介護職の履歴書と職務経歴書|書く順番と、埋めにくい欄の扱い

中西 直美
中西 直美
介護職の履歴書と職務経歴書|書く順番と、埋めにくい欄の扱い

この記事のポイント

  • 介護職の履歴書と職務経歴書を
  • 書きやすい順番で仕上げるための手引きです
  • ブランクや短期離職といった埋めにくい欄の扱い方

「介護職の履歴書を書こうとして、志望動機の欄で手が止まってしまった」。このご相談は、本当に多いです。

書けないのは、あなたの経験が足りないからではありません。書く順番が違っているだけ、ということがほとんどです。履歴書は、埋めやすい欄から順に手をつけていくと、最後の志望動機が自然と書けるようになります。

この記事では、介護職の履歴書と職務経歴書を「書く順番」で整理します。ブランクがある、転職回数が多い、資格を取っている途中、そんな埋めにくい欄の扱いも、ひとつずつ見ていきます。大丈夫です。順番さえ分かれば、そこまで難しい書類ではありません。

介護の採用現場で、履歴書はどう読まれているのか

まず、書類が読まれる状況を知っておくと気持ちが落ち着きます。

介護の職場は、慢性的に人手が足りていない現場が多いです。厚生労働省が公表している介護分野の需給に関する資料でも、必要な人材数に対して確保が追いついていないことが繰り返し指摘されています。制度や統計の最新の数字は年度ごとに更新されますので、詳しくは厚生労働省の公表資料でご確認ください。

つまり、採用担当者は「落とすため」に履歴書を読んでいるわけではありません。多くの現場では、来てくれた人と一緒に働けるかどうかを確かめるために読んでいます。ここが、応募者が何十倍にもなる人気企業の選考とは決定的に違うところです。

では何を見ているか。私がキャリア相談の場で施設側の話を聞いていて共通しているのは、次の3点でした。

1つめは、続けて働けそうかどうか。介護は利用者との関係が仕事の質を左右しますから、短期間で入れ替わることを施設は避けたいと考えます。

2つめは、シフトや働き方の希望が現場と噛み合うかどうか。夜勤の可否、日曜の勤務、扶養の範囲内かどうか。ここが合っていないと、採用してもお互いに苦しくなります。

3つめは、丁寧に仕事をする人かどうか。これは書類の内容というより、書類そのものの状態で見られています。日付が空欄のまま、修正液で直した跡がある、写真が斜めに貼られている。介護は記録と申し送りの仕事でもありますから、書類の扱いがそのまま仕事ぶりの予告編として読まれてしまいます。

裏を返せば、この3点が伝わる書類にすればいいということです。文章のうまさで勝負する必要はありません。

履歴書と職務経歴書は、役割がまったく違う

ここを混同したまま書き始めると、必ず途中で行き詰まります。

履歴書は「あなたが誰か」を示す書類です。氏名、住所、学歴、職歴、資格。事実を規定の枠に収めて、正確に伝えるためのものです。書式が決まっているぶん、創意工夫の余地はほとんどありません。ここで個性を出そうとしなくて大丈夫です。

職務経歴書は「あなたが何をしてきたか」を示す書類です。どんな施設で、どんな利用者を、何人体制で、どのように支えてきたのか。書式は自由で、A4サイズで1枚から2枚にまとめるのが一般的です。

介護職の求人では、履歴書だけで応募できるところと、両方を求められるところがあります。求人票に「履歴書のみ」と書かれていても、経験者であれば職務経歴書を添えたほうが伝わります。経験の中身は、履歴書の職歴欄に入る1行では表現しきれないからです。

逆に、介護がまったくの未経験で、職歴も他業種のアルバイトだけという方であれば、無理に職務経歴書を作らなくてもかまいません。その場合は履歴書の自己PR欄を厚めに書くほうが、読み手にとって親切です。

書き方の全体像で迷ったときは、同じ対人援助職である看護の書類と見比べてみるのも役に立ちます。志望動機と自己PRの組み立て方を例文つきで整理した看護師の転職用履歴書の書き方|志望動機と自己PRの例文では、経験をどう言葉にするかの手順を解説しています。職種は違っても、現場の経験を書類に落とし込む考え方は共通しています。

書く順番|迷わない5ステップ

履歴書を上から順に埋めようとすると、氏名を書いた次にいきなり学歴が来て、そのあと志望動機が待ち構えています。この並びは、書く側にとってはかなり過酷です。

おすすめは、次の順番です。

第1に、資格と免許の欄。持っている資格を全部書き出します。ここは調べれば分かることなので、頭を使いません。手を動かすうちに、書類に向かう体勢ができます。

第2に、学歴と職歴の欄。卒業年や在籍期間を確認しながら埋めます。年月の確認に時間がかかることがあるので、早めに手をつけておくと後が楽です。

第3に、職務経歴書。どの施設で何をしてきたかを書き出します。ここで「自分は何ができるのか」の材料がそろいます。

第4に、履歴書の自己PR欄。職務経歴書で書き出した材料から、応募先に関係のあるものを選んで短くまとめます。ゼロから考えるのではなく、選ぶ作業になるので、格段に楽になります。

第5に、志望動機。最後です。ここまでの作業で、自分の経験と応募先の求人票を両方見ている状態になっていますから、その2つを結ぶ文が書けます。

志望動機を最初に書こうとして固まってしまう方が、私の相談ではいちばん多いです。順番を変えるだけで書けるようになった方を、何人も見てきました。書けないのは能力の問題ではなく、材料がまだ手元にそろっていないだけ、ということが多いのです。

基本情報欄でつまずかないために

地味な欄ですが、ここでの取りこぼしが意外と多いです。

日付は、投函する日か、持参するなら提出する日を書きます。書いた日ではありません。書いてから数日寝かせる場合は、空欄にしておいて最後に入れると安全です。ここが数週間前の日付だと、使い回しの書類だと受け取られることがあります。

氏名はふりがなの種類に注意してください。「ふりがな」と書かれていればひらがな、「フリガナ」ならカタカナです。細かい話ですが、こういうところを見ています。

証明写真は、縦4cm、横3cmが一般的です。スピード写真でも十分ですが、次の点だけ気をつけてください。

・背景は白か薄い青。柄物の壁の前で撮らない ・服装は襟のあるもの。介護職の応募でスーツでなければ落ちる、ということはありません ・髪が顔にかかっていないか。表情は口角を少し上げる程度で十分 ・3か月以内に撮ったものを使う

写真の裏に氏名を書いておくと、万一はがれたときに戻せます。のりは、スティックのりか写真用の両面テープが安全です。液体のりは紙が波打ちます。

現住所は都道府県から書きます。マンション名も省略しません。連絡先は、日中つながる番号を書いてください。介護施設からの連絡は、日勤帯の合間に入ることが多いです。留守番電話の設定と、聞き取りやすい応答メッセージにしてあるかも、あわせて確認しておくと安心です。

メールアドレスは、学生時代に作った遊びのあるアドレスをそのまま使っている方がいます。可能なら、氏名が分かる落ち着いたアドレスを用意しておきましょう。

学歴と職歴の欄|埋めにくいときの扱い

学歴は、一般的には高校から書きます。中学校卒業から書く形式もありますが、どちらでも構いません。大切なのは、途中で表記を混ぜないことです。「令和」と「2020年」が同じ書類の中に混在していると、読みにくくなります。どちらかにそろえてください。

職歴は、入社と退職を1行ずつ書きます。施設名は正式名称です。「〇〇苑」ではなく「社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇苑」のように書きます。同じ法人内で異動があった場合は、法人名の下に配属先の異動として書き足します。

ここからが、多くの方が手を止める部分です。

ブランクがある場合。介護の現場では、出産や育児、家族の介護、体調の回復のための離職は珍しくありません。空白期間があること自体は、大きな減点にはなりません。ただし、何も書かずに2年3年の空白があると、読み手は理由を推測するしかなくなります。推測に任せるより、一言添えるほうが安心してもらえます。「家族の介護に専念のため離職」「療養に専念、現在は問題なく勤務可能」といった短い書き方で十分です。詳しく説明する必要はありません。

短期で辞めた職歴がある場合。隠したくなる気持ちは分かりますが、社会保険の加入履歴が残っている職歴を省くと、入職後に説明が必要になります。書いたうえで、面接で聞かれたら短く事実を答える、という構えのほうが結果的に楽です。理由を長く語ると言い訳に聞こえますから、「業務内容と体力面が合わず、続けられないと判断しました。次は見学の段階で確認します」くらいの長さでまとめます。

転職回数が多い場合。介護業界では、職場の異動が比較的多い業界です。回数そのものより、そこで何を身につけたかが読まれます。職務経歴書のほうで、経験した施設形態の幅を強みとして整理し直してください。特別養護老人ホーム、グループホーム、訪問介護、デイサービスと経験していれば、それは「どの現場に配属しても立ち上がりが早い」という説明ができます。

職歴の最後の行には、現職中なら「現在に至る」、退職済みなら退職の行のあとに右詰めで「以上」を書きます。この一行が抜けている書類は、思いのほか多いです。

免許と資格の欄|介護の資格をどう並べるか

介護の資格は種類が多いので、並べ方に迷いやすい欄です。

基本は、取得した年月の古い順に書きます。国家資格と民間資格を分ける必要はありません。正式名称で書くことだけ守ってください。「ヘルパー2級」ではなく「訪問介護員養成研修2級課程」、「初任者研修」ではなく「介護職員初任者研修課程」と書きます。介護福祉士は「介護福祉士登録証」ではなく「介護福祉士」で構いません。

自動車運転免許は、訪問系の求人では実質的な応募条件になっていることがあります。持っているなら必ず書いてください。「普通自動車第一種運転免許」が正式名称です。AT限定であればその旨も添えます。

勉強中の資格は、書いてよいです。「介護福祉士実務者研修 受講中(2026年3月修了予定)」「介護福祉士国家試験 受験予定」のように、状況と時期を添えます。これは「続ける気がある人」であることの、いちばん静かな証明になります。

介護福祉士の受験資格には、実務経験のルートと養成施設のルートがあり、実務経験ルートでは従事期間と従事日数の両方に条件が設けられています。細かな要件や必要書類は年度によって案内が更新されますので、受験を考えている方は必ず公式の受験の手引きで確認してください。ここは記事の情報を鵜呑みにせず、ご自身で一次情報を見ていただきたい部分です。

資格が何もない場合、この欄は空欄にせず「特になし」と書きます。空欄のままだと、書き忘れなのか無いのかが読み手に伝わりません。

介護の職種の中には、無資格や未経験から始められる求人もあります。施設内での介護補助や生活支援員などがそれにあたります。一方で、訪問介護のヘルパーとして単独で訪問する仕事には、原則として研修の修了が求められます。どの仕事に何が必要かは職種と事業形態で変わりますので、求人票の応募資格欄と、都道府県や市区町村の担当窓口の案内をあわせて確認してください。

書類作成そのものに苦手意識がある方には、文書の基本ルールを体系的に学べる検定もあります。ビジネス文書検定は、社外文書の形式や敬語の使い分けを扱う資格で、介護記録や家族への連絡文を書く場面でも役に立ちます。履歴書のためだけに取る必要はありませんが、書くことへの抵抗感を減らしたい方には選択肢になります。

志望動機|応募先の求人票から書き出す

志望動機は、自分の中を探しても出てきません。求人票の中にあります。

手順はこうです。まず、応募先の求人票とホームページを開いて、気になった記述を3つ書き出します。「認知症ケアに力を入れている」「ユニット型で少人数」「未経験者に3か月の研修期間がある」といった具体的な記述です。

次に、その3つそれぞれについて、自分の経験や考えとつながる点を探します。つながらないものは捨てて構いません。1つ残ればそれで足ります。

最後に、その1つを軸に「応募先の特徴」と「自分の経験」と「入職後にやりたいこと」を、この順番でつなぎます。

未経験の方の例です。

「祖母がデイサービスに通うようになり、送迎の職員の方が名前を呼んで話しかけている様子を見て、この仕事に関心を持ちました。貴施設は未経験者向けの研修期間を設けていると求人票で拝見しました。前職の販売職では、来店される方の様子を見て声のかけ方を変えることを心がけてきました。まずは基本的な介助を確実に覚え、利用者の方の変化に気づける職員になりたいと考えています」

経験者の例です。

「特別養護老人ホームで5年間、ユニットケアに携わってきました。貴施設が認知症ケアの研修体制を整えていると伺い、これまで手探りで対応してきた場面に根拠を持って向き合いたいと考え、応募しました。前職では、夜間に落ち着かなくなる方について、日中の過ごし方の記録を職員間で共有する取り組みに関わりました。同様の視点を、新しい現場でも活かせればと考えています」

避けたいのは、どの施設にも出せる文です。「人の役に立ちたい」「アットホームな雰囲気に惹かれた」だけで終わると、読み手は他の応募者と区別できません。施設名を入れ替えても成立する文になっていないか、書いたあとに一度確認してみてください。

書きながら不安になったときは、一人で抱えないことも大切です。

介護職の就職・転職で失敗しない履歴書を完成させるには、作成の基本を押さえましょう。マナーを守ったうえでオリジナル要素を加えれば、採用担当者に刺さる、魅力的な履歴書に仕上がるはずです。書いているうちに、「この志望動機で大丈夫かな…」「見落としがないかな…」と不安や疑問を感じたら、1人で悩んだり放置したりせず、プロの意見を聞いてみましょう。 出典: job.kiracare.jp

私も相談の場で、同じことをお伝えしています。文章は、書いた本人がいちばん客観的に読めません。家族でも、以前の同僚でも、ハローワークの窓口でもかまいません。一度、誰かの目を通してから出すと安心です。

自己PR|経験年数ごとに書けることは変わる

自己PRは、志望動機と内容が重ならないようにするのがコツです。志望動機が「なぜここか」なら、自己PRは「何ができるか」です。

未経験の方は、介護の経験を無理に作らないでください。前職で身につけたことのうち、介護の現場でも使えるものを選びます。接客業なら相手の様子を見て対応を変えた経験、事務職なら記録や書類を正確に扱ってきた経験、子育て中の方なら体調の変化に気づく観察の習慣。どれも現場で必要とされる力です。

経験1年から3年の方は、担当した業務の範囲を具体的に書きます。「食事、入浴、排泄の介助を担当」だけでなく、「入浴介助では、皮膚の状態を看護職員に報告する流れを守ってきた」のように、チームの中での動き方まで書くと厚みが出ます。

経験5年以上の方は、後輩の指導や記録の整備、家族対応など、直接介助以外の役割を書いてください。この層に施設が期待しているのは、現場を回す力だからです。

3つとも共通しているのは、抽象語で終えないことです。「コミュニケーションを大切にしています」は、ほぼ全員が書きます。そこに「申し送りで伝わりにくい情報は、口頭とメモの両方で残すようにしていました」と一行足すだけで、まったく違う書類になります。

自己PRの長さは、履歴書の欄に収まる範囲で構いません。200字前後が目安です。欄からはみ出して小さい字で詰め込むより、収まる分量で書き切るほうが読みやすくなります。

本人希望記入欄|遠慮しすぎない

ここを「貴社の規定に従います」だけで埋める方が多いのですが、介護職では少しもったいない使い方です。

この欄は、シフトや勤務条件のすり合わせに使えます。伝えておくべきことを書かずに入職して、あとから「夜勤ができない」と分かるほうが、施設にとっても本人にとっても不幸です。

書いてよいのは、こういった内容です。

・勤務可能な曜日や時間帯(「土日いずれか勤務可能」「保育園のお迎えのため17時までの勤務を希望」) ・夜勤の可否 ・扶養の範囲内での勤務希望 ・応募している職種や雇用形態が複数ある場合の希望 ・連絡がつきやすい時間帯

避けたいのは、給与や休日の希望を並べることです。ここに条件を書き連ねると、待遇だけを見ているという印象になります。給与の話は、面接や条件提示の場面で確認するほうが自然です。

介護職の給与水準そのものが気になる方は、応募前に相場を把握しておくと落ち着いて交渉できます。職種別の報酬レンジをまとめた介護職員の年収・単価相場では、雇用形態や地域による差を含めて数字を確認できます。自分の希望が相場からどのくらい離れているかを知っておくと、面接での受け答えが具体的になります。

職務経歴書|介護の経験を「書ける形」にする

職務経歴書は自由書式ですが、迷ったら次の並びにしてください。

冒頭に、職務要約を3行から5行。ここだけ読めば全体が分かる要約です。

次に、職務経歴を新しい順に。施設ごとに、施設形態、定員、職員体制、自分の担当業務、勤務形態を書きます。介護の書類でここが抜けがちなのですが、施設の規模と体制は必ず書いてください。定員29名のグループホームと定員100名の特別養護老人ホームでは、同じ「介護職員」でも仕事の中身がまるで違います。読み手はそこを知りたがっています。

そのあとに、活かせる経験や知識を箇条書きで。最後に、簡単な自己PRで締めます。

利用者の個人情報は書きません。「〇〇様の対応で」という書き方は避け、「認知症の方の帰宅願望への対応で」のように、状況の説明にとどめます。これは守秘義務の観点からも大切ですし、書類の扱いを心得ている人だという印象にもつながります。

数値を入れられる箇所は入れてください。「利用者20名を職員3名で担当」「月4回の夜勤」といった具体は、読み手が現場を想像する手がかりになります。ただし、記憶があいまいな数字を書かないでください。面接で聞かれて答えられないほうが困ります。

書き上がったあと、他の職種の書類の作り方も見てみたい方は、経験の棚卸しの手順が参考になります。文章を仕事にする職種の報酬水準をまとめた著述家,記者,編集者の年収・単価相場のように、職種ごとの相場データを見ると、自分の経験がどう評価されているのかを別の角度から確認できます。

提出前の点検と、提出のマナー

書き上げたら、出す前に必ず一度置いてください。翌日読み返すと、誤字が驚くほど見つかります。

点検する項目です。

・日付は提出日になっているか ・ふりがなの種類はそろっているか ・年号の表記は統一されているか ・誤字を修正液で消していないか(書き損じたら書き直します) ・写真は曲がっていないか、はがれかけていないか ・「現在に至る」「以上」が入っているか ・空欄のまま残っている欄はないか ・押印欄がある書式なら、印は押したか(最近は押印欄のない書式も増えています)

郵送する場合は、履歴書と職務経歴書をクリアファイルに入れ、A4サイズが折らずに入る封筒を使います。封筒の表に赤字で「応募書類在中」と書き、裏に自分の住所と氏名を書きます。添え状(送付状)を一枚つけると丁寧ですが、必須ではありません。

手渡しの場合は、封筒に入れたまま持参し、面接の場で求められたら封筒から出して渡します。封はしません。

最近は、メールやWebフォームでの提出も増えています。PDFに変換して送るのが基本です。ファイル名は「履歴書_氏名_20260907.pdf」のように、誰の何の書類か分かる形にしてください。撮影した写真をそのまま送ると、傾きや影で読みにくくなります。スキャナアプリを使うか、明るい場所で真上から撮ってください。

実際の作成例を見比べてみたい方もいると思います。

なるほど!ジョブメドレーでは、実際に介護職として就職・転職活動をしてきた人たちに、どのように履歴書を作成したのか見せてもらいました。各記事では履歴書のほか、面接の対策方法についても聞いているのであわせて参考にしてみてください。 出典: job-medley.com

他の人の書類を見ると、自分のものが極端に外れていないか確認できます。書式そのものを真似する必要はありません。安心材料として使ってください。

複数の施設に応募するときの、書き分けの手間を減らす方法

介護職の求人は同時期に複数出ていることが多く、3件から5件に並行して応募する方も珍しくありません。そのたびに一から書いていては、途中で力尽きます。

現実的なのは、書類を2層に分けて管理することです。

1層目は、どこに出しても変わらない部分。氏名、住所、学歴、職歴、資格、そして職務経歴書の本体です。ここは一度作り込んだら、以降は使い回します。手書きで応募する場合も、パソコンで原本を作っておいて、そこから書き写すほうが確実です。転記ミスも減ります。

2層目は、応募先ごとに書き換える部分。志望動機と、自己PRの最後の一文、本人希望記入欄の3か所です。この3か所だけを差し替えれば、書類は応募先に合ったものになります。

書き換えるときの手順も決めておくと早くなります。求人票を開いて、施設形態、力を入れている分野、研修体制、シフトの4項目をメモします。この4項目のうち自分に響いたものを1つ選び、志望動機の冒頭に置く。これで毎回15分ほどで書き換えられるようになります。

注意していただきたいのは、使い回しの痕跡を残さないことです。別の施設名が残っている、日付が前の応募のままになっている、施設形態が実際と違っている。この3つは、応募が重なると必ず起きます。送信や投函の直前に、施設名と日付と施設形態だけを声に出して確認する習慣をつけてください。声に出すと、目で追うより見落としが減ります。

同時応募そのものは、まったく問題のない行動です。施設側も、応募者が他も見ていることは前提にしています。隠す必要はありませんし、面接で聞かれたら「同じ地域で何件か見学させていただいています」と正直に答えて構いません。むしろ、複数見て比べたうえで選んだ人のほうが、入職後に長く続く傾向があります。

書類作成でつまずいたときに、私がお伝えしていること

キャリア相談の場で、履歴書が書けないという方とお話ししていて気づいたことがあります。手が止まる理由は、文章力ではなく、自分の経験を低く見積もっていることのほうが多いのです。

「私は資格もないし、パートで2年やっただけなので、書くことがありません」とおっしゃった方がいました。話を伺っていくと、その方は入浴介助で嫌がる利用者の方に、順番を後ろにずらす提案をして、実際にうまくいった経験を持っていました。ご本人にとっては当たり前の工夫で、書くようなことではないと思っておられたのです。

こういうことは、よくあります。現場で自然にやっていることほど、自分では価値に気づけません。書き出しの段階では、価値があるかどうかの判断をいったん保留にして、やったことを全部並べてみてください。取捨選択は、並べ終わってからで間に合います。

もうひとつ、お伝えしていることがあります。履歴書は、落とされるために出す書類ではなく、面接で話す内容を先に決めておくための下書きだということです。書いたことは面接で聞かれます。だから、聞かれて困ることは書かない。逆に、話したいことは必ず書いておく。そう考えると、何を書くかの基準がはっきりします。

不安が強いときは、完璧に仕上げようとせず、まず一通り最後まで埋めてみてください。埋まった状態から直すほうが、白紙から書くよりずっと楽です。呼吸を整えて、資格の欄から始めましょう。

在宅で働く選択肢と、書類が持つもうひとつの意味

ここからは、在宅ワークや業務委託の市場を長く見てきた立場からの観察です。

介護の資格と経験を持つ方が、体力面や家庭の事情から現場を離れるとき、経験そのものが行き場を失うことがあります。実際には、介護の知識を必要とする在宅の仕事は増えています。介護施設向けのサービスを扱う企業の記事執筆、介護保険制度に関する問い合わせ対応、福祉用具や住宅改修に関する相談業務。いずれも、現場を知らない人には書けない、答えられない領域です。

20年この市場を運営してきた立場から言えば、こうした仕事に移った方がまず戸惑うのは、書類の書き方が変わることです。施設への応募では履歴書と職務経歴書でしたが、業務委託の案件では提案文とポートフォリオが求められます。ただ、中身は同じです。何をしてきたか、何ができるか、相手の求めているものにどうつながるか。この3点を書くという構造は変わりません。介護の職務経歴書を丁寧に作った経験は、そのまま在宅の仕事の応募でも使えます。

もうひとつ、長く見てきて実感していることがあります。仲介が何段も入る仕事の取り方をしていると、依頼者が払った金額と受け手が受け取る金額の差が広がっていきます。直接やり取りする形であれば、依頼する側は同じ予算でより多く頼めますし、受け手は手数料0%のぶん手取りが厚くなります。この構造の差は、単発の仕事では見えにくいのですが、続けるほどはっきり効いてきます。長く続いている方ほど、金額の交渉より「この人に任せると楽だ」と思ってもらえる関係づくりに時間を使っているのも、共通した傾向です。

在宅で使える職種の幅を知っておくと、将来の選択肢が広がります。業務の進め方を整理して提案する仕事の内容をまとめたAIコンサル・業務活用支援のお仕事では、専門知識を持つ人が業務改善の相談役として関わる形を紹介しています。介護現場の記録業務やシフト管理の課題を知っている方であれば、話が通じる領域です。

情報の扱いや広報に関わる仕事の全体像は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとまっています。施設のホームページ運用や採用広報を担う仕事は、現場の言葉が分かる人ほど強みが出ます。

技術寄りの仕事に関心がある方は、アプリケーション開発のお仕事で、開発の仕事がどのような単位で発注されているかを確認できます。すぐに転向する話ではありませんが、介護記録システムの使いにくさを現場で感じてきた方が、開発側の要件を整理する役割で関わる例もあります。

ネットワークの基礎を扱うCCNA(シスコ技術者認定)のような技術資格は、介護の仕事と直接は結びつきません。ただ、施設のICT化が進む中で、機器やネットワークの話が分かる職員は現場で重宝されます。介護福祉士の勉強が一段落したあとの、次の学習先として頭の片隅に置いておく価値はあります。

最後に、書類を出したあとの過ごし方についても触れておきます。提出してから連絡が来るまでの数日間は、多くの方が落ち着かない時間を過ごします。この期間に、書いた内容を読み返してあらを探し始めると、面接の場で自信のない受け答えになりがちです。出したものはもう直せませんから、代わりに面接で聞かれそうなことを3つだけ想定して、短い答えを用意しておいてください。志望動機に書いたことの理由、職歴の空白や短期離職の事情、入職後に取り組みたいこと。この3つで足ります。書類は面接の下書きだと考えれば、待つ時間も準備の時間に変わります。連絡が来ないまま一週間を過ぎたときは、問い合わせても失礼にはあたりません。採用の担当者が他の業務と兼務していて、返信が遅れているだけということもよくあります。

履歴書を書くという作業は、応募のための事務手続きに見えますが、実際には自分の経験を言葉にする訓練です。この訓練をしておくと、働く場所が変わっても、そのつど作り直せるようになります。今回の書類作成を、その最初の一回にしてください。

よくある質問

Q. 介護職の履歴書は手書きとパソコンのどちらがよいですか?

どちらでも構いません。応募先から指定があればそれに従ってください。指定がない場合、メールやWebフォームで提出するならパソコン作成、郵送や持参ならどちらでも問題ありません。手書きの場合は黒のボールペンを使い、書き損じたら修正液で消さずに書き直します。読みやすさを優先して選んでください。

Q. 介護の資格がなくても応募できますか?

施設内での介護補助や生活支援員など、無資格や未経験から始められる求人はあります。一方で、訪問介護のヘルパーとして単独で訪問する仕事には、原則として研修の修了が求められます。必要な資格は職種と事業形態で変わりますので、求人票の応募資格欄と、自治体の担当窓口の案内をあわせて確認してください。

Q. ブランクが長いのですが、履歴書にどう書けばよいですか?

空白期間があること自体は大きな減点にはなりません。ただし何も書かないと読み手が理由を推測することになるため、「家族の介護に専念のため離職」「療養に専念、現在は問題なく勤務可能」のように一言添えてください。詳しい説明は不要です。復職への意欲は志望動機の欄で伝えるほうが自然に読めます。

Q. 職務経歴書は履歴書と両方出す必要がありますか?

求人票の指定に従うのが基本です。「履歴書のみ」と書かれていても、介護の実務経験がある方は職務経歴書を添えたほうが伝わります。履歴書の職歴欄1行では、施設形態や担当業務の中身が表現しきれないためです。介護が完全に未経験の場合は、無理に作らず履歴書の自己PR欄を厚めに書くほうが読みやすくなります。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月7日最終更新:2026年9月8日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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