中小企業診断士の実務経験なしで受けられる副業と、経験が要る案件の線引き


この記事のポイント
- ✓中小企業診断士 実務経験なし 副業で悩む方へ
- ✓合格したばかりでも受けられる案件と
- ✓経験がないと厳しい案件の線引きを整理しました
中小企業診断士に合格した。登録も済ませた。それなのに、案件を探そうとすると「実務経験3年以上」という条件が並んでいて、応募する前から手が止まる。この状態で検索している人が、とても多いと感じています。
先に結論を書きます。実務経験がなくても受けられる仕事は、はっきりと存在します。ただし、それは「経験不問の仕事」ではなく、「経験ではなく別のもので判断される仕事」です。この違いが分かると、探す場所も、応募のときに書く内容も変わります。
もう1つ、安心してほしいことがあります。「実務経験なし」という言葉は、実は3つのまったく違う意味で使われていて、あなたが不足していると思っているものが、依頼者が求めているものと一致していないことがよくあります。まずそこを分けるところから始めます。
「実務経験なし」という言葉が指しているもの
相談の場でよく聞くのは、「診断士としての実務経験がゼロなので、何も受けられない気がする」という言い方です。ここには少なくとも3つの意味が混ざっています。
1つ目は、資格の登録や更新に関わる実務従事の要件です。中小企業診断士は登録に有効期間があり、更新にあたって実務に従事した記録が求められます。これは制度上の話で、依頼者が案件で見ている経験とは別物です。
2つ目は、診断士として報酬を受け取って仕事をした実績です。案件票に「実務経験」と書かれているとき、多くはこれを指しています。ただ、依頼者が本当に知りたいのは年数ではなく、「頼んだものが出てくるかどうか」です。
3つ目は、会社員としての職務経験です。ここを自分で切り捨ててしまう人が非常に多い。経理を10年やっていた、店舗の運営を任されていた、社内システムの入れ替えを担当した。これらはすべて、依頼者から見れば立派な実務経験です。診断士としての年数がゼロでも、経験がゼロなわけではありません。
この3つを分けて考えると、埋めるべき穴が具体的になります。多くの場合、足りていないのは経験そのものではなく、経験を依頼者に伝わる言葉に変換する作業です。
実際に、企業に勤めている中小企業診断士を対象にしたアンケートでも、約半数の企業で副業が認められているという結果が出ました。 出典: studying.jp
会社に勤めながら診断士として活動する人が増えているということは、実務経験を「本業で積んだもの」として持ち込む人が市場に増えているということでもあります。これは、独立して年数を重ねた人だけが仕事を取る構図ではなくなってきた、という意味です。
実務経験がなくても受けられる案件
まず、いま受けられるものから見ていきます。共通しているのは、成果物の形がはっきりしていて、依頼者が完成品を見て判断できる仕事だという点です。
経営分野の記事執筆
最も入りやすい入り口です。資金繰り、補助金制度の解説、事業計画の考え方、フレームワークの使い方といった主題は、書ける人が慢性的に不足しています。文字単価は資格保有者向けで2円から8円程度に分布し、5,000字の記事で1万円から4万円という帯になります。
依頼者が見ているのは執筆年数ではなく、試し書きの中身です。だから、応募の段階で書いたものを添えられる人が強い。逆に言えば、書いたものさえあれば経験年数の欄はほとんど問われません。
範囲を区切った記事監修
監修は責任を伴うので難しく見えますが、範囲を限定した形なら合格したばかりでも成立します。たとえば「制度の説明に事実誤認がないかの確認」だけを担当し、文章表現や構成には口を出さない、という切り方です。1本あたり1万円前後から始まることが多く、続けるうちに範囲が広がっていきます。
引き受けるときは、確認する範囲を必ず文書にしてください。これは自分を守るためでもありますが、依頼者にとっても「どこまで頼めるのか」が明確になるので歓迎されます。
調査とデータの整理
業界動向の調査、統計資料の整理、競合他社の比較表づくりといった仕事です。地味に見えますが、二次試験の事例問題で鍛えた読み取りの力がそのまま使えます。1件5,000円から3万円程度で、納期が短いものが多い分野です。
この仕事の良いところは、実績として説明しやすい形が残ることです。次の応募のときに「こういう調査を担当した」と具体的に書けます。
試験対策の添削と教材づくり
合格して間もない人にしか書けない仕事があります。試験の記憶が新しいうちに担当できる、答案の添削や教材の作成です。予備校や通信講座では、直近の合格者を継続的に募集しています。実務経験ではなく合格実績そのものが要件になっている、めずらしい入り口です。
公的な支援制度を通じた実務従事の機会
各地の支援機関や診断士の協会が、実務従事の機会を用意していることがあります。報酬が高いわけではありませんが、更新要件を満たしながら実際の企業に触れられます。合格から間もない時期の選択肢としては、収入より経験の獲得を目的に置いて使うのが現実的です。
経験がないと引き受けるべきでない案件
ここは正直に書きます。受けられないのではなく、いま受けると自分も依頼者も損をする、という種類の仕事があります。
単独での経営顧問契約
月額で顧問として入り、経営全般の相談に答える契約です。相談の中身は選べません。人の採用、資金繰り、取引先とのトラブル、家族経営の後継問題まで飛んできます。教科書で読んだ知識だけで答えると、間違った方向に会社を動かしてしまいます。
やるなら、経験のある診断士と組んで補佐として入る形にしてください。単独で受けるのは、いくつかの分野で答えを持てるようになってからで十分です。
補助金や許認可の申請にかかわる仕事
需要が大きく、報酬も付きやすい分野なので、最初に目が向きがちです。ただ、ここは範囲の見極めが要ります。他人の申請書類を報酬を得て代わりに作成する行為は、行政書士法が定める業務との関係で線引きが問題になり得ます。診断士として事業計画の考え方を助言することと、提出書類そのものを作成して報酬を受け取ることは、同じ案件の中で連続していますが、法律上の評価は同じではありません。
この記事で「ここまでは大丈夫」と断定はしません。実際の可否は、依頼された作業の中身と、最終的に誰が書類を作成して提出するのかによって変わるからです。関わる可能性があるなら、契約の前に作業範囲を文書で確認し、行政書士法や関連する法令の条文にあたるか、他資格の専門家と組む形を検討してください。経験がない段階では、この判断自体が難しいので、まずは避けるのが安全です。
事業再生や金融機関との交渉が絡む案件
会社の存続がかかっている場面です。判断を1つ間違えると、取り返しがつきません。ここは経験のある人が担当すべき領域で、初期に手を出す場所ではありません。
実務従事の要件と、案件の実績は別々に積む
不安になりやすいのが、更新のための実務従事と、収入になる案件を同時に満たさなければいけないのか、という点です。同時でなくて構いません。
実務従事は、協会や支援機関が用意する機会、あるいは知り合いの会社への支援を通じて満たすのが一般的な進み方です。ここは収入ではなく、資格を維持するための活動と割り切ります。一方で収入は、書く仕事や調べる仕事から始める。この2本立てで進めると、どちらかが止まってももう一方が続きます。
働き方改革やコロナ禍の影響から、複業/副業という働き方が浸透してきました。診断士も例外ではなく、診断士以外にもお仕事を持ちながら活動されている方が増えたように感じます。 出典: hyt.co.jp
本業を持ったまま活動する人が増えているということは、限られた時間の中で少しずつ積み上げる進み方が、例外ではなく標準になってきたということです。焦らなくて大丈夫です。
最初の一件までの順番
順番があります。逆にすると、うまくいきません。
第1に、自分の職務経験を診断士の言葉に翻訳します。経理の経験なら「財務諸表の読み解きと資金繰りの実務」、店舗運営なら「小売の在庫管理と人員配置の実務」といった具合です。これを箇条書きで5個ほど用意します。
第2に、書いたものを作ります。自分の得意分野で3,000字程度の解説を2本。公開できる場所に置いておくと、応募のたびにURLを渡すだけで済みます。試し書きを求められて慌てる人と、すでに持っている人とでは、通過率がまったく違います。
第3に、応募先を絞ります。経営分野の記事を継続的に出しているメディア、士業事務所、金融機関のオウンドメディア。この3種類に的を絞ると、資格が評価される確率が上がります。
第4に、応募文で年数の話をしません。書くのは、その依頼に対して自分が何を出せるかです。「診断士としての実績はまだ少ないですが」という前置きは不要です。依頼者はあなたの謙遜ではなく、成果物を知りたいだけです。
第5に、最初の1件は条件より速度で選びます。金額が低くても、早く終わって実績が残るものを選ぶ。1件目が終われば、2件目からの応募文の中身が変わります。
断られたときに直すべき場所
応募して返事が来ないと、資格や経験が足りないせいだと考えてしまいがちです。多くの場合、原因はそこではありません。
いちばん多いのは、応募文が長すぎることです。依頼者は何十件も読みます。学習の経緯や資格を取った動機は、読まれません。何ができるかを最初の3行に書いてください。
次に多いのが、示せるものがない状態での応募です。書く仕事なのに文章のサンプルがない、資料作成なのに作った資料の例がない。これでは判断のしようがありません。手元にないなら、自分で作れば済みます。
3つ目は、応募先と自分の経験が噛み合っていないことです。飲食業の記事を募集しているところに、製造業の経験だけを並べても届きません。噛み合う先を選び直すほうが早い場合があります。
うまくいかない時期に、自分の能力の問題だと考え込んでしまう人がいます。実際に見ていると、伝え方と応募先の選び方でほとんど説明がつきます。落ち込む必要はありません。直せる場所はいつも技術的なところにあります。
資格を取ったのに何もできないという感覚について
この感覚を訴える人は、本当に多いです。長い時間をかけて勉強して、合格して、それなのに手元には何も変化がない。むしろ、周りの合格者が活動しているのを見て、自分だけ取り残されている気がしてくる。
ここで知っておいてほしいのは、この時期は誰にでもあるということです。試験は答えのある問題を解く作業でしたが、実務は答えのない状況に形を与える作業です。使う筋肉が違うので、切り替えに時間がかかるのが普通です。
対処は具体的なもので構いません。1週間に1つ、小さく完結する行動を決めることです。解説を1本書く、応募を1件出す、興味のある分野の統計を1つ読む。大きな目標を立てると動けなくなるので、終わりが見える単位にします。
そしてもう1つ。合格から仕事につながるまでの期間は、人によって半年から2年ほどの幅があります。早い人と自分を比べても、条件が違いすぎて参考になりません。比べるなら、3か月前の自分と比べてください。
案件データから見える、経験不問の入り口
在宅の案件情報を長く扱っていると、「経験不問」と書かれた案件と、実際に未経験者が採用されている案件が一致しないことに気づきます。経験不問と明記されている案件は応募が殺到するため、かえって競争が厳しくなる。一方で、経験の記載がない案件や、成果物のサンプルを求めている案件のほうが、実際には未経験者が通っています。判断基準が年数ではなく提出物になっているからです。
20年この市場を運営してきた立場から見ていると、最初の1件を取れる人と取れない人の差は、能力よりも「判断材料を相手に渡しているかどうか」に表れます。渡していない人は、相手が判断できないので保留になる。それを不採用と受け取って自信を失う、という循環に入ってしまいます。渡すものを1つ用意するだけで、この循環は止まります。
もう1つ、運営者として見てきた限りでは、続いている人は単発の案件を取り直すより、依頼者との関係を薄く長く保つことに時間を使っています。1件終わったあとに、関連しそうな情報を1つ送っておく。それだけで次の依頼が来ることが実際にあります。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りが続く関係では、同じ予算でも依頼者はより多くを頼めて、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%で取引できる環境が効くのは、金額の差そのものより、この関係が育ちやすくなるからです。
キャリアや働き方の相談に近い領域の案件がどう募集されているかは、キャリア・副業・人生相談のお仕事で仕事の種類と依頼のされ方を確認できます。経営支援にデータ分析やマーケティングが絡む案件も増えており、その周辺はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとまっています。
書く仕事から始める場合、報酬水準を職種全体の統計と比べておくと判断がぶれません。著述家,記者,編集者の年収・単価相場には国の統計に基づく賃金データが整理されています。資格そのものの制度や登録の仕組みは中小企業診断士にまとめてあり、先ほど触れた書類作成の線引きについては行政書士の説明とあわせて読むと、境界がどこにあるのかが具体的に分かります。
副業を始める段取り全体を確認したいなら、副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめが手順を追える形になっています。実績づくりの初期に、負担の軽い作業から始めたい場合はデータ入力・文字起こしの副業は稼げる?在宅ワークの始め方と相場も参考になります。
最後に。実務経験がないという状態は、期間限定のものです。1件受ければ、その日から「実務経験なし」ではなくなります。埋めるべき距離は、思っているよりずっと短い場所にあります。
経験の代わりに提出できる4つの材料
依頼者が実務経験を尋ねるのは、年数そのものが欲しいからではありません。「頼んだものが期日どおりに、使える形で出てくるか」を確かめたいだけです。その確認ができれば、年数の欄は空でも通ります。年数の代わりになる材料は4つあります。
1つ目は、書いたものです。得意分野の解説を自分で書いて公開しておく。文章の質を見せるだけでなく、その分野を理解していることの証明になります。長さは3,000字程度で十分で、量より論点の整理のしかたが見られます。
2つ目は、作った資料です。架空の企業を想定した簡単な分析でも構いません。決算書の数字から資金繰りの課題を抜き出し、改善の方向を一枚にまとめる。この一枚があるだけで、資料作成の案件では判断材料になります。実在企業の資料を勝手に使うのは避け、公開されている統計や自分で作った数値を使ってください。
3つ目は、本業での職務経験を分解した説明です。「経理担当10年」ではなく、「月次決算の締めと、季節変動のある業種の資金繰り表の作成を担当」と書く。担当した業務の粒度を細かくするほど、依頼者は自分の困りごとと重ねやすくなります。
4つ目は、対応の速さです。これは提出物ではありませんが、最も強く効きます。問い合わせに24時間以内で返す人は、それだけで候補に残ります。実績がない段階で唯一、誰でも今日から使える差別化がここにあります。
受ける前に確認しておきたい勤務先の規程
会社に勤めながら活動する場合、収入の話より先に確認しておくことがあります。就業規則の副業に関する定めです。
確認する点は3つです。副業そのものが許可制なのか届出制なのか。競業に該当する取引先や業種の制限があるか。勤務時間外であっても、事前の申請が必要な範囲がどこまでか。この3点を先に押さえておかないと、案件が決まってから引き受けられないという事態になります。
とくに注意が要るのが競業の判断です。本業と同じ業界の企業を支援する仕事は、経験が活きるぶん受けやすい一方で、勤務先から見ると利益相反に見えることがあります。判断に迷うなら、案件名を伏せた形で人事に相談しておくほうが、後から問題になるより確実です。
もう1つ、収入が一定額を超えると確定申告が必要になります。副業の所得が年間20万円を超える給与所得者は申告の対象になるため、始めた時点から報酬と経費の記録をつけておいてください。あとからまとめて整理しようとすると、その作業だけで週末が消えます。
1年目に起きやすい失敗と、その避け方
合格から1年目に多いつまずきを、いくつか挙げておきます。どれも事前に知っていれば避けられるものです。
安く受けすぎて抜けられなくなる。実績が欲しい時期は、金額より機会が魅力的に見えます。それ自体は間違いではありませんが、何件目までを実績づくりとするかを先に決めてください。決めずに続けると、その単価が自分の定価として固まります。
範囲を決めずに引き受ける。「とりあえずやってみます」で始めた仕事が、気づくと当初の3倍の作業量になっている。これは経験の有無に関係なく起きますが、初期は断りにくいぶん深刻になります。成果物の定義と修正回数を、最初の見積もりの時点で文章にしておきます。
得意分野を作らないまま応募を続ける。何でもできますという書き方は、依頼者から見ると何もできない人と区別がつきません。本業で触れてきた業種か機能を1つ選び、そこに寄せて応募したほうが通ります。
学習を続けてから動こうとする。準備が整ってから応募しようと考えるうちに、半年、1年と過ぎていきます。実務で必要な知識は、案件を受けたあとに調べたものが最も定着します。順序は逆で構いません。
3か月で状態を変えるための進め方
期間を区切ると動きやすくなります。ここでは3か月を単位にした進め方を書いておきます。無理のない分量にしてあるので、平日夜と週末だけで回せます。
最初の月は、材料をそろえる時間にあてます。本業の職務経験を分解して箇条書きにし、得意分野の解説を2本書いて公開する。ここで完璧を目指す必要はありません。人に見せられる状態であれば十分です。並行して、勤務先の副業に関する規程を確認しておきます。
2か月目は、応募に使います。経営分野の記事を継続して出しているメディア、士業事務所、金融機関の情報サイト。この3種類に絞って、週に3件ずつ応募します。返事が来ない案件が続いても、応募文の長さと添付した成果物を見直すだけで反応が変わることが多い。3件のうち1件でも面談まで進めば、その月は成功です。
3か月目は、受けた仕事を終わらせることに集中します。1件目は金額より速度で選び、期日より早く納めることを目標にします。早く終わらせた1件は、次の応募文に書ける実績になり、依頼者からの追加依頼にもつながります。ここまで来れば、実務経験なしという状態は終わります。
この3か月で大事なのは、毎週の行動を小さく保つことです。大きな計画を立てると、疲れた週に止まって、そのまま戻れなくなります。1週間に1つ終わる単位に切っておけば、止まっても翌週から再開できます。
資格を取るまでに使った時間と労力を、そのまま仕事に変換するには、思っているほど大きな段差はありません。必要なのは追加の勉強ではなく、手元にあるものを相手に渡る形に整える作業です。
経験を積む場として見たときの案件の選び方
収入だけで案件を選ぶと、1年経っても同じことを繰り返している状態になりがちです。初期は、報酬に「何が身につくか」を足して判断すると効率が上がります。
見るべき点は3つです。1つ目は、依頼者からフィードバックが返ってくるかどうか。納品して終わりの仕事より、修正の指示が具体的に返ってくる仕事のほうが、短期間で力がつきます。指摘の中身が、そのまま市場が求めている水準を教えてくれるからです。
2つ目は、触れられる情報の質です。実際の企業の数字や社内の事情に触れられる案件は、報酬が低くても価値があります。逆に、公開情報を並べ替えるだけの仕事は、何本こなしても引き出しが増えません。
3つ目は、次につながる形が残るかどうか。守秘義務があって内容を一切明かせない案件ばかりだと、実績として説明できるものが手元に残りません。公開を前提とした記事や教材は、その点で有利です。名前を出せる仕事を1つ持っておくと、以後の応募がずいぶん楽になります。
この3つを満たす案件は、たいてい単価が抑えめです。だから最初の半年ほどは、収入の柱を本業に置いたまま、学びの効率で案件を選ぶ。そのあとで、身についたものを単価に反映させる交渉に移る。この順番だと、無理なく水準が上がっていきます。
焦る気持ちが出てくるのは自然なことです。ただ、案件を1件取れるかどうかは、能力の総量ではなく、相手に渡した判断材料の数で決まります。手元にある経験を、伝わる形に変える。やることはそれだけです。
診断士の登録を終えた時点で、あなたはすでに経営を体系的に語れる少数派に入っています。足りないのは実績を示す1件だけで、その1件は年数ではなく、渡した材料と対応の速さで決まります。半年前に合格した人も、3年前に合格して動けずにいた人も、始まる地点は同じです。今週できる小さな行動を1つ選んで、そこから戻してください。
よくある質問
Q. 中小企業診断士に合格したばかりでも受けられる案件はありますか?
経営分野の記事執筆、範囲を区切った記事監修、業界調査やデータ整理、試験対策の添削や教材づくりは、合格直後でも受けられます。共通しているのは成果物の形がはっきりしていて、依頼者が完成品で判断できる点です。年数ではなく提出したサンプルで評価される仕事を選ぶのが近道になります。
Q. 案件票の「実務経験」と、資格更新の実務従事は同じものですか?
別のものです。実務従事は登録の更新にかかわる制度上の要件で、協会や支援機関が用意する機会などで満たします。案件票の実務経験は、依頼者が納品物の確からしさを測るための目安です。会社員として積んだ職務経験も、依頼者から見れば実務経験に含まれます。
Q. 補助金の申請支援は経験がなくても受けられますか?
避けたほうが安全です。他人の申請書類を報酬を得て代わりに作成する行為は、行政書士法が定める業務との関係で線引きが問題になり得ます。可否は作業の中身と誰が最終的に書類を作成するかで変わるため、関わるなら契約前に作業範囲を文書で確認し、他資格の専門家と組む形を検討してください。
Q. 応募しても返事が来ません。何を直せばよいですか?
応募文の長さ、示せる成果物の有無、応募先との噛み合わせの3点を確認してください。学習の経緯や資格取得の動機は読まれにくく、何ができるかを最初の3行に書くほうが通ります。文章のサンプルや作成した資料の例が手元にないなら、自分で作って添えるだけで通過率が変わります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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