共済個人事業主が選ぶなら?節税と老後資金の比較


この記事のポイント
- ✓共済個人事業主の不安に寄り添う完全ガイド
- ✓小規模企業共済の節税効果やデメリット
- ✓iDeCo・NISAとの違い
「会社員のときは退職金があったのに、個人事業主になった今、老後のお金はどうすればいいんだろう」。このご相談、本当に多いんです。
フリーランスや個人事業主になると、給与天引きの厚生年金も、退職金も、ボーナスも、すべて自分で準備することになります。「税金を払うだけで精一杯」「貯金しているけど、これで足りるのか不安」。そんな声を、私はカウンセリングの現場で毎週のように聞いています。
大丈夫。打つ手はあります。今日お話しするのは「共済個人事業主」と検索されている方が知りたいであろう、最大年84万円を全額所得控除にしながら老後資金を積み立てられる仕組み、小規模企業共済のことです。節税と退職金準備を同時にこなせる、個人事業主にとって最も基本的なセーフティネットです。
この記事では、制度の中身、加入資格、メリットとデメリット、iDeCoやNISAとの違い、加入手続きまでを順を追って整理します。読み終えるころには、ご自身が今すぐ動くべきか、もう少し待つべきかの判断軸がはっきり持てるはずです。
個人事業主と「共済」を取り巻く現状
個人事業主・フリーランス人口は、ここ数年で大きく伸びました。内閣府や中小企業庁の各種調査では、本業フリーランスは200万人超、副業を含めれば1,000万人を超える規模で推移しています。一方、その多くが「老後資金の準備が会社員時代より進んでいない」と回答しているのが現実です。
会社員には、厚生年金・退職金・企業型DC(確定拠出年金)といった「自動的に積み立てられる仕組み」が用意されています。ところが個人事業主は、放っておけば国民年金のみ。満額でも受取額は月6.8万円前後にとどまり、これだけで老後を暮らすのは現実的ではありません。
「老後2,000万円問題」が話題になった2019年以降、フリーランス向けに「自分で退職金を作る」発想が一気に広がりました。その代表選手が小規模企業共済です。
一方、フリーランスや個人事業主、中小企業の経営者の中には自分は退職金とは無縁と感じている方も多いでしょう。しかし、打つ手はあります。
私が独立した直後にも、まさに同じ不安に襲われました。「会社員のころに比べて、来年の自分の収入も分からない。なのに将来の備えまで考えるなんて無理」。そう思って3年ほど何も手を付けず、節税できたはずの税金を払い続けてしまった経験があります。これは多くのフリーランスがたどる道です。だからこそ、まず制度の全体像を知ることから始めましょう。
小規模企業共済とは|個人事業主のための「退職金制度」
小規模企業共済は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する、個人事業主・小規模企業の経営者・役員向けの退職金積立制度です。1965年に発足し、2026年時点で在籍加入者は160万人以上。歴史も加入者数も、フリーランス向け制度の中で随一です。
仕組みはシンプルです。
・毎月、自分で決めた掛金(1,000円〜70,000円、500円単位)を積み立てる ・廃業・退職・引退などのタイミングで、共済金として受け取る ・掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除になる
つまり、税金を減らしながら、自分の退職金を自分で作る制度です。会社員が当たり前に受け取っている退職金を、個人事業主が「税優遇付きで自分用に再現する」イメージが一番近いと思います。
掛金月額は途中で増減できます。「事業が伸びた年は7万円」「収入が落ちた年は1万円」というように、その年の事業状況に合わせて柔軟に調整できる点が、長く続けるうえで効いてきます。
公式情報の整理は、中小機構の小規模企業共済の制度ページが最も正確です。掛金や共済金の試算ができる公式シミュレーターもあり、加入前に一度シミュレーションしておくことをおすすめします。
加入資格|「共済個人事業主」の対象範囲
「自分は加入できるのか分からない」というご相談も非常に多いので、ここを丁寧に確認します。
小規模企業共済の主な加入資格は次の通りです。
・建設業・製造業・運輸業・サービス業(宿泊・娯楽業)・不動産業・農業など: 常時使用する従業員が20人以下の個人事業主または会社役員 ・商業(卸売・小売)・サービス業(宿泊・娯楽除く): 常時使用する従業員が5人以下の個人事業主または会社役員 ・上記の事業に従事する共同経営者(個人事業主1人につき2人まで) ・常時使用する従業員が20人以下の弁護士法人・税理士法人などの士業法人の社員 ・農事組合法人の役員(常時使用する従業員20人以下)
ポイントは「常時使用する従業員」のカウントで、家族従業員・共同経営者・短期アルバイトは原則として含めません。多くのフリーランス(一人で事業を運営している人)は、ほぼ自動的に対象になると考えてよい設計です。
一方、注意したいのは次のようなケースです。
・サラリーマンとの兼業で「副業」として個人事業を行っている場合: 開業届を出していて、確定申告で事業所得を計上していれば加入可能 ・配偶者・家族専従者だけのケース: 事業主本人ではないため、原則として加入不可 ・株式会社の代表取締役で、従業員規模が上記を超える企業: 加入不可
「副業フリーランスでも入れますか」とよく聞かれます。事業所得として申告できる規模であれば加入できます。ただし「雑所得レベルのお小遣い副業」は対象外と判断されるケースがあるため、開業届の提出と青色申告の準備を先に整えるのが王道です。在宅で副業を始めたばかりの方は、まず在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説を参考にしながら、安定して稼げる仕事の柱を作るのが先決です。
メリット|なぜ「共済個人事業主」がここまで推されるのか
ここからは、小規模企業共済のメリットを整理します。なぜ多くの税理士が「個人事業主はまずこれから」と勧めるのか、理由は4つあります。
1. 掛金が全額所得控除になる強力な節税効果
掛金は1ヶ月あたり1,000円〜70,000円、年間で最大84万円。これがまるごと「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれます。
例えば、課税所得400万円の個人事業主が月額7万円(年84万円)を積み立てると、所得税・住民税合わせて年間およそ25〜26万円の節税効果が見込めます。20年続ければ500万円超。これは「節税で得した金額」が、自分の退職金の中に上乗せされて戻ってくるイメージです。
さらに、見込み納税金額のシミュレーションも可能。
※なお、売上の3割を経費とした場合の見込み額を表示しています。経費額やその他の控除によって実際の納税額は変化します。
今回は、青色申告65万円控除が一番おすすめの結果となりました。
freeeやマネーフォワードの確定申告ソフトには、共済掛金を含めた節税シミュレーターが組み込まれています。「いくら積み立てればどれだけ節税になるか」を、ご自身の数字で必ず一度確認してみてください。
2. 受取時にも税制優遇がある
「節税して積み立てた分、受け取り時に税金で取られるんでしょう?」という質問もよく受けます。実際は、受取時にもしっかり優遇が用意されています。
・一括受け取り: 「退職所得」として課税。勤続年数(加入年数)に応じた退職所得控除が使え、税負担は給与より大幅に軽い ・分割受け取り(年金形式): 「公的年金等の雑所得」として課税。公的年金等控除が適用される ・一括+分割の併用も可能
つまり、入口(掛金)でも出口(受取)でも税制優遇がある「二段構え」の制度です。これは民間の生命保険・個人年金保険と比較しても、税制面では圧倒的に有利です。
3. 契約者貸付制度がある
個人事業主にとって地味に大きいのが、貸付制度です。積み立てた掛金の7〜9割程度を上限に、低金利で借り入れができます。
・一般貸付け ・緊急経営安定貸付け ・傷病災害時貸付け ・福祉対応貸付け ・創業転業時・新規事業展開等貸付け ・事業承継貸付け ・廃業準備貸付け
事業の運転資金が一時的にショートしたとき、自分の積立を「担保にして」借りられるのは大きな安心材料です。「老後資金として塩漬けになる」のではなく、必要なときには事業のキャッシュフロー対策にも使える、という設計になっています。
4. 共済金は「廃業」「老齢」「死亡」などで受け取れる
受け取り事由が複数用意されているのもポイントです。
・共済金A: 個人事業を廃業した、共同経営者を退任した ・共済金B: 65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ(老齢給付) ・準共済金: 個人事業を法人成りして加入資格を失った ・解約手当金: 任意解約・掛金を12ヶ月以上滞納したなど
中でも「共済金A」と「共済金B」は受給時の利回りが高めに設計されており、20年以上加入すると、納付した掛金以上の額が戻ってくるケースが一般的です。途中解約の場合のみ元本割れする可能性があるため、「長期で続けられる金額で始める」のが鉄則です。
デメリット|知らずに加入すると損する3つの注意点
メリットだけを並べる記事は信用してはいけません。デメリットも冷静に整理しておきましょう。
1. 加入20年未満で任意解約すると元本割れする
最大の注意点はこれです。任意解約(自分の都合でやめる)した場合、加入期間が240ヶ月(20年)未満だと、受け取れる「解約手当金」が掛金合計を下回ります。
「とりあえず月7万円で始めて、お金がなくなったらやめればいい」と考えると、ここで損をします。事業の波で掛金を払えなくなったときは、解約ではなく「掛金の減額(月1,000円まで下げられる)」を選びましょう。1,000円に下げて維持しておけば、加入期間はそのままカウントされ、後から増額もできます。
「不安定だから無理」と感じる方こそ、最低額の1,000円で良いので、まず加入年数のカウントを始めるのがおすすめです。
2. 元本保証ではない(運用リスクは低めだが0ではない)
小規模企業共済は、中小機構が運用するため安全性は高いですが、民間の元本保証商品ではありません。とはいえ、運用は国債や安全性の高い債券中心で、過去に元本割れを起こしていない実績があります。リスクの程度としては、「銀行預金よりはやや高いが、株式投資より大幅に低い」というイメージです。
3. 資金が長期間ロックされる
掛金は基本的に「退職・廃業・老齢」までは戻ってきません。流動性は低い制度です。生活防衛資金(生活費6ヶ月〜1年分の現金)を確保していない段階で、いきなり月7万円を共済に入れるのは危険です。
優先順位としては、
・生活防衛資金(普通預金) ・小規模企業共済(退職金準備+節税) ・iDeCo・つみたてNISA(老後資金の運用)
の順で土台を固めるのが、私がカウンセリングでお伝えしているパターンです。
iDeCo・NISAとの違い|「共済個人事業主」が一番に選ぶべき理由
「共済個人事業主」と検索する方が次に気になるのが、iDeCo・NISAとの違いです。3つの違いを表で整理します。
| 項目 | 小規模企業共済 | iDeCo(個人型確定拠出年金) | つみたてNISA |
|---|---|---|---|
| 掛金上限 | 月70,000円(年84万円) | 個人事業主は月68,000円(年81.6万円) | 月10万円(年120万円) |
| 所得控除 | 全額所得控除 | 全額所得控除 | なし |
| 運用 | 中小機構が運用 | 自分で運用商品を選ぶ | 自分で運用商品を選ぶ |
| 受取時の課税 | 退職所得・公的年金等 | 退職所得・公的年金等 | 非課税 |
| 途中引出 | 廃業・退職時など事由が限定 | 原則60歳まで不可 | いつでも可能 |
| 元本割れ | 20年以上で原則なし | 商品次第で可能性あり | 商品次第で可能性あり |
ポイントは「役割が異なる」ということです。
・小規模企業共済 = 退職金 + 節税(事業を畳んだとき・引退したときの備え) ・iDeCo = 老後資金の運用 + 節税(60歳以降の生活費) ・NISA = いつでも引き出せる中長期の資産形成
3つは「どれか一つを選ぶ」ものではなく、できる範囲で並行して使うのが理想です。とはいえ、すべてを満額やれる個人事業主はそう多くありません。
私がよくおすすめしている順番は、
- 小規模企業共済(最低月1,000円から)で「退職金の枠」を確保
- つみたてNISA(少額からでOK)で流動性のある運用を開始
- 収入が安定してきたらiDeCoを追加
この順です。共済を最初に推す理由は、節税効果が即時に効くこと、そして中小機構という公的運営機関の安心感です。
加入手続き|窓口・オンラインの2ルート
加入手続きは大きく2ルートです。
窓口で手続きする方法
・委託団体(商工会議所・商工会・税理士会など)または金融機関の窓口で申し込み ・必要書類: 契約申込書、預金口座振替申出書、確定申告書の控え(個人事業主の場合)、開業届の控え(開業1年未満の場合)など
商工会議所などの委託団体経由は、加入相談と同時に手続きが進められるため、初めての方にも分かりやすいルートです。
オンラインで手続きする方法
中小機構の「中小企業共済オンライン手続きポータル」から、Web上で申込・本人確認・口座登録まで完結できます。書類郵送やハンコの手間を省きたい方には、こちらが圧倒的に楽です。
オンライン手続きを使う場合は、
・マイナンバーカード(電子証明書) ・スマートフォンまたはICカードリーダー ・確定申告書データ(PDF)
の3点を事前に準備しておくとスムーズです。
加入が完了すると、月々の掛金は登録した預金口座から自動引き落としになります。1年目の年末調整・確定申告から、すぐに節税の効果が出始めます。
確定申告での書き方|「小規模企業共済等掛金控除」欄に記入
「確定申告でどう書けばいいのか分からない」というご質問もよく受けます。確定申告での扱いはシンプルです。
・確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」欄に、その年の払込総額を記入する ・添付書類は、中小機構から毎年11月ごろに送られてくる「小規模企業共済掛金払込証明書」(電子保存または郵送) ・freeeやマネーフォワード クラウド確定申告などのクラウド会計を使えば、控除欄に金額を入力するだけで自動計算される
特別な計算は一切不要です。月1万円を1年間払い込んでいれば「120,000円」と書くだけ。これだけで所得税・住民税が下がります。
国税庁の公式サイトにも、小規模企業共済等掛金控除の仕組みが解説されています。初めての確定申告で不安な方は、無料の電子申告e-Taxを使うと書類作成から提出まで自宅で完結できます。
1時間以上の充実の内容を無料で公開しております。はじめて確定申告を行う方はもちろん、ご経験者の方にも参考になる内容です。
各社の確定申告ソフトは、共済加入者向けの解説セミナーや動画を無料で公開しています。初年度の方は、こうした無料コンテンツを一通り視聴しておくと安心です。
こんな個人事業主に「おすすめ」しやすい
最後に、私が普段カウンセリングで「この方には共済を強くおすすめする」と感じるパターンを整理します。
・所得が安定して300万円を超え始めた個人事業主 ・「来年の所得税が高くなる」と税理士に言われたフリーランス ・国民年金のみで老後が不安なフリーランス・在宅ワーカー ・iDeCoを使っているが、もっと枠を増やして退職金を作りたい人 ・法人成りを将来視野に入れているが、まだ個人事業のうちに節税したい人
逆に「向かない」ケースもはっきりしています。
・所得が低く、所得控除のメリットがほぼ得られない人(無理に加入する必要はなし) ・短期的(5年以内)に解約する可能性が高い人 ・生活防衛資金がまだ作れていない人
「おすすめです」と一律で勧める制度ではありません。ご自身の所得・事業の安定度・他の備えの状況を踏まえて、月1,000円からでも始められるのか、それともまだ早いのかを見極めることが大切です。
私自身、独立3年目で月10,000円から始めました。最初は「こんな少額で意味があるのかな」と思いましたが、年末調整シーズンに節税分を実感してからは、収入が増えるたびに掛金を増やすリズムが定着しました。少額からのスタートでも、20年後・30年後の自分にはきっと感謝されます。
共済加入後に意識したい「働き方の安定化」
共済への加入は、あくまで「土台」です。最も重要なのは、その共済を続けられるだけの事業の安定を作ることです。
事業の安定とは、「単発の高単価案件」ではなく「継続的に発生する案件・スキル」を持つことです。@SOHOにも、長く安定して稼げる仕事カテゴリが揃っています。例えば、AI活用支援は2026年に最も需要が伸びている分野で、企業のAI導入を支援するAIコンサル・業務活用支援のお仕事は単発から顧問契約まで幅広く存在します。
マーケティングやセキュリティといった専門性の高い分野でも、継続契約が前提となる案件が増えています。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事は、長期で関わるほど報酬が安定しやすい代表分野です。
エンジニアの方であれば、業務システムや業務効率化ツールを継続開発するアプリケーション開発のお仕事も、長期契約に発展しやすいカテゴリです。
「自分の単価相場が分からない」と感じる方は、@SOHOの年収データベースをご活用ください。エンジニアの方はソフトウェア作成者の年収・単価相場で実勢を確認できますし、ライターや編集者の方は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で時給・文字単価のレンジを把握できます。共済の掛金を「無理なく続けられる金額」に設定するうえで、相場感は欠かせません。
事務系・ビジネス系のスキルを磨いておきたい方には、ビジネス文書検定のような汎用資格の取得も有効です。技術系であれば、ネットワークの基本資格であるCCNA(シスコ技術者認定)を取っておくと、共済を払い続ける土台となる「継続案件」が獲得しやすくなります。
@SOHO独自データの考察|共済加入と「働き方の継続性」
@SOHOの掲載案件と会員データを観察すると、共済を継続できているフリーランスには共通点があります。
- 1日の働き方が安定している: 朝・昼・夜のリズムが整っていて、収入の波が小さい
- 複数案件・複数クライアントを持っている: 1社依存ではなく、3〜5社程度に分散
- 長期契約を1〜2本持っている: 月収のベースとして毎月一定額が確定している
在宅ワーカーの1日の動き方は、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開が参考になります。生活と仕事のリズムが噛み合っていると、共済の掛金を「固定費」として組み込みやすくなります。
また、収入が安定しているフリーランスほど、作業効率にも気を配っています。集中力の維持は、長期で稼ぎ続けるための地味で重要なスキルです。在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックでは、集中状態を保つ具体的な工夫を整理しています。
@SOHOは、こうした「安定して稼ぎ続けたい個人事業主」を支援することをミッションとしています。@SOHOで案件を獲得するときの手数料は手数料0%(クライアントから差し引かれる仲介手数料がワーカー側に転嫁されない設計)で、受け取った報酬がそのまま事業の利益=共済の原資になります。
「節税しながら退職金を作る」「@SOHOで継続案件を獲得する」。この2つを同時に進めることが、個人事業主としての一番現実的な老後資金戦略です。共済はその最初の一歩として、最も小さく始められる「公的な仕組み」です。月1,000円から始められるという事実を、どうか軽く見ないでください。
ご自身の事業がまだ波打っている段階でも、共済の枠を「予約」しておく感覚で加入年数を伸ばし始めることが、20年後の自分への一番優しい贈り物になります。
よくある質問
Q. 小規模企業共済とiDeCoはどちらを優先すべきですか?
両方並行が理想ですが、片方のみなら事業状況の変化に対応しやすい小規模企業共済が優先されやすい傾向にあります。iDeCoは60歳までの引き出し制限があるため、事業資金の流動性を確保したい個人事業主には、小規模企業共済の柔軟性が使いやすいです。
Q. 小規模企業共済とiDeCo、両方加入してもデメリットはないですか?
基本的にはメリットが上回りますが、注意点は「出口」です。両方を同じ年に「一時金」として受け取ると、退職所得控除の計算上で合算されてしまい、税負担が増える場合があります。受け取り時期を5年以上空けるなどの工夫が必要です。また、どちらも原則として長期間資金が拘束されるため、直近で使う予定のある教育資金や住宅購入資金まで回してしまわないよう注意してください。
Q. 小規模企業共済は途中で掛金の金額を変更できますか?
はい、可能です。月額1,000円から70,000円の範囲内で、500円単位で増額や減額の手続きができます。資金繰りが苦しい時は解約するのではなく、最低額の1,000円に減額して継続することをおすすめします。
Q. 掛金の全額が所得控除になると、具体的にどのくらい節税になりますか?
課税される所得金額によって異なりますが、例えば課税所得が400万円の人が月額7万円(年間84万円)を掛けた場合、所得税と住民税を合わせて年間で約25万円程度の節税効果が見込めます。
Q. どれから始めるのがおすすめですか?
コストパフォーマンスを重視するなら、月額400円で始められ2年で元が取れる付加年金から始めるのがおすすめです。次に柔軟な小規模企業共済、最後に資金拘束のあるiDeCoの順で検討しましょう。
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この記事を書いた人
中西 直美
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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