主婦の在宅バイト|仕事の種類と扶養の考え方


この記事のポイント
- ✓主婦の在宅バイトの仕事の種類を
- ✓雇用で働く在宅勤務と業務委託の在宅ワークに分けて解説
- ✓令和8年分の配偶者控除の136万円
子育てや家事の合間に、家にいながら収入を得たい。主婦の在宅バイトを探す人の多くは、そう考えながらも「扶養の範囲で働くにはいくらまでか」「どんな仕事なら家でできるのか」「怪しい募集をどう見分けるのか」という3つの疑問を抱えています。
先に結論を書くと、在宅の仕事は、会社に雇われてパートやアルバイトとして家で働く形と、業務委託で仕事を受ける形の2つに分かれ、どちらを選ぶかで扶養の考え方が変わります。この記事では、在宅でできる仕事の種類を整理したうえで、令和8年分の配偶者控除の基準や社会保険の扶養の基準など、国税庁と日本年金機構の案内で確かめた数字をもとに、扶養の考え方を順に解説します。
在宅バイトには2つの働き方がある
主婦向けの在宅バイトの求人を見ていくと、同じ「在宅」でも、契約の形が2種類あることに気づきます。
1つ目は、会社に雇われて働く「在宅勤務」です。パートやアルバイトとして雇用契約を結び、会社の仕事を自宅で行います。時給で給料が支払われ、勤務時間が決まっていることが多く、条件を満たせば社会保険や雇用保険にも加入します。在宅のコールセンター、カスタマーサポート、データ入力、事務のアシスタントなどがこの形です。
2つ目は、業務委託で仕事を受ける「在宅ワーク」です。会社と雇用契約を結ばず、仕事の単位で報酬を受け取ります。記事の執筆、文字起こし、データ入力の請負、デザイン、オンラインの講師などがこの形です。働く時間を自分で決めやすい一方で、労働時間の決まりや残業代、雇用保険などの保護はありません。
| 比べる点 | 雇用の在宅勤務 | 業務委託の在宅ワーク |
|---|---|---|
| 契約 | 雇用契約(パート・アルバイト) | 業務委託契約 |
| 収入の種類 | 給与 | 事業所得または雑所得 |
| お金の決まり方 | 時給×働いた時間 | 仕事1件あたり、または成果に応じて |
| 働く時間 | 決められたシフトが多い | 自分で決めやすい |
| 社会保険 | 条件を満たせば加入 | 自分の勤め先では加入しない |
| 税金の手続き | 会社が年末調整をする | 自分で確定申告をすることがある |
どちらが良いということはなく、家庭の状況で向き不向きが分かれます。決まった時間に確実に収入を得たい人、社会保険や雇用保険の保障を受けたい人には、雇用の在宅勤務が向いています。子どもの予定に合わせて働く時間を自由に決めたい人、自分の得意な分野の仕事を選びたい人には、業務委託の在宅ワークが向いています。両方を組み合わせて、パートの在宅勤務を軸にしながら、空いた時間に業務委託の仕事を受ける人もいます。
どちらの形かで、扶養の範囲を考えるときの計算の仕方が変わります。求人に応募する前に、雇用なのか業務委託なのかを必ず確かめてください。求人票に「業務委託」「請負」「フリーランス」と書かれていれば業務委託、「パート」「アルバイト」「時給」とあれば雇用であることがほとんどです。
主婦に選ばれている在宅バイトの種類
在宅でできる仕事にはさまざまなものがあります。主婦に選ばれやすい仕事を、必要なスキルと働き方で整理します。
データ入力・事務作業
紙の書類や画像の内容をパソコンに入力する、表計算ソフトのデータを整理する、といった作業です。雇用の形でも業務委託の形でも募集があります。パソコンの基本操作ができれば始めやすく、事務の経験がある人はそのまま生かせます。
業務委託のデータ入力は、1件あたりの単価で報酬が決まることが多く、作業に慣れるまでは時給に直すと低くなりがちです。最初は単価よりも、作業の内容が分かりやすく、継続して依頼がありそうな仕事を選ぶと、慣れるにつれて効率が上がります。
在宅のコールセンター・カスタマーサポート
お客様からの電話やチャット、メールでの問い合わせに答える仕事です。雇用の形で募集されることが多く、時給とシフトが決まっています。研修が用意されている求人も多く、未経験から始めやすい仕事の1つです。
電話の仕事は、家族の声や生活の音が入らない静かな場所が必要です。小さなお子さんがいる家庭では、お子さんが保育園や学校に行っている時間に限ってシフトを入れる人が多く見られます。チャットやメールだけの仕事なら、音の心配は少なくなります。
文章を書く仕事
Webサイトの記事、商品の説明文、ブログの代筆など、文章を書く仕事です。多くは業務委託で、文字数や記事1本あたりで報酬が決まります。家事や子育ての経験、前職の知識を生かした記事を書けると、依頼の幅が広がります。
文章の仕事の報酬は、文字単価で示されることが多くあります。報酬の決まり方や、単価を上げていく順番を知りたい人は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで詳しく紹介しています。
文字起こし
会議やインタビューの音声を聞いて、文章に書き起こす仕事です。業務委託で、音声の長さ1分あたりや1時間あたりで報酬が決まることが多い仕事です。タイピングの速さと、聞き取った言葉を正しく漢字にする力が求められます。音声認識のソフトが広がったことで、ソフトが作った下書きを直す作業として依頼されることも増えています。
オンラインの講師・家庭教師
ビデオ通話を使って、子どもの勉強や、語学、趣味の教室を教える仕事です。教員免許や語学の資格、教室を開いていた経験などがあると始めやすくなります。雇用の形の場合も、業務委託の形の場合もあります。
手作業の内職
部品の組み立て、袋詰め、シール貼りなど、会社から材料を受け取って自宅で作業する仕事です。こうした働き方は、家内労働法という法律で守られている「家内労働」に当たることがあります。家内労働とは、会社から材料を受け取って、自宅で物の製造や加工を行い、工賃を受け取る働き方のことです。
事務の代行・オンラインアシスタント
経営者や小さな会社の事務を、オンラインで代わりに行う仕事です。メールの返信、予定の管理、請求書の作成、資料の整理など、内容は依頼者によってさまざまです。事務の経験がある人に向いていて、業務委託で継続して依頼されることが多い仕事です。
扶養には「税金」と「社会保険」の2種類がある
在宅バイトを始めるときに多くの主婦が気にするのが「扶養の範囲」です。ところが、扶養には、税金の扶養と社会保険の扶養の2種類があり、基準となる金額も考え方も違います。この2つを分けて考えることが、扶養を理解するための第一歩です。
| 扶養の種類 | 何が変わるか | 判定する人 |
|---|---|---|
| 税金の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除) | 夫の所得税と住民税の額 | 夫の勤め先の年末調整、または確定申告 |
| 社会保険の扶養(健康保険の被扶養者・国民年金の第3号被保険者) | 自分で健康保険料や年金保険料を払うかどうか | 夫の勤め先の健康保険 |
税金の扶養から外れると、夫の税金が増えます。社会保険の扶養から外れると、自分で健康保険と年金の保険料を払うことになります。家計への影響が大きいのは、多くの場合、社会保険の扶養のほうです。
税金の扶養の基準(令和8年分)
税金の扶養の中心になるのが、配偶者控除と配偶者特別控除です。配偶者控除とは、夫の所得から一定の額を差し引いて、夫の税金を軽くする仕組みのことです。
令和8年分から、配偶者控除の対象になる配偶者の所得の基準が変わりました。国税庁の案内では、控除の対象になる配偶者の条件の1つを次のように書いています。
年間の合計所得金額が62万円以下(注)(令和7年分は58万円以下、令和2年分から令和6年分までは48万円以下、令和元年分以前は38万円以下)であること。給与のみの場合は給与収入が136万円以下(令和7年分は123万円以下、令和6年分以前は103万円以下) 出典: nta.go.jp
つまり、パートやアルバイトの給与だけで働く場合、令和8年分は給与の収入が136万円以下なら、夫は配偶者控除を受けられます。以前よく言われていた「103万円の壁」は、令和6年分までの数字です。
収入が136万円を超えても、すぐに夫の控除がなくなるわけではありません。配偶者の合計所得が62万円を超えて133万円以下までは、配偶者特別控除という別の控除が受けられ、収入が増えるにつれて控除の額が少しずつ減っていきます。そのため、税金の面だけで見れば、136万円を少し超えたからといって、世帯の手取りが急に減ることはありません。
なお、夫の合計所得が1,000万円を超える場合は、配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。夫の会社によっては、税金の扶養とは別に「家族手当」「配偶者手当」の支給の基準を独自に決めていることがあります。手当の基準は会社ごとに違うので、夫の勤め先の規程で確かめてください。
業務委託の収入の場合
業務委託の在宅ワークで得た収入は、給与ではなく、事業所得または雑所得になります。このときの「所得」は、受け取った報酬の合計から、仕事にかかった経費を差し引いた額です。配偶者控除の基準の62万円は、この所得の額で判定します。
たとえば、業務委託で1年間に100万円の報酬を受け取り、パソコンの費用や通信費などの経費が30万円かかった場合、所得は70万円です。62万円を超えるので、配偶者控除ではなく配偶者特別控除の対象になります。経費として認められるものの範囲は、仕事の内容や使い方で変わるので、迷うときは税務署に確かめてください。
手作業の内職のように、家内労働者に当たる人には、必要経費の特例があります。国税庁の案内では、令和8年分は必要経費が69万円まで認められ、この特例に当たる所得しかない人は、その年の総収入金額が131万円以下なら、扶養者の配偶者控除の対象になるとされています。自分の仕事がこの特例に当たるかどうかは、仕事の内容で判断が分かれるので、税務署に確かめてください。
社会保険の扶養の基準
社会保険の扶養は、夫の勤め先の健康保険で、妻が保険料を払わずに加入できる仕組みです。あわせて、国民年金の第3号被保険者として、年金の保険料を自分で払わずに済みます。
日本年金機構の案内では、社会保険の扶養に入れる収入の基準は、年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)で、同居している場合は夫の収入の半分未満であることとされています。この「年間収入」の意味について、次のように説明しています。
年間収入とは、過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。 出典: nenkin.go.jp
ここでいう年間収入は、過去の収入ではなく、これから1年間に見込まれる収入です。給与の場合は、1か月あたり108,333円以下であれば要件を満たすとされています。税金の扶養が1月から12月までの実績で判定するのに対して、社会保険の扶養は見込みで判定する点が大きな違いです。
社会保険の扶養の判定には、業務委託の報酬も含まれます。ただし、報酬の額そのものなのか、経費を引いた後の額なのかの扱いは、健康保険の組合によって考え方が違うことがあります。業務委託で在宅ワークをする場合は、夫の勤め先の健康保険に、どう判定するかを前もって確かめておくと安心です。
パートで勤め先の社会保険に入る場合
130万円の基準とは別に、パートやアルバイトとして働く勤め先で、自分自身が社会保険に入る場合があります。厚生労働省の案内では、次の条件をすべて満たすと、勤め先の社会保険の加入対象になります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2か月を超えて雇用される見込みがある
- 学生ではない
- 勤め先の従業員数が51人以上(2027年10月からは36人以上)
以前は「月額8.8万円以上」という賃金の要件もありましたが、この要件は2026年10月に撤廃されました。そのため、従業員数の条件を満たす会社で週20時間以上働くと、給料の額にかかわらず、勤め先の社会保険に加入することになります。
従業員数の条件は段階的に広がる予定で、従業員数36人から50人の会社は2027年10月から、21人から35人の会社は2029年10月から、11人から20人の会社は2032年10月から、10人以下の会社は2035年10月から対象になります。
在宅のパートで働く場合も、この条件は同じです。在宅だから社会保険に入らないということはないので、週の勤務時間を決めるときは、勤め先の従業員数とあわせて確かめてください。
扶養の範囲で働くか、超えて働くか
扶養の基準を知ると、「扶養の範囲に収めるべきか」と迷う人が多くいます。答えは家庭ごとに違いますが、考えるときの順番は次のとおりです。
- 夫の勤め先の家族手当の基準を確かめる
- 社会保険の扶養から外れる条件(130万円、または勤め先の社会保険の加入条件)を確かめる
- 税金の扶養(配偶者控除の136万円、配偶者特別控除)の影響を確かめる
- 扶養を外れて働いた場合の手取りと、将来の年金の増え方を比べる
社会保険の扶養から外れると、自分で保険料を払うことになり、手取りが一時的に減ります。ただし、勤め先の社会保険に加入すると、将来受け取る厚生年金が増え、病気で働けないときの傷病手当金や、出産のときの出産手当金を受け取れるようになります。目先の手取りだけでなく、こうした保障も含めて考えることが大切です。
扶養の範囲で働くと決めた場合は、1年の途中で収入が基準を超えないよう、月ごとの収入を記録しておきます。年末に近づいてから働く時間を減らすより、最初から月の目安を決めておくほうが、仕事の相手にも迷惑をかけずに済みます。
住民税の基準にも注意する
所得税とは別に、住民税にも課税される基準があります。住民税の基準は、住んでいる市区町村によって少しずつ違い、所得税よりも低い収入から課税されることがあります。
また、住民税は前の年の所得をもとに計算されるため、在宅バイトで収入が増えた翌年に、住民税の通知が届いて驚くことがあります。収入が増えた年は、翌年の住民税の分を取っておくと安心です。住民税の基準や計算の方法は、住んでいる市区町村の案内で確かめてください。
確定申告が必要になる場合
雇用の在宅勤務で、給与を1か所からだけ受け取っている場合は、勤め先が年末調整をするので、原則として自分で確定申告をする必要はありません。
一方、業務委託の在宅ワークで報酬を受け取った場合は、所得の額によって確定申告が必要になります。所得が基礎控除の額などを超えると、所得税の確定申告が必要です。パートの給与を受け取りながら業務委託の仕事もしている人は、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要になる、という決まりもあります。国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人の案内で、自分が当てはまるかを確かめてください。
確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。業務委託の報酬の記録と、経費の領収書は、1年分をまとめて保管しておきましょう。
怪しい在宅バイトの見分け方
在宅バイトの募集の中には、主婦をねらった悪質なものも混ざっています。次のような特徴がある募集には注意してください。
- 仕事を始める前に、登録料、教材費、研修費などの支払いを求める
- 「誰でも」「簡単に」「スマホだけで」高収入が得られると強調する
- 仕事の内容が具体的に書かれていない
- 会社の名前、住所、連絡先がはっきりしない
- SNSのメッセージだけでやり取りをさせ、契約の書面がない
- 報酬を受け取るために、先に商品を買うことを求める
とくに、仕事を紹介する代わりに、先にお金を払わせる手口には気をつけてください。仕事を始める前に高額な教材を買わせ、実際には仕事がほとんど紹介されない、というトラブルは繰り返し起きています。こうした取引は、特定商取引法の「業務提供誘引販売取引」として、書面の交付やクーリング・オフの決まりが設けられています。
募集の内容に少しでも不安を感じたら、応募する前に、会社の名前で検索して評判を確かめる、会社の住所や電話番号が実在するかを確かめる、といった手間をかけてください。まっとうな仕事の依頼者であれば、仕事の内容や報酬の質問にきちんと答えてくれるはずです。
困ったときや、契約してしまってから不安になったときは、消費生活センターに相談できます。消費者ホットラインの188番に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。
在宅バイトの探し方
在宅バイトの募集は、いくつかの場所で探せます。それぞれの特徴を知っておくと、自分に合う仕事に早くたどり着けます。
求人サイト
パートやアルバイトの求人サイトでは、「在宅」「リモート」「テレワーク」などの条件で絞り込むと、雇用の在宅勤務の求人が見つかります。コールセンターやデータ入力、事務のアシスタントなどの募集が中心です。勤務時間や時給、研修の有無が求人票に書かれているので、条件を比べやすいのが利点です。
仕事の仲介サイト
業務委託の在宅ワークを探すなら、仕事の仲介サイトが中心になります。依頼したい人が仕事の内容と報酬を掲載し、受けたい人が応募する仕組みです。文章を書く仕事、データ入力、文字起こし、デザインなど、さまざまな仕事が掲載されています。仲介の手数料がかかるかどうか、どのくらいかかるかはサイトごとに違うので、手取りの額を計算してから応募しましょう。
ハローワーク
ハローワークでも、在宅勤務やテレワークの求人を探せます。子育て中の人の仕事探しを手伝う「マザーズハローワーク」や、ハローワークの中の「マザーズコーナー」では、子ども連れでも相談しやすい環境が整えられ、仕事と子育ての両立について相談できます。
知人やこれまでの勤め先
以前の勤め先や、知人の会社から在宅の仕事を頼まれることもあります。仕事の進め方や人柄を知っている相手なので、始めやすいのが利点です。ただし、知り合いだからこそ、報酬や納期の約束をあいまいにしがちです。仕事を受けるときは、内容と報酬をメッセージや書面で残しておきましょう。
在宅バイトに必要な環境と道具
在宅バイトを始めるには、作業する場所と道具を整える必要があります。仕事の種類によって必要なものは変わりますが、多くの仕事に共通するのは次のとおりです。
| 必要なもの | 気をつける点 |
|---|---|
| パソコン | 仕事で指定されたソフトが動くか確かめる |
| インターネットの回線 | ビデオ通話や大きなファイルの送受信に耐える速さ |
| ヘッドセット | 電話やビデオ通話の仕事で、周りの音を拾いにくいもの |
| 作業する机と椅子 | 長時間座っても疲れにくいもの |
| 静かな場所 | 電話の仕事では特に大切 |
在宅のコールセンターのように、会社がパソコンやヘッドセットを貸し出してくれる仕事もあります。自分で用意する必要があるかどうかは、応募する前に確かめてください。
会社の情報やお客様の個人情報を扱う仕事では、家族が画面を見られない場所で作業する、パソコンにパスワードをかける、作業が終わったら画面を閉じる、といった決まりを守る必要があります。家族と共有しているパソコンを仕事に使う場合は、仕事用の利用者を分けておくと安心です。
家事や子育てと両立する時間の作り方
在宅バイトの悩みで多いのが、「家にいるのに、仕事の時間が取れない」というものです。家にいると、家事や家族の用事が次々に入り、作業が細切れになりがちです。
両立のために役立つ工夫には、次のようなものがあります。
- 作業する時間帯を決め、家族にも伝えておく
- 集中が必要な作業は、子どもが学校や保育園に行っている時間に回す
- 細切れの時間には、メールの返信や作業の準備など、短く終わる作業を入れる
- 家事は時間を決めてまとめて片付け、仕事の時間に割り込ませない
- 納期には余裕を持たせ、急な予定の変更に備える
子どもの年齢によっても、働ける時間は変わります。乳幼児のいる家庭では、子どもが寝ている時間や、家族に見てもらえる時間に限られることが多く、短い時間で区切れる仕事が向いています。子どもが小学生になると、日中の時間が取りやすくなり、在宅のコールセンターのようにシフトの決まった仕事も選びやすくなります。夏休みなどの長い休みの間は働ける時間が減るので、その時期の仕事の量を前もって調整しておくと、依頼する側にも迷惑をかけずに済みます。
働き方の例で扶養の考え方を確かめる
ここまでの基準を、3つの働き方の例に当てはめてみます。数字は考え方を示すための例で、実際の判定は勤め先の健康保険や税務署の判断によります。
例1:在宅のコールセンターでパートとして週15時間働く
時給1,200円で週15時間働くと、1か月の給与はおよそ7万8千円、1年でおよそ93万円です。給与だけで136万円以下なので、令和8年分は夫の配偶者控除の対象になります。社会保険の扶養の基準である130万円未満にも収まります。週の労働時間が20時間未満なので、勤め先の社会保険の加入対象にもなりません。
例2:在宅の事務のパートで週22時間働く
同じ時給1,200円で週22時間働くと、1年の給与はおよそ137万円です。給与が136万円を超えるため、配偶者控除ではなく配偶者特別控除の対象になります。勤め先の従業員数が51人以上なら、週20時間以上の勤務なので、勤め先の社会保険に加入することになり、夫の社会保険の扶養からは外れます。保険料の負担は増えますが、将来の厚生年金が増え、病気のときの傷病手当金なども受けられるようになります。
例3:業務委託で文章を書く仕事をする
業務委託で1年間に90万円の報酬を受け取り、パソコンや通信費などの経費が20万円かかったとします。所得は70万円で、62万円を超えるため、夫は配偶者控除ではなく配偶者特別控除を受けることになります。所得が基礎控除の額を下回っていれば、自分の所得税はかからないこともありますが、確定申告や住民税の申告が必要かどうかは別に確かめます。社会保険の扶養の判定では、この報酬をどう扱うかを夫の勤め先の健康保険に確かめてください。
扶養を外れたときの手続き
収入が増えて扶養の基準を超えた場合は、手続きが必要になります。
社会保険の扶養から外れるときは、夫の勤め先に申し出て、被扶養者から外す手続きをしてもらいます。そのうえで、自分の勤め先の社会保険に加入するか、勤め先の社会保険に入らない場合は、国民健康保険と国民年金に自分で加入します。国民健康保険は市区町村の窓口、国民年金も市区町村の窓口や年金事務所で手続きできます。手続きが遅れると、さかのぼって保険料を払うことになる場合があるので、基準を超えると分かった時点で早めに動きましょう。
税金の扶養は、夫の勤め先の年末調整で、配偶者の所得の見込みを申告して判定されます。年の途中で収入が見込みより増えた場合は、年末調整のときに正しい見込み額を伝えます。年末調整のあとで所得が変わった場合は、夫の確定申告で調整することになります。
在宅バイトを始めるまでの手順
在宅バイトを始めるまでの流れを整理すると、次のようになります。
- 1週間に働ける時間と、働ける時間帯を決める
- 雇用の在宅勤務か、業務委託の在宅ワークかを選ぶ
- 扶養の範囲で働くかどうかを家族と話し合う
- 作業する場所と、パソコンやインターネットの環境を整える
- 求人サイトや仕事の仲介サイトで募集を探す
- 仕事の内容、報酬、契約の形を確かめて応募する
- 収入と経費を月ごとに記録する
最初の1つ目が、意外に大切です。家事や子育ての予定を書き出して、確実に作業できる時間を見積もると、応募できる仕事が絞られます。無理なく続けられる時間で始めることが、長く続けるための一番の近道です。
在宅で働きながらスキルを伸ばす
在宅バイトを続けていくと、同じ作業でも、時間あたりの収入を上げられるようになります。そのためには、作業の速さと正確さを上げることに加えて、少し難しい仕事に挑戦していくことが大切です。
たとえば、データ入力から始めた人なら、表計算ソフトの関数を覚えて集計の作業も受けられるようにする、文章の仕事なら、短い記事から長い記事、取材をもとにした記事へと広げていく、といった進め方があります。コールセンターの仕事なら、経験を積んで、後輩の相談に乗る役割や、問い合わせの内容をまとめる役割を任されることもあります。
スキルを伸ばすための勉強の時間も、在宅の仕事と同じように、家事と子育ての予定の中に組み込みます。1日15分でも続けることで、半年後には受けられる仕事の幅が変わってきます。
仲介の現場から見た、在宅で長く続く人
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、主婦の在宅の仕事で長く続いている人には、いくつかの共通点があります。
1つは、最初から大きな収入を目指さず、確実にこなせる量から始めていることです。家庭の予定は急に変わるものです。子どもの急な発熱があっても納期を守れる量で引き受け、余裕ができてから少しずつ仕事を広げている人は、依頼する側からの信頼が厚くなり、自然と継続の依頼が増えていきます。
もう1つは、連絡が丁寧で早いことです。在宅の仕事は顔が見えない分、メッセージの返信の速さと正確さが、そのまま信頼になります。「今日中に返信します」「明日の午前に納品します」と、自分から見通しを伝える人ほど、依頼する側は安心して仕事を任せられます。
依頼する側と直接やり取りできる仕事なら、間に入る業者の手数料がない分、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りも厚くなります。扶養の範囲で働く人にとっては、同じ作業時間でも手元に残る額が増えることは大きな意味を持ちます。
在宅の仕事で身に付けたスキルは、子育てが落ち着いたあとに働き方を広げるときの土台になります。事務の仕事を続けたい人は、ビジネス文書検定のように、文書を作る力を示せる資格を取っておくと、応募のときに自分のスキルを伝えやすくなります。
よくある質問
Q. 主婦の在宅バイトは扶養内でいくらまで働けますか?
扶養には税金と社会保険の2種類があります。令和8年分の配偶者控除は、給与だけなら収入136万円以下が基準です。社会保険の扶養は、これから1年間の見込み収入が130万円未満で、夫の収入の半分未満であることが基準です。勤め先で週20時間以上働くと、従業員数の条件によっては自分で社会保険に入ることになります。
Q. 業務委託の在宅ワークでも扶養に入れますか?
入れる場合があります。税金の扶養は、報酬から経費を引いた所得で判定し、令和8年分は合計所得62万円以下なら配偶者控除の対象です。社会保険の扶養は、見込みの年間収入が130万円未満であることが基準ですが、業務委託の収入をどう計算するかは健康保険によって考え方が違うことがあるので、夫の勤め先の健康保険に確かめてください。
Q. 103万円の壁はもうなくなったのですか?
配偶者控除の基準としての103万円は、令和6年分までの数字です。令和7年分は給与収入123万円以下、令和8年分は136万円以下に変わっています。ただし、夫の勤め先の家族手当の基準を独自に103万円などで決めている会社もあります。手当の基準は会社ごとに違うので、夫の勤め先の規程で確かめてください。
Q. 在宅バイトで確定申告は必要ですか?
雇用の在宅勤務で、給与を1か所からだけ受け取っている場合は、勤め先の年末調整で済むことがほとんどです。業務委託の報酬がある場合は、所得の額によって確定申告が必要になります。パートの給与のほかに業務委託の所得が20万円を超える場合も確定申告が必要です。確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になることがあります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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