デザイン・動画レッスンの実績の見せ方|出せない仕事をどう伝えるか


この記事のポイント
- ✓デザイン・動画レッスンの実績の見せ方を
- ✓守秘義務や権利の関係で公開できない仕事の伝え方を中心に整理しました
- ✓ポートフォリオの構成まで実務の手順で解説します
デザイン・動画レッスンの実績の見せ方でつまずく人の大半は、見せ方が下手なのではなく、見せられる材料がないと思い込んでいます。レッスンには納品物がありません。作ったのは受講者であって講師ではないため、そのまま作品として並べることができない。この構造が、実績の掲載を難しくしています。結論を先に書くと、レッスンの実績は作品ではなく変化で見せます。受講者が何をできない状態から何をできる状態になったのか。この差分こそが提供した価値であり、権利の問題も守秘義務の問題も回避しながら示せる唯一の材料です。
レッスンの実績は作品ではなく変化で示す
制作の仕事なら、納品したものを並べれば実績になります。ロゴ、動画、Webサイト。見る側は成果物の質から実力を判断します。
レッスンはこの構造が成立しません。レッスンで生まれた作品は受講者のものであり、その質は受講者の努力と元々の素養に大きく左右されます。作品だけを並べても、講師が何をしたのかが伝わりません。作品の質が高ければ「元々できる人だったのでは」と思われ、質が低ければ「教え方に問題があるのでは」と思われます。どちらに転んでも評価につながりません。
そこで基準を変えます。示すのは、開始時点の状態、終了時点の状態、その間に行った工程の三つです。開始時点でソフトを起動したことがなかった人が、終了時点で自分で編集を完了できるようになった。この間に何回のレッスンで、どの順番で何を扱ったのか。この三点セットは、受講者の作品を一切見せなくても成立します。
依頼を検討している人が知りたいのは、講師が作れるかどうかではなく、自分がその状態にたどり着けるかどうかです。変化を示す形式は、この関心にまっすぐ答えます。
出せない仕事が生まれる三つの理由
そもそも、なぜ実績を出せないのか。理由を分けると対処法が変わります。
守秘義務が設定されている
法人向けのレッスンでは、秘密保持契約を結ぶことが一般的です。企業名だけでなく、レッスンを実施した事実そのものを公開できない場合もあります。何が守秘の対象なのかは契約書に書かれているため、まず条項を読み直します。
実務でよく見るのは、契約書には「業務上知り得た情報」としか書かれておらず、社名の公開可否が明示されていないケースです。この場合、公開してよいかを個別に確認する必要があります。確認せずに掲載して後から指摘されると、その一件だけでなく取引そのものが終わります。
作品の権利が受講者にある
レッスンの中で受講者が作ったものは、受講者の著作物です。講師が指導したという事実は、著作権の帰属を変えません。したがって、受講者の作品を無断で掲載することはできません。
これは法的な問題であると同時に、信頼の問題でもあります。自分の作品が知らないうちに他人の宣伝材料になっていた、という状況は、受講者から見れば裏切りです。実務では、法的にグレーかどうかを考える前に、相手がどう感じるかで判断したほうが結果的に安全です。
未公開または社内限定の案件である
企業が制作したものが社内マニュアルや研修用の素材である場合、そもそも外部に出ません。この種の仕事は、成果物が存在するのに一切見せられません。
こうした案件は、実は珍しくありません。企業の内部で使う動画や資料のデザインを整える仕事は、需要が安定している一方で外に出ないため、実績として積み上がりにくい性質があります。制作会社が社内一貫の体制を打ち出しているのも、こうした案件を扱う都合と無関係ではありません。
インソースには企画スタッフの他、経験豊富かつスキルに長けた質の高いクリエイター・デザイナーが社内に常駐しています。そのため、ヒアリング、企画、デザイン作成、製作・編集まで一連の流れをワンストップでご提供することができます。 出典: insource.co.jp
個人でレッスンを提供する立場でも、扱える範囲が広いことは訴求になります。成果物を見せられなくても、どの工程まで対応できるのかは説明できます。
出せない仕事を伝える五つの方法
材料が出せないときの手は、五つあります。上から順に実行の負荷が低い方法です。
抽象度を一段階上げる
社名や作品そのものが出せなくても、業種と課題は出せることがあります。「アパレルの小規模ブランドで、商品撮影後の編集を内製化したいという要望」という書き方であれば、特定につながりません。
抽象度の上げ方には段階があります。社名を業種に、具体的な商品名を商品カテゴリに、正確な期間を大まかな期間に。どこまで上げれば特定されないかは、その業界の規模によって変わります。事業者の数が少ない業界では、業種と地域を並べただけで特定されることがあります。判断に迷ったら、もう一段上げます。
数字ではなく手順で語る
成果を数字で示せない場合、工程を示します。何回のレッスンで、どの順番で、何を扱ったのか。工程は成果物ではないため、守秘の対象になりにくい情報です。
工程を示す利点は、依頼を検討している人にとって最も参考になる情報だという点にもあります。他人の成果を見ても自分に当てはめにくいのに対し、工程は自分がたどる道筋そのものです。「初回で環境を整え、次の2回で基本操作、その後に実案件を題材にする」という説明は、作品を並べるより具体的に伝わります。
匿名化した事例に落とし込む
複数の案件を統合して、一つの架空の事例として書く方法です。個別の案件を特定できないよう、要素を混ぜます。
この方法を使う場合、架空の事例であることを明示するかどうかが論点になります。実績として掲載するなら、実在の案件だと誤解されない書き方が必要です。「これまで担当した案件に共通するパターン」という前置きを置けば、誤解は生まれません。前置きを省いて実績のように見せると、後から問題になります。
許諾を取りにいく
もっとも確実なのは、出してよいかを聞くことです。断られる前提で聞くと気が重くなりますが、実際には許諾が得られる割合は低くありません。特に、受講者側にもメリットがある形で提案すると通りやすくなります。
提案の形としては、受講者の名前や事業を紹介する形にする、相互にリンクする、掲載内容を事前に確認してもらう、といった条件を付けます。相手にとって宣伝になるなら、断る理由が減ります。
見せられる素材を自分で作る
どうしても案件が出せないなら、案件以外で素材を作ります。レッスンで扱う内容を、自分の題材で実演した動画を作る方法です。
制作会社が自社の実績を動画にする際の考え方は、この作り方の参考になります。
実績動画では、写真や動画、手帳の構造を意識したデザインをストレートに見せる構成にしました。過度な動きの編集を追加せず、潔く見せています。手帳の存在感を強く、リアルに感じられるよう、背景に手帳をめくる映像も入れています。 出典: necco.inc
過度な演出を足さず、対象の構造をそのまま見せる。この方針は、レッスンの実演動画にもそのまま当てはまります。教える様子を見せる動画で編集を凝りすぎると、講師の編集技術は伝わっても、教え方は伝わりません。
許諾を取るときの実務手順
許諾を取ると決めたら、手順を固定しておくと毎回の負担が減ります。
まず、聞くタイミングです。レッスンが終わった直後、相手の満足度が高い時期に聞きます。時間が経つほど、返事をもらうまでの期間が長くなります。
次に、聞く内容を具体的にします。「実績として紹介してよいですか」という漠然とした聞き方では、相手は何を許可するのか判断できません。掲載する場所、掲載する内容、掲載する期間の三つを明示します。掲載内容は、実際の文面を先に作って見せるのがもっとも早い方法です。文面を見れば、相手はその場で可否を判断できます。
三つめは、断られた場合の代替案を用意しておくことです。社名は出せないが業種なら可、実名は出せないがイニシャルなら可、といった段階を用意します。段階があると、相手は全面的に断る必要がなくなります。
許諾は口頭ではなく記録に残る形でもらいます。メールで文面を送り、問題ない旨の返信をもらう形で十分です。後から担当者が変わったときに、記録がないと掲載を続けられなくなります。
受講者の声を集める
作品を出せなくても、受講者の言葉は出せます。ただし、集め方に工夫が要ります。
自由記述で感想を求めると、「分かりやすかったです」「ありがとうございました」といった短い言葉しか集まりません。これでは検討中の人の判断材料になりません。
集まる言葉を変えるには、質問を分解します。受講前に困っていたこと、受講して変わったこと、これから同じ状況の人に伝えるとしたら何か。この三つを別々に聞くと、具体的な言葉が出てきます。特に一つめの「困っていたこと」が重要で、検討中の人は自分と同じ悩みを持っていた人の言葉に反応します。
聞くタイミングは、レッスンの最終回の中に組み込みます。後日メールで依頼すると回答率が落ちます。最終回の中で10分ほど時間を取り、その場で書いてもらうか、口頭で聞いて書き起こす形にします。
掲載する際は、どこまで出すかを本人に選んでもらいます。実名、イニシャル、業種のみ。選択肢を示すと、掲載を承諾してもらいやすくなります。
ポートフォリオの構成をどう組むか
材料が揃ったら、並べ方の問題になります。
最初に置くのは、対象と成果の宣言
ページを開いた人が最初に見る位置には、作品ではなく、誰にどんな変化を提供しているかを書きます。「動画編集を仕事にしたい未経験の方向けに、実案件を題材にした個別レッスンを行っています」という一文です。
この一文がないと、見る側は自分向けかどうかを判断するために全体を読む必要があります。読む前に離脱されるため、判断材料を最初に置きます。
1件あたりの記述は構造をそろえる
事例を複数並べる場合、記述の構造を統一します。開始時点の状態、実施した内容、終了時点の状態。この三つの順番を全件でそろえると、見る側は二件目以降を素早く読めます。
構造がばらばらだと、読む側は毎回どこに何が書いてあるかを探すことになります。情報量が同じでも、構造が揃っているだけで伝わる量が変わります。
並べる順番は、想定する相手で決める
新しい順に並べるのが一般的ですが、レッスンの場合は必ずしも最適ではありません。未経験者を主な対象にするなら、未経験からの事例を先頭に置きます。見る人は最初の数件で判断するため、自分に近い事例が上にあるかどうかが効きます。
事例の数が少ない段階では、無理に並べる必要はありません。3件を丁寧に書くほうが、10件を薄く並べるより判断材料になります。
実績が少ない段階での見せ方
始めたばかりで事例が一件もない場合、示すのは実績ではなく準備です。
何を教えられるのかを、学んだ範囲として示す方法があります。どの領域をどの順番で学んだのか、その過程で何を作ったのか。学習の履歴そのものが、教える内容の裏づけになります。
東京テクニカルカレッジを選んだ理由は、他校と違い、ひとつの科でWebデザインからプログラム、ディレクション、動画編集まで幅広く勉強できるためです。未経験者の私でも、この学校でさまざまなジャンルを学べば、自分がやりたいことを見つけることができるはず。そう思って決断しました。 出典: tec.ttc.ac.jp
複数領域を横断して学んだ経験は、教える側に回ったときに強みになります。受講者の目的は一つに定まっていないことが多く、周辺領域まで話ができると、進む方向を一緒に決められます。
もう一つの手は、体験レッスンの記録を実績にすることです。無料または短時間の体験を実施し、その中で何を扱い、相手がどう変わったかを記録します。有償の案件でなくても、変化を示す材料としては成立します。ただし、記録を掲載する場合も許諾は必要です。
実績を置く場所を決める
同じ内容でも、置く場所によって届き方が変わります。置き場所は三種類に分かれます。
自分で管理するページは、構成を自由に組めて、削除や修正も自分で判断できます。反面、見つけてもらうまでに時間がかかります。長く使う前提の材料は、ここに置きます。
SNSは、流れていく代わりに反応が早く返ってきます。実演の短い動画や、レッスンで扱った考え方の断片を出す場所として機能します。ただし、投稿は時間とともに埋もれるため、実績の保管場所にはなりません。SNSで反応が良かった内容を、自分のページに整理して置き直す運用にすると、両方の利点を取れます。
三つめが、仕事を探す場でのプロフィール欄です。ここは、依頼を検討している人が実際に読む場所です。文字数の制限があることが多いため、優先順位を決めて書く必要があります。何を教えられるか、誰向けか、進め方はどうか。この三つを先頭に置き、細かい事例は自分のページへの導線に回します。
三種類のどれか一つに絞る必要はありませんが、内容を使い回す前提で作ると管理が楽になります。事例の記述を構造化しておけば、どの場所にも切り出して置けます。
実演を動画で見せるときの作り方
レッスンの実績として、実演の動画は効果が高い部類に入ります。教え方そのものが伝わるためです。ただし、作り方を間違えると逆効果になります。
長さは短く保ちます。3分を超えると最後まで見られません。一本の動画で一つの操作だけを扱い、複数扱いたい場合は本数を分けます。
内容は、完成形ではなく途中の判断を見せます。どのボタンを押すかより、なぜその方法を選ぶのかを話すほうが、教える力の証明になります。操作手順だけの動画は、すでに大量に存在するため差がつきません。
音声は必ず入れます。無音で操作画面だけを流すと、教える様子が伝わりません。話し方や説明の丁寧さは、受講を検討している人がもっとも気にする点です。文字だけで判断できない要素だからこそ、動画で見せる価値があります。
編集は最小限にします。効果音や派手な切り替えを足すと、講師の編集技術は伝わりますが、内容から注意がそれます。実績動画では、見せたい対象をそのまま見せる構成が機能します。
問い合わせにつなげる導線を作る
実績を並べただけでは、問い合わせは増えません。読んだ人が次に何をすればよいかが書かれていないためです。
導線として置くのは、二段階の入口です。いきなり申し込みだけを置くと、判断がつかない人は離脱します。まず相談や体験の入口を置き、その先に申し込みを置きます。二段階にすると、検討中の人が一歩目を踏み出せます。
入口には、何が起きるかを書きます。相談では何を話すのか、どのくらいの時間がかかるのか、費用は発生するのか。ここが不明だと、押した先で何が起きるか分からず、押されません。
事例の直後に導線を置くのも有効です。事例を読んで自分に当てはめた直後が、もっとも動きやすい瞬間です。ページの最下部にだけ入口を置くと、その瞬間を逃します。
実績を更新し続ける仕組み
実績の記述は、作った直後がもっとも充実していて、時間とともに古くなります。更新を続ける仕組みを持っている人は少数です。
有効なのは、レッスンの終了時に記録を残す作業を工程に組み込むことです。終わってから思い出して書こうとすると、細部が抜けます。最終回の直後に、開始時点の状態、実施した内容、終了時点の状態の三つを箇条書きで残します。掲載するかどうかは後で決めればよく、記録だけ先に取ります。
許諾の確認も、同じタイミングで行います。時間が経ってから連絡すると、相手にとっては唐突な依頼になります。終了直後であれば、会話の流れの中で聞けます。
記録が溜まってきたら、定期的に見直します。掲載している事例が現在の提供内容と合っていない場合、差し替えます。古い事例を残したままにすると、今は扱っていない内容の依頼が来て、断る手間が発生します。
やってはいけない見せ方
避けるべき見せ方を四つ挙げます。
一つめは、受講者の作品を自分の作品のように見せることです。指導したことと作ったことは別です。並べ方によって誤解を招く見せ方をすると、後から指摘されたときに弁解できません。作品を掲載する場合は、誰が作ったものかを必ず明記します。
二つめは、成果を過剰に見せることです。短期間で高い水準に到達した事例だけを並べると、平均的な受講者は自分には無理だと感じます。実績は、こちらの能力を証明する場ではなく、相手が自分の未来を想像する場です。
三つめは、守秘の範囲を自己判断で狭く解釈することです。契約書に明示されていないから大丈夫だろう、という判断は危険です。判断に迷ったら、掲載しないか、確認するかの二択にします。
四つめは、掲載後に更新しないことです。事例が古いままだと、現在も活動しているのかが伝わりません。事例の追加が難しい時期でも、扱える内容や進め方の記述は更新できます。日付を明示していないページは、更新の有無すら判断されないため、事例には実施時期の目安を添えておきます。
補足として、他人の作品や画面を無断で使わないことも徹底します。説明のために既存の作品を例として出したくなる場面はありますが、権利者の許諾がない転載は、実績の掲載以前の問題になります。例として見せたいものがあるなら、自分で近いものを作ります。手間はかかりますが、そこで作った素材はそのまま自分の材料として残ります。
掲載した後の運用
一度掲載したら終わりではありません。運用の中で必ず起きることが二つあります。
一つは、掲載の取り下げ依頼です。受講者の状況が変わり、掲載をやめてほしいと言われることがあります。この場合は速やかに対応します。取り下げの手順を最初から決めておくと、慌てずに済みます。連絡先を掲載ページに明示しておくと、相手も言い出しやすくなります。
もう一つは、企業側の担当者の交代です。前任者が許諾していても、後任者が知らないまま掲載が続いている状態は、指摘されると面倒なことになります。法人の事例については、一定の期間ごとに掲載継続の確認を入れる運用にしておくと安全です。
法人向けと個人向けで、見せるものを変える
同じ実績でも、読む相手が法人か個人かで、効く材料が変わります。両方に向けて一つのページで済ませようとすると、どちらにも刺さらなくなります。
法人が見ているのは、進め方が業務に組み込めるかどうかです。実施の形式、必要な時間、社内で何を準備すればよいのか、報告や記録がどう残るのか。この種の情報は、個人向けの記述にはほとんど登場しません。法人向けには、事例の中に運用面の記述を足します。
個人が見ているのは、自分と同じ状態から始めた人がどうなったかです。開始時点の状態を細かく書くほど効きます。仕事をしながらだったのか、使っていた機材は何だったのか、どのくらいの頻度で進めたのか。条件が近いほど、自分の未来として読めます。
ページを分けられるなら分けます。分けられない場合は、同じ事例に対して二つの読み方を用意します。事例の本文は共通にして、法人向けの補足と個人向けの補足を分けて添える形です。書き足す量は多くありませんが、どちらの読者も自分に必要な情報にたどり着けます。
20年市場を見てきた立場からの観察
在宅ワークとフリーランスの市場を長く運営してきた立場から言えば、実績の見せ方で結果が分かれるのは、見た目の作り込みではなく、相手の判断を助ける情報が入っているかどうかです。凝ったページを作っても、誰向けで何が起きるのかが書かれていなければ、問い合わせにはつながりません。逆に、飾りのない文章でも、開始時点と終了時点の状態が具体的に書かれていれば、検討している人は自分に当てはめて判断できます。
運営者として見てきた限りでは、中間の仲介が入らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。実績の掲載という文脈でこれが効くのは、直接の関係があるからこそ許諾を得やすいという点です。仲介を挟んだ取引では、掲載の可否を確認する相手が誰なのか分からず、そもそも聞けないまま終わることがあります。手数料0%で直接やり取りできる場では、相手の顔が見えている分、掲載の相談も自然にできます。実績が積み上がる速さの差は、ここから生まれます。
レッスンという仕事で実際に依頼される内容と進め方は、デザイン・動画・音楽レッスンのお仕事にまとまっています。どの範囲までが仕事として想定されているかを確認しておくと、実績として書ける項目の輪郭がはっきりします。
見せられる素材が足りない段階では、成果物が明確な仕事を並行して受ける手があります。既存データの形式変更や修正を扱うデザインデータ変換・修正のお仕事は作業範囲が明確で、実績の記述もしやすい部類です。画面設計を扱うUI/UX・アプリデザインのお仕事は、成果物が公開されないことも多い一方、設計の過程を工程として説明できます。
教える内容の裏づけを形にしたいなら、国家検定であるウェブデザイン技能検定のような公的な指標は、実績が少ない段階の補強材料になります。職域ごとの具体的な仕事の広がりは、UI/UXデザインのフリーランスになるには?必要スキルと案件相場で確認できます。受講者に道筋を示すときの資料としても使えます。
最後に、実績の見せ方を考える順番を整理しておきます。まず、出せる材料と出せない材料を仕分けます。次に、出せない材料それぞれについて、抽象度を上げるのか、工程で語るのか、許諾を取るのかを決めます。そのうえで、変化を示す形式に落とし込み、置き場所ごとに切り出します。最後に、記録と許諾をレッスンの工程に組み込んで、次の事例が自動的に溜まる状態を作ります。この順番で進めると、掲載できる材料は着実に増えていきます。
実績は、隠すか出すかの二択ではありません。抽象度を上げる、工程で語る、許諾を取る、自分で素材を作る。手はいくつもあります。出せない仕事があること自体は、実務を積んでいる証拠でもあります。
よくある質問
Q. 受講者が作った作品を実績として掲載してよいですか?
受講者の作品は受講者の著作物であり、指導した事実は権利の帰属を変えません。掲載する場合は必ず本人の許諾を得て、誰が作ったものかを明記します。無断で掲載すると法的な問題になるだけでなく、自分の作品が知らないうちに他人の宣伝材料になっていたと受け取られ、信頼を失います。
Q. 守秘義務がある案件はどう書けばよいですか?
抽象度を一段階上げます。社名を業種に、商品名をカテゴリに、正確な期間を大まかな期間に置き換えます。事業者の数が少ない業界では業種と地域だけで特定されることがあるため、迷ったらもう一段上げます。契約書に公開可否が明示されていない場合は、自己判断せず個別に確認してください。
Q. 実績がまだ一件もない場合は何を見せますか?
学んだ範囲と、そこで作ったものを示します。どの領域をどの順番で学び、何を作ったのか。学習の履歴は教える内容の裏づけになります。あわせて、体験レッスンを実施してその記録を材料にする方法もあります。有償案件でなくても、開始時点と終了時点の変化が書けていれば判断材料として機能します。
Q. 受講者の声を集めても短い感想しか返ってきません。どうすればよいですか?
質問を三つに分解します。受講前に困っていたこと、受講して変わったこと、同じ状況の人に伝えるとしたら何か。自由記述で感想を求めると短い言葉しか集まりません。聞くタイミングも重要で、最終回の中で10分ほど時間を取ってその場で書いてもらうと、後日依頼するより回答が集まります。
Q. 掲載の許諾はどうやって取るのが確実ですか?
レッスン終了直後に、掲載する場所と内容と期間の三つを明示して聞きます。実際の掲載文面を先に作って見せると、相手はその場で判断できます。断られた場合に備えて、社名は伏せて業種のみ、実名ではなくイニシャル、といった段階も用意します。許諾はメールなど記録に残る形でもらってください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
丸山 桃子@SOHO編集部
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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