SmartHRを使う会社で副業は把握されるのか|情報の扱いと申請の進め方


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この記事のポイント
- ✓smarthr 副業 バレるという不安の正体を
- ✓労務管理システムに何が記録され誰が閲覧できるのかという情報の流れから整理します
- ✓確定申告の20万円ルール
年末調整の季節になると、「smarthr 副業 バレる」という検索が一気に増えます。勤務先がSmartHRのような労務管理システムを導入した途端、これまで紙で済んでいた申告がすべて画面上の入力に変わり、副収入の金額を入力する欄が目の前に現れる。そこで手が止まる人が非常に多い、という傾向が見られます。
結論から書きます。労務管理システムそのものが副業を検知する仕組みを持っているわけではありません。SmartHRは会社が集めるべき情報を集め、行政に提出する書類を作るための入れ物です。副業が会社に伝わるかどうかを決めているのは、システムの機能ではなく、住民税の徴収方法と、就業規則上の申請ルールという2つの制度側の要因です。そして正直なところ、システム上で情報を出さないように工夫するという発想は、ほぼ確実に行き詰まります。この記事では、どの画面に何を書くとどこへ情報が流れるのかを分解したうえで、隠すのではなく申告して続けるための現実的な進め方を整理します。
労務管理システムが普及した結果、何が変わったのか
まず前提を揃えます。SmartHRに代表されるクラウド型の労務管理システムは、入社手続き、雇用契約の締結、年末調整、給与明細の配布、社会保険の手続きといった人事労務の事務をオンライン化するサービスです。総務省の情報通信白書などが示すとおり、国内企業のクラウドサービス利用率はこの10年で大きく伸びており、人事労務領域はその中でも導入が進んだ分野の1つです。かつては紙の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に手書きして総務に提出していた作業が、スマートフォンの画面から数分で完了するようになりました。
紙からデジタルへの移行で「怖くなった」だけという側面
副業をしている人がこの変化を不安に感じる理由は、実のところ情報の中身が変わったからではありません。見えるようになったからです。
紙の申告書だった時代、扶養控除等申告書や保険料控除申告書には副収入の記入欄はほとんど意識されず、総務担当者も細かく確認しないケースがありました。ところがシステム化されると、入力項目が質問形式でひとつずつ提示されます。「給与以外の所得はありますか」「今年の所得の見積額を入力してください」といった問いが順番に画面に出てくるため、答えを選ばずには先へ進めません。これが「システムが副業を暴こうとしている」という感覚を生みます。
しかし実際には、紙の時代も同じ情報が求められていました。扶養控除等申告書の「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」という欄は昔から存在します。デジタル化によって省略が効かなくなり、質問が明確になっただけです。つまり「システムを入れたから副業がバレる」のではなく、「これまで曖昧に済ませていた申告が、本来の形に戻った」というのが正確な理解になります。
副業をめぐる社会側の変化も同時に進んでいる
もう1つ押さえておきたいのは、副業に対する社会の姿勢が変わってきているという事実です。厚生労働省はモデル就業規則から副業・兼業を一律に禁止する規定を削除し、副業・兼業の促進に関するガイドラインを公表しています。制度の詳細は厚生労働省のサイトで確認できますが、方向性としては「原則として認め、必要な範囲で届出や許可を求める」という運用が標準になりつつあります。
副業は本業以外の収入を得られるだけでなく、仕事によっては今後に活きるスキルも身につくのが特徴です。しかし中には副業を禁止している会社もあり、副業したくてもチャレンジできずにいる方も多いでしょう。今回は副業していることをバレないようにするための対策や、会社にバレにくい副業の代表例を紹介します。バレるリスクをゼロにはできませんが、本記事で紹介する対策を実践することである程度はリスクを軽減できるでしょう。 出典: izul.co.jp
こうした情報が広く出回っている一方で、隠すこと自体をゴールに置くと、後から取り返しがつかない状況になることがあります。理由は後半で具体的に説明します。
SmartHRに記録される情報と、それを見られる人
不安を減らす最短ルートは、「何が記録され、誰が見られるのか」を具体的に把握することです。ここが曖昧なままだと、実際には見られていない情報まで想像で怖がることになります。
記録される情報の種類
労務管理システムに蓄積される従業員情報は、大きく次のように分類できます。
| 情報カテゴリ | 主な内容 | 副業との関係 |
|---|---|---|
| 基本情報 | 氏名、生年月日、住所、マイナンバー、家族構成 | 直接の関係はない |
| 雇用情報 | 入社日、部署、役職、雇用形態、給与額 | 直接の関係はない |
| 年末調整データ | 扶養控除、保険料控除、住宅ローン控除、所得見積額 | 所得見積額の欄が関係する |
| 社会保険関連 | 資格取得届、算定基礎届、二以上事業所勤務届 | 別の会社で社会保険に入ると関係する |
| 給与明細 | 支給額、控除額、住民税額 | 住民税額の変化が関係する |
副業との接点になるのは、実質的に「年末調整データの所得見積額」と「給与明細に反映される住民税額」、そして「社会保険の二以上事業所勤務」の3点だけです。それ以外の項目は副業の有無と無関係です。
副収入の金額を聞かれる理由は控除額の判定にある
年末調整の入力で副収入の金額を尋ねられると、監視されているように感じるかもしれません。しかしこれは税額計算上の必然です。配偶者控除や配偶者特別控除、基礎控除、ひとり親控除といった各種控除は、本人や配偶者の合計所得金額によって適用の可否と控除額が変わります。給与以外の所得があるなら、それを含めた合計所得を出さないと控除額が計算できません。
SmartHRのヘルプページでも、副収入分の金額を回答する必要がある理由として、各種控除額の判定に用いる年間所得見積額の算出のためだと説明されています。つまり、副業を検知する目的で聞いているのではなく、正しい税額を出すために聞いている項目です。ここを理解すると、入力欄に対する心理的な圧が少し下がります。
誰が閲覧できるのか
クラウド型の労務管理システムは、権限設定によって閲覧範囲を制御します。一般的な構成では次のようになります。
・システム管理者(人事労務担当者や経営層)は、担当範囲の従業員情報を閲覧できる ・部門管理者は、自部門のメンバーの一部項目のみ閲覧できる設定にすることが多い ・一般従業員は、自分自身の情報しか見られない
したがって、直属の上司や同僚があなたの年末調整の入力内容を自由に覗けるわけではありません。見ているのは基本的に人事労務の担当者です。ただし人事担当者は仕事として全項目を確認しますから、「所得見積額に給与以外の金額が入っている」という事実は担当者の目に触れる、と考えておくのが妥当です。
そして重要なのは、担当者が見ているのは金額であって、副業の内容や取引先までは分からないという点です。何をしてどこから得た収入なのかは、年末調整の情報からは判別できません。
「バレる」経路は制度側にある:住民税という最大の論点
副業が会社に伝わる経路として、実務上いちばん多いのが住民税です。ここは労務管理システムの機能とは無関係で、地方税の仕組みそのものに由来します。
給与から住民税が引かれる仕組み
会社員の住民税は、原則として特別徴収という方式で徴収されます。流れは次の通りです。
- 会社が毎年1月31日までに、前年分の給与支払報告書を従業員の居住する市区町村へ提出する
- 市区町村が、給与支払報告書と確定申告のデータを突き合わせて、その人の住民税額を計算する
- 市区町村が会社宛に「特別徴収税額の決定通知書」を送る
- 会社が通知された金額を6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きする
この3の段階で、会社に届く通知書には従業員ごとの住民税額が記載されます。副業所得があると、その分だけ住民税額が上乗せされて計算されるため、給与額に対して不自然に高い住民税額が通知されることになります。給与計算の担当者が細かく見ている会社では、この差異に気づくことがあります。これが「住民税でバレる」と言われる仕組みの実体です。
普通徴収という選択肢と、その限界
住民税には、自分で納付書を使って納める普通徴収という方式もあります。確定申告書の第二表には「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という欄があり、ここで「自分で納付」を選ぶことで、副業分の住民税を給与天引きから切り離せる場合があります。手続きの詳細は国税庁やe-Taxのサイトで確認できます。
ただし、ここには明確な限界が3つあります。
第一に、副業が給与所得の場合は普通徴収を選べないのが原則です。アルバイトやパートとして別の会社に雇用されて働くケースがこれにあたります。給与所得は特別徴収が原則とされているため、本業の会社に合算されて通知されます。総務省は住民税の特別徴収を徹底する方針を示しており、自治体によっては普通徴収への切替を厳格に制限しています。制度の考え方は総務省の地方税関連資料で確認できます。
第二に、自治体の運用によっては、雑所得や事業所得であっても普通徴収の希望が通らないことがあります。切替理由書の提出を求める自治体もあります。
第三に、そもそも普通徴収は「会社に知られないための制度」ではありません。納税方法の選択肢であって、副業を隠すためのテクニックとして設計されたものではない、という点は押さえておくべきです。
年末調整の画面に普通徴収の選択肢が無いのは仕様として正しい
検索でよく見かける悩みが、これです。
会社の年末調整が、SmartHR というアプリからの申請です。副業をしています。バレたくない理由で、住民税を普通徴収にしたいのですが選択するところがありません。これはもう、バレるしかないのですかね。すいません、分かる方いたら教えてほしいです。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
この疑問への答えははっきりしています。年末調整の画面に普通徴収の選択欄が無いのは当然です。住民税の徴収方法を選ぶ欄は、年末調整ではなく確定申告書の第二表、または市区町村へ提出する住民税申告書にあります。年末調整はあくまで所得税の精算手続きであり、住民税の徴収方法を決める場面ではありません。
つまり、システムの設定が悪いわけでも、会社が意地悪をしているわけでもありません。手続きの場所が違うだけです。副業分の住民税を自分で納めたいなら、翌年2月16日から3月15日ごろの確定申告で選択することになります。
確定申告と20万円ルールの正確な理解
副業をしている人が最も誤解しやすいのが、いわゆる「20万円ルール」です。ここを正しく理解していないと、申告漏れという別の問題を抱えることになります。
所得税と住民税でルールが違う
給与を1か所から受けていて、給与以外の所得の合計額が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要とされています。これが20万円ルールの正体です。
ただし、これは所得税に限った特例です。住民税にはこの特例がありません。副業所得が1円でもあれば、住民税の申告義務は残ります。所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告書を提出する必要があります。
この点を知らずに「20万円以下だから何もしなくていい」と考えて放置すると、後日、自治体から問い合わせが届くことがあります。取引先が支払調書を提出していれば、自治体側にはあなたへの支払記録が残っているためです。
収入と所得の違いを取り違えない
もう1つの頻出の誤解が、収入と所得の混同です。
・収入:受け取った金額の総額 ・所得:収入から必要経費を差し引いた金額
20万円ルールの判定に使うのは所得です。例えばライティングの副業で年間35万円の報酬を受け取り、書籍代や通信費、機材の減価償却などの必要経費が18万円あったなら、所得は17万円となり、所得税の確定申告は不要という判定になります。経費の記録を残していないと、この判定すらできません。
経費の管理は表計算ソフトでも十分に回せます。実務的な運用例は副業 確定申告 売上管理 スプレッドシート!2026年最新の時短術で、月次の集計テンプレートと領収書の保管方法を具体的に紹介しています。会計ソフトを使うならfreeeやマネーフォワードといったクラウド型サービスが選択肢になります。
所得区分によって扱いが変わる
副業の所得は、内容によって区分が変わります。
| 所得区分 | 該当するケース | 住民税の普通徴収 |
|---|---|---|
| 給与所得 | 別の会社にアルバイト・パートとして雇用される | 原則として選べない |
| 事業所得 | 継続反復して独立に営む業務委託・請負 | 選べる場合が多い |
| 雑所得 | 継続性が弱い単発の業務委託、原稿料、アフィリエイト等 | 選べる場合が多い |
| 不動産所得 | 賃貸物件の家賃収入 | 選べる場合が多い |
同じ「副業」でも、雇用契約で働くか業務委託で働くかによって、税務上の扱いも住民税の選択肢もまったく異なります。この違いは、副業の始め方を決める段階で意識しておく価値があります。
なお事業所得として青色申告をするには、開業届と青色申告承認申請書の提出が必要です。帳簿付けの手間は増えますが、最大65万円の青色申告特別控除が使えるため、副業所得が一定規模を超えると検討する価値が出てきます。
就業規則と副業の法的な位置づけ
「バレたら終わり」と感じている人の多くは、副業そのものが違法行為であるかのように捉えています。ここは事実関係を整理しておきましょう。
就業時間外の行動は原則として自由
労働契約は、労働時間内に労務を提供することを約束するものです。したがって勤務時間外に何をするかは、原則として労働者の自由に属します。会社が就業規則で副業を禁止していても、その規定が無制限に有効になるわけではありません。裁判例の傾向としては、次のような場合に限って副業の制限が合理的と判断されています。
・本業の労務提供に支障が出る場合(過度な長時間労働、遅刻や欠勤の増加など) ・競業関係にあり、会社の利益を害するおそれがある場合 ・企業秘密が漏洩するおそれがある場合 ・会社の名誉や信用を損なう行為である場合
逆に言えば、これらに該当しない副業を勤務時間外に行っている限り、直ちに懲戒処分の対象になるとは限りません。ただし、就業規則で届出義務や許可制が定められているのに手続きを怠った場合、その手続き違反自体が問題になります。
許可制・届出制が主流になりつつある
厚生労働省のガイドラインを受けて、副業を全面禁止から届出制へ移行する企業が増えています。制度の条文はe-Govの法令検索でも確認できますが、実務上重要なのは自社の就業規則です。まず自分の会社の規程を読むことが出発点になります。
確認すべき項目は次の4つです。
- 副業に関する条項があるか(禁止か、許可制か、届出制か)
- 許可制なら、誰に何を申請するのか(様式の有無)
- 禁止される副業の類型が具体的に列挙されているか(同業他社、公序良俗に反するもの等)
- 違反した場合の措置がどう定められているか
多くの会社では、労務管理システム上に規程集が格納されています。SmartHRを導入している会社なら、文書配付機能で就業規則が配られていることが多いはずです。副業について不安があるなら、まずそこを開くのが最短です。
社会保険の「二以上事業所勤務」という論点
副業が業務委託であれば社会保険には影響しません。しかし、別の会社に雇用されて一定の労働時間を超える場合、両方の会社で社会保険の加入要件を満たすことがあります。この場合は「二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出し、両社の報酬を合算して保険料を按分計算します。
この手続きが発生すると、本業の会社にも通知が行くため、副業の存在は確実に共有されます。制度の概要は日本年金機構のサイトで確認できます。雇用型の副業を選ぶなら、この点は避けて通れません。逆に、業務委託型で働けばこの論点は発生しません。
隠す前提ではなく、申告して続けるための実務手順
ここからが本題です。情報の流れを理解したうえで、どう進めるのが現実的かを手順に落とします。
手順1:自社の就業規則を確認する
最初にやるべきはこれです。禁止なのか、許可制なのか、届出制なのか、それとも規定自体が無いのか。ここを確認しないまま「バレたらどうしよう」と悩み続けるのは、時間の使い方として非効率です。規定が無い会社も一定数あります。
手順2:副業の形態を決める
雇用型(アルバイト・パート)か、業務委託型(請負・準委任)かで、その後の税務も社会保険も大きく変わります。住民税の徴収方法を自分で選びたい、社会保険の合算手続きを避けたい、時間の裁量を持ちたいという条件を優先するなら、業務委託型の在宅ワークが合理的な選択になります。
どんな業務委託の仕事があるのかを具体的に知りたい場合、職種別の解説が参考になります。例えばキャリア・副業・人生相談のお仕事では、キャリア相談やコーチングを在宅で請け負う際の業務範囲と求められる姿勢が整理されています。技術寄りの領域ならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が、生成AIの活用支援や広告運用代行といった近年伸びている案件の実態をまとめています。創作系に関心があるなら作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事で、音源制作の納品形態や権利処理の考え方が確認できます。
手順3:許可制なら申請する
申請が必要な会社では、正直に出すのが最も安全です。申請書に書く内容は、一般に次の項目です。
・副業の内容(業務の種類) ・従事する時間帯と1週間あたりの想定時間 ・報酬形態(業務委託・雇用の別) ・本業への影響がないことの説明
申請時のポイントは、本業に支障が出ない設計になっていることを具体的に示すことです。「土日の午前中に週6時間程度」「業務委託契約で、当社と競合しない領域」といった書き方をすれば、承認される可能性は高まります。ここを曖昧にすると、判断できないという理由で保留されます。
手順4:年末調整では正直に所得見積額を入力する
労務管理システムの年末調整で「給与以外の所得」を聞かれたら、実際の見積額を入力します。虚偽の申告をすると、扶養控除等申告書は税務署へ提出される公的書類ですから、内容によっては過少申告加算税の対象になり得ます。控除の判定が狂って、年末調整をやり直すことにもなりかねません。
繰り返しになりますが、この欄に金額を入れても、副業の内容や取引先までは会社に伝わりません。
手順5:確定申告と住民税の徴収方法を選ぶ
副業所得が20万円を超えるなら確定申告を行い、第二表で住民税の徴収方法を選択します。20万円以下でも住民税の申告は必要です。この2つを混同しないでください。
申告書の作成は国税庁の確定申告書等作成コーナーで完結します。e-Taxを使えば税務署へ行かずに提出できます。
手順6:記録を残す運用に切り替える
副業を続けるなら、報酬の入金記録と経費の領収書を月単位で整理する習慣が要ります。この手間を先送りにすると、確定申告の直前に何十時間も溶かすことになります。
私自身、フリーランスとして最初の年に領収書を箱にまとめて放り込んでいた結果、申告期限の1週間前に3日かけて仕分けする羽目になりました。翌年から月末に30分だけ集計する運用に変えたところ、年間の作業時間は劇的に短くなりました。正直なところ、これは最初からやっておけばよかったと今でも思っています。
「バレない副業」を軸に選ぶと選択肢が痩せる
副業選びの軸を「バレにくさ」に置くと、どうしても情報が偏ります。よく紹介されるのは、転売やせどり、ポイントサイト、アンケートモニターといった業務委託契約すら結ばない類型です。
転売やせどり、個人輸入も会社にバレるリスクが低い副業です。具体的にはお店で商品を購入し、価格を調整した後に販売しながら、仕入れと売値の差額で報酬を獲得します。商品を一から作る必要がないため、時間をかけずに挑戦できます。しかし参入障壁が低いからこそライバルが多く、苦労することも多いでしょう。また転売禁止商品や生活必需品の転売はNGであるため、実際に転売やせどりを始める際はこの点も十分に留意してください。 出典: izul.co.jp
この記述にある通り、参入障壁が低い領域は競争が激しく、単価も上がりにくい傾向があります。しかも所得が発生すれば結局は申告義務が生じますから、「バレにくい」という前提自体が長期的には成立しません。
さらに問題なのは、こうした副業がスキルとして蓄積しにくい点です。3年続けても職務経歴書に書ける実績が残らないなら、副業に投じた時間の回収効率は低いままです。
隠す運用は必ずどこかで破綻する
隠し続けるコストは、時間の経過とともに上がります。所得が増えれば住民税の差異は大きくなり、確定申告の内容も複雑になります。取引先から源泉徴収票や支払調書が発行されれば、税務当局にも自治体にも記録が残ります。
そして最悪なのは、規模が大きくなってから発覚するパターンです。届出制の会社で無申告のまま数年間続けていた場合、副業そのものより「申告を怠っていた」という事実の方が重く扱われます。最初に届出を出しておけば済んだ話が、信頼の問題にすり替わってしまう。この構図は避けたいところです。
市場を長く見てきた立場からの観察と、データで考える副業設計
20年にわたって在宅ワークとフリーランスの市場を運営してきた立場から言えば、副業が長く続く人と続かない人の分かれ目は、稼働時間の量ではなく、依頼者との関係の作り方にあります。単発の作業を数をこなして埋めていく人は、案件が途切れた瞬間に収入がゼロになります。一方で長く続く人ほど、「この人に頼むと段取りが楽だ」という評価を積み上げることに時間を使っています。納期を守る、返信が早い、依頼の意図を確認してから着手する。地味な行動の積み重ねが、結果として継続依頼という形で返ってきます。
運営者として見てきた限りでは、この関係づくりを妨げる最大の要因が、実は中間マージンです。仲介手数料が乗る構造では、依頼者が払う金額と受け手が受け取る金額の間に開きが生まれます。同じ予算でも、手数料が乗らない直接取引なら依頼者はより多くの仕事を頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%という条件が効いてくるのは、金額の多寡そのものではなく、依頼者と受け手の双方に余白が生まれ、継続的な関係を組み立てやすくなるという質の部分です。長く続いている人ほど、この余白を次の提案や品質の向上に回しています。
職種別の単価データから設計を逆算する
副業の設計を感覚で決めると、時間当たりの効率が低い仕事を選び続けることになりがちです。ここは公開されている単価データを見て逆算するのが合理的です。
例えばソフトウェア作成者の年収・単価相場では、開発職の報酬水準と、経験年数による単価の変化が整理されています。同様に著述家,記者,編集者の年収・単価相場は、ライティングや編集の領域における報酬レンジを示しています。この2つを見比べると、同じ在宅ワークでも時間単価の分布がかなり違うことが分かります。
副業に使える時間が週10時間しかないなら、時間単価の高い領域を選ばないと成果は出ません。逆に、まずは経験を積みたい段階なら単価より案件数を優先する選び方もあります。どちらを取るかは方針の問題ですが、データを見ずに決めるのは非効率です。
資格を単価の裏付けに使う
副業で単価を上げる手段として、資格の取得は依然として有効です。特に、業務独占資格や公的な認定資格は、初対面の依頼者に対する信頼の担保になります。
行政書士は、許認可申請や契約書作成といった業務を独占的に扱える国家資格で、独立開業と親和性が高い分野です。デザインやドキュメント制作の領域ならAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような認定資格が、実務スキルの証明として機能します。いずれも取得までに一定の学習時間を要しますが、資格の有無で提示できる単価が変わる領域は確実に存在します。
相談・コーチング領域という選択肢
副業の入口として近年伸びているのが、キャリア相談やコーチングの領域です。本業で培った知見をそのまま商材にできるため、初期投資がほとんどかかりません。オンライン完結で実施できる点も、時間の制約がある会社員に向いています。
具体的な始め方はキャリア・副業・人生相談のオンラインカウンセラー入門で、相談の受け方から料金設定の考え方まで解説しています。より広い視点で副業の選択肢を比較したい場合は副業 おすすめ!37歳教育系講師が教える在宅で稼ぐ秘訣と成功への道が、複数の職種を横断して向き不向きを整理しています。
情報の流れを理解したうえで選ぶ
ここまで見てきた通り、労務管理システムの導入は副業の可否を左右する要因ではありません。決めているのは就業規則と税務の手続きです。そして両方とも、事前に確認して手続きを踏めば対処できる範囲の話です。
不安の正体が「よく分からないもの」である間は、想像がどこまでも膨らみます。何が記録され、誰が見て、どこへ流れるのかを一度整理してしまえば、対応すべきことは驚くほど少ないと分かるはずです。就業規則を読む、必要なら届出を出す、年末調整では正直に入力する、確定申告で徴収方法を選ぶ。この4つを押さえておけば、あとは仕事の中身に集中できます。
副業の設計で本当に考えるべきなのは、隠し方ではなく、限られた時間をどの領域に投じるかという配分の問題です。そこにエネルギーを使えるようになった時点で、副業は不安の種から資産形成の手段へと変わります。
よくある質問
Q. SmartHRの年末調整で副収入の金額を入力すると、副業の内容まで会社に分かりますか?
分かりません。年末調整で入力するのは所得の見積額という金額情報のみで、業務の種類や取引先名を入力する欄はありません。人事労務の担当者が確認するのは控除額の判定に必要な数値だけです。ただし給与以外の所得があるという事実自体は担当者の目に触れるため、就業規則で届出が求められている場合は事前に手続きを済ませておくのが安全です。
Q. 年末調整の画面に住民税を普通徴収にする選択肢がないのはなぜですか?
年末調整は所得税を精算する手続きであり、住民税の徴収方法を決める場面ではないためです。徴収方法の選択欄は確定申告書の第二表、または市区町村へ提出する住民税申告書にあります。翌年2月16日から3月15日ごろの確定申告で「自分で納付」を選ぶことになります。ただし副業が給与所得の場合は原則として特別徴収となり、選択できません。
Q. 副業所得が20万円以下なら何も申告しなくてよいですか?
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。20万円の特例は所得税だけに適用されるもので、住民税には同様の規定がありません。所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村に住民税申告書を提出してください。判定に使うのは収入ではなく、必要経費を差し引いた後の所得額である点にも注意が必要です。
Q. 副業を会社に届け出るとき、どんな内容を書けば承認されやすいですか?
業務の種類、従事する時間帯と週あたりの想定時間、報酬形態、本業への支障がない根拠の4点を具体的に書くことです。「土日の午前中に週6時間程度」「業務委託契約で自社と競合しない領域」のように数値と条件を明示すると判断しやすくなります。曖昧な記載は判断保留の原因になるため、稼働の上限を自分から示す書き方が有効です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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