LP制作で成果が出ない発注の共通原因|デザインより先に確認すべき導線設計 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
LP制作で成果が出ない発注の共通原因|デザインより先に確認すべき導線設計 2026

この記事のポイント

  • LP制作を発注したのに成果が出ない企業に共通する原因を
  • デザイン以前の導線設計・要件定義・発注先選びの観点から解説
  • 費用相場と失敗しない依頼の流れも紹介します

LP制作を外注したのに、思ったような成果が出ない。広告費だけがかさんで、コンバージョン率が上がらない。この記事にたどり着いた方の多くは、すでに一度LP制作を発注し、結果に納得できていないのではないでしょうか。

結論から言います。LP制作で成果が出ない最大の原因は、デザインの良し悪しではありません。発注前の要件定義導線設計の甘さです。見た目が洗練されたLPでも、ターゲットの検討段階とCTAの配置がずれていれば、コンバージョンには結びつきません。この記事では、発注者側が見落としがちな原因を整理し、次回の発注で同じ失敗を繰り返さないための具体策を解説します。

LP制作市場の現状とマクロ視点

LP制作は中小企業やEC事業者にとって、もはや特別な投資ではなく定常的なマーケティング施策の一部になっています。広告運用と連動したLP改善のニーズは年々高まっており、特にリスティング広告やSNS広告の効果を最大化する目的でLPを新規制作、あるいはリニューアルする企業が増加しています。

一方で、経済産業省の調査でも指摘される通り、中小企業のデジタルマーケティング投資は増加傾向にあるものの、投資対効果の検証体制が追いついていないという課題があります。LPを作ったものの、公開後の効果測定や改善のPDCAを回せていない企業が少なくありません。

成果の出るランディングページ制作においては、「届けたい」ユーザーと実際に「届けられる」ユーザーがイコールではない可能性を念頭に置くことが非常に大切です。 出典: conversion-labo.jp

この指摘は非常に本質的です。発注者が「届けたい」と考えているターゲット像と、実際に広告経由で流入してくるユーザーの検討段階には、しばしばズレが生じます。このズレを埋めないまま制作会社にデザインだけを依頼すると、見た目は良くても成果につながらないLPが出来上がります。

LP制作の費用相場は、依頼範囲によって大きく変わります。フルスクラッチのデザイン制作のみであれば10万円から30万円程度、コーディングを含めた一式であれば20万円から50万円程度が一般的な相場帯です。さらに、公開後の運用・改善(LPO)まで含めると、月額3万円から10万円程度の継続費用が発生するケースもあります。制作会社経由で依頼すると、ここに仲介マージンが上乗せされ、同じ品質でもフリーランスへの直接依頼より割高になる傾向があります。

LP制作で成果が出ない発注側の共通原因

発注者側にヒアリングをしていくと、成果が出ないLPには共通するパターンがあることが見えてきます。ここでは代表的な5つの原因を、発注の工程に沿って解説します。

原因1: ターゲット像とペルソナの解像度が低いまま発注している

多くの発注担当者は「30代の会社員向け」「中小企業の経営者向け」といった大枠のターゲット設定だけで制作会社に発注してしまいます。これでは制作会社側も、どのような悩みに刺さるキャッチコピーを書けばよいか判断できません。

成果の出るLPを作るには、発注前に「このLPに来る人は、どんな検索キーワードで、どんな心理状態でたどり着くのか」を言語化しておく必要があります。例えば同じ「経理代行サービス」のLPでも、「今すぐ経理担当者が退職して困っている」という緊急度の高いユーザーと、「将来的にコストを見直したい」という検討初期のユーザーでは、刺さる訴求がまったく異なります。この解像度の差が、そのままLPの成果差になって表れます。

原因2: ファーストビューで離脱される設計になっている

LPの成果を左右する最大の要素はファーストビューです。ユーザーがLPに訪れて最初の3秒から5秒で「自分に関係ある情報だ」と認識できなければ、そのまま離脱されます。

発注時によくある失敗は、企業ロゴやコーポレートイメージを大きく配置し、肝心の「誰の・どんな悩みを・どう解決するか」というメッセージが小さく埋もれてしまうケースです。ブランディングを優先しすぎたファーストビューは、広告経由の初訪問ユーザーには響きません。発注者は「かっこいいデザイン」ではなく「一目で価値が伝わるデザイン」を明確に依頼する必要があります。

原因3: CTAボタンの配置と文言が行動を妨げている

CTA(コールトゥアクション)は、LPの中で最もコンバージョンに直結する要素です。にもかかわらず、発注時にCTAの設計まで具体的に指示する発注者は多くありません。「お問い合わせはこちら」という汎用的な文言のボタンを1つ設置するだけで終わっているLPが少なくないのです。

成果が出るLPでは、スクロールに応じて複数箇所にCTAを配置し、それぞれの文言をユーザーの検討段階に合わせて変えています。「無料相談を予約する」「資料をダウンロードする」「まずは料金表を見る」といったように、行動のハードルを段階的に用意することで、離脱を防ぎながらコンバージョンを積み上げる設計が求められます。

原因4: 入力フォームの負担がコンバージョンを阻害している

せっかくCTAをクリックしてもらえても、入力フォームの項目が多すぎたり、必須項目の判断が不明瞭だったりすると、そこで離脱されてしまいます。フォームの入力項目数は、コンバージョン率に直結する要素として広く知られていますが、発注段階でフォーム設計まで具体的に指示している発注者はまだ少数派です。

依頼先には「フォーム項目は必要最小限にする」「入力エラーはリアルタイムで表示する」「スマートフォンでの入力しやすさを検証する」という条件を明記しておくべきです。特にスマートフォン経由の流入比率が高い業種では、フォームのタップしやすさがコンバージョン率を大きく左右します。

原因5: 表示速度の要件を発注時に指定していない

デザインが優れていても、ページの表示速度が遅ければユーザーは離脱します。画像を多用したリッチなLPほど、この問題が起きやすい傾向があります。発注時に「表示速度何秒以内」「画像は圧縮して納品」といった技術要件を明記しないと、制作会社側はデザインの見栄えを優先し、表示速度を後回しにしがちです。

モバイル回線での表示速度は、体感で3秒を超えると離脱率が大きく上昇するとされています。発注仕様書には、必ず表示速度に関する要件を数値で明記しておくことが重要です。

LP制作の依頼範囲と費用の内訳

LP制作を発注する際は、「何を・どこまで・誰に」依頼するのかを明確にしておく必要があります。依頼範囲によって費用も大きく変わるため、発注前に整理しておきましょう。

依頼範囲の3パターン

依頼範囲は大きく分けて3つのパターンがあります。

デザインのみを依頼する場合、費用は比較的抑えられますが、コーディングやサーバー設定は自社または別業者で対応する必要があります。デザインとコーディングを一式で依頼する場合、公開までワンストップで完結しますが、その分費用は上がります。さらに広告運用やLPOまで含めて依頼する場合、継続的な費用は発生するものの、公開後の改善サイクルを外部に任せられるという利点があります。

費用相場の内訳を理解する

LP制作の見積書には、以下のような項目が含まれることが一般的です。

・ディレクション費(要件整理・進行管理) ・デザイン費(ワイヤーフレーム作成・ビジュアルデザイン) ・コーディング費(HTML/CSS/JavaScriptでの実装) ・ライティング費(コピーライティング・キャッチコピー作成) ・撮影費(オリジナル画像・写真素材が必要な場合) ・公開後の運用費(アクセス解析・LPO改善)

制作会社によっては、これらを一式パッケージとして提示することもあれば、項目ごとに個別見積もりを出すこともあります。発注者としては、内訳が不明瞭な一式見積もりよりも、項目ごとの内訳が明示された見積もりを比較検討する方が、費用の妥当性を判断しやすくなります。

代理店や仲介会社を通すと、この見積もりに仲介マージンが上乗せされることが一般的です。ディレクション業務を仲介会社が担い、実制作はフリーランスに再委託するという構造の場合、同じ制作内容でも仲介マージン分だけ発注者の負担が増えます。フリーランスへ直接依頼できれば、この中間マージンが発生しない分、同じ予算でより手厚い制作範囲を依頼できる可能性があります。LP制作・HTML/CSSコーディングのお仕事では、LP制作を専門とするフリーランスの業務範囲や依頼の流れを紹介しています。

失敗しないLP制作の発注手順

成果につながるLPを作るには、発注前の準備が9割を占めます。ここでは具体的な発注手順を、実務のステップに沿って解説します。

ステップ1: 目的とKPIを数値で定義する

まず、そのLPで何を達成したいのかを数値で定義します。「問い合わせ数を月20件獲得する」「資料請求のCVRを3%にする」といった具体的なKPIがなければ、制作会社側も何を基準に設計すればよいか分かりません。KPIが曖昧なまま発注すると、納品後に「思っていたのと違う」というトラブルの原因になります。

ステップ2: ターゲットの検討段階を整理する

先述の通り、同じ商材でもユーザーの検討段階によって刺さる訴求は異なります。緊急度の高いユーザー向けなのか、比較検討中のユーザー向けなのかを整理し、それを発注時に明文化して伝えます。可能であれば、実際の顧客インタビューやアンケート結果を制作会社に共有すると、より精度の高い設計につながります。

ステップ3: 競合LPを複数リサーチして共有する

同業他社や競合のLPを3件から5件程度リサーチし、良い点・改善したい点を整理してから発注すると、制作会社との認識合わせがスムーズになります。「このLPのファーストビューは良いが、CTAの配置は自社には合わない」といった具体的なフィードバックがあると、制作の手戻りを減らせます。

ステップ4: 発注先を比較検討する

発注先の候補は、制作会社(代理店型)、フリーランス(個人)、クラウドソーシング経由の3パターンに大別されます。それぞれにメリット・デメリットがあります。

代理店型の制作会社は、ディレクション体制が整っている一方で費用が高くなりがちです。フリーランスへの直接依頼は、費用を抑えられる一方で、ディレクション力や実績の見極めが発注者側に求められます。クラウドソーシング経由は手軽ですが、手数料が別途発生する点と、実力の見極めに時間がかかる点に注意が必要です。

見積もりを比較する際は、金額だけでなく「過去の制作実績」「ヒアリングの丁寧さ」「公開後のサポート範囲」を必ず確認しましょう。私自身、初めて外注したときは金額の安さだけで発注先を決めてしまい、ヒアリングがほとんどないまま制作が進み、完成したLPが想定していたターゲット像とずれていた経験があります。見積書の金額欄だけを見比べるのではなく、提案書の中身まで確認することの重要性を痛感しました。

ステップ5: 公開後の運用体制を決めておく

LPは公開して終わりではありません。アクセス解析を見ながら、ファーストビューやCTAの文言をA/Bテストで改善していく運用(LPO)が成果を左右します。発注時に「公開後の運用は誰が担当するのか」を決めておかないと、公開後にLPが放置され、改善サイクルが回らないまま広告費だけが消化されていくという事態になりかねません。

LP制作会社・フリーランス選びで失敗しないためのチェックリスト

発注先を選ぶ際、以下のポイントを確認しておくと失敗のリスクを減らせます。

・過去の制作実績にコンバージョン改善の実例があるか ・ヒアリングシートや要件定義書のフォーマットが用意されているか ・納品後の修正回数や範囲が契約書に明記されているか ・表示速度やスマートフォン対応について具体的な提案があるか ・公開後の運用サポート(LPO)を依頼できるか

これらを事前に確認せずに発注すると、納品後に「修正は追加費用」「運用は別契約」といったトラブルに発展しやすくなります。契約前に必ず書面で確認しておきましょう。

そして、「何から始めていいか分からない」と感じたその時こそ、WEB制作会社への相談のタイミング。 小さな一歩が、大きな成果のスタートになります。

この指摘の通り、何から手を付けてよいか分からない状態で自己判断だけで進めるより、早い段階で専門家に相談し、要件整理から一緒に進める方が、結果的に手戻りの少ない発注につながります。ただし、相談する相手が代理店なのかフリーランスなのかによって、費用構造は変わってくる点は押さえておくべきです。

外注先の候補として、AIツールやマーケティング関連の専門スキルを持つ人材を探す場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、LP改善に必要な分析スキルを持つ人材の業務範囲を確認できます。

LP制作後の運用でよくある失敗

LPは公開後の運用フェーズでも、発注者側の判断ミスによって成果を落とすケースがあります。代表的な失敗パターンを整理します。

失敗1: 効果測定の指標を決めずに公開してしまう

LPを公開したものの、どの指標を見て改善判断をすればよいか決めていないケースが少なくありません。CVR(コンバージョン率)、直帰率、平均滞在時間など、最低限追うべき指標を公開前に決めておく必要があります。

失敗2: A/Bテストを実施せず感覚で改善してしまう

「なんとなく見た目を変えたい」という感覚だけで改善を重ねると、かえって成果が悪化することもあります。ファーストビューやCTA文言の改善は、必ずA/Bテストで検証しながら進めるべきです。

失敗3: 広告のターゲティングとLPの訴求がずれたまま運用を続ける

広告の配信ターゲットを変更したにもかかわらず、LPの訴求内容を更新しないまま運用を続けてしまうケースもあります。広告とLPは常にセットで見直す必要があります。

独自データ考察:直接依頼と仲介経由の費用構造の違い

発注者が代理店経由でLP制作を依頼する場合、制作費用に加えてディレクション費や仲介マージンが上乗せされる構造が一般的です。一方、実制作を担うフリーランスへ直接依頼できれば、この中間コストが発生しない分、同じ予算でより手厚い制作範囲(コピーライティングの追加提案、LPO運用の継続依頼など)を確保できる可能性があります。

手数料0%で個人と直接契約できる仲介サービスを利用すれば、発注者は中間マージン分の予算を、制作の質や運用期間に振り向けられます。特にLPは公開して終わりではなく、公開後の改善運用まで見据えた継続的な依頼になりやすいため、月々の運用費用に中間マージンが乗り続けるかどうかは、長期的な費用対効果に大きく影響します。

20年この市場を見てきた立場から言えば、LP制作で長く良い関係を続けている発注者と受注者の組み合わせには共通点があります。それは、単発の制作案件で終わらせず、公開後の運用改善まで見据えて同じ相手に継続依頼している点です。毎回新しい相手に一から要件を説明するコストは、発注者にとって見えにくいものの決して小さくありません。一度信頼できる相手が見つかれば、次回以降のヒアリングコストが大きく下がり、結果として成果につながるLPを短い期間で作れるようになる傾向が見られます。

また、運営者として見てきた限りでは、中間マージンが発生しない直接取引は、発注者と受注者の双方にとって合理的な構造になり得ます。発注者は同じ予算でより多くの作業を依頼でき、受注者は同じ作業でも手取りが厚くなります。額面の金額だけを見比べるのではなく、その予算で「実際にどこまでの制作範囲・運用期間をカバーできるか」という視点で発注先を検討することが、長期的な成果につながる選び方だと考えられます。

LP制作の発注は、デザインの好みだけで判断するものではなく、ターゲット像の解像度、導線設計、公開後の運用体制まで含めた総合的なプロジェクトです。発注前の準備を丁寧に行うことが、結果的に最も費用対効果の高いLP制作につながります。年収相場から発注先の実力を推し量りたい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場や、LPのコピーライティングを担う人材の相場感を知りたい場合は著述家,記者,編集者の年収・単価相場も参考になります。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. LP制作を外注する場合、費用相場はどのくらいですか?

デザインのみなら10万円から30万円程度、コーディングを含めた一式なら20万円から50万円程度が目安です。公開後の運用まで依頼すると月額3万円から10万円程度の継続費用が発生することもあります。

Q. 成果が出ないLPの原因はデザインではないのですか?

デザインの見た目よりも、ターゲット像の解像度不足やCTA・フォーム設計の甘さが主な原因です。発注前の要件定義を丁寧に行うことで、成果につながりやすくなります。

Q. 制作会社とフリーランス、どちらに発注すべきですか?

代理店型はディレクション体制が整う一方で費用が高くなりがちです。フリーランスへの直接依頼は中間マージンが発生しない分、同じ予算でより手厚い制作範囲を依頼できる可能性があります。

Q. LP公開後に見直すべきポイントは何ですか?

CVRや直帰率などの指標を決めて効果測定し、ファーストビューやCTA文言をA/Bテストで改善することが重要です。広告のターゲティング変更に合わせてLPの訴求内容も見直しましょう。

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この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月14日最終更新:2026年7月31日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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