診療報酬請求事務の資格|試験の内容と難易度


この記事のポイント
- ✓診療報酬請求の資格として知られた診療報酬請求事務能力認定試験は2025年12月の第63回で終了しました
- ✓終了後に取れるメディカルクラークや医療事務管理士などの比較
- ✓履歴書の書き方まで公式の案内をもとに解説します
診療報酬請求の資格を調べている人の多くは、医療事務の仕事に就きたい、あるいはいまの職場でレセプトの担当を任されて力を証明したいと考えている最中です。最初に押さえておきたいのは、医療事務の資格の中で最も難しいとされてきた「診療報酬請求事務能力認定試験」が、2025年12月14日の第63回で終わったという事実です。実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会も、令和8年3月31日に解散しています。
この記事では、この試験がどんな内容で、どれくらい難しかったのかを公式の記録で振り返ったうえで、これから診療報酬請求の力を証明したい人がどの資格を選べばよいのかを整理します。すでに合格している人が履歴書にどう書けばよいか、勉強時間の目安、資格が就職や仕事でどう役立つかまで扱います。
診療報酬請求の資格は2026年にどうなっているか
診療報酬請求事務能力認定試験は、長く「医療事務の資格の中で最も難しい試験」と紹介されてきました。国家資格ではなく、公益財団法人が全国一斉の統一試験として行っていた民間の試験です。医療事務の仕事には国家資格がなく、どの資格も民間の団体が実施しています。その中で、この試験は合格率が低く、合格すると実務の力を認められやすいことで知られていました。
日本医療保険事務協会は、2025年11月19日の告知で、試験の終了と今後の日程を示しました。告知によると、第63回試験を最終回として2025年12月14日に実施し、合格者の発表は2026年2月20日、合格証明書の発行の受付は2026年2月27日の必着で締め切り、2026年3月31日に協会を解散するという流れです。協会のホームページ、電話、FAXも同じ日に閉じると書かれていました。
いま協会のホームページを開くと、トップページに解散したことだけが残っています。
公益財団法人 日本医療保険事務協会は、令和8年3月31日を以て解散いたしました。 出典: iryojimu.or.jp
このため、2026年以降に「診療報酬請求事務能力認定試験を受けたい」と考えても、受ける方法はありません。試験の案内や過去問題を探して見つかるページは、ほとんどが終了前の情報です。古い記事に「年2回、7月と12月に実施」と書かれていても、それは過去の話だと読み替えてください。
一方で、診療報酬を請求する仕事そのものがなくなったわけではありません。病院や診療所は、患者が窓口で払う分以外の医療費を、健康保険の運営者に毎月請求しています。その請求書を作り、点検する人は今後も必要です。資格の名前は変わっても、求められる力は同じです。この記事の後半では、その力を証明できるほかの資格を比べていきます。
診療報酬請求事務とはどんな仕事か
診療報酬とは、病院や診療所が行った診察や検査、薬、手術などに対して支払われる料金のことです。料金は国が決めた「点数表」で1点10円として計算します。患者は年齢や所得に応じて医療費の1割から3割を窓口で払い、残りは健康保険組合や協会けんぽ、市区町村の国民健康保険などに請求します。
この請求に使う明細書をレセプト(診療報酬明細書)と呼びます。レセプトとは、患者ごとに1か月分の病名と行った診療の内容、点数を書き出した請求書のことです。医療機関は毎月10日までに前月分のレセプトをまとめ、審査を行う機関(社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会)に提出します。審査で内容に誤りがあると、請求が減らされたり差し戻されたりします。
診療報酬請求事務の仕事は、大きく分けて次の流れです。
- 受付で保険証やマイナ保険証の情報を確かめ、患者の保険の種類と負担の割合を登録する
- 医師がカルテに書いた診療の内容を、点数表に沿って会計の画面に入力する
- 窓口で患者が払う金額を計算し、会計を行う
- 月末から月初にかけて、1か月分のレセプトを出力し、病名と診療の内容が合っているかを点検する
- 審査から戻ってきた減点や返戻(差し戻し)を確かめ、直して再び請求する
いまは多くの医療機関がレセコン(レセプトを作るコンピュータ)や電子カルテを使っているので、手で計算して明細書を書く場面は少なくなりました。それでも、入力した内容が点数表のルールに合っているか、病名と検査や薬の組み合わせに無理がないかを見分けるのは人の仕事です。機械が出した結果をそのまま信じるのではなく、点数表を読んで誤りに気づける人が求められています。
診療報酬は2年に1度を基本に改定されます。厚生労働省の診療報酬改定のページを見ると、平成22年度から2年ごとの改定の資料が並んでいます。改定のたびに点数や算定のルールが変わるため、一度覚えたら終わりではなく、改定のたびに学び直すことになります。資格の勉強で身につけるのは、個々の点数の暗記よりも、点数表のどこに何が書いてあり、どう引けばよいかという読み方です。
診療報酬請求事務能力認定試験の内容
終了した試験ですが、内容を知っておくと、ほかの資格を選ぶときの物差しになります。協会が公開していた試験概要をまとめると次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施団体 | 公益財団法人日本医療保険事務協会(令和8年3月31日解散) |
| 受験資格 | 問わない |
| 区分 | 医科と歯科に分かれ、それぞれ学科試験と実技試験 |
| 試験日 | 年2回(7月と12月)の日曜日または祝日 |
| 試験時間 | 3時間 |
| 試験地 | 札幌市から那覇市まで全国17か所 |
| 持ち込み | 診療報酬点数表やその他の資料は持ち込み自由 |
| 受験料 | 9,000円(税込、終了前の案内) |
学科試験は、医療保険制度や公費負担医療、介護保険、医療に関わる法律、点数表の解釈などを問う選択式の問題でした。実技試験は、カルテの写しをもとにレセプトを作る問題です。外来と入院の症例が出され、診察料から投薬、注射、処置、手術、検査、画像診断、入院料まで、点数を1つずつ計算して明細書を仕上げます。
点数表を持ち込めるので、暗記の試験ではありません。そのかわり、3時間という限られた時間の中で、膨大な点数表から必要な箇所を探し、正しい点数を算定する速さと正確さが問われました。どの項目が点数表のどのページにあるかを体で覚えていないと、時間内に解き終わりません。
合格の線は、学科と実技の両方に設けられていました。最終回となった第63回の発表では、医科は学科試験が100点満点で70点以上、実技試験が75点以上、歯科は学科試験が80点以上、実技試験が75点以上でした。学科と実技のどちらか一方だけが合格の線を超えても合格にはなりません。両方を満たして初めて合格です。
第63回の医科の実技では、内服薬と手術の薬剤料の問題で薬価の記載が抜けていたため、その部分は採点から外され、95点満点で採点されました。こうした細かな発表まで公開されていたことからも、採点の厳しさが伝わります。
難易度と合格率の推移
診療報酬請求事務能力認定試験が「医療事務の資格で最も難しい」と言われてきたのは、合格率の低さが理由です。協会が公開していた試験実績を見ると、第1回から第62回までの合計で、医科は受験者421,333人に対し合格者129,411人、合格率は30.7%でした。歯科は受験者10,737人に対し合格者4,070人で、合格率は37.9%です。
回ごとの合格率は、おおむね25%から40%の間で上下していました。主な回を並べると次のとおりです。
| 回 | 医科の受験者数 | 医科の合格率 |
|---|---|---|
| 第1回 | 6,657人 | 30.5% |
| 第21回 | 12,998人 | 24.5% |
| 第40回 | 5,665人 | 29.5% |
| 第59回 | 3,659人 | 48.4% |
| 第61回 | 2,594人 | 41.2% |
| 第62回 | 1,482人 | 34.7% |
| 第63回(最終) | 2,056人 | 41.9% |
第63回の医科の合格率は41.9%で、歯科は受験者52人のうち合格者17人、32.7%でした。第52回(令和2年7月)は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止されています。
数字から読み取れることが2つあります。1つは、受験者の数が年々減っていたことです。第21回には医科だけで1万3千人近くが受けていましたが、終わりに近い回では2千人前後まで減っていました。もう1つは、受験者が減るにつれて合格率がやや上がっていたことです。受ける人の多くが、専門学校で学んだ人や実務の経験がある人に絞られていったと考えられます。
難しさの中身は、問題そのものよりも、時間との勝負にありました。医療事務の講座を修了した人でも、点数表を引く速さが足りずに実技を解き終われない例が多かったとされています。民間の講座の解説でも、実務の経験を積んでから挑むことを勧めていました。
合格率が30%前後という点からみても、診療報酬請求事務能力認定試験の難易度は高めだと推察されます。そのため医療事務に携わったことのない初心者では、なかなか合格が難しいと予想されます。 出典: u-can.co.jp
この難しさがあったからこそ、合格者は職場で「レセプトを任せられる人」として見られてきました。試験が終わったいま、その役割は後で紹介する別の資格や、実務の経験そのものが担っています。
試験の終了後に取れる診療報酬請求の資格
診療報酬請求事務能力認定試験に代わって、レセプトを作る力を証明できる資格はいくつかあります。どれも国家資格ではなく、民間の団体が実施しています。公式の案内で今日時点の内容を確かめたものを比べます。
| 資格 | 実施団体 | 受け方 | 受験料(税込) |
|---|---|---|---|
| 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) | 一般財団法人日本医療教育財団 | インターネット試験、毎月複数回 | 8,800円 |
| 医科医療事務管理士技能認定試験 | 技能認定振興協会(JSMA) | 在宅の紙試験、インターネット試験 | 7,500円 |
| 医事コンピュータ技能検定試験 | 一般社団法人医療秘書教育全国協議会 | 会場での試験、年2回 | 公式の案内で確認 |
| 医療事務検定試験 | 日本医療事務協会 | 毎月の試験 | 公式の案内で確認 |
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
日本医療教育財団が昭和49年度から続けている試験で、公式の案内では50年で総受験者数が171万人、合格者数が99万人を超えたとしています。合格すると「メディカルクラーク」の称号が与えられます。医療事務の資格としては受験者の規模が最も大きい試験の1つです。
公式の試験概要によると、受験資格は問わず、試験は毎月、土日を中心に月に複数回、インターネットで行われます。試験官が監視する形式です。学科は50分で医療事務の知識を問う60問、実技は70分で、患者への接し方の2事例、レセプト(出来高請求)の作成2症例、点数の項目ごとの計算15問、医科なら1日分の外来会計の点検と病名との突き合わせ2症例が出ます。学科と実技のそれぞれで得点率70%以上が合格です。参考資料を見ながら解けます。
受付での患者への接し方まで試験に含まれているのが特徴で、窓口の仕事とレセプトの仕事の両方を一度に証明できます。申し込みは試験日の1か月前から1週間前まで受け付けています。
医科医療事務管理士技能認定試験
技能認定振興協会が実施する試験です。公式の案内では、受験資格は問わず、在宅で受ける紙の試験と、インターネットで好きな時に受けられる試験が用意されています。実技試験はレセプトの点検1問と作成2問(外来1問、入院1問)、学科試験は法規、保険請求事務、医学一般から出題されます。
在宅の紙試験の合格基準は、実技が点検と作成の各問題で約60%以上かつ3問の合計で約80%以上、学科が約80%以上と公表されています。受験料は学科と実技の両方で7,500円(税込)です。点検の問題が独立して出るので、レセプトの誤りを見つける力を示したい人に向いています。
医事コンピュータ技能検定試験
医療秘書教育全国協議会が実施する検定で、医療事務の知識に加えて、レセコンを操作してレセプトを作る力を問います。公式の案内によると、出題は領域1が医療事務、領域2がコンピュータに関する知識、領域3がコンピュータを使った実技です。3級、2級、準1級があり、2026年度は7月と11月の年2回、どなたでも受験できます。点数表や薬価基準、ノートの持ち込みは自由ですが、電卓を使えるのは実技の領域だけです。
実際の医療機関ではレセコンでの入力が中心なので、画面の操作まで含めて証明できる点が強みです。一方で、会場のソフトに合わせて操作できる必要があると案内されています。専門学校で学ぶ人が団体で受けることが多い検定です。
医療事務検定試験
日本医療事務協会が実施する検定で、公式の案内では、実務の経験や年齢などの受験資格はありません。医療事務を初めて学ぶ人が最初の目標にしやすい試験です。民間の比較記事では、学習時間の目安をこう紹介しています。
目安の学習時間は約100〜200時間。1日3時間の学習なら1〜2ヶ月で取得可能です。基礎をしっかり固めつつ、まずは「確実に資格を手にしたい」という未経験者に最適です。 出典: co-medical.com
同じ協会は、レセプトの点検に絞ったレセプト点検業務技能検定試験も設けています。受付や会計に加えて請求の仕事を希望する人に向けた試験として案内されています。
レセプトの点検で見落としやすい点
どの資格を目指す場合も、試験と実務の両方で差がつくのはレセプトの点検です。点検とは、出来上がったレセプトを1枚ずつ読み、請求の誤りや漏れがないかを確かめる作業のことです。初めて点検を任された人が見落としやすい点を整理しておきます。
- 病名と診療の内容が合っているか(検査や薬に対して、それを行う理由になる病名が付いているか)
- 算定できる回数や期間の決まりを超えていないか(月に1回までの検査を2回算定していないか)
- 加算の付け忘れや付けすぎがないか(時間外や休日の加算、年齢による加算など)
- 保険の種類や負担の割合、公費負担医療の番号が正しく登録されているか
- 前の月から続いている病名の開始日や、治った病名の終わりの日が正しいか
このうち最も多いのが、病名と診療の内容の食い違いです。医師はカルテに診療の内容を書いても、レセプトに載せる病名まで細かく付けていないことがあります。そのまま請求すると、審査で「この検査を行う理由が読み取れない」として点数を減らされます。点検する人が気づいて医師に確かめれば、こうした減点は防げます。
点検の力は、知識だけでは身につきません。審査から戻ってきた減点の通知を読み、なぜ減らされたのかを点数表で確かめる作業を重ねるうちに、誤りが起こりやすい場所が見えてきます。資格の試験で点検の問題が出るのは、この力が実務で最も求められるからです。試験の勉強でも、作ったレセプトを自分で読み直し、どこで点数を誤ったかを書き出しておくと、点検の目が育ちます。
自分に合う資格の選び方
資格が多くて迷ったときは、次の3つの問いに順に答えていくと絞り込めます。
1つ目は、いま医療機関で働いているかどうかです。まだ働いていない人は、受付や会計の仕事から入ることが多いので、窓口の対応とレセプトの両方を扱うメディカルクラークや、受けやすい医療事務検定から始めると、学ぶ順番と仕事の順番がそろいます。すでに働いていてレセプトを任されている人は、点検の問題が出る医療事務管理士や、レセコンの実技がある医事コンピュータ技能検定のほうが、日々の仕事との重なりが大きくなります。
2つ目は、受けられる日と場所です。インターネット試験や在宅試験は、毎月のように受けられるので、子育てや仕事と両立しながら目指しやすい形式です。会場で受ける試験は日程が年に数回と限られますが、決まった日に向けて勉強の計画を立てやすい面があります。
3つ目は、働きたい職場が何を求めているかです。求人票の「歓迎する資格」の欄を見ると、その地域や職場でよく知られている資格が分かります。病院の規模や地域によって、名前が通りやすい資格は違います。応募したい求人を3件から5件ほど見比べ、何度も出てくる資格を選ぶのが現実的な決め方です。
選ぶときに気をつけたいのは、資格の数を集めることを目的にしないことです。医療事務の資格は内容が重なっている部分が多く、2つ目、3つ目を取っても、採用する側から見た違いはそれほど大きくありません。1つを取ったら、次は実務の経験を積むことに時間を使ったほうが、仕事の幅は広がります。
診療報酬請求の力に加えて、医療機関の中で文書を作る力を示したい人には、事務職の共通の検定も選択肢になります。たとえばビジネス文書検定は、社内外の文書の書き方や表記のルールを問う検定で、医療事務の資格と組み合わせると、報告書や案内文を任されたときの力を示せます。
勉強方法と勉強時間の目安
医療事務の資格の勉強時間は、資格や本人の経験によって大きく変わります。比べやすいように、民間の比較記事が示している目安を見ると、医療事務検定が100時間から150時間、メディカルクラークが200時間、医療事務管理士が350時間から400時間とされています。いずれも目安で、すでに医療機関で働いている人はもっと短く済むことがあります。
勉強の進め方は、どの資格でも大きく変わりません。次の順番で進めると、点数表に振り回されずに済みます。
- 医療保険の仕組みを先に理解する(保険の種類、窓口で払う割合、公費負担医療の考え方)
- 点数表の構成を覚える(基本診療料と特掲診療料の違い、各部の並び)
- 外来のレセプトを1枚作れるようにする(初診料、再診料、投薬、検査の算定)
- 入院のレセプトに進む(入院料、食事、手術、加算の組み合わせ)
- 過去問題や問題集で時間を測って解き、点数表を引く速さを上げる
とくに時間がかかるのは、3番目から4番目にかけてです。外来の1枚を仕上げるまでは、1つの症例に1時間以上かかることも珍しくありません。何度も同じ種類の症例を解いているうちに、点数表のどこを開けばよいかが分かるようになり、時間は少しずつ縮まります。
独学か講座かで迷う人も多いはずです。独学は費用を抑えられますが、レセプトの作り方は文章だけでは分かりにくく、つまずいたときに質問できる相手がいないと止まってしまいます。通信講座や専門学校は費用がかかるかわりに、添削や質問の仕組みがあり、受験の申し込みまで案内してくれます。働きながら学ぶ人は、ハローワークの職業訓練や、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象になっている講座があるかも確かめておくと、費用の負担を抑えられることがあります。対象の講座や条件は変わるので、申し込む前に窓口で確かめてください。
点数表は改定のたびに新しい版が出ます。試験は施行されている制度に基づいて出題されるので、古い版の点数表やテキストで勉強すると、覚えた点数が試験で通用しません。中古のテキストを使う場合は、何年度の改定に対応しているかを必ず確かめましょう。
すでに合格している人の履歴書の書き方
診療報酬請求事務能力認定試験に合格している人は、試験が終わったあとも合格の事実は変わりません。履歴書の資格欄には、これまでどおり書けます。
書き方の例は次のとおりです。
- 2023年12月 診療報酬請求事務能力認定試験(医科)合格
- 2024年7月 診療報酬請求事務能力認定試験(歯科)合格
医科と歯科は別の試験なので、どちらに合格したのかをかっこで添えておくと、採用する側に正しく伝わります。年は和暦でも西暦でもかまいませんが、履歴書全体でどちらかにそろえます。
気をつけたいのは、合格を証明する書類です。協会は解散に合わせて合格証明書の発行の受付を2026年2月27日(必着)で締め切っており、いまは新しく発行してもらうことができません。合格したときに受け取った認定証は、再発行ができないものと考えて大切に保管してください。応募先から合格の証明を求められたときは、手元の認定証の写しを出すことになります。
認定証をなくしてしまった場合は、面接でその事情を正直に伝えるのが基本です。そのうえで、いまの職場でレセプトを担当してきた年数や、点検で減点を減らした取り組みなど、実務の経験を具体的に話せば、資格の証明がなくても力は伝わります。
ほかの資格の正式な名前は、実施団体の表記に合わせます。たとえばメディカルクラークは「医療事務技能審査試験(医科)合格」、医療事務管理士は「医科 医療事務管理士技能認定試験 合格」、日本医療事務協会の検定は、協会の案内どおり「医療事務検定試験 合格」と書きます。称号だけを書くより、試験の正式な名前を書いたほうが、どの団体の資格かが伝わります。
資格が就職と仕事にもたらすもの
医療事務の仕事は、資格がなくても就けます。求人には「未経験可」「資格不問」と書かれたものも多くあります。それでも資格が役に立つ場面は3つあります。
1つ目は、応募の条件を満たせることです。日本医療保険事務協会が合格者に行ったアンケートでは、「当試験合格が応募条件になっている求人もあるので、選択肢が増え有利になる」「実務経験はないが、当試験に合格していることで採用(評価)された」という声が紹介されていました。資格は、実務の経験がない人にとって、知識があることを示す数少ない手段です。
2つ目は、職場での評価と手当です。同じアンケートでは「昇給した」「手当が付くようになった」「パートから正社員になった」という声もありました。ただし、資格手当があるかどうか、金額がいくらかは職場によって大きく違います。手当がない職場も珍しくありません。手当を期待する場合は、応募の前に求人票や面接で確かめておきましょう。
3つ目は、仕事の幅が広がることです。受付と会計だけでなくレセプトの点検まで任されるようになると、医療機関の収入に直接関わる仕事を担うことになります。請求の誤りに気づいて減点を防げる人は、どの医療機関でも頼りにされます。
医療事務の知識は、医療機関の外でも活かせます。診療報酬や医療保険の仕組みを正しく説明できる人は、医療機関向けのサービスを作る会社や、医療の情報を発信する仕事でも重宝されます。医療の記事を書くライターの仕事はその1つで、専門の知識がある書き手は、一般の書き手と比べて任される記事の幅が広がります。書く仕事を始めるときの実績の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、作例の選び方と並べ方を解説しています。専門分野を持つことで単価を上げる考え方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が参考になります。
医療や介護の事業所で働く人が講座を受ける場合、事業所の側が国の助成金を使って研修の費用を負担する仕組みもあります。介護や福祉の事業所での例は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で、対象となる研修と申請の流れを紹介しています。勤め先に研修の補助があるかを一度聞いてみる価値はあります。
在宅でレセプトの仕事はできるのか
医療事務の資格を調べる人の中には、在宅でできる仕事を探している人もいます。結論から書くと、レセプトの作成や点検を自宅で請け負う仕事は、ないわけではありませんが、数は多くありません。
理由は、レセプトが患者の病名や診療の内容という、とくに慎重に扱うべき個人の情報だからです。医療機関は、こうした情報を外に持ち出すことに強い制限をかけています。点検の仕事を外の業者に任せる場合も、多くは業者の事務所や医療機関の中で行われ、個人が自宅で受ける形はまれです。
在宅で医療事務の知識を活かす道としては、次のようなものが考えられます。
- 医療事務の講座やテキストの添削、問題の作成
- 医療機関向けのシステムやサービスの説明書、案内文の作成
- 医療や医療保険をテーマにした記事の執筆や校正
- 医療機関の求人や広報の文章づくり
いずれも、患者の個人情報に触れずに済む仕事です。医療事務として一定の年数を働き、知識と経験を積んだ人が、副業や在宅の働き方として選ぶことが多い分野です。「在宅でレセプト入力をするだけで稼げる」とうたって、教材費や登録料を先に払わせる募集には注意してください。仕事を紹介する前にお金を求める募集は、仕事の実態がないことがあります。迷ったときは、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます。
運営者の目から見た医療事務の資格の活かし方
フリーランスと在宅ワークの仲介に2004年から関わってきた立場から見ると、医療の分野で長く仕事を続けている人には共通点があります。資格を取ったことで満足せず、改定のたびに点数表を読み直し、「何が変わったか」を自分の言葉で説明できる状態を保っていることです。資格の名前より、新しいルールをすぐに飲み込める人だという信頼のほうが、仕事を任される理由になっています。
もう1つの共通点は、医療機関の中の仕事と外の仕事をつなげて考えていることです。医療事務の経験を、記事の執筆や講座の添削、医療機関向けのサービスの説明づくりに広げていく人は、経験の年数がそのまま強みになります。こうした仕事を直接の取引で受けると、仲介の手数料が差し引かれない分、同じ予算でも受け取る額が厚くなり、依頼する側もより多くの仕事を頼めます。手数料0%で依頼者と直接やり取りできる仕組みは、専門の知識を持つ人ほど価値を発揮しやすい形です。
医療の知識に加えて、新しい道具を使いこなす力も求められるようになっています。医療機関では、問い合わせの対応や書類づくりにAIを取り入れる動きが出てきています。業務にAIを取り入れる手伝いがどんな仕事なのかは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の内容と求められる力をまとめています。医療事務の現場を知っている人は、現場の手順を理解したうえで道具の使い方を提案できるので、この分野でも強みを持てます。
診療報酬請求事務能力認定試験は終わりましたが、診療報酬を正しく請求する力の価値は変わりません。いま医療事務を目指す人は、受けやすい資格で基礎を固め、実務の経験を重ねながら、点数表を読む力を磨いていくのが確かな道です。すでに合格している人は、その合格を実務の経験と合わせて語れるように準備しておくと、試験がなくなったあとも評価につながります。文書の作り方まで含めて事務の力を示したい人は、ビジネス文書検定の出題範囲も確かめておくとよいでしょう。
よくある質問
Q. 診療報酬請求事務能力認定試験はいまも受けられますか?
受けられません。実施していた日本医療保険事務協会は、2025年12月14日の第63回を最終回として試験を終え、令和8年3月31日に解散しました。合格証明書の発行の受付も2026年2月27日で締め切られています。これから診療報酬請求の力を証明したい人は、メディカルクラークや医療事務管理士、医事コンピュータ技能検定など、いまも実施されている民間の資格を選びます。
Q. 診療報酬請求事務能力認定試験に合格していれば、履歴書に書けますか?
書けます。試験が終わっても合格した事実は変わらないので、「診療報酬請求事務能力認定試験(医科)合格」のように、医科か歯科かを添えて書きます。ただし、合格証明書を新しく発行してもらうことはできないため、合格したときの認定証は大切に保管してください。証明を求められたら、その写しを提出します。
Q. 医療事務の資格の中で、どれが一番難しいですか?
終了した診療報酬請求事務能力認定試験は、医科の合格率が通算で30.7%と低く、最も難しい部類とされていました。いま受けられる資格は、公式の合格基準や出題の形式がそれぞれ違うため、一概に順位は付けられません。レセプトの点検まで問う医療事務管理士や、レセコンの実技がある医事コンピュータ技能検定は、実務に近い力が求められます。
Q. 医療事務の資格がなくても、診療報酬請求の仕事に就けますか?
就けます。医療事務には国家資格がなく、資格を問わない求人も多くあります。ただし、資格を応募の条件や歓迎の条件にしている職場もあり、実務の経験がない人にとっては知識を示す手段になります。まず受付や会計の仕事から入り、働きながら資格の勉強を進めてレセプトの担当を目指す人も多くいます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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