店内BGMを1曲だけオリジナルで作りたい|作曲の相場と使用範囲の決め方 2026


この記事のポイント
- ✓BGM制作を依頼したい店舗オーナー・EC事業者向けに
- ✓著作権や使用範囲の決め方を解説します
- ✓仲介手数料を抑えて直接依頼する方法も紹介します
「うちの店だけのオリジナルBGMが欲しい」。そう考えて「BGM 制作 依頼」と検索した方は、おそらく既存の音源使用料や著作権処理に一度は頭を悩ませた経験があるはずです。結論から言うと、店内BGMを1曲だけオリジナルで作る場合の費用相場は5,000円から10万円程度と幅が広く、依頼先の選び方と使用範囲の決め方次第で総コストと満足度が大きく変わります。
BGM制作を依頼する店舗が増えている背景
近年、個人経営の飲食店やアパレル店舗、美容室、EC事業者の間で「既製のフリーBGMではなく、自店舗専用のオリジナル曲を作りたい」というニーズが増えています。背景にあるのは主に3つの要因です。
1つ目は、フリーBGMや商用利用可能な音源サービスの普及によって「BGMがあること」自体が当たり前になり、差別化の材料にならなくなったことです。2つ目は、SNSでの店舗紹介動画やショート動画の投稿が一般化し、動画内で使う音楽の著作権処理を自分たちで管理したいという意識が高まったことです。3つ目は、クラウドソーシングサイトの普及によって、個人クリエイターへの直接発注のハードルが下がったことです。
かつては音楽制作会社に企業として発注するしかなかった領域に、個人事業主でも手が届く価格帯の選択肢が増えました。これは店舗運営者にとって朗報である一方、依頼先の質にばらつきが大きいという新たな課題も生んでいます。実際、価格だけで依頼先を選んで後悔したという声は少なくありません。
手数料0%で直接クリエイターとやり取りできる環境が整ってきたことで、仲介会社を通すコストを削減しながら、質の高い作曲家に依頼できる時代になりつつあります。
BGM制作の依頼先3タイプと料金相場
BGM制作の依頼先は、大きく分けて3つのタイプに分類できます。それぞれ料金相場、納期、品質のばらつきが異なるため、自店舗の予算と目的に合わせて選ぶ必要があります。
タイプ1: 個人クリエイターへの直接依頼
クラウドソーシングサイトやマッチングサービスを通じて、フリーランスの作曲家に直接依頼する方法です。料金相場は5,000円から5万円程度で、インストゥルメンタルのBGMであれば比較的安価に依頼できます。
アマチュアの個人クリエイターの場合、インストゥルメンタルBGMで2週間程度、歌曲で1~2ヶ月程度で制作してくれる方が多いです。相場は1曲5000円(BGM)〜5万(歌曲)ほど。費用を抑えたいという場合に良いでしょう。中には、プロに近いような作曲をしてくれる方もいますが、個人クリエイターのため依頼する人によってはクオリティーが低いこともあります。依頼する際は、サンプルなどを確認して見極める必要があります。 出典: g-angle.co.jp
個人クリエイターへの依頼は費用を抑えられる反面、実績やスキルにばらつきがあるため、過去のポートフォリオを必ず確認することが重要です。特に、店舗用BGMのような「特定の雰囲気を長時間流し続けても飽きないメロディ」を作る技術は、単発の楽曲制作とは求められるスキルが異なります。過去に店舗BGMやアンビエント系の楽曲制作実績があるかどうかを確認しましょう。
タイプ2: 音楽制作会社への依頼
企業として運営されている音楽制作会社に依頼する方法です。料金相場は10万円程度からと個人依頼より高額になりますが、著作権処理や契約面での安心感が大きなメリットです。
プロに依頼する場合、歌ありなら制作に2カ月かかることもありますが、1カ月程度で完成することがほとんど。費用相場は、個人のプロに依頼するケースと大きくは変わらず10万円程度から依頼を受け付けていることが多いです。現役で活躍しているプロの作家、演奏家等を多数抱え、音楽制作の工程を熟知し、著作権等の知識もあるので音楽制作に関する知見や経験が無い場合には一番効率的な方法です。個人とのやり取りではなく企業間のやり取りになるため、トラブルが比較的起こりにくいのも特徴です。 出典: g-angle.co.jp
音楽制作会社は担当者が間に入るため、細かい要望の言語化が苦手な依頼者でも進行しやすいという利点があります。一方で、会社の運営コストが料金に上乗せされるため、同じクオリティを個人クリエイターへの直接依頼で実現できれば、総額を抑えられる可能性が高い点は押さえておきたいところです。
タイプ3: クラウドソーシング経由での依頼
ココナラやランサーズなど、個人クリエイターが出品するプラットフォームを通じて依頼する方法です。実績数や評価が可視化されているため、初めて依頼する場合でも比較検討しやすいのが特徴です。
BGM制作の依頼なら、経験豊富なプロが揃う国内最大級のプラットフォームにお任せください。実績1.0万件、1500人以上の専門家から比較して選べます。YouTube動画、店舗用音楽、展示会BGMなど、個別のニーズに合わせた柔軟な提案が魅力。納得価格で高品質な音源を、まずは無料の見積もり相談から始めてください。作品の世界観を深める最高のサウンドをプロが作り上げます。 出典: coconala.com
このタイプのサービスは仲介手数料として販売価格の16.5%から20%程度がプラットフォームに差し引かれる仕組みが一般的です。年間で何度もBGM制作を依頼する店舗や、継続的に楽曲を発注するEC事業者にとっては、この手数料が積み重なると無視できない金額になります。一度実績のあるクリエイターと出会えたら、次回以降は仲介を通さず直接依頼できる関係を築くことが、コストと品質の両面で合理的な選択と言えます。
BGM制作依頼の流れ
依頼先のタイプに関わらず、BGM制作依頼の基本的な流れは共通しています。あらかじめ流れを把握しておくことで、初めての依頼でも迷わず進められます。
ステップ1: 要件の整理
まず「どんな場面で、どのくらいの長さで、どんな雰囲気の曲が欲しいか」を言語化します。店内BGMであれば、営業時間帯(ランチタイムか夜間か)、店舗のコンセプト(落ち着いた雰囲気かにぎやかな雰囲気か)、ループ再生を前提にするかどうかを整理しておくと、クリエイターとのやり取りがスムーズになります。
参考として流したい既存曲を2、3曲挙げておくと、イメージの共有がしやすくなります。ただし「この曲に似せて作ってほしい」という依頼は著作権的にグレーになりやすいため、あくまで雰囲気の参考として伝えるにとどめましょう。
ステップ2: 依頼先の選定と見積もり比較
要件が固まったら、複数の候補に見積もりを依頼します。料金だけでなく、納期、修正回数の上限、著作権の扱いについても事前に確認しておくことが重要です。特に修正回数は明記されていないと後からトラブルになりやすいポイントです。
私自身、初めて外注したときに見積もり比較を怠り、後から追加料金を請求されて困った経験があります。安さだけで判断せず、契約条件を書面やメッセージで明確に残しておくことの大切さを痛感しました。
ステップ3: 制作とフィードバック
多くの場合、まずデモ音源やラフの提案があり、それに対してフィードバックを行いながら完成に近づけていきます。インストゥルメンタルBGMであれば2週間程度、歌入りの楽曲であれば1カ月から2カ月程度が一般的な制作期間です。
ステップ4: 納品と使用範囲の確認
完成した楽曲を受け取ったら、必ず使用範囲の契約内容を再確認します。次の章で詳しく解説しますが、この確認を怠ると後々トラブルに発展するケースがあるため、納品時点でしっかり確認しておきましょう。
BGM制作の費用相場まとめ
依頼先ごとの費用相場を整理すると、以下のようになります。
| 依頼先 | 料金相場 | 納期の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 個人クリエイター(直接依頼) | 5,000円〜5万円 | 2週間〜1カ月 | 費用を抑えやすいが品質にばらつきあり |
| クラウドソーシング経由 | 1万円〜10万円 | 2週間〜1カ月 | 実績が可視化されるが仲介手数料が発生 |
| 音楽制作会社 | 10万円〜 | 1カ月〜2カ月 | 契約・著作権処理が安心だが割高 |
歌入りの楽曲になると、インストゥルメンタルより制作期間も費用も上がる傾向があります。予算に応じてどちらを選ぶかを決める際は、実際にBGMを流すシーン(店内だけか、SNS動画にも使うか)を先に決めておくことが失敗を防ぐポイントです。
依頼先の選び方で失敗しないためのポイント
BGM制作の依頼で最も多い失敗は「安さだけで選んでしまい、イメージと違う仕上がりになった」というケースです。失敗しないための選び方を3つの軸で整理します。
ポイント1: 過去の制作実績を必ず確認する
依頼先を検討する際は、必ず過去の制作実績(ポートフォリオ)を確認しましょう。特に、依頼したいジャンル(店内BGM、アンビエント、ジャズ、ローファイなど)に近い実績があるかどうかは重要な判断材料です。実績が全くジャンル外のクリエイターに依頼すると、イメージのすり合わせに余計な時間がかかることがあります。
ポイント2: 修正回数と追加料金の条件を事前確認する
見積もり時点で「修正は何回まで無料か」「追加修正1回あたりいくらか」を必ず確認しておきましょう。この条件を曖昧にしたまま制作を進めると、想定外の追加費用が発生するリスクがあります。契約内容は口頭ではなくメッセージやメールなど、文字として残る形で確認することをおすすめします。
ポイント3: コミュニケーションの取りやすさを見る
初回のやり取りで、レスポンスの速さや説明のわかりやすさをチェックしましょう。制作期間中は何度かフィードバックのやり取りが発生するため、コミュニケーションがスムーズに取れるかどうかは完成品の満足度に直結します。
BGM使用範囲の決め方と著作権の注意点
店内BGMを1曲だけオリジナルで作る際、多くの依頼者が見落としがちなのが「使用範囲の取り決め」です。ここを曖昧にしたまま契約すると、後から想定外の制限や追加費用が発生することがあります。
使用範囲は必ず契約時に明記する
BGM制作の契約では、以下の項目を必ず明確にしておく必要があります。
・店内での再生のみか、SNS動画やYouTubeでの使用も含むか ・複数店舗を展開している場合、全店舗での使用が可能か ・使用期間に制限があるか(買い切りか、年間契約か) ・著作権はクリエイター側に残るか、譲渡されるか
これらの条件によって料金体系が変わることが一般的です。例えば「店内再生のみ」であれば比較的安価に依頼できますが、「SNS広告での使用」や「複数店舗展開」まで含めると、追加料金が発生するケースが多くなります。依頼前に自社の利用シーンを整理し、必要な範囲を明確に伝えることが、後々のトラブルを防ぐ最も確実な方法です。
著作権譲渡か利用許諾かを確認する
音楽の著作権には「著作権譲渡」と「利用許諾(ライセンス)」という2つの契約形態があります。著作権譲渡の場合、依頼者が著作権そのものを取得し、自由に使用や再配布ができるようになりますが、料金は高くなる傾向があります。一方、利用許諾の場合はクリエイターが著作権を保持したまま、決められた範囲での使用を許可する形になり、料金は比較的抑えられますが使用範囲を逸脱すると契約違反になります。
店内BGMとしてのみ使う予定であれば利用許諾で十分なケースがほとんどですが、将来的にCM利用やロゴアニメーションへの転用など、活用の幅を広げたい場合は著作権譲渡の契約を検討する価値があります。契約前にクリエイターへ「将来的な用途拡大の可能性」を伝えておくと、後からの再交渉がスムーズになります。
独自データ考察
在宅ワーク市場の求人データを見ると、音楽・BGM制作関連の依頼は、映像制作案件と組み合わせて発注されるケースが目立ちます。例えばMV制作・BGM付き映像のお仕事では、映像とBGMをセットで制作できるクリエイターへの需要が確認できます。単体のBGM制作だけでなく、店舗のプロモーション動画やSNS投稿用の映像制作まで一括で依頼したい場合は、こうした映像とBGMを両方手掛けられるクリエイターに相談すると、依頼先を一本化できて調整の手間を減らせます。
また、楽器演奏・BGM・SEのお仕事では、生演奏やSE(効果音)制作まで幅広く対応するクリエイターの案件傾向がわかります。店内BGMに加えて、入店時のチャイム音や特定シーンで使う効果音まで一括で依頼したい店舗オーナーは、こうした幅広い制作領域をカバーするクリエイターを探すと効率的です。
長くこの市場を見てきた立場から言えば、BGM制作で満足度の高い依頼者ほど、価格交渉よりも先に「使い方の具体的なイメージ」をクリエイターに共有することに時間をかけています。逆に、価格だけを重視して発注した依頼者ほど、後から「イメージと違う」という不満が出やすい傾向が見られます。これは音楽制作に限らず、クリエイティブ全般の外注に共通する構造だと感じます。
運営者として見てきた限りでは、中間マージンが乗らない直接取引には、金額の安さ以上に「関係の築きやすさ」というメリットがあります。仲介プラットフォームを経由すると、クリエイターへの報酬から手数料が差し引かれるため、依頼者が支払う金額と受注者が受け取る金額に差が生まれます。直接依頼であれば、同じ予算でもクリエイターの手取りが厚くなり、結果として継続的な関係を築きやすくなります。1曲だけの単発依頼で終わらせず、次回以降も同じクリエイターに相談したいと考える店舗オーナーにとって、この構造上のメリットは無視できません。
実際、店舗運営を続けていく中で、季節ごとにBGMを変えたい、新商品発売に合わせてジングルを作りたいというニーズが継続的に生まれます。そのたびに新しい依頼先を探すよりも、信頼できるクリエイターと直接つながっておくことで、依頼のたびに一からすり合わせをする手間を省けます。長期的な視点で考えれば、初回の依頼先選びは単発の取引ではなく、今後の関係構築の第一歩として捉える価値があります。
音楽制作に限らず、動画やナレーション、シナリオ制作など、店舗のブランディングに関わる制作物を一括して依頼できるクリエイターを探している場合は、書籍・小説・シナリオ制作のお仕事のような周辺領域の案件傾向も参考になります。BGMと合わせてナレーション原稿や店舗紹介文の制作まで依頼できるクリエイターが見つかれば、店舗のブランディング全体を一貫した世界観で統一しやすくなります。
なお、音楽制作を専門とするクリエイターの単価水準を知る手がかりとして、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような近接クリエイティブ職の相場データも参考にできます。作曲家単体のデータベースは限られますが、クリエイティブ職全般の単価感を把握しておくと、見積もり金額が妥当かどうかの判断材料になります。
まとめとして押さえておきたい判断軸
店内BGMを1曲だけオリジナルで作る場合、依頼先の選択と使用範囲の取り決めが満足度を左右する最大のポイントです。個人クリエイターへの直接依頼であれば費用を抑えられますが実績の見極めが必要になり、音楽制作会社であれば安心感がある分コストは上がります。クラウドソーシング経由の依頼は比較検討がしやすい反面、仲介手数料が発生する点を理解した上で選ぶ必要があります。
契約前には必ず「使用範囲」「修正回数」「著作権の扱い」の3点を明確にし、後からのトラブルを防ぎましょう。そして一度信頼できるクリエイターと出会えたら、次回以降は仲介を経由せず直接依頼できる関係を築くことが、コストと品質の両面で長期的なメリットにつながります。
よくある質問
Q. 店内BGMを1曲だけ依頼する場合、最低限いくら予算を見ておけばいいですか?
インストゥルメンタルの店内BGMであれば5,000円から5万円程度が目安です。歌入りの楽曲や複数店舗での使用を想定する場合は10万円以上を見込んでおくと安心です。
Q. 依頼したBGMをSNS用の動画にも使いたい場合、追加費用はかかりますか?
契約内容によります。店内再生のみの契約でSNS用途を含めていない場合、追加料金が発生するケースが一般的です。依頼前に利用シーンをすべて伝え、契約に含めてもらうことが重要です。
Q. 著作権はクリエイター側に残りますか、それとも依頼者に譲渡されますか?
契約形態によって異なります。利用許諾契約では著作権はクリエイター側に残り、決められた範囲でのみ使用できます。著作権譲渡契約では依頼者が著作権を取得できますが、その分料金が高くなる傾向があります。
Q. 修正回数に制限はありますか?
依頼先によって異なりますが、無料修正は1回から2回までとするケースが多く見られます。追加修正には別途料金が発生することが一般的なため、見積もり時点で条件を確認しておくことをおすすめします。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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