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医事コンピュータ技能検定の難易度|級ごとの内容

@SOHO編集部
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医事コンピュータ技能検定の難易度|級ごとの内容

この記事のポイント

  • ✓医事コンピュータ技能検定は難しいのかを
  • ✓3級・2級・準1級の審査基準
  • ✓3つの領域とすべての領域で6割以上という合格基準

医事コンピュータ技能検定が難しいのかどうかは、医療事務の仕事をめざす人や、医療事務の専門学校で受験を勧められた人が気になる点です。結論から言うと、医事コンピュータ技能検定の難しさは、級ごとの範囲の違いよりも、医療事務、コンピュータの知識、実技の3つの領域のすべてで6割以上を取らなければならない合格基準にあります。どれか1つの領域が苦手だと、ほかの領域で高得点を取っても合格できません。特に実技の領域では、会場のパソコンに入っている医事コンピュータ(レセプトを作るための専用ソフト)を操作してレセプトを作るため、ソフトの操作に慣れていない人には大きな壁になります。この記事では、試験を実施する一般社団法人医療秘書教育全国協議会の公式の案内で、級ごとの内容、合格基準、2026年度の日程と受験料を確かめ、難しさの正体と勉強の進め方を説明します。

医事コンピュータ技能検定とはどんな試験か

医事コンピュータ技能検定は、医療機関の受付や会計、診療報酬の請求に関わる事務の力を、コンピュータの操作とあわせて確かめる検定です。実施しているのは一般社団法人医療秘書教育全国協議会で、国家資格ではなく、民間の団体が実施する検定です。

協議会は、この検定の目的を次のように説明しています。

医療機関のIT化が進み、各部門でコンピュータが活用され、コンピュータがなければ、現在の医療活動はなりたちません。したがって、 そこに従事する者にとってコンピュータ技能は必須の技能といえます。医事コンピュータ技能検定試験では、医療事務、コンピュータの知識、レセプト作成能力が問われています。 出典: 医療秘書教育全国協議会

レセプトとは、医療機関が患者に行った診療の内容と費用を、健康保険の運営者に請求するための明細書のことです。患者は医療費の一部を窓口で払い、残りは医療機関が健康保険の運営者に請求して受け取ります。この請求の書類を正しく作ることが、医療事務の中心の仕事の1つです。現在はほとんどの医療機関が専用のソフトでレセプトを作っているため、医療事務の知識とソフトの操作の両方ができる人が求められています。

受験資格はなく、誰でも受験できます。医療事務の専門学校や短期大学の授業の一環として、学校単位でまとめて受ける団体受験が多いのが特徴ですが、個人で申し込むこともできます。

医事コンピュータ技能検定の3つの領域

試験は3つの領域に分かれています。協議会の案内では、出題内容は次のとおりです。

領域 出題内容 試験時間
領域Ⅰ 医療事務 領域Ⅰ・Ⅱあわせて60分
領域Ⅱ コンピュータ関連知識 同上
領域Ⅲ 実技(オペレーション) 60分

領域Ⅰの医療事務では、医療保険の制度や、診療報酬点数表の決まり、患者の負担金の考え方などが問われます。診療報酬点数表とは、診察や検査、薬などの値段を点数で定めた国の基準のことで、1点が10円として計算されます。

領域Ⅱのコンピュータ関連知識では、コンピュータの仕組み、ソフトウェア、ネットワーク、医療の情報システムなどが問われます。級が上がるにつれて、セキュリティや個人情報の保護、電子カルテの制度など、医療機関の情報管理に関わる内容が増えていきます。

領域Ⅲの実技では、カルテや診療の伝票を見ながら、医事コンピュータに情報を入力してレセプトを作ります。作ったレセプトの内容をマークシートに転記して解答する形です。

持ち込みが自由なのは大きな特徴

医事コンピュータ技能検定では、点数表や薬価基準(薬の値段の一覧)、ノートなどの持ち込みが、すべての領域で自由とされています。電子機器は使えませんが、電卓は領域Ⅲでのみ使えます。ただし、協議会の個人受験の案内では、領域Ⅲのマークシートに転記するときには、持ち込んだ点数表やノートは使えないとされています。

持ち込みが自由だと聞くと簡単そうに思えますが、試験時間は限られています。点数表のどこに何が書いてあるかを把握していないと、調べているうちに時間がなくなります。持ち込みの資料を使いこなせるかどうかも、試験の難しさの一部です。

合格基準はすべての領域で6割以上

医事コンピュータ技能検定の難しさを決めているのが、合格の基準です。協議会の審査基準では、全級共通の合格基準が次のように示されています。

配点は、領域I60点、領域II60点、領域III60点で180点満点とする。 領域I、II、III、ともに60%以上正解のとき合格となります。 出典: 医療秘書教育全国協議会(審査基準)

つまり、180点満点のうち合計で108点を取っても、どれか1つの領域が6割に届かなければ不合格です。たとえば、医療事務の領域Ⅰで満点を取っても、コンピュータ関連知識の領域Ⅱで6割に届かなければ合格できません。

医療事務の勉強を中心にしてきた人は、コンピュータの用語を問う領域Ⅱでつまずきやすく、パソコンに慣れている人は、点数表の決まりを問う領域Ⅰや、レセプトを作る領域Ⅲでつまずきやすい傾向があります。得意な領域で点数を稼ぐ戦い方ができないことが、この検定が難しいと言われる一番の理由です。

級ごとの内容と難しさ

医事コンピュータ技能検定には、3級、2級、準1級の3つの級があります。協議会の審査基準をもとに、級ごとの違いを見ていきます。

3級は外来のレセプトを作る基礎の力

3級の審査基準では、医療事務と医事コンピュータについての基礎的な知識を持ち、カルテと診療伝票をもとに医事コンピュータで正しいレセプトを作れることが求められています。

領域Ⅰでは、医療保険制度の概要、保険証などの種類と患者の負担金、外来診療(在宅医療を含む)の点数の算定の知識が問われます。領域Ⅱでは、コンピュータの5つの装置と機能、周辺装置、ソフトウェアやオペレーティングシステムの種類、ワープロソフトの基本操作など、コンピュータの基礎が中心です。領域Ⅲでは、簡単な算定の要件が付いた平均的な外来診療のカルテから、レセプトを作ります。

医療事務の基礎を学んだばかりの人が最初に受ける級で、外来のレセプトに範囲が絞られているため、医療事務の勉強を一通り終えていれば十分に合格をめざせます。

2級は入院のレセプトまで範囲が広がる

2級では、医療事務と医事コンピュータについての一般的な知識を持ち、カルテと診療伝票をもとに正しいレセプトを速やかに作れることが求められます。3級との大きな違いは、入院診療の点数の算定が加わることです。

領域Ⅰでは、複雑な外来診療と入院診療の点数の算定に加え、DPC(診断群分類別包括支払制度)の基礎的な知識も問われます。DPCとは、入院した患者の病名と治療の内容に応じて、1日あたりの医療費の額を決める仕組みのことです。領域Ⅱでは、ネットワーク、インターネット、表計算ソフトの基本操作、データベース、医療の情報システムの概要などが問われます。領域Ⅲでは、やや複雑な算定の要件や施設の基準が付いた外来と入院のカルテからレセプトを作り、患者の負担金も計算します。

入院のレセプトは、外来に比べて記載する項目が多く、算定の決まりも複雑です。3級に比べて勉強の量が大きく増えるため、ここで難しさを感じる人が多くなります。

準1級はDPCのレセプトを作る専門の力

準1級では、医療事務と医事コンピュータに関する専門的な知識を持ち、やや複雑なカルテから専用のソフトでDPCのレセプトを作れることが求められます。

領域Ⅰでは、社会保険と公費負担の各法の幅広い知識、レセプトや計算の誤りを指摘する力、審査機関から戻されたレセプトや減点されたレセプトへの対応の知識などが問われます。領域Ⅱでは、ネットワークとサーバの機能、セキュリティのリスクと対策、個人情報の保護、医療情報に関する国の施策、電子カルテシステムの制度などが問われます。領域Ⅲでは、DPCの制度を理解したうえで、正確なDPCのレセプトを作ります。

準1級は、病院の入院の医事の部門で中心となって働ける水準の力が求められる級です。DPCのレセプトは、病名の選び方と診療の内容の組み合わせで金額が大きく変わるため、知識だけでなく実務に近い判断が必要です。最も難しい級と考えてよいでしょう。

級 主な範囲 難しさの目安
3級 外来のレセプト、コンピュータの基礎 医療事務の基礎を学んだ人が最初に受ける
2級 外来と入院のレセプト、ネットワークや表計算 入院の算定が加わり勉強の量が大きく増える
準1級 DPCのレセプト、セキュリティや医療情報の施策 入院の医事の中心となる専門の力が必要

2026年度の試験日と受験料

協議会の案内では、2026年度の試験は年2回で、日程は次のとおりです。

回 3級 準1級・2級 願書の受付期間
第61回 2026年7月4日(土) 2026年7月5日(日) 5月4日から6月4日まで
第62回 2026年11月14日(土) 2026年11月15日(日) 9月14日から10月14日まで

受験料は、準1級が10,000円、2級が9,000円、3級が7,500円です。準1級と2級の併願は19,000円、2級と3級の併願は16,500円とされています。3級と準1級・2級は試験日が分かれているため、2級と3級を同じ回にあわせて受けることもできます。

個人で受験する場合は、願書を出す前に、受験する会場で使われているソフトを確認することが大切です。協議会の案内でも、一般の人も受験できるものの、受験会場のソフトに対応する必要があるとされています。医事コンピュータのソフトは会社ごとに画面や操作の流れが違うため、練習で使ってきたソフトと会場のソフトが違うと、実技の領域で思うように操作できません。

受験票は試験日の約2週間前に届き、合否は試験日の約1か月後に通知されます。合格者には合格証が無料で発行され、合否通知とともに送られます。

不合格でも合格した領域は2年間有効

医事コンピュータ技能検定には、合格領域有効制度という仕組みがあります。協議会の案内では、すべての領域に合格できなかった場合でも、最初の受験で合格した領域は2年間有効とされています。

検定試験の結果が「全領域合格」でない場合でも、最初の受験で合格した領域は 2 年間有効です。 出典: 医療秘書教育全国協議会(合格領域有効制度について)

有効期間の中で再び受験し、不合格だった領域に合格すれば、すべての領域の合否通知書を添えて協議会に申請することで、合格証の交付を受けられます。

ただし、注意点がいくつかあります。2回目以降の受験でも、すべての領域を受験する必要があり、不合格だった領域だけを受けることはできません。対象は2024年6月の検定以降の合否通知書で、申請は受験した本人だけが行えます。申請には期間があり、合否通知が届いた月の翌月末までとされています。合格証が届くまでには通常2か月から3か月かかります。

合否通知を紛失した場合は、手数料2,000円を払う必要があると案内されています。合格領域有効制度を使う可能性がある人は、合否通知書を大切に保管しておきましょう。

この制度があることで、一度にすべての領域で6割以上を取れなくても、2年の間に苦手な領域を克服すれば合格できます。全領域の合格を求める基準の厳しさを、ある程度和らげる仕組みと言えます。

難しいと言われる理由を整理する

ここまでの内容をもとに、医事コンピュータ技能検定が難しいと言われる理由を5つに整理します。

1つ目は、すべての領域で6割以上を取る必要があることです。医療事務、コンピュータ、実技の3つの力をバランスよく身につける必要があり、得意な領域だけで合格することはできません。

2つ目は、実技でソフトの操作が求められることです。医療事務の知識があっても、ソフトの操作に慣れていなければ、時間内にレセプトを作れません。練習の環境が整っていない人にとっては、実技の準備が大きな負担になります。

3つ目は、診療報酬の決まりが細かいことです。点数の算定には、算定できる回数や組み合わせの制限など、多くの決まりがあります。持ち込みが自由でも、決まりを理解していなければ、点数表のどこを見ればよいのか分かりません。

4つ目は、診療報酬が定期的に改定されることです。診療報酬は原則として2年に1度改定され、点数や算定の決まりが変わります。古いテキストや問題集で勉強すると、現在の決まりと違う内容を覚えてしまうおそれがあります。受験する年度の試験に対応したテキストを使いましょう。

5つ目は、医療の用語に慣れる必要があることです。カルテには、病名や検査、薬の名前が略語で書かれていることも多く、何を指しているのかが分からないと、正しい項目を選んで入力できません。医療事務の勉強と並行して、よく出てくる医療の用語や略語を少しずつ覚えておくと、実技の領域で迷う時間が減ります。

医事コンピュータ技能検定の勉強の進め方

医事コンピュータ技能検定に合格するための勉強の進め方を、段階ごとに紹介します。

医療事務の基礎を先に固める

最初に取り組みたいのは、医療事務の基礎です。医療保険の制度、保険証の種類と患者の負担の割合、診療報酬点数表の構成を理解していないと、実技の領域でもレセプトを正しく作れません。協議会は、検定に対応したテキストとして、建帛社の医事コン検定テキストを案内しています。問題集は、3級が土屋書店、2級がケアアンドコミュニケーションから出ています。

点数表を引く練習をする

持ち込みが自由な点数表を使いこなすには、どこに何が書いてあるかを体で覚えることが大切です。初診料、再診料、検査、投薬、注射など、よく使う項目のページに付箋を貼り、問題を解くたびに点数表を引く練習を繰り返します。調べる速さが上がると、試験時間に余裕が生まれます。

コンピュータの用語を表にまとめる

領域Ⅱのコンピュータ関連知識は、医療事務を中心に学んできた人が後回しにしがちな領域です。5つの装置、周辺装置、ソフトウェアの種類、ネットワークの用語など、出てくる言葉を表にまとめて、意味と例を書いておくと覚えやすくなります。2級や準1級では、セキュリティや個人情報の保護の用語も増えるため、早めに手を付けておきましょう。

実技はソフトに触れる時間を確保する

実技の領域では、ソフトに触れた時間がそのまま力になります。専門学校で学んでいる人は、授業や自習の時間に、学校のソフトでレセプトを作る練習を繰り返しましょう。個人で受験する人は、受験する会場のソフトを確認し、同じソフトで練習できる講座や環境を探すことが大切です。

練習では、時間を計りながら解くことを心がけます。最初は時間がかかっても、同じ種類のカルテを繰り返し入力するうちに、操作の流れが身についてきます。過去の問題は協議会に注文できるので、本番と同じ形の問題で練習しておくと安心です。練習で作ったレセプトは、模範解答と1項目ずつ見比べ、どこで点数がずれたのかを記録しておくと、同じ誤りを繰り返さずに済みます。

個人で受験するときの申込みの流れ

学校の団体受験ではなく、個人で受験する場合の流れを、協議会の案内に沿って整理します。

  1. 協議会のサイトから受験願書をダウンロードして印刷する
  2. 一般会場の一覧から受験する会場を選び、会場で使われているソフトを確認する
  3. 願書に必要な事項を記入し、受付期間内に送付する
  4. 締切期日までに受験料を銀行振込で支払う(振込依頼人の名前は出願者本人にする)
  5. 試験日の約2週間前に届く受験票を受け取る
  6. 試験を受け、約1か月後に届く合否通知を確認する

注意したいのは、受験料の振込の名義です。協議会の案内では、出願者以外の名義で振り込んだ場合、願書を受理できない可能性があるとされています。家族の口座から振り込む場合などは、振込依頼人の名前を出願者本人の氏名に変えて手続きしましょう。振込手数料は受験者の負担です。

会場の選び方も大切です。一般の会場は数が限られているため、住んでいる地域から通える会場があるか、その会場のソフトで練習できるかを、願書を出す前に確かめておきましょう。

医療機関でのレセプトの仕事の流れ

医事コンピュータ技能検定で問われる力が、実際の仕事のどこで使われるのかを知っておくと、勉強の意味がつかみやすくなります。

医療機関の受付では、患者が来院すると、保険証などで受診の資格を確かめ、受付の情報を医事コンピュータに入力します。診察が終わると、カルテや診療の伝票に書かれた診療の内容を入力し、その日の医療費と患者の負担金を計算して会計をします。

1か月の診療が終わると、患者ごとに1か月分の診療の内容をまとめたレセプトを作ります。作ったレセプトに誤りがないかを点検し、決められた期限までに審査支払機関に提出します。この点検の作業では、病名と検査や薬の組み合わせが適切か、算定の回数の制限を超えていないかなどを、1件ずつ確かめます。

月の初めはレセプトの作成と点検が集中する時期で、医療事務の仕事が最も忙しくなります。検定の実技で、限られた時間の中で正確にレセプトを作る練習をしておくことは、この忙しい時期の仕事に直接つながります。

3か月で合格をめざす学習の計画

3級や2級を、医療事務の基礎を学んだうえで3か月ほどかけて準備する場合の計画の例を紹介します。

最初の1か月は、医療事務の領域を中心に学びます。テキストで医療保険の制度と点数表の構成を確かめ、初診料や再診料、投薬、注射、検査など、外来でよく出てくる項目の算定を問題で練習します。並行して、点数表に付箋を貼り、引く練習を始めます。

2か月目は、コンピュータ関連知識の領域と実技の領域を進めます。コンピュータの用語を表にまとめて覚え、問題集で確かめます。実技は、ソフトで外来のカルテを入力する練習から始め、操作の流れに慣れていきます。2級を受ける人は、この時期に入院の算定とカルテの入力も練習します。

3か月目は、3つの領域を通しで解く練習をします。過去の問題を本番と同じ時間で解き、どの領域が6割に届いていないかを確かめます。届いていない領域があれば、残りの期間はその領域に時間を集中させます。合格にはすべての領域で6割以上が必要なので、得意な領域の点数をさらに上げるより、苦手な領域を基準まで引き上げることを優先しましょう。

試験当日の時間の使い方

試験当日は、領域Ⅰと領域Ⅱをあわせて60分、領域Ⅲが60分です。時間の使い方を事前に決めておくと、落ち着いて解けます。

領域Ⅰと領域Ⅱは、あわせて60分の中で解く順番を自分で決められます。点数表を引く必要がある領域Ⅰに時間がかかりやすいので、先に領域Ⅱのコンピュータ関連知識を解いて、残りの時間を領域Ⅰに使う人もいます。どちらの順番が自分に合うかは、過去の問題を解く練習の中で確かめておきましょう。

領域Ⅲの実技では、入力の誤りに気づかないまま進むことが一番の失敗です。カルテを1行ずつ確かめながら入力し、最後に入力した内容とカルテを見比べる時間を残すようにします。マークシートに転記するときは持ち込みの資料が使えないので、転記の前に必要な数字をすべて確かめておくことが大切です。

どの級から受けるかの選び方

初めて受ける人は、どの級から受けるかで迷うことがあります。基本の考え方は、今の自分が扱えるレセプトの範囲に合わせることです。

医療事務の勉強を始めたばかりの人や、外来のレセプトしか学んでいない人は、3級から受けるのが確実です。3級で3つの領域の出題の形に慣れておくと、2級に進んだときに、入院の算定という新しい範囲の勉強に集中できます。

入院のレセプトまで学んでいる人や、医療機関で外来の会計の経験がある人は、2級から受けてもよいでしょう。不安がある場合は、2級と3級を同じ回に併願する方法もあります。3級は土曜日、2級は日曜日に行われるため、両方を続けて受けられます。

準1級は、2級に合格し、入院の医事の実務やDPCの仕組みに触れてから挑戦するのが現実的です。DPCのレセプトは、教科書の知識だけでは判断が難しい場面が多いため、実務の経験があると理解が大きく進みます。

医事コンピュータ技能検定が向いている人

医事コンピュータ技能検定の勉強は、次のような人に向いています。

  • 医療事務の知識を、実際のソフトの操作と結び付けて身につけたい人
  • 細かな決まりを1つずつ確かめながら、正確に作業を進めることが苦にならない人
  • パソコンの操作に慣れていて、医療の分野でその力を活かしたい人

反対に、パソコンの操作に強い苦手意識がある人は、最初は領域Ⅱと領域Ⅲで苦労するかもしれません。ただ、医療機関の仕事では、受付から会計、レセプトの作成まで、ほぼすべての場面でコンピュータを使います。検定の勉強を通じてコンピュータの基礎とソフトの操作に慣れておくことは、医療事務の仕事を始めてからの負担を減らすことにもつながります。

医事コンピュータ技能検定はどんな人に役立つか

医事コンピュータ技能検定は、医療機関の医事の部門で働きたい人にとって、レセプトを作る力とコンピュータの操作の力を示す材料になります。特に、医療事務の専門学校を出て、病院や診療所の受付や会計、レセプトの業務に就きたい人には、学んだことを形にする目標として役立ちます。

医療事務の仕事には、国家資格のように資格がないと就けない仕事はほとんどありません。採用では、資格よりも、実際にレセプトのソフトを扱った経験や、窓口での対応の力が重視されることも多くあります。そのため、医事コンピュータ技能検定は、持っているだけで採用が決まる資格というより、医療事務の知識とソフトの操作の両方を学んだことを示す材料として考えるのが現実的です。

同じ協議会は、医療秘書技能検定や電子カルテ実技検定も実施しています。医療機関の受付や秘書の仕事に関心がある人は医療秘書技能検定、電子カルテの入力の補助に関心がある人は電子カルテ実技検定と、目指す仕事に合わせて組み合わせると、学んだことの幅を示せます。

医療事務の仕事で長く働くために身につけたい力

検定に合格したあと、医療事務の仕事で長く働くためには、資格試験の範囲を超えた力も求められます。

1つ目は、改定に合わせて学び直す姿勢です。診療報酬は定期的に改定され、そのたびに点数や算定の決まりが変わります。改定の時期には、医療機関の中で新しい決まりを確かめる勉強会が開かれることも多く、積極的に参加して知識を新しく保つことが大切です。

2つ目は、正確さを保つ習慣です。レセプトの誤りは、審査機関からの返戻(書類の差し戻し)や減点につながり、医療機関の収入に直接影響します。入力したあとに必ず見直し、分からない算定は推測で進めずに確認する習慣が、信頼される医療事務職の条件です。

3つ目は、患者への丁寧な対応です。医療事務の仕事は、レセプトの作成だけでなく、受付や会計で患者と接する仕事でもあります。体調の悪い患者や不安を抱えた患者に、落ち着いて分かりやすく説明できる力は、どの医療機関でも求められます。

医療事務の知識を在宅の仕事に活かす選択肢

医療事務の知識は、医療機関の中だけで使えるものではありません。医療保険や診療報酬の仕組みを解説する記事の執筆、医療事務の学習教材の作成や校正、医療機関向けの案内文の作成など、医療事務の知識を持つ人が求められる在宅の仕事もあります。

文章の仕事で依頼を受けるには、書いたものの見本を依頼主に見せられる形に整えておく必要があります。見本の選び方からまとめ方まではWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で紹介しています。医療のように専門性の高い分野を書ける人は、単価の交渉で有利になりやすく、その進め方はWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で段階ごとに説明しています。

なお、患者の情報を扱う仕事を在宅で受ける場合は、個人情報の扱いに特に注意が必要です。依頼の内容に患者の情報が含まれるときは、情報の受け渡しの方法や保管の決まりを、依頼主と事前に確かめておきましょう。

在宅ワークの仲介サイトを2004年から運営してきた編集部として見てきた限りでは、医療や保険の知識を持つ人が文章の仕事で長く続くかどうかは、正確さを保ちながら、初めて調べる人に通じる言葉で書けるかで決まる傾向があります。窓口で患者に医療費の仕組みを説明してきた経験は、そのまま強みになります。仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手元に残る金額が厚くなります。専門性のある人ほど、この構造の恩恵を受けやすいと感じています。

受験を決める前の整理

医事コンピュータ技能検定の受験を考えている人に向けて、要点を整理します。

  • 誰でも受験できるが、実技は会場のソフトで行うため、同じソフトで練習できる環境があるかを先に確かめる
  • 合格にはすべての領域で6割以上が必要で、苦手な領域を作らない勉強が欠かせない
  • 3級は外来、2級は入院、準1級はDPCのレセプトが中心で、級が上がるほど範囲が広がる
  • 合格した領域は2年間有効なので、一度で全領域に合格できなくても再挑戦できる

医療事務の仕事では、レセプトのほかにも、患者への案内文や院内の連絡文書を作る機会があります。文書の書き方を体系的に学びたい人は、ビジネス文書検定の資格ガイドで、試験の内容と身につく力を確かめてみてください。

医事コンピュータ技能検定は、医療事務、コンピュータ、実技の3つの力をバランスよく求める検定です。難しさの中心は、すべての領域で6割以上という基準と、ソフトの操作にあります。自分の苦手な領域を早めに見つけ、点数表を引く練習とソフトの操作の練習を積み重ねれば、合格は十分にめざせます。

よくある質問

Q. 医事コンピュータ技能検定は独学でも合格できますか?

医療事務とコンピュータの知識の領域は、検定に対応したテキストと問題集で独学できます。難しいのは実技の領域で、会場のパソコンに入っている医事コンピュータのソフトでレセプトを作る必要があります。ソフトは会社ごとに操作が違うため、受験する会場のソフトを確認し、同じソフトで練習できる講座や環境を確保してから受けるのが現実的です。

Q. 医事コンピュータ技能検定の合格基準はどうなっていますか?

領域Ⅰ(医療事務)、領域Ⅱ(コンピュータ関連知識)、領域Ⅲ(実技)にそれぞれ60点が配点され、180点満点です。合格には、3つの領域すべてで60%以上の正解が必要です。合計点が高くても、1つの領域でも6割に届かなければ不合格になるため、苦手な領域を作らない勉強が欠かせません。この基準は全級共通です。

Q. 3級と2級はどのくらい難しさが違いますか?

3級は外来診療のレセプトと、コンピュータの基礎が中心です。2級になると入院診療の点数の算定が加わり、DPCの基礎や、ネットワーク、表計算、データベースの知識も問われます。入院のレセプトは記載する項目が多く算定の決まりも複雑なため、3級に比べて勉強の量が大きく増え、難しさを感じる人が多くなります。

Q. 一部の領域だけ不合格だった場合はどうなりますか?

合格領域有効制度により、最初の受験で合格した領域は2年間有効です。期間内に再び受験して不合格だった領域に合格すれば、合否通知書を添えて申請することで合格証の交付を受けられます。ただし、再受験のときもすべての領域を受ける必要があり、対象は2024年6月の検定以降の合否通知書です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月1日最終更新:2026年11月3日
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