ITパスポートの副業の始め方


この記事のポイント
- ✓ITパスポートを取ったあと
- ✓副業として最初の1件を受けるまでの手順を順番に整理しました
- ✓初回のやり取りで決めること
ITパスポートに合格したあと、次に何をすればいいのかが分からないまま止まっている人は多いです。合格証は届いた、知識も入った、でも副業の入口が見えない。この記事は、その入口から最初の1件を受け終えるまでを、順番通りに書いたものです。
先に結論を書きます。ITパスポートを持っているだけでは仕事は来ません。来るのは、売る作業を1つに決めて、それを見せられる形にして、依頼者の言葉で提案を書いた人のところです。資格はその提案を裏付ける材料として最後に効きます。順番を逆にすると、いつまでも止まります。
試験の勉強法や難易度はここでは扱いません。すでに合格している人が、次の一歩をどう踏むかだけを書きます。
この資格が市場でどう見られているか
まず現在地を確認しておきます。
ITパスポートは、年間応募者が30万人ほどいる人気資格ですが、保持していると副業に活かせるのでしょうか? 出典: freelance-it.jp
年間で相当数の受験者がいる資格です。つまり、持っている人は珍しくありません。ここを冷静に受け止めておく必要があります。希少性で勝負する資格ではないということです。
ITパスポートに合格することでITに関する基本的知識を持っていると証明できるので、IT未経験の初心者がIT関係の副業を始めたいときに有効な資格です。 出典: sync-g.co.jp
未経験からIT寄りの仕事に入るとき、何の裏付けもない状態と比べれば明確な差になります。特に在宅の仕事では、対面で人柄を見せる機会がありません。テキストのやり取りだけで判断されるため、基礎知識があることを一行で示せる材料は役に立ちます。
そして、現実的な位置づけはこうです。
結論から言えば、ITパスポート単体で高収入の副業を得るのは難しいですが、組み合わせ次第で十分に副業案件を獲得することは可能です。 出典: techgym.jp
組み合わせるものを何にするか。これが、この記事の最初のステップになります。
始める前に決める2つのこと
手を動かす前に、2つだけ決めます。ここを曖昧にしたまま進めると、途中で迷子になります。
ひとつめは、受け方です。雇用型か業務委託型か。雇用型は在宅のパートやアルバイトとして時間で働く形で、収入は安定しますが、決まった時間の確保が必要になり、勤務先との関係でも社会保険や住民税の扱いが重くなります。業務委託型は成果物単位で受ける形で、時間の自由が利き、手続きも軽く済みます。副業として始めるなら、まずは業務委託型を前提にするのが現実的です。
ふたつめは、使える時間です。平日の夜に2時間、土日にそれぞれ3時間。このように具体的に書き出します。「空いた時間に」では、納期の約束ができません。週に何時間使えるかが分かって初めて、受けられる仕事の量が決まります。
この2つを紙に書いてから、次に進みます。
手順1:売る作業を1つ決める
最初にやるのは、勉強でも登録でもなく、絞り込みです。
「ITの仕事」では売れません。依頼者は「ITができる人」を探しているのではなく、「この作業をやってくれる人」を探しているからです。だから、自分が売る作業を1つ決めます。
ITパスポートを持つ人が最初に選びやすいのは、次のような作業です。
業務システムから出力したデータを、使える形に整える作業。文字コードの違い、日付の書式、重複の整理といった処理が中心です。ITの用語が通じることが、そのまま依頼者の負担軽減になります。
決められた手順に沿って動作を確認し、結果を記録する作業。プログラムを書く必要はなく、仕様を正確に読んで飛ばさず実行する力が問われます。
IT分野の文章を書く作業。記事、マニュアル、社内向けの手順書など。文章が書ける人はITの用語に弱く、ITが分かる人は書くのを嫌がるという構造があるため、両方できる人が入りやすい隙間があります。
クラウドサービスの設定や、ツール同士の連携を組む作業。コードを書かずに業務を自動化する道具が増えたため、業務の流れを理解して手順に落とす力が値段になります。
この中から、自分が最も確実にできるものを1つ選びます。基準は好みではなく、時間が読めるかどうかです。1時間で終わると思った作業が5時間かかると、見積もりが崩れて信用を落とします。
なお、自分の得意分野を思い出せない場合は、ITパスポートの試験範囲を見返してみてください。ストラテジ、マネジメント、テクノロジのどこに手応えがあったかで、向いている作業が見えてきます。
手順2:見本を用意する
絞り込んだら、見せられるものを作ります。実績がない状態で依頼者を説得する唯一の方法が、見本です。
作り方には条件があります。本業で作った実物は使えません。社名や数値を消しても、守秘義務や社内規程に触れる可能性があります。だから架空のデータで作ります。
データ整備を売るなら、架空の受注データを自分で作り、形式がばらばらの状態と、整形して集計まで入れた状態を並べて見せます。この整形前と整形後のセットが要点です。依頼者は自分の手元のデータを重ねて想像し、その瞬間に依頼が生まれます。
文章を売るなら、架空のサービスを題材にした手順書を1本書きます。テストを売るなら、テスト項目表と結果記録の書式を作ります。設定代行を売るなら、設定手順をまとめた資料を作ります。
3つ作ると、偶然ではなく反復できる作業だと伝わります。時間はかかりますが、この投資は最初の1件を取ったあともずっと使えます。
手順3:探す場所を決める
見本ができたら、探す場所です。ここで大事なのは、複数の場所に薄く登録しないことです。
在宅の依頼が集まる場所には、仲介型のクラウドソーシングと、直接取引型のマッチングサイトがあります。仲介型は案件数が多く最初の1件を取りやすい反面、報酬から手数料が引かれます。年間で見ると無視できない額です。直接取引型は手数料の負担がなく条件を自分で決められる分、提案の質がそのまま結果に出ます。
現実的な進め方は、最初の数件を案件数の多い場所で取って実績を作り、継続して頼まれる関係ができたら条件を自分で決められる場に移す形です。ただし仲介サイトの規約で外部取引が制限されている場合があるので、各サービスの規約は確認してください。
どの分野に依頼が発生しているかを知りたい場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のガイドが参考になります。業務の自動化やデータの整備は、マーケティングやセキュリティ対応の周辺で頻繁に発生しています。相談や設計に近い働き方に関心があるならキャリア・副業・人生相談のお仕事も見ておくと、受け皿の幅が見えてきます。
手順4:プロフィールを書く
登録したら、プロフィール欄を埋めます。ここは検索して見つけてもらうための場所です。
書くのは、絞り込んだ作業の言葉です。「ITパスポート取得。パソコン全般得意です」ではなく、「業務システムから出力したCSVデータの整形と集計を行います。文字化けや書式の不統一の修正、重複データの整理まで対応します」と書きます。
依頼者は、自分の困りごとと同じ言葉を探しています。だから、依頼者が使いそうな言葉をそのまま入れておく。これだけで、声がかかる確率が変わります。
稼働できる時間と返信の速さも書いておきます。「平日20時以降と土日の日中に対応可能、連絡は12時間以内に返します」。依頼者が最も不安に思うのは連絡が取れなくなることなので、この一行が効きます。
資格については、最後に一行添える形にします。冒頭に置くと自己紹介の文章に見えてしまい、何を頼めるかが伝わりません。
手順5:提案文を書いて応募する
ここが最も差がつく場所です。順番を書きます。
第一に、依頼内容を自分の言葉で言い換えます。「毎月の受注データを集計し、担当者別の報告書にする作業を、月初の3営業日以内に行う、という理解でよろしいでしょうか」。この一文があるだけで、募集要項を読んでいることが伝わります。テンプレートを送っている応募者とは、ここで分かれます。
第二に、どうやるかを具体的に書きます。手順が書かれていると、依頼者は完成形を想像できます。
第三に、見本を提示します。「近い形の資料を作った見本があります。必要でしたらお送りします」。
第四に、確認したい点を1つか2つ書きます。質問があると、やり取りが始まります。
第五に、資格に触れます。「ITパスポートを取得しており、個人情報を含むデータを扱う場合は、取得目的の範囲での利用と作業後の削除を前提に進めます」。資格名を挙げるだけでなく、その知識をどう使うかまで書くと、実務に結びついていることが伝わります。
応募は1日3件で十分です。50件に同じ文面を送るより、5件に個別の提案を書くほうが先に決まります。1件あたり20分から30分かけてください。
未経験から仕事を取っていく全体の流れは副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめにも整理されています。分野が違っても、実績ゼロから入る手順は共通しています。
手順6:初回のやり取りで決めること
返信が来たら、着手する前に5つを文字にします。契約書という体裁でなくても、メッセージのやり取りで残っていれば十分です。
作業範囲。どこからどこまでをやるのか。
納期。いつまでに納品するのか。
報酬額と支払時期。納品後いつ払われるのか。
修正対応の回数。上限を決めます。「納得いくまで修正」を受けると終わりません。2回まで、といった形で自分から提示します。
データの扱い。作業後に削除するか、保存する場合は期間を決めるか。個人情報を含むファイルを扱う場合は、この確認があるかないかで依頼者の安心感が変わります。
この5つが曖昧なまま着手すると、範囲が膨らむ、修正が続く、支払いが遅れるといった問題が起きます。聞きにくいと感じるかもしれませんが、依頼の経験がある発注者ほど、こうした確認を歓迎します。
手順7:納品して次につなげる
納品時にやることがあります。
まず、成果物の状態を整えます。ファイル名は依頼者の社内で回覧されることを想定して付けます。作業中の検証用シートや開いたままのフィルタは残しません。Officeのファイルには作成者名という属性が埋め込まれているため、納品前に個人情報を削除しておきます。
次に、更新の手順を数行のメモにして添えます。自動化した仕組みは依頼者が翌月以降も使うので、どこに何を貼れば結果が出るかを書いておく。この一手間があるかどうかで、継続の依頼が来るかどうかが変わります。
そして、次の話を出します。「今回作った仕組みは、来月以降も同じ手順で更新できます。毎月の作業としてご依頼いただくことも可能です」。この一文で継続の話に変わることがあります。
最後に記録を残します。何の作業に何時間かかったか、想定とのずれはどこにあったか。この記録が2件目以降の見積もり精度を上げます。最初の数件は、収入よりこの記録のほうが価値があります。
単価をどう決めるか
初回の見積もりで迷う人が多いので、考え方を書いておきます。
基準にするのは、雇用型の在宅ワークの時給水準です。IT寄りの事務作業であれば時給1,500円前後が目安になります。これを下回る条件で受けるなら、時間で働いたほうが条件がいいということになります。
計算は、想定作業時間に希望する時間単価を掛け、そこに誤差分を上乗せします。最初のうちは想定の1.5倍かかると見ておくと、大きく外しません。3時間で終わると思った作業を4,500円で受けると、実際に5時間かかった時点で時給900円になります。この計算を先にしておくかどうかで、続けられるかどうかが変わります。
作業別の目安を挙げると、定型のデータ整形は1件5,000円から2万円程度、手順書やマニュアルの作成は一式2万円から10万円程度、クラウドサービスの設定代行は一式3万円から15万円程度と幅があります。幅が大きいのは、同じ名前の作業でも中身の重さが違うためです。だからこそ、受ける前に範囲を確定させる必要があります。
継続の依頼になったら、月額の契約に切り替える相談をします。毎月同じ作業であれば、依頼者にとっても予算が読めるため、断られにくい提案です。
受けないほうがいい依頼
最初の1件を焦ると、危ない依頼に手を出しがちです。避けたい類型を挙げます。
作業範囲が書かれていない依頼。「ITに詳しい人募集」だけで内容がないものは、着手後に範囲が膨らむ確率が高いです。
修正回数に上限がない依頼。終わりが来ません。受けるなら自分から上限を提示します。
支払時期が不明な依頼。納品後いつ払われるかを確認してから受けます。
テストと称して無償の作業を求める依頼。見本を見せることと、実際の業務を無償でやることは別です。前者は応じてよく、後者は断ります。
個人情報を大量に含むデータを、取り決めなしに渡してくる依頼。顧客名簿や従業員の情報を扱う場合は、作業後に削除する、第三者に渡さない、といった条件を先に文字にしておきます。
断ることは損ではありません。1件の悪い依頼に費やす時間で、良い依頼を3件探せます。
手続きの話
副業として受ける以上、税と勤務先の関係も押さえておきます。
会社員が給与以外に所得を得た場合、その合計が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。所得は売上ではなく、必要経費を引いた後の金額です。パソコン、通信費のうち仕事で使った割合、参考書籍などは経費になり得ます。所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要です。
勤務先に伝わる主な経路は、住民税の天引き額が動くことです。業務委託として受けた分については、確定申告のときに住民税を自分で納める方法を選べます。自治体によって希望が通らない場合があるため、申告後に市区町村へ確認しておくと確実です。
開業届は、年間の所得が数万円で依頼も不定期な段階では急ぐ必要はありません。継続的な依頼が積み上がり、青色申告の控除を取りたくなった時点で、開業届と青色申告承認申請書をまとめて出せば足ります。制度の詳細は国税庁のサイトで確認できます。
そして、始める前に就業規則を読んでください。禁止なのか、許可制なのか、届出制なのかで取るべき行動が変わります。読まずに「うちは禁止だろう」と思い込んでいる人は意外に多いです。
業務が制限されている分野に近づくとき
もうひとつ、注意点があります。IT関連の作業の周辺には、法律で業務の範囲が定められた領域が接しています。
行政に提出する書類を報酬を得て作成する行為には、行政書士法の規定が関わります。データ整備の依頼が結果として許認可の申請書類の作成に及ぶ場合は、確認が必要です。帳簿データの整理が税務書類の作成に踏み込む場合も、税理士法との関係を見ておく必要があります。
ITパスポートは、こうした業務の範囲を保証する資格ではありません。判断に迷う依頼を受けたときは、作業の範囲を文書で確認し、必要であれば専門家に確認してもらう。この手順を踏めば問題になりません。制限のある分野の組み立て方は行政書士のページを見ると構造が分かります。
つまずきやすい場所
相談を受けていて多いのが、次の5つです。
応募数を増やそうとして、同じ文面を大量に送る。返信は来ません。募集内容に触れている提案しか読まれないからです。
見本を作らずに応募を始める。実績もなく見せるものもない状態では、判断材料がありません。
「何でもやります」と書く。守備範囲が広いことは、何が得意か分からないことと同じです。
安く受けすぎる。安く受けた相手からは、次も同じ値段で頼まれます。下げるなら価格ではなく作業範囲を狭めるほうが後が楽です。
資格をもう1つ取りに行ってしまう。上位資格へ進む道は否定しませんが、それは仕事を取り始めてからでも遅くありません。使える技能を1つ足すほうが、受注には早く効きます。表計算の操作や、生成AIを使った作業の段取りなどが該当します。生成AIの使いどころはAI 始め方ガイド!初心者が仕事や副業でAIを使いこなす5ステップにまとまっています。
最初の3か月の進め方
時間の配分の目安を表にします。副業として夜と週末に動く前提です。
| 時期 | やること | 目標 |
|---|---|---|
| 1週目 | 売る作業を決める、使える時間を書き出す | 迷いを消す |
| 2週目から3週目 | 見本を3つ作る | 見せられる状態にする |
| 4週目 | 場所を決めて登録、プロフィールを書く | 見つけてもらう準備 |
| 2か月目 | 1日3件のペースで個別の提案を書く | 最初の1件を受注する |
| 3か月目 | 納品と改善、継続の打診 | 2件目と継続契約 |
決まらない期間が続いても、応募数を増やす方向に走らないでください。見直すのは、絞り込み、見本、提案文の1行目という3つだけです。1行目が自己紹介になっていたら、そこを直すだけで結果が変わることがあります。
単価の目安を知りたい場合は、職種別の相場が参考になります。文章寄りの仕事なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場、技術寄りに踏み込むならソフトウェア作成者の年収・単価相場の水準が目安になります。未経験から入る場合の考え方はフリーランス 英語 案件 未経験 始め方!2026年最新の海外副業術にも整理されています。
運営者として見てきたこと
フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言うと、始められる人と始められない人を分けているのは、準備の量ではありません。準備をどこで切り上げたかです。
見本を完璧にしようとして3か月かける人がいます。その間に応募はゼロです。一方、2週間で粗くても3つ作って応募を始めた人は、1件目のやり取りの中で自分に足りないものを知り、そこから直していきます。後者のほうが、半年後の受注量が多くなります。
もうひとつ、長く続く人の共通点があります。単発の作業を積み上げる方向ではなく、同じ依頼者から繰り返し頼まれる関係を作る方向に時間を使っていることです。毎月決まった時期に同じ形式のデータが届き、それを整えて返す。この関係が2つ3つできると、営業に使う時間がほぼゼロになります。仲介の手数料が乗らない直接の取引であれば、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側は同じ仕事で手取りが厚くなります。手数料0%の意味は、金額の大小ではなく、この関係が続きやすいかどうかに表れます。
手持ちのデータから見えること
在宅ワークの依頼情報を扱っていると、IT寄りの依頼にいくつかの傾向が見えます。
まず、応募条件に資格名を挙げている依頼は少数です。書かれているのは「基本的なIT知識がある方」「業務システムの操作経験がある方」といった技能ベースの条件で、判断は提案文の中身に委ねられています。資格が効くのは、その知識を作業の言葉に翻訳できた場合に限られます。
次に、依頼の中身が変化しています。以前は入力作業や単純な整形が中心でしたが、現在はクラウドサービスの設定、ツール同士の連携、生成AIを使った作業の手順化といった依頼が増えています。深い技術ではなく、仕組みを理解して段取りを組む力が問われる仕事です。ITパスポートの範囲と相性のいい変化だと言えます。
もうひとつ、募集文の書き方から依頼者の状態が読めます。作業範囲と納期と報酬が明記されている募集は、依頼側に外注の経験があり、やり取りが少なくて済み、支払いも滞りません。逆に、要望が曖昧なまま相談しながら決めましょうと書かれている募集は、初めて外注する人であることが多く、範囲が膨らみやすい傾向があります。最初の1件は前者を選んだほうが、続く確率が上がります。
分野の広がりという点では、IT寄りの技能は制作の現場でも進行管理や資料整備の形で使われます。作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような領域の周辺にも、データと書類を扱う仕事は存在しています。自分の技能を「ITの知識」ではなく「人の手作業を減らすこと」と定義し直すと、探す場所が一気に広がります。
最後に、合格から時間が空いている人に向けて書いておきます。試験範囲の記憶は薄れますが、実務で困るのは用語の細部ではなく、調べる場所を知っているかどうかです。合格した時点で、その調べ方はすでに身についています。だから時間が空いたことを理由に応募をためらう必要はありません。
むしろ試験範囲の外にあるもの、つまりファイルの受け渡しの作法、修正依頼のやり取り、納品後の問い合わせへの応じ方といった実務の慣習は、最初の数件でしか身につきません。だから、単価が低くても範囲が小さくても、一度やり取りを最後まで通すこと自体に価値があります。止まっている原因は知識ではなく、通し稽古をしていないことです。
そしてもう一点、依頼者の側の事情も知っておくと言葉が変わります。在宅にIT寄りの作業を出す会社の多くは、専任の担当を置くほどの分量ではないけれど、社内の誰かが片手間でやるには重い、という状態にあります。依頼者が買っているのは技術ではなく自分の時間です。提案文に「毎月3日かかっている作業を1日に減らします」と書けるかどうかで、返信率は変わります。
よくある質問
Q. ITパスポートを取っただけで副業は始められますか?
資格だけでは依頼は来ません。売る作業を1つに絞り、架空のデータで見本を3つ作り、依頼内容を言い換えるところから始まる提案文を書く。この3つがそろって初めて動き出します。資格は提案の最後に添える裏付けとして効きます。
Q. 最初の応募は何件くらい出せばいいですか?
1日3件で十分です。同じ文面を50件に送るより、募集内容を読んで個別に書いた提案を5件出すほうが早く決まります。1件あたり20分から30分かけ、冒頭は自己紹介ではなく依頼内容の言い換えから始めてください。
Q. 副業を始めたら勤務先に知られますか?
主な経路は住民税の天引き額が動くことです。業務委託で受けた分は、確定申告のときに住民税を自分で納める方法を選べます。自治体によって希望が通らない場合があるため、申告後に市区町村へ確認してください。始める前に就業規則が禁止か許可制か届出制かを読んでおくことも必要です。
Q. 上位資格を取ってから始めたほうがいいですか?
先に仕事を取り始めるほうが早く進みます。依頼者が見ているのは、納期を守るか、指示を一度で理解するか、次も同じ品質で返すかです。資格を増やすより、表計算の操作や特定のサービスの設定など、実際に使える技能を1つ足すほうが受注に直結します。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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