野菜の収穫パートの仕事内容と、扶養内やシニアで働くときの探し方


この記事のポイント
- ✓野菜の収穫パートを考えている人向けに
- ✓作物ごとの作業の中身と1日の流れ
- ✓扶養内で働くときの収入の目安(令和8年分の税と社会保険)
野菜の収穫パートを探している人の多くは、「近所の畑やハウスで、決まった時間だけ働けないか」と考えています。子育ての合間に働きたい人、配偶者の扶養の範囲で収入を得たい人、定年後に体を動かす仕事を探しているシニアの人にとって、朝の数時間だけの収穫の仕事は選びやすい働き方です。
この記事では、野菜の収穫パートの仕事の中身と1日の流れ、求人の探し方、扶養の範囲で働くときに知っておきたい令和8年分の税と社会保険の数字、シニアが働くときの注意点、農家に雇われる場合ならではの雇用保険や社会保険の扱い、暑さへの備えを、国税庁、日本年金機構、法令の記載をもとに整理します。結論を先に書くと、配偶者控除の対象になる給与収入の基準は令和8年分から136万円以下に変わり、健康保険の被扶養者の基準は原則として年間収入130万円未満(60歳以上は180万円未満)です。個人経営の農家に雇われる場合は、会社に雇われる場合と社会保険の扱いが違うことがあります。
野菜の収穫パートはどんな仕事か
野菜の収穫パートは、農家や農業法人の畑やハウスで、実った野菜を収穫し、運び、出荷できる形に整える仕事です。求人サイトで「野菜 収穫」と調べると、小松菜、なす、キャベツ、トマト、ミニトマト、きゅうり、ブロッコリー、大根など、地域ごとの作物の名前が並びます。
求人ボックスに掲載された愛知県豊橋市の求人の一つは、仕事の中身を次のように紹介しています。
【仕事内容】農家で働こう!未経験者も大歓迎です! 紹介先の就業形態は パート・アルバイトになります 農業用ハウス内で小松菜の収穫...小松菜の収穫・荷造り作業野菜,豊橋市,アルバイト・パート 出典: 求人ボックス
この例のように、収穫の仕事は「収穫」だけで終わらず、「荷造り」「袋詰め」「選果」「パック詰め」といった出荷の準備まで含むことが多くあります。選果とは、大きさや形、傷の有無で野菜を分ける作業のことです。収穫は畑やハウスでの作業、荷造りや選果は作業場での作業になるので、体の使い方も変わります。
働き方は、週2〜3日、1日数時間から入れる募集がある一方で、収穫の最盛期だけの短期の募集もあります。野菜は収穫の時期が作物ごとに決まっているので、1年を通して同じ量の仕事があるとは限りません。応募の前に、どの季節にどれくらいの仕事があるかを確かめることが大切です。
料理にたとえると、収穫は素材を集める段階、荷造りや選果は下ごしらえの段階です。どちらが欠けても食卓に届く野菜にはなりません。自分が得意なのはどちらの段階かを考えておくと、応募先を選びやすくなります。
作物によって変わる作業の中身
野菜の収穫といっても、作物によって作業の姿勢、使う道具、1日の流れが大きく違います。代表的な作物の特徴を整理します。
| 作物の種類 | 主な作業 | 体への負担の特徴 |
|---|---|---|
| 葉物(小松菜、ほうれん草など) | 根元を切って収穫し、束ねて袋に詰める | しゃがむ、前かがみの姿勢が続く |
| 実もの(トマト、なす、きゅうりなど) | ハウスの中で実を1つずつ摘み取る。芽かきなどの手入れもある | 立ち仕事が中心。夏のハウスは暑い |
| 重量野菜(キャベツ、大根、白菜など) | 包丁や鎌で切り、コンテナに入れて運ぶ | 重い物を持ち上げる。腰への負担が大きい |
| 根菜(にんじん、じゃがいもなど) | 機械で掘り上げたあとに拾い集める、選別する | 前かがみの姿勢と運搬 |
扶養の範囲で短い時間だけ働きたい人や、体力に不安のあるシニアの人には、作業場での袋詰めや選果、ハウスの中での実ものの摘み取りなど、重い物を運ぶ作業が少ない仕事が向いています。反対に、体を動かすことが好きで、まとまった時間働きたい人は、キャベツや大根のような重量野菜の収穫で力を活かせます。
求人票に「収穫・管理作業」「栽培管理」と書かれている場合は、収穫だけでなく、水やり、草取り、芽かき、誘引(茎をひもで支える作業)などの手入れも仕事に含まれます。収穫の時期以外にも仕事がある一方、作業の幅が広くなります。
1日の流れの例
野菜の収穫は、朝の早い時間に行うことが多い仕事です。気温が上がる前に収穫すると、野菜がしおれにくく、働く人の体の負担も小さいためです。一般的な1日の流れの例は次の通りです。
| 時間の目安 | 内容 |
|---|---|
| 早朝〜朝 | 集合。その日の作業と収穫する量の説明を受ける |
| 午前 | 畑やハウスで収穫。こまめに休憩と水分補給 |
| 昼前 | 収穫した野菜を作業場に運び、荷造りや選果 |
| 昼 | 作業終了、または休憩をはさんで午後の作業 |
短時間の募集では、朝から昼前までの3〜4時間だけの勤務もあります。子どもを送り出してから働きたい人は、始業の時刻が合うかを確かめます。収穫の量はその日の野菜の育ち具合で変わるため、終わりの時刻が前後することもあります。
雨の日は、畑での作業が止まることがあります。ハウスの中の作業や作業場での荷造りに切り替わるか、休みになるかは農家によって違います。休みになった日の扱い(給与が出ないのか、別の日に振り替えられるのか)も、応募の前に聞いておきます。
求人の探し方
野菜の収穫パートの求人は、次の4つの経路で探せます。
1つ目は、求人サイトです。「野菜 収穫 パート」に地域名を加えて調べると、近くの農家や農業法人の募集が見つかります。求人サイトによっては、似た求人を自動で非表示にしているため、表示された件数と実際に見られる求人の数が違うことがあります。気になる求人は、条件を変えて何度か調べ直すと見落としを減らせます。
2つ目は、ハローワークです。地元の農家の求人は、ハローワークに出されることがよくあります。窓口で相談すれば、短い時間の求人や、シニア向けの求人を絞り込んで紹介してもらえます。
3つ目は、JA(農協)や地域の農業の窓口です。JAの直売所や地域の掲示板に、収穫の時期の手伝いの募集が出ることがあります。
4つ目は、知り合いの紹介です。近所の農家が収穫の時期だけ人を探していることは珍しくありません。直売所で顔見知りになった農家から声がかかることもあります。
求人票で確かめること
求人票では、次の点を見ておきます。
・作物と作業の中身(収穫だけか、手入れや荷造りも含むか) ・勤務の時間帯と、週に何日働けるか ・時給と、交通費の扱い ・雨の日や収穫のない日の扱い ・雇い主が個人経営の農家か、法人か ・雇用保険と社会保険の加入の扱い
最後の2点は、扶養の範囲で働く人やシニアの人にとって特に大切です。次の節から詳しく説明します。
季節と作物で変わる仕事の量
野菜の収穫の仕事は、作物の旬に合わせて増えたり減ったりします。求人サイトに並ぶ募集を見ても、「11月中旬まで」のブロッコリーやじゃがいもの収穫、「1か月の短期」のトマトの収穫、週1日から入れる大根の収穫と洗浄など、時期や期間を区切った募集が目立ちます。
働き方を選ぶときは、次の2つの形のどちらが自分に合うかを考えます。
1つ目は、1年を通して働く形です。ハウスで複数の作物を育てている農家や、季節ごとに違う作物を順に育てている農家では、収穫の時期がずれるため、年間を通して仕事があることがあります。毎週決まった曜日に働きたい人に向いています。
2つ目は、収穫の最盛期だけ働く形です。1つの作物を大きく育てている農家では、収穫の時期に人手が集中して必要になります。短い期間に集中して働き、ほかの時期は家のことに時間を使いたい人に向いています。
どちらの形でも、応募の前に「いつからいつまで、週に何日くらい仕事があるか」を聞いておくと、扶養の範囲で働く人は年間の収入の見込みを立てやすくなります。
扶養の範囲で働く時間の考え方
扶養の範囲で働く人は、働く時間を決める前に、年間の収入の見込みを計算しておきます。計算は、時給×1日の時間×月の日数×働く月の数、が基本です。
たとえば仮に、時給1,100円で1日4時間、週4日(月におよそ17日)働くと、1か月の給与はおよそ74,800円です。これを12か月続けると年間でおよそ89.8万円になり、税の配偶者控除の基準(給与収入136万円以下)にも、健康保険の被扶養者の基準(年間収入130万円未満)にも収まります。
ただし、健康保険の被扶養者の判断で使う「年間収入」は、これから先1年間の見込みの収入です。日本年金機構の案内では、給与の収入がある場合は月額108,333円以下であれば要件を満たすとされています。収穫の最盛期に働く時間が増え、月の給与がこの額を超える月が続くと、見込みの年間収入が基準を超えると判断されるおそれがあります。
時給や働く日数は人によって違うので、自分の条件で計算し直してください。最盛期に働く時間を増やしたい場合は、ほかの月の時間を減らして年間で調整するなど、配偶者の勤め先の健康保険に確かめながら計画を立てます。
扶養の範囲で働くときの収入の目安
配偶者の扶養の範囲で働きたい人が気にする「年収の壁」には、税の壁と社会保険の壁があります。令和8年分から税の数字が変わっているので、古い数字のまま計画しないように気をつけます。
税の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)
国税庁のタックスアンサーによると、配偶者控除の対象になるのは、配偶者の年間の合計所得金額が62万円以下の場合で、給与のみの場合は給与収入が136万円以下です。これは令和8年分から適用される金額で、令和7年分は123万円以下、令和6年分以前は103万円以下でした。詳しくは 国税庁 No.1191 配偶者控除 で確かめられます。
配偶者控除の対象を超えても、配偶者の合計所得金額が62万円を超え133万円以下であれば、配偶者特別控除を受けられる場合があります。配偶者特別控除とは、配偶者の所得に応じて段階的に受けられる控除のことで、配偶者の所得が増えるにつれて控除の額が少しずつ減っていきます。納税する人(世帯主など)の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、どちらの控除も受けられません。
社会保険の扶養(健康保険の被扶養者)
健康保険の被扶養者として配偶者の健康保険に入り続けるには、年間収入の基準があります。日本年金機構の案内では、原則として年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)で、かつ一緒に住んでいる場合は扶養する人の収入の半分未満であることが条件とされています。
ここでいう年間収入は、これから1年間に見込まれる収入のことで、1月から12月までの合計とは考え方が違います。収穫の最盛期に働く時間が増え、月の収入が一時的に増える場合の扱いは、配偶者の勤め先の健康保険によって確かめ方が違うことがあるので、早めに相談しておきます。
勤め先の社会保険に入る場合
週20時間以上働くなど条件を満たすと、扶養から外れて、勤め先の健康保険と厚生年金に入ることになります。厚生労働省の案内では、短時間で働く人が勤め先の社会保険に入る条件として、週の所定労働時間が20時間以上、2か月を超えて働く見込みがある、学生でない、などが挙げられ、2027年9月までは勤め先の従業員数が51人以上であることも条件になっています。月額8.8万円以上という賃金の要件は、2026年10月に撤廃されました。
ただし、個人経営の農家に雇われる場合は、この扱いがそのまま当てはまらないことがあります。次の節で説明します。
個人の農家に雇われる場合の社会保険と雇用保険
野菜の収穫パートの雇い主には、株式会社などの農業法人と、個人経営の農家があります。どちらに雇われるかで、社会保険と雇用保険の扱いが変わることがあります。
健康保険・厚生年金
日本年金機構の案内では、厚生年金保険の適用事業所になるのは、株式会社などの法人の事業所と、従業員が常時5人以上いる個人の事業所です。ただし個人の事業所でも、農林漁業、サービス業などの場合は除くとされています。
つまり、個人経営の農家は、従業員が5人以上いても、健康保険と厚生年金の加入が義務づけられる事業所にあたらない場合があります(従業員の同意を得て任意で加入する「任意適用」の仕組みはあります)。条件の詳細は 日本年金機構 適用事業所と被保険者 で確かめられます。
雇用保険
雇用保険法の附則第2条は、土地の耕作や植物の栽培・採取などの農林の事業で、政令で定めるものを、当分の間「任意適用事業」としています。法人の事業所などは除かれます。個人経営で働く人が少ない農家に雇われる場合は、雇用保険に入らない形で働くことがあると考えておきます。条文は e-Gov法令検索の雇用保険法 で読めます。
扶養の範囲で短時間だけ働く人にとっては、加入の義務がない働き方のほうが都合がよい場合もあります。一方で、長く働く予定の人や、扶養を外れて働く人にとっては、保険の有無は大切な条件です。応募の段階で、雇い主が法人か個人か、どの保険に入れるかを確かめておきます。
シニアが野菜の収穫パートで働くときの注意点
定年後のシニアの人にとって、野菜の収穫パートは、体を動かしながら地域で働ける仕事です。働く前に、次の点を確かめておきます。
体への負担を見極める
重量野菜の収穫は、腰や膝への負担が大きい作業です。体力に不安がある場合は、ハウスの中の摘み取りや、作業場での袋詰め、選果から始めると無理がありません。応募の段階で、重い物を運ぶ作業がどのくらいあるかを聞いておきます。
年金と働き方
老齢年金を受け取りながら働く場合、厚生年金に入って働くときは、在職老齢年金の仕組みで年金が減ることがあります。日本年金機構の案内では、令和8年4月からは、年金の月額と給与などの合計が月65万円を超えると、超えた分の半分の年金が止まる仕組みになっています。野菜の収穫パートの収入で、この基準に届くことはまれですが、ほかに収入がある人は確かめておきます。
健康保険の被扶養者として配偶者の扶養に入っている60歳以上の人は、年間収入の基準が180万円未満になります。働く時間を決めるときに、この数字を目安にします。
雇用保険
65歳以上の人も、条件を満たせば雇用保険に入れます。ただし、前の節で説明したように、個人経営の農家では雇用保険が任意適用になっている場合があります。
シルバー人材センターという選択肢
地域のシルバー人材センターには、農作業の手伝いの仕事が入ることがあります。シルバー人材センターの仕事は、雇われて給与を受け取る形とは違い、会員として仕事を引き受け、その対価として配分金を受け取る形です。働く日や時間を自分の体調に合わせて選びやすい一方、仕事の量はセンターに入る依頼によって変わります。
応募から働き始めるまで
野菜の収穫パートの応募から働き始めるまでの流れは、一般的には次のようになります。
- 求人に応募する(電話、求人サイトの応募フォーム、ハローワークの紹介など)
- 面接を受ける。農家の作業場や事務所で行うことが多い
- 働く日、時間、時給、作業の中身を確かめ、労働条件を書面で受け取る
- 初日は、作業の手順、刃物の扱い方、休憩の取り方、トイレや更衣の場所を教わる
- 慣れるまでは、ほかの人と一緒に作業する
面接では、働ける曜日と時間、通勤の方法、体力面で気になることを正直に伝えます。扶養の範囲で働きたい場合は、年間でどのくらいの収入に抑えたいかも伝えておくと、農家の側も仕事の割り振りを考えやすくなります。
労働条件は、口約束で終わらせず、書面で受け取ることが大切です。労働基準法では、雇い主は働く人に労働条件を示すことが求められています。時給、働く時間、休みの扱い、契約の期間が書かれているかを確かめます。
子育てをしながら働くときの工夫
子育て中の人が野菜の収穫パートで働くときは、子どもの予定との両立が課題になります。
始業の時刻が早い仕事では、子どもを送り出す時間と重なることがあります。保育園や学校への送りを家族と分担できるか、始業を遅らせてもらえるかを、応募の段階で相談しておきます。収穫の作業は朝の時間に集中するため、遅い時間からの勤務を認めてもらえるかは農家によって違います。
子どもの急な体調不良で休む場面もあります。収穫の時期は、1人が休むと作業の計画が変わるため、休むときの連絡の方法を決めておき、分かった時点ですぐに連絡します。同じ時間帯に働く人どうしで助け合える職場だと、急な休みも相談しやすくなります。
学校の長い休みの時期には、働く日を減らしたい人もいます。夏休みと収穫の最盛期が重なる作物もあるため、休みたい時期を早めに伝えておくと、農家の側も人手の計画を立てやすくなります。
暑さとけがへの備え
野菜の収穫は、夏の屋外やハウスの中で行う作業が多く、熱中症の危険があります。ハウスの中は、外より気温が高くなります。
職場の熱中症対策は、2025年の労働安全衛生規則の改正で、事業者の義務がはっきりしました。第612条の2は、暑い場所で続けて行う作業など熱中症のおそれがある作業をするとき、事業者に、熱中症の自覚症状や疑いを報告させる体制を整えて周知すること、作業から離れさせる・体を冷やすといった対応の手順を作業場ごとに決めて周知することを求めています。
働く側としては、次のことを心がけます。
・のどが渇く前に、休憩のたびに水分と塩分をとる ・帽子と、首を覆う布で直射日光を防ぐ ・体調に異変を感じたら、我慢せずにすぐ伝える ・前の晩はしっかり眠り、朝食をとってから働く
刃物を使う作業では、手のけがにも気をつけます。包丁や鎌、はさみの扱い方は、最初に必ず教わり、疲れてきたら手元をよく見ます。
農業ならではの労働時間の決まり
労働基準法第41条は、農業(林業を除く)などの事業に従事する人について、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないとしています。一般の会社のように、法律で決まった休憩や時間外の割増の扱いがそのまま当てはまるとは限らず、休憩の取り方や残業の扱いは雇い主との取り決めによります。応募の前に、休憩の時間と残業の扱いを確かめておくと安心です。
体を長持ちさせるためのケア
野菜の収穫は、同じ姿勢を長く続ける作業が多い仕事です。体の負担をためないための工夫をしておくと、長く続けられます。
作業の前には、足首、膝、腰、肩を回して体を温めます。しゃがむ作業が続く日は、ときどき立ち上がって腰を伸ばし、前かがみの姿勢が続く日は、休憩のたびに背中を反らせて伸ばします。重い物を持ち上げるときは、腰を曲げて持ち上げるのではなく、膝を曲げて体を物に近づけてから立ち上がると、腰への負担が小さくなります。
作業のあとは、入浴で体を温め、太ももの前と裏、ふくらはぎを伸ばしてから眠ります。痛みが続く場合は、無理をせずに休み、必要に応じて医療機関に相談してください。
持ち物と身支度
野菜の収穫パートで必要になる持ち物の例です。
・汚れてもよい作業着(長袖・長ズボン) ・長靴 ・軍手、ゴム手袋 ・帽子、首を覆うタオル ・日焼け止め、虫よけ ・水筒、塩分を補える飴やタブレット ・雨具
ハウスの中は湿度が高く、汗をかきやすい環境です。着替えを1組持っておくと、作業のあとに体を冷やさずに済みます。
給与の受け取りと税金の手続き
野菜の収穫パートの給与は、雇い主から給与として支払われます。税金の手続きは、働き方によって変わります。
1つの農家だけで働き、その年の12月まで勤める場合は、雇い主が年末調整を行うのが一般的です。年末調整とは、1年間の給与から差し引いた所得税を、年末に正しい額へ精算する手続きのことです。働き始めるときに「扶養控除等申告書」を雇い主に出しておくと、毎月の給与から差し引かれる税金が正しく計算されます。
収穫の時期だけの短期で働き、年の途中で辞めた場合や、ほかの仕事と掛け持ちしている場合は、年末調整を受けられないことがあります。差し引かれた所得税が払いすぎになっていれば、確定申告をすると戻ってくることがあります。給与明細と、辞めるときに受け取る源泉徴収票は、捨てずに保存しておきます。
住民税は、前の年の所得をもとに翌年に課税されます。扶養の範囲で働いていても、住んでいる市区町村によっては住民税がかかることがあるので、気になる場合は市区町村の窓口に確かめてください。
農家と良い関係を続けるために
野菜の収穫パートは、家族で営む農家に雇われることも多く、雇い主との距離が近い職場です。長く気持ちよく働くために、いくつかのことを心がけます。
1つ目は、作業のやり方を農家に合わせることです。同じ野菜でも、収穫する大きさの基準や、束ね方、袋への詰め方は農家ごとに違います。自分のやり方にこだわらず、最初に教わったやり方を守ります。
2つ目は、気づいたことを伝えることです。収穫の最中に、虫の害や病気の兆しに気づくことがあります。小さな変化でも伝えると、農家にとっては大切な情報になります。
3つ目は、働ける日の予定を早めに伝えることです。収穫の量は天候で変わり、農家は毎日の人手を考えながら作業を組み立てています。休みたい日や、働ける日が変わるときは、早めに知らせます。
こうした積み重ねが信頼につながり、翌年の収穫の時期にも声をかけてもらえる関係が育ちます。
向いている人と、つまずきやすい点
向いているのは、朝早く起きることが苦にならない人、同じ作業を丁寧に繰り返せる人、季節の変化を感じながら働きたい人です。野菜の育ち具合を毎日見ていると、収穫の時期が近づく変化に気づけるようになり、仕事のやりがいにつながります。
つまずきやすい点は3つあります。
1つ目は、季節による仕事の量の波です。収穫の最盛期には働く日が増え、時期が過ぎると仕事が減ります。扶養の範囲で働く人は、最盛期に働きすぎて年間の収入が基準を超えないよう、月ごとの収入を記録しておきます。
2つ目は、天候で予定が変わることです。雨の日に休みになると、その日の収入はなくなります。家計の予定を立てるときは、予定より働ける日が少なくなる可能性を見込んでおきます。
3つ目は、体の負担です。最初の数日は、慣れない姿勢で腰や太ももが痛くなることがあります。無理をせず、作業のあとに体を伸ばして休めます。
収穫の仕事で身につくこと
野菜の収穫パートは、決まった作業の繰り返しに見えますが、続けるうちに身につくことがあります。
1つ目は、野菜を見る目です。収穫に適した大きさや色、傷みの見分け方が分かるようになり、買い物のときにも野菜の状態を見分けられるようになります。
2つ目は、段取りの力です。その日の収穫の量と時間から、どの畝(うね)から手を付けるか、どこで休憩を入れるかを考えるうちに、限られた時間で作業を終える組み立てが身についていきます。
3つ目は、地域とのつながりです。同じ農家で働く人や、直売所に来る人と顔見知りになり、地域の行事や別の仕事の話が入ってくることもあります。
料理でいえば、素材のよしあしが分かるようになると、同じレシピでも仕上がりが変わります。収穫の仕事で身につく目と段取りは、家庭菜園や、ほかの仕事にも生きてきます。
収入と予定を記録する習慣
扶養の範囲で働く人にとって、収入の記録は欠かせません。月ごとの勤務日数、時間、給与を表にしておくと、年間の見込みがすぐに分かり、働く時間を調整しやすくなります。
記録の付け方は、紙の手帳でも、スマートフォンの表計算のアプリでもかまいません。農家から受け取る給与明細は、確定申告や扶養の確認で必要になることがあるので、捨てずに保存しておきます。
音楽の制作で言えば、曲をつくるたびに使った音や設定を記録しておくと、次の制作が早くなるのと同じです。働いた記録も、翌年の働き方を決めるときの大事な材料になります。
働き方のデータから見えること
野菜の収穫パートは、決まった時間に体を動かし、季節に合わせて働く仕事です。扶養の範囲で働く人やシニアの人にとっては、無理のない時間で地域とつながれる働き方でもあります。
フリーランス・在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から言えば、短い時間の仕事を組み合わせて暮らしている人ほど、収入と時間の記録を丁寧につけ、自分にとって無理のない働き方の線をはっきりさせています。畑の仕事と在宅の仕事を組み合わせる人もいます。朝は収穫、昼からは家で事務やデザインの仕事、という組み合わせです。仲介の手数料がかからない直接の取引なら、同じ予算で依頼する側は多く頼め、受ける側の手取りも厚くなります。
在宅でできる仕事の入り口を知りたい場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、どんな仕事がどのように依頼されているかを確かめられます。文章やデザインの仕事に関心があれば、デザイナーの年収・単価相場で単価の目安を見ておくのも一つの方法です。事務の仕事で役立つ書類の書き方は、ビジネス文書検定の範囲で学べます。
野菜の収穫パートは、作物と作業の中身、雇い主が法人か個人か、扶養や年金の基準を確かめてから選べば、自分の生活に合わせて長く続けられる仕事です。
よくある質問
Q. 野菜の収穫パートを扶養内で働くには年収いくらまでですか?
税の配偶者控除の対象は、令和8年分から給与のみの場合で給与収入136万円以下です。健康保険の被扶養者は、原則として年間収入130万円未満(60歳以上は180万円未満)が基準です。どちらを意識するかで働ける時間が変わるため、配偶者の勤め先の健康保険や税務署で、自分の場合の扱いを確かめてください。
Q. 個人の農家で働くと社会保険に入れませんか?
日本年金機構の案内では、個人の事業所のうち農林漁業などは、従業員が5人以上でも健康保険と厚生年金の強制適用の対象から外れています。従業員の同意を得て任意で加入する仕組みはあります。雇用保険も、個人経営の農林の事業は当分の間任意適用とされています。応募の前に、どの保険に入れるかを雇い主に確かめてください。
Q. シニアでも野菜の収穫パートはできますか?
できます。体力に不安がある場合は、重い物を運ぶ収穫より、ハウスでの摘み取りや作業場での袋詰め、選果から始めると無理がありません。年金を受け取りながら厚生年金に入って働く場合は、令和8年4月から年金の月額と給与などの合計が月65万円を超えると年金が減る仕組みがあるので、ほかの収入も含めて確かめておきます。
Q. 野菜の収穫パートの求人はどこで探せますか?
求人サイトで「野菜 収穫 パート」と地域名を組み合わせて調べるほか、ハローワーク、JAの直売所や地域の掲示板、近所の農家からの紹介で見つかることがあります。求人票では、作物と作業の中身、勤務の時間帯、雨の日の扱い、雇い主が法人か個人か、加入できる保険を確かめてから応募してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
斎藤 翔平@SOHO編集部
フリーランス音楽クリエイター
音楽制作会社でBGM・効果音制作を担当した後、フリーランスに。ポッドキャスト編集やナレーション収録も手がけ、音楽・音声系の記事を執筆しています。
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