実績ゼロでSEO・MEO対策を提案するとき、自分のサイトを材料にできるのか


この記事のポイント
- ✓実績ゼロでSEO・MEO対策を提案するとき
- ✓自分のサイトを材料にできるのかを法務の観点から整理しました
- ✓自作サイトで証明できることとできないこと
実績ゼロの状態でSEO・MEO対策を提案したい。手元にあるのは自分で作ったサイトだけ。これを実績として出していいものか、という相談を受けることがあります。
結論から言うと、出せます。ただし、そのまま出しても効きません。何が証明できて何が証明できないのかを整理し、証明できる部分だけを切り出して見せる必要があります。そして、ここを整理せずに「自分のサイトで検索1位です」とだけ言ってしまうと、逆に不信を招くことがあります。
これ、知らない人が本当に多いんですが、実績の見せ方には法的な注意点もあります。他人の案件を材料にする場合、守秘義務や掲載許可の問題が絡んでくるからです。この記事では、自作サイトを材料にする方法と、その限界、そして実績を積み上げていく段階で気をつけるべき契約上の論点を整理します。
実績ゼロは、見せられるものが何も無いという意味ではない
まず前提を整理します。発注する側が実績を見るのは、「この人に頼んで大丈夫か」を判断するためです。過去の受注件数そのものを知りたいわけではありません。
判断材料になるのは、次の3つです。何ができるのか。どういう手順で進めるのか。報告や連絡がきちんとできる人か。
このうち、受注実績がないと示せないのは1つ目の一部だけです。2つ目と3つ目は、実績ゼロでも作れます。作業手順書とレポートのサンプルを用意しておけば、進め方と報告の質はその場で示せます。
つまり、「実績がないから提案できない」は思い込みです。示すべきものの中身を取り違えているだけ、というケースがほとんどです。
自分のサイトを材料にすると、何が証明できるのか
自作サイトを材料にする場合、証明できるものとできないものをきちんと分けてください。ここを混ぜると、提案の場で突っ込まれます。
証明できること
自分のサイトで示せるのは、施策を実行できるという事実です。
タイトルタグとディスクリプションを設計できる。見出し構造を整理できる。内部リンクを設計できる。構造化データを実装できる。ページの表示速度を改善できる。スマートフォンでの表示を整えられる。
これらは、サイトを見せれば確認できます。ソースを開けば実装が見えますし、ページの速度は誰でも測れます。「できます」と口で言うのと、「このサイトで実装しています」と示すのとでは、受け取られ方がまったく違います。
さらに、検索結果で自分のサイトがどう表示されているかも見せられます。狙ったキーワードで何位に出ているか、検索結果でのタイトルの見え方はどうか。これは客観的に確認できる事実です。
証明できないこと
一方、自分のサイトでは証明できないものがあります。
ひとつは、地図検索の順位を動かした経験です。MEO対策の中心はGoogleビジネスプロフィールの運用であり、これは実体のある事業所がないと登録できません。自分のブログやアフィリエイトサイトでは、地図検索の実績は作れません。
もうひとつは、他人と協働して進める力です。SEO・MEO対策の実務では、店舗に写真を撮ってもらう、事実確認を依頼する、変更の連絡をもらう、といった調整が発生します。自分のサイトを自分で運用しているだけでは、この経験は積めません。
3つめは、成果を報告する経験です。自分のサイトなら報告する相手がいません。レポートを作る習慣がないまま案件に入ると、初月でつまずきます。
4つめとして挙げておきたいのが、締切のある環境で作業した経験です。自分のサイトはいつ手を入れても誰にも迷惑がかかりませんが、案件には期限があります。月末までにレポートを出す、投稿を週に1本配信する。この規律は、自分のサイトを触っているだけでは身につきません。材料用のサイトを作るなら、自分で締切を設定して、それを守った記録を残しておくと、この穴を少し埋められます。
これらが抜けていることを、提案の場で先に自分から言ってしまうという手があります。「自分のサイトでの実装経験はありますが、店舗の地図検索運用は初めてです。そのぶん、報告は月2回に増やして進めさせてください」。正直に言ったうえで補い方を示すと、むしろ信頼されます。隠して受けて後から発覚するより、はるかにいい。
自作サイトで作るなら、地域性のあるテーマを選ぶ
これから材料用のサイトを作るのであれば、テーマの選び方に一工夫します。
汎用的なテーマではなく、地域名を含むキーワードで作ってください。「地域名 業種名」に近い構造のテーマにすると、ローカル検索の考え方を実地で試せます。地域名を含むキーワードは競合が少ないため、成果も出やすい。
そのうえで、施策と順位の推移を記録しておきます。いつ何を変えて、その後どう動いたか。この記録があると、提案の場で「どういう判断で施策を選ぶ人なのか」を示せます。順位そのものより、判断のプロセスを見せるほうが効きます。
記録は、スプレッドシートで十分です。日付、変更した内容、変更の理由、その後の順位。この4列を埋めていくだけ。3ヶ月分たまれば、立派な材料になります。
Googleビジネスプロフィールを、自分で持てるのか
MEO対策の実績を自分で作れないか、と考える方は多い。ここは制度の話になります。
実体のない事業では登録できない
Googleビジネスプロフィールは、実際に顧客と対面する場所を持つ事業、または特定の地域に出向いてサービスを提供する事業が対象です。ガイドライン上、実体のない事業や、顧客との接点がない事業は登録できません。
つまり、実績づくりのためだけに架空の事業を登録する、というやり方は取れません。仮に登録できたとしても、後から停止される可能性がありますし、そもそも規約に反する行為です。※こうしたガイドライン違反は、後に本業のアカウントにも影響することがあります。近道を探すより、正攻法で進めてください。
自分が事業者であれば登録できる
一方、あなた自身が個人事業主として何らかのサービスを提供しているのであれば、話は別です。
出張型のサービス、教室、相談業務。実際に顧客に対してサービスを提供しているなら、その事業でビジネスプロフィールを持つことは正当です。この場合、自分の事業のプロフィールを整備した経験は、そのまま実績として説明できます。
自宅を拠点にしている場合、住所を非公開にしてサービス提供地域を指定する設定も可能です。プライバシーの面が気になる方は、この形を検討してください。
現実的な代替案は、知人の店舗を1件担当すること
多くの方にとって現実的なのは、知り合いの店舗を1件、実費程度で担当させてもらう方法です。飲食店、美容室、整体院。身近に個人経営の店舗があれば、話を持っていく価値があります。
このとき大事なのが、「無償だから契約書は不要」と考えないことです。ここが後でトラブルになります。
他人の案件を実績として出すときの、法的な論点
ここからが本題のひとつです。
守秘義務条項を必ず確認する
業務委託契約には、多くの場合、守秘義務の条項が入っています。「本契約により知り得た情報を第三者に開示してはならない」という趣旨のものです。
この条項がある状態で、クライアント名や具体的な数値を提案資料に載せると、契約違反になります。「実績として紹介するくらい問題ないだろう」と考えて載せてしまう人がいますが、これは危険です。
つまり、実績として使いたいなら、使ってよいと文書で確認する必要があるということです。
掲載許可は、契約書に一文入れておく
一番きれいなのは、契約を結ぶ段階で許可を取っておく方法です。
「受託者は、本業務の実施内容および成果を、自己の実績として第三者に開示できるものとする。ただし、委託者名の表示については事前に書面による同意を得るものとする」
このような趣旨の条項を1つ入れておくだけで、後から使えるかどうかで悩まなくて済みます。契約時であれば、相手も承諾しやすい。案件が終わってから「実績に使わせてください」と言うより、はるかに通ります。
※契約書の条項を新たに作る場合や、既存の契約書に守秘義務と実績利用が両方書かれていて解釈が難しい場合は、弁護士や行政書士など専門家に確認してください。
許可が取れないときの、匿名化の作法
クライアント名を出せない場合でも、実績として語れる方法はあります。
業種と規模だけを示す形にします。「都内の美容室、スタッフ3名の店舗」といった書き方です。これなら特定されません。
作業内容は書けます。カテゴリの再設計、写真の追加、口コミ返信の運用構築、月次レポートの作成。何をやったかは、多くの場合、守秘義務の対象になりません。
数値を出す場合は注意が必要です。順位の推移や来店数は、店舗が特定できる状況で出すと守秘義務に触れる可能性があります。数値を出さずに「地図検索からの経路案内リクエストが増加しました」と定性的に書く形なら、リスクは下がります。
判断に迷ったら、出さないほうを選んでください。実績を1つ多く見せることで得られるものより、契約違反で失うもののほうが大きいです。同じ業界の中で悪い評判が立つと、次の案件にも響きます。守秘義務は、守ることそのものが信用の材料になる種類の約束です。
無償や低額で引き受ける場合の落とし穴
実績づくりのために無償や低額で受けるという選択は、間違いではありません。ただ、条件を整えないと消耗します。
無償でも契約書は作る
これ、本当に多いんです。「知り合いだから」「無料だから」と口約束で始めて、後で困る。
無償であっても、業務範囲、期間、報告の頻度、店舗側の協力事項、そして実績としての利用可否は文書にしてください。A4で1枚の覚書で十分です。
特に業務範囲は必ず書いてください。無償で始めると、範囲がずるずる広がります。「ついでにチラシも作って」「ホームページも直して」。断りにくい関係だからこそ、最初に線を引いておく必要があります。
期間を必ず区切る
無償の期間は、3ヶ月と決めてください。期限を書かずに始めると、いつまでも無償のまま続きます。
覚書には「本業務は◯年◯月◯日までとし、以降の継続については別途協議する」と書きます。継続する場合は有償に切り替える、という前提を最初に共有しておくと、話がしやすくなります。
報酬ゼロでも、実費は受け取る
順位計測ツールの利用料、交通費、写真の加工に使うソフトの費用。これらは実費として請求してください。
無償の善意でやっていると、こちらの負担が積み上がったときに気持ちが持ちません。実費だけでも受け取っておくと、対等な関係を保ちやすくなります。
提案時に持っていく、3点セットを作る
実績ゼロの段階では、次の3つを用意しておくと提案が成立します。
1つ目、施策の前後比較
自分のサイトで構いません。改善前と改善後のスクリーンショットを並べ、何を変えたかを注記します。タイトルタグの書き換え、見出し構造の整理、内部リンクの追加。地味な内容で構いません。「手を入れられる人」だと分かることが重要です。
2つ目、作業手順書
初月に何をやるかを、工程表の形でまとめます。第1週で権限受け取りと現状の棚卸し、第2週で情報整備、第3週で写真と投稿の整備、第4週で初回レポート。
この手順書があると、「頼んだ後に何が起きるか」が相手に見えます。実績がなくても、進め方が見えていれば安心されます。
3つ目、レポートのサンプル
架空のデータで構いません。順位の推移、行動数の推移、実施した作業、次月の予定。この構成で1枚作っておきます。
サンプルであることは明記してください。実在の店舗のデータであるかのように見せると、それ自体が問題になります。資料の隅に「サンプル・架空データ」と入れておけば足ります。この一言があるかないかで、見る側の受け取り方はまったく変わります。誠実さは、こういう細部に出ます。
この3点セットは、一度作れば使い回せます。制作にかかるのは4時間ほどです。実績を1件積むより早く、効果は近いものがあります。
知人の店舗を担当するときに、必ず決めておく5項目
実績づくりの入口として知人の店舗を担当するケースは多いので、ここは具体的に書いておきます。覚書に入れておきたいのは、次の5項目です。
1つ目、業務の範囲。ビジネスプロフィールの情報整備、投稿の作成、口コミ返信、順位の計測、月次レポート。含むものを列挙し、含まないものも書きます。「ホームページの制作および改修は本業務に含まない」と一文入れておくだけで、後の展開が変わります。
2つ目、期間。開始日と終了日を書きます。終了日を書かない覚書は、覚書として機能しません。
3つ目、店舗側の協力事項。写真の撮影、店内で変わったことの連絡、口コミ内容の事実確認。これらを店舗側の担当として明記します。協力が得られずに成果が出なかった場合の責任分界が、ここで決まります。
4つ目、権限の受け渡しと返却。ビジネスプロフィールの管理者権限をいつ受け取り、終了時にいつ返すか。返却の取り決めがないと、終了後も権限が残った状態になります。これは知人相手であってもきちんと決めてください。
5つ目、実績としての利用可否。前述の通りです。無償で担当する場合、実績に使えることが唯一の対価になります。ここを曖昧にすると、目的そのものが果たせません。
知人相手だからこそ、書面にする
「知り合いに契約書を出すのは水くさい」と感じる方がいます。気持ちは分かります。ただ、実務の経験から言うと、関係が近いほど書面が要ります。
理由は単純です。曖昧なまま進めて食い違いが起きたとき、知人相手だと言いにくいからです。言えないまま抱え込み、結果として関係そのものが壊れます。
書面は、相手を疑うために作るものではありません。お互いが後から迷わないために作るものです。この説明を添えて渡せば、断られることはまずありません。「仕事として受けるので、きちんと形にさせてください」と言えば、むしろ信頼されます。
提案の場で、実績の不足をどう言葉にするか
実績がないことを聞かれたとき、答え方で印象が変わります。
避けたいのは、ごまかすことです。「まだ件数は多くないのですが」と濁したり、自作サイトの成果を大きく見せたりすると、後から必ずほころびます。相手は業者選定で何社も見ていることが多く、話の粒度でだいたい分かります。
有効なのは、範囲を限定して引き受ける提案です。「地図検索の運用は初めてなので、初月は情報整備と現状の棚卸しまでを担当させてください。その結果を見て、継続をご判断いただければと思います」。
こう言うと、相手のリスクが下がります。断る理由が減るということです。
そして、この形で入った案件は、初月の仕事さえきちんとすれば継続します。実績ゼロの人が最初の1件を取る方法として、これが最も確度が高い。
期待値を上げすぎない
もうひとつ、実績が少ない時期にやりがちなのが、期待値を上げてしまうことです。受注したい気持ちから、できることを大きめに言ってしまう。
成果が出るまでの時間についても同じです。地図検索の順位が安定して動くまでには数ヶ月かかることが一般的で、初月に劇的な変化は起きません。ここを正確に伝えておかないと、2ヶ月目に「話が違う」となります。
期待値を低めに置いて、実際の作業で上回る。この順番にしておくと、実績が少なくても評価されます。逆にすると、どれだけ丁寧に作業しても不満が残ります。
学習の証明で、実績の不足を補う
知識の裏付けを示すことも、実績ゼロの時期には有効です。
SEO検定のような資格は、検索エンジンの仕組みや内部施策の基礎を体系立てて学ぶ順路として機能します。資格そのものが案件を呼ぶわけではありませんが、提案の場で「なぜその施策を選ぶのか」を説明できるかどうかは、実績の有無以上に効くことがあります。文章での提案や記事制作を業務に含めるなら、Webライティング能力検定の範囲も重なってきます。
実務としてどういう依頼が発生するのかを知っておくことも、提案の精度を上げます。SEO対策・MEO・LPOのお仕事には、この分野で実際に発生する依頼内容が整理されています。記事制作まで請け負う場合はSEO記事・ブログ・コピーライティングのお仕事、分析やレポート業務が中心ならマーケ戦略・分析・レポート作成のお仕事の内容が近くなります。
ポートフォリオそのものの作り方については、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、構成の考え方が整理されています。職種は違いますが、何を見せて何を省くかという判断の作法は共通しています。実績が増えてきた段階で単価をどう上げていくかは、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】の考え方が参考になります。
材料は、案件が終わった直後に作る
最後に、実績を積み上げていく段階での習慣をひとつ。
案件が終わってから半年後に「あのとき何をやったんだっけ」と思い出そうとしても、細部は残っていません。作業した内容、判断の理由、相手の反応。これらは時間とともに消えます。
だから、案件が終わった直後、記憶が新しいうちに材料化してください。所要時間は30分ほどです。
書く内容は4つ。どういう状態から始めたか。何をやったか。なぜその順番でやったか。結果として何が変わったか。この4点をA4で1枚にまとめておきます。
この1枚が、次の提案でそのまま使えます。しかも、匿名化した形で書いておけば、掲載許可の問題も回避できます。最初から店舗名を書かずに作っておくのが、実務的には楽です。
断られた案件も記録に残す
通らなかった提案も、記録として残しておく価値があります。どういう店舗に、どういう資料で提案して、どこで止まったか。
3件、5件と積み上がると、通る条件と通らない条件が見えてきます。業種で決まっているのか、金額で決まっているのか、資料の内容なのか。感覚ではなく記録で判断できるようになると、無駄な提案が減ります。
実績ゼロの時期は、受注件数がゼロというだけで、経験はゼロではありません。提案した経験も、断られた経験も、材料として使えます。
相場を知って、実績ゼロ期の値付けを決める
無償で受けるにしても、その後に有償へ移行するにしても、市場の水準は知っておく必要があります。
一般的な目安として、MEO対策の運用支援は月額2万円から8万円程度、SEOコンサルティングは月額10万円から50万円程度です。コンテンツ制作、サイト改修、店舗数、対象地域、競合状況によって費用は変わるため、作業範囲と評価指標を確認した上で見積もりを比較してください。 出典: gelatocms.com
MEO対策の運用支援が月額2万円から8万円という帯であれば、実績ゼロから入る場合はこの下限、あるいは少し下から始めることになります。
ただし、極端に安い金額を提示するのは避けてください。相場の半分以下で提示すると、「何かできない理由があるのではないか」と受け取られることがあります。安さは信頼につながりません。
隣接する職種の水準を見ておくと、判断がしやすくなります。著述家,記者,編集者の年収・単価相場には、コンテンツ制作側の報酬レンジがまとまっています。運用と制作を組み合わせて提案する場合の基準として使えます。
一次的な観察から見た、実績ゼロから抜けた人の進み方
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、実績ゼロの段階を短く抜けている人には、共通した進み方があります。
完璧な材料が揃うのを待っていません。3点セットができた段階で動き始め、断られながら材料を直しています。診断の見せ方も、レポートの形も、最初から良かったわけではない。3件、5件と提案するうちに、相手が反応する部分が分かってきて、資料がそこに寄っていく。
逆に、実績が無いことを理由に準備を続けている人は、半年経っても提案していません。準備は無限にできてしまうからです。
運営者として見てきた限りでは、最初の1件を取れるかどうかは、材料の完成度よりも、進め方を言葉にできているかどうかで決まっています。「何をどの順番でやるか」を説明できる人は、実績がなくても任されます。
もうひとつ、実績を積む時期に効いてくるのが手取りの厚さです。この時期は単価が低いので、そこからさらに中間マージンが引かれると、手元に残る金額が生活の足しにならない水準まで落ちます。手数料0%で直接やり取りできる形なら、依頼する側は同じ予算でより広い範囲を頼めますし、受ける側の手取りは厚くなる。実績づくりの期間を、消耗せずに乗り切れるかどうかに直結する部分です。
実績がないことは、恥ずかしいことでも隠すことでもありません。示せるものを整理し、示せないものは正直に言い、契約の形で自分と相手の両方を守る。この順番で進めれば、最初の1件は必ず取れます。法律も契約も、あなたが安心して仕事を始めるために使えるものです。
よくある質問
Q. 自分で作ったサイトを、SEO・MEO対策の実績として提案に使えますか?
使えます。ただし証明できる範囲を切り分けてください。タイトルタグの設計、見出し構造の整理、内部リンク設計、構造化データの実装、表示速度の改善といった実装力は示せます。一方、地図検索の順位を動かした経験、店舗との調整力、成果を報告する経験は自作サイトでは示せません。この3点は先に自分から伝えて、補い方を示すのが誠実です。
Q. 実績づくりのために、自分でGoogleビジネスプロフィールを登録できますか?
実体のある事業所を持つか、特定地域に出向いてサービスを提供している場合に限られます。実績づくりのためだけに架空の事業を登録するのはガイドライン違反にあたり、後から停止される可能性があります。自分が個人事業主として実際にサービスを提供しているなら、その事業で登録して整備した経験は正当な実績になります。
Q. 過去に担当した案件を、実績として提案資料に載せてよいですか?
契約書の守秘義務条項を必ず確認してください。守秘義務がある状態でクライアント名や具体的な数値を載せると契約違反になります。もっとも確実なのは、契約時に「本業務の実施内容を自己の実績として開示できる」旨の条項を入れておくことです。許可が取れない場合は業種と規模だけを示す匿名化の形にとどめてください。
Q. 実績づくりで無償や低額の案件を受けるとき、注意すべきことは何ですか?
無償であっても覚書を作ってください。業務範囲、期間、報告頻度、店舗側の協力事項、実績としての利用可否をA4で1枚にまとめます。特に期間は3ヶ月などと区切り、継続時は有償に切り替える前提を先に共有してください。報酬がゼロでも、計測ツールの利用料や交通費といった実費は受け取っておくほうが関係を保ちやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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