週末だけでMV制作を進めるなら、書き出し時間を土曜の夜に寄せる


この記事のポイント
- ✓MV制作 週末だけで進めるための時間設計をまとめました
- ✓書き出しを土曜の夜に寄せる理由
- ✓週末稼働で請けてよい案件の見分け方
「平日はどうしても手が付けられなくて、週末しか作業できないんです」。このご相談、映像の仕事をしている方から本当によく届きます。
そして、そのあとに続く言葉もだいたい同じです。「だから、日曜の夜になっても終わっていなくて、月曜がつらい」。
大丈夫ですよ。これは根性が足りないわけでも、作業が遅いわけでもありません。週末だけでMV制作を進めるときの時間の組み方が、平日型のやり方のままになっているだけです。
結論からお伝えします。週末稼働でうまくいっている方は、書き出し(レンダリング)の時間を土曜の夜に寄せています。理由は単純で、書き出しは人が起きている必要のない工程だからです。この1点を動かすだけで、日曜の使い方がまったく変わります。
この記事では、週末だけでMV制作を進めるための時間の設計を、土曜の朝から日曜の夜まで順番にお話しします。あわせて、週末稼働で請けてよい案件と避けたほうがいい案件の見分け方、そして続けるための休み方もお伝えします。
週末だけという働き方は、映像の仕事と相性がいい
まず、安心してほしいことがあります。
映像の仕事は、週末稼働と相性が良い部類です。理由は3つあります。
1つ目は、作業が分割しやすいこと。素材の整理、カット編集、テロップ、色調整、書き出し。工程がはっきり分かれているので、「今週は素材整理まで」という区切り方ができます。
2つ目は、成果物で判断される仕事であること。何時に作業したかを問われる場面はほとんどありません。決まった時刻に机に向かう必要がない仕事は、実はそれほど多くありません。
3つ目は、待ち時間があること。これは一見デメリットに見えますが、週末稼働ではむしろ武器になります。この記事の中心になる話なので、あとで詳しくお話しします。
一方で、映像の仕事は時間単位の相場感が見えにくい面もあります。参考までに、映像制作の分野でアルバイトとして募集されているものの水準を見てみます。
平均時給は、1,534円です。(適宜更新) 求人一覧ページでは時給の高い求人に絞って検索したり、時給の高い順に求人を見ることができます。 出典: baitoru.com
平均時給1,534円。これは時間で雇われる形の水準です。週末だけで働く場合、この数字は1つの目安になります。土日で12時間働いたとして、時間給で考えるといくらになるか。自分が請けようとしている案件が、この水準を下回っていないか。そういう見方をしてみてください。
大事なのは、金額そのものではありません。「自分の週末は、これくらいの価値がある時間だ」という感覚を持っておくことです。この感覚がないと、断るべき案件を断れなくなります。
平日夜型と週末集中型は、疲れ方が違う
副業で映像をやる方には、大きく2つのタイプがあります。平日の夜に少しずつ進めるタイプと、週末にまとめて進めるタイプです。
どちらが良いという話ではありません。ただ、疲れ方の質がまったく違います。
平日夜型は、疲労が毎日少しずつ溜まります。本業を終えたあとに1時間から2時間。集中力は落ちているので効率は良くありません。でも、案件との接触が毎日あるので、頭の中から作業が消えません。翌日に再開したときの立ち上がりが早い。
週末集中型は、平日が完全に空くぶん、休息はしっかり取れます。ただし、土曜の朝に机に向かったとき、先週やったことを思い出すところから始まります。この「思い出す時間」が、想像以上に長い。
こういう相談がよくあります。「土曜の午前中は、なんだかぼんやり作業していて、気づいたらお昼になっている」。
これ、集中力の問題ではありません。1週間空いたぶん、記憶を呼び戻す作業が必要なだけです。だから、週末型で大事になるのは、金曜の夜に5分だけ、先週どこまでやったかをメモしておくこと。それだけで土曜の午前が変わります。
この記事を書いている私自身、カウンセリングの記録をつけるようになるまで、週明けに前回の内容を思い出すのに毎回10分以上かかっていました。記録を残すようにしてから、その時間がほとんど消えました。作業の再開コストは、思っているより高いのです。
書き出しは「待ち時間」であって「作業時間」ではない
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
MV制作の工程の中に、書き出し(レンダリング、エンコード)があります。編集した内容を1本の動画ファイルにまとめる処理です。
この工程は、機械が計算している時間です。人が見ている必要はありません。
でも、多くの方が書き出しの間、パソコンの前に座って進捗バーを眺めています。あるいは、書き出しが終わるまで次の作業に取りかかれずに待っています。
MVの尺は3分から5分程度が多いのですが、エフェクトを重ねた映像を高画質で書き出すと、実時間の何倍もかかることがあります。パソコンの性能によっては、1時間を超えることも珍しくありません。
週末だけで作業する人にとって、この1時間は致命的です。土日で使える時間は限られています。そのうちの1時間を、画面を眺めて過ごす。しかも、書き出しが1回で終わることは、まずありません。確認して、直して、また書き出す。この往復が2回3回と重なると、週末の時間が溶けていきます。
土曜の夜に寄せる、という考え方
だから、書き出しは寝る前に始めます。
土曜の夜、その日にできる編集を終えたら、書き出しを開始して寝る。朝起きると、ファイルができています。
これだけです。難しいことは何もありません。でも、これをやっているかどうかで、日曜の使い方が変わります。
書き出しに1時間かかるとして、それを起きている時間にやるか、寝ている時間にやるか。土日で2回書き出すなら、2時間の差が出ます。週末稼働で2時間は大きい。半日分の作業に相当します。
寝る前に書き出すときの注意点を、いくつかお伝えしておきます。
パソコンの電源設定を確認してください。スリープに入ってしまうと、書き出しが止まります。設定を「スリープしない」に変えておく。ノートパソコンの場合は、蓋を閉じない設定にしておくことも必要です。
保存先の空き容量も確認しておきます。書き出したファイルが入りきらずに途中で止まっていた、というのは本当によくある失敗です。朝起きて、何もできていない状態を見るのは、精神的にかなりこたえます。
書き出しの設定も、寝る前に一度見直しておきましょう。解像度、フレームレート、ファイル形式。設定を間違えたまま一晩かけて書き出しても、使えないファイルができるだけです。急いでいるときほど、この確認を飛ばしてしまいます。
日曜の朝は、確認から始める
土曜の夜に書き出したファイルを、日曜の朝に確認します。
このタイミングが良い理由があります。編集直後に見ると、自分が作ったものに目が慣れています。おかしなところに気づけません。一晩空けると、初めて見る人に近い目で見られます。
MVの場合、特に音とのズレは、一晩空けたほうが分かります。編集中は「合っている」と思っていたカットが、翌朝見ると半拍ずれている。これはよくあることです。
確認して、直すところをメモして、日曜の日中に修正する。夕方までに終われば、日曜の夜は自分の時間に戻せます。
この流れができると、日曜の夜に追い込まれることがなくなります。週末稼働で心が折れるのは、たいてい日曜の夜です。ここに余白を作れるかどうかが、続くか続かないかの分かれ目になります。
土日の割り振り、具体的なかたち
参考までに、週末2日をどう使うかの型を1つお示しします。そのまま真似する必要はありません。自分の生活に合わせて動かしてください。
| 時間帯 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 金曜の夜(5分) | 先週どこまでやったかメモ | 土曜朝の立ち上がりを速くする |
| 土曜の午前 | 素材整理、構成の確認 | 頭を使う作業を先に置く |
| 土曜の午後 | カット編集、テロップ | いちばん時間のかかる工程 |
| 土曜の夜(就寝前) | 書き出し開始 | 待ち時間を睡眠と重ねる |
| 日曜の午前 | 書き出したものを確認、修正点をメモ | 一晩空けた目で見る |
| 日曜の午後 | 修正作業、必要なら再書き出し | 余裕を持って終える |
| 日曜の夕方以降 | 休む | ここを守るのがいちばん大事 |
この表で伝えたいのは、細かいスケジュールではありません。「書き出しを睡眠と重ねる」という1点です。
もう1つ、可能であれば意識してほしいことがあります。土曜の午前に頭を使う作業を置くこと。素材の選定や構成の判断は、判断力が必要です。疲れてくると選べなくなります。逆に、カット編集やテロップ入れは、方針さえ決まっていれば手を動かす作業に近い。だから午後に置きます。
週末だけで請けてよい案件、避けたほうがいい案件
週末稼働では、案件を選ぶことがそのまま自分を守ることになります。
まず、募集の総量そのものが多いわけではないことを知っておいてください。映像制作の分野で、週末に働ける形の求人がどれくらいあるか。1つの参考として、東京の映像制作カテゴリで見た件数が公開されています。
求人件数は、現在31件あります。(適宜更新) まだ応募が可能な求人は、新着順で見てみると探しやすいです。求人の応募状況が分かる「応募バロメーター」もご参考ください。 出典: baitoru.com
31件という数字は、条件を絞った状態での件数です。多いとは言えません。だからこそ、業務委託として直接依頼を受ける経路も併せて持っておくと、選択の幅が広がります。
そのうえで、請けてよい案件の条件を挙げます。
第1に、納期が2週間以上先にあること。週末しか動けないということは、1週間で使える時間が土日の2日分しかないということです。納期まで1週間の案件は、実質2日で仕上げる案件です。よほど短いものでない限り、受けるべきではありません。
第2に、平日の即応を求められないこと。「修正はその日のうちに」という条件が付いている案件は、週末稼働では回りません。最初に稼働できる曜日と時間帯を伝えて、それで問題ないかを確認します。
第3に、修正回数の上限が決まっていること。週末稼働にとって、修正の往復は時間の直撃です。1往復に1週間かかるからです。修正3回まで、といった取り決めがあると、全体の日程が読めます。
逆に、避けたほうがいい案件も挙げておきます。
撮影に立ち会う必要がある案件。撮影日は相手の都合で決まります。平日に設定されたら動けません。
急なリリースに合わせる案件。音楽業界では、配信日に合わせてMVを出すことがあります。日程が動かないうえに、直前まで音源が確定しないことがある。週末稼働では吸収できません。
条件が曖昧なまま「とりあえずお願いします」と始まる案件。これは週末稼働に限らず危険ですが、時間が限られている人ほど打撃が大きくなります。
週末稼働で、疲れを溜めないために
ここからは、心と体の話をさせてください。
週末だけで副業をするということは、休みがないということです。平日は本業、土日は副業。この状態を何か月も続けると、必ずどこかで止まります。
こういう相談がよくあります。「最初の2か月は楽しかったのに、3か月目から急にやる気が出なくなった」。
これは意志の問題ではありません。休息が入っていないだけです。
対策を3つお伝えします。
1つ目は、月に1回、完全に空ける週末を作ること。案件を入れない週末をあらかじめ決めて、そこには何も入れない。予定として押さえておかないと、必ず埋まります。
2つ目は、日曜の夕方以降は作業しないと決めること。前に書いた書き出しの時間設計は、このためにあります。日曜の夜に余白を作れると、月曜への切り替えがまったく違います。
3つ目は、作業していない時間に映像のことを考えないようにすること。これがいちばん難しいのですが、頭の中で作業が続いている状態は、体は休んでいても心は休んでいません。金曜の夜にメモを残す習慣は、実はこの効果もあります。書き出してしまえば、覚えておく必要がなくなるからです。
在宅で長時間の作業をすると、集中の質そのものが落ちてきます。時間を区切る以外のやり方については、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで複数のアプローチを紹介しています。映像編集は待ち時間が挟まる作業なので、単純に25分ずつ区切る方法だけでは合わないことがあります。
作業環境そのものも、疲労に直結します。特に回線は、大きなファイルを扱う映像の仕事では作業時間を左右します。上りの速度が足りないと、納品のたびに待たされます。在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方では、回線の種類ごとの向き不向きを比較しています。週末しか作業できない人にとって、待ち時間の削減はそのまま休息時間になります。
週末稼働で身につけておくと楽になるもの
技術的な話も少しだけ。
週末だけで作業する人が身につけておくと楽になるのは、作業を再開しやすくする習慣です。
プロジェクトファイルの中を整理しておく。素材に分かりやすい名前を付けておく。作業の途中で終わるときは、次に何をするかを1行メモに残す。
派手さはありませんが、これができている人は、翌週の土曜に机に向かって5分で作業に戻れます。できていない人は、30分探し物をします。週末稼働では、この差が積み上がります。
資格については、MV制作に直結するものはありません。ただ、週末だけで仕事を受ける以上、依頼者とのやり取りは文章が中心になります。顔を合わせる機会が少ないぶん、文面の印象が信頼のほとんどを作ります。ビジネス文書検定は、見積もりや連絡といった書面の基本を確認できる資格です。映像の腕とは別の部分で、安心して任せてもらえる材料になります。
自宅の作業環境を自分で整えられる知識も、週末稼働では役に立ちます。トラブルが起きたときに、平日の日中に業者を呼べないからです。CCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワークの認定は、本来は技術者向けのものですが、学習内容そのものは自宅の回線や機器の切り分けに応用が利きます。取得を勧めるという意味ではなく、自分の環境を理解しておくと週末が守れる、という話です。
在宅の仕事と資格の関係を全体として整理したものとしては、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるが参考になります。何を取るかより、何のために取るかを決めるほうが先です。
案件の探し方と、週末の時間の価値
週末だけで受けられる映像の仕事を探すとき、どういう依頼があるのかを先に知っておくと、選びやすくなります。
MV制作・BGM付き映像のお仕事では、MVやBGM付き映像の依頼がどんな形で出てくるか、どこまでの範囲が求められるかがまとめられています。案件の全体像が見えると、自分の週末で回せるかどうかの判断がしやすくなります。
音そのものを扱う依頼については作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事が参考になります。映像を作っていると、音の部分まで相談されることがあります。範囲を広げるかどうかは別として、隣の仕事の相場を知っておくと、見積もりの根拠が持てます。
近年は、企業のプロモーションの一部として映像が発注される流れも強まっています。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、その領域でどういう業務が動いているかを確認できます。
報酬の水準を考えるときは、隣接する職種のデータも物差しになります。ソフトウェア作成者の年収・単価相場は在宅で成立する技術職の水準を、著述家,記者,編集者の年収・単価相場は文章仕事の水準を、それぞれ職種分類ベースで確認できます。MV制作は映像と音と文章が混ざる仕事なので、1つの相場だけでは値付けができません。
週末だけで1本仕上げるのに、何週間かかるのか
「週末だけで、MVは何本くらい作れますか」。この質問もよくいただきます。
正直にお答えすると、案件の中身によって大きく変わります。ただ、目安を持っておくと計画が立てやすくなるので、工程ごとに週末何回分かかるかを整理してみます。
素材が撮影済みで届いていて、構成もある程度決まっている編集中心の案件であれば、週末2回から3回が現実的な線です。1回目の週末で素材整理と大まかなカット割り、2回目でテロップと色調整と書き出し、3回目で修正対応。これで3週間弱かかります。
構成から任される案件だと、ここに企画の週末が1回加わります。参考になるMVを集めて、構成案を作って、依頼者に見てもらう。この段階で認識をそろえておかないと、編集を進めてから根本的な作り直しが発生します。
アニメーションやモーショングラフィックスを組む案件は、さらに時間がかかります。1カットずつ作る工程なので、単純に量に比例します。週末稼働でこの手の案件を受けるなら、納期は2か月程度を見込んでおいたほうが安全です。
この見積もりを最初に相手へ伝えることが、実はいちばん大事です。「週末しか稼働できないので、この内容だと3週間ほどいただきます」と先に言う。伝えずに引き受けて後から遅れるより、最初に条件を出して断られるほうが、ずっと健全です。
そして、こういう伝え方をして案件が減ることを心配される方が多いのですが、実際には逆のことが起きます。日程を明確に言える人は、依頼する側から見ると計画が立てやすい相手です。「いつ終わるか分からない人」より「3週間かかると言い切る人」のほうが、次も頼みやすいのです。
平日にできる、5分だけの準備
週末稼働だからといって、平日に何もできないわけではありません。
平日にやってはいけないのは、編集作業そのものです。疲れた頭でカットを切ると、翌週末に見て全部やり直したくなります。時間の無駄になるだけでなく、自信も削れます。
代わりに、平日にやると効くことが3つあります。
1つ目は、参考になる映像を見ておくこと。通勤の途中でも構いません。似た雰囲気のMVを1本見て、どこで画が変わっているか、テロップがどう出ているかを眺める。手を動かさずにできる準備です。
2つ目は、依頼者への返信を書くこと。連絡のやり取りは、まとまった時間を必要としません。週末の作業時間を連絡に使ってしまうのは、いちばんもったいない使い方です。平日の隙間で返しておけば、土曜は最初から手を動かせます。
3つ目は、素材のダウンロードを走らせておくこと。大きなファイルの受け取りは、時間がかかるだけで人の手は要りません。書き出しと同じ考え方です。平日の夜に落としておけば、土曜の朝には手元に全部そろっています。
この3つに共通しているのは、判断も集中も必要ないということです。疲れていてもできる作業を平日に寄せて、頭を使う作業を週末に残す。この振り分けができるようになると、週末2日の密度が変わります。
あわせて、平日の夜に少しだけ意識してほしいことがあります。それは、映像のことを考える時間を意図的に終わらせることです。頭の中で編集を続けていると、体は休んでいても回復しません。「今日はここまで」と決めて、あとは切り替える。この習慣が、3か月目に効いてきます。
週末に机へ向かう前の、10分の点検
もう1つだけ、続けるうえで効く小さな習慣をお伝えします。
土曜の朝、作業を始める前に10分だけ点検の時間を取ってください。やることは3つです。
ストレージの空き容量を見る。書き出し先が埋まっていないか、素材を置く場所が残っているかを確認します。作業の途中で容量が尽きると、その日の予定が丸ごと崩れます。
作業ファイルのバックアップを取る。編集ソフトのプロジェクトファイルは、思いのほか壊れます。週末しか作業できない人にとって、1週間分の作業を失うのは1か月の遅れに直結します。別のドライブかクラウドに、1つコピーを置いておくだけで足ります。
そして、今日のゴールを1行で書く。「今日はカット編集を最後まで終えて、夜に書き出しを開始する」。この1行があるだけで、途中で迷ったときに戻る場所ができます。
この10分は、作業時間を削っているように見えて、実際には失う可能性のある数時間を守っています。焦っているときほど飛ばしたくなる部分ですが、飛ばした週末ほど何かが起きます。
運営者として見てきた、週末稼働が続く人
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、週末だけで長く続いている方の共通点をお伝えします。
続いている方は、作業量を増やそうとしていません。むしろ、同じ量を短い時間で終わらせる工夫にこだわっています。書き出しを夜に回す、素材に名前を付けておく、金曜にメモを残す。どれも小さなことです。でも、この小さな工夫の積み重ねが、日曜の夜の余裕になります。
そしてもう1つ、運営者として見てきた限りでは、続く方ほど「この人に頼むと楽だ」という関係を大切にしています。単発の作業を安く早くこなすのではなく、進行の連絡がきちんと届く、納期が守られる、という信頼を積み上げている。次の依頼は、その信頼のある相手に流れます。週末しか動けないという条件は、その信頼さえあれば、相手にとって大きな障害にはなりません。
最後に、お金の話を1つだけ。同じ金額の案件でも、仲介の手数料が引かれるかどうかで、手元に残る額が変わります。週末だけで働く方にとって、作業できる時間は限られています。限られた時間で得た報酬から、さらに一定割合が引かれるのは、時間単価がそのぶん下がるということです。手数料0%という条件の価値は、金額の大小ではなく、限られた週末が丸ごと自分のものになるという質にあります。
週末だけでも、MV制作は進みます。焦らなくて大丈夫です。まずは、次の土曜の夜、書き出しを始めてから寝てみてください。日曜の朝の景色が変わります。
よくある質問
Q. なぜ書き出しを土曜の夜にすると良いのですか?
書き出しは機械が計算している時間で、人が見ている必要がないからです。エフェクトを重ねたMVは書き出しに1時間を超えることもあり、起きている時間に待つとそれだけ週末が削られます。就寝前に開始すれば朝にはファイルができており、日曜の午前を確認と修正に使えます。
Q. 週末だけで請けても大丈夫な案件の条件は?
納期が2週間以上先にあること、平日の即応を求められないこと、修正回数の上限が決まっていることの3つです。週末稼働は1週間で土日の2日しか動けないため、納期1週間の案件は実質2日仕事になります。撮影立ち会いが必要な案件も平日に設定されやすいので避けます。
Q. 土曜の午前中に集中できないのはなぜですか?
1週間空いたことで、先週どこまで進めたかを思い出す作業が発生しているためです。集中力の問題ではありません。金曜の夜に5分だけ、進捗と次にやることを1行メモに残しておくと、土曜朝の立ち上がりが大きく変わります。素材の名前を整えておくのも同じ効果があります。
Q. 週末副業を続けると疲れが溜まりませんか?
平日が本業、土日が副業だと休みがなくなるため、意識的に休息を組み込む必要があります。月に1回は案件を入れない週末をあらかじめ確保する、日曜の夕方以降は作業しないと決める、この2つが有効です。書き出しを夜に回す時間設計は、日曜夜の余白を作るためのものでもあります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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