会社に隠さずLINEスタンプを売る、就業規則と確定申告の線引き


この記事のポイント
- ✓アイコン・LINEスタンプ制作を本業と両立させたい人向けに
- ✓就業規則の副業規定と確定申告の関係を整理
- ✓会社に隠さず両立するための具体的なチェックポイントを解説します
会社員として働きながら、休日や仕事終わりの時間でアイコン制作やLINEスタンプ制作を続けたい。そう考えたとき最初に立ちはだかるのが「会社にバレないだろうか」という不安と、「確定申告はどうすればいいのか」という手続き面の疑問です。結論から言うと、この2つは切り分けて考える必要があります。就業規則の副業規定は会社ごとのルール、確定申告は所得がある人全員に関わる国のルールです。この記事では、アパレル業界のEC運営支援を通じて業務委託の現場を見てきた立場から、両立のための現実的な線引きを整理していきます。
本業と両立できる副業として注目される背景
イラストやデザインのスキルを活かした副業は、パソコン1台、あるいはスマホ1台からでも始められる手軽さから、会社員の副業先として選ばれることが増えています。特にアイコン制作やLINEスタンプ制作は、作業の多くを空き時間に細切れで進められるため、本業のスケジュールを崩さずに続けやすいという特徴があります。
一方で、副業を検討する会社員の多くが最初に気にするのが、勤務先の就業規則との兼ね合いです。副業を明確に禁止している企業もあれば、届出制で許可している企業、まったく規定がない企業まで様々です。加えて、副業で一定額以上の所得が発生した場合は確定申告の義務が生じます。この「会社のルール」と「税務上のルール」を混同してしまうと、不要な不安を抱えたまま副業に踏み出せなかったり、逆に必要な手続きを怠ってしまったりするケースが少なくありません。
厚生労働省は近年、働き方改革の一環として、副業・兼業を推進するモデル就業規則の改定を行っており、副業を前提とした働き方が社会的にも徐々に受け入れられる方向に進んでいます。この流れの背景には、労働人口の減少や、個人が複数のスキルを掛け合わせて収入源を分散させる働き方への社会的な関心の高まりがあります。企業側にとっても、社員が社外での経験を通じて得たスキルや人脈が、結果的に本業にも良い影響を与えるという考え方が広がりつつあります。
つい先日、年末の挨拶をしていて小学校時代からの友達にLINEを送ったところ、「画像生成AIを試しに始めてみたんだけど、うまくできるようになったらLINEスタンプ作ってみようかな」という話が聞けました。 出典: note.com
このように、創作活動の延長として副業に関心を持つ人は幅広い年齢層に広がっています。だからこそ、正しい知識を持って本業との両立を図ることが、長く続けるための土台になります。
就業規則の副業規定をどう確認するか
副業禁止・許可制・自由の3パターン
会社の就業規則における副業の扱いは、大きく分けて3パターンあります。1つ目は副業を明確に禁止しているケース、2つ目は事前の届出や許可を条件に認めているケース、3つ目は特に規定がなく事実上自由なケースです。
まず自分の勤務先がどのパターンに該当するかを、就業規則の該当条文で確認することが最初のステップです。多くの企業では就業規則を社内ポータルや人事部への申請で閲覧できるようになっています。就業規則が電子化されていない古い体制の会社では、条文の存在自体を人事担当者に直接尋ねなければ分からないこともあります。恥ずかしがらずに確認する姿勢が、結果的にトラブルを未然に防ぎます。副業を検討する段階で確認せずに始めてしまい、後から規定の存在を知って慌てるという相談は、私自身がEC運営支援の仕事を通じて他のフリーランス仲間から聞くことがあります。
副業でファッション系のSNSコンサルを始めた当初、私自身も「本業に支障が出なければ問題ないだろう」と自己判断で進めてしまい、後から会社の副業届出のルールを知って慌てて申請した経験があります。結果的に大きな問題にはなりませんでしたが、最初に確認しておけば余計な不安を抱えずに済んだと今でも思います。
届出制の場合に準備すること
届出制を採用している企業では、副業の内容や見込み収入、作業時間の目安などを申請書に記載する必要があることが一般的です。アイコン制作やLINEスタンプ制作の場合、「創作活動としての個人販売」であることを明確に伝えると、会社側も許可の判断がしやすくなります。特に、本業の競合にあたる事業でないこと、本業の勤務時間中に作業を行わないことを明示しておくと、審査がスムーズに進みやすい傾向があります。
副業禁止規定がある場合の考え方
副業を明確に禁止している企業に勤めている場合、無許可での副業はルール違反となるリスクがあります。ただし、近年は副業解禁の流れを受けて、就業規則の改定を検討している企業も増えています。まずは人事部に相談し、規定の背景や今後の改定予定を確認してみることをお勧めします。会社の規定を無視して進めるのではなく、正面から確認する姿勢が、結果的に自分自身を守ることにつながります。
確定申告が必要になるライン
給与所得者の副業所得のルール
会社員が副業で得た所得については、年間の所得(収入から経費を差し引いた金額)が一定額を超えると確定申告が必要になります。具体的な金額の基準や申告方法については、国の制度に基づくものであり、個々の状況によって扱いが変わる部分もあるため、正確な基準は国税庁の公式情報や税務署への確認を通じて把握することをお勧めします。
※本記事の税務に関する記載は一般的な考え方の説明であり、個別の申告要否や税額の判断は、必ず税務署または税理士にご確認ください。
副業所得が発生した場合、確定申告を行うことで、制作に必要な画材代やアプリの課金、通信費の一部などを必要経費として計上できる場合があります。何が経費として認められるかは個別の状況によって異なるため、これも税務署や税理士に確認しながら進めるのが確実です。
就業規則と確定申告は別物という理解
ここで整理しておきたいのが、「会社に副業を届け出ているかどうか」と「確定申告が必要かどうか」はまったく別の話だという点です。就業規則違反は会社との労働契約上の問題であり、確定申告義務は国の税制上の問題です。会社に副業を届け出ていないからといって確定申告をしなくてよいわけではなく、逆に確定申告をしたからといって会社の副業規定違反が免除されるわけでもありません。この2つを混同したまま「バレなければ大丈夫」という考え方で進めてしまうと、後々どちらの面でもトラブルになりかねません。
会社に副業を知られたくない人が誤解しやすいポイント
副業を会社に知られたくないという心理から、「住民税の申告方法を工夫すれば会社にバレない」という情報を目にすることがあります。ここで大切なのは、正直に申告する前提のうえで、制度上どのような選択肢があるかを正しく理解することです。
住民税は、通常は給与から天引きされる特別徴収という形が取られますが、副業分の住民税額について、確定申告書の中で普通徴収(自分で納付する方法)を選択できる制度があります。これにより、副業分の住民税の通知が会社の給与担当に届かない形にできる可能性がありますが、この扱いは自治体によって運用が異なる場合があるため、必ず居住する自治体の窓口で確認することが必要です。
実際に自分の作ったスタンプを使ってくださっている方を発見した時はとても嬉しいです。スタンプを通してオリジナルキャラクターを知っていただく機会も多いので、スタンプを作っていて良かったと思います。 出典: creator.line.me
重要なのは、この手続きは「税金を隠す」ためのものではなく、「正しく納税したうえで、通知方法を選ぶ」ための制度だという点です。「バレない方法」として紹介されることもありますが、本質は納税義務を正しく果たすことが前提にある仕組みです。申告そのものを怠ったり、所得を過少に申告したりすることは脱税にあたり、後から追徴課税を受けるリスクがあります。正直に申告する進め方を徹底することが、結果的に自分を守ることにつながります。
副業の届出書に何を書けばよいか
届出制の会社で副業申請をする際、具体的にどのような内容を記載すればよいか分からず、申請自体を後回しにしてしまう人が少なくありません。一般的な副業届出書では、副業の内容、想定される作業時間、副業先の名称(個人の場合は「個人でのクリエイター活動」など)、副業による収入の見込みを記載する項目が設けられていることが多いです。
アイコン制作やLINEスタンプ制作の場合、「創作活動としての個人販売」「業務委託ベースでのデザイン制作」といった表現で、本業の職種や部署と関連性がないことを明記すると、審査担当者にとっても判断しやすくなります。特に、情報の取り扱いに関わる本業(企画職やマーケティング職など)に就いている場合は、副業先の情報を本業の業務で得た知見に基づいて使用しないという一文を添えておくと、会社側の懸念を先回りして解消できます。
また、想定される作業時間について、「平日の勤務時間外、週あたり5時間程度」のように具体的に書いておくと、会社側も本業への影響度を判断しやすくなります。曖昧な書き方よりも、具体的な時間の見積もりを示す方が、許可が下りやすい傾向にあります。
副業がバレる典型的なパターンと対策
副業を会社に隠したまま進めている人が、結果的に発覚してしまう典型的なパターンにはいくつかの共通点があります。1つ目は、前述した住民税の通知による発覚です。特別徴収のまま普通徴収への切り替えを忘れると、会社の給与担当者が受け取る住民税決定通知書に、本来の給与所得だけでは説明できない税額が記載され、そこから発覚するケースがあります。
2つ目は、SNSやポートフォリオサイトからの発覚です。副業の作品を公開する際に、本名や勤務先が推測できる情報を一緒に発信してしまうと、同僚や取引先の目に触れて発覚することがあります。創作活動用のアカウントは本業とは別のアカウント名で運用し、個人が特定されるような情報(勤務先、居住エリアの詳細など)は公開しないという基本的な配慮が必要です。
3つ目は、口コミや紹介による発覚です。アイコン制作を依頼した知人が、別の知人に「〇〇さん(本業の同僚)が副業でアイコン作っているらしいよ」と話してしまうケースです。これは本人がコントロールしにくい部分ですが、受注時に「知人経由の紹介であっても、本業の関係者には広めないでほしい」と一言添えておくことで、リスクをある程度減らすことができます。
ただし、これらの対策はあくまで「隠すための小手先の工夫」ではなく、就業規則を確認し、必要であれば正式に届け出るという前提のうえで検討すべきものです。隠し通すこと自体を目的にするのではなく、会社との信頼関係を保ちながら副業を続ける姿勢が、長期的には最も安全な選択だと私は考えています。
本業と両立するための時間管理の考え方
本業のパフォーマンスを落とさない前提を守る
副業を続けるうえで最も重要なのは、本業のパフォーマンスに支障が出ないようにすることです。就業規則で副業が許可されている場合でも、本業の業務時間中に副業の作業を行うことは契約違反にあたります。アイコン制作やLINEスタンプ制作は自宅や通勤時間など、本業の勤務時間外に完結できる作業が多いため、時間の切り分けがしやすい副業だといえます。
具体的には、平日の夜1〜2時間、休日にまとめて作業する、といったスケジュールを組んでいる人が多い印象です。私自身、アパレルブランドのEC運営支援を独立前は本業と並行して進めていた時期があり、平日は本業後の1時間、休日は午前中の数時間を作業時間に充てるという形で進めていました。無理に毎日進めようとするとかえって本業に響くため、週単位で作業量を調整する方が長続きしやすいと感じています。
依頼を受注する際のスケジュール管理
LINEスタンプの個人販売と異なり、アイコン制作の個別受注では納期の約束が発生します。本業のスケジュールと副業の納期が重なると、どちらも中途半端になってしまうリスクがあるため、依頼を受ける際は余裕を持った納期設定を心がけることが大切です。特に繁忙期が読める本業に就いている場合は、その時期の受注を控える、あるいは納期を通常より長めに設定しておくといった調整が有効です。
副業がキャリアや社会保険に与える影響
社会保険の扶養に入っている場合の注意点
配偶者の社会保険の扶養に入っている状態でアイコン制作やLINEスタンプ制作を副業として行う場合、所得が一定額を超えると扶養から外れる可能性があります。扶養の判定基準は加入している健康保険組合や年金制度によって異なるため、一律の金額で語ることはできません。扶養に入っている状態で副業所得が増えてきた場合は、日本年金機構や加入先の健康保険組合に、扶養の継続可否を確認しておくことをお勧めします。
※本記事における扶養や社会保険に関する記載は一般的な考え方の説明です。個別の判定は、加入している健康保険組合や年金事務所にご確認ください。
本業の人事評価への影響を心配する声について
副業を届け出ることで、本業の人事評価に悪影響が出るのではないかと心配する声もよく聞きます。実際のところ、副業の有無が直接評価に反映されるかどうかは会社の方針次第ですが、届出制を採用している企業の多くは、副業自体をネガティブに評価する運用にはなっていません。むしろ、本業のパフォーマンスが維持できているかどうかが評価の軸になることが一般的です。心配な場合は、上司や人事に率直に相談し、会社としての運用方針を確認しておくと不安が解消しやすくなります。
メリットとデメリット:本業と両立する副業としての実態
メリット
アイコン制作やLINEスタンプ制作は、初期投資が比較的少なく、本業の収入を確保したまま挑戦できる点が大きなメリットです。創作活動そのものが好きな人にとっては、収入以上に「自分の作品が誰かに使われる」という手応えを得られることも、続けるモチベーションになります。また、業務委託ベースのアイコン制作の経験を積むことで、将来的に独立を視野に入れる際のポートフォリオにもなります。
本業だけでは得られない業種の依頼者と接点を持てることも、見落とされがちなメリットです。私自身、本業とは異なる分野の依頼者とやり取りする中で、業界を横断した視点を得られたことが、その後のキャリアの選択肢を広げるきっかけになりました。副業は単なる収入源としてだけでなく、本業では得られない経験を積む場として機能することがあります。
デメリット
一方で、本業との両立には時間的な制約が伴います。本業が忙しい時期に副業の依頼が重なると、睡眠時間を削って対応せざるを得ない状況に陥ることもあります。また、確定申告や就業規則の確認といった事務的な手続きが増えることも、負担に感じる人がいるかもしれません。さらに、LINEスタンプの個人販売は必ずしも安定した収入につながるとは限らず、収入を目的とするなら過度な期待は禁物です。
体力面での負担も見落とせません。本業で1日の大半のエネルギーを使い切ったあとに、創作活動のための集中力を確保するのは想像以上に大変です。無理を重ねて体調を崩してしまえば、本業にも副業にも悪影響が及びます。両立を検討する段階で、自分の生活リズムの中に無理なく作業時間を確保できるかを、一度冷静に見積もっておくことをお勧めします。
ツールとコツ:両立を続けるための工夫
制作ツールについては、スマホアプリとPCソフトを使い分けている人が多く、外出先や隙間時間はスマホで下絵を進め、まとまった時間が取れる休日にPCで仕上げるという二段構えの進め方が効率的です。また、依頼者とのやり取りは記録が残るチャットツールやメールで行い、口頭でのやり取りは避けることも、トラブル防止の観点から重要なコツです。
継続のコツとしては、無理に毎週新作を出そうとせず、月に1〜2作品のペースを目安にすることです。本業を優先しつつ副業を長く続けている人の多くは、こうした無理のないペース配分を意識しています。
さらに、記帳や収支の管理を早い段階から習慣化しておくことも、両立を続けるうえでの重要なコツです。確定申告の時期になって慌てて1年分の領収書を整理するのではなく、月次で収入と経費を記録しておくことで、申告作業の負担が大幅に減ります。会計ソフトやスマホの家計簿アプリの中には、フリーランス・副業向けの機能を備えたものも増えており、こうしたツールを早めに導入しておくと、本業で忙しい時期でも記帳の負担を最小限に抑えられます。
依頼者との関係構築という観点では、単発の依頼で終わらせず、継続的に依頼してもらえる関係を築くことも本業と両立するうえで実は効率的です。新規の依頼者を毎回開拓するには、やり取りの初期段階で時間がかかりますが、既存の依頼者からのリピート発注であれば、条件のすり合わせにかかる時間を大幅に短縮できます。本業で使える時間が限られているからこそ、1件1件の対応を丁寧に行い、信頼関係を積み重ねていくことが、結果的に時間の節約にもつながります。
独自データから見える本業と副業の両立の実像
長くフリーランス・在宅ワーク市場を見てきた立場から言えば、本業と副業を両立させている人ほど、収入の多寡以上に「無理のない範囲で続けられるか」を重視している傾向があります。副業を始めたばかりの時期は意気込んで作業時間を増やしがちですが、本業への影響が出始めると結局は続かなくなってしまいます。
運営者として見てきた限りでは、長く両立を続けている制作者ほど、依頼を選ぶ段階で「この納期は本業と両立できるか」を冷静に判断しています。すべての依頼を受けるのではなく、時には断る勇気を持つことが、結果的に本業にも副業にも良い影響を与えているケースをよく見ます。
また、額面の報酬だけでなく、手取りの厚さも意識しておきたいポイントです。仲介手数料が高い経路で受注すると、同じ報酬額でも手取りは目減りします。中間マージンが乗らない直接取引であれば、依頼する側は同じ予算でより多く依頼でき、受け手は手取りが厚くなるという、双方にとって得のある構造が生まれます。手数料0%を掲げるプラットフォームが増えているのは、こうした構造上のメリットが背景にあるといえるでしょう。限られた時間の中で副業を続ける会社員にとって、この手取りの厚さの差は、時間対効果を考えるうえで無視できない要素です。
作例が固まってきたら、キャラクター・アイコン・LINEスタンプのお仕事のようなガイドを参照しながら、本業と両立しやすい単発案件から受注を始めてみるのも一つの方法です。単価の目安を知っておくことで、無理のないペースでの受注計画が立てやすくなります。
また、業務委託の取引条件を整理する際には、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストのような記事も参考になります。発注書や契約書に何を明記しておくべきかを知っておくことで、本業と両立する限られた時間の中でも、トラブル対応に時間を取られずに済みます。確定申告の実務については、税理士の副業ガイド|確定申告代行・記帳代行で稼ぐ方法【2026年版】のような記事で、専門家への相談方法や記帳代行の活用イメージをつかんでおくと安心です。
会社に隠さず両立するために今できること
まずは自分の勤務先の就業規則を確認し、副業がどのように扱われているかを把握することから始めましょう。届出制であれば正式に申請し、規定が曖昧であれば人事部に相談してみることをお勧めします。会社に隠して進めるのではなく、正面から確認する姿勢が、結果的に自分自身を安心させ、長く両立を続けるための土台になります。
制作を始めてから慌てて確認するのではなく、副業を検討し始めた段階で一度これらのルールに目を通しておくと、その後の進め方に迷いがなくなります。特に会社員としての本業を大切にしたいと考えている人ほど、こうした事前確認を丁寧に行う傾向があります。時間をかけて確認したルールは、後々の判断の拠り所になり、副業を続けるうえでの精神的な安心材料にもなります。
確認すべき項目を整理すると、次の3点になります。1つ目は就業規則における副業の扱い(禁止・許可制・自由のいずれか)、2つ目は所得税・住民税の申告義務の有無、3つ目は社会保険の扶養や加入要件への影響です。これらは互いに独立したルールであるため、1つを確認すれば他も安心というわけではありません。副業を始める前に、この3点をそれぞれ個別に確認しておくことで、後から慌てて対応する事態を避けられます。
確定申告についても、所得が発生した時点で「バレるかバレないか」ではなく「正しく申告する」という前提で臨むことが大切です。住民税の徴収方法の選択肢はあくまで通知方法の違いであり、納税義務そのものを回避する手段ではないという理解を持っておいてください。
会社に隠さず両立するという姿勢は、一見すると遠回りに感じるかもしれません。しかし、就業規則を確認し、必要な届出を済ませ、税務上の手続きを正しく行っておけば、副業をやめる、増やす、内容を変えるといった将来の選択も自由に行えます。隠したまま進めていると、状況が変わるたびに「発覚のリスク」を気にしながら判断せざるを得なくなります。最初に正面から向き合っておくことが、長期的にはもっとも自由度の高い両立の形につながると私は考えています。
法律や制度は、正しく使えばあなたの創作活動を後押ししてくれる味方になります。本業を大切にしながら、無理のないペースでアイコン制作やLINEスタンプ制作を育てていってください。
最後に、両立を続けるうえで私が繰り返し伝えているのは、「隠す」ことにエネルギーを使うより「整える」ことにエネルギーを使った方が、結果的に長続きするということです。就業規則の確認、確定申告の準備、依頼者との条件確認。どれも地味な作業ですが、これらを最初にきちんと整えておくことで、創作活動そのものに集中できる時間が増えます。本業と副業、どちらも大切にしたいという気持ちがあるなら、まずは足元の制度を正しく理解するところから始めてみてください。
よくある質問
Q. 会社の就業規則で副業が禁止されている場合はどうすればよいですか?
まずは人事部に相談し、副業を禁止している背景や今後の改定予定を確認しましょう。近年は副業を許可制に切り替える企業も増えているため、正式に相談することで道が開けるケースがあります。
Q. 副業のLINEスタンプ収入はいくらから確定申告が必要ですか?
所得額によって申告の要否が変わり、個々の状況(給与所得の有無、他の副業所得との合算など)によっても扱いが異なります。正確な基準は国税庁の情報や税務署への確認を通じて把握してください。
Q. 住民税の徴収方法を選ぶと会社に副業がバレませんか?
確定申告書で住民税を普通徴収に選択すると、副業分の通知が会社に届かない形にできる場合がありますが、運用は自治体により異なります。これは納税を前提とした通知方法の選択であり、申告義務を回避する手段ではありません。
Q. 本業と両立しながらアイコン制作を続けるコツはありますか?
本業のスケジュールに合わせて無理のない納期設定をすること、依頼を選んで受けることが継続のコツです。すべての依頼を受けるのではなく、時には断る判断も両立には必要です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
丸山 桃子@SOHO編集部
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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