アイコンセット制作の依頼相場|統一デザインで揃える発注のコツ 2026

長谷川 奈津
長谷川 奈津
アイコンセット制作の依頼相場|統一デザインで揃える発注のコツ 2026

この記事のポイント

  • アイコンセット制作を依頼したい発注者向けに
  • 統一感のある発注の伝え方
  • 契約時の注意点までを解説します

アプリやWebサービスのUIをまとめて整えたい、SNSアカウントの投稿カテゴリごとにアイコンを揃えたい。そんな理由で「アイコンセット 制作 依頼」と検索している方は多いはずです。1点だけのアイコン依頼と違い、セットで発注するとなると、料金相場も、依頼先の選び方も、発注時に伝えるべき情報も変わってきます。この記事では、アイコンセットを統一感のあるデザインで揃えるために、発注者が押さえておくべき費用相場と依頼のコツを具体的に解説します。

アイコンセット制作の市場動向とマクロ視点の現状

まず、なぜ今「アイコンセット制作」の依頼が増えているのかを整理しておきます。

スマートフォンアプリやSaaS型のWebサービスが増える中で、UIデザインの統一感はユーザー体験に直結する要素になりました。バラバラのタッチで作られたアイコンが並ぶ画面は、それだけでプロダクトの信頼感を下げてしまいます。とくにBtoB向けのSaaSでは、機能一覧やダッシュボードのカテゴリ分けにアイコンを多用する設計が主流になっており、5点から20点程度のアイコンセットをまとめて発注するニーズが年々増えています。

一方で、企業のマーケティング活動においても、SNS運用のカテゴリアイコン、資料作成用のピクトグラム、ECサイトの機能アイコンなど、複数点をまとめて統一デザインで揃えたいという発注が目立ちます。単発でアイコンを1点ずつ発注していくと、依頼するたびにデザイナーが変わってタッチが揃わなかったり、追加発注のたびに料金交渉が発生したりと、非効率になりがちです。だからこそ、最初からセットとして依頼する発想が重要になります。

クラウドソーシングサービスの解説によれば、次のような仕組みが業界の前提として広く使われています。

クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい人・探している人をマッチングするサービスのことです。多くのデザイナー・イラストレーター・絵師などが登録しているクラウドソーシングを選べば、イラストやアイコン制作・キャラクターデザインなどを経験豊富な人材に依頼できます。 出典: crowdworks.jp

つまり、アイコンセット制作を依頼する経路は大きく分けて、クラウドソーシングサービス、スキルマーケット、フリーランスへの直接依頼、制作会社への発注の4パターンがあるということです。それぞれ料金体系も納品スピードも異なるため、次の章で詳しく比較していきます。

アイコンセット制作の料金相場

アイコンセットの料金は「1点あたりの単価×点数」で決まるのが基本です。まずは1点あたりの相場を押さえましょう。

クラウドソーシングでの実勢価格について、次のような報告があります。

アイコンの依頼料金は1点あたり3,000~5,000円前後が相場ですが、依頼先となるイラストレーターや絵師の実績やスキルなどによって料金が変動します。イラストやアイコンの制作実績を積むために低価格(1,000円前後)で受注している人もいますが、人気イラストレーターや有名絵師などの場合は、アイコン1点あたり1万円以上の料金設定であるケースも見られます。 出典: crowdworks.jp

この単価をベースに考えると、セットで依頼する場合のおおまかな相場感は以下のようになります。

・シンプルなラインアイコン(機能アイコン、UIアイコン):1点あたり1,500円〜3,000円程度。同一テイストでの量産になるため、単価が下がりやすい傾向があります。

・塗り込みのあるフラットデザインアイコン:1点あたり3,000円〜6,000円程度。色数やグラデーションの有無で変動します。

・キャラクター性のあるアイコン、マスコット風アイコン:1点あたり5,000円〜15,000円程度。実力のあるイラストレーターほど単価が上がります。

・10点以上のセット発注:まとめ発注割引が効くことが多く、1点あたりの単価が10%〜20%下がるケースが一般的です。

つまり、10点のシンプルなアイコンセットを依頼する場合、総額はおおよそ2万円〜4万円程度が目安になります。ただし、この金額はあくまで「クラウドソーシング経由でフリーランスに直接依頼した場合」の相場です。制作会社に発注する場合は、ディレクション費やコミュニケーションコストが上乗せされるため、同じボリュームでも総額が1.5倍から2倍になることが少なくありません。

料金差が生まれる最大の理由は、間に入る仲介の層の数です。制作会社経由で発注すると、営業担当、ディレクター、実際に手を動かすデザイナーという複数の役割にコストが配分されます。これに対して、フリーランスのデザイナーへ直接依頼すれば、仲介マージンが発生しない分、同じ予算でもより多くの点数を依頼できたり、より実績のある人材に依頼できたりします。中間マージンがない直接取引は、発注者にとって「同じ予算でできることが増える」という具体的なメリットにつながるわけです。

アイコンセット制作を依頼できる先の選び方

依頼先は主に3つのタイプに分かれます。それぞれの特徴を理解した上で、自社の状況に合った先を選びましょう。

クラウドソーシングサービス

不特定多数のデザイナーが登録しており、コンペ形式(複数のデザイナーが提案を出し、採用されたものだけに報酬を支払う方式)とプロジェクト形式(1人のデザイナーと契約して進める方式)の2種類があります。アイコンセットのように統一感が重要な案件では、複数人が別々に提案を出すコンペ形式よりも、1人のデザイナーと継続的にやり取りするプロジェクト形式の方が向いています。

スキルマーケット型のサービスについては、こう説明されています。

スキルマーケットとは、個人の知識やスキル(デザインやイラスト制作・翻訳など)を売買するサイトを指します。スキルのフリーマーケットと呼称されることもあり、要望に沿ったアイコン制作を依頼したり、作品として完成しているアイコンを購入したりできます。 出典: crowdworks.jp

スキルマーケットは、すでにポートフォリオとして「アイコンセット」の実績を出品している人が多く、依頼前にテイストを確認しやすいのがメリットです。ただし、出品されているパッケージの点数や修正回数が固定されていることが多く、自社の要望に合わせた柔軟なカスタマイズがしづらい場合もあります。

フリーランスへの直接依頼

在宅ワーク求人サービスや業務委託マッチングサービスを通じて、フリーランスのデザイナーに直接依頼する方法です。仲介手数料が発生しない、あるいは低く抑えられているサービスを使えば、同じ予算でより高いスキルの人材に依頼できる可能性が高まります。継続的にアイコン制作を依頼したい企業にとっては、特定のデザイナーと長期的な関係を築ける点も大きなメリットです。

たとえば、サムネイルやバナー、各種素材の制作を継続的に依頼したい場合の考え方については、サムネイル・バナー・素材制作のお仕事で、発注時に押さえるべきポイントがまとめられています。アイコンセットも素材制作の一種として、同じ視点で発注先を選ぶとよいでしょう。

制作会社への発注

大量のアイコン点数(50点以上など)を、厳密なガイドラインに沿って統一的に制作したい場合は、制作会社への発注が安心です。ディレクターが間に入り、修正の調整や納期管理を代行してくれるため、発注者側の手間は減ります。ただし、その分費用は高くなる傾向にあるため、点数が少ない場合や予算が限られている場合はオーバースペックになりがちです。

依頼の流れと発注時に伝えるべきこと

アイコンセットの発注で最も重要なのは、最初の依頼内容の伝え方です。ここが曖昧だと、後から統一感のないアイコンが仕上がったり、修正のやり取りが何度も発生したりします。

ステップ1:必要なアイコンの一覧を洗い出す

まず、何点のアイコンが必要かをリストアップします。「だいたい10個くらい」ではなく、「ホーム、検索、通知、設定、プロフィール、お気に入り、カート、共有、削除、編集」のように、具体的な名称と用途を一覧化しておくことが大切です。この段階で不明確だと、後から「あのアイコンも追加してほしい」という追加発注が発生し、統一感を保つための調整コストがかさみます。

ステップ2:テイストの参考画像を用意する

「シンプルでモダンな感じ」という言葉だけでは、デザイナーによって解釈が大きく変わります。線の太さ、角の丸み具合、塗りつぶしか線画か、色数は何色かなど、参考にしたい既存のアイコンセットの画像を2〜3点用意しておくと、認識のズレを大幅に減らせます。

ステップ3:カラーコードとサイズ規格を指定する

ブランドカラーがある場合は、必ずカラーコード(16進数のカラーコード)で指定します。「青系」というあいまいな指定では、思っていた色と違う仕上がりになりがちです。また、使用する場所(アプリのUI内、Webサイトのフッター、印刷物など)によって最適なピクセルサイズが異なるため、書き出しサイズ(例:24px、48px、512pxなど)と形式(SVG、PNG)も事前に伝えておきましょう。

ステップ4:修正回数と納期を契約前に確認する

修正が何回まで無料に含まれるかは、依頼先によって大きく異なります。1回だけの場合もあれば、3回までは無料という場合もあります。セット発注では1点ずつの修正依頼が積み重なりやすいため、事前に修正ルールを確認しておくことがトラブル回避につながります。

こうした発注の基本的な考え方は、Web制作全般の外注にも共通しています。実際に発注を進める際の流れやチェックポイントについては、ホームページ・ブログ制作のお仕事LP制作・HTML/CSSコーディングのお仕事でも、外注先とのコミュニケーションの取り方が解説されていますので、あわせて参考にしてください。

依頼時に注意したい契約とトラブル回避

先日、あるクライアントから相談を受けました。「20点のアイコンセットを見積もりだけ3社から取って、一番安いところに発注したら、納品されたアイコンのタッチが参考画像と全然違った」という内容です。つまり、価格だけで比較して、実績や過去の作風を確認しなかったことが原因でした。

私自身、初めて外注を経験したときに似たような失敗をしています。複数の見積もりを比較した際、金額の安さだけに目を奪われて、ポートフォリオの確認をおろそかにしてしまったのです。結果的に、仕上がりが期待と違い、修正のやり取りに想定以上の時間がかかりました。これ以降、見積もり比較では必ず「金額」と「過去の実績・作風」の両方をセットで確認するようにしています。

こういうケース、実は本当に多いのです。安さだけで依頼先を決めるのではなく、必ず事前にポートフォリオや過去の納品実績を確認しましょう。とくにアイコンセットは、統一感こそが価値になるデザインですから、依頼先のこれまでの作品が「セットとしての統一感」を保てているかどうかを重点的にチェックすることが重要です。

また、著作権の扱いについても契約前に確認しておく必要があります。つまり、納品されたアイコンの著作権が発注者側に譲渡されるのか、それとも利用許諾(ライセンス)の形で使用権だけが与えられるのかは、依頼先によって異なるということです。とくに商用利用の範囲、二次利用の可否、他社への再販の可否については、契約書または発注時のやり取りで明文化しておくことをおすすめします。フリーランス保護新法の観点からも、業務委託契約では発注内容と報酬、納期、著作権の扱いを明確に取り決めることが求められています。口頭だけの合意で進めてしまうと、後から「言った言わない」のトラブルに発展しかねません。

※このようなケースで契約内容に不安がある場合は、行政書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

統一デザインで揃えるための発注テクニック

セットとしての統一感を高めるためには、発注の仕方そのものに工夫が必要です。

まず、1人のデザイナーにまとめて依頼することが基本です。複数のデザイナーに分割発注すると、どれだけ参考画像を共有しても、線の太さや余白の取り方に微妙な差が出てしまいます。点数が多い場合でも、可能な限り1人(または同一チーム)に一括発注することで、統一感を担保できます。

次に、最初の1〜2点を「サンプル」として先に確認するフローを設けることをおすすめします。20点を一気に発注してから全体の方向性がずれていたと気づくよりも、最初の数点で方向性をすり合わせてから残りを進める方が、手戻りのリスクを大幅に減らせます。多くのデザイナーもこの進め方に慣れているため、依頼時に「まず2点だけ試作をお願いできますか」と伝えるとスムーズです。

さらに、グリッドシステム(アイコンを一定のキャンバスサイズと余白ルールに基づいて設計する手法)を指定することも効果的です。たとえば「24px×24pxのキャンバスに対して、上下左右2pxの余白を統一する」というルールを最初に共有しておけば、点数が増えても視覚的なサイズ感が揃いやすくなります。

独自データ考察:直接依頼が広がる背景

在宅ワーク・業務委託の求人データを見ていくと、デザイン系の案件の中でもアイコン制作やUI素材制作といった「小口・短納期」の案件は、継続的な依頼につながりやすい傾向があります。年収・単価の相場という観点では、ソフトウェア作成者の年収・単価相場のように、技術職全体の単価データを見ても、専門スキルを持つ人材への直接発注は、企業側にとってコストメリットが大きい選択肢になっていることが分かります。

20年この在宅ワーク市場を見てきた立場から言えば、アイコンセットのような「点数が多く、統一感が求められる」案件ほど、単発の取引よりも継続的な関係構築を重視した発注の方がうまくいく傾向があります。長く続く発注担当者ほど、1回の発注で終わらせるのではなく、「次もこの人に頼みたい」と思える相手を見つけることに時間をかけています。これは、毎回新しいデザイナーを探すコストや、テイストのすり合わせにかかる手間を考えれば当然の判断です。

そして、中間マージンが乗らない直接取引の構造は、発注者と受注者の双方にとってメリットがあります。同じ予算であれば、発注者はより多くの点数を依頼できたり、より実績のある人材に発注できたりします。一方で受注者側も、仲介手数料が引かれない分、同じ作業量でも手取りが厚くなります。手数料0%で仲介するサービスを使う最大の意味は、金額の安さそのものよりも、双方にとっての「取り分の質」が変わることにあると、現場を見てきた実感として感じています。

また、業務委託契約の適正化という観点では、行政の取り組みも進んでいます。中小企業庁は、下請取引の適正化に関する情報を公開しており、業務委託契約における発注者側の責任についても言及しています。

では、下請取引の適正化に向けた各種ガイドラインが公開されており、発注者と受注者の双方が安心して取引できる環境整備が進められています。

アイコンセット制作のような小口の業務委託であっても、発注内容・報酬・納期を明確にした上で依頼することが、双方にとって望ましい取引につながります。統一感のあるアイコンセットを効率よく手に入れるためにも、依頼先の選定と発注の伝え方を丁寧に行うことをおすすめします。

よくある質問

Q. アイコンセットを10点依頼する場合、総額の目安はいくらですか?

シンプルなラインアイコンであれば、1点あたり1,500円から3,000円程度が相場です。10点であれば総額2万円から4万円程度が目安になりますが、テイストや依頼先によって変動します。

Q. コンペ形式とプロジェクト形式、どちらで依頼すべきですか?

統一感が重要なアイコンセットでは、1人のデザイナーと継続的にやり取りできるプロジェクト形式が向いています。コンペ形式は複数人が別々に提案を出すため、テイストが揃いにくい傾向があります。

Q. 著作権の扱いはどのように確認すればよいですか?

納品後の著作権が発注者に譲渡されるのか、利用許諾のみなのかは依頼先によって異なります。商用利用の範囲や二次利用の可否を含めて、契約前に明文化しておくことをおすすめします。

Q. 統一感のあるアイコンセットに仕上げるコツはありますか?

1人のデザイナーに一括発注すること、最初の1〜2点をサンプルとして確認すること、キャンバスサイズと余白のルールを事前に共有することが有効です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月23日最終更新:2026年7月26日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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