KPTで振り返りを進める方法|Keep・Problem・Tryの書き方とチームでの回し方

@SOHO編集部
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KPTで振り返りを進める方法|Keep・Problem・Tryの書き方とチームでの回し方

この記事のポイント

  • ✓KPTで振り返りを進める方法を
  • ✓Keep・Problem・Tryそれぞれの書き方の例と
  • ✓チームでの1回の進め方

KPTで振り返りを始めたいと考えている人の多くは、「振り返りの会をしても、反省を言い合って終わってしまう」「次に何を変えるかが決まらない」という悩みを抱えています。KPTは、Keep(続けること)、Problem(問題)、Try(次に試すこと)の3つの枠で、仕事の進め方を振り返る方法です。3つの枠に分けて書くだけで、良かった点と困った点が整理され、最後に「次に何をするか」が必ず出てくる形になっています。この記事では、Keep・Problem・Tryそれぞれの書き方の例と、チームで1回の振り返りを進める手順、続けるための工夫を整理します。Tryを担当と期限つきで次の仕事につなげる方法として、チームのプロジェクト管理ツールのPinatecaにも触れます。

KPTとは何か

KPTは、仕事の振り返りを3つの枠に分けて進める方法です。読み方は「ケプト」や「ケーピーティー」と呼ばれることが多く、それぞれの頭文字は次の意味を持っています。

枠 意味 書く内容の例
Keep 続けること うまくいったので、次も続けたいこと
Problem 問題 うまくいかなかったこと、困ったこと
Try 次に試すこと 次の期間に試す、具体的な行動

KPTの特徴は、振り返りが「次に何をするか」で終わる形になっている点です。反省会は、問題を挙げて「気をつけよう」で終わることが多く、次に何が変わるのかがはっきりしません。KPTでは、ProblemとKeepを受けて、必ずTryを決めます。Tryは次の期間に実際に試し、次の振り返りでその結果を確かめます。この繰り返しで、チームの仕事の進め方が少しずつ良くなっていきます。

KPTを紹介している開発会社は、繰り返すことの効果を次のように説明しています。

特にKPTでは具体的な打ち手(Try)の検討と実践、その結果の振り返りまでもがセットで行われることから、KPTを繰り返すたびに「少しずつではあるが、確かに改善している」という実感が得られやすく、ポジティブなスパイラルが生まれることでモチベーションの向上も期待できます。 出典: shiftasia.com

KPTは、ソフトウェア開発の現場でよく使われてきましたが、開発に限った方法ではありません。営業、事務、制作、店舗の運営など、繰り返し進める仕事であれば、どんな仕事にも使えます。1人の仕事の振り返りにも使え、週の終わりに自分の仕事を3つの枠で書き出すだけでも、翌週の進め方が変わります。

振り返りの中でのKPTの位置づけ

ソフトウェア開発で広く使われている進め方の1つに、スクラムがあります。スクラムでは、決まった期間ごとに区切って仕事を進め、その期間の最後に振り返りの場を持ちます。スクラムの決まりをまとめたスクラムガイドの日本語版では、この振り返りの場について次のように書かれています。

スプリントレトロスペクティブの目的は、品質と効果を高める方法を計画することである。 スクラムチームは、スプリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発生したか、そしてそれらの問題がどのように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合う。 出典: scrumguides.org

スプリントとは、スクラムで仕事を区切る1か月以内の期間のことで、レトロスペクティブは振り返りのことです。スクラムガイドは振り返りの目的と話し合う中身を定めていますが、どのような形で進めるかは決めていません。KPTは、その振り返りを進めるための形の1つとして、多くのチームで使われています。「何がうまくいったか」はKeep、「どのような問題が発生したか」はProblem、「改善のための変更」はTryに、ちょうど当てはまります。

スクラムガイドには、振り返りの時間についても書かれていて、スプリントが1か月の場合、振り返りは最大で3時間とされています。期間が短ければ、振り返りの時間も短くすることが多いとされています。KPTで振り返りをするときも、仕事の区切りの長さに合わせて時間を決めると、長すぎず短すぎない場になります。

振り返りの前に準備しておくこと

KPTの振り返りを短い時間で実りのあるものにするには、始める前の準備が大切です。準備をしないまま集まると、最初の10分が「何があったっけ」と思い出す時間で終わってしまいます。

まず、振り返る期間に何があったかを、事実の一覧として用意しておきます。終わった仕事、遅れた仕事、起きた問題、取引先からの連絡など、期間中の出来事を時系列で並べておくと、参加者は記憶ではなく事実をもとに振り返れます。タスクの一覧や、チャットの記録から拾い出せば、10分ほどで作れます。

次に、前回の振り返りで決めたTryの一覧を用意します。担当者には、試した結果を短く話せるように、事前に伝えておきます。

さらに、振り返りの場所と道具を整えておきます。対面なら、Keep・Problem・Tryの3つの枠を書いたホワイトボードと、付箋とペン。オンラインなら、3つの枠を作った共有の画面です。始まってから枠を作ると、それだけで数分が過ぎます。

最後に、参加者に振り返りの日時と目的を、少なくとも前日までに伝えておきます。当日に「今日は振り返りです」と言われるより、前日に知っていたほうが、参加者は自分の仕事を思い返す時間が持てます。

Keepの書き方

Keepには、うまくいったので次も続けたいことを書きます。Keepは軽く扱われがちですが、良いやり方を意識して続けるための大事な枠です。うまくいったことは、言葉にしておかないと、忙しくなったときに自然とやめてしまいます。

Keepを書くときのコツは、「何が」「なぜ」うまくいったのかまで書くことです。

書き方 例
良くない例 会議が良かった
良い例 朝会を15分で終える決まりにしたので、作業の時間が確保できた
良くない例 連絡がうまくいった
良い例 取引先への進み具合の報告を毎週金曜日に決めたので、問い合わせが減った

「会議が良かった」だけでは、何を続ければよいのかが分かりません。「朝会を15分で終える決まり」のように、具体的なやり方が書かれていれば、次も同じことを続けられます。

Keepは、小さなことでもかまいません。「資料の保存場所をチャットに固定した」「休む前の日に引き継ぎを書いた」といった小さな工夫こそ、書き残しておくと他のメンバーにも広がります。

Problemの書き方

Problemには、うまくいかなかったこと、困ったことを書きます。Problemを書くときにもっとも大事なのは、人ではなく、出来事や仕組みについて書くことです。

書き方 例
良くない例 担当Aさんの確認が遅かった
良い例 確認を頼むときに期限を伝えていなかったので、確認が後回しになった
良くない例 みんなが忙しかった
良い例 急ぎの依頼が週の後半に3件重なり、予定していた作業が2日遅れた

人の名前を挙げて書くと、書かれた人は責められていると感じ、次から問題を正直に出さなくなります。「確認を頼むときに期限を伝えていなかった」のように、出来事と、その原因になった仕組みを書けば、誰かを責めずに改善の話に進めます。

Problemは、できるだけ具体的な事実で書きます。「忙しかった」のような感想ではなく、「何が、いつ、どれくらい」を書くと、原因を探りやすくなります。数字が分かるなら、数字も書いておきます。

また、Problemには、すでに解決したことを書いてもかまいません。「途中で困ったが、こうして乗り切った」という経験は、同じことが起きたときの対処として役に立ちます。

Tryの書き方

Tryには、次の期間に試す具体的な行動を書きます。KPTの中で、もっとも難しく、もっとも大事な枠です。Tryがあいまいだと、振り返りをしても何も変わりません。

Tryを書くときは、次の3つを満たすようにします。

  1. 行動で書く。「気をつける」「意識する」ではなく、「確認を頼むときは期限を書く」のように、やったかどうかが分かる形にします。
  2. 次の期間で試せる大きさにする。「業務の仕組みを全部見直す」のような大きなTryは、次の振り返りまでに終わりません。1〜2週間で試せる大きさに分けます。
  3. 担当と期限を決める。「誰が」「いつまでに」を決めないと、全員が誰かがやると思ったまま、誰もやりません。
書き方 例
良くない例 確認を早くする
良い例 確認を頼むチャットに、期限の日付を必ず書く(全員、来週から)
良くない例 急ぎの依頼に気をつける
良い例 急ぎの依頼は窓口の担当が一度受けて、月曜と木曜に割り振る(担当B、次の振り返りまで試す)

Tryは、ProblemだけでなくKeepからも生まれます。「朝会を15分にしたら良かった」というKeepから、「夕会も10分で試してみる」というTryが出ることもあります。良かったことを広げるTryは、問題を直すTryより気持ちよく取り組めるので、両方を意識して出すとよいでしょう。

Problemの原因を掘り下げる問いかけ

Tryの質は、Problemの原因をどこまで掘り下げられたかで決まります。表面の出来事だけを見てTryを決めると、同じ問題が形を変えて何度も起きます。原因を掘り下げるときに使える問いかけを整理します。

問いかけ 何が見えてくるか
それはいつ、どの場面で起きたか 問題が起きやすい時期や作業
前にも同じことはあったか 一度きりか、繰り返しているか
なぜそれが起きたのか 直接のきっかけ
そのきっかけは、なぜ生まれたのか 仕組みや決まりの抜け
誰が気づけたら防げたか 確認の仕組みの不足

たとえば「納品が2日遅れた」というProblemなら、「いつ遅れが分かったか」と聞くと、「納品の前日に初めて気づいた」という事実が出てきます。「なぜ前日まで気づかなかったか」と聞くと、「途中の進み具合を誰も確かめていなかった」という仕組みの抜けが見えます。ここまで来れば、「納期の3日前に進み具合を確かめる日を作る」という、具体的なTryが決められます。

問いかけるときは、責める口調にならないよう気をつけます。「なぜやらなかったのか」ではなく、「何があればできたか」という聞き方にすると、答える人は身構えずに話せます。

チームで1回の振り返りを進める手順

ここからは、チームでKPTの振り返りを1回進める手順を説明します。5〜6人のチームで、2週間ごとに振り返りをする場合で、全体の時間は60分を目安にしています。

ステップ1 前回のTryを確かめる(5分)

最初に、前回の振り返りで決めたTryを1つずつ確かめます。試したか、試した結果どうだったかを、担当者に短く話してもらいます。うまくいったTryは今回のKeepの候補に、うまくいかなかったTryは今回のProblemの候補になります。この確認を飛ばすと、Tryが決めっぱなしになり、振り返りの意味が薄れます。

ステップ2 Keepを書き出す(10分)

全員が、それぞれKeepを付箋やカードに書き出します。1枚に1つのことを書きます。書き終えたら、1人ずつ読み上げながら、Keepの枠に貼っていきます。似た内容は近くに並べます。

ステップ3 Problemを書き出す(10分)

同じ要領で、Problemを書き出します。Keepを先に書くのは、良かったことから話し始めると、場の空気が前向きになり、Problemも出しやすくなるためです。

ステップ4 話し合うProblemを選ぶ(5分)

Problemがたくさん出たときは、全部を話し合う時間はありません。全員で、話し合いたいProblemに印を付けて投票し、印の多いものから2〜3個を選びます。

ステップ5 Tryを考える(20分)

選んだProblemについて、原因を話し合い、Tryを考えます。「なぜこれが起きたのか」を2〜3回繰り返して聞くと、表面の出来事の下にある原因が見えてきます。原因が分かったら、それを直すための行動をTryとして書きます。KeepからもTryが出せないかを考えます。

ステップ6 Tryの担当と期限を決める(5分)

出たTryの中から、次の期間に実際に試すものを2〜3個に絞ります。Tryが多すぎると、どれも中途半端になります。絞ったTryには、担当と期限を決め、全員で確かめます。

ステップ7 振り返りの記録を残す(5分)

最後に、Keep、Problem、Tryの内容と、決めた担当と期限を記録に残します。写真を撮るだけでもかまいませんが、次の振り返りで確かめやすいよう、文字で残しておくと便利です。

1回の振り返りの記録の例

イメージをつかみやすくするために、在宅で文章の制作を請け負っている4人のチームが、2週間の仕事を振り返った場合の記録の例を示します。

Keepには、次のような内容が出ました。

  • 原稿の確認を頼むときに、確認してほしい点を3つに絞って伝えたので、戻りが早かった
  • 毎朝9時にチャットで今日の作業を一言ずつ書く決まりが続いている
  • 取引先から届いた修正の依頼を、受け取った人がすぐに一覧に追加していた

Problemには、次のような内容が出ました。

  • 同じ週に締め切りが4本重なり、2本が1日ずつ遅れた
  • 取引先ごとに表記の決まりが違い、確認のたびに過去のメールを探していた
  • 修正の依頼のうち1件が、誰の担当か決まらないまま3日放置された

話し合いの結果、Tryは次の3つに決まりました。

  • 新しい依頼を受けるときは、締め切りの週に他の締め切りが何本あるかを確かめてから受ける(窓口の担当、次の振り返りまで)
  • 取引先ごとの表記の決まりを1つの文書に書き出し、共有の場所に保存する(担当C、来週の金曜まで)
  • 修正の依頼を一覧に追加するときは、その場で担当の欄を埋める(全員、明日から)

この例のように、Tryは「誰が」「いつまでに」「何をするか」が分かる形で書き、数を3つ程度に絞ります。次の振り返りでは、この3つのTryの結果を確かめるところから始めます。

新しいチームでKPTを始めるとき

KPTを初めて使うチームでは、最初の数回は進め方に慣れるだけで時間がかかります。始めるときに気をつけたい点を整理します。

最初の振り返りでは、KPTの3つの枠の意味と、「人ではなく仕組みについて書く」という決まりを、始める前に全員で確かめます。この決まりを最初に共有しておくだけで、Problemの書き方が大きく変わります。

最初の数回は、Tryを1つだけに絞るのもよい方法です。Tryを試して、次の振り返りで結果を確かめる、という一連の流れを体験すると、KPTの意味が実感として分かります。流れに慣れてから、Tryの数を2〜3個に広げます。

また、最初は振り返る期間を短めにすると、出来事を思い出しやすく、書く内容も具体的になります。1週間ごとに数回試してから、仕事の区切りに合わせた期間に移るとよいでしょう。

最初からうまくいくことは少ないので、3回ほど続けてから、進め方そのものをKPTで振り返るのもおすすめです。「振り返りの進め方」についてKeep・Problem・Tryを出せば、チームに合った形に少しずつ近づいていきます。

時間配分の目安

振り返りの時間は、仕事の区切りの長さとチームの人数で調整します。目安を表に整理します。

区切りの長さ 人数 振り返りの時間の目安
1週間 3〜5人 30分
2週間 5〜8人 60分
1か月 5〜8人 90分〜2時間
プロジェクトの終わり 全員 2〜3時間

時間を短くしたいときは、書き出す時間を短くするより、話し合うProblemの数を減らします。書き出す時間を削ると、言いたいことを書ききれず、大事なProblemが出てこなくなるためです。

進める人が気をつけること

KPTの振り返りには、進める人を1人決めておくと、話が脱線したり、一部の人だけが話し続けたりするのを防げます。進める人が気をつけることを整理します。

1つ目は、時間を守ることです。各ステップの時間を事前に伝え、時間が来たら次に進みます。話し合いが盛り上がっても、Tryを決める時間が残らなければ、その振り返りは成果が出ません。

2つ目は、全員が話せるようにすることです。声の大きい人の意見だけで決まると、他のメンバーは振り返りに参加する意味を感じなくなります。付箋に書いてから読み上げる形にすると、話すのが苦手な人の意見も出やすくなります。

3つ目は、責める言葉を止めることです。Problemの話し合いの中で、特定の人を責める言葉が出たら、「その出来事が起きた仕組みのほうを考えましょう」と話を戻します。振り返りの場が安心して話せる場であることが、KPTを続けるための前提です。

4つ目は、進める人を交代することです。いつも同じ人が進めると、その人の考えに偏りがちです。振り返りごとに進める人を交代すると、全員が振り返りを自分たちのものと感じやすくなります。

よくある失敗と直し方

KPTの振り返りを続けていると、つまずきやすい点がいくつかあります。よくある失敗と直し方を整理します。

Problemが反省会になる

Problemの話し合いが、謝罪や反省の言葉で埋まることがあります。「次は気をつけます」で終わると、次も同じことが起きます。Problemは、誰かが悪かったという話ではなく、仕組みのどこを変えればよいかの話だと、最初に全員で確かめておきます。

Tryが毎回同じになる

「確認を早くする」のようなTryが、毎回のように出てくることがあります。これは、Tryが行動の形になっていないか、試した結果を確かめていない合図です。前回のTryを確かめる時間を必ず取り、うまくいかなかった理由を話し合ってから、新しいTryを考えます。

Keepが出てこない

忙しい時期が続くと、Keepが1つも出てこないことがあります。そんなときは、「今回の期間で、少しでも楽になったこと」「他の人に助けられたこと」を考えてもらうと、Keepが出やすくなります。Keepが出ない振り返りが続くと、場の空気が暗くなるので、意識してKeepを拾います。

振り返りが続かない

忙しさを理由に振り返りを飛ばすと、そのまま開かれなくなることがあります。振り返りの日時を、仕事の予定として先に決めておきます。時間が取れないときでも、15分で前回のTryの確認と、次のTryを1つ決めるだけの短い振り返りにして、続けることを優先します。

オンラインでKPTを進めるとき

在宅勤務や、離れた場所のメンバーと仕事をしている場合は、オンラインでKPTを進めます。オンラインでも、進め方の基本は同じですが、いくつか気をつける点があります。

まず、全員が書き込める共有の場所を用意します。オンラインのホワイトボード、共有の表計算のシート、プロジェクト管理の道具のボードなど、全員が同時に書き込めるものを使います。Keep、Problem、Tryの3つの枠を事前に作っておき、振り返りの始まりに全員がすぐ書き込めるようにしておきます。

次に、書き出す時間は、全員が黙って書く時間として取ります。オンラインでは、誰かが話している間に他の人が書くのは難しいので、書く時間と話す時間を分けると進めやすくなります。

さらに、カメラや声の参加が難しい人にも配慮します。書き込みだけで参加できる形にしておくと、通信の環境や家庭の事情で声を出しにくい人も参加しやすくなります。

オンラインでは、振り返りのあとの記録が、そのまま共有の場所に残るのが利点です。前回の振り返りの内容を、次の振り返りの最初にすぐ見返せます。

1人でKPTを使うとき

KPTは、チームだけでなく、1人の仕事の振り返りにも使えます。在宅で1人で仕事をしている人や、フリーランスとして働いている人には、特に役立ちます。

1人で使うときは、週の終わりに15分ほど時間を取り、その週の仕事を3つの枠で書き出します。Keepには、うまくいった時間の使い方や、取引先とのやり取りで良かったこと。Problemには、予定より時間がかかった仕事や、困ったこと。Tryには、翌週に試す行動を1つか2つ書きます。

1人の振り返りでは、Tryを多くしすぎないことが大事です。チームと違って、試す人は自分1人だけなので、Tryが多いとどれも中途半端になります。翌週に必ず試せることを1つ決めるだけでも、数か月続けると、仕事の進め方ははっきり変わります。

書いた記録は、月に1回まとめて見返します。同じProblemが何度も出ていれば、それは自分の仕事の進め方の根本の課題です。その課題に絞ったTryを考えると、改善が進みやすくなります。

Tryを次の仕事につなげる管理の方法

KPTでいちばん多い失敗は、Tryが決めっぱなしになることです。振り返りの場では決めたのに、次の期間の忙しさに押されて、誰も試さないまま次の振り返りを迎えてしまいます。Tryを確実に試すには、Tryを普段の仕事と同じ場所で管理するのが効果的です。

Tryを振り返りの記録の中だけに書いておくと、次の振り返りまで誰も見ません。普段使っているタスクの一覧に、Tryを1つの仕事として登録し、担当と期限を付けておくと、日々の仕事の中で目に入り、試し忘れが減ります。

紙やホワイトボードでKPTをしているチームなら、Tryだけを書き写したカードを、普段の仕事の一覧の横に貼っておく方法もあります。表計算で仕事を管理しているなら、Tryの行を追加し、分類の列に「Try」と入れておけば、絞り込みでTryだけを確かめられます。

Tryを担当と期限つきで回したいときの候補

チームでTryを普段の仕事と同じ場所で管理したいときの選択肢の1つが、チームのプロジェクト管理ツールのPinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあり、すべてが無料プランから使えます。

振り返りの場では、ディスカッションボードで決めごとを1件1スレッドで話し合え、話した流れがそのまま記録として残ります。グリッドボードでは、縦と横の軸を自分で決めてカードを並べられるため、Keep・Problem・Tryの枠を作って書き出す使い方もできます。決まったTryは、カンバンボードに担当と期限つきのカードとして登録しておけば、普段の仕事と同じ画面で進み具合を確かめられます。5人まで、ボード10個までなら無料で、6人目または11個目のボードから、公式の料金ページで1人あたり月額500円(税抜)と案内されている有料のスタンダードプランになります。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

どの道具を使う場合でも、大事なのは、Tryを決めた場で担当と期限を決め、次の振り返りの最初に必ず結果を確かめることです。この2つが守られていれば、紙のKPTでも十分に改善は進みます。

振り返りの効果を確かめる方法

KPTを続けていると、「本当に良くなっているのか」が気になってきます。効果を確かめるには、振り返りの記録そのものを見返すのがいちばん確かな方法です。

数か月分の記録を並べて、同じProblemが繰り返し出ていないかを確かめます。一度出たProblemが、Tryを試したあとに出なくなっていれば、そのTryは効いたと言えます。逆に、同じProblemが何度も出ているなら、Tryが原因に届いていないか、試されていない可能性があります。

もう1つの見方は、決めたTryのうち、実際に試されたものの割合です。決めたTryの半分以上が試されないまま終わっているなら、Tryが大きすぎるか、多すぎるかのどちらかです。数を減らし、大きさを小さくして、確実に試せる形にします。

仕事の数字で確かめられることもあります。遅れた納品の件数、修正の依頼の件数、問い合わせへの返事にかかった日数など、Problemに関係する数字を振り返りのたびに記録しておくと、改善の効果が目に見える形になります。数字が良くなっていることをKeepとして共有すると、チームの振り返りへの意欲も高まります。

KPT以外の振り返りの方法

KPTは使いやすい方法ですが、何度も続けていると、同じような意見しか出なくなることがあります。そんなときは、別の振り返りの方法を試してみるのも1つの手です。

たとえば、振り返りの対象の期間を時間の流れで並べ、出来事ごとに気持ちの浮き沈みを書き込む方法は、長いプロジェクトの終わりの振り返りに向いています。また、「やめること」「始めること」「続けること」の3つの枠で考える方法は、KPTよりも行動の変化に焦点を当てやすい形です。

ただし、方法を頻繁に変えると、振り返りのたびに進め方の説明が必要になり、話し合いの時間が減ります。基本はKPTで続け、数か月に1回、気分を変えるために別の方法を試す、くらいの使い方が現実的です。

外部の協力者と振り返りをするときに見てきたこと

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、外部の協力者と長く仕事が続くチームほど、案件の区切りで短い振り返りの場を持っています。発注する側と受ける側が「今回うまくいったこと」「次はこうしたいこと」を言葉にして確かめ合うと、次の依頼のときに同じ説明を繰り返さずに済み、双方の手間が減ります。

中間の手数料が乗らない直接の取引では、受け手の手取りが厚くなる分、双方が直接やり取りして進め方を良くしていけることも強みになります。振り返りで決めたTryを次の案件で試し、その結果を確かめ合う関係ができると、仕事の質と信頼は案件を重ねるごとに上がっていきます。

業務の進め方を見直す仕事や、振り返りの仕組みを整える仕事は、外部の専門家に頼める仕事でもあります。業務の改善に道具やAIを取り入れる支援はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、社内の仕組みを作る開発の仕事はアプリケーション開発のお仕事で紹介しています。経営の視点から業務の改善を支える専門家の資格には、中小企業診断士があります。

よくある質問

Q. KPTの振り返りはどのくらいの頻度で行えばよいですか?

仕事の区切りに合わせて行うのが基本です。1〜2週間ごとに区切って仕事を進めているなら、その区切りごとに行います。区切りがはっきりしない仕事なら、2週間に1回など日時を先に決めておくと続けやすくなります。時間が取れないときも、前回のTryの確認と次のTryを1つ決めるだけの短い形で続けることが大切です。

Q. KPTのProblemで個人の失敗が出たときはどうすればよいですか?

個人を責める話にせず、その出来事が起きた仕組みのほうを話し合います。たとえば「確認が遅かった」なら、確認を頼むときに期限を伝える決まりがなかった、という仕組みの問題として捉えます。人の名前を挙げて責めると、次から問題を正直に出さなくなるため、進める人が話を仕組みに戻します。

Q. Tryはいくつくらい決めればよいですか?

次の期間に実際に試すTryは、2〜3個に絞るのがおすすめです。Tryが多すぎると、どれも中途半端になり、試した結果を確かめにくくなります。1人で振り返る場合は、翌週に必ず試せることを1つ決めるだけでも十分です。決めたTryには担当と期限を付けておきます。

Q. KPTは1人でも使えますか?

1人の仕事の振り返りにも使えます。週の終わりに15分ほど時間を取り、その週の仕事を3つの枠で書き出し、翌週に試すことを1つか2つ決めます。書いた記録を月に1回見返すと、何度も出てくる課題が見えてきて、自分の仕事の進め方の根本の課題に絞った改善ができます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年6月16日最終更新:2026年10月17日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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