リトミック指導の資格を取るには|講座の受け方と取得後の仕事の広げ方

@SOHO編集部
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リトミック指導の資格を取るには|講座の受け方と取得後の仕事の広げ方

この記事のポイント

  • ✓リトミック研究センターの資格を取るまでの流れを
  • ✓月例研修会と教員養成校の違い
  • ✓1年ごとに取れる資格とできる指導の範囲に分けて解説します

リトミック研究センターの資格を調べている人の多くは、保育士や幼稚園の先生、音楽教室の講師、子育てをしながら自宅で教室を開きたい人のどれかに当てはまります。「どのコースを受ければよいのか」「全部でいくらかかるのか」「資格を取ったら何ができるのか」。この3つが分かれば、受講するかどうかを決められるはずです。

この記事では、リトミック研究センターの公式サイトの募集要項とよくある質問の記載をもとに、資格を取るまでの2つの道、1年ごとに取れる資格とできる指導の範囲、費用の合計、受講の前に確かめたいことを順に整理します。資格を取ったあとに、自宅の教室や園での指導へ仕事を広げる方法もあわせて説明します。数字は2026年度の募集要項に合わせています。

リトミックとはどんな教育法か

リトミックは、スイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズ(1865年から1950年)が考案した教育法です。音楽に合わせて体全体で反応することで、リズム感や音感、集中力や表現する力を育てることを目指します。

リトミック研究センターのよくある質問のページでは、子どものためのリトミックについて、ダルクローズが提唱したリトミックに日本の風土や文化に合った子どもの生活習慣を加え、より自然な形での実践を目指すものと説明されています。柱になっているのは次の3つです。

柱 内容
生活習慣 言葉や数、感覚などをテーマに、子どもの自ら育とうとする力を助ける
音感教育 音楽に体全体で反応させ、リズム感や音感を育てる
情操教育 音楽を通じて自己表現を学び、豊かな感受性を育てる

指導する側に求められるのは、ただ子どもと楽しく遊ぶことではありません。リトミック研究センターは、指導者に専門の教育が必要な理由を次のように説明しています。

リトミックは指導理論が確立されており、「遊ばせ方」にも正しい知識と技術が必要です。 指導経験が豊富な多数の講師陣による年間150〜200時間の専門教育により、創始者エミール・ジャック=ダルクローズの理念を具体化し、正しく指導できる力を育てます。 出典: eurhythmics.or.jp

リトミックの指導者を養成している団体は、リトミック研究センターのほかにもあります。大学や専門学校の授業でリトミックを学べるところもあります。この記事では、検索で調べる人が多いリトミック研究センターの資格に絞って説明します。

リトミック研究センターで取れる資格と、できる指導の範囲

リトミック研究センターの資格は、段階を追って上がっていく形になっています。公式サイトのよくある質問に書かれている資格と、それぞれでできる指導の範囲を表にまとめると、次のとおりです。

資格 取れる時期の目安 できる指導の範囲
初級指導資格 月例研修会の1年目 自宅でリトミック研究センター認定教室を開ける
中級指導資格 月例研修会の2年目 幼稚園や保育所(園)などでの課外指導ができる
上級指導資格 月例研修会の3年目 カルチャーセンターなど規模の大きな教室や、園の保育時間内での指導ができる
ディプロマB資格 月例研修会の4年目、教員養成校の1年目 成績優秀者は後輩の指導を担当するスタッフとしての道が開ける
ディプロマA資格 教員養成校の2年目 リトミック研究センターが認定する最上級の資格

学ぶ年齢の範囲も段階ごとに決まっています。月例研修会では、1年目の初級コースで3歳児、2年目の中級コースで2歳児(希望により0歳児と1歳児も)、3年目の上級コースで4歳児と5歳児の指導内容を学ぶカリキュラムです。0歳から5歳までをひととおり指導できるようになるには、3年かかる計算になります。

この表で大切なのは、資格によって「どこで教えられるか」が違う点です。自宅で小さな教室を開きたいだけなら初級指導資格から始められますが、園での課外指導を受けたいなら中級、保育の時間の中で指導したいなら上級が必要になります。自分がどこで教えたいかを先に決めておくと、何年かけて学ぶかの見通しが立ちます。

なお、月例研修会には「こどものためのリトミックコース」のほかに、一部地域で開催される「園児のためのリトミックコース」もあり、こちらは1年目で「園児012歳指導資格」、2年目で「園児345歳指導資格」が取れます。保育の現場ですでに働いている人に向いたコースです。

資格を取る2つの道:月例研修会と教員養成校

リトミック研究センターの資格を取る方法は、大きく分けて2つです。休日に少しずつ学ぶ月例研修会と、平日に集中して学ぶ教員養成校です。

比べる点 月例研修会 教員養成校
学ぶ日 年6回、日曜または祝日に対面の研修 週1回、平日(年数回のスクーリングと合宿あり)
会場 全国40都道府県、約60会場 2026年度の募集は東京校
期間 1年ごとに初級から順に。4年目でディプロマB 1年目でディプロマB、2年目でディプロマA
応募資格 18歳以上で子どもの教育に熱意のある人(学歴・性別は問わない) 18歳以上で、大学・短大・専門学校の在学者か卒業者など
向いている人 平日は仕事がある人、近くの会場で学びたい人 短い期間で上位の資格を取りたい人

月例研修会は、会場で受ける研修の前に、eラーニングで動きや指導の内容を予習する形です。eラーニングは何度でも見返せるので、仕事や子育ての合間に予習と復習ができます。スクーリング(会場での研修)を欠席した場合は、専用の研修動画を見ることで受講したものとして扱われると、よくある質問に書かれています。

教員養成校は、2026年度の募集要項では東京校が週1回(水曜または木曜)の昼間部と、木曜の夜間部で募集しています。名古屋校と大阪校は今年度の募集はないと案内されています。授業の総時間のうち7割以上の出席が、受験と卒業の条件です。

どちらの道を選ぶかは、取りたい資格と使える時間で決まります。自宅で教室を開くことが目的なら、月例研修会の初級から始めるのが現実的です。リトミックを仕事の中心にしたい、早く上位の資格を取りたいという人は、教員養成校を検討する価値があります。

月例研修会の費用と1年の流れ

月例研修会の2026年度の費用は、募集要項では次のとおりです(すべて税込)。

項目 こどものためのリトミックコース 園児のためのリトミックコース
入会金(初年度のみ) 11,000円 11,000円
本部会費(年間) 7,700円 7,700円
受講料(年間) 38,500円 38,500円
教材費(年間) 12,980円 5,830円
資格認定試験の受験料(受験時) 8,800円 8,800円

こどものためのリトミックコースの1年目は、入会金・本部会費・受講料・教材費で70,180円、認定試験を受けると合計で78,980円になります。2年目以降は入会金がかからないため、年会費・受講料・教材費・受験料で毎年67,980円が目安です。4年目のディプロマBまで進むと、4年間の合計はおよそ28万円になる計算です。教材費や受講料は年度によって変わることがあるので、申し込む年度の募集要項で確かめてください。

1年の流れは、6月に研修が始まり、年6回の研修(Unit)を受けて、最後に認定試験を受ける形です。募集は1月から2月頃に始まります。初級の認定試験について、よくある質問では、研修会を全回受講して練習すればできる内容で、受験者の90%以上が合格していると案内されています。練習用のCDも用意されています。

コースは1年ごとに申し込む形なので、最初から4年分を決める必要はありません。1年目を終えてから次に進むかを考えられ、しばらく休むこともできます。休む場合は、年会費だけを払い続ける形になります。引っ越しをしても、全国のどの会場でも同じ研修を行っているため、引っ越し先の近くの会場で続けられます。

教員養成校の費用と通い方

教員養成校の2026年度の募集要項に書かれている費用は、入学金が55,000円、授業料が年間385,000円、教材費が67,540円(いずれも税込)です。授業料には、スクーリングやeラーニングの授業料が含まれています。1年目だけで50万円を超える費用がかかるため、月例研修会と比べると、まとまった準備が必要になります。

その代わり、教員養成校では1年でディプロマB、2年でディプロマAという上位の資格が取れます。月例研修会で4年かけて取るディプロマBに、1年で届く計算です。

選考は、書類による第1次選考と、個人面接による第2次選考の2段階です。2026年度の願書の受付は、第1次募集が2025年10月から2026年2月まで、第2次募集が2026年3月からで、各クラスとも定員に達し次第締め切りと案内されていました。翌年度の募集の時期は、よくある質問では12月から1月頃に願書の受付が始まり、5月から6月頃に授業が始まるとされています。最新の日程は公式サイトで確かめてください。

通っている人の顔ぶれは、音楽教室の先生、幼稚園や保育所の先生、子育て中の人、会社員、学生とさまざまです。仕事をしながら通う人も多く、毎年12月から4月頃に入学説明会が開かれます。出産などで長期に休む場合は休学の制度がありますが、2年以内に復学しないと、それまでの受講が無効になる点に注意が必要です。

受講の前に確かめておきたいこと

申し込む前に、よくある質問で多く取り上げられている点を確かめておきましょう。

1つ目は、ピアノの経験です。高度な技術は求められませんが、ピアノを使って子どもたちを指導するため、バイエル程度の鍵盤の経験は必要とされています。しばらく弾いていない人は、申し込みの前から少しずつ練習しておくと、研修が始まってから慌てずに済みます。月例研修会のeラーニングには先生が譜例を演奏する場面もあり、ピアノが苦手な人も練習しやすい作りになっていると案内されています。

2つ目は、体験受講です。リトミックは見学しているだけでは分からないため、月例研修会では一緒に受講する形の体験をしています。体験受講料は1回5,000円(税別)で、そのまま入会すれば受講費用の一部に充てられます。会場によっては受け入れられない場合もあるので、事前に各地の支局に申し込みます。

3つ目は、受講の条件です。月例研修会は学歴や職業、資格を問わず、18歳以上で音楽や幼児教育に熱意のある人なら受講できます。経験に関係なく、全員が初級コースから始めます。

4つ目は、当日の準備です。服装は動きやすければ自由で、靴は底の薄い上履きのようなものがよいとされています。更衣室は用意されていない会場がほとんどです。小さな子どもを連れての参加は、研修に集中できなくなるため遠慮するよう案内されています。子育て中の人は、研修の日の預け先を先に考えておく必要があります。

まずは特別講習会でリトミックの指導にふれてみる

月例研修会や教員養成校に申し込む前に、リトミックの指導がどんなものかを体験しておきたい人には、どなたでも参加できる特別講習会があります。リトミックが初めての人でも参加でき、春季と夏季(秋季)に全国の会場で開かれています。

公式サイトに載っている2026年度春季の例では、札幌会場が5月10日の日曜日、受講料3,300円(税込)、定員30名で、テーマは「明日から使えるリトミック指導」でした。青森会場は同じ日に受講料3,000円(税込)で開かれています。受講料や定員、テーマは会場ごとに違うので、近くの会場の案内を確かめてください。申し込みは、各地の支局が受け付けています。

特別講習会は、月例研修会の体験受講より費用が抑えられ、半日ほどで参加できるのが利点です。保育や幼児教育の現場で働いている人が、明日の保育に使える活動を学ぶ場として参加することも多くあります。

参加するときは、講習の内容だけでなく、ほかの参加者の顔ぶれや、講師がどんなふうに子どもへの声かけを説明しているかにも注目してみてください。自分が月例研修会に通い続けられそうか、どの段階の資格まで取りたいかを考える材料になります。

教室のレッスンの形を知っておく

資格を取って教室を開くことを考えているなら、リトミック研究センターの教室でどんなレッスンが行われているかを知っておくと、指導者としての1週間の動き方が具体的に見えてきます。

公式サイトの保護者向けのページでは、教室のレッスンは週1回60分、年間40週で、1クラス4名から8名の小さなグループで行うと案内されています。グループで行う理由は、社会性や協調性を育て、集団の中での自己表現や子どもどうしの刺激を生かすためと説明されています。

クラスは年齢ごとに分かれています。

対象 コース名 目安
0歳児 ベビーのためのリトミック 4月1日までに生まれ、生後6か月に達している子ども
1歳児 Step1 4月2日時点で1歳
2歳児 Step2 4月2日時点で2歳
3歳児 Step3 4月2日時点で3歳
4歳児 Step4 4月2日時点で4歳
5歳児 Step5 4月2日時点で5歳

レッスンでは、ことば、数、感覚、音楽力の4つを、年齢に合わせた独自の教具を使って育てます。たとえば3歳児のプログラムでは、絵カード、はめこみ図形、動物カード、数字と玉のシール、色の棒といった教具を使い、言葉のリズムを打ったりステップを踏んだりしながら、語いを広げ、数の考え方に親しんでいきます。

指導者の側から見ると、年齢ごとに教える内容と教具が決まっているので、ゼロから活動を考える負担は小さくなります。その一方で、同じ教具を使っても、子どもの反応に合わせて進め方を変える力が求められます。月例研修会で年齢ごとの指導を1年ずつ学ぶのは、この力を身につけるためだと考えると、カリキュラムの意味が分かりやすくなります。

講師の派遣という働き方

リトミック研究センターは、指導資格を取得した講師の派遣も行っています。公式サイトの講師の派遣のページでは、派遣先として、保育園・幼稚園・こども園の課内または課外のカリキュラム、音楽教室やカルチャーセンターのレッスンが挙げられています。大学・短期大学・専門学校の授業への講師の派遣や、授業の中で指導資格を取れる講座の提供も行っているとのことです。

同じページでは、リトミックが音楽教育や幼児教育に携わる人の大切な技能の1つとして、また新しい職員を採用するときの重要な要件の1つとして定着していると、センター自身が説明しています。保育の現場で、リトミックの活動を外部の講師に頼むか、職員が自ら行うかは園によって違いますが、どちらの形でも指導できる人が求められていることがうかがえます。

派遣の講師として働く場合は、自宅の教室と違い、教室の場所の確保や生徒の募集を自分で行う必要がありません。その代わり、派遣先の園の保育の流れや先生方との連携に合わせて指導することが求められます。近くにすでに派遣先がある地域では、依頼に応えられない場合もあると案内されています。

カルチャーセンターなどでは、年間の回数など一定の条件を満たせば、認定教室として開くこともできるとされています。自宅の教室、派遣の指導、カルチャーセンターの講座を組み合わせると、曜日ごとに働く場所を変えながら、指導の機会を広げていけます。

資格を取ったあとも学び続けるための研修

資格を取ったあとも、指導者会員として学び続けられる研修が用意されています。公式サイトの指導者会員向けのページには、次のような研修や講座が並んでいます。

・ベビーのためのリトミック指導法研修
・1歳児指導法研修
・幼稚園・保育園のためのリトミック講座
・リトミックバイエル指導法
・ディプロマAコース
・教員養成校2年生編入
・特別研修
・認定教室開設説明会

月例研修会の初級から上級までは3歳児から5歳児が中心なので、0歳児や1歳児のクラスを開きたい人は、ベビーや1歳児の指導法研修を追加で受けると、教えられる年齢の幅が広がります。ディプロマB資格を取った人が、ディプロマA資格を目指すためのコースや、教員養成校の2年生に編入する道もあります。

自宅で教室を開くときに必要な手続きは、認定教室開設説明会で案内されています。教室の開設を考え始めたら、早めに説明会の日程を確かめておくとよいでしょう。

資格を取ったあとの仕事の広げ方

資格を取ったあとの働き方について、リトミック研究センターは、通常は仕事の紹介はしていないとよくある質問で明記しています。ただし、幼稚園や保育所、音楽教室から講師の派遣の依頼や求人があった場合には案内していると書かれています。資格を取れば自動で仕事が入るわけではないので、自分から仕事の場をつくっていく前提で考えておくことが大切です。

仕事の広げ方は、資格の段階に合わせて考えると無理がありません。

最初の段階は、初級指導資格で開ける自宅の認定教室です。自宅の一室や近くの公共の施設を借りて、少人数のクラスから始めます。リトミック研究センターでは、認定教室を開くための開設説明会や申請の窓口を設けています。

次の段階は、中級指導資格で受けられる園での課外指導です。保育の時間が終わったあとに、希望する子ども向けにリトミックのクラスを開く形です。園との契約になるので、自宅の教室より人数が安定しやすい傾向があります。

その次は、上級指導資格で可能になる、保育の時間の中での指導やカルチャーセンターでの指導です。園の行事や発表会に関わる機会も増えます。

すでに保育士や幼稚園の先生として働いている人は、今の仕事の中でリトミックを生かす道もあります。公式サイトでも、資格を取ったあとは今の仕事に生かしたり、自宅で教室を開いたりしている人が多いと紹介されています。

どの道を選ぶ場合も、最初の1年は「小さく始めて、続けられる形を探す」ことを優先すると無理がありません。いきなり複数のクラスを開くより、1つのクラスを丁寧に続けて、保護者の声を聞きながら内容を整えていくほうが、口コミで生徒が増えやすくなります。

保育や幼児教育の採用の場面で、リトミックの資格はどう見られるか

保育士や幼稚園の先生として働きたい人にとって、リトミックの資格が採用で有利になるかは気になるところです。

リトミック研究センターは、取得した資格は幼児教育の分野の就職で有利になる場合が多いと案内しています。採用の場面に置き換えると、資格そのものより「音楽を使って子どもを集中させ、表現を引き出す活動を自分で組み立てられる」ことの裏づけとして評価される、と考えると分かりやすいでしょう。

面接で伝えるときは、資格の名前を並べるより、どの年齢の子どもに、どんな活動を、何分くらいで組み立てられるかを具体的に話すほうが伝わります。たとえば「3歳児のクラスで、季節の歌に合わせて歩く・止まる・しゃがむを組み合わせた15分の活動を組み立てられる」と言えれば、現場ですぐに力になる人だと受け取ってもらえます。

園の規模によっても見られ方は違います。行事や課外のクラスが多い大きな園では、リトミックの指導ができる人が重宝される場面があります。小さな園では、保育の時間の中で音楽の活動を担当できることが評価されやすくなります。いずれにしても、保育士の資格や幼稚園の教員免許とは別の資格なので、園で働くための資格の代わりにはならない点は押さえておいてください。

自宅で教室を開くときに準備しておきたいこと

自宅で教室を開く場合は、指導の準備のほかに、運営の準備も必要です。

まず、場所の確保です。子どもが走り回っても安全な広さと、ピアノや電子ピアノを設置できる場所が必要です。集合住宅の場合は、音や足音が近所の迷惑にならないか、管理規約で教室の運営が認められているかを先に確かめます。自宅で難しい場合は、地域の集会所や公共の施設の部屋を借りる方法もあります。

次に、お金の手続きです。教室の月謝などで収入を得る場合、それは事業の所得として扱われることが一般的です。事業を始めたときに税務署に出す開業の届出は、所得税法で、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までに出すことになっています。収入から教材費や会場費などの経費を差し引いた所得に応じて、確定申告が必要になります。どの費用が経費になるかは事情で変わるので、迷う場合は税務署や税理士に確かめてください。

さらに、保護者とのやり取りの決まりです。月謝の額と支払い方法、休んだときの振替の扱い、体調不良のときの連絡の方法を、入会のときに書面で渡しておくと、後のトラブルを防げます。小さな子どもを預かるので、けがへの備えとして保険への加入も検討しておきましょう。

最後に、教室の案内です。地域の子育ての情報誌、園や子育て支援の施設の掲示、地図アプリの店舗情報などに教室の情報を載せると、近所の保護者の目に留まりやすくなります。初めての人向けの体験レッスンを用意しておくと、入会につながりやすくなります。

仕事や子育てと両立しながら学ぶための計画の立て方

月例研修会は年6回の研修ですが、実際には研修の日のほかに、eラーニングの予習、ピアノの練習、課題の提出の時間が必要です。仕事や子育てと両立しながら続けるには、最初に1年の計画を立てておくのが効果的です。

まず、研修の日を家族の予定表に先に書き込みます。研修は日曜か祝日に開かれるので、家族の行事や仕事の休日出勤と重なりそうな日を早めに見つけ、子どもの預け先や家族の協力をお願いしておきます。

次に、eラーニングの予習の時間を決めます。研修の前の週に、平日の夜に30分ずつといった形で時間を確保しておくと、研修の当日に内容についていけなくなる心配が減ります。eラーニングは何度でも見返せるので、通勤の時間や子どもが寝たあとの時間を使う人もいます。

ピアノの練習は、毎日少しずつが基本です。指導書の譜例を、子どもの動きに合わせて弾けるようになることが目標なので、難しい曲を弾けるようになる必要はありません。1日10分でも、毎日鍵盤にふれる習慣をつけておくと、認定試験の前に慌てずに済みます。

どうしても出席できない回が出た場合は、専用の研修動画で受講したものとして扱われる仕組みがあります。1回休んだからといって、その年の資格をあきらめる必要はありません。何年かかっても全回に出席すれば受験の資格が得られますが、翌年以降に受ける場合は1回ごとの受講料が必要になる点は覚えておいてください。

自宅の教室の月謝を決めるときの考え方

自宅で教室を開くとき、多くの人が迷うのが月謝の決め方です。地域や教室の形によって相場は大きく違うため、ほかの教室の金額をそのまま真似するのではなく、自分の教室にかかる費用から考えるのが確実です。

考え方の手順は次のとおりです。まず、1年間にかかる費用を書き出します。リトミック研究センターの本部会費や研修費、教材や教具の費用、楽器の調律や買い替えの積み立て、会場を借りる場合はその費用、保険料、案内のチラシの印刷代などです。

次に、1年間に開くレッスンの回数と、1クラスの人数を決めます。リトミック研究センターの教室の形にならうなら、週1回60分、年間40週、1クラス4名から8名が目安です。費用の合計を、見込める生徒の数と回数で割ると、最低限必要な1回あたりの金額が見えてきます。

そのうえで、近隣のほかの習い事の金額と比べ、保護者が続けやすい金額かどうかを確かめます。最初から生徒が定員まで集まることは少ないので、人数が少ないうちでも赤字にならないかを確かめておくと安心です。

月謝のほかに、入会金や教材費、発表会の費用を別に設けるかどうかも決めておきます。入会のときに金額の一覧を書面で渡しておくと、保護者との認識の違いを防げます。

費用と時間をどう考えるか

リトミック研究センターの資格は、月例研修会でも4年間でおよそ28万円、教員養成校では1年目だけで50万円を超える費用がかかります。研修の時間に加えて、ピアノの練習やeラーニングの予習の時間も必要です。

費用と時間を考えるときは、資格を取ること自体を目的にせず、どこで、どの年齢の子どもに、どのくらいの頻度で教えたいかから逆算するのがおすすめです。自宅で週に数回、3歳児のクラスを開きたいなら、初級指導資格で始められます。そのあと、教室を続けながら上の資格に進む人も多くいます。

体験受講で実際の研修の雰囲気を確かめ、初級コースを1年受けてから続けるかを決める。この順番なら、大きな負担を抱えずに始められます。

子どもに関わる仕事を、在宅の仕事と組み合わせる

リトミックの指導は、教室の時間そのものは決まった日と時間に限られます。空いた時間を、在宅でできる仕事と組み合わせて働いている人も少なくありません。教室の案内のチラシや保護者向けのおたより、教材の作成など、教室の運営で身につけた力は、そのまま在宅の仕事にも生かせます。

20年この市場を見てきた立場から言えば、こうした「教える仕事」と「在宅の仕事」を組み合わせている人ほど、収入が1つに偏らず、長く続けられています。教室の生徒の数は季節や地域の事情で増えたり減ったりしますが、在宅の仕事があれば、その波を和らげられます。とくに、仲介の手数料がかからない直接の取引で仕事を受けると、同じ予算でも受ける側の手取りが厚くなり、短い時間でも続けやすくなります。

保護者向けのおたよりや教室の案内文を書く力を磨きたい人は、文書の書き方を体系的に学べるビジネス文書検定の資格ガイドが参考になります。文章を書く仕事を在宅で広げたい人には、単価の上げ方を整理したWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップも役に立ちます。教室のチラシや案内の画像を自分で作る人、デザインの仕事に関心がある人は、デザイナーの年収・単価相場で相場を確かめられます。

よくある質問

Q. リトミック研究センターの資格は何年で取れますか?

月例研修会では1年ごとに資格が上がり、1年目で初級指導資格、2年目で中級、3年目で上級、4年目でディプロマB資格の試験を受けられます。教員養成校では1年目でディプロマB資格、2年目でディプロマA資格が取れます。自宅で教室を開くだけなら、初級指導資格から始められます。

Q. 月例研修会の1年目にかかる費用はいくらですか?

2026年度の募集要項では、こどものためのリトミックコースの場合、入会金11,000円、本部会費7,700円、受講料38,500円、教材費12,980円で、合計70,180円です。資格認定試験を受ける場合は、受験料8,800円が別にかかります。いずれも税込で、年度によって変わることがあります。

Q. ピアノが苦手でも受講できますか?

高度な技術は求められませんが、ピアノを使って指導するため、バイエル程度の鍵盤の経験は必要とされています。月例研修会のeラーニングでは先生が譜例を演奏する場面もあり、指導書の楽譜と照らし合わせて練習できます。不安な人は、申し込む前から少しずつ練習しておくと安心です。

Q. 資格を取ったら仕事を紹介してもらえますか?

リトミック研究センターは、通常は仕事の紹介はしていないと案内しています。ただし、幼稚園や保育所、音楽教室から講師の派遣の依頼や求人があった場合には案内しているとのことです。自宅で認定教室を開く、今の職場で生かす、園の課外指導を受けるなど、自分から仕事の場をつくる前提で考えておくと安心です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月27日最終更新:2026年10月12日
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