理学療法士の在宅でできる仕事


この記事のポイント
- ✓理学療法士が副業として在宅で引き受けられる仕事を
- ✓資格が要件になる案件とならない案件に分けて整理しました
- ✓募集文からどちらかを見分ける手順
理学療法士の資格を持っていて、在宅でできる副業を探している。ただ、探してみると「理学療法士 副業 在宅」で出てくるのは訪問リハビリの求人ばかりで、家から出ずにできる仕事が見つからない。この状態で止まっている人は多いです。結論から書きます。在宅でできる仕事は実際にあります。ただし、その仕事を探すときに見るべきなのは職種名ではなく、その募集が「理学療法士でなければ受けられない仕事」なのか「理学療法士だと有利なだけの仕事」なのかという区別です。この区別を先に持つと、募集文を読む速度が変わりますし、受けてはいけない案件も見分けられるようになります。
在宅の仕事を分けているのは、職種名ではない
まず前提を整理します。在宅で受けられる仕事のうち、理学療法士に関係するものは2つの層に分かれています。
1つは、資格を持っていることが応募の条件になっている仕事です。募集文に「理学療法士の資格をお持ちの方」と書かれていて、資格がなければそもそも応募できません。数は少ないのですが、競合も少なく、報酬の水準は高めに設定されます。
もう1つは、資格が条件にはなっていないけれど、持っていると採用されやすくなる仕事です。医療や介護の分野の記事執筆、資料づくり、データの整理。こちらは募集の数が圧倒的に多く、在宅で完結するものがほとんどです。
これ、知らない人が本当に多いんです。理学療法士の副業を探している人の多くは、前者だけを探しています。だから「在宅の仕事が見つからない」という結論になる。実際には、後者の層に理学療法士が入ると、経験のない書き手より有利な位置に立てる場面が相当あります。
理学療法士の活躍の場はオンラインでの「在宅」にまで広がっています。現状の収入や働き方に不安を感じたら、自分に合った副業を選択してみませんか。 出典: medi-jump.com
この2つの層を分けて考えると、自分がどこを狙うべきかがはっきりします。順番に見ていきます。
資格が要件になる在宅の仕事
こちらから整理します。募集の数は少ないのですが、資格を持っていることがそのまま値段になる領域です。
オンラインでの運動や動作に関する助言
ビデオ通話を使って、利用者の動作を見ながら助言をする形の仕事です。企業の健康管理の一環として提供されるもの、介護保険外のサービスとして提供されるもの、スポーツ分野で提供されるものなど、依頼元はさまざまです。報酬は1回30分から60分で3,000円から8,000円程度の幅で設定されることが多く、継続契約になれば安定します。
ただし、この分野は法律上の扱いに注意が必要です。詳しくは後の項で書きますが、医療行為に当たる内容と、健康の維持に関する一般的な助言では、根拠になる法律が変わります。募集の内容がどちらの領域に入るのかを、受ける前に確認する必要があります。
記事や資料の監修
医療系や健康系のWebメディアが公開する記事に、専門家として目を通す仕事です。運動、姿勢、痛み、リハビリの説明。これらを扱う記事は、誤った内容が載ると読者に実害が出るため、監修者を置く媒体が増えています。1本あたり5,000円から3万円程度が相場で、名前と資格を掲載する形が一般的です。
在宅で完結し、納期の調整もしやすいので、本業を続けながら受けやすい仕事です。ただし名前が出る以上、掲載後に本文が書き換えられたときの扱いを契約時に決めておく必要があります。
研修や講座の教材づくり
介護事業所の職員向け研修、企業の腰痛対策の講座、資格取得を目指す人向けの教材。話す仕事そのものではなく、その手前の資料をつくる部分を在宅で請け負う形です。スライドの原案、配布資料、演習の設計。1式で3万円から15万円程度と幅が大きく、内容の専門性と分量で決まります。
用具や機器に関する助言
福祉用具、運動器具、椅子や机といった製品について、開発する側に助言する仕事です。動作の観点から見た問題点の指摘、想定する使い方の整理、説明書の内容確認。製造業の側には動作の専門家がいないことが多く、単発の相談として依頼が出ます。
資格が要件にならない在宅の仕事
こちらは募集の数が多く、在宅で完結するものがほとんどです。資格は応募条件ではありませんが、持っていると採用の判断で効きます。
医療や介護の分野の記事執筆
健康、運動、介護、シニア向けの生活情報。これらの分野の記事は常に需要があり、書ける人が足りていません。文字単価は1円から5円程度が中心で、専門性が高い媒体では10円を超えるものもあります。理学療法士が書く場合、内容の正確さで差がつくため、単価の交渉がしやすくなります。
文章に関わる仕事の報酬水準を把握しておきたい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっているデータが目安になります。専門分野を持つ書き手は、一般的な水準より上で交渉できることが多いので、この数字は下限として見ておくとよいです。
医療事務やレセプトに関わる作業
診療報酬の請求業務や、その周辺の事務作業を在宅で受ける形です。理学療法士の資格そのものは条件になりませんが、医療機関の仕組みを知っていることが作業の速さに直結します。この分野の仕事の中身と始め方は医療事務の在宅副業ガイド|レセプト業務・医療コーディングの始め方にまとまっているので、業務の流れを把握する材料として使えます。
文章の確認や整理の作業
医療系の資料や記事の誤りを見つけて直す仕事、音声データを文字にする仕事、調査結果を表に整理する仕事。専門用語が出てくる分野では、内容が分かる人でないと作業が止まります。校正の分野については校正技能検定を活かす在宅副業|校正・校閲の案件相場と始め方で案件の形と相場が整理されているので、作業の単価感をつかむのに向いています。
相談や助言の仕事
キャリアの相談、働き方の相談、健康の相談。専門資格を活かして相談に応じる仕事は、在宅で完結する形が増えています。募集がどんな言葉で出ているかはキャリア・副業・人生相談のお仕事を見ると分かります。募集文の書かれ方を知っておくと、自分の経験をどう言い換えれば伝わるかの見当がつきます。
募集文から、どちらの仕事かを見分ける手順
ここが実務で一番使う部分です。募集文を見て、その仕事が資格を要件にしているのかどうかを判断する手順を4つに分けます。
応募条件の書き方を見る
「理学療法士の資格をお持ちの方」と書かれていれば前者です。「医療系の知識がある方歓迎」「経験者優遇」と書かれていれば後者です。分かりにくいのは「有資格者優遇」という書き方で、これは資格がなくても応募できるが、あれば選考で有利という意味です。この場合は後者に分類して、提案文で資格の価値を自分から説明する必要があります。
成果物が何かを見る
納品するものが文章や資料であれば、資格が要件でないことが多いです。納品するものが「利用者への助言」「動作の評価」といった行為そのものであれば、資格が要件になる可能性が高くなります。ここは報酬の高さより先に見てください。
誰の指示で動く仕事なのかを見る
医療に関わる行為には、法律上、指示の主体が定められている場面があります。理学療法士及び作業療法士法には、理学療法士が業として理学療法を行うことについての規定があり、医師の指示に関する定めが置かれています。募集文に「医師の指示」への言及があるかどうか、あるいは連携する医療機関が示されているかどうかは、その仕事の性質を判断する重要な手がかりです。
報酬の単位を見る
文字単価、記事単価、時間単価。この3つのどれで提示されているかで、仕事の性質がおおむね分かります。文字単価と記事単価は成果物を納品する仕事、時間単価は行為そのものを提供する仕事に多く使われます。
資格が要件の案件で、踏み越えてはいけない線
ここは慎重に扱う必要があります。堅い話が続きますが、あとから困るのを避けるために先に確認しておく部分です。
理学療法士の業務については理学療法士及び作業療法士法に定めがあり、この法律には名称の使用に関する規定と、業務の実施に関する規定の両方が置かれています。加えて、医師でなければ行ってはならない行為については医師法に定めがあります。オンラインで運動や動作に関する助言を提供する仕事は、内容によってこれらの法律に触れる可能性があります。
問題になりやすいのは、依頼する側がこの線引きを理解していない場合です。「オンラインでリハビリを提供してほしい」という募集が出ていても、依頼元が医療機関ではなく、医師の関与もない構成になっていることがあります。この場合、募集文の言葉をそのまま受け取って始めると、想定していなかった責任を負うことになりかねません。つまり、募集に書かれている業務内容が、どの法律の範囲に入るのかを自分で確認する必要があるということです。
確認すべき点を挙げます。依頼元がどういう事業者か。医療機関との連携があるか。提供する内容が、特定の疾患や症状に対する評価や治療に踏み込むものか、それとも健康の維持に関する一般的な助言にとどまるものか。利用者に既往歴がある場合の扱いをどう決めているか。※判断に迷う内容であれば、契約する前に弁護士や該当分野に詳しい専門家に相談してください。この記事の内容を根拠に「ここまでは大丈夫」と判断しないでください。
法律の条文は個別の事情によって当てはめ方が変わります。同じ「オンライン相談」という言葉でも、中身が違えば結論が変わるということです。募集文の言葉ではなく、実際にやることの中身で判断してください。
資格が要件にならない仕事を、資格持ちが取る意味
「資格が要らない仕事なら、わざわざ理学療法士がやる必要はないのでは」と考える人がいます。実際には逆で、この層こそ資格を持っている人が入る価値があります。
理由は3つです。1つ目は、参入する場所を選べるからです。健康や運動を扱う媒体は多く、そこで書ける人材は不足しています。専門の知識がある書き手は、内容の確認に時間がかからないため、編集する側の手間が減ります。この「手間が減る」という点が、継続の依頼につながります。
2つ目は、報酬の交渉ができるからです。文字単価1円の案件に応募が殺到する一方で、専門分野を扱える書き手を探している媒体は、条件を上げてでも確保したいと考えています。応募の段階で「この分野なら内容の裏取りまで込みで書ける」と示せると、提示額が動きます。
3つ目は、名前を出すか出さないかを選べるからです。勤務先に副業を知られたくない場合、資格が要件の仕事は名前が出る形が多く、選択肢が狭くなります。要件でない仕事なら、名前を出さずに受けることができます。職場の就業規則との兼ね合いを考えると、この点は実務上かなり大きいです。
在宅の仕事に移すときに詰まりやすいところ
臨床の現場から在宅の仕事に移るとき、多くの人が同じところで詰まります。
1つ目は、成果物の形が決まっていない状態で始めてしまうことです。臨床では、その場でやることが決まっています。在宅の仕事では、何をどこまで納品したら完了なのかを、始める前に文字にしておく必要があります。ここを曖昧にすると、修正の依頼が終わらなくなります。
2つ目は、専門用語を落とせないことです。臨床で使っている言葉は、そのまま書くと一般の読者には通じません。在宅の文章の仕事では、この翻訳の作業が仕事の中身そのものです。用語をやさしく言い換える練習を、最初の数本でやっておくと後が楽になります。
3つ目は、時間の見積もりです。文章を書く仕事は、慣れるまで想定の2倍から3倍の時間がかかります。1本目は報酬より、かかった時間を記録することを優先してください。その記録が、2本目以降の見積もりの根拠になります。
臨床から別の働き方に移る過程そのものについてはプログラマー 転職完全攻略!未経験から年収を上げるステップと在宅・副業の実現法で、職種は違うものの、在宅の仕事に移るときの組み立て方が整理されています。手順の作り方という点では共通する部分があります。
在宅の仕事を始める前に片づけておくこと
募集を探し始める前に、先に済ませておくと後が楽になることが3つあります。
1つ目は勤務先の就業規則の確認です。医療機関は副業を届出制にしているところが多く、無断で始めて後から発覚するのが一番こじれます。確認するのは、副業が禁止されているのか届出制なのか、届出が必要なら誰に出すのか、そして「同業他社での勤務」の定義に在宅の文章の仕事が含まれるのかどうかの3点です。文章を書く仕事は「同業」に当たらないと解釈されることが多いのですが、規則の書き方によっては読み方が分かれます。人事に確認しておくのが確実です。
2つ目は、報酬を受け取る口座と、記録の付け方を決めておくことです。副業の所得は、給与以外の所得が年間20万円を超える場合に確定申告が必要になります。始めてから慌てて領収書を探すより、最初の1件の時点で、受け取った金額と経費を1つのファイルに記録する形を決めておく方が早いです。
3つ目は、公開できる形の自己紹介を1枚作っておくことです。勤務先の名前や施設が特定される情報は入れず、どの領域で何年、どういう対象者を見てきたかだけを書きます。「回復期の病棟で、脳血管疾患の方の歩行の再獲得を中心に担当」といった書き方です。応募のたびに書くと消耗するので、先に作って使い回せる形にしておきます。
なお、資格を活かした仕事の中には、書類の作成代行や許認可の手続きのように、別の法律で扱いが定められている領域に触れるものがあります。どういう業務がそちら側に入るのかを知っておくと線引きの感覚が持てるので、行政書士のページで業務の範囲を確認しておくと、募集文を読むときの判断材料になります。
契約するときに確認する条件
在宅の仕事は、条件を書面で確認しないまま始まってしまうことがあります。ここは最初の1件でこそ確認しておいてください。
2024年に施行されたフリーランス保護新法により、発注する事業者には、業務の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電子メール等で明示する義務があります。そして報酬は、成果物を受け取った日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に支払わなければならないと定められています。つまり、「検収が終わり次第お支払いします」と言われたまま何か月も待たされるのは、法律上おかしいということです。
そのうえで、理学療法士が受ける仕事で特に確認すべき項目を挙げます。
作業の範囲がどこまでか。監修の仕事では、1本の確認のはずがシリーズ全体に広がることがあります。「1回の依頼で確認するのは1記事、5,000字までとする」といった形で、単位を決めておきます。
修正は何回まで無償か。文章の仕事では、修正の回数を決めていないと終わりません。2回までを無償、それ以降は追加費用という形が一般的です。
名前と資格をどう掲載するか。監修者として名前が出る場合、どのページのどの位置に、どういう肩書きで、いつまで掲載されるのか。そして、掲載後に本文が書き換えられたときにどうするのか。この最後の項目を決めていないと、自分が確認していない内容の責任を負うことになります。「監修後に本文を変更する場合は再確認を行う」の一文を入れておいてください。
これ、知らない人が本当に多いんです。医療機関に勤めていると、契約の条件は法人が処理してくれます。個人で受けるときは、その後ろ盾がありません。※報酬が支払われない、あるいは明らかに不当な条件を求められている場合は、弁護士や公的な相談窓口に相談してください。
1件目に選ぶ仕事と、避ける仕事
最後に、実際に応募する段階の話をします。
1件目に選ぶべきなのは、成果物の形がはっきりしていて、短期間で終わり、修正の範囲が限られている仕事です。報酬の高さは二の次で構いません。目的は「在宅で受注して納品まで完了した」という事実を作ることだからです。この1件があるかどうかで、2件目以降の通り方が変わります。具体的には、3,000字程度の記事の監修、1本の記事の執筆、短い資料の内容確認あたりが向いています。
逆に、1件目に避けるべきものを挙げます。
作業内容が最後まで書かれていない募集。「詳細は面談で」とだけ書かれているものは、始めてから範囲が膨らみます。
報酬の決め方が示されていない募集。「実績に応じて」「ご相談のうえ」だけで幅すら書かれていないものは、交渉の土台がありません。応募の段階で自分から幅を出し、それで話が進まないなら条件が合わなかったと考えて次に行く方が早いです。
長期の継続契約が前提になっている募集。条件を確かめる前に、月単位の稼働を約束することになります。本業がある状態で受けると、繁忙期に破綻します。
そして、業務内容に法律上の線引きが必要な部分が混ざっている募集。オンラインでの助言の仕事には、内容によって医療行為に当たり得るものが含まれます。募集文の言葉が曖昧なまま始めると、あとから困ります。その部分を外して受けられるかを、応募の段階で確認してください。
応募する数についても触れておきます。1件ずつ丁寧に書いて返事を待つやり方は時間がかかります。同時に3件から5件に応募し、そのうち1件でも進めば十分と考えてください。ただし、冒頭の2行は募集ごとに書き分けます。使い回した文章は担当者から見るとすぐに分かり、分かった時点で読まれません。
本業と並行して回すための時間の組み立て
在宅の仕事が続かない理由の大半は、内容の難しさではなく時間の設計です。臨床の勤務は日によって終わる時刻が読めません。そこに納期のある仕事を重ねると、無理が出ます。
現実的なのは、締切から逆算して作業日を先に確保する形です。たとえば1本の記事の監修を受けるなら、納品日の3日前を作業日として空けておき、当日に何かあっても前後にずらせる余白を作ります。受注の段階で「3営業日いただきます」と伝えておけば、この余白は相手にも共有されます。曖昧に「なるべく早く」と答えると、余白が消えます。
引き受ける本数の上限も先に決めておきます。文章の仕事は、慣れるまで想定の2倍から3倍の時間がかかります。最初の1か月は月に2本まで、慣れてきたら4本までといった形で、上限を決めてから応募する方が結果的に続きます。上限を決めずに来た依頼を全部受けると、本業の勤務に影響が出て、副業そのものを止めることになります。
もう1つ、作業の中身を分解しておくと時間が読めるようになります。記事の監修であれば、通読、事実の確認、表現の指摘、所見のまとめ、の4工程に分けられます。それぞれ何分かかったかを1本目で記録しておけば、2本目からは受注の時点で所要時間が見えます。この記録があると、報酬の交渉でも根拠を示せます。「この分量なら4時間かかるので、この金額でお願いしたい」という説明は、感覚で金額を言うより通ります。
体調の管理も時間の設計の一部です。臨床の勤務は身体を使います。そこに夜間の作業を足すと、続かない人が出ます。作業する時間帯を夜に固定せず、勤務の前や休日の午前に寄せている人の方が、長く続いている印象があります。深夜に書いた文章は精度が落ちるため、確認の仕事では特に向きません。
依頼が途切れたときにやること
在宅の仕事は、依頼が途切れる時期が必ず来ます。媒体の予算の切り替わり、担当者の異動、企画そのものの終了。理由はこちら側にないことがほとんどです。ここで焦って条件の悪い案件を受けると、単価の水準が下がったまま戻らなくなります。
途切れた期間にやるべきなのは、応募を増やすことより、過去に受けた依頼元へ短い連絡を入れることです。「同じ分野で確認が必要な記事があればお声がけください」の一文で構いません。新規の応募より、一度取引のある相手の方が決まる速度が速いです。あわせて、書きためたサンプルを1本増やしておくと、次の応募で使えます。
運営者として見てきたこと
在宅の仕事の仲介を20年見てきた立場から言うと、医療系の資格を持つ人が在宅で成果を出せるかどうかは、専門知識の深さではなく、その知識を依頼側の言葉に置き換えられるかどうかで決まっています。臨床の言葉のまま提案文を書いた人は、資格がない書き手に負けることがあります。逆に、依頼側が困っていることを先に言い当てられる人は、1件目からすぐに継続に入ります。
もう1つ、長く続いている人に共通しているのは、資格が要件の仕事と要件でない仕事を両方持っている点です。資格が要件の仕事は単価が高い代わりに数が少なく、途切れると収入が止まります。要件でない仕事は数が安定している代わりに単価が低い。この2つを組み合わせている人は、どちらかが減っても崩れません。片方に絞って、その分野の募集が減ったときに動けなくなる例は何度も見てきました。
そして、間に手数料が乗らない直接の取引には、金額以上の意味があります。手数料0%の形では、同じ予算でも依頼する側はより多くを頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。運営者として見てきた限りでは、この差がはっきり出るのは、1件目より継続の局面です。手取りが厚いと1件に割ける時間が増え、質が上がり、次の依頼が来る。医療系のように、正確さがそのまま成果物の価値になる分野では、この循環が特に効きます。
法律は、条件を確認して契約を結んだ人の味方です。募集文の言葉ではなく中身で判断し、線引きが曖昧な部分は確認してから受けてください。
よくある質問
Q. 理学療法士が完全に在宅だけで受けられる仕事はありますか?
あります。記事や資料の監修、医療や健康分野の記事執筆、研修教材の作成、オンラインでの助言などは在宅で完結します。訪問リハビリのように移動を伴うものと分けて探すと見つけやすくなります。募集を探すときは職種名ではなく、納品するものが文章や資料かどうかで絞ると効率がよくなります。
Q. 資格が応募条件になっていない案件に、理学療法士が応募する意味はありますか?
あります。健康や運動を扱う媒体は書ける人が不足しており、内容の裏取りができる書き手は編集側の手間を減らせるため、単価の交渉がしやすくなります。名前を出さずに受けられる形が多い点も、勤務先に副業を知られたくない場合には利点になります。
Q. オンラインでリハビリを提供する仕事は法律上問題ありませんか?
内容によって扱いが変わります。理学療法士及び作業療法士法や医師法に触れる可能性があるため、募集文の言葉ではなく実際の業務内容で判断する必要があります。依頼元の事業形態、医師の関与の有無、対象者の状態などを確認し、判断に迷う場合は契約前に専門家に相談してください。
Q. 在宅の仕事の報酬はどのくらいが目安になりますか?
記事の監修は1本5,000円から3万円程度、記事執筆は文字単価1円から5円程度が中心で、専門性の高い媒体では10円を超えることもあります。研修教材の作成は1式3万円から15万円程度と幅があります。いずれも分量と専門性の深さで動くため、条件を添えて幅で提示するのが現実的です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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