50代60代から仮歌・歌入れを始める人に回ってくる声質と案件の傾向


この記事のポイント
- ✓50代60代から仮歌・歌入れを始めるとき
- ✓どんな案件が回ってくるのか
- ✓年齢による声の変化との向き合い方
「この年齢から歌の仕事なんて、無理ですよね」。50代、60代の方からいただくご相談は、たいていこの一言から始まります。若い頃に歌をやっていた。子育てが一段落した。定年が見えてきた。もう一度、声を使う仕事に関わってみたい。でも、募集を見ると若い方ばかりが目に入る。
大丈夫です。まず、そこから整理していきましょう。
たしかに、仮歌・歌入れの募集の中心は若い層に向けたものです。それは事実として認めたほうがいい。ただ、それは「50代60代に仕事がない」という意味ではありません。市場の中心と、あなたの居場所は別のところにあります。この記事では、50代60代から仮歌・歌入れを始めるときに、どういう声質が求められ、どういう案件が回ってくるのかを具体的に見ていきます。年齢による声の変化とどう付き合うかについても、正直にお伝えします。
焦らなくていいんです。ゆっくり読んでみてください。
募集の中心は若い層。その事実から目をそらさない
最初に、市場の実態を確認しておきます。ここを曖昧にしたまま始めると、あとで落ち込むことになるからです。
実際の募集にはこう書かれている
仮歌の募集要項には、活躍している層がはっきり書かれていることがあります。
仮歌を入れていただくお仕事です。アニソン、POPS、アイドル曲など様々なジャンルがあり、10代20代の女性が多く活躍しています。報酬は1曲2,000円からで、お小遣い稼ぎやスキルアップにも最適です。学歴不問、未経験者・ブランクのある方も歓迎しており、プロ志向の方から趣味で音楽活動をしたい方まで幅広く募集しています。 出典: 求人ボックス
「10代20代の女性が多く活躍しています」。この一文を読んで、応募をやめてしまう方が多いんです。気持ちはよく分かります。でも、もう少し落ち着いて読んでみてください。
この募集が扱っているのは、アニメソング、ポップス、アイドル曲です。つまりジャンルが若い層向けなのであって、年齢で人を選んでいるわけではありません。求められているのは、その曲に合う声です。アイドル曲に合う声は、多くの場合若い声だというだけの話です。
そして同じ文中に「未経験者・ブランクのある方も歓迎」ともあります。ブランクという言葉は、以前やっていた人が戻ってくることを想定した表現です。若い頃に歌っていて、長く離れていた方に向けた入口は、ちゃんと用意されています。
報酬の水準も、先に知っておく
1曲2,000円からという報酬水準も、事実として押さえておきましょう。高い金額ではありません。
50代60代から始める方に、この現実は先にお伝えしています。生活費を賄う仕事としてではなく、収入の一部を補うもの、あるいは声を使い続けるための場として始めるほうが、無理がありません。期待の置き所を最初に決めておくと、続けやすくなります。
年齢とともに、声には変化が起きる
ここは避けて通れない話なので、丁寧に扱います。
一般に言われている変化
加齢に伴い、声帯や呼吸に関わる筋肉には変化が生じると一般に言われています。高い音が出にくくなる、声量が落ちる、息が続きにくくなる、声がかすれやすくなる。こうした感覚を持たれる方は少なくありません。
ただし、変化の度合いには大きな個人差があります。日常的に声を使ってきた方と、長く使っていなかった方では状態が違いますし、体格や生活習慣によっても差が出ます。ですから、「何歳だからこうなる」という決めつけは意味がありません。
もし声のかすれや違和感が長く続く場合は、加齢のせいだと自己判断せず、耳鼻咽喉科など専門の医療機関で診てもらってください。声帯の状態は自分では見えません。専門家に見てもらうのが確実です。
変化は「欠点」ではなく「特徴」になる
ここが、いちばんお伝えしたい部分です。
高い音が出にくくなったことを、多くの方が失ったものとして数えます。でも、仮歌の仕事という枠で見ると、話が変わります。この仕事で必要なのは、その曲に合う声であって、高い音が出ることではありません。
年齢を重ねた声には、若い声にはないものが乗ります。落ち着き、深み、言葉の説得力。長く生きてきた人の声でなければ出せない質感というものが、確かにあるんです。そしてそれを必要としている楽曲は、市場の中に存在します。
「若い人と同じ土俵で戦おうとしない」。これが、50代60代から始める方にお伝えしている最初のことです。同じ土俵に上がれば、当然きつい。別の土俵を探せばいいんです。
体調管理は、若い頃より結果を左右する
もうひとつ現実的な話をします。この年代になると、体調が声にそのまま出ます。
睡眠不足の翌日、乾燥した部屋で過ごしたあと、風邪気味のとき。若い頃なら誤魔化せた状態が、誤魔化せなくなります。ですから、録音の日を体調に合わせて決められることが、大きな強みになります。
在宅で作業できる仮歌の仕事は、この点で相性がいいんです。決まった日に出勤する必要がなく、調子のいい日を選んで録れる。この自由度は、年齢を重ねた方にとって思っている以上に価値があります。
この年代に回ってきやすい案件の傾向
では具体的に、どういう仕事が回ってくるのか。傾向を5つに整理します。
傾向1: 落ち着いた声を前提とするジャンル
歌謡曲、フォーク、演歌に近い曲調、ゴスペル系のバラード、賛美歌や合唱曲。こうしたジャンルでは、若い声よりも、年齢を重ねた声のほうが求められることがあります。
作曲家が歌謡曲調のデモを作るとき、20代の明るい声で歌われると曲の雰囲気が伝わりません。曲の想定している歌い手の年代に近い声で歌ってもらったほうが、売り込み先に意図が伝わります。この構造がある限り、需要は消えません。
傾向2: コーラスやハーモニーの下のパート
主旋律ではなく、和音を支えるパートです。ここは低めで安定した声が必要になるので、年齢層が上がるほど有利になる場面があります。
声を張らずに、正確な音程で長く伸ばす。これは若さよりも経験と落ち着きが効く作業です。合唱の経験がある方なら、すでに持っている技術がそのまま使えます。
コーラスは1曲の中に複数パートが必要になるため、依頼の単位も生まれやすい領域です。主旋律の依頼だけを見て「自分には合わない」と判断せず、コーラスの募集も見てみてください。
また、コーラスの依頼は主旋律ほど声の個性を求められません。求められるのは、周囲と溶ける安定した音です。目立つことより支えることが得意な方には、こちらのほうが合っています。実際、主旋律で選ばれなかった方が、コーラスの依頼で継続的に呼ばれるようになる例は珍しくありません。入口をひとつに絞らないでください。
傾向3: 語りに近い歌、朗読と歌の中間にあるもの
言葉をはっきり届けることが重視される楽曲では、歌唱力よりも語りの説得力が求められます。企業のイメージソング、施設や地域の歌、教育向けの教材音源、絵本や物語に付ける歌。こうした領域です。
ここでは、人生経験のある声が明確な武器になります。若い声で語られると軽く聞こえてしまう内容が、年齢を重ねた声だと自然に響く。この差は、技術では埋められません。
傾向4: 楽曲やキャラクターに年齢設定があるもの
ゲームやアニメ、朗読劇の楽曲では、登場人物の年代が設定されています。年配の役、母親や父親の役、語り部の役。こうした役には、その年代の声が求められます。
数としては多くありませんが、競合が少ない領域でもあります。若い層が大半を占める市場の中で、この枠だけは年齢を重ねた方の独壇場になり得ます。
傾向5: 企業案件や地域の案件
社歌、企業の紹介動画に付ける歌、地域のイベント用の楽曲、施設で流す音源。こうした案件は、華やかさよりも安心感が求められます。
こうした依頼は音楽業界の外から来ることが多く、相場や進め方が一般の仮歌案件と異なる場合があります。丁寧なやり取りができることが評価されやすいので、社会人経験の長い方にとっては有利な領域です。
こうした案件では、発注者が音楽制作に詳しくないこともあります。専門用語を並べずに、分かる言葉で説明できることが信頼につながります。これも、長く社会で働いてきた方が自然にできることのひとつです。歌の技術とは別のところで評価される場面がある、と知っておいてください。
探すときの見方と、性別・声質による分類
案件を探すとき、知っておくと便利な仕組みがあります。
依頼を出す側は、歌い手を声の性質で絞り込んで探しています。
仮歌・歌入れ (女性) に関する依頼相談・無料見積もりができます。幅広い価格・相場で対応しています。仮歌・歌入れに強いプロのフリーランス・外注先探しにおすすめです。 出典: lancers.jp
女性向けというカテゴリが独立して用意されていることから分かる通り、発注者は声の条件で候補を絞ります。ここに年齢そのものの区分はありませんが、声質の説明は自分で書けます。
つまり、自分のプロフィールに「落ち着いた低めの女性の声」「語りに近い歌唱が得意」といった具体的な説明を置いておけば、その声を探している人に見つけてもらえるということです。「幅広く歌えます」と書くより、はるかに届きます。
幅広い価格・相場で対応、という記述にも注目してください。この分野は上から下まで層があります。50代60代から始める方が最初に入るのは下の層ですが、そこには確実に依頼が存在します。
始めるときの、現実的な準備の順番
準備で挫折してしまう方が多いので、順番を整理しておきます。
順番1: まず、今の声を録ってみる
機材をそろえる前に、手持ちのもので一度録ってみてください。スマートフォンで構いません。実案件では使えない音質ですが、今の自分の声を客観的に聴くことが目的です。
多くの方が、想像していた自分の声と実際の声のギャップに驚かれます。そして、思っていたより悪くないと感じる方も多いんです。ここで一度確認しておくと、そのあとの判断がしやすくなります。
順番2: 機材は最小限から
いきなり高価な機材をそろえる必要はありません。マイク、オーディオインターフェース、ヘッドホン。この3つがあれば録れます。
金額に不安がある方は、少しずつ足していく形でも構いません。ただし、スマートフォンの内蔵マイクだけでは実案件の応募が通りにくいのも事実です。この一点だけは、どこかで越える必要があります。
無理をしないでください。生活を切り詰めてまでそろえるものではありません。
順番3: パソコン操作の壁を、正直に見積もる
これは、この年代の方に特有の課題です。録音ソフトの操作、ファイルの書き出し、クラウドへのアップロード。歌そのものより、この部分でつまずく方が多いんです。
恥ずかしいことではありません。使ってこなかった道具なのですから、当たり前です。大事なのは、ここに時間がかかることを最初から見込んでおくことです。1週間で全部覚えようとせず、1か月かけるつもりでいてください。
つまずいたときに聞ける相手がいると、進みが違います。ご家族でも、詳しい知人でも構いません。全部を一人で抱えないでください。
順番4: 録音できる時間帯を家族と共有する
在宅で歌を録るということは、家の中で声を出すということです。同居されている方がいるなら、事前に話しておいたほうがうまくいきます。
「この時間に録るから」と伝えておくだけで、気まずさがなくなります。逆に黙って始めると、遠慮して声が小さくなり、良いテイクが録れません。ここは技術ではなく、環境づくりの話です。
長いブランクがある方が、最初にやること
若い頃に歌っていて、20年、30年離れていた。この状態から戻る方が、実はいちばん多いんです。
昔の感覚をそのまま取り戻そうとしない
久しぶりに歌ってみて、思うように声が出ないことに落ち込む方がいます。当然です。使っていない期間があったのですから。
ここで大切なのは、20代の頃の自分を基準にしないことです。あのときの音域、あのときの声量。それを目標にすると、いつまでも足りない状態が続きます。
基準にするのは、今の自分の声で何ができるかです。今の音域の中で、どこがいちばん響くのか。どういう歌い方が自然なのか。ここを探すところから始めてください。取り戻すのではなく、作り直すという感覚のほうが近いです。
2週間ほど、毎日少しずつ声を出す
いきなり録音しようとせず、まず声を出す習慣を戻します。1日10分でも構いません。鼻歌でも、好きな曲を口ずさむのでもいいんです。
しばらく使っていなかった体は、急に動かすと痛めます。声も同じです。2週間ほど続けると、出しやすさが変わってくることが多いです。ここを飛ばして張り上げると、喉を痛めて休むことになり、かえって遠回りになります。
楽譜が読めなくても支障は少ない
楽譜が読めないことを気にされる方がいますが、仮歌の仕事では大きな問題になりません。実際の依頼では、メロディを口ずさんだ仮の音源やガイドが送られてくることが多いからです。
ただし、キーとテンポという言葉の意味は理解しておいてください。依頼のやり取りで必ず出てきます。キーは曲の高さ、テンポは曲の速さ。この2つだけ分かっていれば、最初は足ります。
声を保つために、日常でできること
この年代では、日々の過ごし方が声に直接出ます。特別なことをする必要はありませんが、いくつか意識しておくと違います。
乾燥を避ける
喉の乾燥は、声の出方に影響すると一般に言われています。エアコンの効いた部屋で長時間過ごすと、気づかないうちに乾いています。
水分をこまめに取る、加湿器を使う、就寝時にマスクをする。こうした日常の工夫は、録音の日のコンディションに関わってきます。特に冬場は差が出やすい時期です。
睡眠と、録音時間の設計
睡眠不足の翌日は、声が思うように出ないことが多いものです。この年代では、その影響が若い頃より大きく出る傾向があります。
だからこそ、録音の予定を体調に合わせて動かせる働き方が向いています。決まった日に必ず録らなければならない仕事ではなく、調子のよい日に録れる仕事を選ぶ。これは在宅の仮歌案件の大きな利点です。
朝起きてすぐは声帯が動きにくいので、起床から2時間ほど空けてから録り始めると、良い状態になりやすいです。
不調を感じたら、無理をしない
声がかすれる、喉に違和感がある、以前より疲れやすい。こうした状態が続くときは、休むことを優先してください。無理に録っても良いテイクは出ませんし、状態を悪くする可能性があります。
そして繰り返しになりますが、症状が長引く場合は自己判断で済ませず、耳鼻咽喉科など専門の医療機関で相談してください。これは年齢に関係なく、声を使う方すべてに当てはまることです。
年齢を伝えるべきか、伝えないべきか
よくいただく質問です。プロフィールに年齢を書くべきか。
結論としては、数字を書く必要はありません。書くべきなのは、年齢ではなく声の性質です。「落ち着いた低めの声」「言葉をはっきり届ける歌い方」「合唱経験がある」。こうした情報のほうが、発注者にとって役に立ちます。
年齢を隠すという意味ではありません。サンプル音源を聴けば、おおよその印象は伝わります。数字を先に出すことで、聴かれる前に判断されてしまうことを避けたいだけです。音を先に、情報はあとに。この順番を守ってください。
聞かれたら答えればいいんです。声を気に入って問い合わせてきた相手が、年齢を理由に断ることはほとんどありません。
続けるために、心の持ち方を整える
ここは、私が普段いちばん時間をかけてお話ししている部分です。
落選は、あなたの人格への評価ではない
応募して選ばれない。この経験は必ずします。10件応募して1件通れば順調、というのがこの分野の相場です。
でも、50代60代から始めた方は、この落選を重く受け止めてしまう傾向があります。「やっぱり年齢のせいだ」「自分には無理だった」と結びつけてしまう。
そうではありません。選ばれなかった理由の大半は、その曲に合う声が別にあったというだけです。声に良し悪しの順位はなく、曲との相性があるだけ。ここを取り違えると、続けることが苦しくなります。
こういうご相談を受けたとき、私はいつも「落ちた案件のジャンルを記録してください」とお伝えしています。5件、10件と並べていくと、通る系統と通らない系統が見えてきます。感情ではなく記録で判断できるようになると、落選が情報に変わります。
若い人と比べない
同じ場所に応募していると、他の応募者の実績が目に入ります。若くて経験も豊富な方が並んでいる。そこで自分を測ると、必ず苦しくなります。
比べる相手は、3か月前の自分にしてください。音質は良くなったか。作業は速くなったか。声の調子は安定してきたか。この軸なら、確実に前に進んでいることが分かります。
一人で抱えない
在宅で作業していると、誰とも話さない日が続きます。フリーランスや在宅ワークの方にとって、これは想像以上に負担になります。
同じことをしている人とつながる場を、ひとつ持っておいてください。オンラインでも構いません。うまくいかない話を聞いてもらえる相手がいるだけで、続けられる期間がまったく変わります。あなたは一人ではありません。
運営者の視点から見た、年齢を重ねてから始める方の強み
在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、いくつか補足させてください。
運営者として見てきた限りでは、50代60代から在宅の仕事を始めた方には、若い層にはない強みがあります。それは、約束を守ることの重みを知っているという点です。納期を守る、連絡を返す、決めたことを変えない。当たり前のようでいて、この当たり前ができる方は多くありません。
発注する側から見ると、これは非常に大きな安心材料です。技術で少し劣っていても、進行が安定している相手のほうが選ばれることは、この市場では珍しくありません。長く社会で働いてきた経験は、そのまま信用として使えます。
もうひとつ、長く続く方の共通点があります。単発の作業を数多くこなすことより、「この人に任せると楽だ」と思われる関係を作ることに時間を使っているんです。修正への返しが早い、ファイルが整理されている、聞かれる前に必要な情報を添える。この積み重ねが次の依頼を呼びます。歌の実力で選ばれるのは最初の一回で、二回目からは仕事の進めやすさで選ばれます。
報酬の受け取り方についても触れておきます。仲介の手数料が乗る仕組みでは、発注者が支払った金額と受け手が受け取る金額に差が生まれます。この年代から始める方は、受けられる本数がそう多くありません。だからこそ、1件あたりの手取りが目減りしない経路を持っておく意味があります。手数料0%の直接取引は、同じ予算で発注者はより多く頼めて、受け手の手取りは厚くなるという形です。本数で埋め合わせられない働き方ほど、この差が効いてきます。
案件データから見る、50代60代の広げ方
最後に、仕事の広げ方を整理します。
仮歌・歌入れの依頼がどういう形で出ていて、どう進むのかは、仮歌・歌ってみた・歌入れのお仕事にまとまっています。案件の種類と進め方を先に把握しておくと、募集を見たときに自分の声が合うかどうかを判断しやすくなります。
音楽制作の側にも関心があるなら、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事も参考になります。歌だけでなく、効果音やジングルといった短い音の制作は納期に余裕がある案件が多く、体調に合わせて進めやすい領域です。
音楽以外の在宅仕事を組み合わせたい方には、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような領域もあります。歌の依頼は季節や制作サイクルで波があるので、性質の違う仕事を並行させると気持ちの余裕が生まれます。
収入の見通しを立てるときは、他の職種の水準と比べてみると位置が分かります。ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場には職種ごとの報酬水準がまとまっています。1曲あたりの報酬を作業時間で割ってみて、この水準と見比べてみてください。
在宅で働くうえで資格を考える方もいらっしゃいます。歌の仕事に直接効く資格はほとんどありませんが、やり取りの質を上げるという意味ではビジネス文書検定で扱う文書作成の基礎が役に立つ場面があります。見積もりや連絡の文面が整っていると、相手の手間が減るからです。IT方面に広げたい方にはCCNA(シスコ技術者認定)のような選択肢もありますが、これは別の方向への挑戦になります。在宅で武器になる資格全般は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるに選び方の考え方がまとまっています。
環境の面では、音源ファイルのやり取りが日常になるので、通信の安定性が地味に効いてきます。在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に、光回線とホームルーターの向き不向きが整理されています。また、在宅の作業は集中の持続が課題になりやすいので、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックにある方法も、録音前の準備の型を作るのに使えます。
50代60代から始めることに、遅すぎるということはありません。ただ、若い方と同じ場所で同じ勝負をしようとすると苦しくなります。あなたの声にしか出せないものを探して、それを必要としている人に届ける。その道筋は、確かにあります。ゆっくりで大丈夫です。あなたのペースで進めてください。
よくある質問
Q. 50代60代でも仮歌・歌入れの仕事はありますか?
募集の中心はアニメソングやアイドル曲など若い層向けのジャンルですが、歌謡曲調やコーラスの下パート、語りに近い楽曲、企業や地域の案件など、落ち着いた声が求められる領域があります。年齢で排除されるのではなく、曲との相性で選ばれる仕事です。
Q. 年齢とともに高い音が出にくくなりましたが、続けられますか?
仮歌で必要なのは高い音が出ることではなく、その曲に合う声です。低めで安定した声はコーラスの下パートや語り中心の楽曲で強みになります。ただし声のかすれや違和感が長く続く場合は、加齢と自己判断せず耳鼻咽喉科など専門の医療機関で相談してください。
Q. プロフィールに年齢は書いたほうがよいですか?
数字を書く必要はありません。書くべきなのは声の性質です。落ち着いた低めの声、言葉をはっきり届ける歌い方、合唱経験があるといった情報のほうが、発注者にとって役に立ちます。音を先に聴いてもらい、年齢は聞かれたら答える順序が自然です。
Q. パソコン操作が不安ですが、始められますか?
録音ソフトの操作やファイルの書き出しでつまずく方は多いですが、慣れの問題です。1週間で覚えようとせず1か月かける想定にしてください。聞ける相手を一人確保しておくと進みが大きく変わります。歌より先に、この部分の時間を見込んでおくと挫折しにくくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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