居宅介護支援事業所の求人はどこで探すのか|募集の出方と、応募前に確かめること


この記事のポイント
- ✓居宅介護支援事業所の求人が探しにくい理由と
- ✓募集がどこに出るかを整理しました
- ✓公正中立をめぐる制度上の要請
居宅介護支援事業所の求人を探していると、募集の数自体が少ないことに気づきます。やっと見つけても、仕事内容の欄には「ケアプランの作成、給付管理業務」としか書いていない。それでは、そこで自分が毎日何をすることになるのか分かりません。
これ、知らない人が本当に多いんです。居宅介護支援事業所は、同じ「居宅」という看板を掲げていても、中で起きていることが事業所ごとに大きく違います。違いを作っているのは、担当件数の設定、併設しているサービスの有無、そして事務職員がいるかどうか。この3つです。
この記事では、まず居宅介護支援事業所という場所で1カ月がどう動いているかを説明します。そのうえで、募集がどこにどんな形で出るのか、応募前に何を確認すれば入った後に後悔しないのかを、制度の根拠も含めて整理していきます。
ここは介助をする場所ではなく、計画を作って調整する場所です
前提から揃えます。居宅介護支援事業所は、介護保険法上の指定居宅介護支援事業者として、市町村の指定を受けた事業所です。2018年4月から、指定権限が都道府県から市町村へ移されました。つまり、その市町村の管理下にある事業所ということになります。
ここに在籍するのが介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーです。仕事の中身は、在宅で暮らす要介護の方について、どのサービスをどれだけ使うかという計画(居宅サービス計画、ケアプラン)を作り、実際にサービス事業者と契約をつなぎ、その後も月々の状況を確認し続けることです。
ここが重要なところなので、はっきり書きます。ケアマネジャーは介助をしません。
身体介護も生活援助もしません。オムツ交換も入浴介助もしません。訪問するのは、話を聞き、状態を確認し、記録を取るためです。介護職として現場でずっと身体を動かしてきた方が移ってくると、この違いにまず戸惑います。
新しい利用者が来れば、自宅を訪問してアセスメント(課題分析)を行います。何ができて何ができないのか、家族の状況はどうか、住まいの構造はどうか。これを法定の項目に沿って聞き取ります。
そのうえでケアプランの原案を作り、サービス担当者会議を開きます。訪問介護の責任者、デイサービスの相談員、福祉用具の担当者、必要なら主治医の意見も入れて、全員で内容を詰めます。合意が取れたら、利用者と家族の同意を文書で得て、計画が確定します。
その後は毎月、モニタリングのために利用者宅を訪問します。これは運営基準で定められた義務です。訪問した記録を残し、状況が変わっていればプランを見直します。
そして月末から月初にかけて、給付管理という業務があります。これについては次の章で詳しく書きます。
つまり、ケアマネジャーの仕事は「調整」と「文書」です。動かすのは自分の手ではなく、他の事業所と制度です。この性質が、働き方の全部に影響してきます。
1カ月には、はっきりした山があります
居宅介護支援事業所の忙しさは、月の中で均等ではありません。ここを知っておくと、求人票の残業時間の欄が読めるようになります。
月の前半は、比較的落ち着いています。新規の相談対応、アセスメント、サービス担当者会議の開催、関係事業所との連絡調整。予定を自分で組める業務が中心です。
月の中盤から、モニタリング訪問が本格化します。担当している利用者全員について、月1回以上、自宅を訪問しなければなりません。担当が35人いれば、月に35回の訪問です。1件あたり移動込みで1時間かかるとすれば、それだけで35時間が消えます。
そして月末から翌月の10日頃までが、最大の山です。
ここで発生するのが給付管理です。担当する利用者が前月にどのサービスをどれだけ使ったかを、各サービス事業者から届く実績(サービス提供票の控え)と突き合わせ、給付管理票を作成して国民健康保険団体連合会へ請求します。
この作業には期限があります。毎月10日が請求の締切です。これを逃すと、翌月に回すことになり、関係するサービス事業所の入金にも影響が出ます。
つまり、月末月初は動かせない締切業務で埋まるということです。ここに有給休暇を入れるのは事実上難しい。子どもの行事や家族の予定を、月の前半に寄せる工夫が必要になります。
この点は求人票では分かりません。面接で「月末月初の残業はどのくらいですか」「給付管理を手伝う事務職員はいますか」と聞いてください。事務職員がいるかどうかで、この時期の負担がまるで変わります。
※なお、時間外労働をさせるには労使協定(いわゆる36協定)の締結と届出が必要です。つまり、繁忙期の残業が常態化しているなら、その分の割増賃金が適正に支払われているかを確認する権利が、あなたにはあります。
担当件数の上限が、あなたの1カ月を決めています
ここが制度の核心です。介護支援専門員の配置は、事業所の利用者数に応じて決まっています。
運営基準では、常勤の介護支援専門員を、利用者35人またはその端数を増すごとに1人配置することが標準とされています。これが基本の数字です。
さらに、介護報酬には逓減制という仕組みがあります。1人のケアマネジャーが担当する件数が一定を超えると、それ以降の分の報酬単価が下がるという設計です。担当を持ちすぎると質が落ちるという考え方に基づいています。
2024年度の介護報酬改定で、この逓減制の適用が緩和されました。ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ事務職員を配置している事業所では、逓減制が適用され始める件数が引き上げられています。
つまり何が起きているか。制度の側は「ICTと事務職員を入れれば、もっと担当してよい」という方向に動いています。
働く側にとって、これは両面あります。事務職員がいて、システムが整っている事業所では、1人あたりの担当が増えても事務作業は肩代わりしてもらえる。逆に、体制を整えないまま担当だけ増やす事業所があれば、そこで働く人の負担は単純に増えます。
だから、求人票で「担当件数40件程度」と書いてあっても、それだけでは判断できません。聞くべきはセットです。「担当は何件ですか」「事務職員は何人いますか」「ケアプランデータ連携システムは導入していますか」。
この3つの答えの組み合わせで、実際の負荷が見えます。担当40件で事務職員ありの事業所と、担当35件で事務職員なしの事業所では、後者のほうがきついということが普通にあります。
もう一つ、要介護度の構成も効きます。要支援の方の介護予防支援と、要介護4や5の方の居宅介護支援では、1件あたりにかかる手間がまったく違います。重度の方は、サービス事業者の数も多く、家族との調整も頻繁になります。件数だけを比べても実態は測れません。
ある1日を追ってみると、外に出ている時間が半分を超えます
月の流れが見えたところで、1日の動き方も具体的に書いておきます。事業所によって細部は変わりますが、骨格はおおむね共通しています。
朝は8時半から9時に出勤し、まずメールと電話の確認から始まります。ここが最初の山です。前日の夕方から朝までに、サービス事業所からの連絡、家族からの相談、病院からの退院連絡が溜まっています。
退院の連絡は急ぎます。入院していた方が退院すると決まれば、その日までに自宅の環境を整え、必要なサービスを組み直さなければなりません。福祉用具の手配、訪問介護の再開、場合によってはケアプランの全面的な作り直し。この対応が入ると、その日の予定は全部後ろへずれます。
午前中の後半から、訪問が始まります。モニタリング訪問、新規のアセスメント、退院前カンファレンスへの参加。1件あたり30分から1時間、これに移動が加わります。都市部なら自転車、郊外なら車です。
午後も訪問が続き、間にサービス担当者会議が入ります。この会議は、利用者と家族、関係するサービス事業所の担当者が集まる場です。全員の予定を合わせる必要があるため、日程調整そのものが仕事になります。
事業所に戻るのは夕方です。そこから記録の入力、ケアプランの作成、翌日の準備。ここが2つ目の山になります。
つまり、1日の半分以上は外にいて、事務作業は朝と夕方に圧縮されるということです。だから、訪問先でその場で記録を入力できる環境があるかどうかが、労働時間に直結します。タブレットが支給されているか、クラウド型のソフトを使っているか。これは面接で必ず聞いてください。
もう一つ、電話が常に鳴るという特性があります。訪問中も、会議中も、記録中も、利用者や家族やサービス事業所から連絡が入ります。集中して書類を作る時間を確保しにくい職種です。この性質が合うかどうかは、人によって大きく分かれます。
併設型か独立型か。ここで日々の判断の自由度が変わります
居宅介護支援事業所は、大きく2つに分かれます。
併設型は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、訪問介護事業所、デイサービスなどを運営する法人が、その一部門として居宅介護支援事業所を持っている形です。数としてはこちらが圧倒的に多い。
独立型は、居宅介護支援だけを行う事業所です。他のサービスを持たないか、持っていても法人としての規模が小さい。
この違いが、ケアマネジャーの日々の判断に直接効いてきます。
制度上、ケアマネジャーには公正中立が求められています。運営基準では、特定のサービス事業者に不当に偏った利用の勧誘をしてはならないことが定められており、利用者に対して複数の事業所を紹介するよう求める規定も置かれています。
つまり、法律上は「自分の法人のデイサービスを使ってください」と誘導してはいけないということです。
さらに、特定事業所集中減算という仕組みがあります。事業所が作成したケアプランについて、訪問介護や通所介護などの特定のサービス種別で、同一の事業者が占める割合が一定を超えると、介護報酬が減算されます。
つまり、自分の法人に寄せすぎると、制度が自動的にブレーキをかけるようになっているんです。
とはいえ、これは条文の話であって、現場の空気とは別です。併設型で働くと、「うちのデイは空きがあるから」という会話が日常的に発生します。親法人の稼働率を意識せざるを得ない場面は、実際にあります。
法務の相談を受ける立場でこの分野の紛争を見ていると、家族から「あの事業所ばかり紹介された」という不信の申立てが出るケースが、一定数あります。多くは悪意ではなく、単に法人内の事業所が使いやすかったという理由です。ただ、説明が不足していると、後から疑われる形になります。
だから応募するときは、ここを正面から聞いていいところです。「サービス事業者の選定はどのように行っていますか」「法人内のサービスを優先するような方針はありますか」。
独立型を選べば、この葛藤からは自由になります。ただし、独立型は経営基盤が居宅介護支援の報酬だけになるため、規模が小さく、賞与や福利厚生が薄い場合があります。どちらが良いという話ではなく、何を優先するかの選択です。
※もし入職後に、明らかに不当な誘導を指示されるようなことがあれば、それは運営基準に反する可能性があります。記録を残したうえで、指定権者である市町村の介護保険担当窓口に相談できます。一人で抱え込まないでください。
求人はどこに出るのか、なぜ見つけにくいのか
探し方の話に入ります。
居宅介護支援事業所は、1事業所あたりのケアマネジャーが1人から3人という規模が大半です。管理者を含めて数人しかいない。採用の頻度も低く、専任の採用担当を置ける規模ではありません。
だから、費用のかかる求人広告には出しにくい。結果として、募集は次の場所に集まります。
ハローワークは外せません。小規模な法人ほど、掲載費用のかからないハローワークを使います。検索するときは職種を「介護支援専門員」または「ケアマネジャー」で指定してください。
介護と医療に特化した求人サイトも有効です。総合の転職サイトより、こちらのほうが小さな事業所の掲載が多くなります。
そして、法人の採用ページです。特別養護老人ホームや老健を運営する法人は、自社サイトに採用情報を持っています。併設の居宅介護支援事業所の募集が、そこだけに出ていることがあります。
もう一つ、市町村のホームページも見てください。指定居宅介護支援事業所の一覧が公開されているので、自宅から通える範囲にどんな事業所があるかを先に把握できます。そのうえで、気になる法人のサイトを直接確認する。この順序が効率的です。
実際の募集は、こういう形で出ます。
キープする求人を見るALSOKケアステーション港のケアマネジャー求人(正職員)【名古屋市港区川間町】★年間公休120日!★居宅ケアマネ未経験歓迎!独自の教育システムでしっかりサポート ◎ALSOKの介護で働くケアマネジャー(正社員) 出典: job-medley.com
「居宅ケアマネ未経験歓迎」という表記に注目してください。ケアマネジャーの資格を持っていても、施設ケアマネの経験しかない方、あるいは資格を取ったばかりの方は一定数います。居宅と施設では仕事の中身が違うため、こういう募集の出方になります。
この文言がある事業所は、教育の体制を用意している可能性が高い。逆に「経験者優遇」とだけ書かれている事業所は、即戦力を求めていて、入職直後から担当を持たされることが多いと考えてください。
応募する前に確かめる、8つのこと
面接で聞ける形にして挙げます。
1つ目は担当件数です。現在の平均と、入職後に何件から始めるか。「最初は10件程度から、3カ月かけて増やします」という答えが返ってくる事業所は、育てる意識があります。
2つ目は事務職員の有無です。給付管理や書類作成を手伝う職員がいるかどうか。ここが月末月初の負担を決めます。
3つ目はICTの導入状況です。ケアプランデータ連携システムを使っているか、記録はどのソフトか、タブレットは支給されるか。訪問先で入力できるかどうかで、事業所に戻ってからの作業量が変わります。
4つ目は移動手段です。社用車があるか、自家用車の持ち込みが必要か。持ち込みの場合、ガソリン代と保険はどう扱われるか。自転車での訪問が前提の都市部の事業所もあります。
5つ目は直行直帰の可否です。朝に事業所へ寄らず、自宅から直接訪問先へ行けるか。これが認められている事業所は、移動の無駄が大幅に減ります。
6つ目は主任介護支援専門員の在籍です。管理者は原則として主任介護支援専門員であることが求められており、さらに特定事業所加算を算定するには一定数の主任ケアマネの配置が必要です。主任ケアマネが複数いる事業所は、相談できる相手がいるということでもあります。
7つ目は特定事業所加算の算定区分です。これは公開情報なので、答えられない理由がありません。加算を算定している事業所は、24時間の連絡体制や事例検討会の実施といった要件を満たしています。体制が整っている証拠になります。ただし裏を返せば、24時間の連絡体制の当番が回ってくるということでもあります。当番の頻度と手当も聞いてください。
8つ目は給与の内訳です。基本給、資格手当、処遇改善加算の配分方法。介護支援専門員も介護職員等処遇改善加算の配分対象に含めることができますが、事業所の判断に委ねられています。「加算はケアマネにも配分されますか」と聞いてください。
この8つに具体的な数字で答えが返ってくるなら、その事業所は自分たちの体制を把握しています。それ自体が判断材料になります。
給与はどう決まるのか、介護職から移ると上がるのか
お金の話も、曖昧にせず書いておきます。
結論から言うと、介護職からケアマネジャーに移った場合、基本給の部分では上がることが多い一方、夜勤手当がなくなるため、総額では横ばいか、やや下がるケースも珍しくありません。
理由は構造的です。施設の介護職員の月給には、夜勤手当が月4回から6回分、金額にして2万円から4万円程度が乗っています。ケアマネジャーは日勤のみなので、この部分が丸ごと消えます。
その代わり、基本給と資格手当が上がります。介護支援専門員の資格手当は月5,000円から20,000円程度を設定している事業所が多く、主任介護支援専門員になるとさらに上乗せされます。
結果として、金額そのものより「生活リズムが安定する」「土日休みが取りやすい」という部分に価値を見出して移る方が多い職種です。これは実態として正直に書いておきます。
ここで確認すべきなのが、介護職員等処遇改善加算の扱いです。2024年6月から加算が一本化されましたが、この加算の配分対象に介護支援専門員を含めるかどうかは、事業所の裁量に委ねられています。
つまり、同じ法人の中で、介護職員には配分されてケアマネジャーには配分されないという設計があり得るということです。これ、知らない人が本当に多いんです。
面接では「処遇改善加算はケアマネジャーにも配分されていますか」と、そのまま聞いてください。聞きにくい質問ではありません。制度として配分方法を定めて周知する義務が事業所側にあるので、答えられて当然の内容です。
もう一つ、特定事業所加算を算定している事業所は、事業所としての収入が厚くなります。それが職員の給与に反映されているかどうかは別問題ですが、算定要件である研修体制や事例検討会が整っている分、育ててもらえる可能性は高くなります。
パートや非常勤で働く場合は、時給制と、担当件数に応じた歩合的な設計の2通りがあります。時給の場合、訪問の移動時間が労働時間として計算されているかを確認してください。訪問が業務の中心である以上、ここは賃金の大きな部分を占めます。
資格の要件と、そこに至るまでの道のり
念のため、資格の話も整理しておきます。
介護支援専門員実務研修受講試験を受けるには、指定された国家資格等に基づく業務、または相談援助業務に5年以上かつ900日以上従事した経験が必要です。介護福祉士、看護師、社会福祉士、理学療法士などが対象になります。
試験に合格した後は、介護支援専門員実務研修(87時間以上)を受講し、修了して初めて登録できます。つまり、合格イコール就業ではありません。研修には数カ月かかります。
登録後は5年ごとの更新が必要で、更新のたびに研修を受けます。この研修は勤務時間扱いにする事業所と、自己負担・自己都合の休暇で行かせる事業所があります。ここも面接で確認する価値があります。
さらに上に、主任介護支援専門員があります。介護支援専門員としての実務経験が原則5年以上あり、主任介護支援専門員研修を修了することで取得できます。管理者になる、あるいは地域包括支援センターへ移るには、この資格が鍵になります。
つまり、居宅介護支援事業所で働くということは、その先に管理者や地域包括支援センターという道がつながっているということです。キャリアの階段が制度としてはっきり設計されている職種は、そう多くありません。
介護職から移ってきた方が、最初に戸惑うところ
現場の介護職からケアマネジャーになった方が、共通してつまずく点があります。先に書いておきます。
ひとつは、成果がすぐ見えないことです。介助は、やれば目の前で状況が改善します。ケアプランは、作ってサービスが入って、効果が見えるまでに数カ月かかります。この時間差に慣れるまで、手応えのなさを感じる方が多い。
もうひとつは、書類の量です。アセスメントシート、ケアプラン第1表から第7表、サービス担当者会議の記録、モニタリング記録、給付管理票。介護記録とは比べものにならない量の文書を、法定の様式に沿って作り続けます。
そして3つ目が、断る場面が増えることです。利用者や家族から「もっとデイを増やしてほしい」と言われても、区分支給限度基準額という上限があります。介護保険で使える金額には要介護度ごとの枠があり、超えた分は全額自己負担になります。この説明を、納得してもらえるようにしなければなりません。
実際、私が法務の相談で受ける介護関連の案件で多いのが、この説明不足から生じたトラブルです。「聞いていない」「勝手に決められた」という申立ては、ほとんどが同意の取り方と記録の残し方の問題に帰着します。
だから、ケアマネジャーにとって記録は自分を守る道具です。いつ、誰に、何を説明し、どう同意を得たか。これを書き残しておけば、後から争いになったときに事実が確定します。逆に書いていなければ、記憶の勝負になり、たいてい不利になります。
法律はあなたの味方ですが、味方になってもらうには証拠が要ります。記録は、そのための証拠です。
市場を長く見てきた立場から、調整という仕事について
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、ひとつ観察を書きます。
ケアマネジャーの仕事は、突き詰めれば「人と情報をつなぐ仕事」です。自分では何も生産しないけれど、自分がいないと全体が動かない。この構造は、介護の外にも同じ形で存在します。プロジェクトマネージャー、編集者、仲介業。呼び名が違うだけで、やっていることは同じです。
運営者として見てきた限りでは、こういう調整型の仕事で長く続く人は、自分の判断を文書に残す習慣を持っています。口頭で合意したことを、その日のうちに短い文面にして相手へ送る。これができる人は、後から揉めません。そして揉めないから、次も任されます。
報酬の構造という点でも、ひとつ付け加えておきます。仕事の間に入る事業者が増えるほど、実際に手元に残る額は薄くなります。介護の派遣でも、フリーランスの仲介でも、構造は変わりません。仲介手数料が乗らない直接の契約は、依頼する側は同じ予算でより多く頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%という形が意味を持つのは、金額の大小ではなく、この手取りの厚みという質の部分です。
職種ごとの報酬水準を、公的な統計をもとに横並びで見ておくのも役に立ちます。文章と情報を扱う職種の年収と単価の分布をまとめた著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような職種別データを眺めると、給与がどういう要素で積み上がっているのかの構造が見えてきます。自分の職種を外側から測り直す材料になります。
それから、文書を正確に書く技術について。ケアマネジャーの業務は文書で始まり文書で終わります。事実と判断を分けて書く型を体系的に学び直したい方には、報告文や依頼文の構成を扱う検定があります。試験範囲と実務での活かし方をまとめたビジネス文書検定の解説が参考になります。介護の法定文書も一般の業務文書も、読む人が同じ像を描けるように書くという原則は同じです。
最後にもうひとつ。2024年度の改定でケアプランデータ連携システムの活用が制度的に後押しされたように、介護の業務にICTを入れる動きは今後も続きます。こうした業務設計は、現場の流れを知らない人には作れません。どんな仕事なのかを知りたい方は、ツール導入と業務の組み立てを支援する仕事の内容をまとめたAIコンサル・業務活用支援のお仕事を見てみてください。いま選ぼうとしている職場が、自分にどんな経験を残してくれるのかを考える材料になります。
よくある質問
Q. 居宅介護支援事業所の求人はどこで探すのが効率的ですか?
ハローワーク、介護と医療に特化した求人サイト、法人の採用ページ、市町村が公開する指定事業所一覧の4つを並行して見るのが確実です。1事業所あたりのケアマネジャーが1人から3人という小規模が大半で、有料の求人広告を出しにくいため、大手の総合転職サイトには載りにくい傾向があります。
Q. 担当件数は何件くらいが適正ですか?
運営基準では利用者35人またはその端数を増すごとに常勤1人の配置が標準とされています。ただし件数だけでは負荷を測れません。事務職員がいるか、ケアプランデータ連携システムを導入しているか、担当する方の要介護度がどのあたりかで実際の忙しさが変わります。面接ではこの3点をセットで確認してください。
Q. 併設型と独立型ではどちらが働きやすいですか?
併設型は法人の規模が大きく、賞与や福利厚生が安定している一方、法人内のサービスを使う空気が生まれやすい面があります。独立型はサービス選定の自由度が高い代わりに、経営基盤が居宅介護支援の報酬だけになるため規模が小さくなりがちです。制度上は特定事業所集中減算という歯止めがありますが、面接で選定の方針を確認しておくと安心です。
Q. 月末月初はどのくらい忙しくなりますか?
毎月10日が国保連への請求締切のため、月末から翌月10日頃までが最も忙しい時期になります。各サービス事業者から届く実績と突き合わせて給付管理票を作成する作業が集中します。この時期は有給休暇を取りにくいため、家族の予定は月の前半に寄せる工夫が必要です。事務職員の配置があるかどうかで負担が大きく変わります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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