技術士の専門ライターの仕事

長谷川 奈津
長谷川 奈津
技術士の専門ライターの仕事

この記事のポイント

  • 技術士 ライター 副業を検討している人に向けて
  • 著作権と秘密保持の扱い
  • 名称表示のルールまでを在宅ワーク市場の運営者視点で解説します

技術士の資格を持っている人が在宅で受けられる仕事のうち、書く仕事は入口が広く、単価の幅も大きい領域です。同じ「技術記事を書く」でも、一般向けの解説記事と、企業が顧客に配る技術資料とでは、求められるものも報酬もまったく違います。この記事では、実際にどんな原稿の依頼が来るのか、単価がどこで決まるのか、契約でつまずきやすいのはどこかを、法務の観点も含めて整理します。文章を書いた経験がない人でも、根拠の示し方を身につければ成立する仕事です。

技術がわかる書き手が足りていない

まず前提を共有します。技術系のコンテンツを作りたい企業は増えているのに、書ける人が足りていません。理由ははっきりしていて、文章を書ける人は技術がわからず、技術がわかる人は書く時間がないからです。この構造が、資格保有者にとっての空白地帯を作っています。

技術者を書き手として抱えている制作会社の説明を見ると、その内訳がわかります。

テクノポートの技術ライティングサービスでは、さまざまな技術分野に特化したライターがコンテンツ制作を行います。登録している技術系ライター(エンジニアライター)は、元技術者の専業フリーライター、もしくは現役技術者の副業ライターです。多種多様なバックグラウンドを持ったライターを揃えていますので、どのような分野のコンテンツ制作でも承ることが可能です。 出典: writing.techport.co.jp

「現役技術者の副業ライター」という言葉が示すとおり、会社に勤めながら書いている人が実際に相当数います。専業に切り替える必要はありません。

書く技術そのものについては、次のような見方もあります。

ですが、ライティング経験があればその延長線上でできるのがテクニカルライターです。ライターの方はもちろん、未経験でも副業として始められます。 出典: envader.plus

ただし、この記述をそのまま受け取るのは危険です。未経験から始められるのは事実ですが、最初から高い単価がつくわけではありません。技術士が持っている優位は「書ける」ことではなく「根拠を示せる」ことにあります。ここを軸に据えないと、文字単価の安い一般ライターと同じ土俵で競うことになります。

依頼される原稿にはこれだけの種類がある

一口に技術ライティングと言っても、実際の依頼は性質の違う複数の型に分かれます。単価も、必要な時間も、書き方の作法も違うので、まず区別してください。

一般向けの技術解説記事

企業のオウンドメディアに載る、読者が非技術者の記事です。「なぜこの現象が起きるのか」「どう選べばいいのか」を、専門用語を噛み砕いて説明します。文字数は3,000字から6,000字が中心。件数が最も多く、入口として使いやすい型です。

技術者向けの解説記事と技術コラム

読者が同業の技術者である記事です。前提知識を省ける代わりに、内容の精度が厳しく問われます。数式、図面、測定条件などを含むことが多く、一般向けより単価が高く設定されます。

導入事例と製品の技術資料

顧客の課題、採用した技術、結果を整理する原稿です。取材が入ることが多く、在宅だけで完結しない場合があります。企業の営業資料として使われるため、表現の正確さが求められます。

ホワイトペーパーと技術白書

見込み客が氏名や連絡先と引き換えにダウンロードする資料です。10ページから30ページ規模で、構成から任されることも多く、一本あたりの報酬が最も高くなる型のひとつです。

取扱説明書と作業手順書

製品に付属する文書や、社内で使う手順書です。表現の一貫性、用語の統一、安全上の注意の書き方に厳格な作法があります。書式の指定が細かいぶん、慣れると作業が安定します。

技術報告書や申請関連の文書の下書き

企業が提出する報告書や申請書類の素案づくりです。ここは注意が必要な領域で、法令に基づいて特定の資格者だけが作成できるとされている書類が含まれることがあります。他人の依頼を受けて官公署に提出する書類を作成する業務には、行政書士法などの法律で範囲が定められているものがあります。どこまでが技術的な資料づくりで、どこからが資格者の独占業務にあたるかは、案件ごとに確認が必要です。資格ごとの業務範囲の考え方は行政書士の資格ガイドが整理の助けになります。判断がつかない依頼は、範囲を書面で確認してから受けてください。

単価はどこで決まるのか

技術ライティングの報酬は、文字単価、記事単位の固定額、ページ単価、時間単価のいずれかで提示されます。

一般向けの技術解説記事では、文字単価3円から8円あたりが一つの帯です。有資格者であることを前提に依頼される案件では、10円を超える提示も見られます。技術者向けの専門記事、ホワイトペーパー、技術資料では、記事単位で5万円から20万円という水準の募集も出ます。

一方で、クラウドソーシング型のサイトには次のような見方もあります。

副業として魅力的な点に、案件の獲得しやすさがあります。テクニカルライターの仕事はクラウドソーシングで多く募集されています。クラウドソーシングならば簡単に案件に挑戦できる上、月に3~4万円の報酬は簡単です。 出典: envader.plus

案件が見つけやすいのは事実です。ただし、正直なところ、この帯の案件だけを積み上げる働き方は技術士には向きません。確認と執筆にかかる時間を考えると、本業の時給を下回るからです。入口として一度使い、実績ができたら単価の高い型へ移るのが現実的な進め方になります。

書く仕事全体の収入水準を確かめておくと、提示額の判断がしやすくなります。著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、この職種の分布を確認できます。技術職の時間あたりの水準と比べるならソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になります。文字単価を引き上げる具体的な手順はWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップにまとまっており、交渉の型として使えます。

単価を分けるのは「根拠の示し方」

ここがこの記事の核心です。技術士が書いた原稿と、一般のライターが書いた原稿の違いは、文章のうまさではありません。書かれている内容に出どころがあるかどうかです。

具体的に、単価が上がる原稿には次の要素が入っています。

数値に条件が添えられている。「乾燥に3日かかる」ではなく「気温20度、湿度60%の条件で3日程度」と書く。条件が書かれた瞬間に、その文は実務で使える情報に変わります。

規格や法令の番号が正確に引かれている。JISの番号、省令の条数、告示の名称。ここが正確な原稿は、企業の担当者が社内でそのまま回覧できます。逆に番号が曖昧な原稿は、担当者が確認し直す手間を生み、次の依頼が来ません。

例外が書かれている。「この方法が一般的ですが、〇〇の場合は使えません」という一文があるかどうか。技術がわからない書き手はこの一文を書けません。読者にとっては最も価値の高い部分です。

図や表の設計が示されている。文章だけでなく「ここに比較表を入れる」「この手順は図で示す」と指定できると、制作側の作業が減ります。編集者にとって扱いやすい書き手は、単価交渉で有利になります。

出どころが明記されている。参照した資料、規格、公的機関の公表資料を原稿の末尾に並べる。これがあるだけで、原稿の扱いが変わります。

この五つを最初から入れて納品すると、二本目からの単価は上がります。上げてくれと交渉するより、上げざるを得ない原稿を出すほうが早いというのが実情です。

技術部門ごとに需要の出方が違う

同じ技術ライティングでも、部門によって案件の量と性質が変わります。応募先を選ぶときの材料として整理します。

建設部門と上下水道部門は、案件数がいちばん多い領域です。住宅、リフォーム、インフラの維持管理、災害対策といったテーマで一般向けの記事が絶えず作られており、法令や基準の改正も多いため、書ける人の需要が途切れません。一般向けの解説記事から入って、施工会社の技術資料へ広がる流れが典型です。

電気電子部門と機械部門は、製造業のオウンドメディアが主な発注元になります。製品の選定基準、故障の原因分析、規格への適合といったテーマが中心で、読者が技術者であることも多く、内容の精度が厳しく問われます。そのぶん単価は高めに設定されます。

化学部門と金属部門は、材料や表面処理の解説記事に需要があります。素材メーカーが自社の技術を説明する資料を作る際、社内の技術者が書くと専門的すぎて読者に伝わらないという問題が起きやすく、外部の技術者に頼む動機が生まれます。

環境部門と衛生工学部門は、法令と数値基準が記事の中心になる領域です。排水の基準値、大気の測定方法、廃棄物の分類といったテーマは、根拠となる省令や告示が細かく、正確に引ける人が限られます。ここは書ける人の希少性が高い領域です。

情報工学部門は、書き手の母数が多いぶん競争が激しくなります。ただし、産業機器の制御、工場のネットワーク、機能安全といった、実務経験がないと書けないテーマでは需要があります。

経営工学部門は、生産管理や品質管理をテーマにした記事で強みが出ます。製造業向けのシステムを売る会社が、導入の背景を説明する記事を必要としているためです。

農業部門、森林部門、水産部門は、案件数こそ多くありませんが、書ける人がほとんどいません。募集が出たときに応募できる状態にしておくと、比較的高い確率で決まります。ニッチな部門ほど、発注側が探しても見つからずに困っているというのが実情です。

取材が入る案件の扱い方

在宅で完結する原稿ばかりではありません。導入事例や技術者インタビューでは、取材が発生します。在宅の仕事として受けるなら、この扱いを最初に決めておく必要があります。

取材の形式は、オンライン会議、電話、現地訪問の三つです。オンラインで済む案件なら在宅のまま受けられます。現地訪問が必要な案件は、交通費と拘束時間の扱いを事前に決めてください。取材の時間そのものが報酬に含まれるのか、別立てなのかを曖昧にしたまま受けると、時間単価が大きく崩れます。

技術者への取材では、資格保有者であることが強く効きます。相手が専門用語で話しても止めずに聞けるからです。一般のライターだと、話し手が説明のために言葉を選び直す必要があり、取材時間が延びます。この差は発注側も認識しており、取材付きの案件で有資格者が優先されるのはこのためです。

取材後の原稿確認では、話し手の意図と技術的な正確さが食い違うことがあります。話し言葉では省略されていた条件を、原稿では補って書く。この判断ができるかどうかが、取材案件で継続的に呼ばれるかの分かれ目になります。

受けないほうがよい依頼

長く続けるには、断る判断が要ります。避けたほうがよい依頼には共通点があります。

効果や安全性を断定させようとする依頼です。「この製品なら絶対に故障しません」といった表現は、景品表示法上の優良誤認にあたる可能性があります。商品を売るページに付く原稿ほど、この圧力が強くなります。書けない理由を根拠とともに伝え、代わりの表現を提案するのが正しい対応です。

競合他社のために書く依頼です。勤務先と同じ分野の企業のメディアに書くことは、就業規則の競業避止条項に触れる可能性があります。分野が近いほど単価は上がるので誘惑がありますが、ここは避けてください。

修正が無制限の依頼です。回数の上限がない契約は、事実上いくらでも作業が増えます。上限を決められない相手とは組まないほうが安全です。

極端に安い依頼です。確認と執筆に5時間かかる原稿を数千円で受けると、時間単価は本業を大きく下回ります。安い案件を数で埋める働き方は、技術ライティングでは成立しません。

契約でつまずきやすい三つの論点

法務の相談を受けていて、書く仕事で問題になりやすいのは決まった箇所です。

第一に著作権です。原稿の著作権を発注側に譲渡する条件が入っているのが一般的で、これ自体は珍しくありません。確認すべきは、譲渡の範囲と、著作者人格権を行使しない旨の条項が入っているかどうかです。行使しない旨の条項がある場合、後から自分の名前を出すよう求めたり、改変に異議を述べたりできなくなります。実績として公開したいなら、公開してよい範囲を契約時に決めてください。

第二に秘密保持です。技術士法(昭和58年法律第25号)第45条は、業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないと定め、技術士でなくなった後も同様としています。罰則も設けられています。これは契約書の有無にかかわらず課される義務です。加えて、勤務先で知った情報を副業の原稿に書くのは、就業規則上の秘密保持義務にも触れます。書ける範囲は「公開されている情報と、自分の一般的な専門知識」に限ると考えておくのが安全です。条文はe-Gov法令検索の技術士法で確認できます。

第三に取引条件の明示です。2024年11月に施行されたフリーランス保護の法律により、発注側には業務内容、報酬額、支払期日などを書面や電磁的方法で明示する義務があります。口頭だけで進む案件は、この時点で見直しを求めて構いません。条件を書面で求めるのは、面倒な相手だと思われる行為ではなく、法律が想定している正当な手続きです。

技術士の名称を出して書くとき

署名記事として名前を出す場合、名称表示の決まりに従う必要があります。

技術士法第46条は、業務に関して技術士の名称を表示するときは、登録を受けた技術部門を明示しなければならないと定めています。「技術士 〇〇」だけでは足りず、「技術士(電気電子部門)〇〇」のように部門まで書きます。発注側がこの決まりを知らないことが多いので、著者表記の形は書き手から指定してください。

同法第44条は信用失墜行為を禁じています。内容を確認していない原稿に名前を出す、事実と異なる経歴を書く、といった行為はここに触れる恐れがあります。

なお、技術記事を書く行為そのものを技術士だけができると定めた規定はありません。技術士は名称を独占する資格であって、執筆を独占する資格ではないという理解が正確です。特定の届出書類や申請書類の作成については別の法律が関わるため、そこに踏み込む依頼では、根拠となる法令と自分の立場を確認したうえで受けるかどうかを決めてください。

本業がある人が先に確認すること

会社員として勤めながら書く場合、就業規則の副業規定が最初の関門です。届出制か許可制か、競業避止条項の範囲がどこまでか。特に、勤務先と同じ分野の企業のメディアに書く場合は、競業にあたるかどうかの判断が要ります。

公務員や公的機関の職員は、国家公務員法や地方公務員法に営利企業への従事等の制限があり、報酬を伴う業務には許可が必要とされています。技術士には公的機関に勤める人も多いため、所属先の規程を必ず確認してください。

税務では、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になるのが一つの目安です。原稿料は支払時に源泉徴収されることが多く、確定申告で精算する形になります。仕事の探し方や働き方の全体像を確認したい場合はキャリア・副業・人生相談のお仕事が、業務委託で関わる働き方の整理に役立ちます。技術寄りの案件がどう募集されるかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。

受注から納品までの進め方

流れを押さえておくと、初回で戸惑いません。

打診の段階で確認するのは、読者層、文字数、納期、報酬、修正回数の上限、著者名を出すかどうかの六点です。ここが曖昧なまま進むと、後で作業が膨らみます。

次に構成案を出します。見出しの並びと、各見出しで書く内容を数行で示したものです。構成案の段階ですり合わせておけば、本文を書き直す事故が防げます。技術記事では、構成案の提出を報酬に含めるか別立てにするかも決めておきます。

執筆では、参照した資料を書きながら記録します。後からまとめて思い出そうとすると必ず抜けます。数値には条件を、規格には番号を、その場で添えてください。

納品後の修正は、事実の誤りと、表現の調整を分けて扱います。事実の誤りはこちらの責任なので無償で直します。表現の好みによる書き直しが繰り返される場合は、回数の上限を根拠に追加費用を提示して構いません。

請求では、源泉徴収の有無と消費税の扱いを確認します。原稿料は源泉徴収の対象になることが多く、入金額が請求額と違って驚くことがあります。

書式と用語の統一が評価される

技術者が書いた原稿で編集者に喜ばれるのは、内容の正しさだけではありません。書式が最初から整っていることです。ここは一度型を作れば毎回使い回せるので、費用対効果がとても高い部分になります。

用語の統一が第一です。同じものを指す言葉が原稿の中で揺れていると、編集側が全文を確認して直す必要が出ます。「配管」と「パイプ」、「点検」と「検査」、「劣化」と「経年変化」。どちらを使うかを決めて、原稿の冒頭に用語の一覧を添えておくと、それだけで扱いやすい書き手になります。

単位の表記も揃えます。数値と単位の間に空白を入れるか、記号で書くか綴りで書くか、桁区切りをどうするか。発注側に指定があればそれに従い、なければ自分の型を明記します。

見出しの粒度も重要です。一つの見出しの下に入る文章量を揃えると、読み手が構造を把握しやすくなります。技術者が書く原稿は、詳しい部分だけが極端に長くなりやすいので、書き終えたあとに見出しごとの分量を数えて調整する習慣をつけてください。

図表の指定を原稿に含めることも有効です。「ここに比較表を入れる。列は工法名、施工期間、概算費用、適用できない条件」といった形で、中身まで指定する。制作側は図表の作成に手間をかけているので、この指定があると作業が大きく減ります。原稿の中で図表を自分で作る必要はありません。設計だけ示せば十分です。資料作成の道具そのものに関心があるならAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような制作系の資格ガイドも、発注側が使っているツールを理解する手がかりになります。

参照した資料の一覧を末尾に付けるのも忘れないでください。公的機関の公表資料、規格の番号、業界団体の統計。これがあると、編集側が内容を確認する時間が減り、次も同じ人に頼もうという判断につながります。

運営者として見てきたこと

在宅の仕事の市場を20年見てきた立場から言うと、専門知識を持つ書き手で長く続いている人は、書く量を増やすのではなく、任される範囲を広げています。最初は記事を一本書くだけだったのが、構成の設計、他のライターの原稿の確認、企画そのものの相談へと広がっていく。この流れに乗れた人は、単価の交渉をほとんどしていません。役割が変わるので、報酬の枠組みごと変わるからです。

もう一つ、手取りの構造の話をします。同じ5万円の原稿料でも、仲介手数料が20%差し引かれる経路と、手数料0%の直接取引とでは、受け手に残る額が明確に違います。この差は依頼する側にも意味があります。同じ予算でより多くの原稿を頼めるからです。運営者として見てきた限りでは、最初の実績づくりに仲介型を使い、関係ができた相手とは直接契約に移す人が、年間の手取りを安定させています。案件の探し方そのものを整理したい場合はフリーランス 案件紹介 ライター 案件獲得の全技術!2026年最新ガイドが全体像をまとめています。

最初の一本をどう取るか

やることは三つです。書ける分野を技術部門とともに明記する。過去に書いた文章がなければ、公開情報だけで一本サンプルを書いておく。そして、募集が出ている場所に応募する。

サンプルの題材は、自分が普段扱っている設備や工程のうち、公開情報だけで説明できるものを選びます。社内の事例を使う必要はまったくありません。むしろ、公開資料だけで書けるという事実そのものが、秘密保持の意識がある書き手だという証明になります。

サンプルは長い必要がありません。2,000字程度で、数値に条件を添え、規格番号を正確に引き、例外を一つ書く。この形が示せていれば、編集者は判断できます。文章の巧拙より、根拠の扱い方を見ているからです。

応募のときに書く自己紹介文にも型があります。技術部門、実務年数、扱ってきた設備や工程、書ける分野、対応できる納期。この五つを箇条書きで示すだけで十分です。勤務先の名称は許可がなければ書けないので、「大手設備メーカーで20年」のような表現に留めます。長い経歴文より、書ける分野が具体的に並んでいるほうが、発注側は判断しやすくなります。

検索から人が来る仕組みを理解しておくと、発注側と話が通じやすくなります。SEO対策・MEO対策の副業で稼ぐ方法|必要なスキルと案件相場を一度読んでおくと、記事がどう評価されるかの枠組みがつかめます。資格はすでに手元にあります。足りないのは、書ける人だと見つけてもらう場所だけです。

よくある質問

Q. 文章を書いた経験がなくても技術ライティングは受けられますか?

受けられます。この仕事で評価されるのは文章の巧拙ではなく、数値に条件を添える、規格や法令の番号を正確に引く、例外を書く、といった根拠の扱い方です。まずは公開情報だけで2,000字程度のサンプルを一本作り、その形を示せる状態にしてください。構成案の提出から関わると、編集側との認識のずれも防げます。

Q. 技術ライティングの単価はどのくらいですか?

一般向けの技術解説記事で文字単価3円から8円あたりが一つの帯で、有資格者を前提とした案件では10円を超える提示も見られます。技術者向けの専門記事やホワイトペーパー、技術資料では記事単位で5万円から20万円という募集も出ます。クラウドソーシング型の低単価案件は入口として一度使い、実績ができたら高単価の型へ移るのが現実的です。

Q. 書いた記事に自分の名前を出すとき、注意点はありますか?

技術士法第46条により、業務に関して技術士の名称を表示するときは登録を受けた技術部門を明示する必要があります。「技術士(電気電子部門)」のように部門まで書いてください。また、著作者人格権を行使しない旨の条項が契約に入っていると、後から著者名の表示を求められなくなります。実績として公開したい場合は、公開してよい範囲を契約時に決めておきます。

Q. 勤務先で知った内容を記事に書いてもよいですか?

書けません。技術士法第45条は業務上知り得た秘密を漏らすことを禁じ、技術士でなくなった後も同様と定めており、罰則もあります。さらに就業規則上の秘密保持義務も重なります。原稿に書いてよいのは、公開されている情報と、自分の一般的な専門知識の範囲に限ると考えてください。判断に迷う内容は、書かない選択が安全です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月19日最終更新:2026年9月1日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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