70代でも続けられる在宅の画像のタグ付け|安全に始めるための見分け方と続け方 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
70代でも続けられる在宅の画像のタグ付け|安全に始めるための見分け方と続け方 2026

この記事のポイント

  • 70代 画像のタグ付け 在宅の仕事を
  • 単価の実態から見分け方まで冷静に整理しました
  • 年金・税金・保険への影響

結論から書きます。70代が在宅で画像のタグ付けを始めることは、技術的にも制度的にも十分に可能です。年齢制限を設けている案件はほとんどなく、パソコンとインターネット環境があれば作業できます。ただし、単価は決して高くありません。そして、シニア層を狙った不適切な募集が一定数まぎれ込んでいるのも事実です。

この記事では、画像のタグ付けという仕事の実態を、いいところも悪いところも同じ分量で書きます。「70代でも簡単に稼げます」と煽る記事は世の中に山ほどありますが、正直なところ、あれはどうかと思います。読者が知りたいのは、実際にいくらになって、どれくらい時間がかかって、何に気をつければいいのか、という具体的な情報のはずです。

扱うのは次の内容です。作業の中身と3つの類型、単価の相場と時給換算、70代に有利な点と不利な点、必要なスキルと機材、始めるための手順、年金と税金と保険への影響、そして避けるべき募集の特徴。順に見ていきます。

画像のタグ付けは「内職」ではなく「AIの教師データ作り」

まず前提を揃えます。ここを誤解したまま始めると、募集要項の意味が読み取れません。

この仕事が存在する理由

画像のタグ付けは、業界ではアノテーションと呼ばれます。AIに画像を認識させるために、人間が「これは猫」「これは信号機」「ここが道路の白線」と印をつけていく作業です。

AIは自力で物の名前を覚えません。正解ラベルの付いた画像を大量に見せて、初めて判別できるようになります。この正解ラベルを付ける作業だけは、今のところ人間がやるしかない領域が残っています。自動運転、医療画像診断、工場の外観検査、防犯カメラの解析。こうした技術が話題になるたびに、その裏側でタグ付けの需要が発生する構図です。

つまり、この仕事は「AIに仕事を奪われる側」ではなく「AIを作る側」に位置しています。ここは知っておくと、家族に説明するときにも話が早いです。

求められているのは正確さであって、速さではない

もうひとつ重要な特徴があります。この作業で最も価値が高いのは、丁寧さです。

タグ付けのデータは、1件でも間違いが混ざると、AIの精度が落ちます。しかも間違いは後から見つけにくい。だから発注側は、速い人より、指示書どおりに淡々と正確にやってくれる人を評価します。実際、検収ではミス率が最重要の指標になります。

この評価軸は、70代の方にとって不利ではありません。むしろ有利に働く場面が多い、というのが実態です。若い作業者は速さで数をこなそうとしてミスを出しがちで、結果として再作業になるケースを何度も見てきました。

作業の3類型を押さえる

募集を見るときに必要になるので、代表的な3つの型を整理します。

まず、分類(クラシフィケーション)です。画像を見て、あらかじめ用意された選択肢から当てはまるものを選ぶ。「この料理写真は和食か洋食か中華か」「この商品画像は正面か側面か」といった作業です。マウスのクリックだけで完結することが多く、最も難易度が低い型です。70代の方が最初に受けるならここです。

次が、矩形(バウンディングボックス)です。画像の中の対象物を四角い枠で囲み、名前を付ける。「歩行者」「車」「標識」を囲んでいくイメージです。マウスのドラッグ操作が必要になるので、分類より少しだけ難しくなります。ただし操作自体は数分で覚えられます。1枚の画像に何十個も対象がある案件は、それなりに疲れます。

最後が、セグメンテーションです。対象物の輪郭を、ピクセル単位でなぞって塗り分ける。医療画像や自動運転の高精度データで使われる型で、単価は高いのですが、作業時間は桁違いに長くなります。細かい作業が続くので、目への負担が大きい。70代の方が最初に選ぶ型としては、正直おすすめしません。

単価の実態。時給に直すと、どう見えるか

一番知りたいところだと思うので、はっきり書きます。

型ごとの単価レンジ

在宅のタグ付け案件でよく見る水準を整理すると、次のようになります。

分類作業は、1件あたり1円から10円程度。1件あたりの所要時間は数秒から20秒ほどです。

矩形での囲み作業は、1枚あたり10円から100円程度。対象物の数と難易度で大きく変わります。1枚に3個程度なら1分弱、20個あれば5分以上かかります。

セグメンテーションは、1枚あたり100円から1,000円程度。ただし1枚に30分以上かかることもあります。

まとめて発注されるパッケージ型では、「500枚で1万5,000円」のような提示になります。この場合は必ず、1枚あたりに割り戻して、自分の作業速度と掛け算してください。

時給換算のリアル

上の数字を時給に直すと、慣れないうちは400円から700円程度、慣れてくると900円から1,300円程度、というのが現実的なレンジです。

正直なところ、最低賃金と比べると見劣りします。ここを隠して「在宅で楽に稼げる」と書くのはフェアではないので、はっきり書いておきます。

ただし、比較の対象を変えると評価は変わります。通勤時間がゼロ、天候に左右されない、体力を使わない、いつ作業してもいい。この4条件を満たす仕事で時給1,000円前後に届くものは、実はそれほど多くありません。移動に片道30分かかるパート勤務と比べたとき、拘束時間あたりで見れば逆転することもあります。

「稼ぐ」を目的に置くと続かない

もうひとつ、市場を見ていて感じることを書きます。

タグ付けは、作業量に比例して報酬が決まる完全な時間労働です。単価交渉の余地はほぼなく、収入を伸ばす手段は「量を増やす」しかありません。そして量を増やすと、目と肩に負担が来ます。

だから、月の目標金額を高く設定すると、ほぼ確実に破綻します。1日2時間を上限にして、月1万円から3万円のレンジで安定させる。この設計にした方が、結果として年間の合計額は大きくなります。稼ぐより、続ける。この順番を間違えないでください。

70代であることの有利な点と、不利な点

フェアに両方書きます。

有利な点1. 年齢制限がほぼ存在しない

タグ付けの募集要項に「30歳まで」といった上限が書かれていることは、まずありません。成果物の品質で評価される業務委託なので、年齢を問う理由がないためです。

求人サイトの実際の掲載を見ても、在宅系の募集で年代の幅を明示しているものは珍しくありません。

【求人の募集背景】ブランクOK! 20代から70代まで幅広いスタッフが活躍中!...2幅広い年代のスタッフが活躍スキルアップしたい20代から、経験豊かな70代の方まで在籍しております。ブランクのある方も大歓迎です! 出典: 求人ボックス

この記載は在宅ワーク全般の募集に見られるもので、タグ付けに限った話ではありません。ただ、「70代」という数字が募集側から書かれている事実は、応募の心理的なハードルを下げる材料になります。

有利な点2. 検収に通る品質を出しやすい

前述のとおり、この仕事で評価されるのは正確さです。指示書を最後まで読む、決められたルールから外れない、判断に迷ったら勝手に決めずに質問する。この3つができる人は、それだけで上位に入ります。

長く社会人経験を積んだ方は、この3つが習慣になっていることが多い。20年この市場を見てきた立場から言えば、シニア層の作業者は継続率と検収通過率が高い傾向が明確にあります。

不利な点1. 目と姿勢への負担が大きい

これは無視できません。画面を凝視して細かい対象を追う作業なので、眼精疲労と首肩のこりが必ず出ます。

対策は決まっています。25分作業したら5分休む、画面から目を離して遠くを見る、画面の明るさを部屋に合わせる、文字とアイコンの表示サイズを大きくする。地味ですが、これをやるかどうかで半年後に続いているかが変わります。

不利な点2. 案件が安定しない

タグ付けの需要は、プロジェクト単位で発生します。大型案件が動いている月は募集が並び、落ち着くと消えます。毎月同じ量の仕事がある、という前提で家計を組むのは危険です。

不利な点3. 自動化圧力が構造的にかかっている

これも正直に書きます。タグ付けの一部は、AI自身による自動ラベリングに置き換わりつつあります。今後、単純な分類作業の単価は下がる方向に動く可能性が高いです。

一方で、AIが付けたラベルを人間が検証する作業(レビュー工程)は増えています。仕事が消えるのではなく、中身が「付ける」から「確かめる」に移る、と見るのが実態に近いです。

必要なスキルと機材。何が要って、何が要らないか

ここは誤解が多いところなので、切り分けます。

要るもの

パソコンは必要です。スマートフォンやタブレットだけでは、多くの案件で作業できません。細かい枠の操作にマウスが要るためです。性能は高くなくて構いませんが、画面は大きい方が圧倒的に楽です。可能なら21インチ以上の外付けモニターを検討してください。中古なら5,000円台から手に入ります。

マウスも必要です。ノートパソコンのタッチパッドで矩形を囲むのは、かなりつらい作業になります。手に合う普通のマウスで構いません。

インターネット環境は、画像を大量にやり取りするので、光回線などの安定した接続が望ましいです。モバイル回線でも作業自体はできますが、通信量の上限に注意してください。

そして、指示書を読む力。これが最大の必須スキルです。タグ付けの案件には、必ず数ページから数十ページのガイドラインが付いてきます。「対象物が半分以上隠れている場合は囲まない」「反射で写り込んだものは対象外」といった細かいルールが書いてあり、これを守れるかどうかで検収の結果が決まります。

要らないもの

プログラミングの知識は要りません。専用の作業ツールがブラウザ上で動くので、ソフトのインストールすら不要な案件が多いです。

英語も基本的に不要です。海外プラットフォーム経由の案件では英語のガイドラインが出ますが、国内の案件を選べば日本語で完結します。

資格も要りません。この分野に公的な資格は存在しないので、「認定資格を取れば有利」といった話が出てきたら、それは別の目的があると考えてください。

実際にやってみて分かったこと

私も取材の一環で、実際にタグ付けの案件を1件受けてみたことがあります。分類作業の、比較的やさしい案件です。

結果を書くと、初回は検収で差し戻されました。原因は完全に自分のミスで、ガイドラインの後半にあった例外規定を読み飛ばしていたためです。「作業自体は簡単」という思い込みで、指示書を斜め読みしていました。

この経験ではっきりしたのは、この仕事の難易度は操作ではなくルールの理解にある、ということです。逆に言えば、最初に指示書を30分かけて読み込んでおけば、その後の作業は驚くほどスムーズに進みます。急がば回れが、そのまま当てはまる仕事でした。

始めるための5ステップ

順番に書きます。この通りに進めれば、1週間から2週間で最初の案件に応募できます。

ステップ1. 環境を整える

パソコン、マウス、安定した通信環境。この3つを確認します。すでに持っているなら、追加の出費はゼロで始められます。

あわせて、パソコンの表示設定を見直してください。Windowsなら設定の「ディスプレイ」から拡大率を125%や150%に、文字サイズも大きくできます。この調整をするだけで、疲労がはっきり変わります。最初にやっておいてください。

ステップ2. 無料の練習で操作に慣れる

いきなり有償案件に応募する必要はありません。多くのプラットフォームには、練習用のテスト課題やチュートリアルが用意されています。まずはそこで、囲む、選ぶ、送信する、という一連の操作を体で覚えてください。

所要時間は1時間もあれば十分です。ここを飛ばして本番に入ると、操作に気を取られてミスが増えます。

ステップ3. 在宅ワークの募集サイトに登録する

登録は無料が基本です。料金を請求されるサイトは、その時点で候補から外してください。

プロフィールを書くときのポイントは2つあります。ひとつは、年齢を隠さないこと。「70代」と書いても不利になりません。もうひとつは、前職の分野を書くこと。医療、建設、製造、農業。こうした業界経験は、その分野の画像を扱う案件で明確な武器になります。レントゲン画像、建設現場の写真、農作物の状態判定。専門知識のある作業者は常に不足しています。

ステップ4. 小さい案件から受ける

最初は必ず、半日で終わる規模を選んでください。「画像100枚」「分類作業のみ」といった案件です。

目的は報酬ではなく、応募から納品までの流れを一巡させることです。応募する、採用の連絡が来る、ガイドラインを受け取る、作業する、提出する、検収結果が返ってくる。この流れを1回経験すると、次からの不安が大きく減ります。

ステップ5. 検収結果を必ず確認して、次に反映する

ここを飛ばす人が多いのですが、最も重要なステップです。

差し戻しやフィードバックが来たら、必ず理由を確認してください。同じ指摘を2回受けなければ、評価は上がっていきます。逆に、指摘を読まずに次の案件に進むと、いつまでも単価の低い案件から抜け出せません。

継続依頼につながるかどうかは、ここで決まります。

年金・税金・保険はどうなるか

70代の方が最も気にされる部分です。整理します。

年金は基本的に減らない

年金が減額される仕組みは、在職老齢年金といいます。これは会社などに雇用され、厚生年金に加入しながら働く方が対象です。給与と老齢厚生年金の合計が基準額を超えると、超過分の半分が支給停止になります。基準額は毎年度見直されており、直近では月51万円台の水準です。

在宅のタグ付けは業務委託契約で受けるのが一般的で、雇用ではありません。厚生年金に加入しないため、原則としてこの仕組みの対象外です。つまり、タグ付けの収入を理由に年金が止まることは基本的にありません。

ただし契約の形態によって扱いが変わる場合もあるため、正確な判断が必要なら日本年金機構の窓口で確認してください。相談は無料です。

税金は年20万円が目安

公的年金等の収入が年400万円以下で、かつ年金以外の所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要とされています。確定申告不要制度と呼ばれる仕組みです。

タグ付けの報酬から必要経費(マウス代、モニター代、通信費の按分など)を引いた金額が20万円を超えるかどうかが判断の分かれ目になります。なお、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になることがあります。詳細な条件は国税庁のサイトで確認できます。

見落とされがちなのが保険料と窓口負担

ここは他の記事があまり書かないので、あえて取り上げます。

業務委託で得た所得は、国民健康保険料や後期高齢者医療制度の保険料の算定に含まれます。つまり、収入が増えると保険料も上がる可能性があります。さらに重要なのが、医療費の窓口負担割合です。75歳以上の方は所得に応じて1割、2割、3割と区分が変わる仕組みになっており、所得の増加が負担割合の変更につながるケースがあります。

年間で数万円の収入を得たために、医療費の自己負担が増えて差し引きマイナスになる、という事態は理屈のうえでは起こり得ます。判定の基準額は制度改正で見直されることがあるため、収入が大きくなりそうな場合は事前に厚生労働省の公開情報やお住まいの自治体の窓口で確認しておくのが確実です。

なお、労災保険については、業務委託で働く方も特別加入という制度を使える場合があります。加入は特別加入団体を通じて行い、保険料は自己負担です。在宅のタグ付けで大きな労災リスクがあるとは言いにくいので必須ではありませんが、制度として存在することは知っておいて損はありません。

注意したい募集の見分け方

ここは必ず読んでください。判断基準は4つです。

判断基準1. 先にお金を払わせる募集は受けない

最も明確な線引きです。仕事を受けるのに、作業者側がお金を払う必要は一切ありません。

「専用ツールのライセンス購入が必要」「認定講座の受講が条件」「登録料として初回のみ費用がかかる」。こうした条件が付いていたら、その時点で見送ってください。3万円から50万円程度の教材費や講座代を提示してくる例が報告されています。仕事の紹介は入口で、商品を売るのが本体という構図です。

判断基準2. 相場から大きく外れた高報酬は疑う

「画像を1枚見るだけで500円」「1日1時間の作業で月20万円」。この分野の相場から明らかに外れています。

前述の相場を頭に入れておけば判断は簡単です。分類1件1円から10円、矩形1枚10円から100円。これが基準線です。数倍ならまだしも、数十倍の提示は成立しません。

判断基準3. 発注者の実体が確認できない募集は避ける

法人名、所在地、事業内容。これらが記載されていない、あるいは検索しても情報が出てこない相手とは契約しないでください。

やり取りをすぐに個人のメッセージアプリへ移そうとする相手も要注意です。プラットフォーム内のやり取りを避けたがるのは、記録を残したくないからです。取引の記録は、トラブルになったときに自分を守る唯一の証拠になります。

事業者と個人の取引に関するルールは公正取引委員会がフリーランス取引の考え方として公開しています。報酬の支払期日や取引条件の明示については、法律上の義務が定められているので、目を通しておく価値があります。

判断基準4. 契約条件が書面で示されない募集は受けない

作業内容、報酬額、支払日、納期。この4つが事前に文字で提示されない案件は避けてください。「やってみてから決めましょう」は、後で必ずもめます。

また、成果物の著作権や秘密保持について何も書かれていない案件も要注意です。画像データには顔や車のナンバーなど個人情報が含まれることがあり、扱いを誤ると責任を問われる可能性があります。NDA(エヌディーエー)の締結を求められる案件は、むしろ発注側がきちんとしている証拠だと考えてよいです。

運営者として見てきた、この市場の構造

フリーランス・在宅ワーク市場を20年運営してきた立場から、数字に出にくい観察を書きます。

長く続く方には共通点があります。単発の作業をこなすことより、「この人に任せると楽だ」と思われる関係づくりに時間を使っている点です。具体的には、疑問点を作業前にまとめて質問する、納期より少し早く出す、次に対応できる日を先に伝える。派手なことは何もしていません。ただ、こういう方には同じ発注者から二度目、三度目の依頼が来ます。この差が、半年後の収入に決定的に効きます。案件を探し続ける消耗から解放されるからです。

もうひとつ、お金の流れの話をします。在宅の仕事は、間に何社入るかで手取りが大きく変わります。発注者が1万円を出していても、仲介が2社挟まれば作業者に届くのは7,000円を切ることも珍しくありません。ここが手数料0%の直接取引になると、同じ予算で発注者はより多くを依頼でき、受け手の手取りは厚くなります。運営者として見てきた限りでは、この構造の差は単価交渉を頑張ることよりはるかに大きく効きます。単価が10%上がるより、差し引かれる手数料が20%消える方が、手元に残る金額は増えるからです。特にタグ付けのように1件あたりの単価が小さい仕事では、この差は無視できません。

独自データの考察:タグ付けを入口にして、どこへ向かうか

最後に、掲載職種のデータと関連記事から見える、現実的な組み立て方を整理します。

タグ付けは「入口」としては優秀、「終着点」としては不十分

この仕事の長所は、参入障壁の低さに集約されます。資格不要、専門知識不要、初期投資ほぼゼロ、年齢制限なし。この4条件が揃う在宅ワークは、実はそれほど多くありません。

短所は、収入の上限がはっきりしていることです。作業時間に比例する構造なので、量を増やす以外に伸ばす手段がない。そして量を増やせば目と体に負担が来ます。70代から始める場合、この点は正面から見ておくべきです。

したがって現実的な設計は、タグ付けで在宅ワークの流れに慣れながら、並行して別の軸を用意しておくこと、になります。

AI周辺の理解を深めると、隣接する仕事が見えてくる

タグ付けを続けていると、AIがどう作られているかが肌感覚で分かってきます。この理解は、実は市場価値のある知識です。

AIを業務にどう使うかを企業に助言する仕事や、AIを組み込んだ業務改善の支援は、需要が伸びている領域です。どんな仕事が発生しているかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事にまとめられており、案件の種類と求められる役割が具体的に書かれています。マーケティングやセキュリティと組み合わせた領域についてはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が参考になります。いずれもすぐに手が届く分野ではありませんが、タグ付けの延長線上に何があるかを知っておくと、学ぶ方向を選びやすくなります。

技術系の在宅職種がどの程度の水準にあるかを知りたい方にはソフトウェア作成者の年収・単価相場のデータが役立ちます。タグ付けとの単価差を見れば、スキルの積み上げが何をもたらすかが数字で分かります。

経験を売る側に回るという、もうひとつの道

70代の方にとって、実はこちらの方が合理的な場合が多いです。

40年、50年の職業経験は、それ自体が商品になります。教える形にすれば、作業時間ではなく蓄積で報酬が決まるため、体への負担が小さい。オンライン講座のプラットフォームを使えば、一度作った教材が繰り返し購入される形も作れます。準備の手順や向いているテーマの選び方はシニアのオンライン講座開業|Udemyやストアカで教える方法で詳しく解説しています。

個別に相談を受ける形が向いている方には、コンサルティングという選択肢もあります。特定業界の実務経験は、その業界に参入したい企業にとって高い価値を持ちます。長年の経験を案件の形にどう翻訳するかはシニアのコンサルティング副業|長年の業界経験を高額案件に変えるにまとまっています。

パソコン操作の土台をもう少し固めたい方は50代の転職に役立つWebスキル|未経験でも身につくIT技術5選を確認してください。タイトルは50代向けですが、扱っている内容は年齢を問わず在宅ワークの基礎になるもので、何から手をつけるべきかの優先順位が整理されています。

判断の基準は、金額ではなく「来年も続いているか」

最後に、選ぶときの軸をひとつだけ示します。「これを来年の今頃も続けていられるか」という問いです。

単価が高くても、目が痛くなる作業は続きません。逆に、単価が平凡でも、朝の1時間だけ集中して取り組めて、納品すると評価が返ってくる仕事は、驚くほど長く続きます。タグ付けは後者に近い性質を持っています。派手さはありませんが、体力の衰えに左右されず、家の中で完結し、成果が数字で見える。

70代からの在宅ワークは、収入を最大化する競争ではありません。生活のリズムを保ち、社会とのつながりを持ち、そこに現金収入が加わる。この3つが揃った状態を維持できれば、それが最適解です。まずはパソコンの表示設定を大きくして、練習課題を1件やってみるところから始めてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月12日最終更新:2026年8月5日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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