インテリアコーディネーターの案件の取り方は、提案書の1枚目で決まる


この記事のポイント
- ✓インテリアコーディネーターの案件の取り方に悩む方へ
- ✓提案書の1枚目に何を書けば読まれるのか
- ✓依頼につながる4つの要素
「提案書は丁寧に作っているのに、返事が来ないんです」
インテリアコーディネーターとして仕事を取りたい方から、こういうご相談をよくいただきます。話を聞いていくと、提案書の中身が悪いわけではないことがほとんどです。配色も、パースも、素材の選び方も、きちんとしている。
それなのに読まれない。理由は、たいてい1枚目にあります。
大丈夫ですよ。ここは技術の問題ではなく、順番の問題です。何を先に書くかを変えるだけで、読まれ方が変わります。この記事では、案件がどこから来るのかを整理したうえで、提案書の1枚目に何を置けばいいのか、そのあと何をすればいいのかを、順を追ってお話しします。
案件が取れないとき、原因は腕ではなく「最初の1枚」にあります
まず、事実から確認しましょう。
発注する側は、提案書を最初から丁寧に読んでいるわけではありません。届いた資料を開いて、最初の画面をざっと見て、続きを読むかどうかを決めます。時間にすれば数十秒です。
その数十秒で判断されるのは、提案の質ではありません。「この人は、うちの状況を分かっているか」という一点です。
「読まれていない」のか「選ばれていない」のか
ここを分けて考えると、対策が変わります。
読まれていない場合、原因は1枚目です。1枚目に自分の経歴やコンセプトの説明が並んでいると、相手は「自分のための資料ではない」と感じて閉じます。
選ばれていない場合、原因は提案そのものです。予算感が合っていない、対応範囲が噛み合っていない、納期が現実的でない。この場合は、たいてい何らかの返信があります。
返信がまったく来ないなら、まず疑うべきは1枚目です。こういう相談を受けると、多くの方が「もっと実力をつけなければ」と考えます。でも、その前にできることがあります。
発注する側が1枚目で見ているもの
工務店の担当者、リフォーム会社の営業、家具メーカーの企画担当。立場は違っても、見ているものはよく似ています。
一つ目は、自分たちの困りごとが書かれているかどうか。二つ目は、この人に頼んだら何がどう変わるのか。三つ目は、いくらで、どこまでやってくれるのか。
順番も大切です。困りごとの認識が最初にあると、相手は「分かってくれている」と感じます。そこで初めて、提案の中身を読む姿勢になります。
逆に、こちらの説明から入ると、相手は自分の話が始まるまで待たされることになります。忙しい相手ほど、待ってくれません。
そもそも、案件はどこから来るのでしょうか
提案書の話に入る前に、案件の入り口を整理しておきます。入り口によって、提案書の役割が変わるからです。
募集や求人からの応募
求人サイトや募集情報を見て応募する経路です。この場合、提案書は応募書類の一部になります。相手はすでに「こういう人を探している」という条件を持っているので、その条件に対する答えを1枚目に書くのが正解です。
インテリアコーディネーターの募集では、実務経験や資格の有無が条件に挙がることが多く、未経験可の募集もあります。条件を読み飛ばして自己紹介から始めると、条件を読んでいない人という印象になります。
業務委託のマッチングサービス
案件が公開されていて、そこに提案を送る形です。ここでは競合が同時に提案しているので、1枚目の差がそのまま結果に出ます。
このタイプで多い失敗は、複数の案件に同じ文面を送ることです。相手にはすぐ分かります。案件ごとに書き換えるべきは、冒頭の困りごとの部分だけで構いません。そこだけ変えれば、印象は大きく変わります。
紹介と、過去の依頼者からの再依頼
もっとも確度が高い経路です。ここでは提案書は「確認のための資料」になります。すでに信頼はあるので、範囲と費用を明確にすることが役割になります。
再依頼を増やしたいなら、案件終了時の振る舞いが効きます。引き渡し後に一度だけ様子を聞く連絡を入れる。それだけで、次の相談が来る確率が変わります。
発信からの問い合わせ
SNSやブログ、作品掲載サイトからの問い合わせです。時間はかかりますが、こちらの世界観に合う相手が来やすいという利点があります。
この経路では、問い合わせの時点で相手はある程度こちらを知っています。だから提案書の1枚目は、条件のすり合わせから始めて構いません。
書き始める前に、集めておく3つの情報
1枚目に相手の困りごとを書くには、その困りごとを知っている必要があります。ここを飛ばして書き始めると、どうしても一般論になります。
相手が扱っている物件の傾向
会社のサイトを開いて、施工事例を10件ほど見ます。見るのは、価格帯、間取りの傾向、素材の好み、写真の撮り方です。
新築の注文住宅が中心なのか、リノベーションが多いのか。木の質感を前面に出しているのか、白と直線で構成しているのか。ここが分かると、提案の方向性を外しません。
たとえば、無垢材と塗り壁の事例ばかりの会社に、光沢のある面材で構成した提案を出しても、社内で通りません。担当者が気に入っても、会社の売り方と合わないからです。
発注の背景にある事情
なぜ今、外部に頼もうとしているのか。ここを推測します。
社内のコーディネーターが手一杯なのか。繁忙期だけ人手が要るのか。社内にいない専門性が欲しいのか。募集の文面に手がかりがあることが多いです。「一時的に」「繁忙期に向けて」「新規事業として」といった言葉があれば、それが背景です。
背景が分かると、1枚目の書き方が変わります。人手が足りない相手には「引き継ぎの手間が少ないこと」を、専門性を求める相手には「その分野での判断基準」を先に見せます。
決まっている条件と、決まっていない条件
予算、納期、対象の物件、施主の属性。どこまでが確定していて、どこからが相談なのかを確認します。
ここが曖昧なまま提案すると、後から前提が変わって作り直しになります。分からない部分は、提案書の中に「この点は前提としてこう置いています」と明記しておきます。前提を書いておけば、違っていたときに責任の所在が明確になります。
情報が足りないときは、提案の前に質問を送っても構いません。質問できる関係を先に作れれば、それ自体が優位になります。
提案書の1枚目に入れる、4つの要素
ここが本題です。1枚目に入れるのは、次の4つだけにします。
要素1: 相手の言葉で書いた「困りごと」
一番上に書くのは、相手が困っていることです。しかも、相手が使っている言葉で書きます。
募集要項に「打ち合わせ回数が多く、担当者の負担が大きい」と書いてあれば、その表現をそのまま拾います。「提案の工数を削減したい」と言い換えないでください。言い換えると、相手は自分のことだと感じにくくなります。
書き方の例です。「お客様との色決めの打ち合わせが5回前後になり、担当者の方の時間を圧迫している。この工程を短縮したい、というご要望と理解しました」。
これだけです。この一段落が入っているかどうかで、続きを読まれる確率が変わります。
要素2: 提案の結論を、一文で
困りごとのすぐ下に、何をするのかを一文で書きます。
「初回提案の時点で仕上げ表と品番まで確定した資料をお出しすることで、色決めの打ち合わせを2回程度に収めるご提案です」。
長く書かないことです。詳細は2枚目以降にあります。1枚目に必要なのは、続きを読む理由だけです。
要素3: 見せるものは、1点に絞る
インテリアの提案書では、ビジュアルの力が大きい。だからこそ、1枚目に何点も並べたくなります。
でも、1点に絞ってください。全体が分かるパースか、コーディネートボードか、施工事例の写真か。どれか一つです。
複数並べると、相手はどれを見ればいいのか分からなくなります。1点だけなら、その1点をしっかり見てもらえます。
なお、見せる実例をどう用意するかという話は、それ自体で一つのテーマになります。ここでは、1枚目には「最も自信のある1点」を置く、とだけ覚えてください。
要素4: 費用と範囲の目安
これを1枚目に書くことに、抵抗を感じる方が多いです。「金額を先に出したら、それだけで判断されてしまうのでは」と。
気持ちは分かります。ただ、実務では逆に働くことが多いです。金額が書かれていない提案書は、相手にとって検討が進められない資料になります。予算が合うかどうかを確かめるために、わざわざ問い合わせをしてくれる相手は多くありません。
書き方は、範囲とセットにします。「初回提案と修正2回まで、仕上げ表の作成を含めて一式でいくら」という形です。金額の幅を書きにくければ、下限の金額と、そこに含まれる作業の一覧だけでも構いません。
1枚目でやりがちな失敗
相談の中でよく見る形を挙げます。当てはまっても、落ち込まないでください。直せるところです。
自己紹介から始めてしまう
一番多い形です。名前、資格、経歴、これまでの実績。丁寧に書かれているほど、1枚目が自分の話で埋まります。
自己紹介は必要です。ただし、置く場所は後ろです。相手が「この提案、いいかもしれない」と思った後で読むから意味があります。
情報を詰め込んでしまう
伝えたいことが多いほど、1枚に詰めたくなります。文字が小さくなり、余白がなくなり、結果として何も伝わらなくなります。
インテリアの提案書なら、なおさらです。余白の使い方は、それ自体が能力の証明になります。詰め込まれた資料は、空間提案の資料としても説得力を欠きます。
抽象的な形容詞に頼ってしまう
「心地よい空間」「上質な暮らし」「洗練されたデザイン」。どれも悪い言葉ではありません。ただ、どの提案書にも書いてあります。
代わりに、具体を書きます。「朝の光が入る東側にダイニングを寄せ、夕方は照明の色温度を落として切り替える」。こう書くと、相手の頭に絵が浮かびます。
使い回しがそのまま伝わってしまう
前の案件で作った資料を、社名だけ変えて送る。これは、思っている以上に伝わります。
全部を作り直す必要はありません。1枚目の困りごとの段落だけを、その案件のために書く。それだけで、使い回しの印象は消えます。
2枚目以降で、何を証明するか
1枚目で読む姿勢を作れたら、2枚目以降は順番どおりに並べます。
2枚目は、現状の整理です。渡された条件、間取り、予算、希望を、こちらがどう理解したかを書きます。ここで認識のずれが見つかることもあり、それ自体が価値になります。
3枚目は、提案の中身です。プランの方向性を示し、選択肢を出すなら2つまでにします。3つ以上並べると、相手は選べなくなります。それぞれに理由と費用差を添えます。
4枚目は、素材と品番です。メーカー名、品番、色番、仕上げ、数量。ここが具体的であるほど、相手は判断しやすくなります。曖昧なままだと、確認のやり取りが増えます。
5枚目は、進め方です。打ち合わせの回数、それぞれで決めること、こちらの対応可能日、修正の回数、納品物の一覧。ここを明示しておくと、後の行き違いが減ります。
6枚目に、ようやく自己紹介と実績です。資格や経歴は、ここで初めて効いてきます。
書類の構成に自信が持てないという方には、ビジネス文書検定のように文書の型を体系的に扱う資格の内容が参考になります。デザインの話ではなく、情報の並べ方の話として役に立ちます。
送り方と、そのあとのやり取り
提案書ができたら、送り方も設計します。ここで差がつくことがあります。
送信メールの本文も、提案書の一部です
添付ファイルを開いてもらえなければ、何も始まりません。メール本文には、提案書の1枚目と同じ構造を、3行で書きます。
「ご相談いただいた色決めの打ち合わせ回数の件について、ご提案をお送りします。初回提案の段階で品番まで確定させる進め方で、打ち合わせを2回程度に収める内容です。添付資料の1ページ目に概要をまとめております」。
これで十分です。長い挨拶文は不要です。
返事が来ないときの追いかけ方
送って数日、返信がない。ここで多くの方が止まってしまいます。
一度だけ、確認の連絡を入れて構いません。催促ではなく、情報を足す形にします。「先日お送りした件、ご検討の材料として、類似の進め方をした場合のスケジュール例を追記しました」。何かを足すと、連絡の理由ができます。
それでも反応がなければ、そこで区切ります。追いかけ続けると、関係が消耗します。案件は他にもあります。
ファイルの形式と重さにも気を配る
細かいことですが、ここでつまずく例が意外とあります。
パースや画像を多く含む提案書は、ファイルが重くなりがちです。メールの添付で送れないサイズになると、相手の環境によっては開けません。共有リンクで送る場合も、相手の会社がその共有サービスにアクセスできるとは限りません。
形式はPDFにして、容量を抑えます。画像の解像度は、画面で見るぶんには高くなくても十分です。ファイル名にも日付と自分の名前を入れておくと、相手の手元で埋もれません。
スマートフォンで開かれることも想定してください。担当者が移動中に確認する場面はよくあります。細い文字や小さな図は、その画面では読めません。1枚目だけでも、スマートフォンで見て伝わるかを確認してから送ります。
初回の打ち合わせで聞くこと
提案が通って面談になったら、聞くことを決めておきます。
決定するのは誰か。予算の上限はどこか。いつまでに何を決める必要があるか。過去に似た依頼をした経験があるか、あるならそのとき困ったことは何か。
最後の質問は特に効きます。相手が過去に感じた不満が分かれば、そこを避ける進め方を提示できます。
単価と条件を、どう置けばいいか
金額の話は、多くの方が苦手にされています。基準がないと不安になりますよね。
インテリアコーディネーターの収入水準について、次のような記述があります。
インテリアコーディネーターの収入は、正社員なら平均年収が509万円。日本全体の給与所得者の平均年収458万円と比較すると、やや高めの水準だといえます。 (厚生労働省提供 職業情報提供サイト「job tag」調べ) ただし、地域や勤務形態(正社員やアルバイトなど)、さらには勤務する会社の規模などによって所得は異なります。 出典: tdg.ac.jp
正社員で平均年収509万円、給与所得者全体の平均が458万円という水準です。これは雇用されて働く場合の数字なので、業務委託の単価をそのまま導けるわけではありません。ただ、目安にはなります。
業務委託で考えるときは、時給ではなく工程単位で見ます。ヒアリング、プラン検討、素材選定、資料作成、修正対応。それぞれに何時間かかるかを書き出して、合計時間に希望する時間単価を掛ける。そこに、営業や事務にかかる時間を加算します。
ここで多いのが、修正対応の時間を見ていないことです。インテリアの提案は、修正が発生しやすい領域です。だから提案書の段階で「修正は2回まで、以降は1回あたり別途」と書いておきます。
もう一つ、手取りの構造も見ておいてください。仲介するサービスを経由すると、報酬から手数料が引かれます。年間100万円の受注で手数料率が20%なら、20万円が差し引かれます。手数料0%の直接取引なら、その分がそのまま残ります。同じ仕事量でも手元に残る額が変わるので、経路の選び方は単価交渉と同じくらい効きます。
他の職種の単価水準を横目で見たい方には、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような職種別のデータが参考になります。提案資料の作成や記事監修など、書く仕事を組み合わせる方は特に見ておくとよいと思います。
資格や勉強は、どこで効いてくるのでしょうか
「資格を取れば案件が取れますか」というご質問も、よくいただきます。
正直にお答えすると、資格そのものが案件を連れてくることは多くありません。ただ、二つの場面で効きます。
一つは、実務経験が浅い段階で、基礎知識があることを示す場面。もう一つは、雇用される働き方で資格手当の対象になる場面です。
学習にかかる期間については、次のような目安が示されています。
インテリアコーディネーターの資格取得に向けた対策方法は、独学や通信講座、専門スクールが挙げられます。まったく知識のない状態から対策を始める場合、1日1時間の勉強時間で計算すると、最低でも6ヶ月ほどの期間が必要です。 出典: iezukuri-business.homes.jp
1日1時間で、最低6ヶ月。決して短くありません。今すぐ案件を取りたい方が、まず資格から始めるのは順番として重くなります。
在宅で仕事を組み立てたい方は、インテリア以外の資格の使われ方も見ておくと視野が広がります。在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるでは、自宅で完結する仕事につながりやすい資格が分野ごとに整理されています。提案業務と相性のよい分野を組み合わせるという考え方もできます。
また、住宅分野以外で在宅前提の発注がどう行われているかを知っておくと、提案書の書き方の参考になります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、成果物と範囲を明確にして発注される分野の進め方は、インテリアの提案にも応用できます。
断られることに、慣れなくていいんです
提案が通らないと、落ち込みます。当たり前です。
ただ、ここで一つだけお伝えしたいことがあります。提案が通らなかったことと、自分の価値が低いことは、別の話です。
タイミングが合わなかった。予算が決まっていなかった。社内で別の担当が決まっていた。こちらには見えない事情で決まっていることが、本当に多いんです。
だから、一件ごとに自分を評価しないでください。見るなら、10件送ったうちの反応数のように、まとめて見ます。まとめて見れば、1枚目を変えた効果も分かります。
それから、提案を作る時間を無限に伸ばさないこと。完璧を目指すほど、送る前に疲れてしまいます。1枚目に4つの要素が入っているかだけを確認して、送ってください。
こういうご相談を受けるとき、私がいつもお伝えするのは、続けられる作り方を選びましょう、ということです。1件に何十時間もかける作り方は、通らなかったときのダメージが大きすぎます。
インテリアが好きで、それを仕事にしたいという気持ちは、大切な資源です。
インテリアが好きな人にとって、インテリアコーディネーターはとてもやりがいを感じられる仕事であり、まさに「好きなことを仕事にする」立場と言えます。 出典: kurume-it.ac.jp
好きだからこそ、消耗する作り方は避けたい。提案書を型にしておくのは、そのためでもあります。
送った提案を、記録として残す
もう一つだけ、続けるための工夫をお伝えします。送った提案を記録に残してください。
表計算ソフトで十分です。列は、送った日、相手の名前、案件の内容、1枚目に書いた困りごと、提示した金額、返信の有無、結果。この7つです。
なぜ記録するのか。理由は二つあります。
一つは、改善の材料になるからです。返信があった提案と、なかった提案を並べると、共通点が見えてきます。金額なのか、書き出しなのか、送った時期なのか。感覚ではなく、並べて見ることで分かります。
もう一つは、気持ちの面です。断られると、その一件が記憶に残ります。通った案件のことは、忙しさに紛れて忘れてしまう。記録があれば、全体としてどうだったのかを冷静に見られます。
10件送って2件返信があれば、それは十分に機能している状態です。全部に返信が来ることはありません。ここを誤解していると、必要以上に自分を責めてしまいます。
そして、3ヶ月に一度くらい、記録を見返して1枚目のテンプレートを更新します。反応がよかった書き出しを残し、そうでないものを削る。これを続けていくと、半年後には自分の型ができています。
市場を長く見てきた立場からの観察
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、案件が続く人と続かない人の差は、提案書の美しさではないところに出ています。
続く人は、相手の手間を減らす書き方をしています。品番まで書いてある。決めるべき項目が箇条書きになっている。次に何をすればいいかが最後に書いてある。読んだ人が、そのまま社内で回せる資料になっているのです。
続かない人は、自分の考えを説明することに紙面を使います。内容は正しくても、読んだ人がその後に何をすればいいのかが分からない。結果として、案件が動き出しません。
もう一つ、運営者として見てきた限りでは、手取りの構造を理解している人ほど長く続いています。中間マージンが乗る取引では、発注側が払った金額と受け手に届く金額の間に差が生まれます。この差がない直接取引に移った人は、同じ予算でも手元に厚く残り、その余裕が「今回の修正は受けます」という柔軟さにつながります。柔らかく対応できる人には、次の依頼が来ます。金額の話が、結局は関係の質に返ってくるということです。
1枚目を変えるところから、始めてみてください
案件の取り方に、特別な才能は要りません。順番を整えるだけです。
1枚目に、相手の困りごとを相手の言葉で書く。提案の結論を一文で書く。見せるものを1点に絞る。費用と範囲の目安を書く。この4つです。
自己紹介と実績は後ろに置く。抽象的な形容詞ではなく具体を書く。使い回しは冒頭だけ書き換える。
そして、通らなかった提案を一件ずつ抱え込まないこと。10件単位で見て、1枚目を少しずつ直していく。焦らなくて大丈夫です。ここは、続けた人から順に結果が出る領域です。
よくある質問
Q. 提案書の1枚目には何を書けばよいですか?
4つに絞ります。相手の困りごとを相手が使っている言葉で書くこと、提案の結論を一文で書くこと、見せるビジュアルを1点だけ置くこと、費用と対応範囲の目安を書くことです。自己紹介や経歴、実績は後ろに置きます。発注する側は数十秒で続きを読むかどうかを決めるため、自分の説明から始めると読まれません。
Q. 提案書に金額を書くと不利になりませんか?
金額が書かれていない提案書は、相手にとって検討を進められない資料になります。予算が合うか確かめるためにわざわざ問い合わせてくれる相手は多くありません。範囲とセットで「初回提案と修正2回まで、仕上げ表の作成を含めていくらから」という形にすれば、値段だけで判断される事態も避けられます。
Q. インテリアコーディネーターの収入はどのくらいですか?
職業情報提供サイトのデータでは、正社員の平均年収は509万円で、給与所得者全体の平均458万円よりやや高い水準とされています。ただし地域や勤務形態、会社の規模で差があります。業務委託の場合はこの数字をそのまま当てはめず、工程ごとの所要時間に希望する時間単価を掛けて算出するのが実際的です。
Q. 資格がないと案件は取れませんか?
資格そのものが案件を連れてくることは多くありません。実務経験が浅い段階で基礎知識を示す材料になること、雇用される働き方で資格手当の対象になることが主な効用です。学習は知識ゼロからだと1日1時間で最低6ヶ月ほどかかるとされているため、すぐに案件を取りたい場合は提案書の作り方を先に整えるほうが近道です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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