漁師の仕事を副業で手伝うには|漁港での募集の探し方と始める前の心得


この記事のポイント
- ✓漁師の仕事を副業で手伝いたい人向けに
- ✓副業で関われる漁業の種類
- ✓漁港や漁協での募集の探し方
漁師の仕事を副業で手伝ってみたいと考える人は、海の近くに移り住んだ人、釣りが好きで本物の漁を体験したい人、将来は漁業で独立したいと考えている会社員など、さまざまです。ただ、漁業は農業や飲食の仕事と比べて求人の情報が表に出にくく、「どこに聞けばよいのか分からない」「自分で海に出て魚を獲ってもよいのか」といったところで止まってしまう人が多い仕事でもあります。
この記事では、漁師の仕事を副業で手伝うときに知っておきたいことを、副業で関わりやすい漁業の種類、漁港や漁協での募集の探し方、始める前に体験しておく方法、自分で魚を獲るときの決まり、船の上の安全、保険と税金の順に解説します。結論を先に書くと、副業として漁業に関わるなら、まずは雇われて手伝う形から始め、漁業就業支援フェアや漁業体験で現場の人と直接話すのが近道です。自分で船を出して獲った魚を売る形は、漁業権や地域の決まりが関わるため、副業の入口としては難しいと考えておきます。
漁業の仕事のいまの状況
副業の探し方を見る前に、漁業の仕事がいまどのような状況にあるかを押さえておきます。
漁師の多くは沿岸漁業で働いている
漁業の就業を支援する一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター(水産庁の補助事業として「漁師.jp」を運営する団体)は、沿岸漁業を次のように説明しています。
日本の漁師の8割以上が従事する、地域に根ざした漁業。 日帰りまたは近海での操業で、家族と一緒に暮らしながら働けます。 出典: 漁師.jp(全国漁業就業者確保育成センター)
沿岸漁業は、海岸に近い水域で日帰りで行う漁業の総称です。定置網、まき網、釣り、養殖、刺網、採貝採藻(貝や海藻をとる漁)、小型底曳き網の7種類があり、地域の地形や海流によって行われている漁業が違います。副業として関わる場合も、住んでいる地域の近くで行われている沿岸漁業が中心になります。
未経験の人を受け入れる体制がある
かつては漁師の家の子どもが漁師を継ぐことが多い仕事でしたが、今は未経験から漁師になる人も増えています。漁師.jpでは、未経験でも漁師になれること、水産庁や各自治体にゼロから育てる研修の制度があること、明確な年齢の制限がないことが案内されています。定置網漁業、養殖業、まき網漁業は未経験の人を積極的に採用しているとも書かれています。
担い手が足りない現場がある
漁業の現場では、働き手の高齢化が進み、忙しい時期だけでも人手がほしいという声があります。養殖の出荷の時期、定置網の水揚げの作業、カキやホタテの加工の時期など、季節や時間帯を限った人手の募集は、副業として関わる入口になります。
副業で関わりやすい漁業の仕事
漁業の仕事にもいろいろな関わり方があります。副業として現実的なのは、次のような形です。
定置網漁業の水揚げや網の作業
定置網漁業は、海の中に固定した大きな網に入った魚を獲る「待ちの漁」です。漁師.jpによると、未明に港を出て午前中には作業を終えるパターンが多く、チームで動く漁業です。本業の始業前の早朝の時間を使える人や、本業の休みの日に手伝える人にとっては、時間を合わせやすい漁業です。船に乗らずに、港で水揚げされた魚の選別や箱詰めを手伝う仕事もあります。
養殖業の作業
養殖業は、魚や貝、海藻を育てて出荷する漁業です。漁師.jpでは、午前8時ごろから午後5時ごろまでの定時の勤務に近い働き方と紹介されています。カキやホタテ、ワカメ、ノリなどは、収穫や出荷の時期に作業が集中するため、その時期だけの短期の募集が出ることがあります。陸の上での作業も多く、船に慣れていない人でも関わりやすい仕事です。
水産物の加工や出荷の作業
漁港の近くには、水揚げされた魚介類を加工する工場や、出荷の作業をする施設があります。カキむき、魚をさばく下処理、干物づくり、出荷の箱詰めなどは、漁業そのものではありませんが、漁業の現場に近い仕事として、副業の入口になりやすい仕事です。
漁業体験や漁村の行事の手伝い
漁協や自治体が行う漁業体験の受け入れ、朝市や漁港の祭りの運営の手伝いなども、漁業の現場の人と知り合うきっかけになります。報酬のある仕事とは限りませんが、地域の漁業者とのつながりが、次の仕事の声かけにつながることがあります。
漁港や漁協での募集の探し方
漁業の募集は、一般の求人サイトに載らないことも多くあります。次の5つの方法を組み合わせて探します。
1. 漁師.jpの求人の検索
漁師.jpには、全国の漁業の求人を検索できる仕組みがあり、漁業の種類や地域で絞り込めます。漁師.jpのページでは、漁師の求人の情報として件数、内容ともに充実していると案内されています。副業向けの短期の募集は多くありませんが、地域でどの漁業がどんな人を探しているかを知る手がかりになります。
2. 漁業就業支援フェア
漁業就業支援フェアは、全国の漁協や漁業会社が出展し、漁師の仕事を探す人と直接話せるイベントです。漁師.jpの案内では、2027年2月6日に大阪、2月11日に東京で開かれる予定で、参加は無料、登録は不要、当日の参加もできるとされています。採用を決めなくても、話を聞くだけの参加も歓迎されています。副業で関われるかどうかも、出展している漁業者に直接聞けます。
3. 都道府県や市町村の担当の窓口
都道府県や市町村の水産の担当の部署は、地域の漁業の担い手の情報を持っています。漁師.jpでも、住んでみたい地域があれば、行政や漁連(漁業協同組合連合会)、漁協に直接聞いてみることが勧められています。地域によっては、漁業体験の参加者を募集していることもあります。
4. 地元の漁協に直接聞く
住んでいる地域の漁協(漁業協同組合)に、短期の手伝いの募集がないかを聞くのも1つの方法です。漁協は、地域の漁業者の集まりなので、人手を探している漁業者を紹介してもらえることがあります。いきなり訪ねるのではなく、まず電話で用件を伝え、担当の人が話せる時間を聞いてから訪ねるのが礼儀です。漁協の事務所は、漁から戻った後の午前中が忙しいことが多いので、電話をかける時間帯にも気を配ります。話を聞いてもらえたら、すぐに仕事がなくても、名前と連絡先、手伝える日と時間帯を伝えておくと、人手が要るときに思い出してもらえることがあります。一度で結果を求めず、地域の行事に顔を出すなど、少しずつ関係を作っていく姿勢が大切です。
5. 一般の求人サイトやハローワーク
水産物の加工の工場や、養殖の会社の短期のアルバイトは、一般の求人サイトやハローワークに載ることがあります。「漁業」「水産」「カキむき」「養殖」などの言葉と地域の名前を組み合わせて探します。
始める前に体験しておく
漁業の仕事は、実際にやってみないと分からないことが多い仕事です。副業として始める前に、できるだけ体験しておくことが勧められています。
体験乗船
漁師.jpでは、就業を決める前に、できるだけ現地へ足を運び、体験乗船することが勧められています。体験乗船は、漁業者に直接、または都道府県の担い手の担当の窓口に相談すると話が早いとされています。各地の漁協や自治体が、1日の漁業体験の参加者を募集していることもあります。
船酔いを確かめる
体験乗船で最初に確かめたいのは、船酔いです。船酔いのしやすさは人によって大きく違い、天候や波の高さでも変わります。船の上で作業ができないほど船酔いする場合は、陸の上の作業が中心の仕事(養殖の陸上の作業や、加工、出荷の作業)を選ぶほうが、無理なく続けられます。
生活のリズムを確かめる
漁業の仕事は、朝が早いことが多く、未明に港に集まる漁業もあります。本業がある人は、早朝の作業のあとに本業に向かえるか、休日に作業を入れて体が休まるかを、体験を通して確かめておきます。
現場の人の話を聞く
体験のときに、現場の漁業者から、忙しい時期、休みの取り方、未経験の人に最初に任せる作業などを聞いておくと、副業として関われる範囲が見えてきます。
応募や問い合わせのときに伝えること
漁業者や漁協に、副業として手伝いたいと問い合わせるときは、次の点をはっきり伝えると、受け入れる側も判断しやすくなります。
働ける日と時間帯
本業がある人は、働ける曜日と時間帯を具体的に伝えます。「土曜日と日曜日の早朝から昼まで」「平日は朝6時から8時までなら手伝える」のように伝えると、漁業者はどの作業を任せられるかを考えやすくなります。漁業の作業は天候で日程が変わることも多いので、急な変更にどこまで対応できるかも伝えておきます。
続けられる期間
漁業の作業は、最初の数回は教わることが中心で、慣れるまで時間がかかります。受け入れる側にとっては、教えた人が長く続けてくれることが大切です。1つの季節だけなのか、年間を通して手伝えるのかを伝えると、受け入れの判断の材料になります。
船に乗れるかどうか
船酔いのしやすさや、泳げるかどうかも、正直に伝えます。船に乗るのが難しい場合でも、港での水揚げの作業や、養殖の陸上の作業、加工の作業など、任せられる仕事があることがあります。
経験や体力
これまでの仕事の経験や、体力に自信があるかどうかも伝えます。漁業の経験がなくても、重い物を運ぶ仕事の経験、刃物を扱う調理の経験、運転の経験などは、現場で役立つことがあります。普通自動車の運転免許があれば、港と作業場の間の運搬を任されることもあります。
季節ごとに人手が要る作業の例
漁業の仕事は、獲れる魚や育てる貝、海藻によって、忙しい時期が違います。地域によって大きく異なりますが、人手が要る作業は、たとえば次のような形で季節に分かれます。
収穫と出荷が集中する時期
カキやホタテなどの貝の養殖、ワカメやノリなどの海藻の養殖では、収穫と出荷の時期に作業が集中します。この時期には、殻をむく作業、海藻を洗って干す作業、箱に詰めて出荷する作業などで、短期の人手が求められることがあります。
漁の最盛期
定置網漁業やまき網漁業では、狙う魚がたくさん獲れる時期に、水揚げや選別の作業が増えます。獲れる魚の種類は季節によって変わり、作業の量も日によって大きく変わります。
漁の準備や網の手入れの時期
漁の合間には、網の修理や、養殖の道具の準備、船の手入れなどの作業があります。海に出る作業よりも時間の融通がききやすく、副業の人が関わりやすい作業です。
地域の時期を確かめる
どの作業がいつ忙しくなるかは、地域と漁業の種類によって違います。住んでいる地域でどの漁業がいつ忙しいかは、漁協や都道府県の水産の担当の窓口、漁業就業支援フェアで聞くのが確実です。
1日の流れの例
副業で漁業の仕事に関わる場合、1日の流れは漁業の種類によって大きく違います。漁師.jpの説明をもとに、2つの例を挙げます。
定置網漁業を早朝に手伝う場合
定置網漁業は、未明に港を出て、午前中には作業を終えるパターンが多い漁業です。手伝う場合は、暗いうちに港に集合し、船で網のある場所まで出て、網を引き上げて魚を船に移します。港に戻ったら、魚を種類や大きさで選別し、箱に詰めて市場に出します。作業が終わるのは午前中で、午後は自由な時間になることもあります。本業の始業が遅い人や、本業が休みの日に手伝う人に向いています。
養殖業の作業を手伝う場合
養殖業は、漁師.jpによると、午前8時ごろから午後5時ごろまでの定時の勤務に近い働き方です。手伝う場合は、朝に作業場に集まり、船で養殖のいかだに出て貝や海藻を引き上げる作業と、陸の上で洗ったり、むいたり、選別したりする作業を分担して行います。休日に1日だけ手伝う形や、収穫の時期の数日だけ手伝う形で関わる人もいます。
副業で続けるときによくあるつまずき
漁業の仕事を副業で始めた人が、続ける中でつまずきやすい点を挙げます。
天候で予定が立たない
漁業の作業は、天候や海の状態で中止になることがよくあります。前日の夜や当日の早朝に中止が決まることもあり、副業の予定を立てにくいと感じる人がいます。中止になった日の過ごし方をあらかじめ考えておくと、気持ちの負担が減ります。
体の疲れが本業に響く
早朝の作業や、重い物を運ぶ作業は、慣れないうちは体に大きな負担がかかります。漁業の作業の翌日に本業で疲れが出る場合は、作業の頻度を減らすか、陸の上の軽い作業から始めるなど、無理のない形に調整します。
地域の人との関係づくり
漁業は地域の人のつながりで成り立っている仕事です。挨拶を欠かさない、時間を守る、教わったことを素直に聞く、といった基本の振る舞いが、受け入れてもらうための大切な要素になります。最初から自分のやり方を持ち込もうとせず、まずは現場のやり方を覚えることを優先します。
報酬の受け取り方があいまい
知り合いの漁業者を手伝う形で始めると、報酬の額や受け取り方があいまいなまま進むことがあります。雇われて働くのか、手伝いへのお礼として現物の魚を受け取るのかなど、最初に取り決めておくと、後で気まずい思いをせずに済みます。雇われて働く場合は、給与や働く時間などの条件を書面で受け取っておくのが確実です。
自分で魚を獲ってよいのか
「副業で漁師」と聞いて、自分で船を出して魚を獲り、市場に売ることを思い浮かべる人もいます。しかし、海で魚や貝を獲ることには、法律や地域の決まりがあります。
漁業権と漁協の組合員
沿岸の海では、多くの場所で漁業権が設定されていて、漁業権を持つ漁協の組合員が漁業を営んでいます。漁師.jpでは、自分の漁船を持って独立するには、地域の漁協の組合員になる必要があり、おおむね90〜120日以上の漁業への従事の実績と、地域への定住が求められると案内されています。副業として、週末だけ自分の船で漁をするという形は、こうした条件から見て簡単ではありません。
密漁の罰則は重い
アワビやナマコなど、高く売れるために密漁されやすい水産物は「特定水産動植物」とされ、漁業権や許可がない人が獲ることは禁じられています。
第百三十二条第一項の規定に違反して特定水産動植物を採捕したとき。 出典: e-Gov法令検索(漁業法)
漁業法の第190条は、こうした違反に対して3年以下の拘禁刑または3,000万円以下の罰金を定めています。獲ったものを、事情を知りながら運んだり、買い取ったりした人も罰せられます。趣味の釣りのつもりでも、地域によって獲ってよい魚や貝、使ってよい道具が決められているため、海で何かを獲るときは、都道府県の決まりを確かめる必要があります。
釣った魚を売ることについて
趣味の釣り(遊漁と呼ばれます)で釣った魚を売ることについても、地域の決まりや、食品として売るための手続きが関わります。水産物を加工したり、店で売ったりするには、保健所の許可が必要になる場合があります。扱う品や売り方によって必要な手続きが変わるため、売ることを考えている場合は、都道府県の水産の担当の部署と保健所に確認してください。
船の上と港での安全
漁業は、海の上で重い網や道具を扱う仕事で、安全への備えが欠かせません。
ライフジャケットを必ず着ける
船の上では、ライフジャケットを必ず着けます。雇い主から渡されるライフジャケットの着け方を最初に教わり、作業の途中で外さないようにします。漁師.jpでも、漁業の安全を呼びかける取り組みを続けていて、2026年10月には安全月間のキャンペーンが行われています。
網やロープに巻き込まれない
網を巻き上げる機械や、張ったロープの近くは、巻き込まれる危険がある場所です。初めのうちは、指示された場所以外に立たない、機械が動いているときは手を出さない、という基本を守ります。
天候の判断は漁業者に任せる
海に出るかどうかの判断は、天候と海の状態を見て漁業者が行います。副業で手伝う人が「せっかく来たのだから」と出港を勧めることは避けます。中止の連絡が来たら、その判断を尊重します。
刃物と濡れた足元に気をつける
貝をむく作業や、魚の下処理では刃物を使います。港や作業場の床は濡れていて滑りやすく、刃物を持ったまま転ぶと大きなけがにつながります。滑りにくい長靴を履き、刃物を持って移動するときは刃先を下に向ける、使い終わった刃物は決まった場所に戻す、といった基本を、最初に現場の人から教わっておきます。手袋の種類も作業によって違うため、何を使うかを確かめます。
けがや体調の変化はすぐに伝える
作業中にけがをしたり、気分が悪くなったりしたときは、我慢せずにすぐ周りの人に伝えます。特に船の上では、すぐに陸に戻れないため、早めに伝えることが大切です。けがの手当てを受けるときに、仕事中のけがであることを伝えると、保険の手続きがしやすくなります。
暑さと寒さへの備え
夏の船の上や港は日差しが強く、冬の早朝の海は厳しく冷え込みます。夏は帽子や水分、冬は防水で防寒の服や手袋を用意します。作業着や長靴は、雇い主が用意する場合と、自分で用意する場合があるので、事前に確かめておきます。
働き方の形と、保険と税金
副業で漁業に関わるときは、雇われて手伝うのか、自分で事業として行うのかによって、保険と税金の扱いが変わります。
雇われて手伝う場合
漁業者や漁協、加工の会社に雇われて働く場合は、給与として報酬を受け取ります。陸の上の作業であれば、仕事中のけがに労災保険が使えるのが一般的です。船に乗る仕事は、船の大きさや働き方によって、加入する保険の扱いが陸の仕事と変わることがあるため、雇い主にどの保険に入るのかを確かめておきます。
本業がある人の注意
会社員が副業として漁業の仕事をする場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを、始める前に確かめます。雇われて働く副業では、本業と副業の働いた時間が通算されるため、本業の時間と合わせて働きすぎにならないよう注意が必要です。早朝の漁業の作業のあとに本業に向かう生活は、体への負担も大きくなります。
税金の申告
副業の給与は、本業の給与とは別に支払われるため、1年の副業の給与の額によっては確定申告が必要になります。給与を2か所以上から受けている人は、年末調整をされなかった給与の収入と、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要とされています。確定申告が要らない場合でも、住民税の申告が別に必要になることがあるので、住んでいる市区町村に確かめます。扱いは働き方や金額で変わるため、迷ったら税務署に確認してください。
家族や本業との調整
漁業の仕事を副業にすると、生活のリズムが大きく変わります。始める前に、家族や本業との調整をしておくと、長く続けやすくなります。
家族に伝えておくこと
早朝に家を出る日や、天候で急に予定が変わる日があることを、家族に伝えておきます。小さな子どもがいる家庭では、朝の支度や送り迎えを誰が担当するかを、漁業の作業がある日とない日で分けて決めておくと、家族の負担が偏りません。海の上の仕事なので、出かける前にどこの港で何の作業をするのかを家族に伝え、帰りの目安の時刻も知らせておくと安心です。
本業の繁忙期と重ねない
本業が忙しい時期に、漁業の収穫や出荷の時期が重なると、どちらにも十分な力を注げなくなります。本業の繁忙期が分かっている人は、その時期には漁業の作業を入れない、または回数を減らすと、受け入れる側にも先に伝えておきます。
休む日を決めておく
本業と漁業の両方で週に休みがなくなると、疲れがたまり、けがのもとになります。月に何日かは、どちらの仕事も入れない日を決めておくことが、続けるための大切な工夫です。
漁業の副業に向いている人
漁業の仕事は、向き不向きがはっきり分かれる仕事です。副業として始める前に、自分に合っているかを考えておきます。
向いている人
・早起きが苦にならない人
・体を動かす仕事が好きで、ある程度の体力に自信がある人
・チームで声をかけ合いながら作業するのが好きな人
・天候で予定が変わることを受け入れられる人
・地域の人とのつながりを大切にできる人
漁師.jpでは、定置網漁業やまき網漁業はチームワークが好きで体力のある人、養殖業はこつこつ作業するのが好きな人や動植物の世話が好きな人に向いていると紹介されています。
向いていない人
・船酔いがひどく、船の上で作業ができない人
・予定がきっちり決まっていないと落ち着かない人
・寒さや暑さの中での作業が体質的に難しい人
船酔いが心配な人でも、陸の上の作業が中心の仕事なら関われることがあります。自分に合う関わり方を、体験を通して探すのがおすすめです。
始めるまでの手順
漁業の仕事を副業で始めるまでの流れを、5つのステップで整理します。
ステップ1. 本業の就業規則を確かめる
会社員は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめます。届け出が必要な会社もあるので、手続きも確認しておきます。
ステップ2. 地域の漁業を調べる
住んでいる地域、または通える範囲で、どの漁業が行われているかを調べます。漁師.jpの求人や、都道府県の水産の担当の部署のページが手がかりになります。
ステップ3. 体験やフェアで現場の人と話す
漁業体験や漁業就業支援フェアに参加して、現場の人の話を聞きます。副業として関われるかどうか、どの作業なら任せてもらえるかを、この段階で確かめます。
ステップ4. 条件を確かめて応募する
応募や問い合わせのときは、働ける日と時間帯、続けられる期間、船に乗れるかどうかを伝えます。雇われて働く場合は、給与、働く時間、加入する保険、作業着や道具の用意を確かめ、条件を書面で受け取ります。
ステップ5. 最初は少ない回数から始める
最初の1か月ほどは、少ない回数から始めて、体の疲れや本業への影響を見ながら回数を調整します。慣れてきたら、任せてもらえる作業を少しずつ広げていきます。
副業から本格的に漁業に進むとき
副業で漁業の仕事を続けるうちに、本格的に漁師になりたいと考える人もいます。
研修の制度
漁師.jpでは、漁業就業支援フェアでマッチングが成立すると、一定の期間、採用が決まった職場で仕事をしながら基礎的な作業の指導を受ける研修の制度(国や都道府県の補助事業)が使えると案内されています。研修の期間や支援の内容は、制度や地域によって違うため、フェアや都道府県の窓口で確かめます。
漁師になる4つのステップ
漁師.jpでは、漁師になるまでの流れを、情報を集める、セミナーやフェアに行く、目指す漁師の姿に合う求人を探す、就業を決めて現場に出る、の4つのステップで紹介しています。副業として現場を知っておくことは、このうち最初の2つのステップを実地で進めることにあたり、本格的に漁業に進むかどうかを決める材料になります。
移住を伴うとき
漁業で独立するには、地域への定住が求められることが多く、本格的に漁業に進む場合は移住を伴うことがほとんどです。移住先の住まいの探し方や、自治体の移住の支援の制度も、あわせて調べておきます。漁村では空き家が少なかったり、賃貸の物件が出回りにくかったりすることもあるため、住まいについては漁協や自治体に早めに相談しておくと安心です。
支援の制度を探す
漁師.jpには、漁業の就業を支える補助金や支援の制度を検索できる仕組みもあります。研修の期間中の生活の支援や、独立するときの支援など、制度は国と都道府県、市町村で分かれていて、地域によって内容が違います。本格的に漁業に進むことを考え始めたら、住みたい地域の制度を一覧で確かめ、条件に合うものがあるかを窓口に問い合わせます。副業の期間に現場で積んだ経験は、研修先を選ぶときや、受け入れ先と話すときの具体的な材料になります。
海の仕事と、在宅でできる仕事の組み合わせ
漁業の仕事は、季節や天候によって仕事の量が大きく変わります。漁に出られない日や、漁業の閑散期の収入をどう確保するかは、漁業に関わる人の多くが考えている課題です。
漁村で求められている発信の力
地域の漁業者や漁協の中には、獲れた魚を消費者に直接届ける取り組みや、漁業体験の受け入れの案内を、Webで発信したいと考えているところがあります。文章を書く、写真を撮る、商品のページを作るといった力は、漁村でも求められています。記事を書く仕事の単価の決まり方は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで解説しています。商品のページの見た目を整える仕事の相場は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。
運営者の立場から見えること
フリーランスや在宅の仕事の市場を長く見てきた立場から言えば、地方に移り住んで一次産業に関わりながら、パソコンでできる仕事を組み合わせて暮らしを支えている人は確実に増えています。海の仕事は天候に左右される分、在宅の仕事が収入の土台になり、在宅の仕事は海の現場を知っていることが強みになる、という組み合わせです。仲介の手数料がかからない直接の取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、手数料0%で依頼主とやり取りできる仕組みは、こうした組み合わせの働き方とも相性がよいと感じています。
漁業者の直売や、漁村の情報発信を手伝う仕事には、Webのマーケティングの知識も役立ちます。どんな仕事があるかは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確かめてみてください。
よくある質問
Q. 未経験でも漁師の仕事を副業で手伝えますか?
未経験から漁業の仕事に就く人は増えていて、漁師.jpでも定置網漁業や養殖業、まき網漁業は未経験の人を積極的に採用していると案内されています。副業として関わる場合は、養殖や加工、出荷の作業のように、陸の上の作業が中心の仕事から始めると、船に慣れていなくても関わりやすくなります。
Q. 漁業の副業の募集はどこで探せばよいですか?
漁師.jpの求人の検索、漁業就業支援フェア、都道府県や市町村の水産の担当の窓口、地元の漁協への問い合わせ、一般の求人サイトやハローワークの順に探すのが一般的です。漁業体験の参加者を募集している地域もあり、体験を通して現場の人と知り合うことが、仕事の声かけにつながることもあります。
Q. 副業で自分の船を出して魚を獲って売ってもよいですか?
沿岸の多くの場所には漁業権があり、漁業で独立するには地域の漁協の組合員になることが求められます。アワビやナマコなどを許可なく獲ると、漁業法で3年以下の拘禁刑または3,000万円以下の罰金の対象になります。売ることを考えている場合は、都道府県の水産の担当の部署と保健所に確かめてください。
Q. 漁業の副業で確定申告は必要ですか?
雇われて給与を受け取る場合、給与を2か所以上から受けている人は、年末調整をされなかった給与の収入と給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要とされています。確定申告が要らない場合でも住民税の申告が必要になることがあるので、住んでいる市区町村と税務署に確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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