マンションの駐車場を外部に貸す|管理組合で決めることと注意点


この記事のポイント
- ✓マンションの駐車場の外部貸しを考えている管理組合の理事や区分所有者に向けて
- ✓国税庁が示した課税の3つの型
- ✓管理規約と総会で決めること
マンションの駐車場の外部貸しを調べている人の多くは、管理組合の理事になって「空き区画が年々増えて、駐車場の収入が減っている」「このままでは修繕積立金が足りなくなる」と悩んでいます。空いている区画を住民以外に貸せば収入は戻りそうに見えますが、税金の扱いが変わる、管理規約の変更が要る、知らない車が出入りすることに反対する住民がいる、といった問題が出てきます。この記事では、外部貸しを始めるまでに管理組合で決めること、国税庁が示している税金の考え方、規約と契約書に入れておきたい項目、外部貸し以外の選択肢までを順に説明します。
マンションの駐車場が空いていく背景
外部貸しの話が出てくるマンションの多くは、建てられた当時は駐車場が足りず、抽選や空き待ちをしていたところです。それが今では空き区画が目立つようになっています。
車を持たない世帯が増えている
都市部を中心に、車を持たない世帯が増えています。公共交通の便が良い地域では、必要なときだけカーシェアやレンタカーを使う人も多くなりました。また、マンションに長く住んでいる世帯では、年齢を重ねて車を手放す人もいます。建てた当時の想定より、駐車場を使う世帯が少なくなっているのです。
駐車場の収入は修繕積立金を支えている
マンションの駐車場の使用料は、管理組合の大切な収入です。国土交通省が示しているマンション標準管理規約では、駐車場の使用料の使い道を次のように定めています。
駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。 出典: 国土交通省 マンション標準管理規約
マンション標準管理規約とは、管理組合が自分たちの規約を作るときにひな型として使えるよう、国土交通省が公表しているものです。多くのマンションの規約がこれをもとに作られています。駐車場の使用料が減ると、修繕積立金に回るお金も減り、将来の大規模な修繕の資金が足りなくなるおそれがあります。
機械式の駐車場は維持費が重い
立体の機械式駐車場は、使っている台数が減っても、点検や部品の交換の費用はほとんど変わりません。古くなると装置の入れ替えに大きな費用がかかります。空き区画が増えるほど、使っている人の使用料だけでは維持費をまかなえなくなり、管理費や修繕積立金から穴埋めすることになります。こうした事情から、空き区画を外部に貸して収入を得ようという話が出てきます。
外部貸しで得られることと失うこと
外部貸しを検討するときは、収入が戻るという面だけでなく、住民の暮らしや管理組合の手間にどんな影響が出るかを合わせて考えます。
得られること
外部貸しの最大の利点は、空いている区画から使用料の収入が得られることです。修繕積立金の不足を補えれば、管理費や修繕積立金の値上げを先送りできる可能性があります。また、駐車場に車が入っていると、空き区画が荒れたり、無断で駐車されたりすることが減るという面もあります。
失うこと
一方で、外部貸しには次のような負担や不安が伴います。
- 住民以外の人がマンションの敷地に出入りするようになる
- 税金の申告が必要になり、その手間や費用がかかることがある
- 使用者の募集や契約、使用料の受け取りなど、管理の仕事が増える
- 住民が駐車場を使いたくなったときに、すぐに使えないことがある
- 外部の使用者との間で、事故や苦情などのトラブルが起きることがある
特に税金の扱いは、貸し方によって大きく変わります。次の節で詳しく説明します。
収支を試算してから判断する
外部貸しを始める前に、収入と支出の見込みを試算しておきます。たとえば、空き区画が5台あり、近くの月極の駐車場の相場と同じ使用料で貸せるとすれば、1年でどれだけの収入になるかを計算します。そこから、募集の費用や管理会社への委託費、税金の申告を税理士に頼む費用、かかる税金を差し引きます。収入に対して手間と費用が大きすぎる場合は、外部貸し以外の方法のほうが合うこともあります。
国税庁が示した課税の3つの型
マンションの管理組合は、法律上は「人格のない社団」として扱われることが多く、ふだんの管理の仕事には法人税がかかりません。ところが、駐車場を住民以外に貸すと、その貸し方によっては「収益事業」として法人税がかかることがあります。収益事業とは、駐車場業など法人税法で決められた事業を、継続して事業の場所を設けて行うことです。
国税庁の文書回答事例
この点について、国土交通省が国税庁に照会し、国税庁が回答した事例が公表されています。照会では、外部貸しの3つの型が示されています。
ケース1: 駐車場の使用については、外部使用部分だけでなく、区分所有者の使用も含め、そのすべてが収益事業に該当する。 ケース2: 駐車場の使用については、外部使用部分のみが収益事業に該当する。 ケース3: 駐車場の使用については、区分所有者への使用のみならず、外部使用部分も含め、そのすべてが収益事業に該当しない。 出典: 国税庁 文書回答事例
国税庁は、照会された事実関係を前提とする限り、照会者の考え方で差し支えないと回答しています。ただし、文書回答は一般的な回答であり、個々のマンションの状況によっては違う扱いになることがあると注記されています。
ケース1:区分所有者を優先しない貸し方
ケース1は、住民と外部の人を区別せずに広く募集し、申し込みの順に貸し、使用料や期間の条件も同じにする貸し方です。外部の人が使っている間に住民が使いたいと言っても、明け渡しを求めません。この場合、住民を優先する姿勢がまったく無いため、ふつうの有料駐車場と同じ事業をしていると考えられ、住民が払う使用料も含めて駐車場の収入全体が収益事業になるとされています。
ケース2:区分所有者を優先する貸し方
ケース2は、外部にも広く募集するものの、住民に使いたい人がいないときだけ外部に貸し、住民から希望が出たら、外部の人には一定の期間(例として3か月)以内に明け渡してもらう条件を付ける貸し方です。この場合、住民への貸し出しは管理の仕事の一環として収益事業に当たらず、外部の人に貸した分だけが収益事業になるとされています。マンション標準管理規約のコメントでも、区分所有者を優先する条件を設定するなどの場合は外部貸しのみが課税の対象になるという国税庁の見解が紹介されています。
ケース3:短期間だけ申し出に応じる貸し方
ケース3は、管理組合から積極的に募集したのではなく、近くの工事業者から「工事の間の約2週間だけ使いたい」と申し出があり、住民の利用の妨げにならない範囲でごく短期間だけ貸した例です。この場合は、住民への貸し出しに付随する行為として、外部貸しも含めて全体が収益事業に当たらないとされています。
多くの管理組合が目指すのはケース2
継続して外部に貸して収入を得たい場合、現実的な形はケース2です。住民を優先する条件を規約や使用細則、契約書にはっきり書いておくことが、住民の使用料まで課税されないための前提になります。ケース3は短期の例外的な貸し方で、継続して外部に貸す場合には当てはまらないと考えておきます。
税金の申告で確かめておくこと
外部貸しが収益事業に当たる場合、管理組合は税務署への届出と法人税の申告をすることになります。マンションの理事は税金の専門家ではないことがほとんどなので、どんな手続きが要るのかを先に知っておくことが大切です。
収益事業を始めたときの届出
法人税法では、人格のない社団などが新たに収益事業を始めたときは、始めた日から2か月以内に、所轄の税務署へ届出書を出すよう定めています。条文はe-Govの法人税法の第150条で確認できます。外部貸しを始める前に、管理会社や税理士と、いつ誰が届出をするのかを決めておきます。
収入と費用を分けて記録する
収益事業を行う場合は、収益事業の収入と費用を、ふだんの管理の仕事の収入と費用と分けて記録する必要があります。国税庁の文書回答事例では、ケース2の場合、外部の募集にかかった費用はそのまま外部貸しの費用とし、清掃や点検など住民と外部の両方に共通する費用は、台数や使用期間などの合理的な基準で分けるという考え方が示されています。毎年の決算で迷わないよう、分け方の基準を最初に決めて記録に残しておきます。
税金は法人税だけではない
外部貸しの収入にかかる税金は、法人税だけとは限りません。地方の法人住民税や事業税がかかることもあり、収入の規模によっては消費税の扱いも確かめる必要があります。どの税金がどのくらいかかるかは、収入の額や自治体によって変わるので、税務署と都道府県・市区町村の税の窓口、または税理士に確認してから試算に入れます。
申告の手間を誰が担うか
税金の申告は毎年行う必要があります。理事は1年から2年で交代することが多いため、引き継ぎがうまくいかないと申告が漏れることがあります。管理会社に申告の補助を頼めるか、税理士と顧問の契約を結ぶかを決め、その費用も収支の試算に入れておきます。
管理規約と総会で決めること
外部貸しを始めるには、管理組合として正式に決める手続きが必要です。理事会だけで決めて始めると、あとで住民から反対が出たときに収拾がつかなくなります。
今の管理規約を読み直す
まず、自分たちのマンションの管理規約で、駐車場がどう定められているかを確かめます。マンション標準管理規約の第15条では、管理組合は特定の区分所有者に駐車場使用契約で駐車場を使わせることができる、と定めています。標準のままの規約だと、駐車場を使えるのは区分所有者が前提で、外部の人に貸すことは書かれていません。国土交通省は、この条文のコメントで、修繕積立金の不足への対策などの観点から、組合員以外の人に使用料を取って使わせることも考えられるとしています。
規約の変更が要るかどうか
外部の人に駐車場を貸すには、規約に外部貸しの根拠となる条文を加えることが一般的です。マンション標準管理規約(令和7年10月17日の最終改正)では、規約の制定、変更または廃止は、組合員総数の過半数で議決権総数の過半数を持つ組合員が出席したうえで、出席した組合員とその議決権の各4分の3以上で決めることになっています。実際に必要な賛成の数は、自分たちのマンションの規約と法律の決まりで決まるので、管理会社やマンション管理士に確かめます。
使用細則は総会の決議で決める
外部の使用者の募集の方法、使用料、使用期間、明け渡しの条件などの細かい決まりは、「駐車場使用細則」にまとめるのが一般的です。標準管理規約では、規約や使用細則の制定や変更、使用料の額は総会の決議を経なければならない事項とされています。使用細則に区分所有者を優先する条件をはっきり書いておくことが、先に説明したケース2の扱いを受けるための土台になります。
住民の合意を作る進め方
総会でいきなり提案すると、反対が多くて否決されることがあります。次のような順番で進めると、合意を作りやすくなります。
- 理事会で、空き区画の数と駐車場の収支の現状を資料にまとめる
- 住民向けの説明会やアンケートで、外部貸しへの賛否と不安な点を集める
- 出た不安(防犯、税金、住民が使えなくなる心配)への対策を案にまとめる
- 規約の変更案と使用細則の案を作り、総会の議案として出す
- 総会で決まったら、始める時期と募集の方法を住民に知らせる
議案や説明の資料は、専門用語をできるだけ使わず、住民が判断しやすい形にします。文書の書き方に自信がない理事は、ビジネス文書検定の範囲になっている文書の形式や敬語の使い方を参考にすると、読みやすいお知らせを作りやすくなります。
区分所有者が自分の区画を貸すこととの違い
外部貸しの話をすると、「自分が借りている区画を、知り合いに又貸ししてもよいか」と聞かれることがあります。マンションの駐車場は、多くの場合、区分所有者の共有の敷地であり、個々の住民は管理組合と契約して区画を使わせてもらっている立場です。そのため、住民が自分の判断で外部の人に区画を又貸しすることは、規約や使用細則で認められていない限りできないと考えておきます。外部貸しは、あくまで管理組合が主体になって行うものです。
管理会社との分担を決める
管理会社に管理を委託しているマンションでは、外部貸しの仕事のうち、どこまでを管理会社に頼めるかを確かめます。使用者の募集、契約書の作成、使用料の収納、滞納の督促、税金の申告の補助など、仕事ごとに対応できるかどうかと、追加の委託費がかかるかどうかを聞いておきます。管理会社が対応しない仕事は理事会が担うことになるので、理事の負担がどのくらいになるかも試算に入れます。
使用細則と契約書に入れておきたい項目
外部の使用者とのトラブルを防ぐには、使用細則と契約書に、守ってほしいことを具体的に書いておくことが大切です。
区分所有者を優先する条件
外部貸しでいちばん大切なのは、住民が使いたくなったときにどうするかです。国税庁の文書回答事例のケース2では、住民の使用希望が無い場合にだけ外部に貸し、住民から希望があったときは一定の期間以内に外部の使用者が明け渡す条件が示されています。使用期間を1年とし、期間が終わるときに住民の希望があれば更新しない、という条件も例として挙げられています。契約書には、明け渡しを求めるときの通知の方法と期間を書いておきます。
契約書に入れる項目
マンション標準管理規約のコメントでは、駐車場使用契約書のひな型として、使用料を前の月の決まった日までに納めること、使用細則を守ること、駐車する車の所有者や車両番号、車種をあらかじめ届け出ることなどが挙げられています。外部の使用者との契約では、これに加えて次の項目を決めておきます。
- 使用料の額と支払いの方法、支払いが遅れたときの扱い
- 使用期間と更新の条件、明け渡しを求めるときの通知の期間
- 駐車できる車の大きさと重さ(機械式の場合は特に大切)
- 敷地内の通路の使い方と、出入りできる時間帯
- 事故や車の損傷があったときの責任の分け方
- 契約を解除できる場合(使用料の滞納、規則違反など)
車の保管の責任
標準管理規約のコメントでは、車両の保管責任を管理組合が負わないことを、駐車場使用契約や使用細則に書いておくことが望ましいとされています。外部の使用者は住民ではないので、車が傷ついたり盗まれたりしたときの責任の所在を、最初にはっきりさせておく必要があります。
防犯と保険で備えること
外部貸しに反対する住民の多くは、知らない人がマンションに出入りすることを不安に感じています。その不安に具体的な対策で答えることが、合意を作る近道です。
出入りの範囲を限る
外部の使用者が出入りできる範囲を、駐車場とそこから道路までの通路だけに限ります。建物の入口や共用の廊下には入れないようにし、駐車場の出入口から直接外に出られる区画を外部貸しに回すと、住民の生活の場と重なりにくくなります。区画の位置を選ぶことも、立派な防犯の対策です。
使用者を確かめる
外部の使用者と契約するときは、氏名や住所、連絡先に加えて、車検証の写しなどで車の所有者を確かめます。法人に貸す場合は、会社の名前と担当者の連絡先を確かめます。契約の前に面談をする管理組合もあります。
保険の内容を見直す
外部の人が敷地を使うようになると、敷地内での事故に関わる人も増えます。管理組合が入っている保険で、外部の使用者が関わる事故が補償の対象になるかを、保険会社や代理店に確かめます。必要であれば、補償の範囲を見直します。外部の使用者にも、自分の自動車保険に入っていることを契約の条件にしておきます。
住民への周知
外部貸しを始めるときは、外部の使用者が使う区画の場所と、出入りの時間帯を住民に知らせておきます。見慣れない車が止まっていても、契約した車だと分かっていれば、住民の不安は小さくなります。掲示板に区画の図を貼り出し、問い合わせの窓口を書いておくと、気になることがあったときに住民が理事会や管理会社へ連絡しやすくなります。
防犯カメラと掲示
駐車場に防犯カメラを設置したり、「契約車両以外の駐車を禁止します」という掲示を出したりすることも、外部貸しを始めるときによく行われる対策です。防犯カメラの映像の扱いには、住民のプライバシーへの配慮も必要なので、映像を見られる人と保存期間を決めておきます。
外部の使用者の使用料の決め方
外部貸しの使用料をいくらにするかは、収入の見込みだけでなく、住民の納得にも関わります。決め方の手順と、気をつけたい点を説明します。
近くの駐車場の相場を調べる
まず、マンションから歩いて数分の範囲にある月極の駐車場の使用料を調べます。不動産会社の駐車場の募集の情報や、駐車場の募集サイトで、同じくらいの大きさの区画の使用料を10件ほど書き出します。屋根の有無、平置きか機械式か、駅からの距離によって使用料は違うので、条件の近いものを選んで比べます。マンション標準管理規約のコメントでも、駐車場の使用料は近くの同じ種類の駐車場の料金との釣り合いを考えることが示されています。
住民と外部で料金を変えるか
外部の使用者の使用料を、住民と同じにするか、高めに設定するかも決めておきます。外部の使用者は住民と違って管理費や修繕積立金を払っていないので、住民より高めにしてもよいという考え方があります。一方で、近くの駐車場より高いと借り手が見つからないこともあります。住民と外部で条件を分けることは、区分所有者を優先する姿勢を示すことにもつながります。
敷金や保証金を取るか
使用料の滞納や、明け渡しのときの原状回復の費用に備えて、使用料の1か月分から2か月分ほどの保証金を預かる管理組合もあります。保証金を預かる場合は、返すときの条件と時期を契約書に書いておきます。
使用料の受け取り方
外部の使用者からの使用料は、口座振替や振込で受け取るのが一般的です。現金で受け取ると、理事の負担が増え、記録の漏れや紛失の原因になります。管理会社に収納を頼めるかも確かめておきます。
外部貸しを始める手順
ここまでの内容を、外部貸しを始めるまでの手順として整理します。
手順1:現状の把握
空き区画の数、駐車場の収支、機械式の場合は装置の点検費用と今後の入れ替えの見込みを調べます。近くの月極の駐車場の使用料の相場も調べ、外部に貸した場合にどのくらいの収入が見込めるかを試算します。
手順2:方針の決定と住民への説明
理事会で外部貸しの方針の案を作り、説明会やアンケートで住民の意見を集めます。不安の声が多い点には、防犯や優先の条件などで具体的な対策を示します。
手順3:規約と使用細則の整備
規約の変更案と使用細則の案を作ります。区分所有者を優先する条件、外部の使用者の募集の方法、使用料、契約の期間、明け渡しの条件を盛り込みます。管理会社やマンション管理士、税理士に案を見てもらい、税金の扱いに影響する条件が漏れていないかを確かめます。
手順4:総会の決議
総会で規約の変更と使用細則の制定を決議します。決議に必要な賛成の数を、規約と法律で確かめておきます。
手順5:税金の手続きと募集
収益事業に当たる場合は、税務署への届出の準備をします。募集は、マンションの掲示板や近くの不動産会社、駐車場の募集サイトなどを使います。契約が決まったら、使用者の情報と契約書を管理組合で保管し、使用料の入金を毎月確かめます。
手順6:定期的な見直し
外部貸しを始めたあとも、1年ごとに収支と住民の使用希望の状況を見直します。住民の使用希望が増えたら外部貸しの区画を減らし、空き区画が増えたら募集を広げるなど、状況に合わせて調整します。
外部貸しで起きやすいトラブルと対応
外部貸しを始めたマンションでは、いくつかのトラブルが繰り返し起きています。事前に知っておけば、規約や契約書で備えられます。
使用料の滞納
外部の使用者が使用料を払わなくなるトラブルです。住民であれば管理費と一緒に督促できますが、外部の使用者は連絡が取りにくくなることがあります。契約書に、何か月滞納したら契約を解除できるかを書いておき、滞納が始まったら早めに書面で督促します。保証金を預かっていれば、滞納分に充てることができます。
契約者以外の車の駐車
外部の使用者が、契約した車とは別の車を止めたり、知人に区画を又貸ししたりすることがあります。契約書で又貸しを禁止し、駐車する車を変えるときは事前に届け出ることを条件にしておきます。標準管理規約の第15条でも、区分所有者が住戸を貸したときなどには駐車場使用契約が効力を失うと定めており、使用の権利を勝手に他人に移せないという考え方がとられています。
騒音とマナーの苦情
早朝や深夜の車の出入り、エンジンをかけたままの停車、敷地内での喫煙などに、住民から苦情が出ることがあります。使用細則に、出入りできる時間帯や守ってほしいマナーを書き、契約のときに外部の使用者へ説明しておきます。苦情が続く場合に契約を解除できる条件も決めておきます。
機械式駐車場の操作の事故
機械式駐車場は、操作を誤ると車の損傷や人のけがにつながります。外部の使用者には、契約のときに操作の方法を説明し、操作の手順を書いた紙を渡します。駐車できる車の大きさと重さの制限を必ず確かめ、制限を超える車は契約しないようにします。
外部貸し以外の選択肢
外部貸しは、空き区画を活用する方法の1つにすぎません。マンションの状況によっては、ほかの方法のほうが合うこともあります。
使用料の見直し
近くの駐車場より使用料が高いと、住民が外の駐車場を借りてしまうことがあります。マンション標準管理規約のコメントでも、区画の位置や平置きか機械式かなどの違いに応じて、柔軟な料金を設定することが考えられるとされています。使いにくい区画の使用料を下げて、住民の利用を取り戻す方法もあります。
駐車場の一括貸し
駐車場の運営会社に、空き区画をまとめて貸す方法もあります。運営会社が募集や契約、使用料の受け取りを行い、管理組合は決まった額を受け取ります。管理組合の手間は減りますが、受け取る額は自分たちで貸す場合より少なくなることが多いです。税金の扱いや、住民が使いたくなったときに区画を戻してもらえるかを、契約の前に必ず確かめます。
住民同士の区画の入れ替え
空き区画が使いにくい場所に偏っている場合は、住民同士の区画の入れ替えを行うことで、使いやすい区画に住民を集め、外部貸しに回す区画を出入口の近くにまとめる方法もあります。標準管理規約のコメントでも、駐車場の使用期間を設けて区画を入れ替える考え方が紹介されています。
区画を減らす、用途を変える
機械式駐車場の空き区画が多い場合は、装置の一部を撤去して平置きにしたり、駐輪場や物置など別の用途に変えたりする方法もあります。装置の撤去には費用がかかりますが、長い目で見ると点検や入れ替えの費用を減らせることがあります。共用部分の形を変える工事になるので、総会での決議が必要です。
来客用やカーシェアに使う
空き区画を住民の来客用の駐車場にしたり、カーシェアの事業者に貸して住民が使えるカーシェアを置いたりする方法もあります。住民の暮らしの便利さが上がる使い方なので、外部貸しより住民の合意を得やすいことがあります。
理事会の運営で気をつけること
外部貸しは、一度始めると何年も続く取り組みです。理事が交代しても続けられるよう、運営の決まりを整えておきます。
記録を残す
外部貸しを決めた経緯、総会の議事録、使用者との契約書、使用料の入金の記録、税金の申告の書類を、決まった場所に保管します。紙で保管する場合も、データで保管する場合も、どこに何があるかの一覧を作っておくと、次の理事への引き継ぎがしやすくなります。
理事が交代するときの引き継ぎ
理事が交代する時期には、外部貸しに関わる仕事を一覧にして引き継ぎます。使用者ごとの契約の期間と更新の時期、使用料の入金の確認の方法、毎年の税金の申告の時期と担当、苦情が出たときの対応の流れを書き出しておくと、新しい理事が迷わずに続けられます。引き継ぎの資料は、次の理事にもそのまま渡せるよう、毎年少しずつ直しながら使います。
住民への報告
外部貸しの収入と費用、税金の額、トラブルの有無を、毎年の総会で住民に報告します。収入がどれだけ修繕積立金の助けになっているかを示すと、外部貸しへの理解が深まります。
運営者の視点で見た管理組合の取り組み
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた立場から見ると、マンションの管理組合の運営でも、資料作りや会計の記録の整理を、理事だけで抱えずに外部の専門の人に頼む例が増えています。総会の議案書の作成や、外部貸しの収支の表の作成などは、文書や会計に慣れた人に依頼すると、理事の負担が軽くなり、住民にとっても分かりやすい資料になります。
依頼する側と受ける側が直接やり取りできる形なら、同じ予算でも受ける側の手元に残る額が厚くなります。手数料0%で直接取引できる形は、限られた管理費の中で外部の力を借りたい管理組合にとっても、引き受ける人にとっても、負担の少ない頼み方です。
マンションの駐車場の外部貸しは、空き区画の収入を取り戻す有力な方法ですが、貸し方によって税金の扱いが大きく変わります。区分所有者を優先する条件を規約と使用細則、契約書にはっきり書き、総会で正式に決め、税金の手続きを専門の人と確かめてから始めることが大切です。住民の不安に具体的な対策で答え、毎年の見直しを続ければ、外部貸しはマンションの将来の修繕を支える仕組みになります。お知らせや議案の文書を整えるときは、ビジネス文書検定で扱う文書の形式も参考になります。
よくある質問
Q. マンションの駐車場を外部に貸すと必ず税金がかかりますか?
貸し方によって変わります。国税庁の文書回答事例では、区分所有者を優先せずに広く貸す場合は駐車場の収入全体が収益事業、区分所有者を優先する条件を付けた場合は外部貸しの分だけが収益事業、短期間だけ申し出に応じた場合は収益事業に当たらない、という3つの型が示されています。自分たちの条件でどうなるかは税務署や税理士に確認します。
Q. 外部貸しを始めるには総会の決議が必要ですか?
必要になるのが一般的です。外部貸しの根拠を規約に加える場合は規約の変更になり、マンション標準管理規約では出席した組合員とその議決権の各4分の3以上の賛成が必要とされています。使用細則の制定や使用料の額も総会の決議事項です。実際の要件は自分たちの規約で確かめます。
Q. 外部の使用者に貸している区画を住民が使いたくなったらどうなりますか?
契約書と使用細則で決めた条件によります。国税庁の文書回答事例では、住民から希望があったときに外部の使用者が一定の期間以内に明け渡す条件の例が示されています。明け渡しを求めるときの通知の方法と期間を契約書にはっきり書いておくことが、トラブルを防ぐうえでも、税金の扱いのうえでも大切です。
Q. 外部貸しの税金の申告は誰が行うのですか?
管理組合として税務署に届出と申告を行います。法人税法では、収益事業を始めた日から2か月以内に届出書を出すよう定めています。理事は交代が多く引き継ぎで漏れやすいため、管理会社に補助を頼むか、税理士と契約するかを始める前に決め、その費用も収支の試算に入れておきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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