在宅ワーク 確定申告 いくらから|20万円ルールの正しい理解と対象


この記事のポイント
- ✓在宅ワーク 確定申告 いくらからを徹底解説
- ✓会社員の20万円ルール
- ✓家内労働者等の特例まで
まず、安心してください。「在宅ワーク 確定申告 いくらから」と検索して、このページにたどり着いた皆さんの多くは、「もしかして申告漏れになっていたらどうしよう」「20万円って聞いたけど本当にそれで合っているのか」と、漠然とした不安を抱えていらっしゃるはずです。私も43歳でメーカーを辞めてフリーランスになる前、副業として在宅ライティングを始めた頃に、まったく同じところでつまずきました。結論から申し上げると、判定基準は「働き方(給与所得者か専業か)」と「所得の金額」の2軸で決まります。一律に「20万円を超えたら申告」というわけではありません。この記事では、皆さんが自分の状況に当てはめて即座に判断できるよう、国税庁の一次情報をベースに、迷いやすいポイントを丁寧に整理していきます。
在宅ワークの確定申告は「いくらから」必要か:結論を先に提示
最初に、皆さんがいま一番知りたい結論をシンプルにまとめます。在宅ワーク 確定申告 いくらからという問いに対する答えは、皆さんの働き方によって基準が変わるという点が最重要ポイントです。
会社員などの給与所得者が、本業のかたわら在宅ワークを副業として行っている場合、副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。一方、在宅ワークを専業としている場合、つまり給与所得がなく在宅ワークが主たる収入源である場合、所得が年間95万円(2024年分までは48万円)を超えると確定申告が必要です。基礎控除の改正により、2025年分以降は95万円という新しいラインに引き上げられました。
ここで重要なのが、「収入」と「所得」を混同しないことです。収入は売上の総額、所得は収入から必要経費を差し引いた金額を指します。たとえば年間120万円の在宅ワーク収入があっても、必要経費が30万円かかっていれば所得は90万円となり、専業の方であれば確定申告は不要、副業の方であれば申告が必要、という判定になります。
内職や在宅ワークを専業にしている方は、所得金額が95万円(2024年分までは48万円以下)を超えたら確定申告が必要です。例えば、報酬額が毎月10万円ある方であれば、年間収入は120万円となります。
私の体験では、副業を始めて1年目、何も知らずに帳簿もつけずに過ごしてしまい、翌年の確定申告期に大慌てで領収書をかき集めたことがあります。皆さんには同じ失敗をしてほしくありません。「自分はどの基準に該当するのか」をまず把握すること、これが最初の一歩です。
在宅ワークの市場規模と確定申告者数の現状
「自分だけが申告に悩んでいるのではないか」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は在宅ワークで収入を得ている人は年々増加しており、それに伴って確定申告に関する関心も高まっています。
総務省の労働力調査や中小企業庁の各種統計によれば、副業・兼業を行う就業者の数は2010年代後半から継続的に増加傾向にあり、特に2020年以降のリモートワーク普及によって、給与所得者が副業として在宅ワークを行うケースが顕著に増えました。在宅ワークの代表的な分野であるWebライティング、データ入力、Webデザイン、プログラミング、翻訳、オンライン秘書などは、いずれも市場規模が拡大しており、参入者も多様化しています。
確定申告の観点で見ると、国税庁が公表している統計では、所得税の確定申告書を提出した人のうち、事業所得や雑所得を申告した人の数は近年増加しています。これは在宅ワークや副業の広がりと密接に関係しており、「皆さんの周りで申告している人が増えている」と言い換えてもよいでしょう。
副業マッチングサービスや当プラットフォームのようなクラウドソーシング型のサイトでも、新規登録者は増え続けています。当プラットフォームは1996年から運営されているフリーランス・副業マッチングプラットフォームであり、長年にわたり在宅ワーカーの仕事獲得を支援してきました。市場全体の成熟とともに、確定申告という「働き方の最終出口」に対する正確な理解が、これからの在宅ワーカーには不可欠です。
副業として在宅ワークをしている会社員の判定基準
会社員、公務員、パート、アルバイトなど、勤務先から給与を受け取っている方が在宅ワークを副業として行うケースは、もっとも一般的なパターンです。このパターンにおける確定申告の要否判定は、以下のロジックで進めます。
副業所得が20万円を超えるかどうか
給与所得者が、給与以外の所得(在宅ワークによる事業所得や雑所得)の合計額が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。ここで言う「所得」は、繰り返しになりますが収入から必要経費を差し引いた金額です。たとえば在宅ワークで年間50万円の報酬を受け取り、パソコン購入費・通信費・書籍代などの必要経費が20万円かかっていれば、所得は30万円。これは20万円を超えるので確定申告が必要です。
副業として内職や在宅ワークをしている方は、副業の合計所得が20万円を超えたら確定申告が必要です。本業として会社員などで給与を受け取っている方が、別途、内職や在宅ワークをしているケースが該当します。
複数の副業を掛け持ちしているとき
「在宅ライティングで15万円、データ入力で8万円」のように、複数の副業を掛け持ちしている方は、それぞれを単独で判定するのではなく、合計額で判定します。この例なら合計23万円なので、確定申告が必要です。所得20万円以下のラインを意識しすぎて1案件ずつバラバラに考えてしまうと、判定を誤ります。
日雇いバイトなど他の給与収入もある場合
本業の給与以外に、日雇いバイトや短期派遣などの給与収入があり、それが本業の年末調整に合算されていない場合は、別の判定基準が加わります。
内職や在宅ワークの所得と、そのほかの副業所得の合計が年間で20万円を超えたら確定申告をしてください。日雇いバイトや短期派遣のような給与が支払われる副業もしている場合に、前職分などとして会社の年末調整に合算されていない場合は、その副業の給与収入と内職や在宅ワークの所得金額の合計が20万円を超えるかどうかで判断します。
副業のかたちが多様な方ほど、判定基準が重なってややこしくなります。皆さんも、もし「これって申告すべき?」と迷ったら、最初に「給与か給与以外か」を仕分けてから判断するのがおすすめです。
20万円以下でも住民税の申告は別に必要
ここがもっとも見落とされやすいポイントです。所得税の確定申告では「副業所得20万円以下なら不要」というルールがありますが、住民税についてはこの特例がありません。つまり、副業所得が20万円以下であっても、お住まいの市区町村に住民税の申告を行う必要があります。確定申告書を提出すれば自動的に住民税にも反映されますが、「20万円以下だから何もしなくていい」と判断してしまうと、住民税の申告漏れになるため注意が必要です。
専業で在宅ワークをしている方の判定基準
給与所得がなく、在宅ワークを主たる収入源としている専業の方は、判定の起点が変わります。
所得95万円ライン(2025年分以降)
2025年分の所得税から、基礎控除と給与所得控除の改正により、専業の在宅ワーカーが確定申告を必要とする所得ラインが95万円に引き上げられました。2024年分までは48万円でしたので、約2倍の引き上げです。これは政府税制改正の一環で、いわゆる「年収の壁」問題への対応として行われたものです。
たとえば在宅ワークの年間収入が120万円、必要経費が30万円なら、所得は90万円。専業の方であれば、2025年分以降は確定申告不要のラインに入ります。一方、所得が100万円であれば95万円を超えるため、確定申告が必要です。
「申告不要」と「申告した方がよい」は別物
ここで皆さんに強くお伝えしたいのは、「申告義務がない=申告しない方が得」ではないということです。たとえ専業で所得が95万円以下であっても、源泉徴収されている場合は確定申告をすることで税金が還付される可能性があります。Webライティングやデザインなどの業務委託では、報酬から10.21%が源泉徴収されているケースが多く、これは「とりあえず先に税金として預かっておく」性質のものです。年間の所得が課税ラインに届かなければ、申告すれば全額戻ってきます。
私自身、副業時代に源泉徴収された分の還付を申告し、十数万円が戻ってきたことがあります。これは「特別に稼いだから」ではなく、単純に「払い過ぎていた税金を取り戻した」という話です。皆さんも、自分が源泉徴収されている報酬がないか、支払調書や取引履歴を一度確認することをおすすめします。
家内労働者等の必要経費の特例:実は強い味方
ここからは、在宅ワークの方が必ず知っておくべき特例制度の話をします。「家内労働者等の必要経費の特例」と呼ばれる制度です。
どんな制度か
家内労働者等の必要経費の特例とは、実際の必要経費が55万円に満たない場合でも、必要経費として最大55万円まで控除できる制度です。本来、所得は「収入−必要経費」で計算しますが、内職や特定の在宅ワークに従事する人は、給与所得者の給与所得控除に相当する控除がないため、不公平が生じます。それを是正するための制度です。
対象となる人
国税庁が定める対象者は、家内労働者、外交員、集金人、電力量計の検針人など、特定の人に対して継続的に役務を提供することにより報酬を受ける人です。具体的には、特定の発注元から内職的に仕事を受けて報酬を受け取っているケースが該当します。Webライティングやデータ入力でも、特定の少数の発注者から継続的に仕事を受けている形態であれば対象になり得ます。
実務上の使いどころ
実際の必要経費が10万円しかない方でも、この特例を使えば55万円を必要経費として計上できます。仮に年間収入が80万円、実経費が10万円の場合、特例を使わなければ所得は70万円ですが、特例を使えば所得は25万円。専業の方なら確定申告不要のラインに入ります。皆さんが在宅ワーカーで「経費がそんなに発生していない」と感じている場合こそ、この特例の出番です。
なお、給与収入がある方は、給与所得控除と合算で55万円が上限となります。詳細な要件は国税庁のサイトで必ず最新情報を確認してください。
在宅ワークで経費として認められるもの・認められないもの
確定申告の準備で皆さんがもっとも頭を悩ませるのが、「これは経費になるのか」という判定です。基本原則は「業務遂行のために直接必要な支出」であることです。
経費として認められやすい主な項目
パソコン・周辺機器の購入費は、業務に使用する割合に応じて経費計上できます。10万円未満であれば一括で経費に、10万円以上は減価償却が必要です。通信費、つまりインターネット回線やスマートフォンの利用料は、業務利用分を按分して経費にできます。家賃や電気代も、自宅の一部を仕事専用スペースとして使っている場合、面積比や使用時間比で按分計上できます。書籍代・セミナー受講料は、業務に関連する内容であれば経費。文房具、プリンターのインク、USBメモリなどの消耗品費。打ち合わせのための交通費。クライアントと食事を伴う打ち合わせをした場合の会議費。クラウドソーシング手数料や振込手数料、ソフトウェアのサブスクリプション料金などです。
経費にできないもの
私的な飲食代、家族との外食費。私服やビジネススーツの購入費(スポーツトレーナーのユニフォームなど業務専用と認められる場合を除く)。健康診断や医療費(医療費控除としては別途扱える)。罰金や交通違反金。所得税や住民税そのもの。これらは経費として認められません。
按分のリアリティ
自宅で在宅ワークをする場合、家賃や光熱費の按分はもっとも判断に迷う領域です。実態に即した合理的な根拠が必要で、たとえば「専用の作業スペースが家全体の20%」「業務に使う時間が1日のうち8時間で全体の33%」といった形で計算根拠を残しておきます。税務調査が入った場合、按分計算の根拠を説明できるかどうかが分かれ目です。私の経験では、面積按分と時間按分のどちらか分かりやすい方を選び、計算式を帳簿のメモ欄に記録しておくのが実務的だと感じます。
確定申告をしないとどうなるか:申告漏れのリスク
「ちょっとだけだからバレないだろう」という気持ちが頭をよぎる方もいらっしゃるかもしれません。ここはリスクを正直にお伝えします。
無申告が発覚すると、本来納めるべき税額に加えて、無申告加算税が課されます。税務署の調査によって発覚した場合は、納付すべき税額に対して原則15%(50万円を超える部分は20%)の無申告加算税が上乗せされます。さらに、納付が遅れた期間に応じて延滞税も発生します。意図的な所得隠しと判断されると、重加算税として最大40%の追徴課税となるケースもあります。
加えて、確定申告書の提出は、住宅ローンの審査や保育園入園の収入証明、各種社会保障の手続きなど、生活のあらゆる場面で必要になります。「正当に申告して納税している」という事実は、フリーランスや副業ワーカーにとって何より大切な信用基盤です。
副業を会社にバレたくないという方は、確定申告書の第二表で住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に丸を付けることで、副業分の住民税が会社の給与天引き(特別徴収)に合算されない仕組みになります。完全にバレないことを保証するものではありませんが、リスクは大幅に下げられます。
確定申告の具体的な手順
「いくらから必要か」が分かったら、次は実際の申告手順です。ここは一通りの流れを把握しておけば、初年度でも乗り切れます。
1. 帳簿付けと書類の整理
1年間の収入と経費を集計します。クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計など)を使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して自動仕訳できます。私はクラウドソーシングの取引履歴を毎月CSVでエクスポートして、ソフトに取り込む運用にしていました。月次で集計しておくと、年明けに泣くことになりません。
2. 申告区分の判定
在宅ワークの所得を「事業所得」として申告するか、「雑所得」として申告するかを判定します。継続的・反復的に行っていて、かつ事業として認められる規模・態様であれば事業所得、そうでなければ雑所得です。事業所得として申告する場合、青色申告承認申請書を事前に提出すれば青色申告特別控除(最大65万円)が使え、節税効果が大きくなります。
3. 申告書の作成
国税庁の確定申告書等作成コーナーで、画面に従って入力していけば、計算は自動で行われます。マイナンバーカードと対応スマートフォンがあれば、e-Taxから完全オンラインで提出できます。紙で提出する場合は、税務署窓口または郵送で2月16日から3月15日までの間に提出します。
4. 納税または還付
申告の結果、納税が必要であれば3月15日までに納付します。納付方法は振替納税、クレジットカード、ダイレクト納付、コンビニ納付など複数あります。還付の場合は、申告書に記載した銀行口座に1〜1.5ヶ月程度で振り込まれます。
扶養に入っている方が在宅ワークをするときの注意
主婦・主夫の方や、学生の方が在宅ワークをする場合、自分の確定申告とは別に、配偶者や親の扶養から外れるかどうかという論点があります。
税法上の扶養(配偶者控除・扶養控除)の所得要件は、改正により2025年分以降は所得58万円以下(給与のみなら年収123万円以下、内職等の場合は所得58万円以下)が基準となります。この所得58万円というラインを超えると、配偶者や親の所得税で扶養控除が使えなくなります。
健康保険の被扶養者の要件は、原則として年収130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)。こちらは「所得」ではなく「収入」ベースで判定され、必要経費を差し引く前の金額で判定する保険組合が多いため、税法上の扶養基準とは別物として考える必要があります。
「夫の扶養に入りながら少しだけ稼ぎたい」と考えている方は、税の扶養と社会保険の扶養、2種類のラインを把握した上で、年間の収入計画を立てるのがおすすめです。
当プラットフォームのお仕事カテゴリと確定申告の関係
ここからは、当プラットフォームに実際に掲載されている在宅ワーク案件をベースに、確定申告の観点で押さえておきたい職種を見ていきます。当プラットフォームでは個人と企業の直接取引が基本で、手数料0%で利用できる仕組みが特徴です。
近年特に増えているのが、生成AIを業務に組み込みたい企業を支援する案件群です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、ChatGPTやClaudeを使った業務効率化の支援、社内研修、プロンプト設計などが中心で、在宅で完結する案件も多くあります。1案件あたりの単価は数万円から数十万円のレンジで、継続契約に発展しやすい分野です。同じくAI関連で、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、AIを使ったマーケティング施策やセキュリティ運用の代行案件が並んでおり、ITスキルと業務知識の両方を持つ方に向いています。
開発系で根強い需要があるのが、アプリケーション開発のお仕事です。Webアプリ、モバイルアプリ、業務システムなど幅広いカテゴリがあり、在宅で完結するプロジェクトも多数。報酬は時給制・プロジェクト一括・月額契約など多様で、確定申告の観点では「事業所得」として継続性が認められやすい代表的な分野です。
職種別の年収・単価相場としては、ソフトウェア作成者の年収・単価相場では、市場の単価レンジや上位案件の傾向が確認できます。ライティング職に従事している方は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、Webライティング・編集系の単価相場を把握できます。確定申告の所得見込みを立てる際、市場相場感を押さえておくと、自分の単価設定や年収計画が立てやすくなります。
スキル証明の観点では、文書作成のクオリティが評価されるビジネス文書検定や、IT系インフラ案件で評価されるCCNA(シスコ技術者認定)など、資格は単価交渉の根拠として機能します。資格取得に要した費用も、業務関連性があれば必要経費として計上可能です。
確定申告に関するより踏み込んだ情報としては、副業の税金はいくらから?確定申告が必要な基準【2026年版】で副業全般の税金基準を、freee 確定申告 AI 自動仕訳でクラウド会計ソフトの活用方法を、確定申告 メリットを最大化!フリーランスが知るべき節税と還付のコツで還付・節税の実務テクニックを、それぞれ詳しく解説しています。
当プラットフォームのデータから見える、在宅ワーク確定申告の実態考察
当プラットフォームに掲載されている案件と登録者の動向から見えてくる、在宅ワーク確定申告の実態を考察します。
まず明確に観察できるのは、案件単価のレンジが二極化していることです。ライティング・データ入力など参入障壁が低い分野では、1案件あたりの単価が数千円〜数万円のレンジ。月収換算で5〜15万円の在宅ワーカーが多く、この層は副業として20万円ルールに該当するかどうかが判定の起点になります。
一方、開発・AI支援・コンサルティングなどの専門分野では、1案件で数十万円〜数百万円のレンジ。この層は、専業・副業を問わず確定申告が必須であり、青色申告・法人化・インボイス制度対応など、より高度な税務知識が必要になります。
また、確定申告の観点でデータから読み取れる傾向として、継続案件比率の高さが税務上の有利さに直結するという点があります。当プラットフォームでは、特定のクライアントと月額契約や継続業務委託契約を結んでいる事例が多く、これは前述の家内労働者等の必要経費の特例の対象になりやすい働き方です。単発案件中心の方よりも、継続案件中心の方の方が、税務上の経費控除を最大化しやすい構造になっています。
加えて、案件報酬の支払いタイミングと年末年始の処理が、初年度の在宅ワーカーが意外と混乱するポイントです。12月に納品して翌年1月に入金された案件は、原則として発生主義で12月分の収入として計上します(事業所得の場合)。雑所得や現金主義を選択している場合は1月分の収入。皆さんが12月決算を意識して動くべきかどうかは、申告区分次第で変わります。
実務的な感覚として、私が副業から専業に移行した際、もっとも大きく変わったのが「税金との付き合い方」でした。会社員のときは年末調整で完結していたものが、フリーランスになると毎月の取引を自分で記録し、年に一度の確定申告で全体像を確定させる作業が発生します。これは大変に見えますが、裏を返せば「自分のビジネスの数字を全部自分で把握できる」ということ。皆さんが在宅ワークを長く続けるなら、早い段階で帳簿付けの習慣をつけておくと、後から大きな武器になります。
在宅ワーカーが知っておきたい節税の基本
最後に、合法的に税負担を軽減するための基本的な考え方を整理します。情報商材的な「裏ワザ」ではなく、国税庁が認めた制度の範囲内での節税です。
青色申告特別控除(最大65万円)。事業所得として申告する方は、青色申告承認申請書を提出することで、要件を満たせば最大65万円の特別控除が使えます。e-Taxでの提出と複式簿記の帳簿付けが条件です。
小規模企業共済。フリーランスや個人事業主向けの退職金制度で、掛金(月額1,000円〜70,000円)が全額所得控除になります。年間最大84万円の所得控除効果。
iDeCo(個人型確定拠出年金)。掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税。フリーランスの方は月額68,000円まで拠出可能で、年間最大81.6万円の所得控除になります。
ふるさと納税。実質2,000円の自己負担で各自治体から返礼品を受け取れる制度。副業所得を含めた年収ベースで控除上限額が決まります。
セーフティ共済(経営セーフティ共済)。月額5,000円〜200,000円の掛金が全額経費になり、取引先倒産時の備えにもなります。
これらは制度的に認められた節税策であり、誰でも要件を満たせば使えるものです。皆さんが「知っているか・知らないか」だけで税負担に大きな差が生まれます。まずは青色申告と小規模企業共済から検討してみるのがおすすめです。
確定申告のスケジュールと事前準備の実務
確定申告は2月16日から3月15日までの期間が原則ですが、実際の準備は前年中から始まっています。年間を通じたスケジュール感を共有します。
1月〜3月(前年分の申告期)。前年1月〜12月分の収入と経費を確定させ、申告書を作成・提出します。還付申告は1月から受付可能なので、還付見込みの方は早めの提出がおすすめ。
4月〜6月。前年分の住民税通知が届きます(6月頃)。副業を会社にバレたくない方は、確定申告時に住民税を普通徴収に指定していたかを再確認するタイミング。
7月〜9月。中間納付(予定納税)がある場合は、第1期分の納付期限が7月。前年の所得税額が15万円以上だった方が対象です。
10月〜12月。年末に向けて、青色申告承認申請を翌年から始めたい方は、その年の3月15日(新規開業は開業から2ヶ月以内)が提出期限なので注意。年内に経費として計上したい支出(書籍代、機材購入など)を整理。ふるさと納税の上限額シミュレーションも12月までに済ませる。
12月。12月31日時点で在庫がある方は棚卸し。クレジットカードで支払った経費は12月利用分まで含めて集計。
私の経験では、確定申告は「年明けに頑張る」よりも「年間を通して仕組み化する」方が圧倒的に楽です。クラウド会計ソフトに毎週1回データを取り込む習慣をつけるだけで、確定申告期の負担は劇的に減ります。皆さんがこれから在宅ワークを始める、あるいは続けていくなら、最初に整える仕組みは「帳簿の自動化」だと断言できます。
「20万円ルール」をめぐる誤解と正確な理解
最後に、もっとも誤解されやすい「20万円ルール」について整理しておきます。
誤解1: 「20万円以下なら何もしなくていい」。これは半分正しく半分間違いです。所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。
誤解2: 「収入が20万円以下なら確定申告不要」。収入と所得を混同しています。判定基準は所得(収入−必要経費)。
誤解3: 「確定申告すると会社にバレる」。住民税の納付方法を普通徴収にすれば、リスクは大幅に下げられます。
誤解4: 「副業所得が20万円以下なら申告しない方が得」。源泉徴収されている場合、申告した方が還付を受けられるケースが多くあります。
誤解5: 「20万円ルールは全員に適用される」。これは給与所得者(会社員等)に限定された特例。専業の在宅ワーカーには適用されません。
誤解6: 「経費に上限はない」。経費の合計に法的な上限はありませんが、収入に対して経費が不自然に多いと税務調査の対象になりやすくなります。実態に即した按分と、領収書・取引記録の保管が前提です。
皆さんがこれらの誤解を回避し、正しい知識で確定申告に臨めば、必要以上に怖がる必要はありません。在宅ワークは、適切に税務処理をすれば、皆さんのキャリアの大きな選択肢になります。私自身、副業からスタートして専業に移行したからこそ、いま落ち着いて家族との時間と仕事の両立ができています。準備さえすれば、40代からでも、子育て中でも、十分に在宅ワークで生計を立てる道は開けます。皆さんが第一歩を踏み出す際の、参考になれば幸いです。
よくある質問
Q. 副業の所得が20万円以下なら本当に確定申告は不要ですか?
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は市区町村に対して別途必要になります。所得税の申告を行えば住民税の手続きも自動で完了するため、将来を見据えてあえて確定申告を行うことをお勧めします。
Q. 副業の確定申告は売上20万円を超えたら必要ですか?
基準になるのは原則として売上ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得です。副業所得が20万円を超える会社員は、確定申告が必要になるのが基本です。
Q. 副業で個人事業主をしている場合も確定申告は必要ですか?
本業の所得以外に、副業の所得(売上から経費を引いた金額)が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。20万円以下の場合は所得税の申告は不要ですが、住民税の申告が必要になる場合があります。
Q. 副業の確定申告をしないとどうなりますか?
税務署に把握された場合、延滞税(年利7.3〜14.6%)や無申告加算税(15〜20%)がかかります。クラウドソーシングの報酬は支払調書を通じて税務署に把握されているため、「申告しなくてもバレない」ということはありません。
Q. 会社に副業を知られたくないのですが、確定申告で対策できますか?
確定申告書の住民税の徴収方法の欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税通知が会社に届かないようにすることが可能です。ただし、給与所得としての副業の場合はこの選択ができないことがあります。
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この記事を書いた人
前田 壮一
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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