電気工事士の報酬の相場

長谷川 奈津
長谷川 奈津
電気工事士の報酬の相場

この記事のポイント

  • 電気工事士 副業 収入の実態を
  • 在宅案件の報酬の決まり方から整理しました
  • 時間単価・件数単価・監修料の3つの型と

電気工事士 副業 収入で検索する人が本当に知りたいのは、いくら稼げるかという総額ではありません。自分が持っている免状と経験に対して、いくらの値段がつくのか。そして、提示された金額が妥当なのかどうか。この2つです。

結論から書きます。在宅で受ける電気工事士の副業は、報酬の決まり方が3種類あり、どの型で受けるかによって、同じ知識に対する金額が数倍変わります。時間で売る型は上限がはっきりしていて、成果物で売る型は上限がありません。ここを理解しないまま案件を選ぶと、専門知識を持っているのに一般の応募者と同じ単価で働くことになります。

この記事では、3つの型それぞれの相場の水準と、同じ仕事でも金額が動く条件、そして提示された報酬を守るための契約の確認点までを整理します。

報酬の決まり方は3つに分かれる

在宅の案件で提示される報酬は、次の3つのいずれかの形をとります。

ひとつ目が、時間単価です。働いた時間に対して支払われる形で、技術問い合わせの窓口対応、オンラインでの学習サポート、定期的な相談対応などが該当します。分かりやすい反面、金額の上限が最初から決まっています。時給1,500円の案件は、どれだけ専門知識があっても時給1,500円のままです。

ふたつ目が、件数単価です。作業1件、図面1枚、記事1本といった単位で支払われる形で、CADトレース、積算、写真台帳の整理などが該当します。この型は、作業が速い人ほど時間あたりの収入が上がります。実務経験のある人は、経験の浅い人より確実に速いので、経験が金額に反映されやすい型です。

みっつ目が、成果物単価と監修料です。記事の監修、教材の作成、技術的な確認と指摘。この型は「その成果物を作れる人の希少性」で値段が決まります。作業時間ではなく、代わりがいるかどうかで金額が決まるため、上限がありません。電気工事士の免状を持っている人が最も有利になるのは、この型です。

自分が受けている案件がどの型なのかを把握するだけで、値上げの余地がある場所が見えてきます。

時間単価の案件の水準

時間で売る案件は、在宅の仕事の中では入り口として使いやすい部類に入ります。ただし、金額の構造を理解しておく必要があります。

技術問い合わせの窓口や在宅のサポート業務は、時給1,200円から2,000円程度が中心です。専門的な製品知識を求められる窓口や、法人向けの技術サポートになると、時給2,500円を超える案件も出てきます。シフトが固定されるため、本業のある人は対応できる時間帯が限られる点が制約になります。

オンラインでの資格試験のサポートや個別指導は、時間単価またはコマ単価で、60分あたり2,000円から5,000円程度が目安です。ただし、準備時間が報酬に含まれない契約だと、実質的な時給は下がります。1コマ60分の指導に対して教材の準備が60分かかっていれば、実質は半額です。受ける前に、準備時間の扱いを確認してください。

時間単価の案件の使いどころは、収入の下支えです。件数単価や成果物単価の仕事は、受注が途切れる時期があります。時間単価の案件をひとつ持っておくと、その谷を埋められます。ただし、時間単価だけで組み立てると、収入は投入時間に完全比例します。本業のある人にとって、投入できる時間には上限があるため、ここだけで伸ばすのは難しい。

件数単価の案件の水準

図面や積算のように、1件いくらで支払われる案件を見ていきます。

CADトレースは、図面の種類と複雑さで金額が変わります。住宅の配線図など比較的単純なものは1枚3,000円から8,000円程度、単線結線図や系統図など情報量の多いものは1枚1万円を超えることもあります。手描き図面からの起こしは、既存データの修正より高く設定されるのが通例です。

積算と拾い出しは、対象の規模で決まります。住宅1棟の電気設備であれば5,000円から2万円程度、店舗や中規模の建物になると1件3万円から10万円程度の幅になります。ただし、図面の情報が不足していると確認のやり取りが増え、実質的な作業時間が膨らみます。受ける前に、図面一式が揃っているかを必ず確認してください。

施工写真の整理と台帳作成は、1現場あたり5,000円から3万円程度です。写真の枚数と、指定された様式の複雑さで変わります。単価は高くありませんが、電気設備の名称と施工手順が分かる人は作業が圧倒的に速いため、時間あたりで見ると悪くない案件になります。

件数単価の型で重要なのは、自分の作業速度を把握することです。1件にかかる時間を計測して、件数単価を時間で割ってみる。それが自分の実質時給です。この数字を持っていない人は、安い案件を受け続けても気づけません。

成果物単価と監修料の考え方

ここが、免状を持っている人にとって最も金額の伸びる領域です。

記事の執筆は、文字単価で示されることが多く、一般的なテーマなら1文字1円から3円程度、専門知識を要するテーマでは1文字3円から10円程度まで幅があります。電気設備、太陽光発電、EV充電設備、資格試験対策といったテーマは、書ける人が限られるため上の帯に入りやすい。4,000字の記事なら、1本1万円台から4万円程度が想定される範囲です。

監修料は、記事1本あたり5,000円から3万円程度が中心で、メディアの規模と監修の深さで変わります。原稿を読んで誤りを指摘するだけの形と、構成段階から関わって内容を設計する形では、当然ながら金額が違います。また、監修者として名前と資格を掲載する場合は、その表示に対する対価が上乗せされます。

教材作成は、練習問題1問あたり500円から2,000円程度、解説付きの講座1回分の台本で1万円から5万円程度という水準が見られます。教材は一度作れば繰り返し使われるため、二次利用の条件によって金額が変わる点が特徴です。

この型の相場感を掴むには、隣接する分野の水準も見ておくと判断しやすくなります。文章を扱う仕事全般の単価分布は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認でき、技術系の在宅案件がどの水準で取引されているかはソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。自分の提示額が市場から外れていないかを見る物差しになります。

同じ仕事でも報酬が動く5つの条件

同じ内容の作業でも、条件によって金額は大きく動きます。動かす要素は次の5つです。

第一に、名前が出るかどうかです。監修者として資格と氏名を掲載する案件は、掲載しない案件より高くなります。発注側にとって、資格保有者の名前は記事の信頼性を担保する材料だからです。ここは交渉の余地が大きい部分です。

第二に、発注元です。メーカー、施工会社、資格スクール、業界専門メディアからの発注は、一般向けの情報サイトからの発注より単価が高い傾向があります。読者や顧客が業界内の人間であるため、内容の正確さが直接ビジネスに関わるからです。

第三に、納期です。3日以内といった短納期の案件は、割増になることがあります。逆に、納期に余裕がある案件は標準の単価です。短納期を受けられる体制がある人は、そこを条件として交渉材料にできます。

第四に、修正回数です。修正無制限の条件で受けると、実質的な時給は下がり続けます。2回までは料金内、それ以降は別途、という線を最初に引いておくかどうかで、同じ単価でも手取りの実感がまったく変わります。

第五に、専門性の深さです。住宅の配線という一般的なテーマより、高圧受電設備や自家用電気工作物に関するテーマのほうが書ける人が少なく、単価が上がります。第一種の免状や実務経験がある人は、意識的にこちらの領域を狙う価値があります。

副業として資格を使うこと自体を、後ろ向きに捉える必要はありません。

電気工事士の資格は、転職・就職だけでなく副業にも直接活かせる強みです。「空いた週末に収入を増やしたい」「取得した資格をもっと有効活用したい」と考えている方にとって、電気工事の副業は現実的な選択肢の一つです。 出典: jobhouse.jp

ここで補足しておくと、工事そのものを事業として請け負う場合には、電気工事業の業務の適正化に関する法律にもとづく登録や届出の手続きが定められています。免状を持っていることと、自分の事業として工事を受注できることは別の話です。在宅で知識を売る形であればこの手続きは基本的に関わりませんが、工事を受ける計画があるなら、始める前に所管の窓口で要否を確認してください。

額面ではなく手取りで見る

提示された金額と、最終的に手元に残る金額は違います。差を生む要素は3つです。

ひとつ目が、仲介手数料です。仲介型のサービスを経由すると、報酬から10%から20%程度が差し引かれる仕組みが一般的です。年間の受注額が100万円になれば、差し引かれる額も相応の規模になります。手数料0%で直接やり取りできる場を併用しておくと、同じ仕事に対して残る額が変わります。

ふたつ目が、経費です。CADソフトの利用料、通信費、専門書、パソコン。事業のために使った支出は経費として計上できますが、記録がなければ計上できません。領収書を残す習慣を最初から作っておく必要があります。

みっつ目が、税金です。給与以外の所得が年間20万円を超える場合の確定申告について、詳しい要件は国税庁の案内で確認してください。金額が小さいうちでも住民税の扱いは別に考える必要があり、継続的に受注するなら開業届と帳簿の準備も検討することになります。

この3つを引いた後の額が、実際の収入です。額面の単価だけを見て案件を比較すると、判断を誤ります。

現場の日当と在宅の報酬を比べるときの注意

現場で働いた経験のある人ほど、在宅の報酬を日当と比べて「安い」と感じます。この比較には、いくつか見落としがあります。

まず、現場の日当には移動時間が含まれていません。往復に2時間かかる現場なら、拘束時間は実働より長くなります。在宅の作業にはこれがありません。同じ額でも、拘束される総時間が違います。

次に、道具と車両の負担です。現場の仕事には工具の更新、消耗品、車両の維持費がかかります。在宅の仕事に必要なのはパソコンとソフトで、初期投資も維持費も桁が違います。手元に残る割合で見ると、単純な額面の比較は成り立ちません。

そして、体力の消耗です。本業で現場に出ている人が、休日にも現場に出る形の副業を選ぶと、続く期間が限られます。在宅の作業は疲労の種類が違うため、本業と両立しやすい。長く続けられるかどうかは、年単位で見たときの総額に直結します。

一方で、在宅の不利な点もあります。単価が上がるまでに時間がかかること、そして受注が途切れる時期があることです。現場の日当は初日から確定した額が入りますが、在宅の成果物単価は実績が積み上がるまで低い帯にとどまります。この差を理解したうえで、最初の数か月は水準が低くても続ける、という前提で始めるほうが挫折しにくくなります。

収入の組み立て方

複数の型を組み合わせると、収入が安定します。組み立て方には考え方があります。

土台にするのは、時間単価または継続的な件数単価の案件です。毎月一定量の発注が見込める仕事をひとつ持っておくと、他の案件が途切れた月の落ち込みが小さくなります。技術サポートの定期シフトや、継続的に発注される記事の枠がこれにあたります。

その上に積むのが、成果物単価と監修の案件です。この層は金額が大きい一方で、発注のタイミングが読めません。土台があるからこそ、条件の合わない依頼を断れます。断れる状態にあることが、単価を下げない最大の要因です。

さらに、繁忙期に集中する案件を季節の要素として組み込みます。図面や積算の外注は施工会社の繁忙期に集中し、教材関係は試験の時期の前に増えます。自分の空き時間が多い時期と、これらの繁忙期が重なるなら、その期間だけ受注量を増やす形が組めます。

この3層で組み立てておくと、どこかが途切れても全体が止まりません。逆に、単発の案件だけを追いかけている人は、受注と作業の波がそのまま収入の波になります。安定させたいなら、土台の層を先に作ってください。

報酬を守るための契約の確認点

報酬に関する相談で多いのは、金額そのものより「決めたはずの条件が守られない」というものです。防ぐ方法は、着手前に条件を文字で残すことに尽きます。

確認する項目は、報酬の金額と計算方法、作業の範囲、修正の回数、範囲外の作業が発生した場合の扱い、締め日と支払日、そして納品物の権利の帰属です。

2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、発注者が個人に業務委託をする際に、給付の内容や報酬の額、支払期日などの取引条件を書面または電子データで明示することが定められています。また、報酬の支払期日についても定めが置かれています。つまり、条件を文字で示してもらうことは、相手に無理を言う行為ではなく、法律が想定している手順だということです。これ、知らない人が本当に多いんです。

先日も、監修の案件で「原稿を読んで指摘する」という条件で受けたのに、実際には構成の作り直しまで求められ、報酬は当初のままという相談がありました。範囲を文字にしていれば、増えた時点で別途の相談として切り出せます。文字にしていないと、言い出すタイミングを失って、最後まで抱え込むことになります。※すでに未払いが発生している、あるいは相手と連絡が取れない段階に入っている場合は、自力での交渉にこだわらず弁護士に相談してください。法律はあなたの味方です。

自分の下限を決める

案件を選ぶ基準として、自分の下限を先に決めておくと判断が速くなります。決め方は単純です。

まず、副業に使える時間を週あたりで確定させます。次に、その時間で得たい金額を決めます。この2つを割ると、自分が受けるべき最低の時間あたりの金額が出ます。あとは、提示された案件の報酬を想定作業時間で割って、その数字を下回るかどうかを見るだけです。

この計算をしていない人は、案件ごとに気分で判断することになります。忙しい時期に安い案件を受けてしまい、余裕のある時期に条件の良い依頼を断ってしまう、といったちぐはぐな動き方になりがちです。数字が決まっていれば、迷う時間そのものが減ります。

下限を決めるときの注意点として、現場の日当を単純に時間で割った額をそのまま使わないほうがよい場合があります。前述のとおり、移動時間や道具の負担が計算に入っていないためです。ただし、在宅だからという理由だけで大幅に下げるのも違います。専門知識を提供している以上、そこは切り分けて考えたほうがよい。安く受けた条件は、その相手との取引が続く限り基準として残り続けます。

値上げをどう切り出すか

継続している案件の単価を上げたいとき、多くの人が言い出せずに終わります。切り出し方には型があります。

まず、根拠を数字で用意します。作業にかかっている実時間、こなした件数、指摘によって防いだ誤りの数。次に、値上げではなく「条件の見直し」として切り出します。「現在の作業範囲が当初より広がっているため、条件を一度ご相談させていただけますか」。そして、代替案を添えます。「単価の見直しが難しい場合は、修正回数の上限を設けるか、作業範囲を当初の内容に戻す形でも構いません」。

この形なら、相手も検討しやすくなります。単に金額を上げてほしいという申し出より、条件を整理する提案のほうが通ります。そして、通らなかった場合でも関係が壊れません。

報酬でよくある食い違いのパターン

金額の相談で持ち込まれる話には、いくつか決まった形があります。先に知っておけば、契約の段階で避けられます。

ひとつ目は、作業の単位のずれです。「1件いくら」と決めたときの1件が、発注側と受注側で違っていた。図面1枚のつもりが、関連する図面一式を含む意味だった。積算1件のつもりが、複数棟をまとめた案件だった。単位を決めるときは、具体的な数量まで文字にしておきます。図面なら枚数、記事なら文字数、教材なら問題数です。

ふたつ目は、確認作業の扱いです。作業そのものは短時間でも、確認のやり取りが何往復も発生すると、実質の負担は倍以上になります。特に情報が不足している案件では、こちらから質問して回答を待つ時間が積み上がります。この時間が報酬に含まれるのかどうかは、決めていないことがほとんどです。往復の回数に上限を設けるか、情報が揃った状態で着手する条件にしておくと防げます。

みっつ目は、成果物の二次利用です。作った教材や図面が、契約の範囲を超えて別の用途で使われる。金額は1回分しか受け取っていないのに、繰り返し使われる。権利の帰属と利用範囲を決めていないと、この状態を止められません。特に教材は繰り返し使われる前提の成果物なので、最初に条件を確認しておく必要があります。

よっつ目は、支払いの遅れです。締め日と支払日が決まっていないと、催促の根拠がありません。決めていれば、期日を過ぎた時点で事実として確認できます。金額の大小に関係なく、最初に決めておくべき項目です。

市場を見てきた立場からの観察

在宅ワークの募集を長く運営してきた立場から見ていると、報酬で伸び悩む人と伸びる人の差は、交渉の巧拙ではありません。受ける案件の型を選んでいるかどうかです。

時間単価の案件だけで組み立てている人は、投入時間が増えない限り収入が伸びません。件数単価の案件を持っている人は、作業速度が上がったぶんだけ実質時給が上がります。成果物単価と監修の案件を持っている人は、実績が積み上がるにつれて提示される金額そのものが上がっていきます。同じ免状を持っていても、この選択で数年後の水準がまったく違ってきます。

もうひとつの観察として、長く続く人は、単発の作業を安く速く納めることではなく、「この人に任せると確認の手間が減る」という位置を作っています。指摘のひとことを添える、次に起きそうな問題を先に伝える。この積み重ねが、指名での依頼につながり、価格交渉そのものを不要にしていきます。

そして、間に入る事業者が減るほど双方が得をするという構造も、繰り返し見てきました。中間の手数料が乗らない直接の取引であれば、発注側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りは厚くなる。金額の大小の話というより、同じ仕事に対して最終的に残る額の質が変わるという話です。

資格を報酬に変える構造は分野を問わない

専門資格を在宅の報酬に換える流れは、電気工事士に限りません。共通しているのは、資格そのものを売るのではなく、資格を取る過程と実務で身についた判断力を売る、という構造です。

この構造がどう働くかは、他分野の事例を見ると分かりやすくなります。専門技能を在宅の案件に換えた例としてドローン副業の始め方|資格・収入・案件の種類をまとめて解説があり、資格と機材が必要な分野の報酬の決まり方が整理されています。特定の知識が値段になる例としては楽譜作成・作詞の副業|音楽知識をオンラインで収入に変えるゲームテスターの副業ガイド|未経験から始める方法と収入の実態も、単価の構造を比較する材料になります。

在宅の仕事の分野そのものを広げたい場合はキャリア・副業・人生相談のお仕事で発注の分野を俯瞰でき、AIを絡めた案件の動きはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。音や映像の分野に関心があるなら作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事も、成果物単価がどう決まるかの参考になります。

書類や申請の周辺を扱う案件を受ける場合、どこまでが自分の受けてよい範囲かを知っておく必要があります。行政書士の解説を見ておくと、行政への申請の代理や代行がどのように位置づけられている業務なのかが分かり、範囲を広げる前に確認すべき点が見えてきます。

相場を知ったうえで、最初の1件をどう受けるか

相場を把握したあと、実際に案件を受ける段階で迷うのが初回の金額です。実績がないからと相場より大幅に安い金額を提示すると、その金額が相手との間の基準になり、後から上げにくくなります。

初回の不安は、単価を下げることではなく、作業量を小さくすることで埋めるほうが安全です。金額は据え置いたまま、まず1本だけ受ける。相手にとってもリスクが小さく、こちらの基準も守られます。この形で1件納めれば、次からは実績を根拠に条件を組み立てられます。

もうひとつ、初回で意識しておきたいのが記録です。受けた案件の内容、かかった時間、提示された金額、実際に手元に残った金額。この4つを残しておくと、次の案件の判断が数字でできるようになります。感覚で「まあこれくらいだろう」と受け続けている人と、記録を持っている人では、一年後の水準に差が出ます。値上げを切り出すときの根拠にもなります。

免状は、取った時点で価値が固定されるものではありません。どの型で受けるかを選び、条件を文字で残し、実績を積み上げていくことで、同じ免状に対してつく金額が変わっていきます。相場を知ることは、その最初の一歩です。

よくある質問

Q. 電気工事士の在宅案件は、どの型が最も報酬が高くなりますか?

成果物単価と監修料の型です。時間単価は上限が最初から決まっており、件数単価は作業速度に比例します。これに対し監修や教材作成は、その内容を書ける人の希少性で金額が決まるため上限がありません。免状と実務経験が最も価格に反映されるのはこの型です。

Q. 記事の監修料はどれくらいが目安ですか?

記事1本あたり5,000円から3万円程度が中心です。原稿を読んで誤りを指摘する形か、構成段階から関わる形かで金額が変わり、監修者として資格と氏名を掲載する場合はその表示への対価が上乗せされます。名前が出る案件は交渉の余地が大きい部分です。

Q. 提示された単価が安いと感じたら交渉してよいのでしょうか?

交渉して構いません。値上げとしてではなく条件の見直しとして切り出し、作業にかかっている実時間や範囲の広がりを数字で示すと通りやすくなります。単価の変更が難しい場合に備えて、修正回数の上限を設けるなどの代替案を添えると、断られても関係が続きます。

Q. 額面と手取りはどれくらい違いますか?

仲介型のサービスを経由すると報酬から10%から20%程度が差し引かれ、さらに経費と税金が関わります。給与以外の所得が年間20万円を超える場合の確定申告については国税庁の案内を確認してください。案件を比較するときは額面ではなく、これらを引いた後の金額で見る必要があります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月16日最終更新:2026年8月27日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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