未経験で在宅の校正求人に応募するには|求められる力とトライアルの備え


この記事のポイント
- ✓未経験から在宅の校正求人に応募したい人へ
- ✓未経験可の求人の中身の読み方
- ✓表記のよりどころになる国の基準
校正の仕事に興味があり、在宅でできる求人を探してみると、「未経験歓迎」「研修あり」と書かれた募集が意外に多く見つかります。一方で、応募の後にトライアルと呼ばれる試験があったり、実務の経験を求める募集が多かったりして、本当に未経験から始められるのか不安になる人も多いはずです。
この記事では、未経験から在宅の校正求人に応募したい人に向けて、未経験可の求人の中身の読み方、校正で求められる力、表記のよりどころになる国の基準、応募書類の書き方、トライアルで落ちないための準備を順番に整理します。仕事の流れを知るだけでなく、応募の前に何を準備すればよいかが分かるようにまとめています。
校正の仕事が求められる背景
校正とは、原稿や印刷物、Webのページなどに、誤字や脱字、表記のゆれ、体裁の乱れがないかを確かめ、直すべき箇所を示す仕事のことです。似た言葉に校閲があります。校閲とは、書かれている内容が事実と合っているか、矛盾がないかまで確かめる仕事のことで、校正より踏み込んだ確認を指します。求人によっては、この2つをまとめて「校正」と呼んでいることもあります。
校正の仕事は、出版社や新聞社だけのものではありません。企業の広告、商品のパッケージ、取扱説明書、社内の資料、Webサイトの記事、教材、行政の配布物など、文字が使われるところには必ず校正の工程があります。最近は、文章を自動で作るAIが広く使われるようになり、AIが作った文章を人の目で確かめる仕事も増えています。
在宅で働ける校正の求人が増えたのは、原稿のやりとりがPDFやクラウドの共有で行えるようになったためです。紙のゲラ、つまり印刷の前に内容を確かめるための試し刷りを郵送でやりとりしていた時代と違い、パソコンと通信の環境があれば、自宅から仕事ができます。地方に住んでいる人や、子育てや介護をしながら働きたい人にとって、選びやすい仕事になっています。
ただし、在宅の校正の仕事は、一人で原稿と向き合う時間が長く、誤りを見落とせば、そのまま世の中に出てしまう責任の重い仕事でもあります。未経験の人ほど、どんな力が求められるのかを知り、準備をしてから応募することが大切です。
「未経験可」の求人の中身を読み分ける
在宅の校正求人の「未経験可」には、いくつかの意味があります。応募する前に、どの意味なのかを読み分けておきます。
校正の経験がなくてもよい、という意味
校正の仕事の経験は問わないが、文章を読む仕事や事務の経験は求める、という意味で「未経験可」と書かれていることがあります。たとえば、事務の仕事で資料の誤りを見つけてきた経験や、文章を書く仕事の経験は、校正の素地として評価されます。募集の文面に「文章を扱う仕事の経験がある方歓迎」といった言葉があれば、こちらの意味です。
業界が未経験でもよい、という意味
出版や広告の業界で働いたことがなくてもよいが、パソコンの操作やチェックの作業には慣れていてほしい、という意味のこともあります。こうした求人では、最初は事務の仕事を中心に任され、慣れてから校正の比重が増えていく形が多く見られます。
研修を前提にしている、という意味
本当に未経験の人を受け入れ、研修で一から教える前提の求人もあります。この場合、最初の一定期間は出社して研修を受け、慣れたら在宅に切り替える、という形がよく見られます。「慣れたら在宅」「研修期間は出社」と書かれている募集はこの形です。完全に在宅で始めたい人は、研修の期間と場所を必ず確かめます。
求人の形を確かめる
在宅の校正の求人には、正社員、契約社員、派遣、パートやアルバイトといった雇われて働く形と、1件ごとに仕事を請け負う業務委託の形があります。未経験の人が最初に応募しやすいのは、研修や先輩の確認がある雇用の形です。業務委託の仕事は、多くの場合、実務の経験や、トライアルでの合格が前提になります。
校正で求められる力
校正の仕事で求められる力は、大きく4つに分けられます。どれも、仕事を始める前から少しずつ伸ばしていけます。
文字を1字ずつ見る力
校正の基本は、文章を意味で読むのではなく、文字を1字ずつ見ることです。人は文章を読むとき、意味を追うあまり、誤字を頭の中で正しく直して読んでしまいます。校正では、この癖をおさえ、文字の形そのものを確かめていきます。指や定規で行を追う、声に出さずに1字ずつ区切って読む、といった方法で、意味より文字に目を向ける練習をします。
基準に照らして判断する力
校正は、自分の好みで直す仕事ではありません。依頼した人が決めた表記の決まりや、国が示している表記のよりどころ、業界の決まりに照らして、合っているかどうかを判断します。決まりを知っていること、知らない言葉はその場で調べられることが求められます。
気づいたことを伝える力
校正で見つけた誤りは、決められた記号や書き方で、依頼した人に伝えます。直すべきか迷う箇所は、直す案を示したうえで、判断を依頼した人に任せる書き方をします。自分の判断を押しつけず、相手が直しやすい伝え方ができることが、仕事の質を左右します。
集中を保つ力
校正は、同じ姿勢で長く文字を見続ける仕事です。集中が切れたときに見落としが起きやすいので、休みの入れ方を工夫し、集中を保つ工夫ができることも大切です。在宅で働く場合は、家の中で集中できる時間と場所を確保できるかどうかも、仕事を続けられるかに関わります。
表記のよりどころになる国の基準を知る
校正の判断の土台になるのが、表記の基準です。日本語の表記には、国が示しているよりどころがあります。文化庁は、内閣告示や内閣訓令として示されている表記の基準について、次のように説明しています。
ここに収録した「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名の付け方」「外来語の表記」「ローマ字のつづり方」は,それぞれ内閣告示,内閣訓令となっており,一般の社会生活における国語表記の目安・よりどころとされているものです 出典: 文化庁 内閣告示・内閣訓令
5つの基準の中身
それぞれの基準が何を決めているのかを、簡単に整理します。
・常用漢字表は、一般の社会生活で使う漢字の目安と、その読み方を示したもの
・現代仮名遣いは、今の日本語を仮名で書くときの決まりを示したもの
・送り仮名の付け方は、漢字に続けて書く仮名の付け方の決まりを示したもの
・外来語の表記は、外国から入った言葉をカタカナで書くときの目安を示したもの
・ローマ字のつづり方は、日本語をローマ字で書くときのつづり方を示したもの
実際の仕事では、依頼した人の決まりが優先される
国の基準は目安であり、すべての文章がこれに従っているわけではありません。新聞社や出版社、企業は、それぞれ独自の表記の決まりを持っていて、校正の仕事では、依頼した人の決まりが優先されます。たとえば、同じ言葉を漢字で書くか仮名で書くかは、会社によって違います。国の基準を知っておくと、依頼した人の決まりがどこで国の基準と違うのかが分かり、決まりを覚えるのが早くなります。
表記の辞典を手元に置く
表記の判断に迷ったときに引く辞典を、1冊手元に置いておくと、仕事の速さと正確さが上がります。国語辞典に加えて、表記の辞典や、送り仮名や言葉の使い分けを調べられる辞典があると便利です。応募の前に、こうした辞典を引きながら文章を読む練習をしておくと、実務に入ったときに戸惑いが減ります。
見落としやすい誤りの種類を知っておく
校正で見落としが起きやすい誤りには、型があります。型を知っておくと、何を探せばよいかがはっきりし、練習の効率も上がります。
同じ読みで意味の違う言葉
「以外」と「意外」、「保障」と「保証」と「補償」のように、読みが同じで意味の違う言葉の取り違えは、パソコンで文章を作る時代にもっとも多い誤りの1つです。変換の候補を選び間違えても、文章としては自然に読めてしまうので、意味から確かめる必要があります。
送り仮名と表記のゆれ
「行う」と「行なう」、「取り組み」と「取組み」のように、送り仮名の付け方がそろっていない誤りです。どちらか一方が誤りというより、同じ文章の中でそろっていないことが問題になります。表記のゆれは、1か所だけを見ていても気づけないので、言葉ごとに書き方を記録しながら読み進めます。
数字と単位
金額、日付、電話番号、数量などの数字の誤りは、読み手に実害を与えやすい誤りです。桁の誤り、全角と半角の混在、単位の抜けに注意します。曜日と日付の組み合わせが合っているか、合計の数字が内訳と合っているかも確かめます。
人の名前と会社の名前
人の名前や会社の名前、商品の名前は、1字違うだけで失礼になったり、別のものを指したりします。旧字体や、似た形の漢字、会社の名前の中の小さな「ッ」や「ャ」などは、公式の資料と1字ずつ照らし合わせます。
体裁の誤り
見出しの番号が飛んでいる、箇条書きの記号がそろっていない、文字の大きさや書体が途中で変わっている、といった体裁の誤りもあります。文章の中身に気を取られていると見落としやすいので、中身を読む回とは別に、体裁だけを見る回を設けます。
校正記号と、赤字の入れ方を覚える
校正の仕事では、見つけた誤りを、決まった記号で原稿に書き込みます。この書き込みを、赤いペンで書くことから「赤字」と呼びます。
校正記号とは
校正記号とは、文字の修正、削除、挿入、入れ替え、改行などを示すための決まった記号のことです。日本では、日本産業規格(JIS)で印刷校正記号が定められていて、出版や印刷の現場で広く使われています。記号を正しく使えると、原稿を直す人に、意図が誤りなく伝わります。
在宅の仕事ではPDFへの書き込みが多い
在宅の校正の仕事では、紙ではなく、PDFの原稿に注釈の機能で書き込む形が多くなっています。PDFでも、紙のときと同じように、どこをどう直すのかを、決まった書き方で示します。会社によっては、独自の書き込みのルールを決めているので、研修や仕事の指示で確かめます。
練習のしかた
校正記号は、記号の一覧を眺めるだけでは身につきません。新聞や雑誌の記事、自分で書いた文章をコピーし、わざと誤りを入れてから、記号で直す練習をすると、手が覚えていきます。PDFの注釈の機能も、無料の閲覧ソフトで練習できるので、応募の前に操作に慣れておきます。
未経験からの学び方
未経験から校正の仕事を目指すなら、仕事を始める前に、基礎を体系的に学んでおくと、トライアルでも実務でも有利になります。
講座で学ぶ
校正の基礎を教える講座は、通学と通信の両方があります。校正記号、表記の決まり、原稿の突き合わせ方などを、課題を通して学べます。講座によっては、修了の時点で、校正の技能を確かめる試験を受けられるところもあります。費用と期間は講座ごとに大きく違うので、自分が目指す仕事の分野と、学べる時間に合わせて選びます。
本で学ぶ
校正の入門書や、表記の決まりをまとめた本で学ぶ方法もあります。費用を抑えられる一方で、自分の赤字が正しいかどうかを確かめてくれる人がいないので、練習の問題と解答がついた本を選ぶと、自分の弱いところが分かります。
文章の基本を固める
校正の土台は、正しい日本語の文章の知識です。敬語の使い方、句読点の打ち方、主語と述語の対応、仕事の文書の書き方など、文章の基本を固めておくと、文法の誤りに気づきやすくなります。仕事で使う文書の基本を体系的に学べる資格として、ビジネス文書検定があります。校正の仕事で扱う社内の資料や案内の文書の決まりを知るのにも役立ちます。
毎日少しずつ読む
校正の力は、短い時間でも毎日続けることで伸びていきます。新聞の記事やWebの記事を、1字ずつ確かめながら読む習慣をつけると、誤りに気づく目が育ちます。実際に公開されている文章にも、ときどき誤りが見つかります。見つけた誤りを記録しておくと、自分がどんな誤りに気づきやすく、どんな誤りを見落としやすいかが分かります。
練習に使える題材と、自分で作る練習問題
未経験から校正の力をつけるには、練習の題材をどう用意するかが鍵になります。お金をかけずに始められる方法を紹介します。
行政の配布物や広報誌
自治体の広報誌や、役所の配布物は、表記の決まりが比較的そろっていて、国の表記の基準に近い書き方をしていることが多い文章です。こうした文章を読み、送り仮名や漢字の使い分けがどうなっているかを確かめると、表記の基準が実際にどう使われているかが分かります。
自分で誤りを入れた文章
新聞のコラムや、自分が以前に書いた文章を書き写し、わざと誤りを入れてから、数日おいて校正してみる方法もあります。誤りを入れたことを忘れたころに読むと、どの誤りに気づき、どの誤りを見落としたかが分かります。家族や友人と、お互いに誤りを入れた文章を交換して校正し合う方法も効果があります。
2つの文章の突き合わせ
校正の仕事では、元の原稿と、組み上がった原稿を見比べて、写し間違いがないかを確かめる突き合わせという作業があります。同じ文章を手で書き写したものと、元の文章を並べて見比べる練習をすると、突き合わせの感覚がつかめます。
練習の記録をつける
練習で見落とした誤りは、種類ごとに記録しておきます。何回か練習すると、自分が見落としやすい誤りの型が見えてきます。トライアルや実務では、その型を重点的に確かめる回を設けると、見落としを減らせます。
応募書類の書き方
未経験の人が校正の求人に応募するときは、校正の経験がない分、応募書類で、校正に向いた素地があることを伝えます。
校正に通じる経験を書く
校正の経験がなくても、次のような経験は、校正の素地として伝えられます。
・事務の仕事で、資料や伝票の誤りを見つけてきた経験
・文章を書く仕事や、社内報の作成に関わった経験
・数字や名前の確認が欠かせない仕事の経験(経理、受発注、データ入力など)
・専門の分野の知識(医療、法律、IT、教育など)
経験を書くときは、「誤りを見つけた」だけでなく、どんな工夫で見落としを防いだのかまで書くと、仕事への姿勢が伝わります。
学んでいることを書く
講座や本で校正を学んでいるなら、その内容と期間を書きます。校正記号を使えること、表記の辞典を引きながら作業していることなど、具体的に書くと、準備をしていることが伝わります。
応募書類そのものを校正する
校正の求人に応募する書類に、誤字や表記のゆれがあると、それだけで評価が大きく下がります。提出の前に、時間を置いて読み直し、印刷して1字ずつ確かめます。同じ言葉の書き方がそろっているか、数字の全角と半角がそろっているかも見ておきます。応募書類は、最初の校正の試験だと考えて仕上げます。
在宅の環境を書く
在宅の求人では、作業の環境も判断の材料になります。使っているパソコンとソフト、通信の環境、作業に使える時間帯、家の中で集中できる場所があるかを、簡潔に書いておきます。
トライアルで落ちないための準備
在宅の校正の求人、特に業務委託の仕事や、校正を専門にする会社の募集では、応募の後にトライアルがあることが一般的です。実際の仕事に近い原稿を渡され、決められた時間や期限の中で校正して提出します。
トライアルで見られていること
トライアルでは、誤りをいくつ見つけたかだけでなく、次の点が見られています。
・指示書に書かれた決まりを守っているか
・赤字の書き方が正確で、直す人に伝わるか
・直す必要のない箇所に、余計な赤字を入れていないか
・迷った箇所を、自分で決めつけず、確認の形で示しているか
・期限を守っているか
特に、余計な赤字は減点の対象になりやすい点です。自分の好みで言い回しを変えたり、決まりにない直しを入れたりすると、仕事を任せにくいと判断されます。
指示書を最初に読み込む
トライアルの原稿を受け取ったら、まず指示書を最後まで読み、表記の決まり、赤字の書き方、確認の範囲を確かめます。指示書の内容をメモにまとめ、校正の途中で何度も見返せるようにしておくと、決まりの読み落としを防げます。
何回かに分けて読む
1回読んだだけで、すべての誤りを見つけるのは難しいことです。1回目は文字の誤り、2回目は表記のゆれ、3回目は数字や固有名詞、というように、見る点を分けて何回か読むと、見落としが減ります。
時間を測って練習する
トライアルには期限があります。応募の前に、時間を測って練習しておくと、どのくらいの量をどのくらいの時間で校正できるかが分かります。期限の直前に慌てないよう、見直しの時間も含めて計画を立てます。
提出の前の最後の確かめ
提出の直前には、赤字そのものに誤りがないかを確かめます。直す指示の文字が間違っている、記号の向きが逆になっている、といった赤字の誤りは、校正の仕事では特に目立ちます。最後に、指示書の決まりの一覧を上から順に見て、すべて守れているかを1項目ずつ確かめてから提出します。ファイルで提出する場合は、指定されたファイルの形式と名前の付け方も守ります。こうした細かな指示を守れるかどうかも、トライアルでは仕事の丁寧さとして見られています。
結果を次に生かす
トライアルに落ちた場合も、評価の内容を教えてもらえるなら、何が足りなかったのかを確かめて次に生かします。何社かのトライアルを受けるうちに、自分の弱いところがはっきりしてきます。
未経験から応募しやすい求人の探し方
在宅の校正の求人は、探す経路によって、未経験の人の受け入れやすさが違います。経路ごとの特徴を知っておくと、効率よく応募先を見つけられます。
求人サイト
一般の求人サイトで「校正 在宅 未経験」と探すと、雇われて働く形の募集が多く見つかります。正社員やパート、アルバイトの募集のほか、校正と事務を組み合わせた募集も多く出ています。「慣れたら在宅」「研修あり」といった条件で絞り込むと、未経験の人を育てる前提の募集が見つかりやすくなります。
派遣会社
派遣会社にも、在宅の日がある校正や、校正を含む事務の仕事が出ています。派遣の仕事は、週に何日かは出社し、残りを在宅で働く形が多く見られます。派遣会社の担当者に、未経験から校正の仕事を目指していることを伝えておくと、条件に合う仕事を紹介してもらいやすくなります。
ハローワーク
ハローワークにも、出版社や印刷会社、企業の事務の求人として、校正の仕事が出ていることがあります。地元の会社の求人が多く、最初は出社して仕事を覚えたい人に向いています。窓口で、校正の仕事を探していることを伝えると、近い仕事を紹介してもらえます。
校正の専門の会社や編集の会社
校正を専門に請け負う会社や、本や雑誌を作る編集の会社は、在宅で働く登録スタッフを募集していることがあります。多くの場合、トライアルに合格した人に仕事を割り振る形です。未経験の人には難しい経路ですが、講座で学んだ後の目標として、募集の時期や条件を調べておくとよいでしょう。
在宅ワークの仲介サイト
在宅ワークの仲介サイトやクラウドソーシングには、Webの記事や資料の校正の案件が出ています。短い文章の案件から始められるので、実績を積む場として使えます。案件ごとに条件が違うので、報酬の決まり方と、修正の扱いを確かめてから応募します。
在宅で働くときに確かめたい条件
在宅の校正の仕事は、雇われて働く形でも、業務委託の形でも、条件を確かめてから始めることが大切です。
雇われて在宅で働く場合
雇われて在宅で働く場合は、労働時間の管理の方法、パソコンや通信の費用を誰が負担するか、連絡の方法などを確かめます。厚生労働省のテレワークのガイドラインは、テレワークに必要な費用について、労使のどちらがどのように負担するかを、あらかじめ十分に話し合ってルールを定め、就業規則などに定めておくことが望ましいとしています(厚生労働省 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン)。労働者に機器などの負担をさせる場合は、就業規則に定めなければならないことも示されています。
業務委託で働く場合
業務委託の場合は、報酬の決まり方(ページごと、文字数ごと、1件ごと)、支払いの時期、修正の扱い、秘密を守る約束の内容を確かめます。校正の仕事では、まだ公開されていない原稿を扱うので、原稿の保存と削除の決まりも大切です。
先にお金を払わせる募集に注意
在宅の仕事の募集には、仕事を紹介すると言って、教材や講座の購入を先に求めるものがあります。仕事の紹介を条件に、商品の購入などの負担を求める取引は、特定商取引法で業務提供誘引販売取引として決まりが設けられています。応募した後にお金の支払いを求められたら、その場で決めずに、消費者ホットラインの「188」で相談します。
働き始めて最初の数か月に起きること
未経験から校正の仕事を始めると、最初の数か月は、思っていた以上に戸惑うことがあります。あらかじめ知っておくと、落ち込まずに乗り越えられます。
赤字が戻ってくる
最初のうちは、自分が入れた赤字に、先輩や依頼した人からさらに赤字が入って戻ってきます。見落としの指摘だけでなく、直す必要のない箇所に入れた赤字を消されることもあります。指摘は、自分の弱いところを知る材料です。指摘された内容を記録し、同じ指摘を2度受けないようにすることが、成長への近道です。
時間がかかりすぎる
慣れないうちは、1ページを確かめるのに時間がかかり、期限に追われることがあります。最初から速さを求めすぎると見落としが増えるので、まずは正確さを優先し、作業に慣れるにつれて速さを上げていきます。どのくらいの時間がかかっているかを記録しておくと、仕事の量を相談するときの材料になります。
一人で抱え込みやすい
在宅で働くと、隣の席の先輩に気軽に聞くことができません。迷ったことを抱え込んでしまうと、期限の直前に問題が見つかることになります。質問のしかたと、連絡してよい時間帯を最初に確かめておき、迷ったら早めに聞く習慣をつけます。
会社ごとの決まりを覚える
依頼する会社ごとに、表記の決まりや赤字の書き方が違います。最初は、決まりの一覧を手元に置き、確かめながら作業します。複数の会社の仕事を受けるようになったら、会社ごとに決まりの一覧を分けて管理し、取り違えないようにします。
校正の分野と、未経験から入りやすいところ
校正の仕事は、扱う分野によって、求められる知識や働き方が違います。未経験の人は、入りやすい分野から始めて、経験を積みながら広げていく方法があります。
Webの記事や広告の文章
Webの記事や広告の文章の校正は、在宅の求人が多く、未経験の人が入りやすい分野の1つです。文章の量が比較的短く、表記の決まりも会社ごとに整理されていることが多いためです。一方で、更新の早さが求められるので、短い期限の中で正確に仕上げる力が必要です。
社内の資料や事務の文書
企業の社内の資料や、案内の文書の校正は、事務の仕事と組み合わせて募集されることが多い分野です。事務の経験がある人は、文書の決まりに慣れているので、入りやすい分野です。
書籍や教材
書籍や教材の校正は、文章の量が多く、表記の決まりも細かいため、経験を積んでから任されることが多い分野です。教材の校正では、問題と解答の対応や、学年に合った漢字の使い方を確かめる知識が求められます。
専門の分野
医療、法律、金融、ITなどの専門の分野の校正では、その分野の知識が強みになります。以前の仕事でこうした分野に関わっていた人は、未経験でも、知識を生かして専門の校正に進める可能性があります。
校正の経験を、ほかの仕事に広げる
校正の仕事で身につく、文字を正確に見る力と、基準に照らして判断する力は、ほかの文章の仕事にもつながります。
書く仕事へ
校正の仕事で多くの文章に触れると、読みやすい文章の型が身についていきます。校正から文章を書く仕事に進む人もいます。文章の仕事で単価を上げていく道筋は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、段階を追って紹介されています。
AIの文章を確かめる仕事へ
AIが作った文章は、一見自然に見えても、事実の誤りや、表記のゆれ、文脈に合わない言葉が残ることがあります。こうした文章を確かめ、直す仕事は、校正の力がそのまま生きる仕事です。企業がAIを業務にどう取り入れるかを支える仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、どんな仕事があるかを確認できます。
運営者の視点から見た、未経験から長く続く人の共通点
在宅の仕事やフリーランスの市場を20年見てきた運営者の立場から言えば、未経験から校正の仕事に入って長く続いている人には、分からないことを分からないと伝えられる人が多いという共通点があります。校正は、迷った箇所を自分の判断で決めつけず、確認の形で依頼した人に返すことが求められる仕事です。知ったかぶりをしない姿勢が、結果として、任される仕事の幅を広げています。
もう1つ見えてくるのは、依頼する人と直接やりとりできる関係の強さです。依頼する人の表記の決まりや好みを直接聞けると、仕事の精度が上がり、修正の手間も減ります。仲介の手数料がかからない直接の取引では、同じ予算でも依頼する側は多くの原稿を頼みやすくなり、受ける側の手元に残る報酬も厚くなります。未経験から始めた人ほど、こうした関係を1つずつ育てていくことが、長く続けるための土台になります。
よくある質問
Q. 校正の経験がなくても在宅の校正求人に応募できますか?
未経験可の求人はありますが、校正の経験は問わないが文章を扱う経験は求める、研修を受けてから在宅に切り替える、といった意味のものが多く見られます。事務で資料の誤りを見つけた経験や、文章を書いた経験は、校正の素地として評価されます。応募の前に、研修の期間と場所を確かめておくと安心です。
Q. 校正の仕事で使う表記の基準はありますか?
文化庁は、常用漢字表、現代仮名遣い、送り仮名の付け方、外来語の表記、ローマ字のつづり方を、一般の社会生活における国語表記の目安・よりどころとして示しています。実際の仕事では、依頼した会社の表記の決まりが優先されますが、国の基準を知っておくと、会社の決まりを早く覚えられます。
Q. 校正のトライアルでは何が見られていますか?
誤りをいくつ見つけたかだけでなく、指示書の決まりを守っているか、赤字が正確で直す人に伝わるか、直す必要のない箇所に余計な赤字を入れていないか、迷った箇所を確認の形で示しているか、期限を守っているかが見られます。指示書を最初に読み込み、見る点を分けて何回か読むと、見落としが減ります。
Q. 在宅の校正の仕事を始める前に何を準備すればよいですか?
校正記号と表記の決まりの基礎を、講座や本で学んでおくと有利です。PDFに注釈を書き込む操作にも慣れておきます。応募書類では、校正に通じる経験と、学んでいることを具体的に書きます。応募書類そのものに誤字がないよう、時間を置いて1字ずつ確かめてから提出してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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