漁業の求人の探し方と、未経験から漁師見習いに応募できる条件


この記事のポイント
- ✓漁師.jpの求人検索や漁業就業支援フェア
- ✓都道府県の窓口まで整理します
- ✓未経験から応募できる条件
漁業の求人を探し始めると、一般の求人サイトには件数が少なく、どこで募集が出ているのか、未経験でも本当に応募できるのかが分かりにくいと感じるはずです。漁業は、漁の種類によって働く時間も収入の仕組みも生活の場所も大きく変わる仕事なので、求人の探し方を知る前に、自分がどんな漁業で働きたいかを決めることが近道になります。この記事では、水産庁の水産白書や、水産庁の補助事業として運営されている漁業就業の情報サイトの内容をもとに、漁業の求人の探し方、未経験から応募するための条件、求人票の読み方、研修制度、安全と保険までを順に整理します。
漁業の担い手は減り続け、新しく入る人の多くは若い世代
まず、漁業の仕事を取り巻く状況を押さえておきます。水産庁がまとめた令和7年度の水産白書には、次のように書かれています。
我が国の漁業就業者数は一貫して減少傾向にあり、令和6(2024)年の我が国の漁業就業者数は、前年から5.4%減少し、11万4,820人となっています 出典: jfa.maff.go.jp
ここでいう漁業就業者とは、満15歳以上で、過去1年間に漁業の海上作業に30日以上従事した人のことです。全体の数は減り続けていますが、新しく漁業に入る人の数はおおむね横ばいで、同じ白書によると令和6年度の新規漁業就業者数は1,754人でした。そのうち39歳以下の割合は約6割から7割で推移していて、若い世代の参入が多いことが分かります。
新規就業者を働き方で分けると、漁業会社や漁業者に雇われて働く「雇用就業者」が令和6年度で1,071人、自分の船を持って独立や自営を目指す人が591人です。つまり、未経験から漁業に入る人の多くは、まず誰かに雇われて働くところから始めています。漁業の求人を探すというのは、多くの場合、この雇用就業の入口を探すことだと考えてください。
担い手が減っている業界では、未経験の人を受け入れて育てる仕組みが整いやすくなります。実際に、国や都道府県は研修の制度を用意し、漁業者の団体は就業のための相談会を開いています。人手を求める側の事情があるからこそ、未経験の人にも門が開かれていると言えます。一方で、体力と安全への意識が求められる仕事であることも事実で、入ってから「思っていたのと違った」と辞める人もいます。求人を探す前に、仕事の中身を知っておくことが欠かせません。
沿岸・沖合・遠洋で、働く時間も生活もまったく違う
漁業は、漁場までの距離と船の大きさによって、大きく3つに分けられます。どれを選ぶかで、求人の探し方も応募の条件も変わります。
沿岸漁業は、陸地に近い海で行う漁業です。定置網、まき網、釣り、養殖、刺網、採貝採藻(貝や海藻を採る漁)、小型底曳き網などがあり、多くは日帰りで操業します。漁業就業の情報サイト「漁師.jp」によると、日本の漁師の8割以上が沿岸漁業者です。定置網漁業は未明に出港して午前中に帰港するパターンが多く、養殖業は午前8時ごろから午後5時ごろまでの定時に近い働き方とされています。家族と同じ地域に住みながら働けるのが大きな特徴です。
沖合漁業は、沿岸より遠い海で、より大きな船で行う漁業です。沖合底曳網漁業やまき網漁業、サンマ棒受網漁業などがあり、数日から数週間、港を離れて操業することがあります。船に寝泊まりする日があり、漁期と休漁期がはっきり分かれている漁業も多くあります。
遠洋漁業は、外国の沿岸や公海など、日本から遠く離れた海で行う漁業です。マグロはえ縄漁業やカツオ一本釣り漁業などがあり、1回の航海が数か月から1年近くに及ぶこともあります。漁師.jpでは、カツオの一本釣りについて「1〜2ヶ月の操業を年6〜7回繰り返す」例が紹介されています。家を離れる期間が長い分、陸にいる期間はまとまった休みになります。
ほかに、漁業に近い仕事として、水揚げされた魚の仕分けや加工、漁具の手入れといった陸上の仕事もあります。いきなり船に乗るのが不安な人は、こうした陸上の仕事から漁業の現場に関わる方法もあります。
定置網と養殖の1日の流れの例
求人を選ぶ前に、実際の1日がどう流れるのかを想像しておくと、自分の生活に合うかを判断しやすくなります。ここでは、未経験の人の採用が多い定置網漁業と養殖業を例に、一般的な流れを紹介します。漁場や季節、扱う魚によって時間は大きく変わるので、目安として読んでください。
定置網漁業は、海の決まった場所に大きな網を仕掛けておき、そこに入った魚を引き揚げる漁です。朝は早く、まだ暗い時間に港へ集合し、船で網のある場所へ向かいます。到着したら乗組員全員で網を手繰り寄せ、入った魚を船に揚げます。港に戻ったら、魚を種類や大きさごとに選別し、市場に出荷します。網の手入れや、破れた部分の修理もこの日の仕事です。午前中には海の仕事が一段落することが多く、午後は網の修理や翌日の準備をして終わる、あるいは自由な時間になる職場もあります。
養殖業は、ブリやタイ、カキ、ホタテ、ノリなどを海の中の生け簀や筏で育てる仕事です。朝から夕方まで、餌やり、生け簀や筏の点検、育った魚介の水揚げ、出荷の準備などを行います。漁師.jpでは、午前8時ごろから午後5時ごろまでの定時に近い働き方と紹介されています。天候に左右される点は同じですが、毎日の生活のリズムを作りやすい漁業です。
どちらの漁業でも、海が荒れて出られない日があり、その日は陸上で道具の手入れや作業場の片付けをすることが多くなります。また、季節によって忙しさが大きく変わり、魚が多く獲れる時期は休みが少なく、少ない時期にまとまった休みを取る形の職場もあります。求人票の「休日」の欄が「シフト制」「漁模様による」と書かれている場合は、年間でどのくらい休めるのかを面接で確かめておくと安心です。
未経験から漁師見習いに応募できる条件
漁業の求人の多くは、経験や資格を問いません。漁師.jpのよくある質問には、次のように書かれています。
はい、なれます。昔は漁師の息子が漁師になることが多かったですが、今はだれでも漁師になれる時代です。水産庁や各自治体でゼロから育てる研修制度も用意しています。 出典: ryoushi.jp
同じサイトでは、年齢について「明確な年齢制限はありません」としたうえで、20代から30代の転職者から40代以上での転職の例まであると説明しています。女性についても、漁業就業支援フェアに参加し、面談をしている人がいると紹介されています。
とはいえ、未経験の人を採用する側が見ているポイントはあります。求人票や面接でよく確認されるのは次のような点です。
・体力があり、早朝や夜間の作業、重い漁具の扱いに耐えられること
・船酔いに慣れられそうか(体験乗船で確かめることが多い)
・地域に住む意思があること(沿岸漁業は、港の近くに住むことが前提)
・長く続ける意思があること(技術を覚えるまでに時間がかかるため)
・チームで動けること(船の上では1人の判断の誤りが全員の危険につながる)
求人票に「普通自動車免許」が条件として書かれていることもあります。港や漁場、加工場の間を車で移動する地域が多いためです。また、経験者や有資格者を優遇する求人では、小型船舶の操縦免許、玉掛け(クレーンで荷物を吊るときの作業の資格)、巻き上げ機の資格などが例に挙がります。これらは入ってから取ることもできるので、持っていなくても応募をあきらめる必要はありません。
漁業の求人を探す5つの方法
漁業の求人は、一般の求人サイトだけを見ていると見つけにくい分野です。次の5つの方法を組み合わせて探すと、選択肢が広がります。
1つ目は、漁業専門の求人情報です。一般社団法人全国漁業就業者確保育成センターが運営する「漁師.jp」には、全国の漁業求人を検索できるシステムがあり、漁業の種類や地域で絞り込めます。漁師.jpは水産庁の補助事業として、漁業就業者の確保と育成を支援していると説明されています。
2つ目は、漁業就業支援フェアです。全国の漁業者や漁業会社、漁協、自治体が集まり、仕事の説明や個別の相談を受けられるイベントで、漁師.jpが主催しています。参加は無料で、採用を決めなくても話を聞くだけの参加ができると案内されています。求人票だけでは分からない船の雰囲気や、働く人の人柄を直接確かめられるのが最大の利点です。オンラインのセミナーも開かれているので、遠方に住んでいる人でも情報を集められます。
3つ目は、都道府県や市町村の担当窓口と漁協です。都道府県の水産課などには、漁業の担い手を確保するための担当窓口があり、地域の求人や研修の情報を持っています。住みたい地域が決まっている人は、その地域の行政や漁協に直接問い合わせると、求人サイトに出ていない募集を紹介してもらえることがあります。
4つ目は、ハローワークです。漁業会社の求人や、水産加工場の求人が出ていることがあります。漁業の種類によっては、船員の職業紹介を担う窓口が別に設けられている場合もあるので、地域のハローワークで相談してください。
5つ目は、一般の求人サイトです。求人を集めて表示する検索サイトでは、「漁業」「漁師」「乗組員」「定置網」などの言葉で検索すると、地域の漁業会社の募集が見つかることがあります。
求人票を読むときに確かめたいこと
漁業の求人票は、一般の会社の求人票と書き方が違う部分があります。とくに給与と勤務の形は、漁業の種類によって大きく違うので、読み方を知っておくことが大切です。
一般の求人サイトに掲載されていた漁業の求人の一例を見てみます。
【仕事内容】<職種>[正]専門職、その他、サービスその他、農業(農家)・林業・漁業<雇用形態>正社員<給与>[正]月給18万円~30万円交通費:一部支給< 給与例 > 未経験者向け初期給与例月給180,000円+各種手当年収2,160,000円 経験者向け年間給与例月給300,000円+各種手当年収3,600,000円 出典: 求人ボックス
この例のように固定の月給で書かれている求人もあれば、「基本給+生産奨励金」「歩合制」「日給月給制」と書かれている求人もあります。
固定給の求人は、水揚げの多い少ないにかかわらず毎月の収入が安定します。定置網や養殖、会社の形で営む漁業に多い形です。
歩合制や、基本給に生産奨励金が加わる形の求人は、水揚げの金額によって収入が変わります。漁業では、水揚げの売上から燃料代などの経費を差し引き、残りを船主と乗組員で分ける「代分け(だいわけ)」と呼ばれる仕組みが使われることがあります。豊漁の年は収入が大きくなる一方で、不漁の年は大きく減ることがあります。歩合の割合や最低保障の有無を、面接で具体的に確かめてください。
日給月給制は、1日あたりの額が決まっていて、出勤した日数に応じて月の給与が決まる形です。求人票に書かれている月給の例が「1か月に22日間勤務した場合」のように条件つきの場合は、天候で出漁できない日や休漁期の扱いを確認します。
給与のほかに確かめたいのは、次の点です。
・漁期と休漁期はいつか。休漁期の仕事と給与はどうなるか
・1回の乗船期間と、陸での休みの日数
・寮や住宅の有無と、家賃の負担
・社会保険(健康保険・厚生年金、または船員保険)と雇用保険の扱い
・試用期間や研修期間の給与と、その長さ
・資格を取るときの費用の支援があるか
面接や相談会で聞いておきたい質問の例
漁業の採用は、面接や相談会での会話がそのまま判断材料になります。自分が聞きたいことを事前にまとめておくと、短い時間でも必要な情報を集められます。聞いておきたい質問を、目的ごとに整理します。
仕事の中身を知るための質問です。
・1日の流れと、季節ごとの忙しさの違いはどうなっているか
・未経験の人は、最初の1か月にどんな作業を担当するのか
・何人の乗組員で船に乗り、新人には誰が仕事を教えるのか
お金と生活を知るための質問です。
・最初の1年の給与はどのくらいで、どのように決まるのか
・歩合がある場合、その割合と、不漁のときの最低保障はあるか
・休漁期の給与と、その期間の仕事はどうなるか
・住まいの用意はあるか、家賃や光熱費の負担はどうなるか
続けやすさを知るための質問です。
・ここ数年で入った新人は、今も続けているか
・資格を取るときの費用や、試験のための休みの支援はあるか
・けがや体調不良のときに、どこに相談し、どう休めるか
こうした質問をすると、答えの内容だけでなく、答え方からも職場の雰囲気が見えてきます。数字を具体的に示して丁寧に説明してくれる職場は、入ってからの説明も丁寧なことが多いものです。反対に、質問をはぐらかしたり、「入ってみれば分かる」とだけ答えたりする場合は、慎重に判断したほうがよいでしょう。
漁業研修制度を使って働きながら学ぶ
未経験から漁業に入る人のために、国や都道府県は研修の制度を用意しています。漁師.jpでは、この研修制度を次のように説明しています。漁業就業支援フェアに参加し、フェアに出展している漁協や漁業会社とマッチングが成立すると、一定期間、採用が決まった職場で仕事をしながら基礎的な漁労作業(漁に関わる作業)の指導を受けられる、国や都道府県の補助事業です。
研修制度のよいところは、受け入れる側の漁業者にも支援があるため、未経験の人を育てる時間を確保しやすいことです。研修期間中に、ロープの結び方、漁具の扱い方、魚の選別、船の上での安全な動き方といった基本を、現場で一つずつ覚えていきます。
研修の期間、受けられる支援の内容、対象になる条件は、国の事業か都道府県の事業か、雇われて働くのか独立を目指すのかによって違います。また、年度ごとに内容が見直されることがあります。漁師.jpには支援制度を検索できるシステムがあるので、そこで最新の情報を確かめるか、フェアの相談ブースや都道府県の担当窓口で、自分が使える制度を聞いてください。
独立して自分の船で漁をしたいと考えている人も、多くはまず雇われて経験を積み、地域の漁協の組合員になる手続きや、漁業の権利の仕組みを学んでから独立します。漁業は、地域ごとに漁場の使い方の決まりがあり、誰でもすぐに自分の船で漁ができるわけではありません。独立を目指す人ほど、最初の数年をどの地域のどの漁業者のもとで過ごすかが大切になります。
取っておくと役立つ資格
漁業の仕事に就くための必須の資格は、多くの場合ありません。それでも、仕事の幅を広げ、将来の収入や役割を左右する資格がいくつかあります。
小型船舶操縦士の免許は、総トン数20トン未満の船を操縦するための国家資格です。沿岸漁業で自分が船を動かす立場になるには欠かせず、独立を目指すなら必須になります。入社後に会社の支援で取る人も多くいます。
海技士の資格は、より大きな船で船長や機関長として乗り組むために必要な資格です。水産白書では、20トン以上の船舶で漁業を営む場合、漁船の総トン数などに応じて、船長、機関長、通信長などとして乗り組むために必要な海技資格の種類や人数が決められていると説明されています。同じ白書は、漁業における海技士の高齢化と不足が深刻になっていると指摘していて、資格を取った人の需要は高い状態です。海技士の資格を取るには、国土交通大臣が行う海技士国家試験に合格する必要があり、受験には乗船の経験(乗船履歴)が求められます。
ほかに、船の無線を扱うための無線の資格、水揚げのときにクレーンを使うための玉掛けやクレーンの資格、加工場でのフォークリフトの資格などが役に立ちます。どの資格が必要かは漁業の種類と船の大きさで変わるので、就職先が決まったら、どの資格をどの順番で取るかを先輩や会社と相談すると効率的です。
漁業の危険と、安全を守るための決まり
漁業の求人を考えるとき、避けて通れないのが安全の話です。水産白書によると、漁業における労働災害の発生率は、陸上の全産業の平均の約4倍と高い水準が続いています。令和7年に漁船から海に転落した人は60人で、そのうち39人が死亡または行方不明になったと報告されています。
海への転落事故から命を守るうえで大きな役割を果たすのが、ライフジャケットです。同じ白書では、令和7年のデータで、海に転落したときにライフジャケットを着けていた漁業者の生存率は81%で、着けていなかった人の生存率50%の約1.6倍だったとしています。小型船舶では、原則として船室の外にいるすべての乗船者にライフジャケットの着用が義務付けられています。
それでも、転落したときにライフジャケットを着けていた人の割合は約4割にとどまっていると白書は指摘しています。応募先を選ぶときは、船の上でライフジャケットの着用が徹底されているか、機械への巻き込みを防ぐための決まりがあるか、新人に安全の指導をしているかを、体験乗船や面接で確かめてください。安全への意識が高い職場ほど、長く働きやすい職場でもあります。
働くときの保険と、契約の確かめ方
漁業で雇われて働く場合、どの保険に入るかは、乗る船の種類や大きさによって変わります。
一定の大きさ以上の漁船に船員として乗る場合は、船員法という船員のための法律が関係し、健康保険の代わりに船員保険に入ることになります。船員保険は全国健康保険協会が運営していて、病気やけがへの給付に加えて、仕事中のけがに対する給付も船員保険から行われる仕組みがあります。一方で、小型の漁船や、陸上の仕事が中心の場合は、陸上で働く人と同じように、健康保険や労災保険の対象になることがあります。
どの保険に入るかによって、けがをしたときの補償の受け方や、手続きの窓口が変わります。採用のときに「どの保険に加入するのか」「仕事中のけがはどう補償されるのか」を必ず確かめてください。水産白書でも、労災事故を起こさないための取り組みだけでなく、労災保険などによる補償の措置が重要だと書かれています。
契約の内容は、口頭だけで済ませず、書面で受け取ることが大切です。給与の計算方法、歩合の割合、乗船期間、休日、住まい、保険の扱いを書面で確かめておけば、漁期が終わったあとに「聞いていた話と違う」という行き違いを防げます。分からない点があれば、都道府県の担当窓口や、漁師.jpの相談窓口で相談することもできます。
移住を伴う就業で準備しておくこと
漁業の仕事は、今住んでいる場所から離れた港町で働くことになる場合が多くあります。移住を伴う就業では、仕事以外の準備も必要です。
住まいについては、寮や社宅を用意している漁業会社もあれば、自分で探す必要がある求人もあります。港町では賃貸の物件が少ない地域もあるので、採用が決まる前から住まいの探し方を相談しておくと安心です。自治体によっては、移住者向けの住宅の紹介や、家賃の補助を用意していることがあります。
暮らしの面では、車がないと生活しにくい地域が多いこと、病院や買い物の場所が限られることを考えておきます。家族と一緒に移住する場合は、子どもの学校や、配偶者の仕事も含めて検討する必要があります。
地域との関わりも大切です。漁村では、漁協や地域の行事を通じた人付き合いが、仕事のしやすさにもつながります。体験乗船や短期の滞在で、地域の雰囲気を事前に知っておくと、移住後のずれを小さくできます。漁師.jpも、就業を決める前にできるだけ現地へ足を運び、体験乗船することを勧めています。
女性や40代以上の人が漁業に入るとき
漁業は男性の多い仕事という印象がありますが、女性や、年齢を重ねてから入る人の道もあります。
水産白書によると、海の上での長時間の肉体労働が大きな部分を占める漁業では、就業者に占める女性の割合は約10%ですが、漁獲物の仕分けや選別、カキの殻むきといった水揚げ後の陸上の作業では約34%、水産加工業では約58%を女性が占めています。漁業の仕事は海の上だけでなく、陸上での作業も大きな部分を占めていて、そこでは多くの女性が働いています。漁師.jpでも、養殖業や採貝採藻で女性の就業者が増えていると紹介されています。
海の上の仕事を希望する女性は、船の上の設備(トイレや更衣の場所)や、力仕事の分担について、事前に確かめておくと安心です。水産庁は、水産業で働く女性のつながりを作る取り組みも進めていて、働きやすい職場づくりへの関心は高まっています。
40代以上で漁業に入る人は、体力の面で若い人と同じ働き方を求められる漁業より、養殖業や沿岸漁業のように、定時に近い働き方の漁業を選ぶほうが続けやすい傾向があります。漁師.jpでも、養殖業や沿岸漁業では年齢を問わず歓迎している漁業者もいると案内されています。前の職場で身につけた経験、たとえば機械の整備、営業、事務、運転の経験は、漁業の現場でも役に立つことがあります。面接では、体力への不安を隠さず伝え、どの作業から始められるかを相談すると、お互いに無理のない形を探せます。
続かずに辞めてしまう理由と、事前にできる対策
漁業に入った人の中には、数か月から1年ほどで辞めてしまう人もいます。辞める理由として多く聞かれるのは、次のようなものです。
1つ目は、体力的な負担が想像以上だったことです。早朝の作業、重い網や漁具の扱い、冬の寒さや夏の暑さは、短い体験乗船だけでは分かりきらない部分があります。対策としては、季節を変えて複数回、体験乗船や短期の作業に参加しておくことです。
2つ目は、収入が思っていたより不安定だったことです。歩合の割合が大きい漁業では、不漁の年に収入が大きく下がります。入る前に、過去数年の漁の状況と、不漁のときの給与の扱いを聞いておくと、生活の計画を立てやすくなります。半年分ほどの生活費の蓄えを持って移住すると、最初の年を落ち着いて乗り切れます。
3つ目は、人間関係や地域になじめなかったことです。船の上は少人数で長い時間を一緒に過ごす場所で、地域の付き合いも濃い傾向があります。フェアや体験乗船で、一緒に働く人と何度か話しておくことが、いちばんの対策になります。
4つ目は、生活環境の変化です。買い物や病院までの距離、冬の厳しさ、家族の仕事や学校の問題が、移住後に負担になることがあります。移住を伴う場合は、仕事と同じくらい、暮らしの下調べに時間をかけてください。
陸上の水産の仕事から入るという選択
いきなり船に乗ることに不安がある人は、陸上の水産の仕事から漁業に関わる道もあります。漁港の近くには、水揚げされた魚を仕分ける作業場、魚を加工する工場、漁具を作ったり直したりする会社、魚を市場で売買する仲卸の仕事などがあります。
こうした仕事は、漁港の朝の流れや、魚の種類と扱い方、漁業者との付き合い方を、陸にいながら学べる点に意味があります。実際に、陸上の作業で地域の漁業者と顔見知りになり、そこから船に乗る仕事に誘われる人もいます。水産加工の求人は、ハローワークや一般の求人サイトにも多く出ているので、漁業の求人より見つけやすいのも利点です。
ただし、陸上の仕事と船の上の仕事は、働く時間も求められる体力も違います。将来的に船に乗りたいと考えているなら、その希望を最初から伝えておき、体験乗船の機会があるかを確かめておくと、次の一歩につながりやすくなります。
応募から就業までの流れ
未経験から漁業の仕事に就くまでの流れを、順番に整理します。
ステップ1は、漁業の仕事を知ることです。沿岸、沖合、遠洋のどれが自分の生活に合うか、漁師.jpの解説や先輩漁師の体験談、オンラインのセミナーで情報を集めます。
ステップ2は、フェアやセミナーに参加することです。漁業就業支援フェアで、漁業者や漁業会社と直接話し、働く条件や研修の制度について聞きます。この段階では採用を決める必要はありません。
ステップ3は、体験乗船です。気になる漁業者が見つかったら、実際に船に乗り、作業や船酔いへの耐性、職場の雰囲気を確かめます。体験乗船は、漁業者や都道府県の担当窓口に相談すると進めやすいと案内されています。
ステップ4は、応募と面接です。求人に応募し、面接で給与の仕組み、乗船期間、住まい、保険、研修の内容を確かめます。
ステップ5は、就業と研修です。採用が決まったら、研修制度を使いながら、現場で基本を身につけていきます。最初の1年は、季節ごとの漁の流れを一通り経験する期間と考えると、焦らずに続けられます。
漁業に向いている人と、海の仕事をデータで支える道
漁業に向いているのは、体を動かすことが好きな人、自然の変化に合わせて予定を組み替えられる人、仲間と声をかけ合って動ける人です。天候で休みが変わること、早朝の作業が続くことを、楽しめるかどうかが続けられるかの分かれ目になります。反対に、毎日同じ時間に始まり同じ時間に終わる働き方を強く求める人や、船酔いがどうしても克服できない人には、厳しい仕事になります。
漁業の現場では、ITの活用も進んでいます。水産白書は、スマート水産業の推進に向けた技術の開発と活用を取り上げていて、漁獲や海の状態のデータを集めて漁の判断に役立てる取り組みが広がっています。海の上で働くことは難しくても、漁業を支えるアプリやシステムを作る側で関わる道もあります。ITの仕事の幅を知りたい人はアプリケーション開発のお仕事で仕事の種類を、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で公的統計にもとづく収入の目安を確認できます。
働き方の市場を20年見てきた立場から言えば、地方で新しい仕事に就いて長く続く人は、仕事を始める前に地域の人と顔を合わせる時間を惜しまない人です。漁業でも、フェアや体験乗船で何度も話をした相手のもとで働き始めた人は、困ったときに相談できる関係があり、辞めずに続けられる傾向があります。条件を比べることはもちろん大切ですが、最後に決め手になるのは「この人たちと一緒に海に出たいか」という感覚です。まずは漁師.jpの求人検索と、次の漁業就業支援フェアの日程を確かめるところから始めてください。
よくある質問
Q. 漁業の求人は未経験でも応募できますか?
多くの漁業の求人は、経験や資格を問わずに応募できます。漁師.jpでも、未経験でも漁師になれると案内されていて、国や都道府県の研修制度を使えば、働きながら基本の作業を学べます。体力や船酔いへの慣れ、地域に住む意思は確認されることが多いので、体験乗船で自分に合うかを確かめてから応募すると安心です。
Q. 漁業の求人はどこで探せばよいですか?
漁業専門の求人を探すなら、水産庁の補助事業として運営されている漁師.jpの求人検索が中心になります。ほかに、漁業就業支援フェア、都道府県の水産課などの担当窓口や漁協、ハローワーク、一般の求人サイトがあります。住みたい地域が決まっているなら、その地域の行政や漁協に直接問い合わせるのも有効です。
Q. 漁師の給料は固定給ですか、歩合制ですか?
漁業の種類と雇い主によって違います。定置網や養殖、会社の形で営む漁業では固定の月給が多く、沖合や遠洋の漁業では水揚げに応じた歩合や、基本給に生産奨励金が加わる形が見られます。歩合の割合や最低保障、休漁期の給与の扱いは、面接で具体的に確かめてください。
Q. 漁業の仕事に就く前に取っておくべき資格はありますか?
就業の時点で必須の資格は多くありません。小型船舶の操縦免許、海技士、無線の資格、玉掛けやクレーンの資格は、入社後に会社の支援で取る人も多くいます。どの資格が必要かは漁業の種類や船の大きさで変わるので、就職先が決まってから順番を相談すると効率的です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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