動画の言語別ローカライズ費用|海外向けにテロップと音声を作り直す 2026


この記事のポイント
- ✓動画ローカライズの費用相場を字幕・吹き替え・多言語対応別に解説
- ✓翻訳会社と直接依頼の料金差
- ✓失敗しない外注先の選び方まで発注者目線でまとめました
海外向けに動画を展開したいが、動画ローカライズの費用がいくらかかるのか見当がつかない。そう感じている担当者は多いはずです。結論から言うと、動画ローカライズの費用は1分あたり1万円〜5万円が目安で、字幕か吹き替えか、対応言語数、動画の専門性によって数倍単位で変動します。この記事では、料金の内訳、費用を左右する要因、翻訳会社とフリーランスへの直接依頼の違いを、発注者が意思決定できる粒度で解説します。
動画ローカライズの費用相場|市場全体の動向
動画ローカライズ市場は、企業の海外展開需要とグローバル動画配信の拡大を背景に伸び続けています。BtoB企業の製品紹介動画、ECサイトの商品PR動画、研修動画、YouTubeチャンネルの多言語展開など、ローカライズの対象は年々広がっています。特にEC事業者にとっては、海外マーケットプレイスへの出店拡大に伴い、商品説明動画の多言語化が売上に直結する投資として認識され始めています。
料金相場という点では、次の一次情報が参考になります。
動画の翻訳・ローカライズのさまざまなメリットを踏まえて、事業展開のために動画をローカライズすると決め、ターゲット地域を絞り込んだら、次は、どのようなアプローチで動画をローカライズすべきか、最善の方法を検討します。そこで浮上してくるのがコストの問題です。動画の翻訳・ローカライズには、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか。コストを左右する要因には以下が挙げられます。 出典: crimsonjapan.co.jp
多くの発注者が最初につまずくのは、見積もりを取っても「何にいくらかかっているのか」が分からない点です。翻訳会社の見積書には、翻訳費・字幕制作費・ナレーション費・音声編集費・プロジェクト管理費など複数の項目が並び、内訳を理解しないまま総額だけで判断してしまうケースが少なくありません。まずは費用の構成要素を分解して理解することが、適正価格で発注するための第一歩です。
動画ローカライズの費用を左右する6つの要因
動画ローカライズの費用は、単純に「動画の長さ×単価」では決まりません。以下の6つの要因が組み合わさって最終的な見積もり額が決まります。
1. 動画の長さと単語数
もっとも基本的な変動要因は動画の長さです。翻訳会社の多くは、動画の分数、または書き起こしテキストの単語数・文字数を基準に料金を設定しています。10分の動画と60分の動画では、単純計算で6倍の差が出るのが一般的です。ただし、長尺になるほど1分あたりの単価が下がるボリュームディスカウントを適用する会社も多く、まとまった本数を依頼する場合は交渉の余地があります。
2. 字幕、ナレーション、吹き替えのどれを選ぶか
ローカライズの手法は大きく3つに分かれ、費用感が大きく異なります。
・字幕のみ:原音声はそのまま残し、翻訳したテロップを載せる方式。もっとも安価で、1分あたり1万円〜2万円程度が目安です。 ・ナレーション(吹き替えの簡易版):原音声を消して、翻訳した音声を上から被せる方式。ナレーターの手配費用が加わるため、1分あたり2万円〜4万円程度になります。 ・本格的な吹き替え:リップシンク(口の動きに合わせた台詞調整)まで行う方式で、映像制作会社が対応することが多く、1分あたり4万円〜10万円以上かかることもあります。
社内研修動画や説明会向けの資料であれば字幕で十分なケースが多く、逆にブランドイメージを重視するCM的な動画では吹き替えが選ばれる傾向があります。目的に対して過剰な手法を選ばないことが、コストを抑える最初のポイントです。
3. 対象言語による価格の違い
言語によって単価は大きく異なります。英語や中国語(簡体字)は対応できる翻訳者・ナレーターの母数が多いため比較的安価ですが、対応者が少ない言語(例えば東南アジアの一部言語や北欧言語)は単価が高くなる傾向があります。また、1本の動画を5言語に展開する場合、単純に5倍の費用がかかるわけではなく、書き起こし・タイムコード付け(動画内のセリフの開始と終了のタイミングを記録する作業)といった共通工程は1回で済むため、言語数が増えるほど1言語あたりの単価はやや下がる構造になっています。
4. 専門性の高さ
医療機器の説明動画、金融商品の解説動画、法律関連の研修動画など、専門用語が多い分野は、専門知識を持つ翻訳者を起用する必要があり、単価が上がります。逆に、一般消費者向けの商品紹介動画のような平易な内容は、比較的安価な単価で対応可能です。発注前に「この動画にはどの程度の専門性が求められるか」を整理しておくと、見積もり時のミスマッチを防げます。
5. プロジェクト管理費
翻訳会社に依頼する場合、翻訳者・ナレーター・エンジニアの手配や進行管理を行うディレクション費用が、総額の10%〜20%程度上乗せされるのが一般的です。この管理費は、複数の専門職を束ねて納期通りに納品する対価であり、翻訳会社を使う最大の理由でもあります。一方で、発注者自身がある程度スケジュール管理できる体制がある場合、この管理費を払わずに済む依頼方法も存在します。詳しくは後述します。
6. 品質保証(チェック)工程
翻訳完了後にネイティブチェッカーが内容を確認する工程や、字幕の表示タイミングを最終調整する工程を挟むかどうかでも費用が変わります。品質保証を厚くするほど費用は上がりますが、海外向けに公開する動画で誤訳や不自然な表現があると、ブランドイメージを損なうリスクがあるため、一定の品質保証費用は必要経費と捉えるべきです。
動画ローカライズの費用相場一覧
上記の変動要因を踏まえた上で、実務でよく参照される料金レンジを整理すると、次のような一次情報が参考になります。
多言語対応の動画制作にかかる費用は、動画の長さ、言語数、翻訳の難易度、ナレーションの有無などによって大きく変動します。おおよその相場としては、1言語あたり5万〜15万円前後が一般的ですが、クオリティを求めるほど費用も高くなります。 出典: techsphere.co.jp
これを踏まえ、依頼形態別のおおよその相場を整理すると以下のようになります。
・5分程度の商品紹介動画、字幕のみ、1言語:3万円〜8万円 ・10分程度の研修動画、字幕のみ、3言語展開:15万円〜30万円 ・5分程度のCM動画、吹き替え、1言語:10万円〜30万円 ・30分以上の長尺セミナー動画、字幕のみ、1言語:20万円〜50万円
もちろんこれはあくまで目安であり、依頼先や動画の内容によって変動します。重要なのは、複数の見積もりを取った上で、内訳を比較する習慣を持つことです。
翻訳会社に頼むか、フリーランスに直接依頼するか
動画ローカライズの依頼先は、大きく分けて「翻訳会社・映像制作会社」と「フリーランスの翻訳者・ナレーター個人」の2つがあります。この選択は費用に直結する重要な判断ポイントです。
翻訳会社に依頼するメリットとデメリット
翻訳会社は、翻訳者・ナレーター・字幕エンジニアをワンストップで手配し、進行管理まで担ってくれる点が最大のメリットです。特に複数言語への同時展開や、リップシンクを伴う本格的な吹き替えなど、複数の専門職が関わる案件では、会社に一括で依頼した方が結果的にスムーズです。
一方でデメリットは、前述したプロジェクト管理費が上乗せされる点です。この管理費は会社によって幅がありますが、総額の10%〜20%、場合によってはそれ以上が中間マージンとして加算されます。これは会社の運営コストとして当然の構造ではありますが、発注者からすると「実際に作業している翻訳者・ナレーターへの支払い」以外に、仲介の対価を払っていることになります。
フリーランスへ直接依頼するメリットとデメリット
一方、字幕のみのシンプルな案件や、すでに翻訳会社を通した経験があり進行管理のノウハウがある発注者であれば、翻訳者やナレーターに直接依頼する選択肢が有効です。中間マージンが発生しないため、同じ予算でより高い品質の翻訳者に依頼できたり、同じ翻訳者への依頼でも総額を抑えられたりします。手数料が上乗せされないぶん、依頼者はより多くの言語展開や追加チェック工程に予算を回せる、あるいは受け手であるフリーランス側の手取りが厚くなるという、双方にとって合理的な構造です。
デメリットとしては、発注者自身が進行管理を担う必要がある点、複数言語や複雑な吹き替え案件では複数の専門職を個別に探して調整する手間がかかる点が挙げられます。ただし、字幕制作(あるいはナレーション読み上げ)のみのシンプルな案件であれば、この手間は限定的です。
私自身、以前クライアントの動画ローカライズを手配した際、最初は大手の翻訳会社3社から見積もりを取り、総額の差に驚いた経験があります。同じ10分の動画、同じ2言語展開の条件で、見積もり額に2倍近い開きがありました。内訳を確認すると、安価な会社は翻訳者への支払いを抑えている一方、高額な会社は品質保証工程を手厚く積んでいることが分かりました。安さだけで選んで、後から字幕のタイミング調整に追加費用がかかり、結果的に高い会社とほぼ同額になってしまったのは反省点でした。この経験から、見積もりは総額だけでなく必ず内訳まで比較する、というのが今の自分のルールになっています。
動画ローカライズを依頼する流れ
実際に発注する際の一般的な流れを整理します。
ステップ1:目的とターゲット言語の明確化
まず、どの国・地域向けに展開するのか、字幕で十分か吹き替えが必要かを整理します。ここが曖昧なまま見積もりを依頼すると、後から手法変更が発生し、追加費用の原因になります。
ステップ2:素材の準備
原稿(台本)がある場合は共有し、ない場合は書き起こしから依頼する必要があります。書き起こし作業も別途費用がかかることが多いため、事前に確認しておきましょう。
ステップ3:複数箇所への見積もり依頼
翻訳会社2〜3社、必要であればフリーランスにも同時に見積もりを依頼し、総額だけでなく内訳(翻訳費・ナレーション費・エンジニアリング費・管理費)を比較します。
ステップ4:サンプル確認
特にナレーションを伴う案件では、声質・読み上げのトーンが動画の印象を大きく左右します。契約前に音声サンプルを確認できるか必ず聞いておきましょう。
ステップ5:納品とチェック
納品後は、対象言語のネイティブ、あるいは社内に対象言語話者がいれば必ず内容を確認します。海外向けに公開する前の最終チェックは省略しないことが重要です。
動画ローカライズで失敗しないための注意点
発注時によくある失敗パターンとその対策を整理します。
追加費用が後から発生する
見積もり時点では「字幕制作のみ」の金額しか提示されず、後から書き起こし費用、タイムコード調整費用、修正回数超過分の追加費用が発生するケースがあります。見積もり依頼時に「追加費用が発生する条件」を必ず確認しておくことが重要です。
修正回数の制限を確認していない
多くの翻訳会社・フリーランスは、修正対応の回数に上限を設けています(例えば無料修正は2回まで、それ以降は追加費用)。この条件を事前に確認せず、何度も修正依頼を出して想定外の追加費用が発生するケースは少なくありません。
専門用語の対訳リストを用意していない
自社独自の製品名や専門用語がある場合、対訳リスト(用語集)を事前に用意しておかないと、翻訳者が独自に訳語を選定し、後から用語の不統一を指摘するやり直しが発生します。特に複数の動画をシリーズで展開する場合、初回に用語集を整備しておくと、2本目以降の修正コストを大きく削減できます。
動画ローカライズ以外にも外注できる業務範囲
動画ローカライズは、多くの場合、企業のマーケティング・広報活動の一部として発生します。関連する業務を外部に依頼する際は、業務範囲ごとに適した依頼先を選ぶことが重要です。例えば、動画コンテンツの企画や記事制作を含む広報活動全般であればAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介されているような専門人材への依頼が参考になりますし、社内システムと連携した動画配信の仕組みづくりが必要であればアプリケーション開発のお仕事で扱う開発案件の外注も選択肢になります。また、動画制作全般をどこまで内製化し、どこから外注に切り替えるべきか判断に迷う場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のような業務設計の相談から始めるのも一つの方法です。
動画ローカライズを担う人材の単価相場
動画ローカライズに関わる翻訳者・編集者の単価相場を知っておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。翻訳・編集の専門職としての単価水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で公開されている年収・単価データが参考になります。また、動画配信の仕組みや自動翻訳ツールとの連携を含めた開発案件を依頼する場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場のデータも依頼額の目安として役立ちます。
独自データからの考察
在宅ワーク求人サイトを長年運営してきた立場から見えてくるのは、動画ローカライズのような「複数の専門職が関わる複合案件」ほど、発注者が中間コストの構造を理解していないケースが多いという点です。翻訳、ナレーション、字幕エンジニアリング、品質チェックという複数の工程それぞれに、別々の専門家が関わっています。翻訳会社に一括発注すれば、その調整をすべて代行してもらえる代わりに、調整コストが価格に上乗せされます。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く付き合いが続く発注者ほど、単発の作業だけを切り出して依頼するのではなく、初回の案件で「この人(または会社)に任せると楽」という関係を作ることに時間をかけています。動画ローカライズも同様で、初回だけ複数社に相見積もりを取って比較検討し、信頼できる依頼先が見つかったら、2本目以降は用語集や過去の翻訳データを共有しながら継続発注する方が、結果的に単価も品質も安定します。
もう一つの観察は、中間マージンの構造そのものについてです。仲介会社を通す依頼では、実際に手を動かす翻訳者やナレーターへの支払いに加えて、仲介の管理費が上乗せされます。この構造自体は否定されるべきものではありませんが、字幕制作のみのようなシンプルな案件では、発注者がフリーランスへ直接依頼することで、中間マージンが発生しない分、同じ予算でより手厚い品質チェックに回せたり、受け手側の手取りが厚くなったりします。手数料0%で直接つながる仕組みは、金額の大小ではなく、双方にとっての「取り分の質」を変える構造だと捉えるべきです。発注者は同じ予算でより多くを頼め、受け手はより多くの手取りを得られる。この双方が得をする関係性こそが、直接取引の本質的なメリットだと考えています。
動画ローカライズの費用相場は、字幕のみで1分あたり1万円〜2万円、吹き替えを含めると1分あたり4万円〜10万円という大きな幅があります。この幅の中でどこに位置するかは、動画の目的、対応言語数、そして依頼先の選び方によって大きく変わります。まずは複数の見積もりを取り、内訳を比較すること。そして、シンプルな案件であれば中間マージンのない直接依頼という選択肢も検討すること。この2点を押さえるだけで、動画ローカライズの費用対効果は大きく改善します。
よくある質問
Q. 動画ローカライズの費用相場はどのくらいですか?
字幕のみなら1分あたり1万円〜2万円、ナレーションを含む場合は2万円〜4万円、本格的な吹き替えでは4万円〜10万円程度が目安です。対応言語数や専門性の高さによっても変動します。
Q. 翻訳会社とフリーランスへの直接依頼、どちらが安いですか?
一般的にフリーランスへの直接依頼の方が、翻訳会社が上乗せする10%〜20%程度のプロジェクト管理費がかからない分、総額を抑えやすい傾向があります。ただし進行管理は発注者自身が担う必要があります。
Q. 動画ローカライズで追加費用が発生しやすいのはどんな場合ですか?
書き起こし作業、タイムコード調整、修正回数の超過などは見積もり時点で含まれていないことが多く、後から追加費用として発生しやすい項目です。契約前に条件を確認しておくことが重要です。
Q. 字幕とナレーション、どちらを選ぶべきですか?
社内向け研修動画や説明資料であれば字幕で十分なケースが多く、対外的なブランドイメージを重視するCMやプロモーション動画では吹き替えやナレーションが選ばれる傾向があります。目的に応じた手法選びが費用を抑える鍵です。
無料で案件を掲載する
入力は3分ほど。掲載料も取引手数料も0円です。@SOHOに登録しているフリーランス・副業ワーカーから、早ければ当日中に最初の応募が届きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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