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ウェブ解析士認定試験の出題範囲と、受験前に押さえる準備

@SOHO編集部
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ウェブ解析士認定試験の出題範囲と、受験前に押さえる準備

この記事のポイント

  • ✓ウェブ解析士認定試験の出題範囲を
  • ✓公式テキストの8つの章に沿って整理しました
  • ✓テキストが毎年1月に改訂される点

Webサイトのアクセスの数字を見る機会は増えたものの、その数字が良いのか悪いのか、次に何をすればよいのかが分からない。Webの制作やマーケティングの仕事をしていると、こうした壁に当たることがあります。そこで、データをもとに改善を提案する力を体系的に身につけようと、ウェブ解析士認定試験を調べる人が増えています。

ウェブ解析士は、一般社団法人ウェブ解析士協会が認定する民間資格です。公式テキストの内容に沿って出題される試験で、オンラインで受験できるため、在宅で働く人や、仕事をしながら学ぶ人にも受けやすい資格です。ただ、テキストは毎年1月に改訂され、合格した後にも資格を維持するための条件があるなど、受験の前に知っておきたい点がいくつかあります。

この記事では、ウェブ解析士認定試験の出題範囲を、公式テキストの章に沿って整理します。そのうえで、試験の形式、受験料と講座の費用、学習時間の目安、テキストの改訂の時期、合格後の資格維持の条件を、主催団体の案内で確かめた内容で説明します。受験前の準備の進め方と、資格を在宅の仕事に活かす道までまとめました。

ウェブ解析士とはどんな資格か

ウェブ解析士は、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が認定する資格です。協会の公式サイトでは、ウェブ解析士を次のように説明しています。

ウェブ解析士は、あらゆるデータを活用して事業の成果に貢献できる人材を認定する資格。 出典: 一般社団法人ウェブ解析士協会「ウェブ解析士とは」

ここで言う「ウェブ解析」とは、Webサイトのアクセスの数字を集計することだけを指すのではありません。事業の目標を決め、その目標に向けてどんな数字を見ればよいかを設計し、データを読み取って改善の施策を考え、その効果を確かめる、という一連の流れ全体を指しています。

資格は3つの段階に分かれています。公式サイトでは、ウェブ解析士を「基礎知識の習得」、上級ウェブ解析士を「実践力の獲得」、ウェブ解析士マスターを「指導力の確立」と位置づけています。上級ウェブ解析士の講座に申し込むには、ウェブ解析士の資格が必要と案内されているので、まずはウェブ解析士の認定試験に合格することが出発点になります。

なお、ウェブ解析士は国家資格ではなく、合格しないとできない仕事があるわけではありません。資格は、Webのデータの扱い方を体系的に学んだことを示す材料として、また、学ぶ範囲を決める道しるべとして役立ちます。

試験の形式と費用

公式サイトに書かれている試験の形式と費用を整理します。

項目 内容
試験形式 4択の選択式問題
問題数 60問
試験時間 60分
受験方法 オンライン受験。インターネット環境のあるパソコンを使う
受験できる日時 申し込んだ試験の受験期間内の、都合のよいタイミング
結果の発表 試験終了の直後に合否が判定される
使用教材 公式テキストの内容に沿って出題される
受験料 17,600円(税込・認定費用込)

試験はオンラインで行われ、試験の日程と申し込みのページで受験期間を選んで申し込みます。申し込んだ受験期間の中であれば、自分の都合のよいときに受けられます。試験会場に出向く必要がないので、在宅で働く人や、子育てや介護で外出の時間が限られる人にとって受けやすい形式です。受験に必要なパソコンの環境などの条件は、試験の案内のページで確かめるよう書かれています。

公式サイトのよくある質問では、試験には公式テキストを持ち込めると案内されています。ただし、60分で60問を解くので、1問にかけられる時間は平均で1分です。テキストを開いて答えを探しながら解く時間はほとんどないと考え、テキストの内容を理解したうえで試験に臨むことが大切です。

費用は、認定講座を受けるかどうかで変わります。公式サイトに示されている費用は次のとおりです(いずれも税込)。

費用 認定講座を受ける場合 認定講座を受けない場合
公式テキスト 4,400円 4,400円
講座費用 11,000円 なし
試験費用(認定費用込) 17,600円 17,600円
合計 33,000円 22,000円

認定講座の受講は任意で、講座を受けずに試験だけを申し込むこともできます。反対に、講座に申し込んだだけでは試験を受けられず、講座の受講だけでは認定も受けられないと案内されています。講座を受ける場合も、試験は別に申し込む必要があります。

出題範囲:公式テキストの8つの章

ウェブ解析士認定試験は、公式テキストの内容に沿って出題されます。公式サイトに掲載されている公式テキストの章立ては、次の8つです。

章 題名 主に学ぶこと
第1章 ウェブ解析と基本的な指標 ウェブ解析の目的、アクセス解析で使う基本の数字の意味
第2章 事業戦略とマーケティング解析 事業の目標と、それを支えるマーケティングの考え方
第3章 デジタル化戦略と計画立案 デジタルを使った戦略の立て方、計画の作り方
第4章 ウェブ解析の設計 目標に合わせて、何をどう測るかを設計する方法
第5章 インプレッションの解析 広告やSNSなど、人の目に触れる段階の効果の測り方
第6章 エンゲージメントと間接効果 利用者との関係の深まりや、直接は見えにくい効果の捉え方
第7章 オウンドメディアの解析と改善 自社のWebサイトなどの分析と改善の進め方
第8章 ウェブ解析士のレポーティング 分析の結果を、意思決定する人に伝える報告の作り方

「主に学ぶこと」の列は、各章の題名から読み取れる内容を整理したもので、章の中身の詳細は公式テキストで確かめてください。公式サイトでは、学べる内容として、ウェブ解析の基本指標、KPI設計、事業分析、ユーザー行動分析、広告効果測定、コンテンツ分析、ソーシャルメディア分析、GA4の操作と活用、レポーティングなどが挙げられています。また、2025年版からは、生成AIの活用と評価も出題範囲に加わったと書かれています。

KPIとは、目標の達成に向けて、途中の進み具合を測るための数字のことです。たとえば、売上を伸ばすことが目標なら、サイトへの訪問数、商品のページを見た人の割合、購入まで進んだ人の割合などがKPIになります。ウェブ解析士の試験では、こうした数字の意味を知っているだけでなく、事業の目標からどの数字を見るべきかを考える力が問われます。

GA4とは、Googleが提供するアクセス解析の道具、Googleアナリティクスの現在の版のことです。Webサイトの訪問者の数や、どのページがどれだけ見られたか、どこから訪問者が来たかなどを調べられます。

章ごとの学び方のポイント

8つの章は、それぞれ性格が違います。章ごとに、学ぶときに意識したい点を整理します。

第1章のウェブ解析と基本的な指標は、試験全体の土台です。ここで出てくる数字の名前と意味があいまいなままだと、後の章の理解が進みません。用語の意味を、自分の言葉で説明できるまで繰り返し確かめておきます。

第2章の事業戦略とマーケティング解析、第3章のデジタル化戦略と計画立案は、Webの数字より手前にある、事業の考え方を扱う章です。Webの制作や運用の経験がある人ほど、この章を軽く見がちですが、ウェブ解析士の試験は「事業の成果に貢献する」ことを軸にしているので、出題の考え方の根っこにあたります。事業の目標から、Webで何を達成すべきかを考える流れを、例を挙げながら理解しておきます。

第4章のウェブ解析の設計は、目標に合わせて、何をどう測るかを決める章です。どの数字を目標にし、どの数字で途中の進み具合を確かめるのか、データを正しく集めるために何を準備するのか、という考え方が中心になります。実際の仕事で最も差がつく部分でもあります。

第5章のインプレッションの解析、第6章のエンゲージメントと間接効果は、広告やSNSなど、Webサイトの外での接点を扱う章です。広告がどれだけ表示されたか、どれだけクリックされたか、SNSの投稿がどれだけ反応を得たかといった数字に加え、直接は購入につながらなくても後の行動に影響する効果をどう捉えるかが問われます。

第7章のオウンドメディアの解析と改善は、自社のWebサイトや記事の分析と改善の章です。どのページで訪問者が離れているか、どの記事がよく読まれているかを見て、改善の打ち手を考える流れを学びます。

第8章のレポーティングは、分析の結果を、意思決定する人に伝える章です。数字を並べるだけでなく、何が起きていて、次に何をすべきかを伝える報告の作り方を学びます。仕事として解析を受けるときに、最も評価に直結する技能です。

仕事でよく使う指標の考え方

ウェブ解析の仕事では、いくつかの指標がよく使われます。試験の前に、代表的な指標の考え方を押さえておくと、テキストの理解が進みます。ここでは一般的な考え方を紹介します。正確な定義や、道具ごとの数え方の違いは、公式テキストや各道具の公式の説明で確かめてください。

指標 考え方 使う場面の例
コンバージョン数 購入、問い合わせ、資料の請求など、目標とする行動が起きた数 Webサイトの成果を測る
コンバージョン率(CVR) 訪問などの数に対して、目標とする行動が起きた割合 ページや広告の効率を比べる
CPA 目標とする行動1件を得るのにかかった広告費 広告の費用の効率を測る
ROAS 広告費に対して、どれだけの売上が得られたか 広告の投資の効果を測る
クリック率(CTR) 広告や検索結果が表示された数に対して、クリックされた割合 広告の文面やタイトルを比べる

たとえば、広告費が10万円で、問い合わせが20件あった場合、CPAは10万円を20件で割って5,000円です。同じ広告費で問い合わせが25件に増えれば、CPAは4,000円に下がります。こうした計算そのものは単純ですが、ウェブ解析の仕事で問われるのは、どの指標を目標にすべきかを事業の目的から判断することです。売上の利益が少ない商品なら、CPAを低く抑えることが大切になり、繰り返し購入される商品なら、1件のCPAが多少高くても、長い目で見て利益が出ることもあります。

指標を覚えるときは、名前と計算式だけでなく、「この数字が上がると、事業にとって何がよいのか」をセットで理解しておくと、試験でも仕事でも応用が利きます。

テキストの改訂の時期に注意する

受験の計画を立てるときに、特に注意したいのが、公式テキストの改訂の時期です。公式サイトでは、協会のカリキュラムは1月から12月の年度で変わり、テキスト、講座の内容、試験などは1月に一新されると案内されています。資格の取得を考えている場合は、同じ年の11月までに検討するよう勧めています。

これは、年をまたいで勉強を続けると、勉強に使っていたテキストと、試験が出題されるテキストの版が変わってしまうことがあるということです。たとえば、秋にテキストを買って勉強を始め、翌年の春に受験しようとすると、1月にテキストが改訂されて、出題の範囲や内容が変わる可能性があります。

テキストを買う時期と受験の時期は、同じ年の中に収まるように計画するのが確実です。年の終わりに近い時期に勉強を始める場合は、その年のうちに受験するか、1月の改訂を待って新しい版のテキストで勉強を始めるかを判断してください。

学習時間の目安と、準備の進め方

公式サイトでは、学習を始めてから資格を取るまでの目安として、ウェブ業界の経験者は1か月から1か月半(学習時間15時間から30時間)、ウェブ業界の未経験者は2か月から4か月(学習時間40時間から60時間)と示されています。テキストを読み込む時間が目安になると書かれています。

この目安をもとに、準備の進め方を整理します。

  1. 公式テキストを手に入れ、全体を通読する:まずは細部にこだわらず、8つの章の全体像をつかみます。
  2. 章ごとに精読する:用語の意味、数字の計算の仕方、考え方の流れを、ノートにまとめながら読みます。
  3. 実際のデータに触れる:自分のブログや、勤め先のWebサイトなど、触れられるデータがあれば、テキストで学んだ数字を実際に見てみます。
  4. 模擬問題や問題集で確かめる:公式サイトには模擬問題が用意されていて、公式テキストに準拠した問題集も出ています。解けなかった問題は、テキストの該当する箇所に戻って読み直します。
  5. 時間を計って解く練習をする:60分で60問を解く感覚をつかんでおきます。

ウェブ業界が未経験の人は、テキストに出てくる用語に慣れるまでに時間がかかります。分からない用語を一覧にして、意味を自分の言葉で書き出しておくと、理解が深まり、試験の直前の見直しにも使えます。

認定講座を受けるかどうか迷う場合は、自分の学び方を基準に考えます。公式サイトでは、講座は講師によって時間や進め方が違い、事前にテキストを予習していることが前提で進むと書かれています。テキストを1人で読み進めるのが苦手な人、講師の実務の話を聞いて理解を深めたい人、同じ目標を持つ人とつながりたい人には、講座が向いています。

試験当日の注意点

オンラインで受験する試験なので、当日に慌てないための準備も大切です。

まず、パソコンとインターネットの環境を確かめておきます。試験の案内のページで示されている条件に合っているか、通信が途中で途切れないかを、受験の前に確認します。家族が同じ回線で動画を見ていると通信が遅くなることもあるので、受験の時間帯には配慮してもらうとよいでしょう。

次に、時間の配分です。60分で60問なので、迷う問題に時間をかけすぎず、分かる問題から確実に答えていきます。公式テキストを持ち込めるとはいえ、テキストを開いて確かめられるのは、ごく一部の問題だけだと考えておきます。よく使う指標の定義や計算式のページには、付箋を貼っておくと、探す時間を短くできます。

合否は試験の終了直後に判定されます。公式サイトによると、資格が認定された後、1週間以内を目安に、オープンバッジ(デジタルの認定証)が登録したメールアドレスあてに発行され、PDFの認定証もダウンロードできると案内されています。

受験が向いている人と、受ける前に考えたいこと

ウェブ解析士の受験が特に役立つのは、次のような人です。

1つ目は、Webの制作やライティングの仕事をしていて、成果の測り方まで仕事を広げたい人です。作ったものがどう使われ、どんな成果につながったかを数字で示せるようになると、依頼主との関係が「作業の依頼」から「成果の相談」へと変わっていきます。

2つ目は、会社でWebサイトやSNSの担当を任されたものの、数字の見方を体系的に学んだことがない人です。アクセス解析の道具の画面は見られても、どの数字を重視すべきかが分からないという悩みは、テキストの前半の内容で解消できることが多くあります。

3つ目は、営業や企画など、マーケティングの担当者から報告を受ける立場の人です。報告の数字が何を意味するのかを理解できるようになると、判断の質が上がります。

一方で、受ける前に考えておきたいこともあります。ウェブ解析士は、特定の道具の操作の手順を細かく学ぶ資格ではなく、考え方の体系を学ぶ資格です。アクセス解析の道具の操作そのものを身につけたい場合は、道具の公式の学習教材や講座と組み合わせると効果的です。また、次の節で説明するとおり、資格の維持には毎年の年会費とフォローアップテストが必要です。費用と手間を含めて、自分の仕事に見合うかを考えてから受験を決めてください。

合格後に作っておきたい見本のレポート

資格を取った後、仕事として解析を受けるときに役立つのが、見本のレポートです。依頼主は、資格の名前よりも、実際にどんな報告を受け取れるのかを知りたがっています。

見本のレポートは、自分のブログや、自分で作った練習用のWebサイトのデータを使って作るのが安全です。依頼主や勤め先のデータは、許可なく見本に使えないので注意してください。

レポートには、次の流れを入れると、ウェブ解析士で学んだ内容が伝わります。

  1. 目的と目標:このサイトは何のためにあり、何を目標の数字にしているか。
  2. 期間の結果:目標の数字と、それを支える数字が、前の期間と比べてどう変わったか。
  3. 気づいたこと:数字の変化の理由として考えられること。
  4. 次の打ち手:気づいたことをもとに、次に試すべき改善の案と、その効果をどう確かめるか。

見本のレポートは、1回作って終わりにせず、月ごとに作り続けてみるのがおすすめです。前の月の打ち手が数字にどう表れたかを次のレポートで確かめる、という流れを何か月か続けると、改善を回す経験そのものが実績になります。依頼主に見せるときも、1枚のレポートより、数か月の改善の流れを示したほうが、仕事を任せたときの姿を思い描いてもらいやすくなります。

数字の表やグラフを並べるだけでなく、「気づいたこと」と「次の打ち手」を短い文章で添えることが、レポートの価値を決めます。

合格した後の資格維持の条件

ウェブ解析士は、一度合格すれば終わりの資格ではありません。公式サイトでは、資格を翌年度も継続するために、次の2つの条件を満たす必要があると案内されています。

  1. 年会費の支払い:初めて認定資格を取得して協会の会員になった場合、その年度の年会費は免除される。翌年度も続ける場合は、翌年度の年会費を前年中に支払う。
  2. フォローアップテストの合格:毎年のカリキュラムの改訂に伴う追加や更新の内容について、最新の知識に更新するためのテスト。受験料は無料で、合格するまで何度でも受けられる。毎年12月25日までの合格が求められる。

その年のうちに認定された人は、その年に行われる翌年度向けのフォローアップテストは受けなくてよいとされています。フォローアップテストに合格しなかった場合は、翌年度は資格を維持できず、オープンバッジも失効すると書かれています。資格を失った後に復帰を希望する場合は、ウェブ解析士から受け直す必要があるとも案内されています。

資格を取った後も、毎年の知識の更新が求められるのは、Webのマーケティングの道具や手法が変わり続けるからです。受験を考えるときは、合格した後の年会費とフォローアップテストの手間も含めて、資格を続けていけるかを考えておきます。年会費の金額は、協会の会員制度のページで確かめてください。

ウェブ解析士の知識を活かせる仕事

ウェブ解析士で学ぶ知識は、さまざまな仕事で活かせます。公式サイトでも、制作会社のWebディレクター、広告代理店の運用担当、フリーランスのマーケター、事業会社のマーケティング担当、ECサイトの運営、経営企画、営業職などが、資格を活かせる立場として挙げられています。

在宅や業務委託の仕事として受けやすいのは、次のような仕事です。

仕事 内容 ウェブ解析の知識が活きる場面
アクセス解析とレポートの作成 依頼主のWebサイトのデータを集計し、月ごとの報告書を作る 見るべき数字の選び方、報告の組み立て
Webサイトの改善の提案 データをもとに、ページの改善案を提案する 課題の見つけ方、施策の優先順位
広告の効果の測定 広告の成果を集計し、改善の方向を示す 広告の指標の意味、効果の測り方
SNSの運用と分析 投稿の反応を集計し、次の投稿の方針を考える SNSの指標、エンゲージメントの捉え方
記事の制作と効果の検証 Webの記事を書き、読まれ方を分析して改善する コンテンツの分析

Webの制作をしている人がウェブ解析の知識を身につけると、「作って終わり」ではなく、「作った後の成果を測り、改善を提案する」ところまで仕事を広げられます。公式サイトに掲載されている合格者の声にも、分析の結果をもとにした提案が、制作だけの依頼から運用の支援の契約につながったという内容があります。

上級ウェブ解析士に進むかどうかの判断

ウェブ解析士に合格した後、上級ウェブ解析士に進むかどうかは、どんな仕事をしたいかで判断します。公式サイトでは、上級ウェブ解析士は、KPIの設定、戦略の立案、提案書の作成を演習で身につける段階として位置づけられています。

Webのデータを読み取って、社内や依頼主に報告できればよいという人にとっては、ウェブ解析士の知識で十分なことも多くあります。一方、依頼主に対して改善の戦略を提案し、提案書を作って説明する立場で仕事をしたい人にとっては、上級ウェブ解析士で学ぶ演習の内容が役立ちます。

ウェブ解析士マスターは、講師として講座を開き、企業や教育機関で指導を行うことを目指す資格と案内されています。教える仕事に関心がある人の選択肢です。

どの段階に進む場合も、資格を取ること自体を目的にするのではなく、実際の仕事で使ってみることが大切です。ウェブ解析士の知識を使って小さな改善の提案を経験してから、上級に進むかどうかを判断しても遅くはありません。

会社員が副業として解析の仕事を受けるとき

ウェブ解析士の知識を活かして、会社員が副業でアクセス解析や改善の提案の仕事を受ける場合に、確かめておきたいことを整理します。

まず、勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめます。許可や届出が必要な会社もあります。勤め先と同じ業界の会社から仕事を受ける場合は、競業の制限にかからないかも確かめておきます。

次に、お金の手続きです。国税庁の案内によると、給与を1か所から受けていて年末調整を受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。

給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額( 給与所得 、 退職所得 を除く。)の合計額が20万円を超える人 出典: 国税庁 No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」

ここでいう所得とは、受け取った報酬から、仕事に使った道具や教材などの経費を差し引いた金額のことです。20万円以下で所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあるので、住んでいる市区町村の窓口で確かめてください。

業務委託で仕事を受ける場合は、2024年11月に施行されたフリーランス法により、仕事を頼む事業者に、仕事の内容、報酬の額、支払期日などを書面やメールで示すことが求められています。どの数字を、どの頻度で、どんな形で報告するのかを、作業を始める前に依頼主と取り決めておくと、後からの行き違いを防げます。

データを扱う仕事で気をつけること

ウェブ解析の仕事では、依頼主のWebサイトの利用者のデータを扱います。データの扱いには、法令と倫理の両面で注意が必要です。

1つ目は、アクセス権限の扱いです。依頼主のアクセス解析の道具に、自分のアカウントで閲覧の権限を付けてもらう形にし、パスワードの共有は避けます。必要以上の権限(設定を変える権限など)は受け取らないようにし、契約が終わったら権限を外してもらいます。

2つ目は、データの持ち出しです。依頼主のデータを、自分のパソコンに保存したり、許可なく外部のサービスに送ったりしないようにします。公式サイトでも、プライバシーや同意の扱いが分からないまま、データを生成AIに送ってしまう危うさが指摘されています。生成AIで分析を効率化する場合も、どのデータを送ってよいかを依頼主と事前に決めておきます。

3つ目は、利用者の情報の扱いに関する法令です。個人情報の扱いや、Webサイトから外部のサービスに利用者の情報を送る場合の決まりなど、Webの解析にかかわる法令があります。依頼主が法令にどう対応しているかを確かめ、判断に迷う点は、依頼主を通じて専門家に確かめてもらうようにしてください。

仕事のデータから見る、ウェブ解析の知識の活かし方

業務委託のマッチングを長く運営してきた立場から見ると、ウェブ解析の知識は、それ単独で仕事になるより、制作、執筆、広告、SNSの運用など、ほかの仕事と組み合わさって力を発揮することが多い知識です。記事を書く人が、読まれ方のデータを見て改善を提案できる。バナーを作る人が、クリックの数字をもとに次の案を出せる。こうした組み合わせが、依頼主にとっての選ぶ理由になっています。

制作の仕事と組み合わせる場合は、デザイナーの年収・単価相場で、デザインの仕事の報酬の傾向も確かめておくと、仕事の幅を広げるときの判断材料になります。執筆の仕事と組み合わせる場合は、実績の見せ方をWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、単価の上げ方をWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で扱っています。

分析の結果を報告書にまとめる力は、ビジネス文書の書き方とも深くかかわります。報告の形式や表現の基本を学びたい人は、ビジネス文書検定の内容も参考になります。

運営者として見てきた限りでは、長く依頼が続く人ほど、数字の報告を「結果の羅列」で終わらせていません。依頼主の目標に照らして、何が起きているのか、次に何をすればよいのかを、短い言葉で示しています。この一手間が「この人に任せると判断が早くなる」という信頼につながります。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くの分析や改善を頼め、受ける側も手取りが厚くなります。双方が得をする関係が、長い付き合いの土台になっていると感じます。

ウェブ解析の知識を活かせる仕事の広がりは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事でも、マーケティングの仕事の一部として紹介しています。

よくある質問

Q. ウェブ解析士認定試験はどんな形式で行われますか?

4択の選択式で60問、試験時間は60分です。インターネット環境のあるパソコンを使ってオンラインで受験し、申し込んだ受験期間内の都合のよいときに受けられます。合否は試験終了の直後に判定されます。試験は公式テキストの内容に沿って出題され、公式テキストの持ち込みもできます。

Q. ウェブ解析士の取得にはどのくらいの費用がかかりますか?

公式サイトの案内では、公式テキストが4,400円、試験費用が認定費用込みで17,600円で、講座を受けない場合は合計22,000円です。任意の認定講座を受ける場合は講座費用11,000円が加わり、合計33,000円になります。いずれも税込で、合格後は資格を維持するための年会費もかかります。

Q. 勉強はどのくらいの期間が必要ですか?

公式サイトでは、ウェブ業界の経験者は1か月から1か月半で学習時間15時間から30時間、未経験者は2か月から4か月で学習時間40時間から60時間が目安とされています。テキストは毎年1月に改訂されるので、テキストを買う時期と受験の時期を同じ年の中に収めると確実です。

Q. ウェブ解析士は一度合格すればずっと有効ですか?

資格を翌年度も続けるには、年会費の支払いと、毎年のフォローアップテストの合格が必要です。フォローアップテストは無料で何度でも受けられ、毎年12月25日までの合格が求められます。合格しなかった場合は翌年度は資格を維持できず、復帰するにはウェブ解析士から受け直す必要があります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月7日最終更新:2026年10月20日
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