技術士の副業の始め方

長谷川 奈津
長谷川 奈津
技術士の副業の始め方

この記事のポイント

  • 技術士 副業 始め方を
  • 順番どおりに整理しました
  • 就業規則の確認から提供メニューの決定

技術士 副業 始め方と検索する人が最初につまずくのは、たいてい技術の話ではありません。「勤め先に何をどう申請すればいいのか」「契約書は誰が作るのか」「報酬をもらったら税金はどうなるのか」という、資格とは別の領域です。これ、知らないまま走り出してしまう人が本当に多いんです。

技術士の資格を持っている時点で、専門的な判断ができることは証明されています。足りていないのは、その判断を「外部の相手に売る」ための手続きの知識です。この記事では、その手続きを順番に並べます。技術の中身には踏み込みません。試験の話も、資格の取り方の話もしません。すでに持っている人が、明日から何をすればいいかだけを書きます。

順番が大事です。飛ばすと後で戻ることになる工程がいくつかあるので、上から順に確認してください。

手順の全体像

先に全体を見せておきます。細かい理由は後で説明します。

第一に、勤め先の就業規則を確認して、副業の申請を出します。第二に、自分が売る仕事の中身を決めます。第三に、仕事を探す場に登録して、プロフィールを整えます。第四に、応募して初回の案件を取ります。第五に、契約の条件を書面で確定させます。第六に、納品して請求します。第七に、税務の手続きをします。

七つあります。多く見えますが、第一と第二は一度やれば済み、第三も最初だけです。二件目以降は第四から第七の繰り返しになります。

つまり、面倒なのは最初だけです。ここを丁寧にやっておくと、あとがずっと楽になります。

第一段階 勤め先の就業規則を確認して申請する

ここを飛ばす人が一定数いますが、絶対に飛ばさないでください。後から発覚したときの損失が、副業の収入をはるかに上回ります。

確認すべき条項は三つ

就業規則を開いたら、まず次の三つを探してください。

一つ目は、兼業や副業に関する条項です。「会社の許可なく他に雇用されない」「事前に届け出る」といった書き方がされています。許可制なのか届出制なのか、そもそも規定がないのかで、必要な手続きが変わります。

二つ目は、競業避止に関する条項です。技術士の副業で最も問題になりやすいのがここです。同じ分野の技術的助言を他社に提供することは、勤め先から見れば競合への利益供与に見える可能性があります。「在職中は競業する事業を行わない」といった条項があれば、受ける相手の選び方に制約がかかります。

三つ目は、秘密保持に関する条項です。勤め先の技術情報を副業先に持ち出さないのは当然として、「業務上知り得た情報」の範囲がどこまでかを確認してください。設計手法やノウハウまで含む書き方をしている規則もあります。

申請書には何を書くか

申請が必要な場合、次の項目を書いておくと差し戻しが減ります。

発注者の名称と業種。業務の内容。稼働する時間帯と月あたりの想定時間。報酬の形態。勤め先の業務との利益相反がないと考える理由。技術士としての秘密保持義務についての認識。

つまり、会社が心配していることを先回りして潰しておくわけです。会社が知りたいのは「本業に支障が出ないか」と「情報が漏れないか」の二点だけです。そこに答えていれば、たいていは通ります。

そして必ず、承認の記録を残る形で受け取ってください。口頭で「まあいいよ」と言われただけでは、担当者が代わった瞬間に無かったことになります。メールでも社内システムでも構わないので、文字で残してください。

※ 就業規則の解釈で判断に迷う場合、また過去に副業を理由とした処分の例がある職場の場合は、労働問題に詳しい弁護士に相談してください。

第二段階 売る仕事の中身を決める

次に、自分が何を提供するのかを決めます。ここが曖昧なまま登録すると、応募しても通りません。

「技術士です」は商品説明にならない

資格名は肩書きであって、商品ではありません。依頼する側は「技術士に頼みたい」と思っているわけではなく、「この困りごとを片付けたい」と思っています。

だから決めるべきは、次の三つです。

どんな困りごとに対応するのか。どんな成果物を出すのか。どれくらいの時間で終わるのか。

たとえば「施工計画書の第三者確認」であれば、困りごとは「社内で確認できる人がいない」、成果物は「指摘事項の一覧と修正案」、時間は「一件あたり三日から五日」です。ここまで決まっていれば、依頼する側は発注の判断ができます。

在宅で完結する形に設計する

副業として続けるなら、移動が発生しない形に設計しておくのが現実的です。現地に行く仕事を入れると、平日の休暇を使うことになり、続きません。

技術士の専門性を在宅で提供する形としては、次のようなものが典型です。技術文書の作成と改訂。設計成果物のレビューと照査。オンラインでのスポット相談と技術顧問。研修教材の作成とオンライン講師。専門メディアの執筆と技術監修。

業界メディアも、この整理とほぼ同じ内容を挙げています。

技術士の副業には、専門知識を活かした「技術顧問」「技術コンサルタント」をはじめ、 「技術文書作成」「講師」「スポット相談」など、比較的短時間で成果が出せる仕事が多くあります。 どれも本業の経験を活かせる内容で、企業からの信頼性も高いのが特徴です。 ここでは、代表的な副業と報酬の目安を紹介します。 出典: jobhouse.jp

「比較的短時間で成果が出せる」という点が、副業として成立するかどうかの分かれ目です。数か月拘束される仕事は、本業がある人には回りません。

やらない仕事も決めておく

始める前に「受けない仕事」を決めておくと、後で断りやすくなります。

技術士法には義務規定がいくつか置かれています。信用失墜行為の禁止(第44条)、秘密保持義務(第45条)、公益確保の責務(第45条の2)です。これらは副業だからといって緩むものではありません。条文は法令データ提供システムの技術士法で確認できます。

つまり、名義だけを貸してほしいという依頼、内容を確認せずに承認だけしてほしいという依頼は、受けてはいけません。「照査してほしいが図面は見せられない」といった依頼も同じです。断る理由を法律に置いておくと、角を立てずに断れます。

また、書類の作成そのものを代理する仕事には、他の法律で有資格者の独占業務とされている領域があります。補助金の申請書類、許認可の申請書類がこれに当たる場合があります。技術的な内容の助言にとどめるのか、書類作成に踏み込むのかで扱いが変わるので、業務範囲は必ず文書で確認してください。行政書士の業務範囲の概要は行政書士で確認できます。判断に迷う内容であれば、受注前にその分野の専門家に確認してください。

第三段階 仕事を探す場に登録してプロフィールを整える

売るものが決まったら、置き場所を用意します。

経路は三つある

一つ目は、過去の取引先や元同僚からの直接の依頼です。成約率は最も高いのですが、待っているだけでは来ません。近況を伝えておく、専門分野を明示しておくといった下準備が要ります。

二つ目は、業務委託のマッチングサービスです。技術文書の作成、監修、オンライン相談といった案件が掲載されています。副業としての入口としては、ここが最も再現性があります。

三つ目は、業界団体や学会経由の紹介です。時間はかかりますが、単価の高い仕事につながりやすい経路です。

副業を始めるときの一般的な流れは副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめにまとまっています。技術士に限らず共通する部分が多いので、全体像を掴む材料として先に読んでおくと理解が早くなります。

プロフィールに書くこと

プロフィールで見られているのは、経歴の長さではありません。「何を頼めるか」が読み取れるかどうかです。

書くべき順番は、対応できる業務の種類、対応できる分野、成果物の形式、想定される所要時間、稼働できる曜日と時間帯、そして最後に資格と経歴です。資格を先頭に置きたくなりますが、依頼側にとっては最後で十分です。

守秘義務がある以上、過去の成果物をそのまま載せることはできません。実績は対象を特定できない形に抽象化します。「自治体向け技術基準の解説文書、約2万字、改訂対応を含む」といった書き方です。発注者名、地名、固有の数値は落とします。

公開情報だけを使って自分で作ったサンプルを一つ用意しておくと、選考で強く効きます。公開されている基準類の要約と論点整理を3,000字程度でまとめておくだけで、文章力と論点整理の力が伝わります。

隣接する専門職の相場感も掴んでおくと、自分の位置づけが見えてきます。文書を書く仕事の水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、技術系職種の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場に職業分類ごとの数字が整理されています。

手元に用意しておくもの

始める前にそろえておくと、初回の案件で慌てずに済むものがあります。

まず、副業用のメールアドレスです。勤め先のアドレスを使うのは論外ですし、家族と共有している私用アドレスも避けたほうが無難です。専用のアドレスを一つ用意し、そこに副業関連の連絡を集約します。

次に、作業環境の分離です。機密性のある資料を扱う以上、家族と共用の端末で開くのは避けてください。専用の端末を用意するのが理想ですが、難しければ少なくともログインアカウントを分け、作業用のフォルダを暗号化しておきます。案件が終わったら受領資料を削除し、削除した旨を発注者に伝える。この一手間が、次の依頼につながります。

三つ目は、オンライン会議の環境です。技術相談は会議形式で行うことが多く、音声が途切れると相談の質がそのまま落ちます。有線での接続、外付けのマイク、図面を共有したときに文字が読める画面。この三点は最低限そろえておきたいところです。

四つ目は、請求書のひな型と帳簿です。会計ソフトを使えば、請求書の発行から仕訳まで一本でつながります。一件目の請求が発生してから慌てて用意すると、支払期日の確認や消費税の扱いで手が止まります。登録した時点で作っておくのが結局いちばん早いです。

第四段階 応募して初回の案件を取る

登録が終わったら応募します。ここでの通し方には型があります。

応募文の構成

三段構成にしてください。

一段目で、案件の要件のうち自分が確実に満たすものを名指しします。「募集要項にある○○の確認業務について、同種の業務を担当した経験があります」という形です。

二段目で、どう進めるかを具体的に書きます。「初回に対象資料を確認し、指摘事項を一覧で提示します。その後、修正案の提示まで対応します」といった手順です。依頼側が最も知りたいのはここです。

三段目で、稼働できる時間と納期の目安を書きます。「平日夜と土日で週10時間程度、一件あたり五営業日での納品が可能です」という形です。

資格の話は二行で十分です。部門と選択科目を書けば、必要な人には伝わります。

最初の一件は条件で選ばない

最初の案件は、報酬が期待値より低いことが多いのが実情です。ここで撤退する人と、実績として次の交渉に使う人に分かれます。

未経験の分野に入っていくときの考え方は、フリーランス 英語 案件 未経験 始め方!2026年最新の海外副業術にある進め方が参考になります。分野は違いますが、実績がない状態から信用を積む手順という点では同じ構造をしています。

一件目で取りに行くべきものは、報酬ではなく「次に説明できる材料」です。抽象化した実績と、依頼者からの評価。この二つがあれば、二件目の交渉は明らかに楽になります。

断り方も決めておく

受ける基準を決めたら、断り方も一文だけ用意しておいてください。急いで返事を求められると、条件を確認しないまま引き受けてしまいます。

「業務の範囲と納期を書面で確認したうえで、二営業日以内にお返事します」という定型を用意しておくと、その場で判断せずに済みます。断る場合も「現在の稼働状況では品質を担保できないため、今回は見送らせてください」と書けば、関係を壊さずに済みます。断ったことが理由で次の依頼が来なくなる例は、実際にはほとんどありません。むしろ、受けて品質を落とすほうが決定的に効きます。

第五段階 契約の条件を書面で確定させる

ここが法務の本題です。丁寧に見ていきます。

書面で残すべき項目

口頭やチャットの合意だけで進めると、後で必ず揉めます。次の項目は、発注書でも業務委託契約書でも構わないので、必ず文字にしてください。

業務の範囲。成果物の形式と数量。納期。報酬の額と算定根拠。修正対応の回数と範囲。支払い期日と支払い方法。秘密保持の範囲と期間。成果物の権利の帰属。再委託の可否。契約を終わらせるときの手続き。

このうち、技術士の副業で特にトラブルになりやすいのは「業務の範囲」と「修正対応の回数」です。照査や監修は「ついでにここも見てほしい」が発生しやすく、範囲を切っていないと際限なく広がります。「対象は指定された成果物一式、確認は一回、指摘後の再確認は一回まで」という書き方をしておいてください。

秘密保持は契約でも結んでおく

技術士法第45条には秘密保持義務が定められています。これは法律上の義務であり、罰則も伴います。

ただ、法律上の義務があることと、契約で守秘の範囲を定めることは別の話です。何が秘密情報に当たるのか、いつまで守るのか、返却や破棄をどうするのかは、契約で決めておかないと後から争いになります。秘密保持契約を別に結ぶか、業務委託契約の中に条項として入れてください。

作業が終わったら、受領した資料を削除し、削除した旨を発注者に報告する。ここまでやっておくと、後々の説明が非常に楽になります。

発注者側にも義務がある

2024年11月に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、いわゆるフリーランス保護の法律では、業務委託をする側にいくつかの義務が課されています。

具体的には、業務の内容、報酬の額、支払期日といった取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務、報酬を物品などの受領日から60日以内のできる限り短い期間内に支払う義務、一定の場合に禁止される行為の定めなどです。条文は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律で確認できます。

つまり、条件が書面で示されないまま作業を求められた場合、それは相手側の運用に問題がある可能性があります。相談件数が急増しているのもこの部分です。法律はあなたの味方なので、条件の明示を求めることに遠慮は要りません。

※ 具体的な違反かどうかの判断や、実際にトラブルが起きた場合の対応は、公正取引委員会や中小企業庁の相談窓口、または弁護士に相談してください。

第六段階 納品して請求する

納品と請求は、事務としては単純ですが、抜けやすい点があります。

納品時には、何を納めたのかを文字で残してください。「指摘事項一覧(Excel、23項目)と修正案(Word、8ページ)を送付しました」という形です。後から「受け取っていない」と言われたときの唯一の証拠になります。

請求書には、請求日、請求先、件名、業務期間、金額、消費税、振込先、支払期日を書きます。消費税の扱いは、自分が課税事業者かどうか、取引先がインボイスを求めるかどうかで変わります。適格請求書発行事業者の登録をしていない場合、取引先によっては報酬の調整を求められることがあります。この点は受注前に確認しておいたほうが安全です。

報酬から源泉徴収される場合もあります。原稿料や講演料は源泉徴収の対象です。手取りが想定より少なくなることがあるので、見積もりの段階で「源泉徴収の有無」を確認しておいてください。

第七段階 税務の手続きをする

最後が税務です。ここは後回しにしがちですが、年が明けてから慌てると大変です。

給与所得者で、副業の所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。ここでいう所得は、売上から必要経費を引いた金額です。売上そのものではありません。

継続的に受注する見込みがあるなら、開業届の提出を検討してください。青色申告を選べば控除の適用を受けられる場合がありますが、その分だけ帳簿の要件も厳しくなります。どちらが有利かは所得の規模によって変わります。

経費として計上できるものには、業務に使うパソコンやソフトウェア、専門書、業界団体の会費、通信費の按分などが考えられます。家事按分の考え方や、何がどこまで経費になるかは個別事情で変わるため、国税庁の案内を確認し、判断に迷う場合は税理士に相談してください。

帳簿づけは、月に一度まとめてやる習慣にしておくと破綻しません。会計ソフトを使えば、請求書の発行から仕訳まで一本でつながります。副業を始めた月から記録を始めるのが結局いちばん楽です。

立ち上げでつまずきやすい点と、その回避

相談を受けていて繰り返し出てくる失敗があります。先に知っておけば避けられるものばかりなので、四つ挙げておきます。

稼働できる時間を多めに見積もってしまう

最も多い失敗がこれです。「平日夜に2時間、土日に4時間ずつ、月に40時間は使える」と計算して受注し、実際には半分も取れずに納期を落とす。

技術士が受ける仕事の多くは、まとまった集中時間を必要とします。照査も、文書の作成も、細切れの30分を積み上げて進む種類の作業ではありません。本業で疲れた平日の夜に、専門的な判断を要する作業がどれだけできるかは、始める前に一度試してみたほうがいいです。

現実的なのは、月10時間から20時間程度から始めることです。少なく見えますが、判断を売る仕事は時間あたりの価値が高いので、この範囲でも十分に成立します。足りなければ増やせばよく、逆に減らすのは信用に傷がつきます。

見積もりに調べ物の時間を入れ忘れる

技術文書の作成でも照査でも、実際に手を動かす時間より、基準類を確認したり過去の事例を探したりする時間のほうが長くなることがあります。

見積もりを出すときは、作業時間だけでなく、資料の読み込み、基準の確認、質問と回答のやり取りに要する時間を含めてください。「事前準備を含む」と明記しておけば、後から追加を請求する必要もなくなります。

修正対応の範囲を決めずに受ける

「一度見てもらえれば」と言われて受けた仕事が、三回、四回とやり取りが続く。これも典型的な例です。

契約の段階で「指摘は一回、指摘後の再確認は一回まで。それを超える場合は別途見積もり」と書いておいてください。相手も悪気があるわけではなく、決めていないから際限なく頼んでしまうだけです。線を引くのは、双方のためになります。

本業の情報をうっかり使ってしまう

これがいちばん怖い失敗です。長年その分野で仕事をしていると、どこまでが公開されている知識で、どこからが勤め先の固有の情報なのかの境界が曖昧になります。

回避策は単純で、副業の成果物に書く根拠は、必ず公開されている資料に紐づけることです。「経験上こうなる」で書きたくなったときこそ、根拠になる公開資料を探してから書く。手間はかかりますが、これを習慣にしておくと、後から問題になることがまずありません。

※ 万が一、情報の取り扱いで疑義が生じた場合は、自己判断で処理せず、勤め先の法務部門または弁護士に相談してください。

運営者として見てきたこと

在宅ワークの市場を長く運営してきた立場から、資格を持つ人の始め方について気づいたことを書いておきます。

うまく立ち上がる人には共通点があります。売る商品を先に決めていることです。「技術士なので何かできます」ではなく、「この種類の書類を、この観点で、この期間で確認します」と決めてから登録している。決まっている人は一件目が早く、決まっていない人は登録したまま何か月も動きません。差はスキルではなく、この一点にあります。

もう一つ。長く続く人は、単発の作業をこなすのではなく「この人に聞けば早い」という関係を作ることに時間を使っています。初回の依頼で、聞かれていない論点を一行添えて返す。次に問題になりそうな箇所を先に指摘する。こうした積み重ねが、翌年の顧問契約に変わっていくのを何度も見てきました。

報酬の構造についても一点。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、依頼側は同じ予算でより多く頼めますし、受け手には額面がそのまま残ります。手数料0%という条件は、単に手取りが増えるという話ではなく、双方が得をする構造になっているという意味です。判断を売る仕事は一件あたりの単価が高くなりやすいため、差し引かれる割合の影響も大きくなります。どういう構造の場で取引するかは、単価そのものと同じくらい効いてきます。

技術系の分野は、生成AIの普及で下書きを作る工程が短くなり、その分だけ「確認できる人」の価値が上がっています。この変化の全体像はAI 始め方ガイド!初心者が仕事や副業でAIを使いこなす5ステップAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に整理されています。技術士が関わる監修の仕事は、この流れのなかでむしろ増えています。

まずは第一段階の就業規則の確認から始めてください。ここが片付けば、残りは順番に進むだけです。

よくある質問

Q. 技術士の副業は何から始めればいいですか?

勤め先の就業規則の確認と副業の申請からです。副業条項、競業避止条項、秘密保持条項の三つを確認し、承認は必ず記録に残る形で受け取ってください。その後に、売る仕事の中身を「困りごと・成果物・所要時間」の三点で決めます。この順番を逆にすると後で戻ることになります。

Q. 契約書は自分で用意する必要がありますか?

発注者側が用意することが多いのですが、内容は必ず自分で確認してください。業務の範囲、修正対応の回数、支払期日、秘密保持の範囲、権利の帰属は特に重要です。フリーランス保護の法律により、発注側には取引条件を書面などで明示する義務があるため、条件の明示を求めることに遠慮は不要です。

Q. 会社にばれずに副業することはできますか?

勧められません。就業規則に副業の届出や許可の定めがある場合、無申告での受注は規則違反となり、発覚時の不利益が副業の収入を上回ります。住民税の通知から把握される経路もあります。申請書に利益相反がない理由まで書いて、正面から承認を取るほうが結果的に楽です。

Q. 副業の収入がいくらから確定申告が必要ですか?

給与所得者の場合、副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得は売上から必要経費を引いた金額なので、売上そのものではありません。継続して受注する見込みがあれば開業届の提出も検討してください。判断に迷う場合は国税庁の案内を確認し、税理士に相談するのが確実です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月27日最終更新:2026年9月1日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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