情報系の資格|IT初心者からの取る順番


この記事のポイント
- ✓情報系の資格でおすすめを探すIT初心者向けに
- ✓ITパスポートから情報セキュリティマネジメント
- ✓応用情報技術者へ進む順番を整理
情報系の資格でおすすめを調べると、国家試験、メーカーの認定資格、パソコンの検定と数が多く、どれから手を付ければよいか迷ってしまいます。IT初心者の場合、結論は「ITパスポート試験から始め、仕事の方向に合わせて情報セキュリティマネジメント試験か基本情報技術者試験へ進む」順番です。どれも情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、受験手数料は同じ7,500円、パソコンで受けるCBT方式で年間を通じて受験できます。この記事では、資格の全体像、各試験の中身と日程、2027年度から変わる試験制度、目的別の取る順番までを順に説明します。
情報系の資格は3つの層に分かれる
情報系の資格は、誰が認定しているかで大きく3つに分けると整理しやすくなります。
| 種類 | 代表的な資格 | 認定する団体 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 国家試験 | ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者、応用情報技術者 | 経済産業省の下でIPAが実施 | 特定の製品に偏らず、ITの共通の知識を問う |
| ベンダー資格 | CCNA、クラウドの認定資格など | 製品を作る会社 | 特定の製品や技術を扱う力を証明する |
| パソコンの検定 | 表計算や文書作成の検定 | 民間の団体 | 事務作業でソフトを使う力を証明する |
ベンダーとは、機器やソフトを作って売る会社のことです。ベンダー資格は、その会社の製品を扱う仕事で強く評価されますが、製品が変わると内容も変わります。一方、国家試験は製品に偏らない共通の知識を問うため、職種を問わず通用しやすいのが特徴です。
IT初心者が最初に選ぶなら、国家試験から入るのが効率的です。理由は3つあります。1つ目は、ITの全体像を体系的に学べることです。2つ目は、合格すると経済産業大臣の名前で合格証書が交付され、履歴書に書いたときに誰にでも伝わることです。3つ目は、試験が段階的に作られていて、次に何を目指せばよいかがはっきりしていることです。
ベンダー資格やパソコンの検定は、国家試験で土台を作った後、仕事で使う製品やソフトに合わせて足していく形がよく取られます。この記事でも、国家試験の順番を軸にして、ほかの資格の位置づけを後半で説明します。
IT初心者の最初の1つはITパスポート試験
ITパスポート試験は、IPAが「あなたのIT力を証明する国家試験」と紹介している入門の試験です。対象者は、ITに関する共通の基礎知識を持ち、担当する仕事にITを活用していこうとする職業人と、これから職業人になる人です。エンジニアだけでなく、事務、営業、企画など、どんな職種の人にも向けて作られています。
試験の形式は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施方式 | CBT方式で随時実施 |
| 試験時間 | 120分 |
| 出題形式 | 四肢択一 |
| 出題数 | 100問 |
| 受験手数料 | 7,500円(消費税込み) |
CBT方式とは、全国の試験会場でパソコンの画面に表示された問題に答える方式のことです。紙の試験のように年に数回の決まった日を待つ必要がなく、空いている日時を自分で予約して受けられます。思い立ったときに受けられるので、勉強の区切りを自分で決めやすい試験です。
出題される分野は、企業の活動や法律、経営戦略などの「ストラテジ系」、プロジェクトやシステムの管理などの「マネジメント系」、コンピュータやネットワーク、セキュリティなどの「テクノロジ系」の3つです。IPAの説明では、AIやビッグデータ、IoTなどの新しい技術や、アジャイルと呼ばれる開発の進め方の概要も範囲に含まれています。
IT初心者にとってこの試験が向いている理由は、範囲が広く浅い点にあります。専門的な計算やプログラムを書く力は求められず、ITの言葉と考え方をひととおり知っているかが問われます。後に続く試験で出てくる用語の多くに、ここで一度触れておけるため、次の段階に進んだときの負担が軽くなります。
次の段階は情報セキュリティマネジメントか基本情報技術者
ITパスポート試験の次は、仕事の方向によって2つの試験に分かれます。どちらもCBT方式で随時受けられ、受験手数料は7,500円です。
情報セキュリティマネジメント試験は、IT部門ではなく、ITを使う側の部門で情報セキュリティのまとめ役になる人に向けた試験です。IPAは対象者像を、部門の情報セキュリティ対策を理解し、情報や情報システムを安全に活用できる状況を作って維持する人と説明しています。部門の情報資産を洗い出してリスクを評価する、業務を外部に委託するときにセキュリティの条件を契約で明確にする、といった仕事が想定されています。
試験は科目Aと科目Bを合わせて120分で、60問に答えます。科目Aは四肢択一、科目Bは事例をもとにした多肢選択式です。事務職、総務、人事、営業など、日々の仕事で個人情報や社内の情報を扱う人に向いています。
基本情報技術者試験は、IPAが「ITエンジニアの登竜門」と呼んでいる試験です。ITを使ったサービスやシステム、ソフトウェアを作る人に必要な基本の知識と技能を問います。IPAは、ITエンジニアとしてキャリアを始めるなら、まずこの試験から受けることを勧めています。
試験は科目Aが90分で60問、科目Bが100分で20問です。IPAは期待する技術水準として、上位者の方針を理解して自らプログラムを作成できることを挙げています。科目Bでは、処理の手順を順に追って結果を考える力が問われるため、ITパスポート試験よりも勉強の時間が必要です。
| 比べる点 | 情報セキュリティマネジメント試験 | 基本情報技術者試験 |
|---|---|---|
| 向いている人 | ITを使う部門の担当者 | ITエンジニアを目指す人 |
| 試験時間 | 120分 | 科目A 90分、科目B 100分 |
| 出題数 | 60問 | 科目A 60問、科目B 20問 |
| 難しさの目安 | ITパスポートの次の段階 | ITパスポートの次の段階で、アルゴリズムの問題がある |
応用情報技術者試験と高度試験の日程
基本情報技術者試験の上にあるのが、応用情報技術者試験です。IPAは「ワンランク上のITエンジニア」と紹介していて、技術から管理、経営まで幅広い知識と応用力を問います。科目Aは150分で80問の四肢択一、科目Bは150分の記述式です。
その上には、ネットワークやデータベース、プロジェクトマネジメントなど、分野ごとの高度試験と、情報処理安全確保支援士試験があります。情報処理安全確保支援士とは、サイバーセキュリティの専門家として登録できる国家資格のことです。
これらの試験は、2026年度からCBT方式で前期と後期に分けて行われています。受験手数料は7,500円です。令和8年度前期試験の予定は次のとおりです。
| 試験 | 申込受付期間 | 試験の期間 |
|---|---|---|
| 応用情報技術者試験 | 2026年10月6日から11月7日17時まで | 科目A:10月28日から11月10日、科目B:11月24日から12月6日 |
| 高度試験(ST、SA、NW、SM)と情報処理安全確保支援士試験 | 2026年10月6日から10月24日17時まで | 科目A-1・A-2:10月17日から10月27日、科目B:11月11日から11月23日 |
日程の全体は、IPAのスケジュール、手数料などのページにまとまっています。後期試験は、応用情報技術者試験の申込みが2027年1月27日から2月16日まで、試験は科目Aが2月6日から2月19日、科目Bが3月3日から3月15日の予定です。
申込みはインターネットだけで受け付けていて、申込みは1回に限られます。複数の試験区分を同時に申し込むことはできません。受験票は送られてこないため、試験の当日は本人確認の書類を必ず持っていく必要があります。
現行試験制度については、2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度に移行する予定です。 出典: IPA 応用情報技術者試験
2027年度から試験制度が変わる
情報系の資格を今から目指す人が必ず知っておきたいのが、試験制度の見直しです。経済産業省とIPAは、2027年度から新しい試験制度に移る予定だと公表しています。2026年3月31日時点の検討状況として示された見直しのポイントは、次の5つです。
- データマネジメント試験(仮称)の新設:主にビジネス部門でデータを整えて管理する力を問う試験で、ITパスポート試験の次の段階として位置づけられる
- ITパスポート試験の出題構成の変更:出題分野を「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に整理し直し、AI時代のセキュリティや倫理の出題を強める
- プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)の新設:現在の応用情報技術者試験と高度試験をまとめ直し、マネジメント、データ・AI、システムの3つの区分を設ける
- 情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験の一部変更:表記などの変更で、問う知識と技能の範囲そのものは変わらない
- 情報処理安全確保支援士試験の一部変更:試験時間や出題形式の変更、マネジメント分野の強化
IT初心者への影響で大きいのは、1つ目と2つ目です。ITパスポート試験の次の段階として、データを扱う力を問う新しい試験が加わり、ITを使う側の人にとっての選択肢が増えます。新制度でのITパスポート試験は、試験時間120分、出題数100問と、時間と問題数は今と同じ形で示されています。
一方、3つ目の見直しにより、応用情報技術者試験は2026年度の試験をもって現在の形では終わる予定です。応用情報技術者試験を今の形で受けたい人は、2026年度の前期か後期が最後の機会になります。
IPAは、公表した内容は検討中のもので、今後変わる場合があるとしています。新試験のサンプル問題とシラバス(出題の範囲を細かく示した資料)も公開されていますが、受験の直前には、必ずIPAの試験制度の見直しについてのページで最新の案内を確かめてください。
新制度を前に今どう動くか
試験制度が変わると聞くと、今のうちに受けるべきか、新制度を待つべきか迷う人も多いはずです。判断の目安は、どの試験を目指すかで変わります。
ITパスポート試験は、新制度でも試験そのものは続き、時間と問題数も変わらない形で示されています。出題の分野が整理し直されるため、2027年度以降に受けるなら新しいシラバスに合った教材を選ぶ必要があります。今の教材で勉強を始めている人は、2026年度のうちに受けてしまうと教材を無駄にせずに済みます。
情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験は、問う範囲そのものは変わらないとされています。新制度を待つ理由は小さいため、準備ができた時点で受けるのが合理的です。
応用情報技術者試験を目指している人は、今の形での試験が2026年度で終わる予定であることを踏まえて計画を立ててください。前期の申込みは2026年11月7日17時まで、後期の申込みは2027年1月27日からです。まだ準備が足りない場合は、新制度のプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)のサンプル問題を見たうえで、どちらに向けて勉強するかを決めると無駄が少なくなります。
どの試験でも共通して言えるのは、合格した資格の価値は制度が変わっても失われないということです。今の制度で取った合格証書は、そのまま実績として使えます。制度の変わり目を理由に勉強を先送りするより、今できる段階の試験を1つ取っておくほうが、次の一歩を踏み出しやすくなります。
ベンダー資格とパソコンの検定の位置づけ
国家試験で土台を作った後は、仕事で使う製品に合わせてベンダー資格を取る道があります。代表的なのが、ネットワーク機器の大手が認定するCCNAです。ネットワークの設定や運用の基本を問う資格で、インフラの仕事を目指す人の最初の目標としてよく選ばれます。資格の概要はCCNA(シスコ技術者認定)でまとめています。
ベンダー資格の強みは、仕事の現場で使う製品にそのまま結び付く点です。求人の応募条件に資格名が書かれていることもあり、即戦力としての評価につながりやすくなります。ただし、製品の更新に合わせて試験の内容が変わったり、資格に有効期限があったりするものも多いため、取った後も学び続ける前提で考える必要があります。
クラウドの認定資格も、近年は情報系の資格として広く知られるようになりました。インターネット上のサーバーやサービスを使う仕組みの知識を問うもので、提供する会社ごとに入門から専門までの段階が用意されています。
パソコンの検定は、表計算や文書作成のソフトを使う力を証明するもので、事務の仕事で評価されやすい資格です。ITの仕組みを問う国家試験とは役割が違うため、事務職を目指す人は、ITパスポート試験とパソコンの検定を組み合わせると、知識と操作の両方を示せます。
ベンダー資格やパソコンの検定は、受験料や試験の形式が団体ごとに違い、改定もあります。受けるときは、それぞれの公式の案内で最新の内容を確かめてください。
目的別の取る順番
ここまでの内容を、目的別の順番に整理します。
事務職やITを使う部門で働きたい人
- ITパスポート試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 必要に応じてパソコンの検定
社内の情報を安全に扱えることは、どの部署でも求められる力です。ITパスポート試験で全体を押さえた後、情報セキュリティマネジメント試験で守る側の知識を深めると、部門のまとめ役を任されやすくなります。
ITエンジニアを目指す人
- ITパスポート試験(基礎に不安がある場合)
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験、または新制度の上位の試験
- 仕事の分野に合わせてベンダー資格
ITの基礎に自信がある人は、ITパスポート試験を飛ばして基本情報技術者試験から始めてもかまいません。IPAも、エンジニアのキャリアを始めるならまず基本情報技術者試験を勧めています。
営業や企画でITを生かしたい人
- ITパスポート試験
- 2027年度以降は、新設予定のデータマネジメント試験(仮称)
データをもとに提案や企画を考える仕事では、データを整えて管理する知識が強みになります。新しい試験が始まるまでは、ITパスポート試験でデータの基礎とセキュリティの考え方を固めておくと準備になります。
セキュリティの専門家を目指す人
- 情報セキュリティマネジメント試験、または基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 情報処理安全確保支援士試験
専門家への道は長いため、途中の試験で合格を積み重ねることが、学びを続ける支えになります。
まだ方向が決まっていない人
将来の仕事の方向が決まっていない人は、ITパスポート試験を受けた後、成績の照会で分野ごとの点数を見て決める方法があります。ストラテジ系の点数が高かった人は企画や管理の仕事、テクノロジ系が得意だった人はエンジニアの仕事に向いている可能性があります。
もちろん、点数だけで向き不向きが決まるわけではありません。ただ、勉強していて面白いと感じた分野は、その後の勉強も続けやすいものです。ITパスポート試験の勉強中に、どの章を読んでいるときが楽しかったかを振り返ってみると、次の試験を選ぶ手がかりになります。
迷ったまま時間が過ぎるのが一番もったいない選び方です。どの試験も受験手数料は7,500円で、CBT方式なら日程も自分で決められます。まず1つ受けてみて、その結果から次を決めるくらいの気持ちで始めるのが、IT初心者にとって現実的な進め方です。
勉強の進め方と時間の目安
勉強にかかる時間は、もともとの知識と1日に使える時間で大きく変わります。ここでは、どの試験にも共通する進め方の考え方を紹介します。
最初にすることは、IPAが公開しているシラバスと過去問題を確かめることです。過去問題はIPAのサイトで公開されているので、まず1回分を解いてみて、どの分野が分からないかを知ることから始めると効率的です。最初はほとんど解けなくても問題ありません。分からない分野が見えることが、計画を立てる材料になります。
次に、参考書を1冊決めて最後まで読みます。複数の本を少しずつ読むより、1冊を通して読むほうが全体像をつかみやすくなります。読み終えたら、過去問題を繰り返し解き、間違えた問題の解説を読んで、なぜその答えになるのかを説明できるようにします。
基本情報技術者試験の科目Bは、処理の手順(アルゴリズム)を読み解く問題に慣れることが大切です。手順を紙に書き出し、変数の値が1行ごとにどう変わるかを追う練習を続けると、問題の読み方が身につきます。
CBT方式の試験は、空いている日時を自分で予約できます。試験日を先に決めて予約しておくと、そこから逆算して勉強の計画を立てられ、先延ばしを防げます。
試験当日の流れと注意点
CBT方式の試験は、紙の試験とは当日の流れが少し違います。初めて受ける人が戸惑いやすい点を整理しておきます。
まず、受験の申込みと会場の予約はインターネットで行います。会場ごとに試験の日時と時間帯が決まっていて、空いている枠から選ぶ形です。応用情報技術者試験と高度試験では、科目Aと科目Bを同時に予約する決まりになっています。人気のある会場や週末の枠は早く埋まりやすいため、受けたい日が決まったら早めに予約してください。
次に、当日は本人確認の書類が必要です。IPAは、有効な本人確認書類を示せない場合は、どんな理由でも受験できないと案内しています。運転免許証やマイナンバーカードなど、どの書類が使えるかは試験の運営会社のページに一覧があるので、前日までに確かめておくと安心です。
試験の画面では、メモ機能や電卓機能が使えます。令和8年度前期の応用情報技術者試験と高度試験では、これに加えて、入室のときにメモ用紙1枚と筆記用具が配られると案内されています。試験によって使える道具が違うので、受ける試験の注意事項を事前に読んでおいてください。
体の不自由などでパソコンでの受験が難しい人のためには、紙で受ける特別措置試験が用意されています。CBT方式のままで、車いすの対応や座席の配慮を受けることもできます。どちらも受験の申込みより前に申請が必要で、締め切りが早いので注意してください。
合格した後の手続きと履歴書の書き方
IPAの国家試験に合格すると、経済産業大臣の名前が入った合格証書が交付されます。すべての試験区分で成績の照会もできるため、不合格だった場合も、どの分野で点数が足りなかったかを確かめて次の勉強に生かせます。
合格証書は、就職や転職、社内の評価で提出を求められる大事な書類です。なくさないよう保管してください。合格証書とは別に、合格したことを証明する合格証明書の交付を申し込むこともできます。
履歴書の資格欄には、試験の正式な名前を書きます。たとえば「ITパスポート試験 合格」「基本情報技術者試験 合格」のように、合格した年月と一緒に書くのが一般的です。「ITパス」「基本情報」のような略した名前は、面接の場では通じても、書類では正式な名前にそろえると丁寧な印象になります。
情報処理安全確保支援士試験に合格した人は、登録の手続きをすると情報処理安全確保支援士を名乗れます。合格しただけで名乗れるわけではない点が、ほかの試験と違うところです。
資格を書くときは、その資格で何ができるかを一言添えると、読む人に伝わりやすくなります。たとえば職務経歴書に「情報セキュリティマネジメント試験に合格し、部署の個人情報の取り扱いの手順を見直した」と書けば、資格の名前だけより具体的に力を示せます。
学生や新社会人が取るときの考え方
情報系の資格は、学生や新社会人にとっても取りやすく、成果が見えやすい資格です。受験の条件がなく、年齢や学歴を問わず誰でも受けられるからです。
学生のうちにITパスポート試験に合格しておくと、就職活動でITの基礎を学んでいることを示せます。IPAは、大学や高校での試験の活用事例や、大学での活用状況も紹介しています。授業の単位として認めたり、入試で評価したりしている学校もあるため、自分の学校の扱いを確かめてみてください。
新社会人の場合は、配属された部署の仕事に合わせて次の試験を選ぶと、勉強した内容をすぐに仕事で使えます。システムの部署に配属されたら基本情報技術者試験、管理部門なら情報セキュリティマネジメント試験というように、仕事と勉強を結び付けると続けやすくなります。
会社によっては、新人研修で基本情報技術者試験の合格を目標にしているところもあります。早めに受けておくと、研修の内容を理解しやすくなり、その先の資格にも進みやすくなります。
費用を抑えて受ける方法
IPAの国家試験の受験手数料は、ITパスポート試験から高度試験まですべて7,500円です。情報処理技術者試験は消費税込み、情報処理安全確保支援士試験は非課税と案内されています。ほかの資格に比べると受けやすい金額ですが、何度も受けると負担になるため、費用を抑える方法も知っておくと役に立ちます。
1つは、勤務先や学校の制度を使う方法です。社員の資格取得を支援する会社では、受験手数料の負担や合格時の報奨金を設けていることがあります。会社や学校がまとめて購入するバウチャーチケット(受験手数料の前払い券)を使えるかどうかも、担当の部署に確かめてみてください。
もう1つは、教育訓練給付金の対象になる講座を使う方法です。教育訓練給付金とは、雇用保険に入っている人などが、国が指定した講座を修了したときに受講料の一部が戻る制度のことです。IPAのサイトにも教育訓練給付制度についての案内があり、情報処理技術者試験の合格を目指す講座の中には指定を受けているものがあります。対象になるかは講座と本人の条件で決まるため、申込みの前にハローワークで確かめてください。
独学で進める場合は、IPAが公開している過去問題とシラバスを中心に使うと、教材の費用を抑えられます。参考書は1冊に絞り、足りない部分だけを公式の資料で補う形にすると、出費も勉強の迷いも少なくなります。不合格だったときも、成績の照会で弱い分野を確かめてから受け直せば、同じ7,500円をより確実に合格につなげられます。
資格と一緒に身につけたい実務の力
情報系の資格は、知識があることを示すのに役立ちますが、資格だけで仕事が回るわけではありません。資格の勉強と並行して身につけておくと、資格の価値がぐっと上がる力があります。
1つ目は、実際に手を動かした経験です。基本情報技術者試験を目指す人なら、簡単なプログラムを自分で書いて動かしてみる、表計算ソフトで集計の仕組みを作ってみる、といった経験が理解を深めます。試験の問題で見た手順が、実際の画面ではどう動くのかを確かめると、知識が忘れにくくなります。
2つ目は、分からないことを調べる力です。ITの技術は変化が速く、資格で学んだ内容もいずれ古くなります。公式の説明書やサポートのページを読んで、自分で答えにたどり着く習慣をつけておくと、新しい技術にも対応しやすくなります。
3つ目は、ITに詳しくない人に説明する力です。情報セキュリティのルールや、システムの使い方を、専門用語を使わずに説明できる人は、どの職場でも頼りにされます。勉強した用語を、家族や同僚に自分の言葉で説明してみると、自分の理解の浅いところも見つかります。
この3つは、資格の勉強の中でも少しずつ鍛えられます。過去問題を解くだけで終わらせず、分からなかった用語を調べて自分の言葉でノートに書く、勉強した内容を誰かに話してみる、といった工夫を加えると、合格した後に仕事で生かせる力が残ります。
在宅の仕事や副業で資格を生かす
情報系の資格は、会社員としての評価だけでなく、在宅の仕事や副業で信頼を得る材料にもなります。
ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験の知識は、データの入力や管理、社内の資料作りなど、情報を扱う在宅の仕事で役立ちます。依頼する側にとって、情報の扱いに関する国家試験に合格しているかどうかは、安心して任せられるかを判断する手がかりになるからです。
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に進んだ人は、システムやアプリの開発に関わる仕事も視野に入ります。どんな開発の仕事があるかは、アプリケーション開発のお仕事で具体的に紹介しています。
AIを業務に取り入れる支援の仕事も増えています。2027年度からの試験制度の見直しでも、データとAIの活用が大きなテーマになっています。こうした仕事の中身はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、セキュリティやマーケティングと組み合わせた仕事はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確かめられます。
業務委託の市場から見た考察
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、情報系の資格を持つ人への依頼は、資格の名前そのものより、資格で学んだ知識を仕事でどう使えるかを示せる人に集まる傾向があります。たとえば、情報セキュリティマネジメント試験に合格した人が、取引先とのデータのやり取りで気をつける点を具体的に説明できると、依頼する側の安心につながります。
長く続く人ほど、1つの資格で止まらずに、仕事の内容に合わせて次の資格へ進んでいます。国家試験で共通の土台を作り、その後にベンダー資格や専門の知識を重ねていく形です。2027年度の試験制度の見直しで、データとAIの活用を問う試験が加わることは、この流れを後押しすると考えられます。
また、仲介の手数料が差し引かれない直接の取引では、同じ予算でも依頼する側はより多くの作業を頼め、受ける側の手取りも厚くなります。情報系の資格は受験手数料が7,500円と比較的少ない費用で挑戦できるため、まず1つを取り、それを実績として小さな仕事から始めるのが現実的な進め方です。ネットワークの分野に進みたい人は、国家試験の次の目標としてCCNA(シスコ技術者認定)を検討すると、インフラの仕事の入口が広がります。
よくある質問
Q. IT初心者が最初に取るべき情報系の資格は何ですか?
ITパスポート試験が向いています。IPAが実施する国家試験で、ITの基礎知識を広く問い、エンジニア以外の職種の人も対象です。CBT方式で随時受験でき、試験時間は120分、出題数は100問、受験手数料は7,500円です。合格後は仕事の方向に合わせて次の試験を選べます。
Q. 情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験はどちらを先に受けるべきですか?
ITを使う部門で情報を守る役割を担いたい人は情報セキュリティマネジメント試験、システムやソフトウェアを作るエンジニアを目指す人は基本情報技術者試験が向いています。どちらもCBT方式で随時受験でき、受験手数料は7,500円です。両方受ける場合は、仕事に近いほうを先にすると学びが生きます。
Q. 2027年度の試験制度の見直しで、今取った資格は無駄になりますか?
無駄にはなりません。今の制度で合格した資格は、制度が変わってもそのまま実績として使えます。情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験は、問う範囲そのものは変わらないとされています。応用情報技術者試験は今の形での実施が2026年度で終わる予定のため、計画を早めに立ててください。
Q. 情報系の資格の受験料を抑える方法はありますか?
IPAの国家試験の受験手数料は一律7,500円です。勤務先が受験手数料を負担する制度や、会社がまとめて購入するバウチャーチケットを使える場合があります。講座を受ける場合は、教育訓練給付金の対象講座を選ぶと受講料の一部が戻ることがあるため、申込みの前にハローワークで確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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