広告動画の単価は尺より修正回数で決まると知らずに安く受ける

中西 直美
中西 直美
広告動画の単価は尺より修正回数で決まると知らずに安く受ける

この記事のポイント

  • 広告動画制作 単価相場に悩む方へ
  • 尺の長さより修正回数が単価を左右する理由と
  • 安く受けてしまう心理的な背景

「この単価で受けていいのかな」。広告動画制作の仕事を始めた方から、こういうご相談を、本当によく受けます。大丈夫。それは、あなただけが感じている不安ではありません。同じように悩みながら仕事を続けている方が、想像している以上にたくさんいらっしゃいます。安心してくださいね。この記事では、広告動画制作の単価相場を客観的なデータで整理しながら、なぜ「尺の長さ」だけを見て単価を決めると損をしてしまうのか、そして安心して適正な報酬を求められるようになるための考え方を、一緒に見ていきます。

「安く受けてしまう」背景にある気持ちを、まず整理しましょう

単価の話をする前に、少しだけ気持ちの話をさせてください。数字の話に入る前の準備運動だと思って、肩の力を抜いて気軽に読み進めていただければと思います。ゆっくりで大丈夫ですよ。フリーランスとして広告動画制作の仕事を始めたばかりの頃、「相場が分からないから、とりあえず安めに提示しておこう」と考えてしまう方が本当に多いんです。これは特別なことではなく、初めて自分のスキルに値段をつける人の多くが、必ずと言っていいほど通る道です。

会社員として働いていたときは、給与という形で第三者が金額を決めてくれていました。フリーランスになった途端、自分で自分の労働に値段をつけなければならなくなる。この変化に戸惑うのは自然なことです。「高く言って断られたらどうしよう」という不安から、つい安全な低い金額を提示してしまう。この気持ち、よく分かります。

さらに、周囲に同業のフリーランスが少ない環境だと、自分の単価が適正なのかを確認する相手すらいない、という状況に陥りがちです。孤独な状態で判断を続けていると、不安から来る「安めに提示しておけば安全」という選択が積み重なり、気づいたときには本来の実力に見合わない単価が定着してしまっている、というケースを何度も見てきました。

ただ、安く受け続けることは、長い目で見るとご自身を疲弊させてしまいます。安い単価で多くの本数をこなさないと生活が成り立たなくなり、1本あたりにかけられる時間が減り、結果として質も下がってしまう。この悪循環に陥る前に、まずは客観的な相場を知ることから始めましょう。

カウンセリングの現場でお話を伺っていると、単価の低さに悩む方の多くが、実は技術面では十分な力を持っていらっしゃいます。問題は技術ではなく、「自分の技術にいくらの値段をつけていいか分からない」という情報不足と、それに伴う不安なんです。だからこそ、まず必要なのは技術の向上よりも先に、相場という「外側の物差し」を知ることです。物差しを手に入れると、不安はぐっと軽くなります。

呼吸を整えるように、まずは落ち着いて、市場全体を俯瞰するところから始めていきましょう。焦らなくて大丈夫です。一つひとつ、順番に整理していきますね。

広告動画制作の単価相場を、まずは俯瞰してみましょう

動画制作全体の市場を見渡すと、依頼先や制作規模によって金額の幅は大きく変わります。制作会社に企画から撮影・編集まで一括で依頼する場合の相場は、もう少し大きな金額になります。一つひとつ順を追って見ていきますので、焦らずついてきてください。

動画制作会社に依頼する際の費用相場は30万円から200万円程度が一般的です。動画制作会社に依頼する場合、企画から撮影・編集・納品までの全工程を依頼できます。 出典: cine-mato.com

これは制作会社が撮影クルーやディレクターを含めてチームで請け負う場合の金額です。一方、SNS広告向けの短尺動画を個人のフリーランス編集者が請け負う場合は、素材を発注者側が用意し、編集作業だけを担当するケースが多いため、この金額よりぐっと小さな範囲、案件により数千円から数万円程度が一般的な相場になります。数字だけを見ると開きが大きく感じるかもしれませんが、担う役割の範囲が違うのだと理解すると、納得しやすくなるはずです。

実際に企業側の調査でも、動画広告の制作費についてこんなデータが出ています。

実際の動画広告1本あたりの制作費は「10万円~30万円未満」が最多というデータがあります。 出典: mvsk.jp

これは企業が動画広告全体(企画・撮影を含む)にかける予算であり、編集作業のみを担当するフリーランスへの発注額とは別物です。ただ、発注側の予算感を知っておくことは、自分の単価を考えるうえでの一つの目安になります。編集だけを担当する場合、この予算の中から編集費として配分される金額は、案件によって幅がありますが、全体予算の一部という位置づけで捉えておくとよいでしょう。

もう一つ知っておいていただきたいのは、商品やサービスを紹介するタイプの動画では、また別の相場感があるということです。

商品・サービス紹介動画の相場は30万円~100万円です。サービスの場合はアニメーションを用いることもありますが、実際の商品の場合はリアルに伝えるために実写動画がよく使われています。 出典: mvsk.jp

このように、動画の目的や種類によって予算感が大きく変わることが分かります。これはあくまで制作会社への発注額の全体像ですが、「自分が請け負う編集作業は、この予算のどの部分を占める作業なのか」を意識できると、単価交渉の場面で自信を持って話しやすくなります。SNS広告の短尺動画のように、企画から編集まで一人で完結できる案件であれば、制作会社への発注額よりずっと小さな金額になるのが自然ですし、逆に構成・企画まで任される場合は、単純な編集作業より高い価値を提供していることになります。

単価を左右する要素は、尺の長さだけではありません

多くの方が「動画が長いほど高い」「短いほど安い」という単純な発想で単価を考えがちです。もちろん尺の長さは重要な要素の一つですが、実務ではそれ以上に重要な要素があります。一つずつ丁寧に見ていきましょう。

修正回数

これが、今日いちばんお伝えしたいことです。広告動画の制作では、納品後にクライアントから修正依頼が入るのが通常です。「テンポをもう少し速く」「テロップの色を変えて」といった依頼が、1回で終わることもあれば、5回、6回と重なることもあります。

単価を尺の長さだけで決めてしまうと、修正回数が想定外に増えたときに、実質的な時給が大きく下がってしまいます。15秒の短尺動画を5,000円で受けたとして、修正が1回で済めば妥当な金額でも、修正が5回続けば、作業時間は最初の見積もりの何倍にも膨らんでしまう。これが「尺より修正回数」が単価を左右する最大の理由です。

契約前に「修正は何回まで含むか」を必ず確認し、それを超える修正には追加費用が発生することを、あらかじめ発注者と合意しておくことが大切です。これは決して図々しいお願いではありません。むしろ、双方が気持ちよく、安心して取引を続けるための、当たり前の準備だと考えてください。

こういうご相談をよく受けます。「修正回数を決めておきたいけれど、初めての取引で言い出しにくい」というお悩みです。この気持ち、本当によく分かります。ただ、視点を変えてみてください。修正回数を最初に明確にしておくことは、受注者を守るだけでなく、発注者にとっても「どこまで頼めるのか」がはっきりして安心材料になります。「修正は3回まで含みます。それ以降は1回あたり〇円の追加費用をいただいております」というように、最初から一文を用意しておくと、毎回緊張せずに伝えられるようになります。

具体的な目安として、短尺のSNS広告動画であれば修正2回から3回程度を基本料金に含めるという設定が、多くの案件で標準的に見られます。これより少ない回数しか含めない場合は、その分基本料金を下げて調整する、あるいは多く含める場合は基本料金を上げる、というように、修正回数と単価をセットで考える習慣をつけると、見積もりのブレが少なくなります。

納品までの日数

急ぎの案件は、通常より高い単価が設定されることが一般的です。数日以内の納品を求められる場合、他の予定を調整する必要が出てくるため、その分を単価に反映させることは正当な判断です。逆に、余裕のある納期であれば、通常の単価で受けても双方にとって無理のない取引になります。

急ぎの案件を受けるかどうかを判断する際は、通常料金に対して2割から5割程度の特急料金を上乗せするという考え方が一つの目安になります。ただし、無理な納期で心身に負担をかけてまで受注することは、長期的にはご自身の健康を損なう原因になります。特急料金を上乗せしても厳しいと感じる納期であれば、丁寧にお断りする勇気も必要です。断ることは、決して不誠実な対応ではありません。

素材の準備状況

発注者側が撮影素材やBGM、テロップ文言まですべて用意してくれる案件と、構成案や素材集めから編集者に任される案件とでは、作業量が大きく異なります。後者は企画力や構成力まで求められるため、単純な編集作業より高い単価設定が妥当です。募集要項を読む際は、「編集のみ」なのか「構成・企画も含む」のかを必ず確認してください。

素材が整っている案件は、極端に言えば「与えられた材料を組み立てる」作業に近く、作業時間の見積もりがしやすい特徴があります。一方、構成から任される案件は、クライアントの意図をヒアリングし、どんな流れで見せれば伝わるかを考える工程が加わるため、単純な作業時間だけでなく、企画力という付加価値への対価も含めて単価を設定する必要があります。この違いを理解せずに、どちらも同じ単価で受けてしまうと、企画から任される案件のほうが割に合わない働き方になってしまいます。

プラットフォームとフォーマットの違い

TikTok、Instagramリール、YouTubeショートなど、プラットフォームごとに推奨される尺やフォーマットが異なります。複数のフォーマットへの書き出しを求められる場合(縦型と横型の両方など)、作業工程が増えるため、その分を単価に反映させる必要があります。1本の動画を作れば終わり、という認識のまま受注すると、後から追加のフォーマット対応を無償で求められてしまうことがあるため、契約時に納品形式の数を明確にしておくことをおすすめします。

「1本の動画を1つのフォーマットで納品する」という基本単価に対して、「同じ内容を別のアスペクト比で書き出す」という追加対応は、ゼロから作るより作業時間は短いものの、テロップ位置の再調整やタイミング調整が必要になるため、無料のサービスとして扱うべきではありません。追加フォーマットごとに、基本単価の3割から5割程度を目安とした追加料金を設定しておくと、複数フォーマット対応の依頼にも落ち着いて対応できます。

発注者の属性による違い

同じ広告動画制作という仕事でも、個人事業主からの依頼と、ある程度の規模を持つ企業からの依頼とでは、求められる品質基準やコミュニケーションの丁寧さが異なる場合があります。企業からの依頼は、社内でのチェック工程が複数回入ることが多く、修正のやり取りに時間がかかる傾向があります。この場合も、修正回数や確認工程の多さを見越した単価設定が必要です。逆に、個人事業主からの依頼はスピード感を重視される反面、修正のやり取りはシンプルに済むことが多く、案件ごとの特性を見極める視点も大切になります。

安く受けてしまう典型的なパターンと、その対策

こういうご相談も、本当によくいただきます。「気づいたら、いつも同じくらいの安い単価で受けてしまっている」というお悩みです。振り返ってみると、いくつかの共通したパターンが見えてきます。ご自身に当てはまるものがないか、一緒に確認していきましょう。

パターン1: 相場を調べずに、募集元の提示額をそのまま受け入れてしまう

募集ページに書かれた金額を「相場なんだろう」と思い込んで、そのまま受け入れてしまうケースです。実際には、募集元によって提示額に大きな差があります。応募前に、同種の案件を複数比較してから判断する習慣をつけると、この落とし穴を避けやすくなります。最初に見た案件の金額を基準にしてしまうと、それが低い水準であっても「相場はこのくらいだ」と思い込んでしまいやすいので、複数の情報源にあたることをおすすめします。

パターン2: 「実績作りだから」と割り切って、安い案件を続けてしまう

未経験の段階で実績作りのために安い単価を受けること自体は、決して悪い選択ではありません。ただ、実績が積み上がった後も同じ単価で受け続けてしまうと、いつまで経っても単価が上がりません。目安として、作例が5本、10本と増えていく節目ごとに、単価を見直すタイミングを自分の中に設けておくとよいでしょう。

「実績作りの期間」をあらかじめ自分の中で区切っておくことも有効です。「最初の5本までは相場より低めの単価で受ける」「6本目以降は相場に合わせた単価に切り替える」というように、期間や本数で線引きをしておくと、いつまでも低単価から抜け出せないという状態を避けやすくなります。同じクライアントから継続して依頼が来る場合は、実績が積み上がったタイミングで「今後は単価を見直させてください」と丁寧に伝えることも、決して失礼な行為ではありません。長く良い関係を続けたいクライアントほど、こうした率直な相談には理解を示してくれることが多いものです。

パターン3: 断られるのが怖くて、希望額を言い出せない

これも本当によくある悩みです。「高い金額を提示して断られたら、そのまま案件がなくなってしまう」という不安から、希望額を伝えられない。この気持ち、痛いほど分かります。ただ、適正な単価を提示することは、決して相手を困らせる行為ではありません。むしろ、発注者側も「相場より安すぎる提案」には、逆にクオリティへの不安を感じることがあります。適正な金額を、落ち着いた口調で伝えることは、プロとしての信頼につながります。

私自身、フリーランスとして独立した当初、専門性のある仕事に対して「この金額でよろしいでしょうか」と、必要以上に控えめな言い方をしてしまっていた時期がありました。今振り返ると、自分の提供する価値に自信を持てていなかったのだと思います。単価の話は技術の話であると同時に、自分自身との向き合い方の話でもあるのだと、今も強く実感しています。

パターン4: 相見積もりで一番安い金額を意識してしまう

複数の候補者に見積もりを依頼される案件では、「他の人より安くしないと選ばれない」という考えが、どうしても頭をよぎってしまうことがあります。ただ、価格競争に入ってしまうと、際限なく単価が下がり続ける消耗戦になりがちです。価格ではなく、修正対応の丁寧さや、過去の作例の質、コミュニケーションの取りやすさといった、金額以外の部分で選んでもらう工夫のほうが、長期的には、より安定した単価を保てます。見積もりを出す際は、金額だけでなく「なぜこの金額なのか」という説明を添えることで、価格だけで比較されにくい提案になります。

見積もりを出すときの、心理的なハードルを下げる考え方

見積もりを出す場面で緊張してしまう方は多いです。少しでも気持ちが楽になるよう、考え方のコツをお伝えします。カウンセリングの現場でお伝えしている内容を、そのままここでもお話ししますね。

まず、金額を提示するときは「私の作業時間×時給」という発想で組み立てると、根拠を持って話しやすくなります。編集作業に何時間かかるか、修正対応にどれくらいの余裕を見込むかを具体的に洗い出し、それを積み上げた金額として提示すれば、感情的な駆け引きではなく、事実に基づいた説明になります。目安として、ご自身が確保したい時給水準を先に決めておき、そこから逆算して1本あたりの金額を導き出すと、案件ごとに一貫した基準で判断できるようになります。

また、金額を伝える際に「相場を確認したところ」という一言を添えると、根拠のある提示だという印象を与えやすくなります。相場を知らずに提示する金額と、相場を踏まえたうえで提示する金額とでは、同じ数字でも伝わり方が違います。

そして、断られることを過度に恐れないでください。適正な単価を提示して見送られた案件は、そもそも自分の働き方に合っていなかった可能性が高いです。無理な単価で受けて疲弊するより、適正な単価で長く続けられる案件を選ぶほうが、結果的にご自身の心身の健康を守ることにつながります。

見積もりのやり取りで緊張してしまう方には、事前にシミュレーションをしておくこともおすすめしています。金額を伝える文面を一度書き出してみて、声に出して読んでみる。たったこれだけのことですが、実際のやり取りの場面での緊張が和らぐという声を、カウンセリングの中でよく聞きます。見積もりは、相手との駆け引きではなく、お互いが納得できる条件を一緒に探すための対話です。そう捉え直すだけでも、気持ちがずいぶん楽になるはずです。

見積もりを提示した後、相手から金額交渉の打診があった場合でも、すぐに大幅な値下げに応じる必要はありません。修正回数を減らす、納品形式を絞る、納期に余裕を持たせるなど、金額以外の条件を調整することで、双方が納得できる着地点を探る方法もあります。金額を下げる一択で応じてしまうと、次からもその金額が基準になってしまうため、条件全体のバランスで交渉する視点を持っておくと安心です。

独自データから見る、広告動画制作と隣接する職種の単価感

単価の相場感は、動画編集に限らず他の職種と比較することでも見えてきます。少し視野を広げて、隣接する分野の情報にも目を向けてみましょう。たとえばSaaS開発 案件の単価相場と成功の秘訣!2026年最新ガイドPM 副業ガイド!単価相場と未経験からの始め方・案件獲得のコツUI/UX 案件の獲得術!単価相場と高収入デザイナーになる全ステップといった記事を見ると、専門性が明確に定義されている職種ほど、単価の相場観が業界内で共有されやすく、価格交渉もしやすい傾向があることが分かります。

動画編集の分野は比較的新しい職種のため、こうした相場観がまだ十分に浸透していません。だからこそ、この記事のような情報を通じて、少しずつ適正な相場感を自分の中に持っておくことが大切です。

相場観を身につける方法として、同業者との横のつながりを持つことも効果的です。SNSのコミュニティや勉強会などで、同じように広告動画制作を手がける方と情報交換をすることで、「自分の単価は相場から外れていないか」を確認できます。一人で抱え込んで判断するより、複数の視点を取り入れることで、より安定した判断ができるようになります。孤独に感じやすいフリーランスという働き方だからこそ、こうした横のつながりを意識的に持つことは、単価の適正化だけでなく、精神的な支えという意味でも大きな価値があります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような専門性の高い分野と組み合わせてスキルを広げることも、単価向上の一つの道筋になります。技術系の分野に関心がある場合はアプリケーション開発のお仕事も参考になりますし、年収データを俯瞰したい場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場著述家,記者,編集者の年収・単価相場といったデータベースも役立ちます。ビジネス文書のやり取りに自信をつけたい方にはビジネス文書検定、技術系のキャリアの幅を広げたい方にはCCNA(シスコ技術者認定)も選択肢として挙げられます。

運営者としてこの市場を長く見てきた立場から言えば、単価が安定して上がっていく人ほど、修正回数や納品形式といった条件を最初にきちんと言葉にしている傾向があります。逆に、条件を曖昧にしたまま「とりあえず受けてしまう」人ほど、単価が上がらないまま疲弊していくケースが多く見られます。中間マージンが発生しない直接取引では、発注者と受注者が対等な立場で条件をすり合わせやすく、その分だけ受け手の手取りが厚くなる構造があります。手数料0%という条件は、金額の大小だけでなく、条件を対等に話し合える関係性を築きやすくするという意味でも、大切な土台になっていると感じています。

さらに付け加えると、直接取引の場では、発注者との距離が近い分、単価や条件についての率直な対話がしやすいという特徴もあります。仲介者を挟んだやり取りでは、条件の細かなニュアンスが伝わりにくくなることがありますが、直接のやり取りであれば、修正回数や納期の相談も、その場で丁寧にすり合わせることができます。この対話のしやすさが、結果的に無理のない単価設定につながっているというのが、長く現場を見てきたうえでの実感です。

単価の話は、数字だけの話ではありません。自分の時間と技術にどれだけの価値を認めるか、という自己肯定感の話でもあります。焦らず、一つずつ確認しながら、ご自身にとって無理のない働き方を見つけていってください。あなたは一人で悩む必要はありません。

最後にもう一度お伝えしたいのは、単価に悩むこと自体は、決して恥ずかしいことでも、能力が足りないことの証拠でもないということです。相場という物差しを知り、修正回数や納期といった条件を一つひとつ言葉にしていくことで、少しずつ、けれど確実に、自分に見合った働き方に近づいていけます。今日お話ししたことを、まずは一つだけでも、次の見積もりのときに試してみてください。それだけで、きっと今よりも軽やかな気持ちで仕事に向き合えるはずです。

修正回数を最初に確認する。作業時間から金額を積み上げて考える。断られることを過度に恐れない。この3つを、次の案件から少しずつ実践してみてください。すぐに完璧にできなくても大丈夫です。少しずつ、あなたのペースで進めていってくださいね。

よくある質問

Q. 広告動画制作の単価は、尺の長さで決めればいいですか?

尺の長さも要素の一つですが、それ以上に修正回数、納期、素材の準備状況が単価を左右します。契約前に修正回数の上限を確認しておくことが大切です。

Q. 未経験でも適正な単価を提示していいのでしょうか?

未経験の段階では実績作りのために低めの単価を選ぶことも一つの方法ですが、作例が増えるにつれて単価を見直すタイミングを持つことをおすすめします。

Q. 見積もりを高く提示して断られるのが怖いです。どうすればいいですか?

作業時間を基準に金額を積み上げて提示すると、根拠のある説明になります。適正な単価で見送られた案件は、そもそも自分に合っていなかった可能性があります。

Q. 修正が何度も発生する場合、追加費用は請求できますか?

契約時に修正回数の上限を決めておけば、それを超える修正には追加費用を請求できます。事前の合意がないと請求しづらくなるため、最初の取り決めが重要です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月10日最終更新:2026年8月18日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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