ポルトガル語の単価の相場


この記事のポイント
- ✓ポルトガル語の翻訳・通訳の単価がどう決まるのかを
- ✓文字単価・時間単価・分野による差の三つの軸で整理しました
- ✓原文と訳文のどちらで数えるか
ポルトガル語の翻訳や通訳の単価は、いくらが妥当なのか。結論から書きます。単価は言語では決まりません。決めているのは、分野、責任の重さ、納期、そして誰から受けるかの四つです。ポルトガル語だからこの金額、という相場は存在しないと考えたほうが実務に近くなります。
その前提を踏まえたうえで、目安になる数字はあります。この記事では、文字単価、時間単価、分野による差という三つの軸で、単価がどう組み立てられているのかを分解します。読み終えたとき、提示された金額に対して受けるか断るかを自分で判断できる状態になっているのが目標です。
なお、この記事は仕事を受ける側の視点で書いています。発注する側の費用の考え方とは、見る角度が違う点にご注意ください。
単価の基本構造:三つの計り方
翻訳や通訳の報酬は、次の三つのいずれかで計算されます。どれで計るかによって、有利になる案件と不利になる案件が変わります。
| 計り方 | 単位 | 有利になる場面 | 不利になる場面 |
|---|---|---|---|
| 分量単価 | 文字、ワード、行 | 定型的で処理速度を上げられる案件 | 調査に時間がかかる短い文書 |
| 時間単価 | 時間、日 | 分量が読めない、調べ物が多い案件 | 短時間で終わる大量処理 |
| 一式単価 | 案件、成果物 | 繰り返しの継続案件 | 範囲が定まっていない案件 |
初めて取引する相手とは、分量単価か時間単価から入るのが一般的です。一式単価は、作業量が読めるようになってからの選択肢になります。
分量単価は「どちらの言語で数えるか」で金額が変わる
見落とされがちな論点です。日本語からポルトガル語に訳す場合、日本語の原文の文字数で数えるのか、出来上がったポルトガル語のワード数で数えるのかで、支払われる額が変わります。
一般に、日本語の1文字に対して、ポルトガル語のワード数はおよそ0.4から0.6程度に収まる範囲とされます。日本語の1,000文字がポルトガル語で400ワードから600ワード程度になる感覚です。この換算率を知らずに「ワード単価」で合意すると、想定より少ない支払いになることがあります。
見積もりの際は、必ず次の三点を確認してください。どちらの言語で数えるか。数字や記号、固有名詞は文字数に含めるか。繰り返しの多い部分(同じ仕様表が何度も出る場合など)を割り引くか。この三つが決まっていない見積もりは、後で必ず揉めます。
実際に提示されている文字単価の水準
分量単価の目安として、公開されている相場観を見ておきます。翻訳を発注する側のプラットフォームでは、次のような水準が示されています。
翻訳料金は、翻訳者の実務経験・経歴によって変わりますが、一文字あたりの単価は大体10円から20円です。 なお、Workshiftプラットフォームでは、日本語、ポルトガル語間のの翻訳経験が豊富なブラジル人の翻訳者が多数登録しています。これらの翻訳者と直接相談出来る機能も提供しているので、依頼の正式な発注前に翻訳者とやりとりをしてみて下さい。 出典: workshift-sol.com
ここで注意したいのは、この10円から20円という数字が、発注側が支払う金額だという点です。プラットフォームを経由する場合、システム利用料が差し引かれた額が受け手に入ります。一般的なクラウドソーシングの手数料は16.5%から20%の水準で設定されており、年間で見ると無視できない差になります。表示単価と手取りは別物として計算してください。
分野による差が最も大きい
正直なところ、単価の議論で言語の話をするのは的外れです。同じポルトガル語でも、分野によって単価は数倍動きます。
単価が低くなりやすい領域
一般的な文章、商品説明、SNSの投稿文、社内の連絡文書。これらは調べ物が少なく、誰でも一定の水準で仕上げられるため、価格の競争が起きやすい領域です。
さらに、ポルトガル語という言語自体の構造的な事情もあります。発注側の解説では次のように説明されています。
翻訳の難易度によって費用が変わることもあります。ポルトガル語は約2億5000万人が利用するメジャーな言語で、翻訳者の人数も多いため、他言語より翻訳の単価が安い傾向にあります。一方で、専門文書・公的文書は内容の調査などに時間がかかり、文書そのものの難易度が高いため、翻訳費用が相場より高くなることもあります。翻訳したい原稿の分野・内容によっては翻訳を断られる場合もあるため、事前に翻訳可能かどうかを確認しましょう。 出典: crowdworks.jp
話者が多く対応できる人も多いため、汎用の案件では単価が上がりにくい。この構造は変わりません。したがって、単価を上げたいなら分野を動かすしかない、という結論になります。
単価が高くなりやすい領域
同じ文書量でも、次の条件が付くと単価は上がります。
・専門知識が要る分野(医療、医薬、特許、法務、金融、機械の安全に関わる文書) ・誤訳が事故や損害に直結する文書(取扱説明書の安全表示、契約書、医薬品の情報) ・公的な提出物(申請書類の添付訳文、証明書類) ・短納期(当日、翌日納品) ・話し言葉の即時処理(通訳、逐次、同時) ・映像に合わせる制約がある作業(字幕の文字数制限、口の動きに合わせる吹き替え原稿)
特許や技術文書の領域は、言語を問わず単価が高い代表例です。求められるのは語学力より分野の理解で、参入する人が少ないため価格の競争が起きにくい構造になっています。この領域の実像はフリーランスの特許翻訳|高単価ニッチ翻訳の始め方や特許翻訳のフリーランス|単価相場・必要スキル・案件獲得法【2026年版】に詳しく整理されています。ポルトガル語で同じ構造を作れるかどうかが、単価を動かす最も確実な方法です。
映像に関わる翻訳も、制約が単価に反映される領域です。字幕は一秒あたりに表示できる文字数の制限があり、単純な翻訳とは別の技能が要ります。仕事の内容は映像翻訳・字幕・通訳のお仕事にまとまっています。
時間単価で受けるときの考え方
分量では計れない仕事は、時間で計ります。通訳、会議の同席、問い合わせ対応、原稿の整理、用語集の作成などが該当します。
時間単価を決めるときは、次の順序で逆算するのが確実です。
まず、年間に確保したい所得の額を決めます。次に、そこから経費と税、社会保険料を戻して、必要な売上を出します。そして、年間に稼働できる時間で割ります。ここで重要なのは、稼働時間に「作業していない時間」を含めないことです。営業、見積もり、請求、経理、学習。これらは売上を生まない時間ですが、確実に発生します。実務では、総労働時間のうち請求できるのは6割から7割程度に落ち着くことが多くなります。
例えば、年間の売上目標を480万円とし、年間の総労働を1,800時間、そのうち請求できる時間が7割の1,260時間だとすると、必要な時間単価は3,800円前後になります。この数字を持っていると、提示された案件を受けるかどうかを即座に判断できます。
通訳の案件では、半日、一日といった単位で設定されるのが一般的です。移動時間、事前の資料読み込み、当日の待機。これらが単価に含まれるのか別途なのかを確認しないと、実質の時給が大きく下がります。「拘束時間で計算する」と決めておくのが、双方にとって分かりやすい形です。
通訳の単価は翻訳と別の物差しで決まる
同じ言語の仕事でも、通訳は翻訳と単価の考え方が違います。ここを混同すると、見積もりを大きく外します。
通訳の報酬は、拘束時間で決まります。実際に話している時間ではありません。会議が予定より早く終わっても、拘束の枠で請求するのが一般的な形です。逆に延長した場合の割増も、先に決めておきます。
形態によっても水準が変わります。話者が話し終えてから訳す逐次通訳と、話しながら訳す同時通訳では、負荷がまったく違います。同時通訳は集中の持続に限界があるため、長時間の案件では複数名で交代する体制が前提になります。一人で通しでやってほしいという依頼は、品質の面でも受けるべきではありません。
現場に出る通訳と、電話やオンラインでつなぐ通訳でも条件が変わります。オンラインの場合は移動が発生しない代わりに、音声環境と回線の安定を自分で確保する責任が生じます。接続が切れた場合の扱いを契約で決めておくと、後の議論を避けられます。
事前資料の読み込みも、忘れずに単価へ織り込んでください。専門的な会議では、当日の拘束時間と同じかそれ以上の準備時間がかかることがあります。「資料の事前提供がない場合は対応の範囲を限定する」と伝えておくのは、品質を守るために必要な条件です。
機械翻訳の後編集をどう値付けするか
近年増えているのが、機械翻訳の出力を人が直す形の案件です。ポストエディットと呼ばれる工程で、単価の設計が最も難しい領域でもあります。
発注側は、通常の翻訳より安く済むことを期待して発注します。実際、出力の質が高ければ作業は軽くなります。問題は、出力の質が案件によってまったく違う点です。定型的な文書は軽く済みますが、口語や比喩の多い文章、専門用語が絡む文章では、直すより訳し直したほうが早いという状況が普通に起きます。
したがって、ポストエディットは分量単価で受けるべきではありません。少なくとも、サンプルを実際に処理してから単価を決めてください。全体の5パーセント程度を実際に直し、そこにかかった時間を計り、全体の作業時間を推定する。その時間に自分の時間単価を掛けたものが下限になります。
もう一つ、直す水準の合意も必要です。「意味が通じればよい」のか「公開できる品質にする」のかで、作業量は数倍変わります。前者を軽度、後者を完全と呼び分けて、どちらを求めているかを発注時に確認する運用が広がりつつあります。この確認をせずに受けると、安い単価で完全品質を求められるという最悪の組み合わせになります。
値下げを求められたときの返し方
単価の交渉は、感情ではなく条件の交換として扱うのが確実です。値下げを求められたときに、そのまま応じるか断るかの二択にしないでください。
有効なのは、金額を下げる代わりに条件を変える提案です。
・納期を延ばしてもらう(他の案件と並行できるため、実質の時間単価が上がる) ・作業範囲を狭める(用語集の作成や表記の統一を外し、翻訳のみにする) ・修正回数を減らす(初回納品後の修正を1回までにする) ・分量をまとめて発注してもらう(継続の保証があれば、単価を調整できる) ・支払期日を早めてもらう(資金繰りの改善は実質的な利益になる)
この形で返すと、交渉が「いくらまで下がるか」から「どの条件なら成立するか」に変わります。発注側にとっても選択肢が増えるため、話が前に進みます。
一方で、応じるべきでない要求もあります。単価を下げたうえで納期も短く、範囲も広いという条件は、どこかで必ず破綻します。相手が翻訳の工程を理解していない可能性が高いので、工程を説明したうえで、それでも変わらないなら見送る判断が妥当です。安く受けた案件は、次も安く見積もられます。最初の一件で設定した水準は、その相手との間で長く続くことになります。
誰から受けるかで手取りが変わる
同じ案件でも、経路によって手元に残る額が違います。ここは冷静に比較すべきポイントです。
翻訳会社経由の場合、会社が営業と品質管理と請求を担うため、その分が引かれます。代わりに案件が安定して供給され、支払いも確実です。単価の交渉余地は小さいものの、営業に時間を使わなくて済むという利点があります。
クラウドソーシング経由の場合、案件を自分で探せる代わりに、システム利用料が差し引かれます。プラットフォームの規模は大きく、登録者数の多さが案件の多さにもつながっています。
なかでも業界最大手の「クラウドワークス」は登録者数480万人を超えており、ポルトガル語翻訳の経験豊富な人材やプロの翻訳者も多数登録しています。 出典: crowdworks.jp
登録者が多いということは、案件も多いが競合も多いということです。汎用の案件では価格の競争になりやすく、分野を絞れない段階で入ると単価が下がります。
直接取引の場合、中間の手数料が発生しません。手数料0%で直接つながる形では、同じ予算でも発注側はより多くの分量を頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。個人的には、まずどこかで実績を作り、継続して依頼が来る相手とは直接の取引に移行していくのが最も合理的だと考えています。ただし、直接取引では契約と請求と回収を自分で管理する必要があり、その手間を単価に織り込んでおく必要があります。
単価を上げるための現実的な手順
単価を上げる方法は、大きく四つしかありません。順に検討していきます。
分野を絞る
最も効果が大きい方法です。汎用の翻訳者としてではなく、特定分野の翻訳者として認識されると、価格ではなく指名で仕事が来るようになります。
分野の選び方は、需要と自分の経験の重なりで決めます。ポルトガル語圏との取引が多い産業を考えると、製造業(自動車部品、機械、電子部品)、食品、農業、資源、そして国内の在留者向けサービスが挙がります。前職の経験がこのいずれかに触れているなら、そこが最短の入口です。
分野を絞ると仕事が減ると心配する方がいますが、実際には逆の現象が起きます。分野を明示している人のほうが、発注側から見つけてもらいやすくなります。
責任の範囲を広げる
翻訳だけを納品するのではなく、その前後の工程を引き受ける形です。用語集の作成と維持、複数の訳者の成果物の統一、現地の表記慣行の確認、公開後の修正対応。これらを含めると、単価ではなく契約の単位が変わります。
発注側の視点で言えば、手間が減るなら金額は上げられます。逆に、翻訳だけを切り出して安く買いたい相手には、何を言っても単価は上がりません。相手を選ぶ判断も必要です。
品質の説明ができる状態を作る
「丁寧に訳します」では単価の根拠になりません。どういう基準で品質を担保しているかを言語化できるかどうかが問われます。
参考になるのが、翻訳業界で使われている品質の考え方です。工程の分け方や品質管理の枠組みを扱うJTF翻訳品質認証のような制度を知っておくと、自分の作業を業界の共通語で説明できるようになります。ポルトガル語を直接の対象としていない制度であっても、考え方の枠組みは流用できます。他言語の検定の水準感を知っておくことも有用で、例えば中国語検定(中検)1級の水準は、高難度の言語資格が実務でどう扱われるかの参考になります。
稼働時間の使い方を変える
単価を上げるのではなく、単価の低い仕事を減らすという方法です。作業時間を測り、時間あたりの実収入が低い案件を特定し、それを継続しないと決める。地味ですが、最も確実に手取りが改善します。
測定なしに感覚で判断すると、付き合いの長い相手ほど惰性で続けてしまいます。案件ごとに実働時間を記録するだけで、判断の材料が揃います。
見積もりを出すときに注意すること
ここは実務上の注意点です。提示の仕方ひとつで、後の作業量が変わります。
最低受注料を決めておいてください。短い文書でも、受注、確認、納品、請求の手間は同じように発生します。「1件あたりの最低金額」を設定していないと、数百文字の案件で採算が合わなくなります。
修正回数の上限も決めておきます。「初回納品後の修正は2回まで、それ以降は別途お見積もり」と一行入れるだけで、往復が収束します。
納期の設定では、余裕を持たせた日付を提示してください。前倒しで納品する分には問題が起きませんが、遅れると信用に直結します。急ぎの案件には割増を設定するのが一般的で、これは価格を上げるためではなく、他の案件の順序を組み替える対価です。
権利の扱いも確認します。翻訳物の著作権が誰に帰属するのか、実績として公開してよいのか。公開の可否は次の案件の獲得に影響するため、可能であれば「分野と規模を実績として記載してよい」という条件を入れておくとよいでしょう。
支払いの条件も忘れずに。2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、発注者に取引条件の明示義務と、受領日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に報酬を支払う義務が定められています。条件が文章で示されない取引は、それだけで注意すべき相手だと判断してよいと考えます。
年収として組み立てるときの現実
単価の話は、最終的に年間の収入に接続して初めて意味を持ちます。
ポルトガル語の案件だけで年間の収入をまかなうのは、案件量の面で簡単ではありません。英語や中国語に比べて市場が小さいためです。他言語の市場の構造は中国語翻訳の副業ガイド|需要が高いジャンルと単価の目安で整理されており、比較して読むと自分の言語の位置が掴めます。複数言語に対応する場合の考え方は英語・多言語翻訳のお仕事にまとまっています。
現実的な組み立て方は、収入源を三つ程度に分散させる形です。継続案件で月ごとの土台を作り、単発の案件で上乗せし、教える仕事や執筆で波を埋める。教える形の仕事は時間単位で報酬が決まるため、繁閑の差をならすのに向いています。内容は翻訳・ライティングレッスンのお仕事にまとまっています。
収入の水準を客観的に把握したい場合は、公的統計に基づく分布を見るのが確実です。文章に関わる職種は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、技術寄りの職種と比較したい場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。翻訳という職種単体で見るより、周辺の職種と並べて見たほうが、自分の単価が市場の中でどの位置にあるかが分かります。
単価を語る前に測るべき三つの数字
感覚で単価を判断している人が多いのですが、必要な数字は三つだけです。案件を三件も記録すれば揃います。
一つ目が、1時間あたりに処理できる分量です。日本語からポルトガル語で何文字、逆方向で何ワード。分野ごとに分けて記録します。この数字がないと、分量単価の提示が妥当かどうかを判断できません。
二つ目が、案件ごとの実収入です。受け取った金額を、その案件に使った総時間で割ります。ここでの総時間には、やり取り、見積もり、請求の作業も含めます。この数字を出すと、「単価は高いのに手間がかかりすぎる案件」が可視化されます。実際、単価表だけを見て判断すると、この種の案件を取り逃さずに抱え続けることになります。
三つ目が、月ごとの受注可能量です。自分が無理なく処理できる分量の上限です。これを知らないと、繁忙期に受けすぎて品質を落とすか、断りすぎて閑散期に困るかのどちらかになります。
この三つを持っている人は、提示された条件に対して数秒で答えを出せます。持っていない人は、毎回悩んだうえに、後から後悔する判断をしがちです。単価の交渉力は、話術ではなく記録から生まれます。
支払い条件と為替を単価に織り込む
見落とされがちですが、単価と同じくらい手取りに効くのが支払いの条件です。
国内の発注元であれば、振込手数料をどちらが負担するかを確認してください。1件あたりの金額は小さくても、件数が多いと年間では無視できません。取引条件の明示は発注側の義務とされているので、聞きにくい話ではありません。
海外の発注元から受ける場合は、通貨と為替の扱いが加わります。外貨で受け取る場合、着金までの日数と、受取時の手数料、為替の変動がそのまま手取りに影響します。契約時のレートで固定するのか、着金時のレートによるのかを決めておかないと、想定より少ない金額になることがあります。送金にかかる手数料をどちらが負担するかも同様です。
支払いのサイクルも確認しておきます。月末締めの翌月払いなのか、納品ごとの都度払いなのか。継続案件では締め日と支払日を固定してもらったほうが、資金の見通しが立ちます。単価の交渉が難しい相手でも、支払いサイクルの改善なら応じてもらえることは珍しくありません。金額を動かせないときは、条件を動かす。この発想を持っておくと、交渉の余地は思ったより広く残っています。
運営者として見てきた、単価が動く人と動かない人
在宅の仕事の市場を長く運営してきた立場から言えば、単価が動いている人と動いていない人の差は、技能の差ではありません。説明の差です。
単価が動かない人は、成果物だけを納品します。品質は高いのに、なぜ高いのかが相手に伝わっていない。だから比較されるときは金額でしか比較されません。
単価が動く人は、判断の理由を残します。この用語をこう訳した理由、現地の慣行に合わせて変えた箇所、原文の曖昧な部分をどう解釈したか。この記録が発注側の社内で回覧され、「この人でないと困る」という状態が作られていきます。
もう一つの差が、断る基準を持っているかどうかです。運営者として見てきた限りでは、長く続いて単価も上がっている方ほど、受けない案件をはっきり決めています。専門外、期限が無理、範囲が定まらない、条件が文章で示されない。これらを断ることで、残った案件に時間を使えるようになります。
そして、中間に業者が入らない直接の取引を選んでいる点です。同じ予算でも依頼者はより多く頼め、受け手の手取りは厚くなる。この構造に気づいた方は、案件の数を追うのをやめます。額面の単価より、手元に残る金額と、次の依頼が来るかどうか。長く続ける人が見ているのは、そちらです。
自分の時間単価を一度計算してみてください。分量単価で受けている案件を時間で割り直すだけで、判断の基準ができます。それが、単価の話を感覚から抜け出させる最初の一歩になります。
よくある質問
Q. ポルトガル語の翻訳単価の目安はいくらですか?
発注側が支払う金額として、1文字あたり10円から20円という水準が示されています。ただしこれは分野や難易度によって大きく変わり、プラットフォーム経由の場合は16.5%から20%程度の手数料が差し引かれます。表示されている単価と実際の手取りは別物として計算してください。
Q. ポルトガル語は他の言語より単価が安いのですか?
汎用的な文書では、その傾向があります。話者数が多く対応できる人も多いため、価格の競争が起きやすい構造です。一方で専門文書や公的文書は調査に時間がかかるため、相場より高くなります。単価を上げるには言語ではなく分野を動かすのが現実的です。
Q. 原文と訳文のどちらの分量で計算するのが一般的ですか?
案件によって異なるため、見積もりの段階で必ず確認してください。日本語の1文字に対してポルトガル語のワード数はおよそ0.4から0.6程度に収まる範囲とされ、どちらで数えるかによって支払額が変わります。数字や記号を含めるか、繰り返し部分を割り引くかも同時に決めておくと揉めません。
Q. 時間単価はどのように決めればよいですか?
年間に必要な売上を、実際に請求できる稼働時間で割って算出します。営業や請求、学習の時間は売上を生まないため、総労働時間のうち請求できるのは6割から7割程度と見込んでください。この方法で自分の下限を出しておくと、提示された案件を受けるかどうかを即断できます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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