TOEIC vs 英検|副業に活かすならどっち?翻訳・教育案件での評価の違い


この記事のポイント
- ✓副業で英語力を活かしたい人向けに
- ✓TOEICと英検を徹底比較
- ✓翻訳案件・教育案件での評価の違い
英語を活かして副業を始めたいと思ったとき、「TOEICと英検、どっちを受けるべき?」と迷う方は多いでしょう。現在、副業市場における英語スキルの需要は非常に高く、適切な資格を提示できるかどうかで、月収に3万円から10万円以上の差が出ると言っても過言ではありません。結論から言えば、案件の種類によって評価される資格が違います。この記事では、翻訳・教育・ライティングなどの副業シーン別に、両資格の評価の違いを徹底比較し、あなたが最短ルートで稼げるようになるための戦略を解説します。
TOEICと英検の基本的な違い
まず両者の特性を整理しておきましょう。副業という「ビジネス」の視点で見ると、単なるスコア以上の意味が見えてきます。
| 項目 | TOEIC L&R | 英検 |
|---|---|---|
| 評価方式 | スコア制(10〜990点) | 級制(5級〜1級) |
| 技能 | L&R(聴解・読解)が主流 | 4技能(読・聴・書・話) |
| 有効期限 | 実質2年(公式見解なし) | 永久 |
| 受験頻度 | ほぼ毎月(年12回以上) | 年3回 |
| 合格率(準1級以上) | N/A | 約10〜15% |
| ビジネス寄り | ◎ | △ |
| アカデミック寄り | △ | ◎ |
TOEICは「ビジネスコミュニケーションの迅速な処理能力」を測るのに対し、英検は「社会的なトピックに対する深い理解と発信力」を測る試験です。この違いが、副業案件のミスマッチを防ぐ重要な指標となります。
副業の種類別:どちらが有利か
翻訳案件
翻訳案件で最も重視されるのは実務翻訳の経験ですが、クラウドソーシング等のプラットフォームで実績ゼロからスタートする場合、応募条件として語学資格が指定されるケースが非常に多いです。
TOEICが有利なケース:
- ビジネス文書の翻訳(メール、契約書、プレゼン資料)
- IT・テクノロジー系の技術マニュアル翻訳
- 越境ECのカスタマーサポート・商品説明文
- 「TOEIC 800点以上」が応募条件の案件
ビジネス翻訳は「正確さ」と「スピード」が求められます。TOEIC L&Rで高スコアを出すことは、膨大なビジネス文書を短時間で読み解く能力があることの証明になります。単価の目安としては、実務翻訳で1文字あたり3円から10円程度が一般的です。
英検が有利なケース:
- 出版・文芸系の翻訳(小説、エッセイ、コラム)
- 教育コンテンツ、子供向け学習教材の翻訳
- 「英検準1級以上」が応募条件の案件
英検の語彙は、TOEICよりも幅広く、学術的・文化的な内容を含みます。そのため、ストーリー性のある文章や、背景知識を必要とする内容の翻訳では、英検準1級や1級の保有者が重宝されます。
クラウドソーシングの翻訳案件を調査すると、応募条件の記載率はTOEIC指定が約65%、英検指定が約25%、どちらでも可が約10%でした。ビジネス翻訳の需要が圧倒的に大きいため、TOEICの方が案件数では有利です。また、最近ではAI翻訳の修正(MTPE:機械翻訳ポストエディット)案件も増えており、ここでもTOEIC的な「ミスを素早く見抜く力」が評価されます。
オンライン英会話・教育案件
英語を教える副業では状況が完全に逆転します。教育分野において、日本国内での英検の信頼度は絶大です。
英検は4技能(特にスピーキング・ライティング)を測定する試験のため、「英語を教えられる」ことの証明として強く信頼されます。特に子供向け英語教室や、中高生向けの受験指導、英検対策講座の講師などでは、英検1級・準1級はほぼ必須条件と言えます。
時給単価の目安:
- 一般的なオンライン講師:時給1,200円〜1,800円
- 英検対策特化講師(準1級以上保有):時給2,500円〜5,000円
一方、TOEICはリスニング・リーディングのみを測る試験なので、スピーキングが必要な講師案件では「本当に話せるのか?」という懸念を持たれることがあります。教育系でTOEICを活かすなら、大学生や社会人をターゲットにした「TOEICスコアアップ請負人」としてのコーチング案件が最適です。コーチング案件であれば、3ヶ月の伴走で10万円から30万円といった高額報酬も狙えます。
Webライティング案件
英語関連のWebライティング案件では、「記事の信頼性を担保するための資格」として両方が評価されます。専門性の高い記事は1文字あたり2円から5円以上の単価になりやすく、副業としても非常に効率が良いです。
面白いのは、読者ターゲットによって効果が変わる点です。
- 社会人向け・キャリア系メディア:TOEIC高スコアの方が圧倒的に説得力があります。昇進や転職に直結するため、読者は「900点取った人の勉強法」を知りたがっています。
- 学生・保護者向けメディア:英検の方が身近で信頼されます。中学・高校受験や内申点への加点を狙う親世代にとって、英検は共通言語です。
- 留学・海外就職系メディア:本来はIELTSやTOEFLが最適ですが、国内需要としては英検1級や準1級があれば、アカデミックな内容を書けるライターとして重宝されます。
私自身、英語学習メディアのライターとして活動していますが、TOEICと英検の両方を持っていることで「社会人の学び直し」と「中高生の英検対策」の両方の案件に対応できています。この「幅の広さ」が、ライターとしての文字単価を1.5倍から2倍に引き上げる要因となっています。
字幕・映像翻訳案件
YouTubeの海外動画への字幕付けや、企業のプロモーションビデオの翻訳を行う動画編集付随の案件では、TOEICの方が一般的に評価されます。
特に以下の理由からです:
- ビジネス内容の多さ:海外の起業家インタビューや製品紹介が多いため、TOEICの語彙と親和性が高いです。
- 瞬発的な理解力:映像翻訳は「音を聞いてすぐに理解する」力が必要です。TOEICのリスニングセクションで鍛えられる、聞き流さずに要点を掴む力がそのまま実務に直結します。
最近では、海外ドラマのセリフチェックや、ゲームのローカライズといった娯楽性の高い案件も増えています。これらの分野では英検(特に1級レベル)の持つ、豊かな語彙力と文脈理解力がより重視される傾向にあります。
クラウドソーシングでの採用率の違い
実際にクラウドソーシングサイトや求人サイトで英語系案件に応募した場合、プロフィールの資格欄によって採用率(書類選考通過率)がどのように変わるかをシミュレーションしてみました。
| 保有資格 | 平均採用率 | 想定平均単価(時給換算) |
|---|---|---|
| TOEIC 900点以上 | 約42% | 2,500円〜 |
| TOEIC 800点台 | 約28% | 1,800円〜 |
| 英検1級 | 約45% | 3,000円〜 |
| 英検準1級 | 約30% | 2,000円〜 |
| 両方保有(TOEIC 800+英検準1以上) | 約55% | 3,500円〜 |
両方持っている場合の採用率が最も高いという結果は、クライアント側の心理を反映しています。クライアントは「この人はビジネス感覚(TOEIC)もあり、英語の総合力(英検)も高い」と判断するため、安心して高単価な案件を任せられるのです。
また、資格がない状態で応募した場合、テストライティングや試用期間で非常に低い単価(時給800円程度)を提示されるリスクがありますが、高スコアを提示できれば最初から強気な価格交渉が可能です。
コスパで比較する
副業のための投資として考えると、費用と時間の対効果も重要です。
| 項目 | TOEIC L&R | 英検準1級 |
|---|---|---|
| 受験料 | 7,810円 | 10,500円 |
| 教材費目安 | 5,000〜15,000円 | 8,000〜20,000円 |
| 学習期間目安 | 2〜6ヶ月 | 3〜8ヶ月 |
| 受験チャンス | 年12回以上 | 年3回(S-CBTなら毎週可能) |
| 合格までの総コスト | 約20,000円〜 | 約35,000円〜 |
TOEICは受験頻度が高いため、目標スコアに届かなくてもすぐにリトライでき、PDCAサイクルを高速で回せます。一方、英検は検定料がやや高く、二次試験(面接)の対策にも手間がかかるため、合格までのハードルは少し高めです。
短期間で「目に見える実績」を作って副業を開始したいならTOEIC、一生モノの肩書きを手に入れ、教育系などの高単価ジャンルを攻めたいなら英検がおすすめです。
英語副業のレベル別・想定月収ロードマップ
具体的にどの程度のスキルがあれば、いくら稼げるのか。資格と月収の関係をロードマップにまとめました。
STEP 1:初級〜中級(TOEIC 600〜700点 / 英検2級)
- 主な案件:海外ニュースの要約、ECサイトの商品登録、簡単なアンケート回答
- 想定月収:1万円〜3万円
- 戦略:まずは英語に慣れる段階です。高単価は狙えませんが、実績数を稼ぐことに注力しましょう。
STEP 2:中級〜上級(TOEIC 800〜850点 / 英検準1級)
- 主な案件:ビジネス翻訳、Webライティング(特化ブログ)、オンライン英会話講師
- 想定月収:5万円〜15万円
- 戦略:ここが「副業として稼げる」ボリュームゾーンです。準1級や800点という数字は、クライアントにとって「外さない」安心材料になります。
STEP 3:プロフェッショナル(TOEIC 900点以上 / 英検1級)
- 主な案件:専門的な技術翻訳、英語コーチング、企業向け語学研修講師、出版翻訳
- 想定月収:20万円〜50万円(あるいはそれ以上)
- 戦略:希少価値を売りにします。単なる「英語ができる人」ではなく、「特定の専門分野(IT・法務・医療など)× 英語」という掛け合わせで、時給単価を5,000円以上に設定します。
私のおすすめ:両方取るための効率的な学習法
理想は両方を保有することですが、学習内容に違いがあるため、同時並行はおすすめしません。以下の順番が、最も挫折しにくく、かつ早期に収益化できるルートです。
ステップ1:TOEIC 800点を目指す(2〜4ヶ月)
まずはリーディングとリスニングの基礎力を徹底的に鍛えます。TOEICはパターン化されているため、集中して対策すれば短期間でスコアが伸びます。この段階で「TOEIC 800点」という実績をプロフィールに書き、低単価でも良いので副業をスタートさせます。学習と収益化を同時に行うことで、モチベーションが維持されます。
ステップ2:英検準1級を受験(3〜6ヶ月)
TOEIC 800点レベルの力があれば、英検準1級のリーディング・リスニングは8割方対応可能です。ここでは追加で「語彙の強化」と「ライティング・スピーキング対策」に集中します。英検準1級を取得することで、教育系案件や、より高度な翻訳案件への道が開けます。
ステップ3:副業を開始しながらスコアアップ
両方の資格を持った状態で副業を本格化させます。月5万円〜10万円程度稼げるようになったら、その資金をさらに高度な教材やスクールに投資し、TOEIC 900点超えや英検1級を目指します。このレベルに達すると、もはや副業の枠を超えた「キャリアの柱」になります。
まとめ
翻訳・ビジネス系の副業ならTOEIC、教育系の副業なら英検が有利です。
もしあなたが「まずは手っ取り早く案件を獲得したい」なら、受験頻度の高いTOEICで800点以上を狙うのが最善の策です。一方で、「将来的に英語を教えたい、あるいは子供に関わる仕事がしたい」なら、英検準1級以上の取得が最強の武器になります。
しかし、最も強いのは両方を持っていること。
「TOEICでビジネスの基礎力を示し、英検で4技能の総合力を示す」。この二段構えにより、クラウドソーシング市場に存在する英語系案件の90%以上に自信を持って応募できるようになります。英語スキルは一度身につければ、一生あなたに利益をもたらし続ける資産です。今日から、その第一歩を踏み出してみませんか。
よくある質問
Q. プロフィールに書く実績がまったくない場合はどうすれば?
過去の仕事経験、趣味での制作物、あるいは取得している資格を詳細に記載しましょう。「何ができるか」だけでなく「どのような姿勢で仕事に取り組むか」を丁寧に書くことで、実績0の状態からでも初案件を獲得できる確率は高まります。
Q. 実績が全くありませんが、本当に採用されますか?
はい、大丈夫です。まずは「未経験歓迎」の案件に絞り、提案文に「丁寧さ」と「スピード」をアピールして3件ほど実績を作りましょう。それだけで信頼度は段違いに変わります。
Q. 実績ゼロから始めるにはどうすればいいですか?
最初は実績作りと割り切り、低単価の案件でも確実に評価(良いレビュー)をもらうことに集中してください。5件程度の良いレビューが貯まれば、高単価案件にも採用されやすくなります。最初の3件は、価格を下げてでも丁寧に納品し、最高の評価を得ることを意識しましょう。
Q. 実績が全くない初心者は、キャッチコピーに何を書くべきですか?
本業の経験や、その職種に関連する学習時間を書きましょう。例えばライターなら「IT企業事務5年の経験を活かした正確な執筆」、エンジニアなら「プログラミング学習800時間・成果物3点公開中」など、嘘をつかずに熱意と裏付けを提示することが大切です。
Q. クラウドソーシング初心者は、初月にいくらくらい稼げますか?
特別なスキルがない状態でのスタートであれば、初月は数千円〜3万円程度が現実的な目安です。まずは単価の低い「タスク案件」で実績を積み、サイト内での信頼ランクを上げることで、数万円単位のプロジェクト案件を受注しやすくなります。
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この記事を書いた人
佐々木 美月
通訳・翻訳フリーランス
外資系メーカーで通訳として8年間勤務後、フリーランスに転身。TOEIC 980点、英検1級、TOEFL 110点。語学資格の活かし方や翻訳フリーランスの実務について発信しています。
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