ハローワークのシニア求人|探し方と窓口


この記事のポイント
- ✓ハローワークのシニア求人の探し方を
- ✓全国約300か所の生涯現役支援窓口でできること
- ✓ハローワークインターネットサービスでの絞り込み方
ハローワークのシニア求人を探すなら、まず住んでいる地域のハローワークに「生涯現役支援窓口」があるかを確かめ、あわせて自宅からハローワークインターネットサービスで求人を絞り込むのが近道です。生涯現役支援窓口とは、厚生労働省が全国の主要なハローワーク約300か所に設けている、おおむね60歳以上の人向けの相談窓口のことで、相談も職業紹介も無料です。この記事では、窓口でできること、インターネットでの探し方、求人票の読み方、年金や雇用保険との関係、ハローワーク以外の選択肢までを、厚生労働省とハローワークの資料をもとに順に説明します。
シニアの仕事探しをめぐる今の状況
60歳を過ぎても働き続けることは、いまでは特別なことではありません。法律の面でも、会社には一定の年齢まで働く場を用意する義務と努力義務が定められています。まず、その仕組みを押さえておくと、求人の見え方が変わります。
高年齢者雇用安定法という法律により、会社は65歳まで希望する人を雇い続ける措置を取らなければなりません。具体的には、定年を65歳以上に引き上げる、定年をなくす、65歳までの継続雇用制度を設ける、のいずれかです。継続雇用制度とは、定年を迎えた人を、嘱託や契約社員などの形で引き続き雇う仕組みのことです。
さらに、令和3年4月の改正で、70歳まで働く機会を確保することが会社の努力義務になりました。努力義務とは、取り組むよう努めることを求めるもので、守らなくても罰則はない決まりのことです。厚生労働省は、改正の内容を次のように説明しています。
今回の改正は、個々の労働者の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設けるものであり、 70歳までの定年年齢の引上げを義務付けるものではありません。 出典: 厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」
選択肢として示されているのは、70歳までの定年の引上げ、定年の廃止、70歳までの継続雇用制度、70歳まで業務委託の契約を続ける制度、70歳まで社会貢献の事業に携われる制度の5つです。つまり、いまの会社で65歳を超えて働ける道がある人もいれば、65歳で区切りを迎えて新しい職場を探す人もいます。
もう1つ知っておきたいのが、求人の年齢制限のルールです。労働施策総合推進法という法律で、会社は募集や採用で年齢を理由に応募を制限することを原則として禁じられています。厚生労働省は、求人票を「年齢不問」としながら実際には年齢を理由に応募を断ることや、書類選考や面接で年齢を基準に採否を決めることも法の規定に反すると説明しています。そのため、ハローワークの求人の多くは年齢不問で、60代の人も同じ求人に応募できます。
ただし、例外として年齢を限った募集が認められる場合があります。その1つが、60歳以上の人や、特定の年齢層の雇用を促す国の施策を使う場合に、その対象者に限って募集するケースです。ハローワークで見かける「60歳以上の方を対象とした求人」は、この例外に当たるものです。
ハローワークの生涯現役支援窓口でできること
シニアの仕事探しでまず頼りにしたいのが、生涯現役支援窓口です。厚生労働省は、この窓口を次のように紹介しています。
厚生労働省では、全国の主要なハローワーク300箇所において、概ね60歳以上の高年齢者への総合的な就労支援等を実施する、生涯現役支援窓口を設置しています。様々な就労支援を無料で行っておりますので、就職でお悩みの高年齢者の方はもちろんのこと、高年齢者の活用を検討する事業主のみなさまもお気軽にご活用ください! 出典: 厚生労働省「生涯現役支援窓口事業」
窓口の名前は地域によって違い、「シニアコーナー」「シニア応援コーナー」「生涯現役支援コーナー」などと呼ばれていることがあります。どのハローワークに窓口があるかは、各都道府県労働局のホームページや、最寄りのハローワークへの電話で確かめられます。窓口がないハローワークでも、一般の窓口でシニア向けの求人を探したり相談したりできます。
窓口で受けられる支援は、ハローワークによって細かな違いはありますが、おおむね次のようなものです。
- これまでの経験や希望を聞いたうえでの職業相談
- 体力や働きたい時間に合った求人の紹介
- 応募書類の書き方や面接の受け方についての助言
- シニア向けの就職支援セミナーや、会社と直接話せる面接会の案内
- 働き方の選択肢として、シルバー人材センターなどの情報提供
窓口を使う前の準備としては、まず「何曜日に何時間くらい働きたいか」「通勤は何分まで大丈夫か」「体力的に避けたい作業は何か」の3点を、自分なりに決めておくと相談が進みやすくなります。シニアの仕事探しでは、職種より先に、働く時間と体への負担の条件で候補が絞られることが多いためです。
初めてハローワークに行くときは、求職の申込みから始まります。求職の申込みとは、ハローワークに仕事を探していることを登録する手続きのことで、窓口で用紙に記入するか、自宅からインターネットで仮登録をしてから窓口に行きます。手続きを済ませるとハローワークカードが渡され、以後の相談や求人の紹介はこのカードで受けられます。
ハローワークに行く前に準備するもの
初めてハローワークの窓口に行くときは、持ち物を揃えておくと、1回の来所で手続きと相談を済ませられます。仕事を探すだけなら、本人確認ができるものがあれば求職の申込みはできます。会社を辞めて雇用保険の給付も受けたい人は、持ち物が増えます。
65歳以上で辞めた人向けのハローワークのリーフレットでは、高年齢求職者給付金の手続きに必要なものとして、離職票、個人番号(マイナンバー)が確認できるもの、本人確認書類、写真1枚、本人名義の預金通帳かキャッシュカードを挙げています。写真の大きさは縦3.0cm、横2.4cmで、手続きと認定日にマイナンバーカードを見せる場合は、写真の提出を省けます。65歳未満で基本手当を受ける人の持ち物も、おおむね同じです。
本人確認書類として使えるのは、運転免許証や運転経歴証明書、写真付きの身分証明書などです。運転免許を返納した人は、運転経歴証明書がそのまま使えます。
持ち物とあわせて、次のようなメモを用意しておくと、窓口での相談がはかどります。
- これまでの職歴の概要(会社名、在籍期間、担当した仕事)
- 持っている資格や免許と、取った年
- 働きたい曜日と時間、通勤にかけられる時間
- 避けたい作業(重い物を運ぶ、長時間の立ち仕事、夜勤など)
- 希望する収入の目安と、年金を受け取っているかどうか
特に最後の年金の受け取りの状況は、働く時間や給与を決めるときの判断材料になります。年金の額が分かる通知書を手元に用意しておくと、窓口の職員と具体的な話ができます。
ハローワークインターネットサービスでシニア求人を探す
ハローワークの求人は、窓口に行かなくても、ハローワークインターネットサービスの「求人情報検索」で自宅から探せます。登録しなくても検索はでき、求職者マイページを作れば、気になる求人を保存したり、条件に合う新着求人の通知を受け取ったりできます。
検索画面には、職種や地域のほかに、条件を細かく選ぶ項目があります。シニアの仕事探しで使いやすいのは次のような条件です。
| 検索条件 | 使い方の例 |
|---|---|
| 求人区分(フルタイム・パート) | 週の労働時間を抑えたいならパートを選ぶ |
| 雇用形態 | 正社員にこだわらないなら「正社員以外」や「パート労働者」も含める |
| 就業時間 | 「10時以降開始」「17時以前に終業」「時間外労働なし」で体の負担を抑える |
| 経験不問・学歴不問・資格不問 | 未経験の職種に挑戦したいときに絞り込む |
| 転勤なし・マイカー通勤可・駅近 | 通勤の負担を減らしたいときに絞り込む |
| 特集求人 | 介護、警備、運輸などの分野ごとの特集や、シニア求人の区分から探す |
ここで大切なのは、条件を絞り込みすぎないことです。年齢不問の求人の中にも、60代の人を歓迎している求人はたくさんあります。最初は「パート」「就業時間」「通勤」の3つ程度で絞り、出てきた求人の仕事の内容を読んでから、さらに条件を加えていくほうが、選択肢を取りこぼしません。
検索で見つけた求人に応募するときは、原則としてハローワークの紹介状が必要です。紹介状とは、ハローワークが求職者を会社に紹介したことを示す書類のことです。インターネットで見つけた求人の番号を控えて窓口に行けば、職員が会社に連絡を取り、紹介状を発行してくれます。求職者マイページから応募できる求人もあり、その場合は窓口に行かずに応募できます。
また、医療・介護・保育の分野には、厚生労働省が用意している専用の「かんたん求人検索」もあります。介護の仕事は60代の人の採用も多い分野のため、関心がある人はこちらも見ておくと選択肢が広がります。
シニア向けの求人票の読み方
求人を見つけたら、求人票を細かく読みます。シニアの仕事探しでは、給与の額だけでなく、働き続けられる条件かどうかを見ることが大切です。次の項目は必ず確かめます。
- 雇用期間:期間の定めがあるかどうか。定めがある場合は、契約を更新する可能性があるか、更新の上限があるか
- 定年と再雇用:定年の年齢と、定年後に継続雇用される上限の年齢
- 就業時間と休日:シフトの組み方、残業の有無、土日に休めるか
- 仕事の内容:立ち仕事か、重い物を運ぶか、車の運転が必要か
- 加入保険:雇用保険、健康保険、厚生年金のどれに入るか
- 試用期間:期間の長さと、その間の賃金や条件の違い
賃金の欄も、額の大きさだけで判断しないようにします。求人票の賃金は、基本給と、通勤手当や資格手当などの手当に分けて書かれています。時給で示されている求人なら、1日の時間と週の日数を掛けて、1か月あたりのおおよその収入を自分で計算してみます。月給の求人で「固定残業代」が含まれている場合は、何時間分の残業代がいくらと書かれているかを確かめます。固定残業代とは、一定の時間分の残業代を、実際の残業の有無にかかわらず毎月の給与に含めて支払う仕組みのことです。賞与や昇給の欄に「実績あり」とあっても、毎年必ず出るとは限らないため、気になる場合は面接で確かめます。
特に見落としやすいのが、2つ目の定年と継続雇用の上限です。たとえば、定年が60歳で継続雇用の上限が65歳の会社に63歳で入ると、2年で区切りを迎える可能性があります。求人票の「定年制」「再雇用」「勤務延長」の欄を読み、分からなければ窓口の職員を通じて会社に確かめてもらいます。
求人票に「60歳以上の方を対象とした求人」と書かれている場合は、先に説明した年齢制限の例外に当たるもので、60歳以上の人だけが応募できます。一方で、年齢不問の求人には若い人も応募するため、選考では経験や勤務の条件で比べられます。60代の人が年齢不問の求人に応募するときは、勤務できる曜日や時間の幅を広めに伝えることや、これまでの経験のうち、その仕事に活かせるものを具体的に書くことが効いてきます。
応募書類の書き方では、長い職歴を全部並べるより、応募先の仕事に関係するものを選んで書くほうが伝わります。職務経歴書の基本的な組み立て方は、ビジネス文書の書き方の基礎とも重なります。文書の書き方を学び直したい人は、ビジネス文書検定の内容を確かめてみると、要点の整理の仕方の参考になります。
年金と雇用保険の手続きとあわせて考える
60代で働くときは、給与だけでなく、年金と雇用保険との関係も一緒に考えておく必要があります。働き方によって、受け取れる給付や年金の額が変わるためです。
まず、65歳になる前に会社を辞めた人は、条件を満たせば雇用保険の基本手当を受け取れます。65歳以上で辞めた人は、基本手当ではなく、高年齢求職者給付金という一時金の対象になります。高年齢求職者給付金とは、65歳以上で雇用保険に入っていた人が仕事を失ったときに、まとめて1回支給されるお金のことです。ハローワークのリーフレットでは、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あることが条件で、支給額は雇用保険に入っていた期間が1年未満なら基本手当の30日分、1年以上なら50日分に相当する額とされています。
高年齢求職者給付金も、受け取れる期限は離職日の翌日から1年です。手続きが遅れると全額を受け取れなくなることがあるため、仕事を探し始めたら早めにハローワークで手続きをします。自己都合で辞めた場合は、待期の7日間のあとに原則1か月の給付制限がかかる点も、基本手当と同じです。
60歳から65歳の間に、60歳時点より賃金が下がった状態で働き続ける人には、高年齢雇用継続給付があります。高年齢雇用継続給付とは、60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満に下がった人に、雇用保険から下がった賃金の一部が支給される仕組みのことです。厚生労働省の資料によると、令和7年4月の改正で、給付率は原則として賃金の10%になりました。雇用保険に入っていた期間が5年以上あることなどの条件があり、65歳になるまで支給されます。
一方、年金を受け取りながら会社で働く人は、在職老齢年金の仕組みに当たることがあります。在職老齢年金とは、厚生年金に入って働きながら老齢厚生年金を受け取る人について、賃金と年金の合計が一定の額を超えると、年金の一部が止められる仕組みのことです。日本年金機構によると、令和8年4月から、年金が減り始める基準の額が月51万円から月65万円に引き上げられました。働く時間や給与を決めるときは、この基準も目安になります。
どの働き方を選ぶかで、雇用保険や厚生年金に入るかどうかも変わります。雇用保険は週20時間以上で31日以上働く見込みがあると入るのが原則で、厚生年金は勤務先の規模や働く時間によって入るかどうかが決まります。保険料の負担と、将来の年金や給付の増え方の両方に関わるため、求人票の加入保険の欄は必ず確かめます。
ハローワーク以外の選択肢との使い分け
シニアの仕事探しの窓口は、ハローワークだけではありません。目的や働き方に合わせて、いくつかの窓口を組み合わせると、自分に合う仕事に出会いやすくなります。
1つ目は、シルバー人材センターです。シルバー人材センターとは、市区町村ごとに置かれている、定年退職者などの高年齢者に地域の仕事を紹介する団体のことです。全国シルバー人材センター事業協会は、センターが提供するのは「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な業務」で、生きがいを得るための就業を目的としているため、一定した収入(配分金)の保証はないと説明しています。配分金とは、センターが受けた仕事の代金から会員に支払われるお金のことで、雇われて受け取る給与とは性格が違います。庭の手入れや施設の管理、家事の手伝いなど、短い時間で地域の役に立つ仕事をしたい人に向いています。
2つ目は、民間の求人サイトや人材紹介会社です。シニア向けの特集を組んでいるサイトもあり、ハローワークに出ていない求人が見つかることがあります。専門職や管理職の経験を活かしたい人は、人材紹介会社の担当者に相談すると、条件の交渉まで手伝ってもらえることがあります。IT分野の経験がある人なら、IT転職サイトおすすめ10選|エンジニア求人が多いのは?や社内SE転職エージェントおすすめ5選|残業少なめ求人の探し方で、サイトや紹介会社の選び方を整理しています。
3つ目は、業務委託やフリーランスとして、これまでの経験を活かして働く道です。会社に雇われるのではなく、仕事ごとに契約して報酬を受け取る働き方で、働く日や時間を自分で決められます。たとえば、長く企業で業務の改善に携わってきた人が、その知識を活かして相談役やアドバイザーとして関わるケースもあります。仕事の中身はAIコンサル・業務活用支援のお仕事のように分野ごとに異なるため、自分の経験がどの仕事に当てはまるかを確かめてから始めると迷いにくくなります。ただし、業務委託は雇用保険や厚生年金の対象にならないため、保険や年金の手続きは自分で行うことになります。
窓口の特徴を整理すると、次のようになります。
| 窓口 | 向いている人 | 注意すること |
|---|---|---|
| ハローワークの生涯現役支援窓口 | 地元で長く働ける仕事を相談しながら探したい | 窓口があるハローワークは主要な約300か所に限られる |
| シルバー人材センター | 短い時間で地域の仕事に関わりたい | 収入の保証がなく、雇用ではない |
| 民間の求人サイト・人材紹介会社 | 専門職や管理職の経験を活かしたい | サービスごとに扱う求人の分野が違う |
| 業務委託・フリーランス | 働く日や時間を自分で決めたい | 雇用保険や厚生年金の対象にならない |
シニア求人で見かけやすい仕事と選び方
ハローワークのシニア向けの求人や、60代の人の応募が多い求人には、いくつか見かけやすい分野があります。ここでは、分野ごとの仕事の中身と、選ぶときに確かめたい点を整理します。どの分野も地域によって求人の多さが違うため、窓口で地元の傾向を聞いてみるのが確実です。
1つ目は、施設の管理や清掃の仕事です。マンションの管理員、ビルや商業施設の清掃、公共施設の受付などがこれに当たります。決まった時間に決まった場所で働く仕事が多く、生活のリズムを作りやすいのが特徴です。一方で、清掃は立ち仕事や中腰の作業が続くこともあるため、作業の範囲と1日の時間を求人票で確かめます。
2つ目は、警備の仕事です。施設の警備や、工事現場やイベントでの交通誘導がこれに当たります。警備の仕事に就くには、警備業法に基づく研修を会社で受けるのが一般的で、未経験から始める人も少なくありません。屋外の交通誘導は天候や季節の影響を受けやすいため、体力に不安がある人は屋内の施設警備から検討すると負担を抑えられます。
3つ目は、運転や配送の仕事です。送迎の運転手、配送、タクシーの乗務員などがこれに当たります。必要な運転免許の種類が求人によって違い、乗客を乗せて運ぶ仕事には第二種運転免許が必要です。長年の運転経験を活かせる一方で、健康状態の確認が厳しく求められる仕事でもあります。
4つ目は、介護や福祉の仕事です。介護施設での身の回りの手伝い、送迎、調理、清掃など、資格がなくても始められる仕事があります。人の役に立つ実感を得やすい反面、体を使う介助の仕事もあるため、どの業務を担当するのかを面接で確かめておきます。
5つ目は、事務や経理、販売など、会社員時代の経験を活かせる仕事です。パソコンでの入力、電話の応対、売り場での接客などがこれに当たります。パートの求人も多く、週3日や1日5時間といった短い働き方を選べることがあります。
仕事を選ぶときは、「これまでの経験を活かせるか」「体力的に続けられるか」「通勤に無理がないか」の3つの観点で比べると、長く続けられる仕事を見つけやすくなります。経験だけで選ぶと体力が追いつかないことがあり、体力だけで選ぶとやりがいを感じにくくなることがあるため、両方のバランスで考えます。
60代からの応募書類の書き方と例文
応募書類は、年齢に関係なく、会社が最初に目にする自己紹介です。60代の人の応募書類で大切なのは、長い職歴を全部並べることではなく、応募先の仕事に関係する経験を選んで、分かりやすく伝えることです。
履歴書は、厚生労働省が示している履歴書の様式例に沿って書くのが基本です。学歴は最終学歴の1つ前から書くなど、書き始めの位置は会社の指定がある場合はそれに従います。職歴が長い人は、会社名と在籍期間を並べたうえで、詳しい仕事の内容は職務経歴書に回すと読みやすくなります。
職務経歴書の冒頭には、これまでの経験を3行から5行程度でまとめた要約を書きます。たとえば、経理の仕事を長く続けてきた人が、パートの事務職に応募する場合の例は次のとおりです。
製造業の会社で約30年間、経理と総務の業務に携わってきました。月次の決算、請求書の発行と入金の確認、給与計算の補助を担当し、会計ソフトと表計算ソフトの操作に慣れています。定年後は、これまでの経験を活かし、週4日程度の勤務で事務の仕事を長く続けたいと考えています。
ここでは、どんな仕事を、どのくらいの期間、どんな道具を使って行ってきたかを具体的に書いています。そのうえで、希望する働き方をはっきり示しているため、会社の側も採用後の働き方を想像しやすくなります。
志望動機では、なぜその会社や仕事を選んだのかを、自分の経験と結びつけて書きます。たとえば、未経験で施設の管理の仕事に応募する場合の例は次のとおりです。
長く営業の仕事に携わり、お客様からの問い合わせや苦情に丁寧に対応することを心がけてきました。住民の方と顔を合わせて話をする機会の多いマンションの管理の仕事であれば、これまでの経験を活かせると考え、応募しました。体力には自信があり、決められた勤務時間を守って長く働き続けたいと考えています。
未経験の仕事に応募するときは、仕事の中身と自分の経験の共通点を探して書くことが大切です。営業の経験は、管理の仕事の住民対応に活かせます。製造の現場での経験は、清掃や警備の仕事で求められる安全への意識に活かせます。どの経験が応募先で役に立つかを考えて書くと、未経験でも伝わる書類になります。
ハロートレーニングで新しい仕事に備える
これまでと違う分野の仕事に就きたいときは、ハローワークの職業訓練を使って、必要な知識や技術を身につける方法もあります。ハロートレーニングとは、国や都道府県が行う公的な職業訓練の愛称で、仕事を探している人が無料で受けられるものがあります。
厚生労働省によると、離職者向けの公共職業訓練は、主に雇用保険を受給している求職者を対象に、テキスト代などを除いて無料で行われています。訓練の期間はおおむね3か月から2年で、コースの例として、電気設備、住環境、自動車整備、木工、造園、介護サービス、情報処理などが挙げられています。雇用保険を受給できない人向けには、求職者支援訓練という別の仕組みもあり、こちらもテキスト代などを除いて無料です。
シニアの仕事探しで訓練を使う利点は、未経験の分野でも、基礎を学んだうえで応募できることです。たとえば、介護サービスの訓練を受けてから介護施設の求人に応募すれば、仕事の流れを知っている人として見てもらえます。造園や住環境の訓練は、施設の管理や庭の手入れの仕事につながります。
訓練を受けたいときは、まずハローワークの窓口で相談します。訓練には定員と選考があり、申込みの期限もコースごとに決まっているため、早めに相談するのが確実です。地域ごとの訓練の情報は、各都道府県労働局のホームページや、ハロートレーニングのコース情報検索で確かめられます。
また、雇用保険の基本手当を受給している人が、ハローワークの指示で公共職業訓練を受ける場合は、訓練の期間中も基本手当を受け取れることがあります。自分が対象になるかどうかは、受給の手続きをしているハローワークで確かめます。
応募から採用までに気をつけること
シニアの仕事探しでは、応募から採用までの間にも、いくつか気をつけたい点があります。最後に、窓口を使いながら進めるときの注意点を整理します。
まず、面接では、働ける期間の見通しを具体的に伝えることが大切です。会社の側は、どのくらいの期間働いてもらえるのか、体力的に無理がないかを気にしています。「週4日、1日6時間なら長く続けられる」「立ち仕事でも午前中なら問題ない」のように、条件をはっきり伝えると、会社も配置を考えやすくなります。
次に、採用が決まったら、労働条件通知書の内容を求人票と照らし合わせます。労働条件通知書とは、賃金や働く時間、契約期間などの労働条件を、会社が書面で示すもののことです。求人票と違う点があれば、働き始める前に確かめます。令和6年4月からは、有期契約の人には更新の上限の有無と内容を示すことも求められているため、契約期間がある仕事では特に目を通しておきます。
働き始めたあとは、最初の数週間で、仕事の量と体の負担が想定どおりかを確かめます。思っていたより負担が大きい場合は、我慢して続けるより、早めに職場の担当者に相談して、作業の範囲や時間を調整してもらうほうが長く続けられます。調整が難しい場合でも、ハローワークに相談すれば、次の求人を一緒に探してもらえます。
求人の内容が実際と違った、年齢を理由に応募を断られたなど、困ったことがあったときは、紹介を受けたハローワークに相談します。働き始めてからの労働条件のトラブルは、都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーでも相談できます。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた中で見えてきた傾向として、60代以降も長く仕事が続く人ほど、「何でもやります」ではなく「この条件なら確実にできます」と言える人です。これまでの仕事で任されてきた範囲を言葉にし、働ける時間と体の条件を正直に示すことで、会社や依頼者と無理のない関係が作れます。業務委託で働く場合も、仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、受け取る報酬がそのまま手元に残り、依頼する側も同じ予算で頼める仕事の幅が広がります。
研究職や専門職として長く働いてきた人が、その知識を活かして働き続ける道もあります。分野ごとの報酬の目安は、研究者の年収・単価相場のような年収データで確かめられます。ハローワークの窓口での相談と、こうした相場の情報を組み合わせて、自分に合った働き方の条件を決めていくのが、シニアの仕事探しを無理なく進める方法です。
よくある質問
Q. ハローワークのシニア向け窓口は何歳から使えますか?
厚生労働省の生涯現役支援窓口は、おおむね60歳以上の人を対象にしています。全国の主要なハローワーク約300か所に設けられ、相談や職業紹介は無料です。窓口がないハローワークや60歳未満の人も、一般の窓口で同じように求人を探したり相談したりできます。
Q. 年齢不問の求人に60代で応募しても大丈夫ですか?
応募できます。会社は募集や採用で年齢を理由に応募を制限することを原則として法律で禁じられており、年齢不問としながら年齢を理由に断ることも認められていません。選考では経験や勤務の条件で比べられるため、働ける曜日や時間、活かせる経験を具体的に伝えるのが効果的です。
Q. 65歳以上で仕事を辞めた場合、失業保険はもらえますか?
65歳以上で辞めた人は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金の対象です。離職の日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6か月以上あることが条件で、加入期間が1年未満なら基本手当の30日分、1年以上なら50日分に相当する額が一時金で支給されます。受け取れる期限は離職日の翌日から1年です。
Q. シルバー人材センターとハローワークはどう違いますか?
ハローワークは会社に雇われる仕事を紹介する国の機関で、給与を受け取って働きます。シルバー人材センターは市区町村ごとの団体で、臨時的かつ短期的または軽易な地域の仕事を会員に提供し、報酬は配分金として支払われます。収入の保証はなく、生きがいを目的とした働き方です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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