司法書士の記事監修の仕事


この記事のポイント
- ✓司法書士の資格を記事監修に活かす方法を
- ✓報酬の決め方に分けて解説します
- ✓監修者として引き受ける前に文面で詰めておくべき条件と
記事の下に「監修:司法書士 ○○」と名前が載っているのを見たことがあると思います。相続、不動産、会社設立、債務整理。この手の記事には、ほぼ必ず監修者が付いています。
資格を持っている側から見ると、これは在宅で完結する数少ない仕事の一つです。原稿を受け取り、読んで、指摘して返す。窓口の営業時間にも、依頼者との対面にも縛られません。
一方で、名前を出す仕事である以上、引き受け方を間違えると後で困ることになります。この記事では、依頼がどこから来るのか、実際に何をチェックするのか、名前をどう出すのか、いくらで受けるのかを、受注前に決めておくべき順番で整理します。
監修の依頼はどこから来るのか
記事監修の依頼元は、大きく五つに分かれます。それぞれで求められる粒度も報酬の相場も違うので、最初に見分けておくと交渉が早くなります。
一つ目は、法律系のメディアです。相続や債務整理を扱う情報サイトが該当します。記事数が多く、継続的に依頼が出る一方で、一件あたりの単価は抑えられる傾向があります。
二つ目は、金融機関や不動産会社のオウンドメディアです。自社の顧客向けに制度解説を出しているところが、正確性を担保するために監修者を置きます。母体がしっかりしている分、契約や支払いの手続きが整っていることが多く、進めやすい相手です。
三つ目は、資格スクールと教材制作会社です。講座テキスト、問題解説、動画のスクリプトが対象になります。法改正が入った年は改訂の依頼がまとまって出ます。
四つ目は、士業事務所や法人が自社サイトのコンテンツを外部に委託しているケースです。書いたのはライターで、監修だけを別の資格者に頼む形です。
五つ目は、制作会社やコンテンツ制作の代理店経由です。エンドクライアントが誰かは伏せられていることもあります。この経路は間に会社が入る分、報酬から差し引かれる部分が出ます。
依頼が届く経路としては、事務所のサイトの問い合わせフォーム、士業向けのマッチングサービス、以前関わった相手からの紹介、そして本人が発信している記事や登壇を見た担当者からの直接連絡が主です。専門領域の副業が具体的な条件とともに語られる場面も増えています。
司法書士の資格や経験がある方にピッタリな副業案件について、「稼働時間」「単価」「条件」の具体例を踏まえながら、以下に2例紹介していきます。 出典: lotsful.jp
依頼元によって、監修という言葉が指す中身が違います。同じ「監修をお願いします」でも、誤りの指摘だけを求めているのか、全面的な書き直しまで期待しているのかで、必要な時間は何倍も変わります。最初のやり取りでここを確定させないと、あとで割に合わなくなります。
監修者が実際に確認していること
監修の作業は、大きく四つの層に分けられます。どこまでを引き受けるのかを、この四層で説明すると依頼側にも伝わりやすくなります。
事実の誤りを潰す
制度の名称、手続きの順番、必要書類、期限、費用の目安。この層は明確に正誤があります。
よく出てくるのは、手続きの主体を取り違えている記述です。誰が申請するのか、どこに出すのか、いつまでに出すのか。ライターが一般向けの記事を参考にして書くと、この三点が混ざることがあります。
もう一つ多いのが、費用の内訳です。登録免許税のような実費と、専門家に払う報酬が、記事の中で区別されずに一つの金額として書かれている。読者が実際に手続きに動いたときに困るのはここなので、監修としては優先して直すべき箇所です。
法改正の反映漏れを見つける
数年前に書かれた記事を再利用している場合、改正前の制度のまま残っていることがあります。相続登記の扱い、所有者不明土地に関する制度、成年後見の運用、会社法周辺の実務。この領域は動きが続いているため、原稿の初出年を確認する習慣が要ります。
依頼側から「いつ書かれた原稿か」が伝えられないことも多いので、こちらから聞いてください。古い原稿の焼き直しであれば、確認すべき箇所が変わります。
誤解を招く表現を是正する
事実としては間違っていないが、読者が読み違える書き方というものがあります。
たとえば「自分でもできます」と書かれた手続きが、条件付きでしかできない場合。「必ず必要です」と書かれた書類が、実際にはケースによる場合。断定の強さを調整するだけで、記事の安全性は大きく変わります。
また、専門家に依頼すべき場面を、記事が読者に判断させてしまう構成になっていることもあります。ここは事実の誤りではないので指摘を省く監修者もいますが、後々トラブルの火種になるのはむしろこちらです。
構成そのものへの指摘
読者が知りたい順に並んでいないと、正しい情報でも伝わりません。手続きの記事なら、先に全体の流れを示してから各工程に入る形が自然です。
ただし、構成への口出しをどこまで求められているかは案件によります。編集方針が決まっているメディアでは、構成は編集側の領分とされていることもあるので、最初に確認してください。
監修に含まれないこと
逆に、監修という名目で頼まれがちだが本来は別の仕事である作業もあります。原稿の全面書き直し、見出しの再設計、検索順位を意識したキーワードの配置、図版の作成。これらは執筆や編集の仕事であって、監修の対価には含まれません。
依頼側に悪意があるわけではなく、単に区別がついていないだけのことがほとんどです。受注時に「監修として行うのは指摘までで、書き直しが必要な場合は別途お見積もりします」と一文入れておけば、揉めません。
名前の出し方を先に決める
記事監修で最も慎重に扱うべきなのが、氏名と資格名の表示です。
表示のパターンはいくつかあります。氏名と資格名を出す形、事務所名まで出す形、資格名だけで氏名は出さない形、そして名前を一切出さない形です。名前を出すほど報酬は上がりますが、貸しているものも大きくなります。
名前を出すというのは、その記事の内容に対して読者が持つ信頼を、自分の資格で裏書きすることです。だからこそ、次の四点は受注時に文面で確認しておいてください。
一つ目は、監修の対象範囲です。記事全体なのか、特定のセクションだけなのか。図版や、記事内で紹介されているサービスの説明文まで含むのか。範囲外に名前が乗る形になっていないかを見ます。
二つ目は、掲載後の修正の扱いです。監修が終わった後に、編集側が本文を追記したり書き換えたりする可能性があります。その場合に再確認の機会があるのかどうか。ここを決めていないと、自分が見ていない記述に名前が付いている状態になります。
三つ目は、掲載期間です。一度監修した記事が、何年も名前付きで残ることがあります。制度が変わっても更新されないまま置かれるのは避けたい。期間を区切るか、更新時に再監修を挟む取り決めにしておくのが安全です。
四つ目は、掲載先の性質です。記事の中で紹介されている商品やサービスの内容が、自分の名前と結び付いても問題ないか。広告記事に監修として入る場合は、記事全体の性格を把握したうえで判断してください。
業務範囲の線引きを曖昧にしない
監修の内容が、実質的に個別の法律相談に近づく場面があります。原稿の確認ではなく、読者から寄せられた具体的な事案への回答を求められるようなケースです。
司法書士の業務範囲は司法書士法第3条に定められており、司法書士でない者による業務については同法第73条に規定があります。加えて、簡易裁判所の管轄となる一定の民事紛争に関する業務は、特別研修を修了し法務大臣の認定を受けた司法書士に限られる領域です。
所定の特別研修を受講し、法務大臣の認定を受けた認定司法書士に限り、一部の案件(簡易裁判所において訴訟手続の対象となる民事に関する紛争、かつ、紛争の目的の価額が140万円を超えない案件)に関して法律相談を受けることができるため、副業にするのもよいでしょう。 出典: lotsful.jp
自分がどの範囲に立っているかによって、記事の中で書けることも、監修者として答えられることも変わります。この線引きは案件ごとに確認が要る部分で、「資格を持っているから大丈夫」と一般化して進めるべきではありません。判断に迷う依頼は、所属する司法書士会に確認するか、依頼側に事情を説明して範囲を絞るのが筋です。
報酬をどう決めるか
監修の報酬は、記事の文字数ではなく、確認に要する判断の重さで決めるのが実態に合います。同じ5,000字の原稿でも、制度の解説記事と、個別事例を扱う記事では、必要な確認の量がまるで違います。
値付けの考え方としては、次の三つを足し合わせる形が説明しやすいでしょう。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 基本の確認料 | 原稿を読み、指摘を書いて返すまでの作業 |
| 難度の加算 | 法改正が絡む、事例が具体的、複数の法令にまたがる |
| 表示の加算 | 氏名と資格名を出す、事務所名まで出す |
継続案件では、一件ごとの単価を下げる代わりに本数を確保する形が使われます。ただし、下げてよいのは基本の確認料の部分だけで、名前を出すことへの対価まで一緒に薄めるべきではありません。表示の加算は、記事が何本になっても一件ごとに発生していると考えてください。
修正対応の回数も先に決めます。指摘を返したあと、修正稿の再確認まで含むのか。含むなら何回までか。1回までを基本に含め、それ以降は別途とするのが一般的な線です。
支払いのタイミングと、記事が公開されなかった場合の扱いも書面で確認しておきます。監修は終わったが企画が流れた、というケースは実際に起きます。
実際の作業の進め方
引き受けたあとの手順を決めておくと、一件あたりの時間が安定します。監修は読む作業に見えて、実際には確認の段取りが所要時間を決めています。
最初に、原稿を通しで一度読みます。この段階では指摘を書きません。記事全体が何を主張しようとしているのか、読者を最終的にどこへ連れて行こうとしているのかを掴むためです。ここを飛ばして頭から潰していくと、後半で構成上の問題に気づいたときに全部やり直しになります。
二度目に読むときに、確認が要る箇所へ印を付けます。制度名、数値、期限、手続きの主体、費用の区分。この五つは機械的に拾えるので、まとめて印を付けてから一気に裏を取ります。裏取りを箇所ごとに挟むと、集中が途切れて時間が伸びます。
裏取りの参照先は、一次情報に寄せてください。法令そのもの、所管する官庁の案内、法務省が公開している手続きの説明。二次情報の記事を根拠にすると、その記事が古い場合に誤りごと引き継ぐことになります。参照した先は手元に控えておき、指摘のコメントに添えます。
三度目に、指摘を文章として書きます。ここが監修者の腕の見せどころです。
指摘コメントの書き方
編集側は法律の専門家ではありません。だから、指摘は「反映できる形」で書く必要があります。実務上、次の三点が揃っていると、そのまま直してもらえます。
一つ目は、どこを指しているかです。行や見出しを特定します。「第3章の3つ目の段落」のように書けば、探す手間が消えます。
二つ目は、なぜ直すのかです。理由が分からない指摘は、編集側で判断できず保留になります。「制度名が変わっているため」「この書類は全ての場合に必要とは限らないため」といった一行で足ります。
三つ目は、どう直すかの案です。修正案まで示すと、そのまま反映されます。示さずに「不正確です」とだけ返すと、往復が一回増えます。
たとえば、費用の記述に実費と報酬が混ざっている箇所であれば、「登録免許税は実費であり専門家報酬とは別であるため、『費用は◯万円程度』ではなく『登録免許税に加えて依頼した場合の報酬が別途かかる』という書き分けを推奨します」といった形で返します。伏せ字を使っているのは例示だからで、実際の指摘には具体的な区分を書きます。
指摘の総数が多いときは、重要度で並べ替えて返してください。読者に実害が出る誤り、事実として誤っている箇所、表現上の推奨、の順です。全部を同じ強さで並べると、編集側がどれを優先すべきか分からなくなります。
原稿によく出てくる誤りの型
継続的に監修していると、誤りには型があることが分かります。先に知っておくと、確認の速度が上がります。
・手続きの主体の取り違え。誰が申請するのかが曖昧なまま書かれている ・実費と報酬の混同。合算した金額だけが示されている ・期限の書き漏らし。いつまでにという条件が落ちている ・「必ず」「すべて」の乱用。例外がある事項を断定している ・古い制度名の残存。改正前の名称で書かれている ・他士業の領域への踏み込み。誰に頼むべきかの案内が不正確 ・一般論と個別事案の混在。記事の後半で急に具体的な事例の判断に踏み込んでいる
この七つを最初にチェックするだけで、指摘の大半は拾えます。
継続の依頼につなげる動き方
監修は、一件で終わるより継続になったほうが双方に利があります。依頼側は毎回説明する手間が減り、受ける側は原稿の傾向が読めるので所要時間が下がります。
継続に移りやすくするには、初回の納品時に少しだけ足すことです。指摘そのものとは別に、そのメディアの記事全体に共通しそうな注意点を一つか二つ、短く添える。「相続関係の記事では、実費と報酬の書き分けを統一しておくと読者からの問い合わせが減ります」といった内容です。
これは無償の追加作業に見えますが、実際には次の原稿の質が上がるので、自分の作業時間が減ります。編集側にとっては、記事単位ではなくメディア全体を見てくれる相手だという評価につながります。
もう一つは、納期を守ることです。監修は公開スケジュールの最終工程に近い位置にあるため、ここが遅れると公開日がずれます。内容の正確さは当然として、実務上いちばん評価されているのは締切です。
引き受けないほうがよい依頼
すべての依頼が受けてよいものではありません。次のような条件が出てきたら、慎重に判断してください。
原稿を見せずに名前だけを求めてくる依頼は、まず受けるべきではありません。「後で原稿をお送りします」と言われて先に監修者として掲載されるのは、順序が逆です。
修正の権限がないと明示された依頼も避けたほうがよいでしょう。指摘はできるが反映するかは編集側が決める、という条件だと、直っていない記述に名前が残ります。
監修者名を出したうえで、記事の中で特定の商品やサービスへの誘導が強く行われる構成も注意が要ります。内容の正確性と、誘導の妥当性は別の話ですが、読者からは区別されません。
報酬が相場から極端に低い依頼は、金額そのものよりも、監修を形式的な手続きとしか考えていない相手である可能性を示します。そういう依頼元は、指摘を反映しないことも多い。
依頼元ごとの条件の違い
同じ監修でも、依頼元によって求められるものと進め方が変わります。受注前に相手がどの型かを見分けておくと、条件交渉の勘所が分かります。
| 依頼元 | 求められること | 進め方の特徴 |
|---|---|---|
| 法律系メディア | 正確性の担保と監修者表示 | 本数が多く、様式が決まっている |
| 金融機関や不動産会社 | 自社顧客への説明責任 | 契約と支払いの手続きが整っている |
| 資格スクールや教材会社 | 制度改正への追随 | 改訂期にまとまって発生する |
| 士業事務所 | 自事務所の発信の裏付け | 監修範囲が広くなりやすい |
| 制作会社や代理店 | 納期内での確認 | エンドクライアントが伏せられることがある |
士業事務所からの依頼は、一見すると話が早そうに見えます。同業なので前提の説明が要らないからです。ただし、監修範囲が「サイト全体をお願いします」のように広く曖昧になりがちなので、対象ページを一覧で確定させてから受けてください。
制作会社経由の場合は、指摘がエンドクライアントまで届くかどうかを確認します。間に入る会社が指摘を要約して伝える運用だと、意図が変わって反映されることがあります。修正稿を自分で確認できる条件を付けておくと安全です。
実績をどう残すか
監修の仕事は、次の依頼を呼ぶための実績になります。ただし、掲載先によっては監修者名が出ない契約もあるため、公開できる実績と、できない実績を分けて管理しておく必要があります。
名前が出る案件は、掲載URLと監修した範囲を記録しておきます。名前が出ない案件は、依頼元の業種と扱ったテーマだけを控えます。「金融系メディアで相続分野の記事を継続監修」という書き方であれば、守秘に触れずに経験を示せます。
この記録は、報酬交渉の場面でも効きます。何本、どの分野を、どのくらいの期間続けているか。数字で示せる相手は、単価の話を進めやすくなります。
在宅で回る仕事としての性質
記事監修は、在宅の仕事として扱いやすい部類に入ります。原稿をファイルで受け取り、コメントを付けて返す。この往復だけで完結するため、勤務先の稼働時間と衝突しません。
納期も、数日から一週間程度が一般的です。急ぎの依頼が来ることもありますが、監修は最終工程に近いところにあるので、記事の企画段階から日程が組まれていることが多く、無茶な短納期にはなりにくい。
同時に持てる件数は、3件から5件が現実的です。一件あたりの作業時間は2時間前後でも、原稿を読んで頭を切り替えるコストがあるため、件数を増やすと質が落ちます。
段階を踏んで広げていく発想も有効です。
はじめは司法書士を副業として始めて、安定的に仕事を受任できるようになったタイミングで独立するのも1つの方法です。 出典: studying.jp
監修から入って、そのメディアで執筆も担当するようになる、あるいはセミナーの登壇につながる、という流れは珍しくありません。最初の一件を丁寧に納めることが、次の依頼の条件を良くします。
監修の依頼を受ける側になるために
在宅と業務委託の市場を長く運営してきた立場から見ると、監修の依頼は「探して見つける」より「見つけられる」形で届くことが圧倒的に多い領域です。
依頼側の担当者は、まず検索します。そのテーマで書かれた記事、登壇の記録、事務所のサイトの解説ページ。そこで名前を見つけて連絡します。つまり、自分の名前で公開されているものが一つもない状態だと、依頼が届く経路そのものがありません。
だから、監修を受けたい人がまずやるべきなのは、監修の募集を探すことではなく、自分の言葉で書いたものを一つ公開することです。長さは要りません。制度の解説を2,000字で書いて、自分の名前で出す。それが依頼側にとっての判断材料になります。
検索から見つけられる状態をどう作るかについては、SEO対策・MEO対策の副業で稼ぐ方法|必要なスキルと案件相場で、検索される記事の設計の考え方が整理されています。専門家が発信側に回るときの下地として役立ちます。
執筆側の報酬感を掴んでおきたい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場を見ておくとよいでしょう。監修は執筆とは別建てで支払われるのが通例ですが、周辺の相場を知っていると、値付けの根拠を持って話せます。
依頼の傾向を眺めておきたいなら、キャリアや働き方の相談に関わる案件がまとまっているキャリア・副業・人生相談のお仕事や、企業の発信を支える仕事が並ぶAI・マーケティング・セキュリティのお仕事を定期的に見ておくと、どんな依頼が動いているかの感覚がつかめます。
隣接する資格との関係を整理しておきたいときは、行政書士の業務範囲を確認しておくと、記事の中でどこから先が別の資格の領域なのかを判断しやすくなります。監修の場面では、この線引きを読者に誤解させないことも役割のうちです。
もう一点、運営者として見てきた限りでは、監修の仕事が続く人には共通点があります。指摘の書き方が丁寧なことです。「ここは誤りです」で終わらせず、なぜそうなるのか、どう直せばよいのかを一行添える。編集側は法律の専門家ではないので、理由が分からない指摘は反映できません。反映できる形で返してくる監修者に、次の依頼が集まります。
そして、間に入る会社が増えるほど、依頼側が払った金額と受け手が受け取る金額の差は開きます。同じ予算でも、直接つながっていれば依頼側はより多くの本数を頼めますし、受け手の手取りも厚くなる。手数料0%で直接取引ができる場が選択肢に入るのは、一件ごとの金額というより、同じ時間から残る額の話です。名前を貸す仕事だからこそ、その対価がどこで目減りしているかは把握しておくべきです。
引き受ける前に一度は目を通しておくこと
依頼が来たら、その媒体の既存記事を三本ほど読んでから返事をしてください。読者層、断定の強さ、誘導の有無。この三点が自分の名前と合うかどうかは、条件の交渉より先に判断すべき部分です。
既存記事の中に、明らかに古い制度のまま置かれているものが混じっていることもあります。その場合、今回の一本を監修しても、隣に立っている記事が読者を誤らせます。気づいた時点で伝えておくと、既存記事の見直しという次の依頼につながることも少なくありません。
よくある質問
Q. 記事監修では具体的に何を確認するのですか?
制度名や手続きの順番といった事実の誤り、法改正の反映漏れ、読者が誤解しかねない断定表現、そして構成の妥当性の四層です。原稿の全面書き直しや検索キーワードの配置は執筆や編集の仕事にあたるため、監修の対価には通常含まれません。
Q. 名前を出す前に確認しておくべきことは何ですか?
監修の対象範囲、掲載後に本文が書き換えられた場合の再確認の有無、掲載期間、そして記事全体の性格の四点です。とくに監修後の書き換えについて取り決めがないと、自分が見ていない記述に名前が残る状態になります。
Q. 報酬はどのように決めればよいですか?
文字数ではなく、基本の確認料、難度による加算、氏名や資格名を表示することへの加算の三つを足す形が説明しやすくなります。継続案件で単価を下げる場合も、表示への対価まで一緒に薄めないよう分けて考えてください。
Q. 断ったほうがよい依頼はありますか?
原稿を見せずに名前だけを求める依頼、指摘を反映するかどうかを編集側が一方的に決める条件、監修者名を出したうえで特定商品への誘導が強い構成は慎重に判断すべきです。相場から極端に低い報酬も、監修を形式的に扱う姿勢の表れであることがあります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







