

1日の検査件数と、検査の種類 胃カメラと大腸カメラの割合、ポリープ切除や治療の内視鏡をどのくらい行っているか。件数が多いほど経験は積めますが、未経験のうちは負担も大きくなります。

鎮静剤を使う割合 鎮静剤を使う検査が多い職場では、点滴のルート確保と、検査後の観察の比重が大きくなります。

教育の仕組み 入職後に誰が教えてくれるのか、マニュアルはあるのか、ひとりで介助に入るまでにどれくらいの期間があるのか。「見て覚えて」という職場かどうかは、ここで分かります。

兼務の有無 外来や病棟と兼務するのか、内視鏡室の専任なのか。兼務の場合は、内視鏡室に入る日数の割合を聞いておきましょう。

スコープの洗浄を誰が担当するか 看護師が洗浄まで担当する職場では、検査の合間の作業が増えます。

緊急の内視鏡とオンコール 病院の内視鏡室では、夜間や休日の出血などに対応するオンコールがあることがあります。回数と手当を確認してください。

資格取得の支援 内視鏡の業務を一定期間続けると、日本消化器内視鏡学会が認定する消化器内視鏡技師の資格を目指せます。受験に必要な経験を積める職場か、講習会の費用などを支援してくれるかも、長く働くうえでの判断材料になります。

勤務時間と残業の実態 内視鏡室の終わりの時間は、その日の最後の検査が何時に終わるかで決まります。大腸カメラやポリープの切除が長引いたり、緊急の検査が入ったりすると、片付けまで含めて定時を過ぎることがあります。「最後の検査は何時に始まることが多いですか」と聞くと、残業の見当がつきやすいです。

感染対策と放射線への備え 内視鏡室では、スコープの洗浄に使う薬剤や、検査中の体液に触れる機会があります。手袋やガウン、ゴーグルなどの防護具がきちんとそろっているか、X線を使う検査がある職場なら防護具と被ばくの管理の仕組みがあるかも、確かめておきたい点です。妊娠を考えている方は、放射線を使う検査に入らない配慮をしてもらえるかを、事前に相談しておくと安心です。

面接では、可能であれば検査の様子を見学させてもらえないか相談してみてください。検査室の雰囲気、医師と看護師のやり取り、忙しい時間帯の空気は、見学するといちばんよく分かります。

内視鏡室の経験を、その先の働き方につなげる

最後に、フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の視点から、少しお伝えしたいことがあります。

20年この市場を見てきた立場から言えば、専門性の高い職場で積んだ経験は、その職場の外でも生きる場面があります。内視鏡室で身につく「検査の不安を、分かりやすい言葉で和らげる説明の力」は、その代表です。

臨床経験を生かせる働き方を幅広くまとめた看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】では、医療記事の執筆や監修、オンラインの健康相談などが紹介されています。検査を受ける前の不安を和らげる説明文や、病院のウェブサイトの検査案内など、内視鏡室を知る人だからこそ書ける文章もあります。内視鏡室に移ったあとの収入の水準は、公的な統計をもとに看護師の年収や時給をまとめた看護師の年収・単価相場で確認できます。

運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、単発の作業をこなすことより「この人に頼むと分かりやすい」という信頼を積み重ねています。内視鏡室で医師や患者さんとの信頼を少しずつ作っていく過程と、とてもよく似ています。そして、依頼する人と受ける人が直接つながる取引では、間に入る手数料がないぶん、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手数料0%で手取りが厚くなります。双方が得をするこの形は、専門職の方ほど実感しやすいと感じています。

内視鏡室は、検査の件数や医師の方針によって、職場ごとの違いが大きい場所でもあります。ある職場で合わなかったとしても、別の内視鏡室ではのびのびと働ける、ということはよくあります。1つの職場での経験だけで「自分には内視鏡は向いていない」と決めつけないでほしい、というのも、多くの転職の相談を見てきた中で感じていることです。

もちろん、まずは内視鏡室の仕事に慣れることが先です。未経験から新しい職場に飛び込むのは、それだけで大きな一歩です。

処置具の名前が覚えられなくても、医師のテンポに遅れても、大丈夫ですよ。多くの内視鏡看護師さんが、同じところから始めています。まずは求人票で「兼務」「指導体制」「教育の期間」の3つを確かめるところから、始めてみてください。

よくある質問

Q. 内視鏡看護師は本当に未経験でも採用されますか?

内視鏡の業務が未経験でも採用している職場は少なくありません。ただし、採血や点滴などの基本技術と、一定の臨床経験は求められる傾向があります。外来や病棟と兼務する募集、内視鏡専門医の指導があると明記された募集、健診センターの胃カメラの募集は、未経験から入りやすい職場です。

Q. 内視鏡室に慣れるまで、どれくらいの期間がかかりますか?

職場によって異なりますが、最初の1か月は検査の前後の対応と見学、2か月目から3か月目で胃カメラの介助、4か月目から半年で大腸カメラやポリープ切除の介助に入るのがよくある流れです。治療の内視鏡や緊急対応まで含めると、1年以上かけて少しずつ任されていきます。

Q. 病院とクリニックと健診センターでは、どこが未経験に向いていますか?

覚える範囲をしぼって始めたいなら、検査の流れが決まっている健診センターが入りやすいです。検査からポリープ切除までを経験したいならクリニック、治療の内視鏡まで幅広く学びたいなら病院の内視鏡室が向いています。教育の仕組みがあるかどうかを、どの職場でも面接で確認しましょう。

Q. 内視鏡看護師として働くうえで役立つ資格はありますか?

内視鏡の業務を一定期間続けたうえで、日本消化器内視鏡学会が認定する消化器内視鏡技師の資格を目指すことができます。受験には実務経験や講習の受講などの条件があるため、応募する職場で必要な経験を積めるか、講習会の費用などの支援があるかを確認しておくと、長く働くうえで役立ちます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月3日最終更新:2026年9月16日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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